【文献】
J. Leukocyte Biol.,2000年 7月,Vol.68, No.1,p.144-150
【文献】
YANG, W., et al.,Chinese Journal of Cancer Research,1999年,Vol.11, No.2,p.79-84
【文献】
Infection and Immunity,2002年 9月,Vol.70, No.9,p.4977-4986
【文献】
Analytical Chemistry,1994年 3月 1日,Vol.66, No.5,p.585-595
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】抗M-CSF抗体が、オスのサルの総単球数の用量関連性のある経時的な減少を引き起すことを示すグラフを示す。単球数は、Abbott Diagnostics社のCell Dynシステムを用いて光散乱法で決定した。単球数を、溶媒または抗体8.10.3(0 mg/kg、0.1 mg/kg、1 mg/kg、または5 mg/kg;投与容量は3.79 mL/kg)の投与後の24時間〜3週間の期間、約5分間かけてモニタリングした。
図1Aは、オスのサルについて得られた結果を示す。
【
図1B】抗M-CSF抗体が、メスのサルの総単球数の用量関連性のある経時的な減少を引き起すことを示すグラフを示す。単球数は、Abbott Diagnostics社のCell Dynシステムを用いて光散乱法で決定した。単球数を、溶媒または抗体8.10.3(0 mg/kg、0.1 mg/kg、1 mg/kg、または5 mg/kg;投与容量は3.79 mL/kg)の投与後の24時間〜3週間の期間、約5分間かけてモニタリングした。
図1Bは、メスのサルについて得られた結果を示す。
【
図2A】抗M-CSFの投与が、オスのサルにおいてCD14
+CD16
+の単球のパーセンテージの低下を招くことを示すグラフを示す。溶媒または抗体8.10.3(0 mg/kg、0.1 mg/kg、1 mg/kg、または5 mg/kg;投与容量は3.79 mL/kg)の投与後の0〜21日後に、約5分間かけて実施した。検討対象の各個体について、CD14
+CD16
+サブセット中に単球が占めるパーセンテージを各採血時に、8.10.3を注射後の1日目、3日目、7日目、14日目、および21日目に決定した。
図2Aは、オスのサルについて得られた結果を示す。
【
図2B】抗M-CSFの投与が、メスのサルにおいてCD14
+CD16
+の単球のパーセンテージの低下を招くことを示すグラフを示す。溶媒または抗体8.10.3(0 mg/kg、0.1 mg/kg、1 mg/kg、または5 mg/kg;投与容量は3.79 mL/kg)の投与後の0〜21日後に、約5分間かけて実施した。検討対象の各個体について、CD14
+CD16
+サブセット中に単球が占めるパーセンテージを各採血時に、8.10.3を注射後の1日目、3日目、7日目、14日目、および21日目に決定した。
図2Bは、メスのサルについて得られた結果を示す。
【
図3A】抗M-CSFの投与が、総単球のパーセンテージ変化の低下を、単球の試験前レベルと比較して、抗体8.10.3Fおよび抗体9.14.4Iの全用量において招くことを示すグラフを示す。
図3Aは、抗体8.10.3Fを使用した実験で得られたデータを示す。
【
図3B】抗M-CSFの投与が、総単球のパーセンテージ変化の低下を、単球の試験前レベルと比較して、抗体8.10.3Fおよび抗体9.14.4Iの全用量において招くことを示すグラフを示す。
図3Bは、抗体9.14.4Iを使用した実験で得られたデータを示す。
【
図4A】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Aは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体252の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:4の残基21〜127)のアラインメントを示す。
【
図4B】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Bは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体88の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:8の残基21〜127)のアラインメントを示す。
【
図4C】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Cは、生殖細胞系列のV
κL2、J
κ3の配列(SEQ ID NO:107)に対する、抗体100の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:12の残基21〜127)のアラインメントを示す。
【
図4D】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Dは、生殖細胞系列のV
κL5、J
κ3の配列(SEQ ID NO:109)に対する、抗体3.8.3の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:16の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4E】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Eは、生殖細胞系列のV
κL5、J
κ4の配列(SEQ ID NO:117)に対する、抗体2.7.3の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:20の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4F】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Fは、生殖細胞系列のV
κB3、J
κ1の配列(SEQ ID NO:112)に対する、抗体1.120.1の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:24の残基21〜134)のアラインメントを示す。
【
図4G】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Gは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27 J
H6の配列(SEQ ID NO:106)に対する、抗体252の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:2の残基20〜136)のアラインメントを示す。
【
図4H】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Hは、生殖細胞系列のV
H3-7、D
H6-13、J
H4の配列(SEQ ID NO:105)に対する、抗体88の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:6の残基20〜138)のアラインメントを示す。
【
図4I】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Iは、生殖細胞系列のV
H3-23、D
H1-26、J
H4の配列(SEQ ID NO:104)に対する、抗体100の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:10の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【
図4J】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Jは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4の配列(SEQ ID NO:108)に対する、抗体3.8.3の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:14の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4K】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Kは、生殖細胞系列のV
H3-33、D
H1-26、J
H4の配列(SEQ ID NO:110)に対する、抗体2.7.3の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:18の残基20〜137)のアラインメントを示す。
【
図4L】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Lは、生殖細胞系列のV
H1-18、D
H4-23、J
H4の配列(SEQ ID NO:111)に対する、抗体1.120.1の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:22の残基20〜139)のアラインメントを示す。
【
図4M】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Mは、生殖細胞系列のV
κA27、J
κ4の配列(SEQ ID NO:114)に対する、抗体8.10.3の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:44の残基21〜129)のアラインメントを示す。
【
図4N】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Nは、生殖細胞系列のV
H3-48、D
H1-26、J
H4bの配列(SEQ ID NO:113)に対する、抗体8.10.3の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:30の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【
図4O】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Oは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.14.4の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:28の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4P】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Pは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4bの配列(SEQ ID NO:116)に対する、抗体9.14.4の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:38の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4Q】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Qは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.7.2の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:48の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4R】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Rは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H6-13、J
H6bの配列(SEQ ID NO:115)に対する、抗体9.7.2の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:46の残基20〜136)のアラインメントを示す。
【
図4S】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Sは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.14.4Iの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:28の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4T】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Tは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4bの配列(SEQ ID NO:116)に対する、抗体9.14.4Iの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:26の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4U】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Uは、生殖細胞系列のV
κA27、J
κ4の配列(SEQ ID NO:114)に対する、抗体8.10.3Fの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:32の残基21〜129)のアラインメントを示す。
【
図4V】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Vは、生殖細胞系列のV
H3-48、D
H1-26、J
H4bの配列(SEQ ID NO:113)に対する、抗体8.10.3Fの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:30の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【
図4W】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Wは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.7.2IFの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:36の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4X】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Xは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H6-13、J
H6bの配列(SEQ ID NO:115)に対する、抗体9.7.2IFの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:34の残基20〜136)のアラインメントを示す。
【
図4Y】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Yは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.7.2C-Serの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:52の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4Z】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4Zは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H6-13、J
H6bの配列(SEQ ID NO:115)に対する、抗体9.7.2C-Serの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:50の残基20〜136)のアラインメントを示す。
【
図4AA】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4AAは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.14.4C-Serの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:56の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4BB】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4BBは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4bの配列(SEQ ID NO:116)に対する、抗体9.14.4C-Serの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:54の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4CC】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4CCは、生殖細胞系列のV
κA27、J
κ4の配列(SEQ ID NO:114)に対する、抗体8.10.3C-Serの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:60の残基21〜129)のアラインメントを示す。
【
図4DD】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4DDは、生殖細胞系列のV
H3-48、D
H1-26、J
H4bの配列(SEQ ID NO:113)に対する、抗体8.10.3C-Serの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:58の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【
図4EE】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4EEは、生殖細胞系列のV
κA27、J
κ4の配列(SEQ ID NO:114)に対する、抗体8.10.3-CG2の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:60の残基21〜129)のアラインメントを示す。
【
図4FF】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4FFは、生殖細胞系列のV
H3-48、D
H1-26、J
H4bの配列(SEQ ID NO:113)に対する、抗体8.10.3-CG2の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:62の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【
図4GG】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4GGは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.7.2-CG2の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:52の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4HH】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4HHは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H6-13、J
H6bの配列(SEQ ID NO:115)に対する、抗体9.7.2-CG2の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:66の残基20〜136)のアラインメントを示す。
【
図4II】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4IIは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.7.2-CG4の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:52の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4JJ】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4JJは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H6-13、J
H6bの配列(SEQ ID NO:115)に対する、抗体9.7.2-CG4の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:70の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4KK】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4KKは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.14.4-CG2の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:56の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4LL】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4LLは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4bの配列(SEQ ID NO:116)に対する、抗体9.14.4-CG2の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:74の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4MM】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4MMは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.14.4-CG4の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:56の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4NN】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4NNは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4bの配列(SEQ ID NO:116)に対する、抗体9.14.4-CG4の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:78の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4OO】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4OOは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.14.4-Serの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:28の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4PP】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4PPは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4bの配列(SEQ ID NO:116)に対する、抗体9.14.4-Serの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:82の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4QQ】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4QQは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.7.2-Serの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:48の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4RR】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4RRは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H6-13、J
H6bの配列(SEQ ID NO:115)に対する、抗体9.7.2-Serの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:86の残基20〜136)のアラインメントを示す。
【
図4SS】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4SSは、生殖細胞系列のV
κA27、J
κ4の配列(SEQ ID NO:114)に対する、抗体8.10.3-Serの軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:44の残基21〜129)のアラインメントを示す。
【
図4TT】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4TTは、生殖細胞系列のV
H3-48、D
H1-26、J
H4bの配列(SEQ ID NO:113)に対する、抗体8.10.3-Serの重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:90の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【
図4UU】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4UUは、生殖細胞系列のV
κA27、J
κ4の配列(SEQ ID NO:114)に対する、抗体8.10.3-CG4の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:60の残基21〜129)のアラインメントを示す。
【
図4VV】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4VVは、生殖細胞系列のV
H3-48、D
H1-26、J
H4bの配列(SEQ ID NO:113)に対する、抗体8.10.3-CG4の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:94の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【
図4WW】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4WWは、生殖細胞系列のV
κO12、J
κ3の配列(SEQ ID NO:103)に対する、抗体9.14.4G1の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:28の残基23〜130)のアラインメントを示す。
【
図4XX】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4XXは、生殖細胞系列のV
H3-11、D
H7-27、J
H4bの配列(SEQ ID NO:116)に対する、抗体9.14.4G1の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:102の残基20〜135)のアラインメントを示す。
【
図4YY】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4YYは、生殖細胞系列のV
κA27、J
κ4の配列(SEQ ID NO:114)に対する、抗体8.10.3FG1の軽鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:32の残基21〜129)のアラインメントを示す。
【
図4ZZ】抗M-CSF抗体に由来する軽鎖および重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列の、対応する可変領域の遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較時の配列アラインメントを示す。抗体の配列と、生殖細胞系列の遺伝子配列間の差を太字で示す。ダッシュは、生殖細胞系列と変化がないことを意味する。各アラインメントで下線を付した配列は、左から右に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各配列を意味する。
図4ZZは、生殖細胞系列のV
H3-48、D
H1-26、J
H4bの配列(SEQ ID NO:113)に対する、抗体8.10.3FG1の重鎖の可変領域の推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:98の残基20〜141)のアラインメントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の詳細な説明
定義および一般的手法
本明細書で明確に定義しない限り、本発明に関連して使用される科学技術用語は、当業者によって一般に理解される意味をもつものとする。また文脈上で必要とされない限り、単数形は複数形を含むものとし、また複数形は単数形を含むものとする。一般に、本明細書に記載された細胞および組織の培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、ならびにタンパク質および核酸の化学、およびハイブリダイゼーションの手法に関連して使用される命名法は当業者に周知であり、当技術分野で一般に使用される。
【0025】
本発明の方法および手法は一般に、特に明記しない限り、当技術分野で周知であって、本明細書で引用および言及されている、さまざまな一般的な参考文献、および、より専門的な参考文献に記載されている従来の方法にしたがって実施される。これについては例えば、参照として本明細書に組み入れられるSambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989)、およびAusubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、Greene Publishing Associates(1992)、ならびにHarlowおよびLane、「Antibodies:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、 Cold Spring Harbor、N.Y.(1990)を参照されたい。酵素反応および精製法は、当技術分野で一般的に達成される、または本明細書に記載された、製造業者の説明書にしたがって実施される。本明細書に記載された、分析化学、有機合成化学、ならびに医学および薬学化学の実験手順および手法に関連して使用される命名法は当業者に周知であり、当技術分野で一般的に使用されている。化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤化、ならびに輸送、および患者の治療には、標準的な手法が使用される。
【0026】
以下の用語は、特に明記しない限り、以下の意味をもつと理解される。
【0027】
「ポリペプチド」という用語は、天然または人工のタンパク質、タンパク質断片、およびタンパク質配列のポリペプチド類似体を意味する。ポリペプチドは単量体または多量体の場合がある。
【0028】
「単離されたタンパク質」、「単離されたポリペプチド」、または「単離された抗体」という用語は、起源または供給源に関して以下の1〜4つを有するタンパク質、ポリペプチド、または抗体である:(1)天然の状態でともに存在する、天然に結合した成分に結合しないこと、(2)同じ種に由来する他のタンパク質を含まないこと、(3)異なる種に由来する細胞で発現されること、または(4)天然に存在しないこと。したがって、化学合成されたポリペプチド、または天然の細胞とは異なる細胞系で合成されたポリペプチドは、天然の状態で結合した状態の成分から「単離」される。タンパク質は、当技術分野で周知のタンパク質精製法で単離することで、天然の状態で結合した成分を実質的に含まないようにすることもできる。
【0029】
単離された抗体の例には、M-CSFを用いてアフィニティ精製された抗M-CSF抗体、ハイブリドーマまたは他の細胞株によってインビトロで合成された抗M-CSF抗体、およびトランスジェニックマウスに由来するヒト抗M-CSF抗体が含まれる。
【0030】
タンパク質またはポリペプチドは、試料の少なくとも約60〜75%が1種のポリペプチドを示す場合に「実質的に純粋であり」、「実質的に均一であり」、または「実質的に精製されている」。このようなポリペプチドまたはタンパク質は単量体または多量体の場合がある。実質的に純粋なポリペプチドまたはタンパク質は通常、タンパク質試料の約50%、60%、70%、80%、または90%(重量/重量)、より一般的には約95%を含むか、また好ましくは99%を超える割合で純粋である。タンパク質の純度または均一性は、タンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動と、これに続く1本のポリペプチドバンドの、当技術分野で周知の染色剤によるゲルの染色による描出などの、当技術分野で周知の複数の手段で示すことができる。目的によっては、HPLC、または精製分野で周知における他の手段を用いることで、高分解能が得られる場合がある。
【0031】
本明細書で用いる「ポリペプチド断片」という用語は、アミノ末端および/またはカルボキシ末端の欠失を有するが、残りのアミノ酸配列は天然の配列の対応する位置と同一であるポリペプチドを意味する。いくつかの態様では、断片の長さは少なくとも5アミノ酸、6アミノ酸、8アミノ酸、または10アミノ酸である。他の態様では、断片の長さは少なくとも14アミノ酸、少なくとも20アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、または少なくとも70アミノ酸、80アミノ酸、90アミノ酸、100アミノ酸、150アミノ酸、もしくは200アミノ酸である。
【0032】
本明細書で用いる「ポリペプチド類似体」という用語は、アミノ酸配列の一部と実質的な同一性を有し、以下の特性の少なくとも1つを有するセグメントを含むポリペプチドを意味する:(1)適切な結合条件でM-CSFと特異的に結合すること、(2)M-CSFを阻害可能なこと。
【0033】
典型的には、ポリペプチド類似体は、天然型の配列に対して、保存的アミノ酸の置換(または挿入もしくは欠失)を含む。類似体は典型的には、少なくとも20アミノ酸もしくは25アミノ酸の長さであり、好ましくは少なくとも50アミノ酸、60アミノ酸、70アミノ酸、80アミノ酸、90アミノ酸、100アミノ酸、150アミノ酸、または200アミノ酸、またはそれ以上の長さであり、また完全長のポリペプチドを含む場合もある。
【0034】
ある特定の態様において、抗体またはこの抗体結合部分に対するアミノ酸置換は以下の通りである:(1)タンパク質分解に対する感受性を低下させる置換、(2)酸化に対する感受性を低下させる置換、(3)タンパク質複合体を形成する結合親和性を変化させる置換、または(4)このような類似体の他の物理的化学的特性または機能的特性を付与したり修飾する置換。類似体は、通常存在するペプチド配列以外の配列のさまざまな突然変異を含む場合がある。例えば1つまたは複数のアミノ酸の置換(好ましくは保存的アミノ酸置換)は、天然の配列内、好ましくは、分子間接触を形成するドメイン外のポリペプチドの一部に作られる場合がある。
【0035】
保存的アミノ酸置換は、親配列の構造特性を実質的に変化させないはずである。例えば、置換アミノ酸は、親配列に存在する免疫グロブリン結合ドメインを構成する逆平行βシートを変化させたり、または親配列を特徴づける他の種類の二次構造を壊したりする傾向がないはずである。一般的には、グリシンおよびプロリンの類似体を逆平行βシートでは用いない。当技術分野で周知のポリペプチドの二次構造および三次構造の例は、それぞれが参照として本明細書に組み入れられる「Proteins, Structures and Molecular Principles」(Creighton編、W.H. Freeman and Company、New York(1984))、「Introduction to Protein Structure」(C. BrandenおよびI. Tooze編、Garland Publishing、New York、N.Y.(1991));ならびにThorntonら、Nature 354:105(1991)に記載されている。
【0036】
非ペプチド類似体は一般に、テンプレートペプチドの性質に似た性質を有する薬剤として製薬業界で使用されている。このような種類の非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣体(peptide mimeticsまたはpeptidomimetics)」と呼ばれる。これについては、参照として本明細書に組み入れられるFauchere、J. Adv. Drug Res. 15:29(1986);VeberおよびFreidinger、TINS p.392(1985);ならびにEvansら、J. Med. Chem. 30:1229(1987)に記載されている。このような化合物は、コンピュータによる分子モデリングを援用して開発することができる。治療的に有用なペプチドと構造的に類似したペプチド模倣体は、同等の治療または予防の効果を誘導するために使用することができる。一般にペプチド模倣体は、ヒト抗体などのパラダイムポリペプチド(所望の生化学的性質または薬学的性質を有するポリペプチド)と構造的に類似しているが、以下からなる群より選択される結合によって、当技術分野で周知の方法で任意に置換された1つまたは複数のペプチド結合を有する:--CH
2NH--、--CH
2S--、--CH
2-CH
2--、--CH=CH--(シスおよびトランス)、--COCH
2--、--CH(OH)CH
2--、ならびに-CH
2SO--。コンセンサス配列の1個または複数のアミノ酸と、同じ種類のD-アミノ酸との系統的な置換(例えばL-リシンの代わりにD-リシン)を行うことで、より安定なペプチドを作製することもできる。また、コンセンサス配列、または実質的に同一であるコンセンサス配列の変形形態を含む、制約を受けるペプチドを、当技術分野で周知の方法(参照として本明細書に組み入れられるRizoおよびGierasch、Ann. Rev. Biochem. 61:387(1992))で、例えば、ペプチドを環状化する分子内ジスルフィド架橋を形成可能な内部システイン残基を付加することで作製することができる。
【0037】
「抗体」は、完全抗体または特異的な結合に関して完全抗体と競合する抗原結合部分を意味する。これについては一般に、「
Fundamental Immunology」、第7章(Paul, W.編、第2版、Raven Press、N.Y.(1989))(全ての目的に関して全体が参照として組み入れられる)を参照されたい。いくつかの態様において、抗原結合部分は、組換えDNA手法によって、または完全抗体を酵素によりもしくは化学的に切断することで作製することができる。抗原結合部分は特に、Fab、Fab'、F(ab')
2、Fd、Fv、dAb、および相補性決定領域(CDR)断片、単鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、ダイアボディ(diabody)、および特異的な抗原をポリペプチドに十分付与する抗体の少なくとも一部を含むポリペプチドを含む。
【0038】
N末端からC末端に向かって、成熟軽鎖および重鎖の両可変領域は、領域FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」(National Institutes of Health、Bethesda, Md.(1987および1991))、ChothiaおよびLesk、J. Mol. Biol. 196:901-917(1987)またはChothiaら、Nature 342:878-883(1989)に記載された定義に基づく。
【0039】
本明細書では、数字を付して指定される抗体は、同じ数字を付したハイブリドーマから得られるモノクローナル抗体と同じものである。例えばモノクローナル抗体3.8.3は、ハイブリドーマ3.8.3またはこのサブクローンから得られたものである。
【0040】
本明細書では、Fd断片はV
HドメインおよびC
H1ドメインからなる抗体断片を意味する。Fv断片は、抗体の1本のアームのV
LドメインおよびV
Hドメインからなる。またdAb断片(Wardら、Nature 341:544-546(1989))はV
Hドメインからなる。
【0041】
いくつかの態様では、抗体は、V
LドメインとV
Hドメインが対を形成して、1本のタンパク質鎖の形成を可能とする合成リンカーを挟んで一価の分子を形成する単鎖抗体(scFv)である(Birdら、Science 242:423-426(1988)、およびHustonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883(1988))。いくつかの態様では、抗体は二重特異性抗体、すなわちV
HドメインとV
Lドメインを1本のポリペプチド鎖上で発現させるが、非常に短いために同じ鎖上の上記2つのドメイン間で対を形成できないリンカーを用いることで、強制的にドメインを、別の鎖の相補的なドメインと対形成させることで2つの抗原結合部位を作る二価抗体である(例えばHolliger P.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448(1993)、およびPoljak R.J.ら、Structure 2:1121-1123(1994)を参照)。いくつかの態様では、本発明の抗体に由来する1つまたは複数のCDRを、分子内に共有結合によりまたは非共有結合によりに導入することで、M-CSFに特異的に結合する免疫接着分子(immunoadhesin)とすることができる。このような態様では、1つまたは複数のCDRを、より長いポリペプチド鎖の一部として組み入れたり、別のポリペプチド鎖に共有結合により結合させたり、または非共有結合により組み入れたりすることができる。
【0042】
一か所または複数の箇所の結合部位を有する態様では、結合部位は相互に同一であるか、または異なる可能性がある。
【0043】
本明細書で用いる「ヒト抗体」という用語は、可変ドメインおよび定常ドメインの配列の全てがヒトの配列である、任意の抗体を意味する。この用語は、ヒト遺伝子由来の配列を有するが、例えば予想される免疫原性を低下させたり、望まれない折りたたみが生じる可能性のあるシステインを除去するなど変更された抗体を含む。この用語は、非ヒト細胞において非組換えにより作製され、ヒト細胞特有のものではないグリコシル化を付与する可能性のあるこのような抗体を含む。このような抗体は、後述するさまざまな方法で調製することができる。
【0044】
本明細書で用いる「キメラ抗体」という用語は、2つまたはそれ以上の異なる抗体に由来する領域を含む抗体を意味する。1つの態様では、1つまたは複数のCDRは、ヒト抗M-CSF抗体に由来する。別の態様では、全てのCDRがヒト抗M-CSF抗体に由来する。別の態様では、複数のヒト抗M-CSF抗体に由来するCDRが、キメラ抗体内で結合状態にある。例えばキメラ抗体は、第1のヒト抗M-CSF抗体の軽鎖のCDR1、第2のヒト抗M-CSF抗体の軽鎖のCDR2、ならびに第3のヒト抗M-CSF抗体の軽鎖のCDR3を含む場合があり、また重鎖のCDRは、1つもしくは複数の他の抗M-CSF抗体に由来する場合がある。またフレームワーク領域は、複数のCDRが選ばれた同じ抗M-CSF抗体の1つか、または一人または複数の異なるヒト抗体に由来する場合がある。
【0045】
抗体または免疫グロブリン分子の断片または類似体を、当業者であれば本明細書に記載した手順で容易に調製することができる。断片または類似体の好ましいアミノ末端およびカルボキシ末端は、機能ドメインの境界の近傍に存在する。構造ドメインおよび機能ドメインは、ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列のデータを、公共または民間の配列データベースと比較することで同定することができる。好ましくは、コンピュータを利用した比較法で、構造および/または機能が既知の他のタンパク質に存在する配列モチーフまたは推定タンパク質構造ドメインを同定する。既知の3次元構造に折りたたまれるタンパク質配列を同定する方法は既知である(Bowieら、Science 253:164(1991)を参照)。
【0046】
本明細書で用いる「表面プラズモン共鳴」という用語は、リアルタイムの生物特異的相互作用の解析を、バイオセンサーマトリックス内におけるタンパク質濃度の変化の検出によって、例えばBIACORE(商標)システム(Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、SwedenおよびPiscataway、N.J.)を用いることで可能とする光学的現象を意味する。詳細についてはJonsson U.ら、Ann. Biol. Clin. 51:19-26(1993);Jonsson U.ら、Biotechniques 11:620-627(1991);Jonsson B.ら、J. Mol. Recognit. 8:125-131(1995);およびJohnsson B.ら、Anal. Biochem. 198:268-277(1991)を参照されたい。
【0047】
「K
D」という用語は、特定の抗体-抗原相互作用の平衡解離定数を意味する。
【0048】
「エピトープ」という用語は、免疫グロブリンもしくはT細胞受容体との特異的な結合を可能とするか、または分子と相互作用することを可能とする、任意のタンパク質決定要素を含む。エピトープ決定基は一般に、アミノ酸または糖の側鎖などの分子の化学的に活性な表面基群(surface grouping)を含み、また一般に、特異的な3次元構造上の特徴、ならびに特異的な荷電特性を有する。エピトープは、「線状」または「立体状」の場合がある。線状エピトープの場合、タンパク質と相互作用性分子(抗体など)間の相互作用点の全ては、タンパク質の一次アミノ酸配列に沿って直線的に存在する。立体状エピトープの場合、相互作用点は、タンパク質上で相互に隔てられたアミノ酸残基を超えて生じる。抗体は、解離定数が1 mMまたはそれ以下、好ましくは100 nMまたはそれ以下、また最も好ましくは、10 nMまたはそれ以下の場合に、抗原に特異的に結合すると言われる。ある態様ではK
Dは1 pM〜500 pMである。他の態様ではK
Dは500 pM〜1μMである。他の態様ではK
Dは1μM〜100 nMである。他の態様ではK
Dは100 mM〜10 nMである。抗原上の所望のエピトープが決定されると、エピトープに対する抗体を、例えば、本発明において説明される手法で作製することができる。あるいは、発見プロセス中に、抗体の作製および特性解析を行うことにより、所望のエピトープに関する詳細な情報を得ることができる。このような情報を元に、同じエピトープに対する結合に関する抗体のスクリーニングを競合的に行うことが可能となる。これを達成するための手法は、交差競合試験を行い、相互に競合的に結合する抗体、例えば、抗原との結合に関して競合する抗体を見つけることである。抗体を、その交差競合性に基づいて「ビニング(binning)」する高スルーアウトのプロセスは、WO 03/48731に記載されている。
【0049】
本明細書で用いる20種類の従来のアミノ酸、およびこれらの省略形は従来の用法にしたがう。これについては、参照として本明細書に組み入れられる「Immunology-A Synthesis」(第2版、E.S. GolubおよびD.R. Gren編、Sinauer Associates、Sunderland、Mass.(1991))を参照されたい。
【0050】
本明細書で用いる「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドである、長さが少なくとも10塩基の多量体の状態のヌクレオチドであるか、またはいずれかの種類のヌクレオチドの修飾型を意味する。この用語は1本鎖および2本鎖の形状を含む。
【0051】
本明細書で用いる「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、起源または誘導体起源に関して「単離されたポリヌクレオチド」が以下の1〜3つを有するゲノム、cDNA、もしくは合成起源、またはこれらのいくつかの組み合わせのポリヌクレオチドを意味する:(1)「単離されたポリヌクレオチド」が、自然界に存在するポリヌクレオチドの全体または一部に結合していないこと、(2)自然界では連結した状態にないポリヌクレオチドに機能的に連結されていること、または(3)より長い配列の一部として自然界に存在しないこと。
【0052】
本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」という表現は、天然および非天然のオリゴヌクレオチド結合で連結された、天然の、および修飾されたヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、一般に長さが200塩基またはそれ以下のポリヌクレオチドのサブセットである。好ましくは、オリゴヌクレオチドの長さは10〜60塩基であり、また最も好ましくは12塩基、13塩基、14塩基、15塩基、16塩基、17塩基、18塩基、19塩基、または20〜40塩基の長さである。オリゴヌクレオチドは、例えばプライマーおよびプローブとして通常1本鎖であるが、例えば、遺伝子変異体の構築用に2本鎖の場合がある。本発明のオリゴヌクレオチドは、センスまたはアンチセンスのオリゴヌクレオチドのいずれかの場合がある。
【0053】
本明細書で用いる「天然のヌクレオチド」は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含む。本明細書で用いる「修飾型ヌクレオチド」は、修飾型または置換型の糖官能基などを有するヌクレオチドを含む。本明細書では「オリゴヌクレオチド結合」という用語は、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート(phosphoroanilothioate)、ホスホラニラデート(phosphoranilidate)、ホスホロアミデートなどのオリゴヌクレオチド結合を含む。これについては例えば、参照として本明細書に組み入れられるLaPlanche et al.、Nucl. Acids Res. 14:9081(1986);Stec et al.、J. Am. Chem. Soc. 106:6077;Stein et al.、Nucl. Acids Res. 16:3209(1988);Zoc et al.、Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach、pp.87-108(F. Eckstein, Ed.、Oxford University Press、Oxford England(1991));米国特許第5,151,510号;UhlmannおよびPeyman、Chemical Reviews 90543(1990)を参照されたい。オリゴヌクレオチドは、望ましいならば、検出用の標識を含む場合がある。
【0054】
「機能的に連結された」配列は、対象遺伝子と連続した発現制御配列と、トランスに(距離をおいて)作用して対象遺伝子を制御作用する発現制御配列の両方を含む。本明細書で用いる「発現制御配列」という用語は、連結した状態でコード配列の発現およびプロセシングを有効とするために必要なポリヌクレオチド配列を意味する。発現制御配列は、適切な転写の開始配列、終結配列、プロモーター配列、およびエンハンサー配列;スプライシングシグナルやポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質内のmRNAを安定化させる配列;翻訳効率を促進する配列(コザックコンセンサス配列);タンパク質の安定性を高める配列;ならびに望ましいならば、タンパク質の分泌を高める配列を含む。このような制御配列の性質は宿主生物に応じて異なる。原核生物では、このような制御配列は一般に、プロモーター配列、リボソーム結合部位配列、および転写終結配列を含む。また真核生物では一般に、このような制御配列は、プロモーター配列および転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、存在することが発現およびプロセシングに不可欠な、少なくとも全ての成分を含むことを意図し、存在することが利点となる、例えばリーダー配列および融合パートナー配列などの他の成分を含む場合もある。
【0055】
本明細書で用いる「ベクター」という用語は、連結された別の核酸を移す能力を有する核酸分子を意味する。いくつかの態様では、ベクターは、追加的なDNAセグメントを連結可能なプラスミド(環状の2本鎖DNAループ)である。いくつかの態様では、ベクターは、追加的なDNAセグメントをウイルスゲノムに連結可能なウイルスベクターである。いくつかの態様では、ベクターは、導入された宿主細胞内で自律的に複製する能力をもつ(例えば細菌の複製起点や、エピソーム型哺乳類ベクターを有する細菌ベクター)。他の態様では、ベクター(例えば非エピソーム型哺乳類ベクター)は、宿主細胞に導入後に宿主細胞ゲノムに組み込まれて、宿主ゲノムとともに複製可能である。また一部のベクターは、機能的に連結させた遺伝子の発現を誘導する能力を有する。このようなベクターを本明細書では「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と呼ぶ。
【0056】
本明細書で用いる「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)という用語は、組換え発現ベクターが導入された細胞を意味する。「組換え宿主細胞」および「宿主細胞」は、特定の対象細胞だけでなく、このような細胞の子孫も意味すると理解すべきである。変異または環境の影響を受けることで、一部の修飾は、続く世代に存在する場合があるので、このような子孫は、実際には親細胞と同一でない場合があるが、それでも本明細書で用いる「宿主細胞」という用語の範囲に含まれる。
【0057】
「選択的にハイブリダイズする」という用語は、本明細書では、検出目的で、また特異的に結合させることを意味する。本発明におけるポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、およびこれらの断片は、非特異的な核酸に対する検出可能な量の結合を最小とするハイブリダイゼーション条件および洗浄条件で、核酸鎖と選択的にハイブリダイズする。「高ストリンジェンシー」、または「高度にストリンジェントな」条件を、当技術分野で周知であり、本明細書に記載された選択的なハイブリダイゼーション条件を達成するために使用することができる。「高ストリンジェンシー」、または「高度にストリンジェントな」条件の一例は、ポリヌクレオチドと別のポリヌクレオチドのインキュベーションであって、一方のポリヌクレオチドを、6×SSPE、またはSSC、50%ホルムアミド、5×デンハルト試薬、0.5% SDS、100 μg/ml変性断片化サケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション緩衝液中で、42℃のハイブリダイゼーション温度で12〜16時間かけて膜などの固体表面上に結合させた後に、1×SSC、0.5% SDSの洗浄緩衝液を用いて55℃で2回洗浄する、ポリヌクレオチドと別のポリヌクレオチドのインキュベーションである。これについては、前出のSambrookら、pp.9.50〜9.55も参照されたい。
【0058】
核酸配列に関する「配列同一性%」という用語は、第1の連続する配列を比較し、かつ第2の連続する配列に対して最大の一致を示すようにアライメントさせた場合に、残基の割合を意味する。配列同一性の比較の長さは、少なくとも約9ヌクレオチド、通常少なくとも約18ヌクレオチド、より一般的には少なくとも約24ヌクレオチド、典型的には少なくとも約28ヌクレオチド、より典型的には少なくとも約32ヌクレオチド、また好ましくは少なくとも約36ヌクレオチド、48ヌクレオチド、またはそれ以上のヌクレオチドの場合がある。ヌクレオチド配列の同一性を測定するために使用可能な、当技術分野で周知の多種多様なアルゴリズムがある。例えばポリヌクレオチド配列は、Wisconsin Package、バージョン10.0、Genetics Computer Group(GCG)、Madison、Wisconsinに含まれるプログラムであるFASTA、Gap、またはBestfitで比較することができる。例えばプログラムFASTA2およびFASTA3を含むFASTAは、問合わせ配列と探索配列間において最高の重複を示す領域のアライメントおよび配列同一性%を提供する(参照として本明細書に組み入れられるPearson、Methods Enzymol. 183:63-98(1990);Pearson、Methods Mol. Biol. 132:185-219(2000);Pearson、Methods Enzymol. 266:227-258(1996);Pearson、J. Mol. Biol. 276:71-84(1998)を参照)。特に明記しない限り、個々のプログラムまたはアルゴリズムのデフォルトパラメータを使用する。例えば核酸配列間の配列同一性%は、FASTAの場合では、デフォルトパラメータ(ワードサイズ=6、スコアリングマトリックス用にNOPAMファクターを使用)を用いることで、またはGapの場合では、参照として本明細書に組み入れられるGCGバージョン6.1で提供されるデフォルトパラメータを用いることで決定することができる。
【0059】
ヌクレオチド配列に関しては、特に明記しない限り、その相補物を含む。したがって、特定の配列を有する核酸について言及する際は、その相補鎖を、その相補的配列とともに含むと理解すべきである。
【0060】
「配列同一性パーセント」という用語は、比率を意味し、比較した残基数について同一残基数のパーセントを示す。
【0061】
核酸、またはこれらの断片について言及する際に、「実質的な類似性」、または「実質的な配列類似性」という用語は、別の核酸(またはこの相補鎖)と、適切なヌクレオチドの挿入または欠失を許容しつつ最適にアライメントする際に、ヌクレオチド配列の同一性が、上記のPASTA、BLAST、またはGapなどの配列同一性の任意の既知のアルゴリズムで測定される場合に、ヌクレオチド塩基の少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、またより好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%、または99%であることを意味する。
【0062】
ポリペプチドに関して、「実質的な同一性」という用語は、2つのペプチド配列が、GAPやBESTFITなどのプログラムで、デフォルトのギャップ重み(gap weight)を用いて最適にアライメントさせた際に、少なくとも70%、75%、もしくは80%の配列同一性、好ましくは少なくとも90%もしくは95%の配列同一性、またより好ましくは少なくとも97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示すことを意味する。ある特定の態様において、同一ではない残基の位置は、保存的アミノ酸置換が異なる。「保存的アミノ酸置換」は、あるアミノ酸残基が、類似の化学的性質(例えば電荷や疎水性)を有する側鎖R基を有する別のアミノ酸残基と置換されている置換である。一般に保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能的特性を実質的に変えない。2つもしくはそれ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって相互に異なる場合、配列同一性%は、置換の保存的性質を正すために上方に調整することができる。このような調整を行う手段は当技術分野で周知である(Pearson、Methods Mol. Biol. 243:307-31(1994)参照)。類似の化学的性質を有する側鎖を有するアミノ酸のグループの例には、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン;2)脂肪族-ヒドロキシル側鎖:セリンおよびスレオニン;3)アミド含有側鎖:アスパラギンおよびグルタミン;4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン;5)塩基性側鎖:リシン、アルギニン、およびヒスチジン;6)酸性側鎖:アスパラギン酸およびグルタミン酸;ならびに7)硫黄含有側鎖:システインおよびメチオニンなどがある。保存的アミノ酸置換のグループは、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リシン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、およびアスパラギン-グルタミンである。
【0063】
または、保存的置換は、参照として本明細書に組み入れられるGonnetら、Science 256:1443-45(1992)に記載されたPAM250の対数確率行列で正の値を有する任意の変化である。「中程度に保存的な」置換は、PAM250対数確率行列で負でない値を有する任意の変化である。
【0064】
ポリペプチドの配列類似性は通常、配列解析ソフトウェアで測定される。タンパク質解析ソフトウェアで、保存的アミノ酸置換を含む、さまざまな置換、欠失、および他の修飾に割り当てる類似性の尺度を用いて類似の配列とマッチさせる。例えばGCGは、プログラムで指定されるようなデフォルトのパラメータを使用して、異種の生物に由来する相同ポリペプチドなどの、密接に関連したポリペプチド間における、または野生型タンパク質とこの変異体との間における、配列相同性もしくは配列同一性を決定することが可能な「Gap」や「Bestfit」などのプログラムを含む(GCGバージョン6.1を参照)。ポリペプチド配列は、GCGバージョン6.1(Wisconsin大学、WI)に含まれるプログラムであるFASTAで、デフォルトのパラメータまたは推奨パラメータを用いて比較することもできる。FASTA(例えばFASTA2およびFASTA3)は、問合わせ配列と探索配列間において最高の重複を示す領域のアライメントおよび配列同一性%を提供する(Pearson、Methods Enzymol. 183:63-98(1990);Pearson、Methods Mol. Biol. 132:185-219(2000))。本発明の配列を、異なる生物の大量の配列を含むデータベースと比較する際の別の好ましいアルゴリズムが、プログラムで与えられるようなデフォルトのパラメータを用いるコンピュータプログラムBLAST(特にblastpまたはtblastn)である。これについては例えば、Altschulら、J. Mol. Biol. 215:403-410(1990);Altschulら、Nucleic Acids Res. 25:3389-402(1997)を参照されたい。
【0065】
相同性を比較する対象のポリペプチド配列の長さは一般に、少なくとも約16アミノ酸残基であり、通常少なくとも約20残基であり、より一般的には少なくとも約24残基であり、典型的には少なくとも約28残基であり、また好ましくは約35残基を上回る。多種多様な生物の配列を含むデータベースを検索する際は、アミノ酸配列を比較することが好ましい。
【0066】
本明細書で用いる「標識」または「標識された」という用語は、別の分子を抗体に導入することを意味する。1つの態様では、標識は検出マーカーであり、例えば放射標識アミノ酸を導入したり、マークのつけられたアビジン(例えば光学的方法または熱量測定法で検出可能な蛍光マーカーまたは酵素活性を含むストレプトアビジン)で検出可能なビオチン部分のポリペプチドに結合させたりする。別の態様では、標識またはマーカーは、治療目的のもの(例えば薬剤コンジュゲートや毒素)とすることができる。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識するさまざまな方法は当技術分野で周知であり、使用することができる。ポリペプチド用の標識の例には、以下のようなものがあるがこれらに限定されない:放射性同位元素または放射性核種(例えば
3H、
14C、
15N、
35S、
90Y、
99Tc、
111In、
125I、
131I)、蛍光標識(例えばFITC、ローダミン、ランタニド蛍光体(lanthanide phosphor))、酵素標識(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、2次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)、ガドリニウムキレート剤などの磁気薬剤、百日咳毒素などの毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラセンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、糖質コルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにこれらの類似体または相同物。いくつかの態様では標識を、潜在的な立体障害を小さくするために、さまざまな長さのスペーサーアームによって結合させる。
【0067】
本明細書および特許請求項の全体において、「〜を含む(comprise)」という表現、または「〜を含む(comprises、comprising)」などの変形例は、記載された整数値、または記載された整数値群を含むが、他の任意の整数値または整数値群を除外しないように理解される。
【0068】
ヒト抗M-CSF抗体とその特徴
1つの態様では、本発明はヒト化抗M-CSF抗体を提供する。別の態様では、本発明はヒト抗M-CSF抗体を提供する。いくつかの態様では、ヒト抗M-CSF抗体は、ゲノムがヒト免疫グロブリンの遺伝子を含むことで齧歯類がヒト抗体を産生するようになる、非ヒトトランスジェニック動物(例えば齧歯類)を免疫化する段階によって作製される。
【0069】
本発明の抗M-CSF抗体は、ヒトκ軽鎖もしくはヒトλ軽鎖、またはこれらに由来するアミノ酸配列を含む場合がある。κ軽鎖を含む、いくつかの態様では、軽鎖の可変部ドメイン(V
L)は部分的に、ヒトのV
κO12、V
κL2、V
κL5、V
κA27、V
κO12遺伝子もしくはV
κB3L遺伝子、またはJ
κ1、J
κ2、J
κ3遺伝子もしくはJ
κ4遺伝子にコードされる。本発明の特定の態様では、軽鎖可変ドメインは、V
κO12/J
κ3、V
κL2/J
κ3、V
κL5/J
κ3、V
κL5/J
κ4、V
κA27/J
κ4遺伝子、またはV
κB3L/J
κ1遺伝子によってコードされる。
【0070】
いくつかの態様では、M-CSF抗体のV
Lは、生殖系列のアミノ酸配列に対して、1つもしくは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様では、抗M-CSF抗体のV
Lは、生殖系列のアミノ酸配列に対して1か所、2か所、3か所、4か所、5か所、6か所、7か所、8か所、9か所、または10か所のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様では、生殖系列に由来する、このような置換の1つもしくは複数は、軽鎖のCDR領域中に存在する。いくつかの態様では、生殖系列に対するアミノ酸の置換は、抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1のV
Lの任意の1つもしくは複数において、生殖系列に対する置換の場合と同じ位置の1か所もしくは複数の箇所における置換である。例えば、抗M-CSF抗体のV
Lは、抗体88のV
L中に存在する生殖系列と比較して1つもしくは複数のアミノ酸置換を含む場合があり、かつ抗体88と同じV
K遺伝子を利用する、抗体252のV
L中に存在する生殖系列と比較して他のアミノ酸置換の場合がある。いくつかの態様では、アミノ酸の変化は、同じ位置の1か所もしくは複数の箇所に存在するが、標準抗体とは異なる変異を含む。
【0071】
いくつかの態様では、生殖系列に対するアミノ酸の変化は、抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1の任意のV
Lと同じ位置の1か所もしくは複数の箇所において生じるが、アミノ酸の変化は、標準抗体のアミノ酸に対して、(1つまたは複数の)このような位置における保存的なアミノ酸置換の場合がある。例えば仮に、これらの抗体の1つの特定の位置が、生殖系列に対して変化する場合、またこれがグルタミン酸である場合、この位置でアスパラギン酸に置換することができる。同様に、仮に生殖系列と比較した場合のアミノ酸の置換がセリンの場合、同位置においてセリンの代わりにスレオニンに置換することができる。保存的なアミノ酸置換については上記に記載した。
【0072】
いくつかの態様では、ヒト抗M-CSF抗体の軽鎖は、抗体252(SEQ ID NO:4)、抗体88(SEQ ID NO:8)、抗体100(SEQ ID NO:12)、抗体3.8.3(SEQ ID NO:16)、抗体2.7.3(SEQ ID NO:20)、抗体1.120.1(SEQ ID NO:24)、抗体9.14.4I(SEQ ID NO:28)、抗体8.10.3F(SEQ ID NO:32)、抗体9.7.2IF(SEQ ID NO:36)、抗体9.14.4(SEQ ID NO:28)、抗体8.10.3(SEQ ID NO:44)、抗体9.7.2(SEQ ID NO:48)、抗体9.7.2C-Ser(SEQ ID NO:52)、抗体9.14.4C-Ser(SEQ ID NO:56)、抗体8.10.3C-Ser(SEQ ID NO:60)、抗体8.10.3-CG2(SEQ ID NO:60)、抗体9.7.2-CG2(SEQ ID NO:52)、抗体9.7.2-CG4(SEQ ID NO:52)、抗体9.14.4-CG2(SEQ ID NO:56)、抗体9.14.4-CG4(SEQ ID NO:56)、抗体9.14.4-Ser(SEQ ID NO:28)、抗体9.7.2-Ser(SEQ ID NO:48)、抗体8.10.3-Ser(SEQ ID NO:44)、抗体8.10.3-CG4(SEQ ID NO:60)、抗体8.10.3FG1(SEQ ID NO:32)、もしくは抗体9.14.4G1(SEQ ID NO:28)のV
Lのアミノ酸配列、または最大1か所、2か所、3か所、4か所、5か所、6か所、7か所、8か所、9か所、もしくは10か所の保存的なアミノ酸置換、および/または全体で最大3か所の非保存的なアミノ酸置換を有するアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、軽鎖は、前記の任意の一つの抗体のCDR1の開始部位〜CDR3の末端のアミノ酸配列を含む。
【0073】
いくつかの態様では、抗M-CSF抗体の軽鎖は、生殖細胞系列の少なくとも軽鎖のCDR1、CDR2、またはCDR3、または本明細書に記載された抗体の配列を含む。別の態様では、軽鎖は、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1から独立に選択される抗体のCDR1領域、CDR2領域、もしくはCDR3領域、または4か所未満もしくは3か所未満の保存的なアミノ酸置換、および/または全体で3か所もしくはそれ以下の非保存的なアミノ酸置換をそれぞれ有するCDR領域を含む場合がある。他の態様では、抗M-CSF抗体の軽鎖は、それぞれが、SEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60からなる群より選択されるV
L領域のアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:3、7、11、27、31、35、43、もしくは47からなる群より選択されるV
L領域をコードする核酸分子にコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖の可変領域を有する抗体のCDR1領域、CDR2領域、およびCDR3領域から独立に選択される軽鎖のCDR1、CDR2、またはCDR3を含む。抗M-CSF抗体の軽鎖は、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1、またはSEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60からなる群より選択されるV
L領域のアミノ酸配列を含む抗体のCDR1領域、CDR2領域、およびCDR3領域を含む場合がある。
【0074】
いくつかの態様では、軽鎖は、抗体252、抗体88、抗体100、抗体3.8.3、抗体2.7.3、抗体1.120.1、抗体9.14.4I、抗体8.10.3F、抗体9.7.2IF、抗体9.14.4、抗体8.10.3、抗体9.7.2、抗体9.7.2C-Ser、抗体9.14.4C-Ser、抗体8.10.3C-Ser、抗体8.10.3-CG2、抗体9.7.2-CG2、抗体9.7.2-CG4、抗体9.14.4-CG2、抗体9.14.4-CG4、抗体9.14.4-Ser、抗体9.7.2-Ser、抗体8.10.3-Ser、抗体8.10.3-CG4、抗体8.10.3FG1、もしくは抗体9.14.4G1のCDR1領域、CDR2領域、およびCDR3領域、またはそれぞれが4か所未満もしくは3か所未満の保存的なアミノ酸置換、および/または全体で3か所もしくはそれ以下の非保存的なアミノ酸置換を含むCDR領域を含む。
【0075】
重鎖に関しては、いくつかの態様では、重鎖の可変領域のアミノ酸配列は部分的に、ヒトのV
H3-11、V
H3-23、V
H3-7、V
H1-18、V
H3-33、V
H3-48の遺伝子、およびJ
H4、J
H6、J
H4b、またはJ
H6bの遺伝子にコードされる。本発明の特定の態様では、重鎖の可変領域は、V
H3-11/D
H7-27/J
H6、V
H3-7/D
H6-13/J
H4、V
H3-23/D
H1-26/J
H4、V
H3-11/D
H7-27/J
H4、V
H3-33/D
H1-26/J
H4、V
H1-18/D
H4-23/J
H4、V
H3-11/D
H7-27/J
H4b、V
H3-48/D
H1-26/J
H4b、V
H3-11/D
H6-13/J
H6b、V
H3-11/D
H7-27/J
H4b、V
H3-48/D
H1-6/J
H4b、またはV
H3-11/D
H6-13/J
H6bの遺伝子にコードされる。いくつかの態様では、抗M-CSF抗体のV
Hは、生殖細胞系列のアミノ酸配列に対して1か所もしくは複数のアミノ酸の置換、欠失、または挿入(付加)を含む。いくつかの態様では、重鎖の可変ドメインは、生殖細胞系列のアミノ酸配列とは異なる、1か所、2か所、3か所、4か所、5か所、6か所、7か所、8か所、9か所、10か所、11か所、12か所、13か所、14か所、15か所、16か所、17か所、または18か所の変異を含む。いくつかの態様では、変異(群)は、生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較して非保存的な置換である。いくつかの態様では、変異は、重鎖のCDR領域中に存在する。いくつかの態様では、アミノ酸の変化は、抗体252、抗体88、抗体100、抗体3.8.3、抗体2.7.3、抗体1.120.1、抗体9.14.4I、抗体8.10.3F、抗体9.7.2IF、抗体9.14.4、抗体8.10.3、抗体9.7.2、抗体9.7.2C-Ser、抗体9.14.4C-Ser、抗体8.10.3C-Ser、抗体8.10.3-CG2、抗体9.7.2-CG2、抗体9.7.2-CG4、抗体9.14.4-CG2、抗体9.14.4-CG4、抗体9.14.4-Ser、抗体9.7.2-Ser、抗体8.10.3-Ser、抗体8.10.3-CG4、抗体8.10.3FG1、または抗体9.14.4G1のV
Hの任意の1つもしくは複数の生殖細胞系列とは異なる変異と同じ1か所もしくは複数の位置に生じる。他の態様では、アミノ酸の変化は、同じ位置の1つもしくは複数において生じるが、基準抗体とは異なる変異を含む。
【0076】
いくつかの態様では、重鎖は、抗体252(SEQ ID NO:2)、抗体88(SEQ ID NO:6)、抗体100(SEQ ID NO:10)、抗体3.8.3(SEQ ID NO:14)、抗体2.7.3(SEQ ID NO:18)、抗体1.120.1(SEQ ID NO:22)、抗体9.14.4I(SEQ ID NO:26)、抗体8.10.3F(SEQ ID NO:30)、抗体9.7.2IF(SEQ ID NO:34)、抗体9.14.4(SEQ ID NO:38)、抗体8.10.3(SEQ ID NO:30)、抗体9.7.2(SEQ ID NO:46)、抗体9.7.2C-Ser(SEQ ID NO:50)、抗体9.14.4C-Ser(SEQ ID NO:54)、抗体8.10.3C-Ser(SEQ ID NO:58)、抗体8.10.3-CG2(SEQ ID NO:62)、抗体9.7.2-CG2(SEQ ID NO:66)、抗体9.7.2-CG4(SEQ ID NO:70)、抗体9.14.4-CG2(SEQ ID NO:74)、抗体9.14.4-CG4(SEQ ID NO:78)、抗体9.14.4-Ser(SEQ ID NO:82)、抗体9.7.2-Ser(SEQ ID NO:86)、抗体8.10.3-Ser(SEQ ID NO:90)、抗体8.10.3-CG4(SEQ ID NO:94)、抗体8.10.3FG1(SEQ ID NO:98)、もしくは抗体9.14.4G1(SEQ ID NO:102)の可変ドメイン(V
H)のアミノ酸配列、または最大1か所、2か所、3か所、4か所、5か所、6か所、7か所、8か所、9か所、もしくは10か所の保存的なアミノ酸置換、および/または全体で最大3か所の非保存的なアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、重鎖は、前記の任意の一つの抗体のCDR1の開始部位〜CDR3の末端のアミノ酸配列を含む。
【0077】
いくつかの態様では、重鎖は、抗体252、抗体88、抗体100、抗体3.8.3、抗体2.7.3、抗体1.120.1、抗体9.14.4I、抗体8.10.3F、抗体9.7.2IF、抗体9.14.4、抗体8.10.3、抗体9.7.2、抗体9.7.2C-Ser、抗体9.14.4C-Ser、抗体8.10.3C-Ser、抗体8.10.3-CG2、抗体9.7.2-CG2、抗体9.7.2-CG4、抗体9.14.4-CG2、抗体9.14.4-CG4、抗体9.14.4-Ser、抗体9.7.2-Ser、抗体8.10.3-Ser、抗体8.10.3-CG4、抗体8.10.3FG1、もしくは抗体9.14.4G1の重鎖のCDR1領域、CDR2領域、およびCDR3領域、または、それぞれが8か所未満、6か所未満、4か所未満もしくは3か所未満の保存的なアミノ酸置換、および/または全体で3か所もしくはそれ以下の非保存的なアミノ酸置換を有するCDR領域を含む。
【0078】
いくつかの態様では、重鎖は、上記の抗体配列について記載された生殖細胞系列または抗体のCDR3を含み、また生殖細胞系列の配列のCDR1領域およびCDR2領域を含む場合もあるほか、それぞれが252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1からなる群より選択される抗体の重鎖を含む抗体から独立に選択される抗体配列のCDR1およびCDR2を含む場合がある。別の態様では、重鎖は、本明細書に記載された抗体のCDR3の配列を含み、またそれぞれが、SEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102からなる群より選択されるV
H領域のアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1、5、9、25、29、33、37、45、97、もしくは101からなる群より選択されるV
H領域をコードする核酸配列にコードされるアミノ酸配列を含む重鎖の可変領域のCDR1領域およびCDR2領域から独立に選択されるCDR1領域およびCDR2領域を含む場合もある。別の態様では、抗体は、上記の軽鎖および上記の重鎖を含む。
【0079】
作られる可能性のある1つのタイプのアミノ酸置換は、化学的に反応する可能性のある、抗体中の1つもしくは複数のシステインと、アラニンまたはセリンを含むがこれらに限定されない他の残基の変化である。一つの態様では、置換は、非標準的なシステインの置換である。置換は、抗体の可変ドメインのフレームワーク領域中または定常ドメイン中に存在する場合がある。別の態様では、システインは、抗体の非標準領域中に存在する。
【0080】
作られる可能性のある別のタイプのアミノ酸置換は特に、抗体の可変ドメインのCDR領域もしくはフレームワーク領域または定常ドメイン中に存在する、抗体中の任意の潜在的なタンパク質分解部位を除去することである。システイン残基の置換、およびタンパク質分解部位の除去は、抗体産物の任意の不均一性のリスクを低下させる可能性があるため、その均一性を高めることになる。別のタイプのアミノ酸置換は、潜在的なアミド分解部位を形成するアスパラギン-グリシン対の、一方または両方の残基の変化による除去である。
【0081】
いくつかの態様では、本発明の抗M-CSF抗体の重鎖のC末端にリシンは存在しない(Lewis D.A., et al., Anal. Chem, 66(5): 585-95 (1994))。本発明のさまざまな態様では、抗M-CSF抗体の重鎖および軽鎖は、任意にシグナル配列を含む場合がある。
【0082】
一つの局面では、本発明は、ヒトの抗M-CSFモノクローナル抗体、およびこれを産生するように作製された細胞系列を阻害する段階に関する。表1に、モノクローナル抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、および9.7.2に関して、重鎖および軽鎖の可変領域をコードする核酸の配列識別子(配列番号)、および対応する推定アミノ酸配列を示す。他の異型抗体9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、または9.14.4G1は、当業者に既知の方法で作製することができる。
【0084】
抗M-CSF抗体のクラスとサブクラス
抗M-CSF抗体のクラスとサブクラスは、当技術分野で既知の任意の方法で決定することができる。一般に、抗体のクラスとサブクラスの決定は、抗体の特定のクラスとサブクラスに特異的な抗体を用いて決定することができる。このような抗体は市販されている。クラスとサブクラスは、ELISA、またはウェスタンブロット、ならびに他の手法で決定することができる。あるいは、クラスとサブクラスは、対象抗体の重鎖および/または軽鎖の定常ドメインの全体または一部の配列決定を行い、アミノ酸配列を、免疫グロブリンのさまざまなクラスとサブクラスの既知のアミノ酸配列と比較し、そして抗体のクラスとサブクラスを決定することで可能である。
【0085】
いくつかの態様では、抗M-CSF抗体はモノクローナル抗体である。抗M-CSF抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、またはIgDの分子である場合がある。好ましい態様では、抗M-CSF抗体はIgGであり、またIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のサブクラスである。他の好ましい態様では、抗体のサブクラスはIgG2またはIgG4である。別の好ましい態様では、抗体のサブクラスはIgG1である。
【0086】
種および分子に対する選択性
本発明の別の局面では、抗M-CSF抗体は、種と分子に対する選択性の両方を示す。いくつかの態様では、抗M-CSF抗体は、ヒト、カニクイザル、およびマウスのM-CSFに結合する。本明細書に記載の手法に従うことで、抗M-CSF抗体の種選択性を、当技術分野で周知の方法で決定することができる。例えば、種選択性は、ウェスタンブロット、FACS、ELISA、RIA、細胞増殖アッセイ法、またはM-CSF受容体結合アッセイ法で決定することができる。好ましい態様では、細胞増殖アッセイ法またはELISAで種選択性を決定することができる。
【0087】
別の態様では、抗M-CSF抗体は、GM-/G-CSFに対する選択性と比較して少なくとも100倍大きいM-CSFに対する選択性を有する。いくつかの態様では、抗M-CSF抗体は、M-CSF以外の他の任意のタンパク質に対して、認識できるほど特異的な結合を示さない。M-CSFに対する抗M-CSF抗体の選択性は、当技術分野で周知の方法で、本明細書に記載された手法に従って決定することができる。例えば選択性は、ウェスタンブロット、FACS、ELISA、またはRIAで決定することができる。
【0088】
抗M-CSF抗体によって認識されるM-CSFのエピトープの同定
本発明は、M-CSFに結合し、同じエピトープと競合したり、クロス競合したり、および/または以下の抗体と同じK
DでM-CSFに結合する、ヒトの抗M-CSFモノクローナル抗体を提供する:(a)252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、または9.14.4G1からなる群より選択される抗体;(b)SEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、または102のアミノ酸配列を有する重鎖の可変領域を含む抗体;(c)SEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、または60のアミノ酸配列を有する軽鎖の可変領域を含む抗体;(d)(b)の重鎖の可変領域と(c)の軽鎖の可変領域の両方を含む抗体。
【0089】
抗体が同じエピトープと結合するか、結合をめぐって競合するか、抗M-CSF抗体との結合をめぐってクロス競合するか、または抗M-CSF抗体と同じK
Dを有するかについては、当技術分野で既知の方法で判定することができる。一つの態様では、本発明の抗M-CSF抗体を飽和条件下でM-CSFに結合させることが可能であり、続いて試験抗体のM-CSFに対する結合能力を測定する。仮に試験抗体がM-CSFに対して、抗M-CSF抗体の場合と同じ時間で結合可能ならば、試験抗体は、抗M-CSF抗体としてさまざまなエピトープと結合する。しかし仮に試験抗体が、M-CSFに同じ時間で結合できないならば、試験抗体は、同じエピトープ、重複性エピトープ、またはヒトの抗M-CSF抗体が結合するエピトープに近接するエピトープに結合する。この実験はELISA、RIA、またはFACSで実施することができる。好ましい態様では、実験はBIACORE(商標)を用いて実施される。
【0090】
M-CSFに対する抗M-CSF抗体の結合親和性
本発明のいくつかの態様では、抗M-CSF抗体はM-CSFに高親和性で結合する。いくつかの態様では、抗M-CSF抗体はM-CSFと1×10
-7 Mまたはそれ以下のK
Dで結合する。他の好ましい態様では、同抗体はM-CSFと1×10
-8 M、1×10
-9 M、1×10
-10 M、1×10
-11 M、1×10
-12 Mまたはそれ以下のK
Dで結合する。ある態様では、K
Dは1 pM〜500 pMである。他の態様では、K
Dは500 pM〜1μMである。他の態様では、K
Dは1μM〜100 nMである。他の態様では、K
Dは100 mM〜10 nMである。さらにより好ましい態様では、抗体はM-CSFと、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、または9.14.4G1からなる群より選択される抗体と実質的に同じK
Dで結合する。別の好ましい態様では、抗体はM-CSFと、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、または9.14.4G1からなる群より選択される抗体に由来する軽鎖のCDR2および/または重鎖のCDR3を含む抗体と実質的に同じK
Dで結合する。さらに別の好ましい態様では、抗体はM-CSFと、SEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102のアミノ酸配列を有する重鎖の可変領域、またはSEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60のアミノ酸配列を有する軽鎖の可変領域を含む抗体と実質的に同じK
Dで結合する。別の好ましい態様では、抗体はM-CSFと、SEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60のV
L領域のアミノ酸配列を有する軽鎖の可変領域のCDR2を含み、また任意にCDR1および/またはCDR3を含む場合のある抗体、または重鎖の可変領域のCDR3を含み、また任意にSEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、または102のV
H領域のアミノ酸配列を有するCDR1および/またはCDR2を任意で含む場合がある抗体と実質的に同じK
Dで結合する。
【0091】
いくつかの態様では、抗M-CSF抗体は、遅い解離速度を有する。いくつかの態様では、抗M-CSF抗体のk
offは2.0×10
-4 s
-1またはそれ以下である。他の好ましい態様では、抗体はM-CSFと、2.0×10
-5のk
off、または2.0×10
-6 s
-1もしくはそれ以下のk
offで結合する。いくつかの態様では、k
offは、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、または9.14.4G1からなる群より選択される抗体などの、本明細書に記載された抗体と実質的に同じである。いくつかの態様では、抗体はM-CSFと、以下を含む抗体と実質的に同じk
offで結合する:(a)252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1からなる群より選択される抗体の重鎖のCDR3を含み、また任意でCDR1および/またはCDR2を含む抗体;または(b)252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1からなる群より選択される抗体の軽鎖のCDR2を含み、また任意にCDR1および/またはCDR3を含む抗体。いくつかの態様では、抗体はM-CSFと、SEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102のアミノ酸配列を有する重鎖の可変領域を含む抗体;またはSEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60のアミノ酸配列を有する軽鎖の可変領域を含む抗体と実質的に同じk
offで結合する。別の好ましい態様では、抗体はM-CSFと、SEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60のアミノ酸配列を有する軽鎖の可変領域のCDR2を含み、また任意にCDR1および/またはCDR3を含む場合がある抗体;またはSEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102のアミノ酸配列を有する重鎖の可変領域のCDR3を含み、また任意にCDR1および/またはCDR2を含む場合がある抗体と実質的に同じk
offで結合する。
【0092】
M-CSFに対する抗M-CSF抗体の結合親和性および解離速度は、当技術分野で周知の方法で決定することができる。結合親和性は、競合ELISA、RIA、表面プラズモン共鳴(例えばBIACORE(商標)テクノロジーを使用)で測定することができる。解離速度は、表面プラズモン共鳴で測定することができる。好ましくは、結合親和性および解離速度は、表面プラズモン共鳴で測定される。より好ましくは、結合親和性および解離速度はBIACORE(商標)テクノロジーで測定される。実施例VIでは、抗M-CSFモノクローナル抗体の親和性定数をBIACORE(商標)テクノロジーで決定する方法を例示する。
【0093】
抗M-CSF抗体によるM-CSF活性の阻害
M-CSFのc-fmsへの結合阻害
別の態様では、本発明は、M-CSFのc-fms受容体への結合を阻害する、またc-fmsの活性化をブロックしたり妨げたりする抗M-CSF抗体を提供する。好ましい態様では、M-CSFは、ヒトの因子である。別の好ましい態様では、抗M-CSF抗体は、ヒトの抗体である。IC
50は、ELISA、RIA、および細胞増殖アッセイ法、全血単球形状変化アッセイ法、または受容体結合阻害アッセイ法などの細胞ベースのアッセイ法で測定することができる。一つの態様では、抗体もしくはこの一部は細胞増殖を、細胞増殖アッセイ法で測定されるわずか8.0×10
-7 M、好ましくはわずか3×10
-7 M、またはより好ましくはわずか8×10
-8 MのIC
50で阻害する。別の態様では、単球形状変化アッセイ法で測定されるIC
50はわずか2×10
-6 M、好ましくはわずか9.0×10
-7 M、またはより好ましくはわずか9×10
-8 Mである。別の好ましい態様では、受容体結合アッセイ法で測定されるIC
50はわずか2×10
-6 M、好ましくはわずか8.0×10
-7 M、またはより好ましくはわずか7.0×10
-8 Mである。実施例III、IV、およびVでは、さまざまなアッセイ法を例示する。
【0094】
別の局面では、本発明の抗M-CSF抗体は、M-CSFに反応する単球/マクロファージの細胞増殖を、抗体の非存在下における細胞の増殖と比較して、少なくとも20%、より好ましくは40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%阻害する。
【0095】
抗体、および抗体産生性の細胞系列を作製する方法
免疫化
いくつかの態様では、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の遺伝子座の一部または全体をゲノム中に含む非ヒト動物を、M-CSF抗原で免疫化することで作製される。好ましい態様では、このような非ヒト動物は、XENOMOUSE(商標)動物(Abgenix Inc., Fremont, CA)である。使用可能な別の非ヒト動物は、Medarex社(Medarex, Inc., Princeton, NJ)によって作製されたトランスジェニックマウスである。
【0096】
XENOMOUSE(商標)マウスは、ヒト免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の座位の大きな断片を含み、またマウスの抗体が産生されない、人工的に作製されたマウス系列である。例えば、
【0097】
別の局面では、本発明は、非ヒト・非マウス動物から、ヒト免疫グロブリン座位を含む非ヒトトランスジェニック動物を、M-CSF抗原で免疫化することで抗M-CSF抗体を作製する方法を提供する。このような動物は、既に引用した文献に記載された方法で作製することができる。これらの文献に開示されているような方法は、米国特許第5,994,619号に記載されているように一部改変することができる。米国特許第5,994,619号では、ブタおよびウシに由来する新しい培養内部細胞塊(CICM)細胞および細胞系列、ならびに異種DNAが挿入されているトランスジェニックCICM細胞の作製法が述べられている。CICMトランスジェニック細胞は、クローン化されたトランスジェニックの胚、胎仔、および子孫を作製するために使用することができる。同特許は、異種DNAをその子孫に伝えることが可能なトランスジェニック動物の作製法についても述べている。好ましい態様では、非ヒト動物は、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、またはウマである。
【0098】
XENOMOUSE(商標)マウスは、完全ヒト抗体の成体様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒト抗体を生じる。いくつかの態様では、XENOMOUSE(商標)マウスは、におけるヒト重鎖座位およびκ軽鎖座位の、大きさがメガ塩基の生殖細胞型の酵母人工染色体(YAC)断片の導入によって、約80%のヒト抗体V遺伝子レパートリーを含む。その他の態様において、XENOMOUSE(商標)マウスはヒトλ軽鎖座位のほぼすべてを含む。これについては、参照として本明細書に組み入れられるMendez ら、Nature Genetics 15:146-156(1997)、GreenおよびJakobovits、J. Exp. Med. 188:483-495(1998)、およびWO 98/24893を参照されたい。
【0099】
いくつかの態様では、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物は、ヒトの免疫グロブリンの「ミニローカス(minilocus)」を有する動物である。ミニローカスを用いる方法では、外因性Ig座位を、Ig座位に由来する各遺伝子を含めることで模倣する。したがって、1個または複数のV
H遺伝子、1個または複数のD
H遺伝子、1個または複数のJ
H遺伝子、mu定常ドメイン、および第2の定常ドメイン(好ましくはγ定常ドメイン)を、動物挿入用の構築物中に作り込む。この方法は特に、参照として本明細書に組み入れられる
に記載されている。
【0100】
別の局面では、本発明は、ヒト化抗M-CSF抗体の作製法を提供する。いくつかの態様では、非ヒト動物を、後述するように抗体産生を可能とする条件でM-CSF抗原で免疫化する。抗体産生細胞を動物から単離し、ミエローマと融合させてハイブリドーマを作り、対象となる抗M-CSF抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸を単離する。得られた核酸を次に、当技術分野で周知の手法、および詳しく後述する手法で操作することで、(抗体をヒト化してヒトにおける免疫応答を低下させるために)非ヒト配列の量を減らす。
【0101】
いくつかの態様では、M-CSF抗原を単離し、および/またはM-CSFを精製する。好ましい態様では、同M-CSF抗原はヒトM-CSFである。いくつかの態様では、同M-CSF抗原はM-CSFの断片である。いくつかの態様では、M-CSF断片はM-CSFの細胞外ドメインである。いくつかの態様では、M-CSF断片はM-CSFの少なくとも1つのエピトープを含む。他の態様では、M-CSF抗原は、表面にM-CSFもしくはこの免疫原性断片を発現するか、または過剰に発現する細胞である。いくつかの態様では、M-CSF抗原はM-CSF融合タンパク質である。M-CSFは、周知の技術を用いて精製できる。組換えM-CSFは市販されている。
【0102】
動物の免疫化は、当技術分野で周知の任意の方法に実施することができる。これについては例えばHarlowおよびLane、「Antibodies:A Laboratory Manual」、New York:Cold Spring Harbor Press、1990を参照されたい。マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマなどの非ヒト動物を免疫化する方法は当技術分野で周知である。これについては例えばHarlowおよびLane、前掲、ならびに米国特許第5,994,619号を参照されたい。好ましい態様では、本発明のM-CSF抗原を、免疫応答を高めるためにアジュバントとともに投与する。例示的なアジュバントには、完全フロイントアジュバントまたは不完全フロイントアジュバント、RIBI(ムラミルジペプチド)、またはISCOM(免疫刺激複合体)などがある。このようなアジュバントは、ポリペプチドを局所的な沈着部位に隔離することによって、ポリペプチドの迅速な分散を防ぐことができるほか、宿主を刺激して、マクロファージに化学走性をもたらす諸因子、および免疫系の他の成分を分泌させる物質を含む場合がある。好ましくは、ポリペプチドを投与する場合には、ポリペプチドの2回もしくは2回以上の投与を免疫化のスケジュールに含め、数週間をかけて拡散させる。実施例Iで、XENOMOUSE(商標)マウスにおける抗M-CSFモノクローナル抗体の産生法について説明する。
【0103】
抗体および抗体産生細胞株の作製
動物をM-CSF抗原で免疫化した後に、抗体および/または抗体産生細胞を個体から回収することができる。いくつかの態様では、抗M-CSF抗体を含む血清を、個体の血液を採取して入手するか、個体を殺すことで入手する。動物から得た血清をそのまま使用することができるほか、血清から免疫グロブリン画分を回収したり、抗M-CSF抗体を血清から精製したりすることができる。
【0104】
いくつかの態様では、抗体を産生する不死化細胞株を、免疫化した動物から単離された細胞から調製する。免疫化後に、個体を殺して、リンパ節および/または脾臓のB細胞を不死化させる。細胞を不死化する方法は、細胞に癌遺伝子を導入する段階、細胞に発癌性ウイルスを感染させる段階、および不死化細胞が選択される条件で細胞を培養する段階、細胞に発癌性または変異原性をもつ化合物を添加する段階、ならびに細胞を不死化細胞(例えばミエローマ細胞)と融合させる段階、ならびに腫瘍抑制遺伝子を不活性化させる段階を含むがこれらに限定されない。これについては例えばHarlowおよびLane(前掲)を参照されたい。仮にミエローマ細胞との融合を行う場合、対象ミエローマ細胞は好ましくは、免疫グロブリンのポリペプチドを分泌しない(非分泌細胞株)。不死化細胞を、M-CSF、この一部、またはM-CSF発現細胞を用いてスクリーニングする。好ましい態様では初期スクリーニングを、酵素結合免疫アッセイ法(ELISA)、または放射免疫アッセイ法で行う。ELISAによるスクリーニングの例は、参照として本明細書に組み入れられるWO 00/37504に記載されている。
【0105】
抗M-CSF抗体産生細胞(例えばハイブリドーマ)を選択し、クローニングし、またさらに確実な成長、高抗体産生、および所望の抗体特性を含む所望の特徴に関して、後述する手順でスクリーニングを行う。ハイブリドーマは、インビボの場合は同系動物で、免疫系を欠く動物(例えばヌードマウス)で、またはインビトロの場合は培養細胞で増殖させることができる。ハイブリドーマを選択し、クローニングし、および増殖させる方法は当技術分野で周知である。
【0106】
好ましい態様では、免疫化された動物は、ヒトの免疫グロブリン遺伝子を発現する非ヒト動物であり、脾臓のB細胞を、非ヒト動物と同じ種に由来するミエローマ細胞株と融合させる。より好ましい態様では、免疫化動物はXENOMOUSE(商標)動物であり、またミエローマ細胞株は非分泌型マウスミエローマである。さらにより好ましい態様では、ミエローマ細胞株はP3-X63-AG8.653である(例えば実施例I参照)。
【0107】
したがって1つの態様では、本発明は、以下の段階を含む、M-CSFに対するヒトモノクローナル抗体またはこの断片を産生する細胞系列を作製する方法を提供する:(a)本明細書に記載された非ヒトトランスジェニック動物を、M-CSF、M-CSFの一部、またはM-CSFを発現する細胞もしくは組織で免疫化する段階;(b)トランスジェニック動物がM-CSFに対する免疫応答を惹起可能とする段階;(c)トランスジェニック動物から抗体産生細胞を単離する段階;(d)抗体産生細胞を不死化する段階;(e)不死化されたBリンパ球の個々のモノクローナル集団を作製する段階;ならびに(f)不死化されたBリンパ球をスクリーニングしてM-CSFに対する抗体を同定する段階。
【0108】
別の局面では、本発明は、ヒト抗M-CSF抗体を産生するハイブリドーマを提供する。好ましい態様では、ハイブリドーマは、上記したマウスのハイブリドーマである。他の態様では、ハイブリドーマは、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、またはウマなどの非ヒト・非マウスの種で作られる。別の態様では、ハイブリドーマはヒトのハイブリドーマである。
【0109】
別の好ましい態様では、トランスジェニック動物をM-CSFで免疫化し、一次細胞(例えば脾臓細胞または末梢血細胞)を、免疫化されたトランスジェニック動物から単離し、所望の抗原に特異的な抗体を産生する個々の細胞を同定する。個々の細胞から、ポリアデニル化されたmRNAを単離し、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を、可変部ドメイン配列にアニーリングするセンスプライマー(例えば、ヒト重鎖および軽鎖の可変部ドメインの遺伝子のFR1領域の大半または全体を認識する縮重プライマー)、および定常部ドメインまたは結合領域配列にアニーリングするアンチセンスプライマーを用いて行う。次に、重鎖および軽鎖の可変領域のcDNAをクローニングし、任意の適切な宿主細胞で(例えば骨髄腫細胞で)、重鎖およびκ定常部ドメインまたはλ定常部ドメインなどの、個々の免疫グロブリンの定常部ドメインを有するキメラ抗体として発現させる。これについては、参照により本明細書に組み入れられる、Babcook, J.S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 7843-48, 1996を参照されたい。次に抗M-CSF抗体を、本明細書に記載された手順で同定して単離することができる。
【0110】
別の態様では、ファージディスプレイ法によって、M-CSFに対して、多様な親和性を有する抗体のレパートリーを含むライブラリーを提供することができる。このようなレパートリーの作製に関しては、免疫化された動物に由来するB細胞を不死化する必要はない。むしろ、一次B細胞をDNA源として直接使用することができる。例えば脾臓に由来するB細胞から得られたcDNAの混合物を用いて、発現ライブラリー(例えば、大腸菌へトランスフェクトするためのファージディスプレイライブラリー)を作製する。結果として得られる細胞において、M-CSFに対する免疫応答性の検討を行う。このようなライブラリーから高親和性のヒト抗体を同定するための手法は、Griffiths et al., EMBO J., 13: 3245-3260 (1994);Nissim et al., ibid, pp.692-698、およびGriffiths et al., ibid, 12: 725-734に記載されている。最終的に、抗原に対して所望の規模の結合親和性を示すクローンがライブラリーから同定され、また、このような結合に関与する産物をコードするDNAが回収されて、標準的な組換えによる発現を目的として操作される。ファージディスプレイライブラリーは、以前操作されたヌクレオチド配列を用いて構築し、類似の様式でスクリーニングすることもできる。一般に、重鎖および軽鎖をコードするcDNAは独立に提供されるか、または連結されてファージライブラリーでの作製ためのFv類似体が形成される。
【0111】
次にファージライブラリーのスクリーニングを、M-CSFに対して最大の親和性を有する抗体、および適切なクローンから回収された遺伝材料に対して行う。さらなるラウンドのスクリーニングを行うことで、単離された当初の抗体の親和性を高めることができる。
【0112】
別の局面では、本発明は、ヒトの抗M-CSF抗体を産生するハイブリドーマを提供する。好ましい態様では、ハイブリドーマは、上記したマウスのハイブリドーマである。他の態様では、ハイブリドーマは、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、またはウマなどの非ヒト、非マウスの種で作製される。別の態様では、ハイブリドーマはヒトのハイブリドーマである。
【0113】
核酸、ベクター、宿主細胞と、組換え的な抗体作製法
核酸
本発明は、抗M-CSF抗体をコードする核酸分子も含む。いくつかの態様では、さまざまな核酸分子は、抗M-CSF免疫グロブリンの重鎖および軽鎖をコードする。他の態様では、同じ核酸分子は、抗M-CSF免疫グロブリンの重鎖および軽鎖をコードする。一つの態様では、核酸は、本発明のM-CSF抗体をコードする。
【0114】
いくつかの態様では、軽鎖の可変ドメインをコードする核酸分子は、ヒトのV
κL5、O12、L2、B3、A27の遺伝子、およびJ
κ1、J
κ2、J
κ3、またはJ
κ4の遺伝子を含む。
【0115】
いくつかの態様では、軽鎖をコードする核酸分子は、生殖細胞系列のアミノ酸配列とは異なる1か所、2か所、3か所、4か所、5か所、6か所、7か所、8か所、9か所、または10か所の変異を含むアミノ酸配列をコードする。いくつかの態様では、核酸分子は、生殖細胞系列の配列と比較して、1か所、2か所、3か所、4か所、5か所、6か所、7か所、8か所、9か所、もしくは10か所の非保存的なアミノ酸置換、および/または1か所、2か所、もしくは3か所の非保存的な置換を含むV
Lのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。置換は、CDR領域、フレームワーク領域、または定常ドメイン中に存在する場合がある。
【0116】
いくつかの態様では、核酸分子は、抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、または9.14.4G1の一つのV
L中の変異と同一な生殖細胞系列の配列と比較して1つもしくは複数の異型を含むV
Lのアミノ酸配列をコードする。
【0117】
いくつかの態様では、核酸分子は、抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4、8.10.3、または9.7.2の一つのV
L中に見られる生殖細胞系列の配列と比較して少なくとも3か所のアミノ酸変異をコードする。
【0118】
いくつかの態様では、核酸分子は、モノクローナル抗体252(SEQ ID NO:4)、88(SEQ ID NO:8)、100(SEQ ID NO:12)、3.8.3(SEQ ID NO:16)、2.7.3(SEQ ID NO:20)、1.120.1(SEQ ID NO:24)、9.14.4I(SEQ ID NO:28)、8.10.3F(SEQ ID NO:32)、9.7.2IF(SEQ ID NO:36)、9.14.4(SEQ ID NO:28)、8.10.3(SEQ ID NO:44)、9.7.2(SEQ ID NO:48)、9.7.2C-Ser(SEQ ID NO:52)、9.14.4C-Ser(SEQ ID NO:56)、8.10.3C-Ser(SEQ ID NO:60)、8.10.3-CG2(SEQ ID NO:60)、9.7.2-CG2(SEQ ID NO:52)、9.7.2-CG4(SEQ ID NO:52)、9.14.4-CG2(SEQ ID NO:56)、9.14.4-CG4(SEQ ID NO:56)、9.14.4-Ser(SEQ ID NO:28)、9.7.2-Ser(SEQ ID NO:48)、8.10.3-Ser(SEQ ID NO:44)、8.10.3-CG4(SEQ ID NO:60)、8.10.3FG1(SEQ ID NO:32)、もしくは9.14.4G1(SEQ ID NO:28)のV
L、またはこれらの一部分のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様では、抗体の一部分は、少なくともCDR2領域を含む。いくつかの態様では、核酸は、抗体の軽鎖のCDRのアミノ酸配列をコードする。いくつかの態様では、抗体の一部分は、CDR1〜CDR3を含む近接部分である。
【0119】
いくつかの態様では、核酸分子は、SEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、または60の一つの軽鎖のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの好ましい態様では、核酸分子は、SEQ ID NO:3、7、11、27、31、35、43、もしくは47の軽鎖のヌクレオチド配列、またはこれらの一部分を含む。
【0120】
いくつかの態様では、核酸分子は、
図1に示したV
Lのアミノ酸配列、または抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1の任意の一つのV
Lのアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60の任意の一つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、もしくは99%が同一なV
Lのアミノ酸配列をコードする。本発明の核酸分子は、上記のような高ストリンジェント条件で、SEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60の軽鎖のアミノ酸配列をコードする核酸配列と、またはSEQ ID NO:3、7、11、27、31、35、43、もしくは47の軽鎖の核酸配列とハイブリダイズする核酸を含む。
【0121】
別の態様では、核酸は、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1、またはSEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60、および軽鎖の定常領域、または変異を含む軽鎖のアミノ酸配列を含む軽鎖からなる群より選択される抗体の完全長の軽鎖をコードする。また核酸は、SEQ ID NO:3、7、11、27、31、35、43、もしくは47の軽鎖のヌクレオチド配列、および軽鎖の定常領域をコードするヌクレオチド配列、または変異を含む軽鎖をコードする核酸分子を含む場合がある。
【0122】
別の好ましい態様では、核酸分子は、ヒトのV
H1-18、3-33、3-11、3-23、3-48、もしくは3-7の遺伝子配列、またはこれらに由来する配列を含む、重鎖の可変ドメイン(V
H)をコードする。さまざまな態様では、核酸分子は、ヒトのV
H1-18の遺伝子、ヒトのD
H4-23の遺伝子、およびヒトのJ
H4遺伝子;ヒトのV
H3-33の遺伝子、ヒトのD
H1-26の遺伝子、およびヒトのJ
H4の遺伝子;ヒトのV
H3-11の遺伝子、ヒトのD
H7-27の遺伝子、およびヒトのJ
H4の遺伝子;ヒトのV
H3-11の遺伝子、ヒトのD
H7-27の遺伝子、およびヒトのJ
H6の遺伝子;ヒトのV
H3-23の遺伝子、ヒトのD
H1-26の遺伝子、およびヒトのJ
H4の遺伝子;ヒトのV
H3-7の遺伝子、ヒトのD
H6-13の遺伝子、およびヒトのJ
H4の遺伝子;ヒトのV
H3-11の遺伝子、ヒトのD
H7-27の遺伝子、およびヒトのJ
H4bの遺伝子;ヒトのV
H3-48の遺伝子、ヒトのD
H1-26の遺伝子、およびヒトのJ
H4bの遺伝子;ヒトのV
H3-11の遺伝子、ヒトのD
H6-13の遺伝子、およびヒトのJ
H6bの遺伝子、またはこれらのヒト遺伝子群に由来する配列を含む。
【0123】
いくつかの態様では、核酸分子は、ヒトのV、D、またはJの遺伝子の生殖細胞系列のアミノ酸配列と比較して1か所、2か所、3か所、4か所、5か所、6か所、7か所、8か所、9か所、10か所、11か所、12か所、13か所、14か所、15か所、16か所、17か所、もしくは18か所の変異を含むアミノ酸配列をコードする。いくつかの態様では、このような変異はV
H領域中に存在する。いくつかの態様では、変異はCDR領域中に存在する。
【0124】
いくつかの態様では、核酸分子は、モノクローナル抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1のV
Hに見られるアミノ酸変異と同一な、生殖細胞系列の配列と比較して1か所もしくは複数のアミノ酸変異をコードする。いくつかの態様では、核酸は、上記のモノクローナル抗体の一つに見られる少なくとも3か所のアミノ酸変異と同一な、生殖細胞系列の配列と比較して少なくとも3か所のアミノ酸変異をコードする。
【0125】
いくつかの態様では、核酸分子は、抗体252(SEQ ID NO:2)、抗体88(SEQ ID NO:6)、抗体100(SEQ ID NO:10)、抗体3.8.3(SEQ ID NO:14)、抗体2.7.3(SEQ ID NO:18)、抗体1.120.1(SEQ ID NO:22)、抗体9.14.4I(SEQ ID NO:26)、抗体8.10.3F(SEQ ID NO:30)、抗体9.7.2IF(SEQ ID NO:34)、抗体9.14.4(SEQ ID NO:38)、抗体8.10.3(SEQ ID NO:30)、抗体9.7.2(SEQ ID NO:46)、抗体9.7.2C-Ser(SEQ ID NO:50)、抗体9.14.4C-Ser(SEQ ID NO:54)、抗体8.10.3C-Ser(SEQ ID NO:58)、抗体8.10.3-CG2(SEQ ID NO:62)、抗体9.7.2-CG2(SEQ ID NO:66)、抗体9.7.2-CG4(SEQ ID NO:70)、抗体9.14.4-CG2(SEQ ID NO:74)、抗体9.14.4-CG4(SEQ ID NO:78)、抗体9.14.4-Ser(SEQ ID NO:82)、抗体9.7.2-Ser(SEQ ID NO:86)、抗体8.10.3-Ser(SEQ ID NO:90)、抗体8.10.3-CG4(SEQ ID NO:94)、抗体8.10.3FG1(SEQ ID NO:98)、もしくは抗体9.14.4G1(SEQ ID NO:102)のV
Hのアミノ酸配列の少なくとも一部分、または保存的なアミノ酸変異、および/または全体で3か所もしくはそれ以下の箇所の非保存的なアミノ酸置換を有する同配列をコードするヌクレオチド配列を含む。さまざまな態様では、配列は、1つもしくは複数のCDR領域、好ましくはCDR3領域、3つすべてのCDR領域、CDR1〜CDR3を含む近接部分、またはV
H領域全体をコードする。
【0126】
いくつかの態様では、核酸分子は、SEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、または102の一つのアミノ酸配列をコードする重鎖のヌクレオチド配列を含む。いくつかの好ましい態様では、核酸分子は、SEQ ID NO:1、5、9、25、29、33、37、45、97、または101の重鎖のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を含む。いくつかの態様では、抗体の一部分は、V
H領域、CDR3領域、3つすべてのCDR領域、またはCDR1〜CDR3を含む近接領域をコードする。
【0127】
いくつかの態様では、核酸分子は、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、もしくは99%が
図4のV
Hのアミノ酸配列をコードするか、またはSEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102の任意の一つのV
Hのアミノ酸配列と同一なV
Hのアミノ酸配列をコードする。本発明の核酸分子は、SEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102の重鎖のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、またはSEQ ID NO:1、5、9、25、29、33、37、45、97、もしくは101のヌクレオチド配列と、上記のような高ストリンジェント条件でハイブリダイズする核酸を含む。
【0128】
別の態様では、核酸は、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1からなる群より選択される抗体の完全長の重鎖、またはSEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102のアミノ酸配列を有する重鎖、および重鎖の定常領域、または変異を含む重鎖をコードする。また核酸は、SEQ ID NO:1、5、9、25、29、33、37、45、97、もしくは101の重鎖のヌクレオチド配列、および軽鎖の定常領域をコードするヌクレオチド配列、または変異を含む重鎖をコードする核酸分子を含む場合がある。
【0129】
抗M-CSF抗体の重鎖、または全軽鎖、もしくはこの一部をコードする核酸分子を、このような抗体を産生する任意の供給源から単離することができる。さまざまな態様では、核酸分子を、M-CSFで免疫化した動物から、または抗M-CSF抗体を発現する、このようなB細胞に由来する不死化細胞から単離したB細胞から単離する。抗体をコードするmRNAを単離する方法は当技術分野で周知である(例えばSambrookらの文献を参照)。このようなmRNAを用いて、抗体遺伝子を対象としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、またはcDNAクローニングに使用するためのcDNAを作ることができる。好ましい態様では、核酸分子を、その融合パートナーの1つとして、非ヒトトランスジェニック動物に由来するヒト免疫グロブリン産生細胞を有するハイブリドーマから単離する。さらにより好ましい態様では、ヒト免疫グロブリン産生細胞をXENOMOUSE(商標)動物から単離する。別の態様では、ヒト免疫グロブリン産生細胞は、上記のように、非ヒト、非マウスのトランスジェニック動物に由来する。別の態様では、核酸を、非ヒトの非トランスジェニック動物から単離する。非ヒトの非トランスジェニック動物から単離した核酸分子は、例えばヒト化抗体に使用することができる。
【0130】
いくつかの態様では、本発明の抗M-CSF抗体の重鎖をコードする核酸は、任意の供給源に由来する重鎖の定常ドメインをコードするヌクレオチド配列にインフレームで連結された、本発明のV
Hドメインをコードするヌクレオチド配列を含む場合がある。同様に、本発明の抗M-CSF抗体の軽鎖をコードする核酸分子は、任意の供給源に由来する軽鎖の定常ドメインをコードするヌクレオチド配列にインフレームで連結された、本発明のV
Lドメインをコードするヌクレオチド配列を含む場合がある。
【0131】
本発明の他の局面では、重鎖の可変ドメイン(V
H)および/または軽鎖の可変ドメイン(V
L)をコードする核酸分子を、完全長の抗体遺伝子に変換する。1つの態様では、V
HドメインもしくはV
Lドメインをコードする核酸分子を、V
Hセグメントがベクター内のC
Hセグメントに機能的に連結され、およびV
Lセグメントがベクター内のC
Lセグメントに機能的に連結されるように、重鎖の定常ドメイン(C
H)もしくは軽鎖の定常ドメイン(C
L)をそれぞれ既にコードする発現ベクターに挿入することによって、完全長の抗体遺伝子に変換する。別の態様では、V
Hドメインおよび/またはV
Lドメインをコードする核酸分子を、V
Hドメインおよび/またはV
Lドメインをコードする核酸分子をC
Hドメインおよび/またはC
Lドメインをコードする核酸分子に、標準的な分子生物学的手法で連結する(例えばリガーゼで結合する)ことで、完全長の抗体遺伝子に変換する。ヒトの重鎖および軽鎖の免疫グロブリンの定常ドメインの遺伝子の核酸配列は、当技術分野で周知である。これについては例えばKabatら、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版、NIH Publ. No. 91-3242、1991を参照されたい。完全長の重鎖および/または軽鎖をコードする核酸分子を次に、核酸分子を導入した細胞で発現させて、抗M-CSF抗体を単離することができる。
【0132】
このような核酸分子を用いて、大量の抗M-CSF抗体を組換えによって発現させることができる。また同核酸分子を用いて、詳しく後述するように、キメラ抗体、二重特異性抗体、単鎖抗体、免疫接着分子(immunoadhesin)、ダイアボディ、変異型抗体、および抗体誘導体を産生させることもできる。仮に同核酸分子が、非ヒトの非トランスジェニック動物に由来する場合、同核酸分子を、後述する抗体のヒト化に用いることができる。
【0133】
別の態様では、本発明の核酸分子を、特定の抗体配列に対するプローブまたはPCR用プライマーとして使用する。例えば、同核酸を診断法におけるプローブとして、またはDNAの領域を増幅させて、特に、抗M-CSF抗体の可変ドメインをコードする、追加した核酸分子を単離するPCR用プライマーとして使用することができる。いくつかの態様では、同核酸分子はオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様では、同オリゴヌクレオチドは、対象抗体の重鎖および軽鎖の高度の可変領域を示す領域に由来する。いくつかの態様では、同オリゴヌクレオチドは、本明細書記載の抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、もしくは1.120.1またはそのバリアントのCDRの1つまたは複数の全体または一部をコードする。
【0134】
ベクター
本発明は、本発明の抗M-CSF抗体またはその抗原結合部分の重鎖をコードする核酸分子を含むベクターを提供する。本発明はまた、このような抗体の軽鎖、またはこの抗原結合部分をコードする核酸分子を含むベクターも提供する。本発明はさらに、融合タンパク質、修飾型抗体、抗体断片、およびこのプローブをコードする核酸分子を含むベクターを提供する。
【0135】
いくつかの態様では、本発明の抗M-CSF抗体、または抗原結合部分を、上記の手順で得られた一部または完全長の軽鎖および重鎖をコードするDNAを、対象遺伝子が転写および翻訳の制御配列などの必要な発現制御配列に機能的に連結されるように、発現ベクターに挿入することで発現させる。発現ベクターは、プラスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)、植物ウイルス(カリフラワーモザイクウイルスやタバコモザイクウイルスなど)、コスミド、YAC、EBVに由来するエピソームなどを含む。抗体遺伝子を、ベクター内の転写および翻訳の制御配列が、抗体遺伝子の転写および翻訳を調節する意図した機能を発揮するようにベクターに連結する。発現ベクターおよび発現制御配列は、使用する発現宿主細胞に適合するように選択する。抗体の軽鎖遺伝子、および抗体の重鎖遺伝子は、別個のベクターに挿入することができる。好ましい態様では、両遺伝子を同じ発現ベクター挿入する。抗体遺伝子を、標準的な方法(例えば、抗体遺伝子断片およびベクター上における相補的な制限酵素切断部位の連結、または制限酵素切断部位が存在しない場合は平滑末端の連結)で発現ベクターに挿入する。
【0136】
好都合のベクターとは、上記のように、任意のV
H配列またはV
L配列の挿入および発現が容易なように作り込まれた適切な制限酵素切断部位を有する、機能性の完全な、ヒトのC
HまたはC
Lの免疫グロブリン配列をコードするベクターである。このようなベクターにおけるスプライシングは通常、挿入されたJ領域のスプライスドナー部位と、ヒトのCドメインに先行するスプライスアクセプター部位との間で、またヒトC
Hのエキソン内に存在するスプライス領域でも起きる。ポリアデニル化および転写終結は、コード領域の下流の、天然の染色体部位で起きる。組換え発現ベクターは、宿主細胞からの、抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードする場合もある。抗体鎖の遺伝子は、シグナルペプチドが免疫グロブリン鎖のアミノ末端にインフレームで連結されるようにベクターにクローニングすることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンのシグナルペプチド、または異種シグナルペプチド(非免疫グロブリンタンパク質に由来するシグナルペプチド)の場合がある。
【0137】
抗体鎖の遺伝子に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における抗体鎖遺伝子の発現を制御する調節配列を有する。調節配列の選択を含む発現ベクターの設計が、形質転換対象の宿主細胞の選択や、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に影響されうることは当業者には明らかであると思われる。哺乳類の宿主細胞における発現に好ましい調節配列は、レトロウイルスのLTRに由来するプロモーターおよび/またはエンハンサー、サイトメガロウイルス(CMV)(CMVのプロモーター/エンハンサーなど)、シミアンウイルス40(SV40)(SV40プロモーター/エンハンサーなど)、アデノウイルス(例えばアデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))、ポリオーマおよび強力な哺乳類のプロモーター(天然の免疫グロブリンおよびアクチンのプロモーターなど)などの、哺乳類細胞における高レベルのタンパク質の発現を誘導するウイルスエレメントを含む。ウイルスの調節エレメント、およびこの配列の詳細については、例えば米国特許第5,168,062号、米国特許第4,510,245号、および米国特許第4,968,615号を参照されたい。プロモーターおよびベクターに関する記載を含む、植物で抗体を発現させる方法、ならびに植物の形質転換法は当技術分野で周知である。これについては例えば、参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,517,529号を参照されたい。細菌細胞または真菌細胞(例えば酵母細胞)でポリペプチドを発現させる方法は当技術分野で周知である。
【0138】
抗体鎖の遺伝子および調節配列に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞におけるベクターの複製を調節する配列(例えば複製起点)、および選択マーカー遺伝子などの、追加の配列を含む場合がある。選択マーカー遺伝子があることで、ベクターを導入した宿主細胞の選択が容易になる(例えば米国特許第4,399,216号、第4,634,665号、および第5,179,017号を参照)。例えば典型的には、選択マーカー遺伝子は、G418、ハイグロマイシン、またはメトトレキセートなどの薬剤に対する耐性を、ベクターを導入した宿主細胞にもたらす。好ましい選択マーカー遺伝子には、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(dfhr-宿主細胞を用いたメトトレキセートによる選択/増幅用に使用)、ネオマイシン耐性遺伝子(G418による選択用)、およびグルタミン酸合成酵素の遺伝子などがある。
【0139】
非ハイブリドーマ宿主細胞、およびタンパク質を組換えによって産生させる方法
抗M-CSF抗体をコードする核酸分子、およびこのような核酸分子を含むベクターを、適切な哺乳類、植物、細菌または酵母の宿主細胞のトランスフェクションに用いることができる。形質転換は、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する任意の既知の方法とすることができる。異種ポリヌクレオチドを哺乳類細胞に導入する方法は当技術分野で周知であり、デキストランを用いるトランスフェクション、カルシウムリン酸沈殿、ポリブレンを用いるトランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム内へのポリヌクレオチドの封入、およびDNAの核への直接マイクロインジェクションを含む。また核酸分子は、ウイルスベクターを用いて哺乳類細胞に導入することができる。細胞を形質転換する方法は当技術分野で周知である。これについては例えば(特許が参照として本明細書に本明細書によって組み入れられる)米国特許第4,399,216号、第4,912,040号、第4,740,461号、および第4,959,455号を参照されたい。例えばアグロバクテリウムを用いる形質転換、微粒子銃による形質転換、直接注入、エレクトロポレーション、およびウイルスによる形質転換を含む、植物細胞を形質転換する方法は当技術分野で周知である。細菌および酵母細胞を形質転換する方法も当技術分野で周知である。
【0140】
発現用の宿主として利用可能な哺乳類細胞株は当技術分野で周知であり、またAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株を含む。このような細胞には特に、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、幼若ハムスター腎臓(BHK)細胞、サルの腎細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えばHep G2)、A549細胞、およびいくつかの他の細胞株などがある。特定の選択性を有する細胞株は、どの細胞株が高発現レベルを有するかを決定することで選択される。使用可能な他の細胞株は、Sf9細胞などの昆虫細胞株である。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターを哺乳類の宿主細胞に導入する場合は、宿主細胞内における抗体の発現、またはより好ましくは、宿主細胞を成長させた培地中への抗体の放出を可能とする十分な期間、宿主細胞を培養することで抗体を産生させる。抗体は、標準的なタンパク質精製法で培地から回収できる。植物の宿主細胞は、例えばタバコ(Nicotiana)、シロイヌナズナ、ウキクサ、トウモロコシ、コムギ、イモなど含む。細菌の宿主細胞は大腸菌およびストレプトマイセス種を含む。酵母の宿主細胞は、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、およびピキア・パストリス(Pichia pastoris)を含む。
【0141】
また、産生細胞株による、本発明の抗体(またはそれ由来のその他の部分)の発現を、いくつかの既知の手法で高めることができる。例えば、グルタミン合成酵素遺伝子の発現系(GS系)は、特定の条件で発現を高める一般的な方法である。GS系については、欧州特許第0 216 846号、第0 256 055号、および第0 323 997号、ならびに欧州特許出願第893033964.4号の全体または一部で説明されている。
【0142】
さまざまな細胞株、またはトランスジェニック動物で発現される抗体が、さまざまな糖修飾を相互に受けている可能性がある。しかし、本明細書に記載された核酸分子にコードされた全ての抗体、または本明細書に記載されたアミノ酸配列を含む抗体は、抗体のグリコシル化の状態もしくはパターンもしくは修飾にかかわらず本発明の一部である。
【0143】
トランスジェニック動物およびトランスジェニック植物
本発明の抗M-CSF抗体は、対象となる免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の配列に関してトランスジェニックである哺乳類または植物を作製し、抗体の産生を回収可能な状態で行う、トランスジェニック技術で作製することもできる。哺乳類におけるトランスジェニック技術による産生に関連して、抗M-CSF抗体を産生させて、ヤギ、ウシ、または他の哺乳類の乳から回収することができる。これについては例えば米国特許第5,827,690号、第5,756,687号、第5,750,172号、および第5,741,957号を参照されたい。いくつかの態様では、上記したように、ヒト免疫グロブリン座位を含む非ヒトトランスジェニック動物を、上記したようにM-CSF、またはこの免疫原性部分で免疫化する。植物、酵母または菌類/藻類で抗体を作製する方法は、例えば米国特許第6,046,037号および米国特許第5,959,177号に記載されている。
【0144】
いくつかの態様では、ヒト以外のトランスジェニック動物またはトランスジェニック植物を、本発明の抗M-CSF抗体をコードする1つまたは複数の核酸分子を、標準的なトランスジェニック法で動物または植物に導入することで作製する。これについては上記のHoganの文献、および米国特許第6,417,429号を参照されたい。トランスジェニック動物を作製するために使用するトランスジェニック細胞は、胚性幹細胞または体細胞の場合がある。トランスジェニックの非ヒト生物は、キメラ、非キメラのヘテロ接合体、および非キメラのホモ接合体の場合がある。これについては例えばHoganら、「Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual」、第2版、Cold Spring Harbor Press(1999);Jacksonら、「Mouse Genetics and Transgenics: A Practical Approach」、Oxford University Press(2000);およびPinkert、「Transgenic Animal Technology: A Laboratorv Handbook」、Academic Press(1999)を参照されたい。いくつかの態様では、トランスジェニックの非ヒト動物は、対象となる重鎖および/または軽鎖をコードする構築物を標的とすることにより、標的破壊および標的置換を有する。好ましい態様では、このようなトランスジェニック動物は、M-CSF、好ましくはヒトM-CSFに特異的に結合する重鎖および軽鎖をコードする核酸分子を含み、発現する。いくつかの態様では、トランスジェニック動物は、単鎖抗体、キメラ抗体、またはヒト化抗体などの修飾型抗体をコードする核酸分子を含む。本発明の抗M-CSF抗体は、任意のトランスジェニック動物で作製することができる。好ましい態様では、非ヒト動物はマウス、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、またはウマである。非ヒトトランスジェニック動物は、コードされたポリペプチドを、血液、乳、尿、唾液、涙液、粘液、および他の体液中に発現する。
【0145】
ファージディスプレイライブラリー
本発明は、ファージ上にヒト抗体のライブラリーを合成する段階、M-CSFまたはこの一部でライブラリーをスクリーニングする段階、M-CSFに結合するファージを単離する段階、およびファージから抗体を回収する段階を含む、抗M-CSF抗体またはその抗原結合部分を作製する方法を提供する。例として、ファージディスプレイ手法に使用する抗体のライブラリーを調製する1つの方法は、ヒトの免疫グロブリン座位を含む非ヒト動物をM-CSF、またはこの抗原性部分で免疫化して、免疫応答を誘導する段階、免疫化した動物から抗体産生細胞を抽出する段階、抽出後の細胞からRNAを単離する段階、RNAを逆転写してcDNAを作製する段階、cDNAをプライマーで増幅する段階、ならびに抗体がファージ上で発現されるようにcDNAをファージディスプレイベクターに挿入する段階を含む。本発明の組換え抗M-CSF抗体は、このようにして得ることができる。
【0146】
本発明の組換え抗M-CSFヒト抗体は、組換え型コンビナトリアル抗体ライブラリーをスクリーニングすることによって単離できる。好ましくは同ライブラリーは、B細胞から単離されたmRNAから調製されたヒトのV
LおよびV
HのcDNAを用いて作製されるscFvファージディスプレイライブラリーである。このようなライブラリーの調製法およびスクリーニング法は当技術分野で周知である。ファージディスプレイライブラリーを作製するキットは市販されている(例えばPharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27-9400-01;およびStratagene SurfZAP(商標)ファージディスプレイキット、カタログ番号240612)。抗体ディスプレイライブラリーの作製およびスクリーニングに使用可能な他の方法および試薬もある(例えば、
を参照されたい)。
【0147】
1つの態様では、所望の特徴をもつヒト抗M-CSF抗体を単離するために、本明細書に記載されたヒト抗M-CSF抗体を最初に用いて、M-CSFに対する類似の結合活性を有する、ヒトの重鎖および軽鎖の配列を、WO 93/06213に記載されたエピトープインプリンティング(epitope imprinting)法で選択する。この方法で使用される抗体ライブラリーは好ましくは、WO 92/01047、McCaffertyら、Nature 348:552-554(1990);およびGriffithsら、EMBO J. 12:725-734(1993)に記載された手順で調製されてスクリーニングされたscFvライブラリーである。scFv抗体ライブラリーは好ましくは、ヒトM-CSFを抗原としてスクリーニングする。
【0148】
最初のヒトのV
LドメインおよびV
Hドメインが選択されたら、最初に選択されたV
LおよびV
Hのセグメントの異なる対をM-CSF結合に関してスクリーニングを行う「ミックス・アンド・マッチ(mix and match)」実験を行うことで、好ましいV
L/V
H対の組み合わせ選択する。また抗体の質をさらに改善するために、好ましいV
L/V
H対のV
LおよびV
Hのセグメントに、好ましくは、V
Hおよび/またはV
LのCDR3領域内にランダムな変異を、天然の免疫応答における抗体の親和性成熟に関与するインビボ体細胞変異過程に類似の過程で導入することができる。インビトロにおける親和性成熟は、V
HのCDR3またはV
LのCDR3にそれぞれ相補的なPCR用プライマーを用いて、V
HドメインおよびV
Lドメインを増幅することで達成できる(プライマーは、特定の位置における4種類のヌクレオチド塩基のランダム混合物で「スパイク」されたものを使用し、結果として得られるPCR産物が、V
Hおよび/またはV
LのCDR3領域にランダム変異が導入されたV
HおよびV
Lのセグメントをコードするようにする)。このような、ランダムに変異が導入されたV
HおよびV
Lのセグメントを対象に、M-CSFへの結合に関するスクリーニングを行う場合がある。
【0149】
組換え免疫グロブリンディスプレイライブラリーを対象に、本発明の抗M-CSF抗体のスクリーニングおよび単離を行った後に、選択された抗体をコードする核酸を、ディスプレイパッケージ(例えばファージゲノム)から回収し、標準的な組換えDNA技術で他の発現ベクターにサブクローニングすることができる。望ましいならば、このような核酸をさらに操作して、後述するように、本発明の他の抗体型を作ることができる。コンビナトリアルライブラリーのスクリーニングによって単離された組換え型ヒト抗体を発現させるためには、上記のように、抗体をコードするDNAを組換え発現ベクターにクローニングして、哺乳類宿主細胞に導入する。
【0150】
クラススイッチ
本発明の別の局面は、抗M-CSF抗体のクラスまたはサブクラスを、別のクラスまたはサブクラスに変換する方法を提供する。いくつかの態様では、C
LまたはC
Hをコードする任意の核酸配列を含まないV
LまたはV
Hをコードする核酸分子を、当技術分野で周知の方法で単離する。この核酸分子を次に、所望の免疫グロブリンのクラスまたはサブクラスに由来するC
LまたはC
Hをコードする核酸配列に機能的に連結する。これは、上記のようにC
L鎖またはC
H鎖を含むベクターまたは核酸分子で達成することができる。例えば、当初IgMであった抗M-CSF抗体をIgGにクラスを変えることができる。また、このようなクラススイッチを行うことで、あるIgGサブクラスを別のサブクラスに(例えばIgG1からIgG2に)変換することができる。所望のアイソタイプを含む本発明の抗体を作製する別の方法は、抗M-CSF抗体の重鎖をコードする核酸、および抗M-CSF抗体の軽鎖をコードする核酸を単離する段階、V
H領域をコードする配列を単離する段階、V
H配列を所望のアイソタイプの重鎖定常ドメインをコードする配列に連結する段階、軽鎖遺伝子および重鎖の構築物を細胞内で発現させる段階、ならびに所望のアイソタイプを有する抗M-CSF抗体を回収する段階を含む。
【0151】
いくつかの態様では、本発明の抗M-CSF抗体は、プロリンへと変わる重鎖の228位(EU付番規約による)にセリンを有する。したがって、IgG4のF
c領域中のCPSC部分配列は、IgG1の部分配列であるCPPCとなる(Aalberse, R.C.およびSchuurman, J., Immunology, 105: 9-19 (2002))。例えば、SEQ ID NO:46の残基243(EU付番規約では残基228に相当)のセリンはプロリンになる。同様に、SEQ ID NO:38の残基242のセリン(EU付番規約では残基228に対応)はプロリンになる。いくつかの態様では、IgG4抗体のフレームワーク領域は、生殖細胞系列のフレームワークの配列に復帰変異(back-mutated)する可能性がある。いくつかの態様は、復帰変異したフレームワーク領域と、F
c領域におけるセリンからプロリンへの変化の両方を含む。これについては例えば、表1に記載されたSEQ ID NO:54(抗体9.14.4C-Ser)、およびSEQ ID NO:58(抗体8.10.3C-Ser)を参照されたい。
【0152】
脱免疫化(deimmunized)抗体
免疫原性が低い抗体の別の作製法は、抗体の脱免疫化である。本発明の別の局面では、抗体は、例えば、PCT出願WO 98/52976およびWO 00/34317(全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載された手法で脱免疫化される場合がある。
【0153】
変異導入抗体
別の態様では、核酸分子、ベクター、および宿主細胞を使用して、変異が導入された抗M-CSF抗体を作製することができる。このような抗体には、例えば、重鎖および/または軽鎖の可変ドメインに変異を導入することで抗体の結合特性を変化させることができる。例えば変異は、M-CSFに対する抗体のK
Dを高めたり低めたりするために、k
offを高めたり低めたりするために、または抗体の結合特異性を変化させるために、CDR領域の1つもしくは複数に作製することができる。部位特異的変異導入の手法は当技術分野で周知である。これについては例えば、上記のSambrook et al.、およびAusubel et al.を参照されたい。好ましい態様では、変異は、抗M-CSF抗体の可変ドメイン中で、生殖細胞系列と比較して変化することがわかっているアミノ酸残基に作られる。別の態様では、1か所もしくは複数の変異は、モノクローナル抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1の可変ドメインのCDR領域もしくはフレームワーク領域中で、または定常ドメイン中において生殖細胞系列と比較して変化することがわかっているアミノ酸残基に作られる。別の態様では、1か所もしくは複数の変異は、SEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、もしくは102からなる群より選択されるか、または重鎖のヌクレオチド配列がSEQ ID NO:1、5、9、25、29、33、37、45、97、もしくは101で表される重鎖の可変ドメインのCDR領域またはフレームワーク領域のアミノ酸配列において生殖細胞系列と比較して変化することがわかっているアミノ酸残基に作られる。別の態様では、1か所もしくは複数の変異は、SEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、44、48、52、56、もしくは60からなる群より選択されるか、または軽鎖のヌクレオチド配列がSEQ ID NO:3、7、11、27、31、35、43、もしくは47で表される軽鎖のアミノ酸配列の可変ドメインのCDR領域またはフレームワーク領域において生殖細胞系列と比較して変化することがわかっているアミノ酸残基に作られる。
【0154】
1つの態様では、フレームワーク領域に、結果として得られるフレームワーク領域(群)が、対応する生殖系列遺伝子のアミノ酸配列を有するように変異を導入する。変異をフレームワーク領域または定常ドメインの内部に導入することで、抗M-CSF抗体の半減期を長くすることができる。これについては例えば、参照として本明細書に組み入れられるPCT WO 00/09560を参照されたい。フレームワーク領域または定常ドメイン内に変異を導入することで、抗体の免疫原性を変えたり、別の分子に対する共有結合または非共有結合の結合部位を提供したり、または補体結合、FcR結合、および抗体依存性細胞障害(ADCC)のような特性を変えたりすることもできる。本発明では、1つの抗体が、任意の1つまたは複数の可変ドメインまたは定常ドメイン内のCDRまたはフレームワーク領域、定常ドメイン、および可変領域に変異をもつ場合がある。
【0155】
いくつかの態様では、変異導入前の抗M-CSF抗体と比較して、変異型の抗M-CSF抗体のV
HドメインまたはV
Lドメインのいずれかにおけるアミノ酸変異の数は1〜8の間の任意の数である。上記のいずれかにおいて、変異は1つまたは複数のCDR領域内に存在する場合がある。また任意の変異が保存的アミノ酸置換である場合がある。いくつかの態様では、定常ドメインにおけるアミノ酸の変化は、わずか5、4、3、2、または1個である。
【0156】
修飾型抗体
別の態様では、別のポリペプチドに連結させた本発明の抗M-CSF抗体の全体または一部を含む融合抗体または免疫接着分子を作製することができる。好ましい態様では、抗M-CSF抗体の可変ドメインのみをポリペプチドに連結させる。別の好ましい態様では、抗M-CSF抗体のV
Hドメインを第1のポリペプチドに連結させ、一方で抗M-CSF抗体のV
Lドメインを、V
HドメインおよびV
Lドメインが相互に作用して抗体結合部位を形成するように第1のポリペプチドと結合する第2のポリペプチドに連結させる。別の好ましい態様では、V
Hドメインは、リンカーによってV
HドメインとV
Lドメインが相互作用可能なようにV
Lドメインから隔てられている(後述する「単鎖抗体」を参照)。次にV
H-リンカー-V
L抗体を対象ポリペプチドに連結させる。この融合抗体は、M-CSFを発現する細胞または組織にポリペプチドを導く際に有用である。このようなポリペプチドは、毒素などの治療薬、成長因子、または他の調節タンパク質となる可能性があるほか、西洋ワサビペルオキシダーゼなどの、容易に可視化可能な酵素などの診断薬となる可能性がある。また融合抗体は、2本(またはそれ以上)の単鎖抗体を相互に連結するように作製することができる。これは、1本のポリペプチド鎖上に二価抗体または多価抗体を作製を試みる際に、または二重特異性抗体の作製を試みる際に有用である。
【0157】
単鎖抗体(scFv)を作製するためには、V
HおよびV
LをコードするDNA断片を、柔軟なリンカーをコードする別の断片(例えばアミノ酸配列(Gly
4-Ser)
3をコードする断片)に機能的に連結させる。こうすることでV
HおよびV
Lの配列を、接触する単鎖タンパク質として、柔軟なリンカーで連結されたV
LドメインおよびV
Hドメインとともに発現させることができる。これについては例えばBirdら、Science 242:423-426(1988);Hustonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883(1988);McCaffertyら、Nature 348:552-554(1990)を参照されたい。単鎖抗体は、1つのV
HおよびV
Lのみが用いられる場合には一価の場合があり、2つのV
HおよびV
Lが用いられる場合には二価の場合があり、または2つを越えるV
HおよびV
Lが用いられる場合には多価の場合がある。二重特異性抗体または多価抗体は、M-CSFおよび別の分子に特異的に結合するように作製することができる。
【0158】
他の態様では、他の修飾型抗体を、抗M-CSF抗体をコードする核酸分子を用いて調製することができる。例えば「κ体」(Illら、Protein Eng. 10:949-57(1997))、「ミニボディ(Minibody)」(Martinら、EMBO J. 13:5303-9(1994))、「ディアボディ」(Holligerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448(1993))、または「ジャヌシン(Janusin)」(Trauneckerら、EMBO J. 10:3655-3659(1991)、ならびにTrauneckerら、Int. J. Cancer(補遺)7:51-52(1992))を標準的な分子生物学的手法で、本明細書の記載にしたがって調製することができる。
【0159】
二重特異性抗体または抗原結合断片は、ハイブリドーマの融合やFab'断片の連結を含む、さまざまな方法で作製することができる。これについては例えばSongsivilaiおよびLachmann、Clin. Exp. Immunol. 79:315-321(1990)、Kostelnyら、J. Immunol. 148:1547-1553(1992)を参照されたい。また二重特異性抗体は、「ダイアボディ」または「ジャヌシン(Janusin)」として形成される場合がある。いくつかの態様では、二重特異性抗体は、M-CSFの2種類の異なるエピトープと結合する。いくつかの態様では、二重特異性抗体は、モノクローナル抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、または9.7.2ならびに追加的な抗体の重鎖および軽鎖に由来する第1の重鎖および第1の軽鎖を有する。いくつかの態様では、追加的な軽鎖および重鎖は、上記のモノクローナル抗体の1つにも由来するが、第1の重鎖および軽鎖とは異なる。
【0160】
いくつかの態様では、上記の修飾型抗体を、本明細書に記載されたヒト抗M-CSFモノクローナル抗体に由来する、モノクローナル抗体のアミノ酸配列に由来する、または該モノクローナル抗体をコードする核酸配列によりコードされる重鎖または軽鎖に由来する1つまたは複数の可変ドメインまたはCDR領域を用いて調製する。
【0161】
誘導体化抗体および標識化抗体
本発明の抗M-CSF抗体または抗原結合部分は、誘導体化するか、または別の分子(例えば別のペプチドもしくはタンパク質)と連結させることができる。一般に、このような抗体またはその一部を、M-CSFとの結合が誘導体化または標識化によって悪影響を受けないように誘導体化する。したがって本発明の抗体および抗体部分は、本明細書に記載された完全型と修飾型のヒト抗M-CSF抗体の両方を含むことが意図される。例えば、本発明の抗体または抗体部分を、(化学的結合、遺伝子融合、非共有結合性会合、またはこれ以外の手法で)、別の抗体(例えば二重特異性抗体もしくはディアボディ)、検出用薬剤、細胞障害性薬剤、薬物、および/または抗体もしくは抗体部分と別の分子(ストレプトアビジンのコア領域またはポリヒスチジンタグなど)との結合に介在可能なタンパク質もしくはペプチドなどの1個もしくは複数の他の分子体と機能的に連結させることができる。
【0162】
誘導体化抗体の1つの種類は、(例えば二重特異性抗体を作るために、同じ種類または異なる種類の)2つまたはそれ以上の抗体を架橋することで作られる。適切な架橋剤には、適切なスペーサーで隔てられた2つの異なる反応基を有する異種二機能性の薬剤(例えばm-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、または同種二機能性の薬剤(例えばスベリン酸ジスクシンイミジル)などが含まれる。このようなリンカーは、Pierce Chemical Company(Rockford、Ill)から購入することができる。
【0163】
別の種類の誘導体化抗体は標識化抗体である。本発明の抗体または抗原結合部分を誘導体化可能な有用な検出用薬剤には、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-塩化ナフタレンスルホニル、フィコエリトリン、ランタニド蛍光体などを含む蛍光化合物がある。抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼなどの、検出に有用な酵素によっても標識できる。抗体を検出用酵素で標識する場合は、酵素を用いて、識別可能な反応産物を産生させる他の試薬を添加することで検出を行う。例えば、薬剤西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンを添加することで、検出可能な発色反応産物が得られる。抗体をビオチンで標識して、アビジンまたはストレプトアビジンの結合を間接的に測定することで検出することもできる。抗体を、2次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えばロイシンジッパー対の配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)で標識することもできる。いくつかの態様では、標識を、さまざまな長さのスペーサーアームで結合することで、潜在的な立体障害を小さくする。
【0164】
抗M-CSF抗体は放射性アミノ酸でも標識することができる。放射標識された抗M-CSF抗体は、診断と治療の両方の目的に使用することができる。例えば放射標識された抗M-CSF抗体を用いて、M-CSFを発現する腫瘍をX線、または他の診断法で検出することができる。また放射標識された抗M-CSF抗体は、癌性細胞または腫瘍に対する毒素として治療目的で使用することができる。ポリペプチド用の標識の例には、
3H、
14C、
15N、
35S、
90Y、
99Tc、
111In、
125I、および
131Iなどの放射性同位元素または放射性核種などがあるがこれらに限定されない。
【0165】
抗M-CSF抗体は、ポリエチレングリコール(PEG)、メチル基もしくはエチル基、または糖鎖グループなどの官能基で誘導体化することもできる。これらの官能基は、抗体の生物学的特性を改善するために、例えば血清半減期を延長したり、組織に対する結合を強めたりするために有用である。
【0166】
薬学的組成物およびキット
本発明はまた、脈硬化症の治療を必要とする被験対象の治療用の、ヒトの抗M-CSFアンタゴニスト抗体を含む組成物にも関する。いくつかの態様では、治療対象はヒトである。他の態様では、被験対象は獣医学的対象である。本発明のアンタゴニスト抗M-CSF抗体で治療可能な、単球が重要な役割を果たす過増殖性疾患は、任意の組織もしくは器官に関与する場合があり、また脳腫瘍、肺癌、扁平細胞癌、膀胱癌、胃癌、膵臓癌、乳癌、頭部癌、頚部癌、肝臓癌、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、結腸直腸癌、食道癌、婦人科癌、上咽頭癌、または甲状腺癌、黒色腫、リンパ腫、白血病、または多発性骨髄腫を含むがこれらに限定されない。特に、本発明のヒトのアンタゴニスト抗M-CSF抗体は、乳癌、前立腺癌、結腸癌、および肺癌の治療または予防に有用である。
【0167】
本発明はまた、治療に有効な量の本発明のヒト抗M-CSFモノクローナル抗体、ヒトを含む哺乳類における関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、および急性滑膜炎、慢性関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、強直性脊椎炎、骨関節症、通風性関節炎、および他の関節炎状態、敗血症、敗血症性ショック、内毒素ショック、グラム陰性菌性敗血症、毒素ショック症候群、アルツハイマー病、卒中、神経外傷、喘息、成人呼吸窮迫症候群、脳性マラリア、慢性肺炎、珪肺症、肺サルコイドーシス、骨吸収疾患、骨粗鬆症、再狭窄、心臓および腎臓の再潅流傷害、血栓症、糸球体腎炎、糖尿病、移植片対宿主反応、同種移植拒絶反応、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、筋肉変性、湿疹、接触皮膚炎、乾癬、日焼け、または結膜炎ショックからなる群より選択される状態の治療用の組成物、および薬学的に許容される担体を含む。
【0168】
治療には、本発明の1種類もしくは複数のアンタゴニスト抗M-CSFモノクローナル抗体、またはこの抗原結合断片の、単独の投与、または薬学的に許容される担体との併用を含めることができる。本明細書で用いる「薬学的に許容される担体」という表現は、生理学的に適合性のある任意の、またあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤、ならびに吸収遅延剤などを意味する。薬学的に許容される担体のいくつかの例は、水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、ならびにこれらの組み合わせである。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、または塩化ナトリウムを組成物中に含めることが好ましい。薬学的に許容される物質の他の例には、湿潤剤、または抗体の有効期間を長くしたり有効性を高めたりする湿潤剤もしくは乳化剤、保存剤、または緩衝液などの微量の補助物質などがある。
【0169】
本発明の抗M-CSF抗体、およびこれを含む組成物は、1種類もしくは複数の他の治療用、診断用、または予防用の薬剤と組み合わせて投与することができる。他の治療用薬剤には、他の抗新生物剤、抗腫瘍剤、抗血管形成剤、または化学療法剤などがある。これらの他の薬剤は、同じ組成物中に含めることができるほか、個別に投与することができる。いくつかの態様では、本発明の1種類もしくは複数の阻害性の抗M-CSF抗体をワクチンとして、またはワクチンに対するアジュバントとして使用することができる。
【0170】
本発明の組成物は、例えば溶液(例えば注射可能および注入可能な溶液)、分散液、または懸濁液、錠剤、丸剤、粉末剤、リポソーム、および坐剤などの、液体、半固体、および固体の剤形などの、さまざまな形状をとりうる。好ましい形状は、意図された投与様式および治療応用によって変わる。典型的な好ましい組成物は、ヒトの受動免疫に使用されるものに類似した組成物などの、注射可能または注入可能な溶液の形状である。好ましい投与様式は、非経口的な(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)への投与である。好ましい態様では、抗体は、静脈内への注入または注射によって投与される。別の好ましい態様では、抗体は、筋肉内または皮下への注射によって投与される。別の態様では、本発明は、以下の段階を含む、治療を必要とする被験対象を、M-CSFに特異的に結合する抗体またはこの抗原結合部分で治療する方法を含む:(a)重鎖もしくはこの抗原結合部分をコードする、有効量の単離された核酸分子、軽鎖もしくはこの抗原結合部分をコードする単離された核酸分子、または軽鎖および重鎖、もしくはこの抗原結合部分をコードする両方の核酸分子を投与する段階;ならびに(b)核酸分子を発現させる段階。
【0171】
治療的組成物は典型的には、製造および貯蔵の条件で無菌性で安定でなければならない。同組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散、リポソーム、または高薬剤濃度に適した他の秩序構造として製剤化することができる。無菌性注射用溶液は、必要量の抗M-CSF抗体を適切な溶媒中に、上記の成分の単剤または複合剤を混合し、必要に応じて濾過滅菌して調製することができる。一般に分散液は、活性化合物を、基礎分散媒と、上記の必要な他の成分を含む無菌性溶媒に混合することで調製する。無菌性注射用溶液を調製するための無菌性粉末の場合、好ましい調製法は、活性成分に加えて、過去に無菌濾過した同溶液に由来する任意の追加的な所望の成分の粉末が得られる真空乾燥および凍結乾燥である。例えばレシチンなどのコーティング剤を用いることで、分散液の場合であれば必要な粒径を維持することで、また界面活性剤を使用することで、溶液の適切な流動性を保つことができる。注射用組成物の長時間の吸収は、例えばモノステアレート塩やゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を組成物に含めることで達成することができる。
【0172】
本発明の抗体は、当技術分野で周知のさまざまな方法によって投与することができるが、一部の治療的応用では、好ましい投与の経路/様式は、皮下、筋肉内、または静脈内への注入である。当業者であれば理解するように、投与の経路および/または様式は所望の結果に応じて変わる。
【0173】
ある態様では、抗体組成物の活性化合物は、インプラント、経皮吸収製剤(パッチ)、およびマイクロカプセル輸送系を含む放出制御薬剤などの、抗体の速やかな放出を防ぐ担体を用いて調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生分解性で生体適合性のポリマーを使用することができる。このような製剤の多くの調製法は特許の対象であり、一般に当業者に知られている。これについては例えば「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」(J.R. Robinson編、Marcel Dekker社、New York、1978)を参照されたい。
【0174】
ある態様では、本発明の抗M-CSF抗体は、例えば不活性希釈物、または吸収性で可食可能な担体とともに経口投与することができる。このような化合物(および、望ましいならば他の成分)を、硬軟のシェルのゼラチンカプセルで包んだり、錠剤中に圧縮したり、または被験者の食事に直接混ぜたりすることもできる。経口による治療的投与の場合、抗M-CSF抗体に賦形剤を混ぜて、摂取可能な錠剤、舌下錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェハースなどの状態で使用することができる。本発明の化合物を、非経口投与以外で投与するには、化合物の不活性化を防ぐ材料で化合物を被覆したり、このような材料を化合物と同時投与したりする必要がある場合がある。
【0175】
他の活性化合物を組成物に含めることもできる。ある態様では、本発明の抗M-CSF抗体は、1種類もしくは複数の他の治療用薬剤と同時に製剤化されるか、および/または同時に投与される。このような薬剤は、他の標的に結合する抗体、抗新生物剤、抗腫瘍剤、化学療法剤、M-CSFを阻害するペプチドアナログ、M-CSFに結合可能な可溶性のc-fms、M-CSFを阻害する1種類もしくは複数の化学的薬剤、抗炎症剤、抗凝固剤、血圧低下剤(例えばアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤)を含む。このような併用療法は、低用量の抗M-CSF抗体、ならびに同時に投与されることで、さまざまな単独療法に関連する起こりうる毒性または合併症を避ける薬剤を必要とする場合がある。
【0176】
本発明の阻害性の抗M-CSF抗体およびこれを含む組成物は、他の治療法と組み合わせて、特に癌の放射線療法と組み合わせて投与することもできる。本発明の化合物は、エンドスタチンやアンギオスタチンなどの抗癌剤、またはアドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチン、エトポシド、タキソール、タキソテールなどの細胞毒性薬、およびビンクリスチンなどのアルカロイド、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、VEGF阻害剤、およびメトトレキセートなどの代謝アンタゴニストと組み合わせて使用することもできる。
【0177】
本発明の化合物は、ヴィラセプト(Viracept)、AZT、アシクロビル、およびファムシクロビルなどの抗ウイルス剤と、またヴァレント(Valant)などの防腐化合物と組み合わせて使用することもできる。
【0178】
本発明の組成物は、「治療的有効量」または「予防的有効量」の本発明の抗体もしくは抗原結合部分を含む場合がある。「治療的有効量」は、所望の治療効果を達成するために必要な用量および期間における有効量を意味する。抗体または抗体部分の治療的有効量は、個体の疾患段階、年齢、性別、および体重、ならびに抗体もしくは抗体部分が所望の反応を個体で発生させる能力などの諸因子によって変動する場合がある。治療的有効量は、抗体もしくは抗体部分の任意の毒性作用または有害作用が、治療的に有効な効果を上回る量でもある。「予防的有効量」とは、所望の予防的結果を達成するために必要な用量および期間における有効量を意味する。典型的には、予防的用量は、疾患の発症前、または初期段階で被験者に用いられるので、予防的有効量は治療的有効量より少なくなる場合がある。
【0179】
投与方法を調節して、最適な所望の反応(例えば治療反応または予防反応)を得ることができる。例えば単回ボーラスで投与できるほか、複数回に分けた用量を時間をかけて投与したり、または治療状況の緊急性に応じて、用量を比例的に減少したり増加したりすることが可能である。投与を容易にするため、また投与量を均一にするために、非経口組成物を投与単位で製剤化することは特に有利である。本明細書で用いる用量単位とは、投与対象の哺乳類個体を対象とした単一の用量に適した物理的に明瞭な単位を意味し;各単位は、必要な薬学的担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の用量単位の仕様は、(a)抗M-CSF抗体、もしくはこの一部の固有の特徴、および達成されるべき特定の治療効果もしくは予防効果、ならびに(b)個体で感受性のある抗体のような、配合の分野における固有の限界によって決定され、またこれらに直接依存する。
【0180】
治療的または予防的に有効な量の本発明の抗体もしくは抗体部分の例示的な非制限的な範囲は0.025〜50 mg/kg、より好ましくは0.1〜50 mg/kg、より好ましくは0.1〜25 mg/kg、0.1〜10 mg/kg、または0.1〜3 mg/kgである。用量の値が、緩和対象の状態の種類および重症度とともに変動する場合があることは重要である。また、任意の特定の被験者にとって、特定の投与方法を、個人の必要性、および専門家による、対象組成物の投与を受ける者、または投与を監視する者に対する判断にしたがって経時的に調製すべきであること、また本明細書に記載された用量範囲が例示的なものであって、主張された組成物の範囲もしくは実践を制限する意図がないことを理解すべきである。
【0181】
本発明の別の局面は、本発明の抗M-CSF抗体もしくは抗原結合部分、またはこのような抗体または一部を含む組成物を含むキットを提供する。キットは、抗体もしくは組成物に加えて、診断薬または治療薬を含む場合がある。キットはまた、診断法または治療法における使用に際しての指示書を含む場合もある。好ましい態様では、キットは、抗体、または抗体と、後述する方法で使用可能な診断薬を含む組成物を含む。別の好ましい態様では、キットは、抗体、または抗体と、後述する方法で使用可能な1種類もしくは複数の治療薬を含む組成物を含む。本発明の一態様は、容器、炎症性疾患の患者への抗M-CSF抗体投与についての説明書、または生物学的試料中のCD14+CD16+単球数および抗M-CSF抗体数の測定についての説明書を含むキットである。
【0182】
本発明はまた、一定量の化学療法薬と併用した、一定量の本発明の抗体を含む、哺乳類における異常な細胞成長を抑えるための組成物にも関する(化合物、塩、溶媒和化合物、またはプロドラッグの量、ならびに化学療法薬の量は、ともに異常な細胞成長を抑えるのに有効である)。いくつかの化学療法薬が、当技術分野で周知である。いくつかの態様では、化学療法薬は、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝物、介在する抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的反応修飾物質、抗ホルモン(例えば抗アンドロゲン)、ならびに抗血管新生剤からなる群より選択される。
【0183】
MMP-2(マトリックスメタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP-9(マトリックスメタロプロテイナーゼ9)阻害剤、およびCOX-II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤などの抗血管新生剤を、本発明の抗M-CSF抗体と併用することができる。有用なCOX-II阻害剤の例にはCELEBREX(商標)(セレコキシブ(celecoxib))、バルデコキシブ(valdecoxib)、およびロフェコキシブ(rofecoxib)などがある。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、いずれも参照として全体が本明細書に組み入れられる

に記載されている。好ましいMMP阻害剤は、関節痛を生じない薬剤である。より好ましくは、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、およびMMP-13)に対して、MMP-2および/またはMMP-9を選択的に阻害する薬剤である。本発明に有用なMMP阻害剤のいくつかの特定の例は、AG-3340、RO 32-3555、RS 13-0830、および以下に列挙した化合物である:3-[[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニル]-(1-ヒドロキシカルバモイル-シクロペンチル)アミノ]-プロピオン酸;3-エキソ-3-[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R, 3R)1-[4-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジルオキシ)-ベンゼンスルホニル]-3-ヒドロキシ-3-メチル-ピぺリジン-2-カルボン酸ヒドロキシアミド;4-[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]-テトラヒドロ-ピラン-4-カルボン酸ヒドロキシアミド;3-[[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニル]-(1-ヒドロキシカルバモイル-シクロブチル)-アミノ]-プロピオン酸;4-[4-(4-クロロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]-テトラヒドロ-ピラン-4-カルボン酸ヒドロキシアミド;(R)3-[4-(4-クロロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]-テトラヒドロ-ピラン-3-カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R, 3R)1-[4-(4-フルオロ-2-メチル-ベンジルオキシ)-ベンゼンスルホニル]-3-ヒドロキシ-3-メチル-ピぺリジン-2-カルボン酸ヒドロキシアミド;3-[[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニル]-(1-ヒドロキシカルバモイル-1-メチル-エチル)-アミノ]-プロピオン酸;3-[[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニル]-(4-ヒドロキシカルバモイル-テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-アミノ]-プロピオン酸;3-エキソ-3-[4-(4-クロロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボン酸ヒドロキシアミド;3-エンド-3-[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボン酸ヒドロキシアミド酸;および(R)3-[4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]テトラヒドロ-フラン-3-カルボン酸ヒドロキシアミド;ならびにこれらの化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物である。
【0184】
本発明のヒト抗M-CSFモノクローナル抗体を含む化合物は、EGF-R抗体、EGF抗体、およびEGF-R阻害剤などのEGF-R(表皮成長因子受容体)反応を阻害可能な薬剤;VEGFを阻害可能なVEGFの受容体および分子などのVEGF(血管内皮成長因子)の阻害剤;ならびにerbB2受容体と結合する有機分子または抗体などのerbB2受容体阻害剤(例えばHERCEPTIN(商標)(Genentech, Inc.))などのシグナル伝達阻害剤とともに使用することもできる。EGF-R阻害剤は例えば、WO 95/19970(1995年7月27日公開)、WO 98/14451(1998年4月9日公開)、WO 98/02434(1998年1月22日公開)、および米国特許第5,747,498号(1998年5月5日公開)に記載されており、またこのような物質を、本明細書に記載された手順で本発明に使用することができる。EGF-R阻害性薬剤には、モノクローナル抗体C225および抗EGF-R 22Mab(ImClone Systems Incorporated)、ABX-EGF(Abgenix/Cell Genesys)、EMD-7200(Merck KgaA)、EMD-5590(Merck KgaA)、MDX-447/H-477(Medarex Inc.およびMerck KgaA)、ならびに化合物ZD-1834、ZD-1838、およびZD-1839(AstraZeneca)、PKI-166(Novartis)、PKI-166/CGP-75166(Novartis)、PTK 787(Novartis)、CP 701(Cephalon)、レフルノマイド(Pharmacia/Sugen)、CI-1033(Warner Lambert Parke Davis)、CI-1033/PD 183、805(Warner Lambert Parke Davis)、CL-387、785(Wyeth-Ayerst)、BBR-1611(Boehringer Mannheim GmbH/Roche)、Naamidine A(Bristol Myers Squibb)、RC-3940-II(Pharmacia)、BIBX-1382(Boehringer Ingelheim)、OLX-103(Merck & Co.)、VRCTC-3101(Ventech Research)、EGF融合トキシン(Seragen Inc.)、DAB-389(Seragen/Lilgand)、ZM-252808(Imperial Cancer Research Fund)、RG-50864(INSERM)、LFM-A12(Parker Hughes Cancer Center)、WHI-P97(Parker Hughes Cancer Center)、GW-282974(Glaxo)、KT-8391(Kyowa Hakko)、ならびにEGF-Rワクチン(York Medical/Centro de Immunologia Molecular (CIM))などがあるがこれらに限定されない。これらの、また他のEGF-R阻害性薬剤を本発明に使用することができる。
【0185】
VEGF阻害剤、例えばSU-5416、およびSU-6668(Sugen社)、AVASTIN(商標)(Genentech)、SH-268(Schering)、およびNX-1838(NeXstar)を、本発明の化合物と組み合わせることもできる。VEGF阻害剤は例えば、全て参照として全体が本明細書に組み入れられる
に記載されている。本発明で有用ないくつかの特異的なVEGF阻害剤の他の例は、IM862(Cytran社);Genentech, Inc.の抗VEGFモノクローナル抗体;ならびにRibozyme社およびChiron社の合成リボザイムであるアンジオザイム(angiozyme)である。これらのVEGF阻害剤および他のVEGF阻害剤は、本明細書に記載されたように本発明に使用することができる。GW-282974(Glaxo Wellcome plc)などのErbB2受容体阻害剤、ならびにモノクローナル抗体AR-209(Aronex Pharmaceuticals社)、および2B-1(Chiron)はさらに、例えば全体が参照として本明細書に組み入れられる
に記載されている本発明の化合物と組み合わせることができる。本発明で有用なErbB2受容体阻害剤は、いずれも全体が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,465,449号(2002年10月15日発行)、および米国特許第6284,764号(2001年9月4日発行)にも記載されている。上記のPCT出願、米国特許、および米国仮特許出願に記載されたerbB2受容体阻害剤の化合物および物質、ならびにerbB2受容体を阻害する他の化合物および物質を、本発明の化合物とともに、本発明で使用することができる。
【0186】
抗生存剤(anti-survival agent)には、抗IGF-IR抗体や抗インテグリン抗体などの抗インテグリン剤などがある。
【0187】
抗炎症剤を、本発明の抗M-CSF抗体とともに使用することができる。慢性関節リウマチの治療に関しては、本発明のヒトの抗M-CSF抗体を、TNF剤(REMICADE(商標)、CDP-870、HUMIRA(商標)など)、およびTNF受容体の免疫グロブリン分子(ENBREL(商標)など)などのTNF-α阻害剤、IL-1阻害剤、受容体アンタゴニスト、もしくは可溶性のIL-1ra(例えばKineretやICE阻害剤)、COX-2阻害剤(セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、エトリコキシブなど)、メタロプロテアーゼ阻害剤(好ましくはMMP-13選択的阻害剤)、p2X7阻害剤、α2δリガンド(NEUROTIN(商標)やPREGABALIN(商標)など)、低用量メトトレキセート、レフルノマイド、ヒドロキシクロロキン、d-ペニシラミン、オーラノフィン、または非経口的もしくは経口的な金などの薬剤と組み合わせることができる。本発明の化合物は、骨関節症の治療用の既存の治療用薬剤と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用可能な適切な薬剤には、ピロキシカム、ジクロフェナクなどの標準的な非ステロイド抗炎症剤(以降、NSAIDと表記)、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、およびイブプロフェンなどのプロピオン酸塩、メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン(apazone)などのフェナメート(fenamate)、フェニルブタゾンなどのピラゾロン、アスピリンなどのサリチル酸塩、セレコクシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、およびエトリコキシブなどのCOX-2阻害剤、鎮痛剤、およびコルチコステロイドなどの関節内治療薬、ならびにhyalganやシンビスクなどのヒアルロン酸塩などがある。
【0188】
抗凝固剤を、本発明の抗M-CSF抗体とともに使用することができる。抗凝固剤の例には、ワーファリン(COUMADIN(商標))、ヘパリン、およびエノキサパリン(enoxaparin)(LOVENOX(商標))などがあるがこれらに限定されない。
【0189】
本発明のヒトの抗M-CSF抗体は、カルシウムチャネルブロッカーなどの心血管薬と、スタチンなどの脂質低下薬、フィブレート、β遮断薬、Ace阻害剤、アンギオテンシン-2受容体アンタゴニスト、および血小板凝集阻害剤と組み合わせて使用することもできる。本発明の化合物は、抗うつ薬(サートラリンなど)などのCNS薬剤、抗パーキンソン病薬(デプレニル、L-ドーパ、REQUIP(商標)、MIRAPEX(商標))、selegineやrasagilineなどのMAOB阻害剤、TasmarなどのcomP阻害剤、A-2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニスト、および神経性一酸化窒素合成酵素の阻害剤)、およびドネペジルやタクリンなどの抗アルツハイマー病薬、α2δリガンド阻害剤(NEUROTIN(商標)やPREGABALIN(商標)など)、COX-2阻害剤、プロペントフィリン、またはmetryfonateと組み合わせて使用することもできる。
【0190】
本発明のヒトの抗M-CSF抗体は、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェン、またはフォソマックス(fosomax)などの骨粗鬆症薬、およびFK-506やラパマイシンなどの免疫抑制剤と組み合わせて使用することもできる。
【0191】
使用する診断法
別の局面では、本発明は診断法を提供する。抗M-CSF抗体を使用して、生物学的試料中のM-CSFをインビトロまたはインビボで検出することができる。1つの態様では、本発明は、抗体を被験者に注射する段階、抗体結合位置を決定することで被験者におけるM-CSFの発現を判定する段階、被験者における発現を、正常標準被験者または標準における発現と比較する段階、ならびに腫瘍の存在または位置を診断する段階を含む、処置を必要とする被験者における、M-CSFを発現する腫瘍の存在または位置を診断する方法を提供する。
【0192】
抗M-CSF抗体は、ELISA、RIA、FACS、組織免疫組織化学的手法、ウェスタンブロット、または免疫沈殿を含むがこれらに限定されない、従来の免疫アッセイ法に使用することができる。本発明の抗M-CSF抗体は、ヒトに由来するM-CSFの検出に使用することができる。別の態様では、抗M-CSF抗体は、カニクイザル、アカゲザル、チンパンジーまたは猿人類などの霊長類に由来するM-CSFの検出に使用することができる。本発明は、生物学的試料に本発明の抗M-CSF抗体を接触させる段階、および結合状態の抗体を検出する段階を含む、生物学的試料中のM-CSFを検出する方法を提供する。1つの態様では、抗M-CSF抗体を、検出可能な標識で直接標識する。別の態様では、抗M-CSF抗体(一次抗体)を標識せず、抗M-CSF抗体に結合可能な二次抗体または他の分子を標識する。当業者に周知なように、特定の種およびクラスの一次抗体に特異的に結合可能な二次抗体を選択する。例えば抗M-CSF抗体がヒトIgGの場合、二次抗体は抗ヒトIgGとなる場合がある。抗体に結合可能な他の分子には、いずれも例えばPierce Chemical社から市販されているプロテインA(Protein A)やプロテイン(Protein G)などがあるがこれらに限定されない。
【0193】
抗体または二次抗体用の適切な標識は、上記の通りであり、さまざまな酵素、補欠分子族、蛍光材料、発光材料、および放射性材料を含む。適切な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼなどがあり;適切な補欠分子族複合体の例には、ストレプトアビジン/ビオチン、およびアビジン/ビオチンなどがあり;適切な蛍光材料の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル、またはフィコエリトリンなどがあり;発光材料の例にはルミノールがあり;また適切な放射性物質の例には
125I、
131I、
35S、または
3Hなどがある。
【0194】
他の態様では、M-CSFを、検出用物質で標識したM-CSF標準、および非標識抗M-CSF抗体を用いる競合免疫アッセイ法で生物学的試料中で調べることができる。このアッセイ法では、生物学的試料、標識されたM-CSF標準、および抗M-CSF抗体を混合して、非標識抗体に結合した標識M-CSF標準の量を決定する。生物学的試料中のM-CSFの量は、抗M-CSF抗体に結合した標識M-CSF標準の量に逆比例する。
【0195】
いくつかの目的で、上記の免疫アッセイ法を使用することができる。例えば、抗M-CSF抗体を使用して、M-CSFを細胞培養中に、細胞内もしくは細胞表面上に、または組織培養培地中に分泌された状態として検出することができる。抗M-CSF抗体は、細胞表面上におけるM-CSFの量、またはさまざまな化合物で処理された組織培養培地中に分泌された状態のM-CSFの量を決定するために使用することができる。この方法でM-CSFの発現または分泌を阻害したり活性化したりするのに有用な化合物を同定することができる。この方法により、細胞の1つの試料を、試験化合物とともに一定の期間処理し、別の試料は処理しないでおく。M-CSFの総レベルを測定する場合は、細胞を溶解し、総M-CSFレベルを、上記の免疫アッセイ法の一つで測定する。処理細胞と非処理細胞間のM-CSFの総レベルを比較することで、試験化合物の作用を決定する。
【0196】
総M-CSFレベルを測定するための免疫アッセイ法は、ELISAまたはウェスタンブロットである。M-CSFの細胞表面レベルを測定する場合は、細胞を溶解せずに、M-CSFの細胞表面レベルを上記の免疫アッセイ法の一つで測定することができる。M-CSFの細胞表面レベルを決定するための免疫アッセイ法は、細胞表面タンパク質をビオチンや
125Iなどの検出用標識で標識し、M-CSFを抗M-CSF抗体によって免疫沈降させ、標識されたM-CSFを検出する次に段階を含む場合がある。M-CSFの局在(例えば細胞表面レベル)を決定するための別の免疫アッセイ法は、免疫組織化学的手法の場合がある。ELISA、RIA、ウェスタンブロット、免疫組織化学的手法、膜内在性タンパク質の細胞表面標識、および免疫沈降法などの方法は、当技術分野で周知である。これについては例えば、既に挙げたHarlowおよびLaneを参照されたい。また免疫アッセイ法は、多数の化合物をM-CSFの阻害または活性化に関して検討することを目的として、高処理能スクリーニング用にスケールアップが可能である。
【0197】
分泌型M-CSFのレベルを測定する免疫アッセイ法の別の例には、本発明の抗体を用いる抗原捕捉アッセイ法、ELISA、免疫組織化学的アッセイ法、ウェスタンブロットほかの方法がある。分泌型M-CSFを測定する場合、細胞培養用培地、または血清、尿、もしくは滑液などの体液を対象に、分泌型M-CSFに関するアッセイ法を実施することが可能であり、および/または細胞を溶解して、生成済みではあるが未だ分泌されていない状態のM-CSFを放出させることが可能である。M-CSFの分泌レベルを決定するための免疫アッセイ法は、分泌型タンパク質をビオチンや
125Iなどの検出用標識で標識する段階、M-CSFを抗M-CSF抗体で免疫沈降させる段階、これに続いて、標識されたM-CSFを検出する段階を含む。M-CSFの分泌レベルを決定する別の免疫アッセイ法は、以下の段階を含む場合がある:(a)抗M-CSF抗体をマイクロタイタープレートの表面に事前に結合させておく段階;(b)組織培養培地もしくは分泌型M-CSFを含む体液をマイクロタイタープレートのウェルに添加して抗M-CSF抗体と結合させる段階;(c)抗M-CSF抗体を検出する抗体、例えば、段階(a)の抗M-CSF抗体とは異なるM-CSFのエピトープに結合するジゴキシゲニンで標識された抗M-CSFを添加する段階、(d)抗体を、ジゴキシゲニン結合ペルオキシダーゼに添加する段階;ならびに(e)定量可能な有色反応産物を生じるペルオキシダーゼ基質を添加して、組織培養培地または体液試料中に分泌されたM-CSFのレベルを決定する段階。ELISA、RIA、ウェスタンブロット、免疫組織化学的手法、および抗原捕捉アッセイ法などの方法は、当技術分野で周知である。これについては例えば、先に挙げたHarlowおよびLaneを参照されたい。また、免疫アッセイ法は、多数の化合物を、M-CSFの阻害または活性化に関して検討するために、高処理能スクリーニング用にスケールアップ可能である。
【0198】
本発明の抗M-CSF抗体は、組織または組織由来の細胞中の細胞表面上のM-CSFのレベルを決定するために使用することもできる。いくつかの態様では、このような組織は疾患組織に由来する。いくつかの態様では、組織は腫瘍またはこの生検試料の場合がある。同方法のいくつかの態様では、組織またはこの生検試料は患者から切除可能である。組織または生検試料は次に、例えば、総M-CSFレベル、M-CSFの細胞表面レベル、またはM-CSFの局在を上記の方法で決定するための免疫アッセイ法に使用できる。
【0199】
このような方法は、検出可能に標識された抗M-CSF抗体、またはこれを含む組成物を、このような診断検査を必要とする患者に投与する段階、またこのような患者を対象に、M-CSFを発現する組織の位置を見極めるための画像解析を行う段階を含む。画像解析は医学分野で周知であり、X線解析、磁気共鳴画像法(MRI)、またはコンピュータ断層撮影(CE)を含むがこれらに限定されない。抗体は、インビボにおける造影に適した任意の薬剤、例えばX線解析に使用可能なバリウムなどの造影剤、またはMRIまたはCEに使用可能なガドリニウムキレート剤などの磁気造影剤で標識することができる。他の標識用薬剤には、
99Tcなどの放射性同位対体などがあるがこれらに限定されない。別の態様では、抗M-CSF抗体は標識されず、検出可能かつ抗M-CSF抗体に結合可能な二次抗体または他の分子を投与することによって画像が得られる。ある態様では、患者から生検試料を得て、対象組織がM-CSFを発現するか否かを判定する。
【0200】
組織に由来する血清、尿、または滑液などの体液中のM-CSFの分泌レベルを決定するために、本発明の抗M-CSF抗体を使用することもできる。いくつかの態様では、体液は疾患組織に由来する。いくつかの態様では、体液は、腫瘍またはこの生検試料に由来する。方法のいくつかの態様では、体液は患者から除去される。体液は次に、分泌型M-CSFレベルを上記の方法で決定するための免疫アッセイ法に使用される。本発明の一つの態様は、以下の段階を含む、M-CSFアンタゴニストの活性を調べるアッセイ法を行うことである:M-CSFアンタゴニストを霊長類またはヒト被験対象に投与する段階、ならびに生物学的試料中のCD14
+CD16
+の単球数を測定する段階。
【0201】
使用する治療法
別の態様では、本発明は、治療を必要とする患者に抗M-CSF抗体を投与することでM-CSF活性を阻害する方法を提供する。本明細書に記載された任意の種類の抗体を治療的に使用することができる。好ましい態様では、抗M-CSF抗体は、ヒト抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である。別の好ましい態様では、M-CSFはヒト抗体であり、また患者はヒト患者である。あるいは、抗M-CSF抗体と交差反応するM-CSFを発現する患者は哺乳類である場合がある。抗体は、獣医学的目的で、またはヒトの疾患の動物モデルとして、抗体交差反応する(すなわち霊長類)、M-CSFを発現する非ヒト哺乳類に投与することができる。このような動物モデルは、本発明の抗体の治療効果の評価に有用な場合がある。
【0202】
本明細書で用いる「M-CSF活性が有害に作用する障害」という用語は、障害を有する治療対象における高レベルのM-CSFの存在が、障害の病態生理、または障害の悪化に寄与する因子のいずれかに関与することが疑われている、報告済みの疾患および他の障害を含む。このような障害は例えば、分泌型M-CSFおよび/または細胞表面におけるM-CSFのレベルの上昇、または障害を有する治療対象の、影響を受けた細胞または組織におけるc-fmsのチロシン自己リン酸化の増加によって顕在化する場合がある。M-CSFレベルの上昇は例えば、上記の抗M-CSF抗体を用いて検出することができる。
【0203】
一つの態様では、抗M-CSF抗体を、c-fmsを発現する腫瘍、またはM-CSFを分泌する腫瘍、および/またはM-CSFを細胞表面に発現する腫瘍を有する患者に投与することができる。好ましくは、腫瘍は、正常組織より高いc-fmsまたはM-CSFのレベルを発現する。腫瘍は、固形腫瘍の場合があるほか、リンパ腫などの非固形腫瘍の場合がある。より好ましい態様では、抗M-CSF抗体は、c-fmsを発現する腫瘍、M-CSFを発現する腫瘍、または癌性であるM-CSFを分泌する腫瘍を有する患者に投与することができる。また腫瘍は癌性の場合がある。さらにより好ましい態様では、腫瘍は肺癌、乳癌、前立腺癌、または結腸癌である。別の好ましい態様では、患者に投与された抗M-CSF抗体は、M-CSFをc-fms受容体に対して結合不能とする。特に好ましい態様では、この方法によって腫瘍は、重量もしくは体積を増加しないか、または重量もしくは体積を減少する。別の態様では、この方法によって、腫瘍細胞表面のc-fmsはM-CSFに結合不能となる。別の態様では、この方法によって、腫瘍細胞表面のM-CSFはc-fmsに結合できなくなる。別の態様では、この方法によって、腫瘍細胞の分泌型M-CSFはc-fmsと結合不能となる。好ましい態様では、抗体は、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、9.7.2、9.7.2C-Ser、9.14.4C-Ser、8.10.3C-Ser、8.10.3-CG2、9.7.2-CG2、9.7.2-CG4、9.14.4-CG2、9.14.4-CG4、9.14.4-Ser、9.7.2-Ser、8.10.3-Ser、8.10.3-CG4、8.10.3FG1、もしくは9.14.4G1からなる群より選択されるか、または重鎖、軽鎖、もしくはこれらの抗原結合領域を含む。
【0204】
別の好ましい態様では、抗M-CSF抗体は、不適当に高いレベルのM-CSFを発現する患者に投与することができる。M-CSFの高レベルの発現が、さまざまな一般的な癌の発生につながる場合があることは当技術分野で周知である。1つの態様では、このような方法は、脳腫瘍、扁平細胞癌、膀胱癌、胃癌、膵臓癌、乳癌、頭部癌、頸部癌、食道癌、前立腺癌、結腸直腸癌、肺癌、直腸癌、腎臓癌、卵巣癌、婦人科癌、もしくは甲状腺癌などの癌の治療に関する。本発明の方法に従って、本発明の化合物によって治療可能な患者には、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部の癌、皮膚もしくは眼内の黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、婦人科癌(例えば、子宮肉腫、卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頚部の癌、膣の癌、もしくは陰門の癌)、ホジキン病、食道の癌、小腸の癌、内分泌系の癌(例えば、甲状腺、副甲状腺、もしくは副腎の癌)、軟組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、慢性もしくは急性の白血病、固形腫瘍(例えば、血液、骨髄またはリンパ系以外の体組織の癌である肉腫、癌腫またはリンパ腫)、小児の固形腫瘍、リンパ性リンパ腫、膀胱の癌、腎臓もしくは輸尿管の癌(例えば、腎細胞癌、腎盂の癌)、または中枢神経系の新生物の(例えば、原発性のCNSリンパ腫、脊髄の軸の腫瘍、脳幹グリオーマもしくは下垂体腺腫)であると診断された患者が含まれる。より好ましい態様では、抗M-CSF抗体は、乳癌、前立腺癌、肺癌、または結腸癌の患者に投与される。さらにより好ましい態様では、このような方法は、異常に増殖する癌を停止させたり、重量もしくは体積を増加させなかったり、または重量もしくは体積を減少させなかったりする。
【0205】
抗体は、1回投与することができるが、より好ましくは複数回投与される。例えば、抗体は、1日3回〜6か月またはそれ以上において1回投与することができる。投与する段階は、1日3回、1日2回、1日1回、2日毎に1回、3日に1回、週に1回、2週間に1回、月に1回、2か月に1回、3か月に1回、また6か月に1回などのスケジュールで行うことができる。抗体は、小型ポンプ経由で連続的に投与することもできる。抗体は、経口、粘膜、頬内、鼻腔内、吸入可能、静脈内、皮下、筋肉内、非経口的、腫瘍内を経由して、または局所経路で投与することができる。抗体は、腫瘍部位もしくは炎症を起こした体部に、腫瘍もしくは炎症を起こした体部の内部に、または腫瘍の部位もしくは炎症を起こした体部から離れた部位に投与することができる。抗体は、1回、少なくとも2回、または少なくとも、条件が治療されたり、緩和されたり、治癒されたりするまでの期間、投与することができる。抗体は通常、抗体が、腫瘍もしくは癌の成長を停止させたり、または重量もしくは体積を減少させたりする場合に、腫瘍が存在する期間に限って、または炎症を起こした体部が治癒されるまで投与される。抗体は通常、上記の薬学的組成物の一部として投与される。抗体の用量は一般に0.1〜100 mg/kg、より好ましくは0.5〜50 mg/kg、より好ましくは1〜20 mg/kg、またさらにより好ましくは1〜10 mg/kgの範囲とする。抗体の血清濃度は、当技術分野で周知の任意の方法で測定することができる。
【0206】
別の局面では、抗M-CSF抗体は、抗炎症剤、抗凝固剤、血圧を降下または低下させる薬剤、抗新生物性の薬剤または分子などの他の治療用薬剤とともに、癌または腫瘍などの過増殖障害の患者に同時投与される場合がある。1つの局面では、本発明は、治療的有効の量の本発明の化合物を、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝剤、挿入剤、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾剤、抗ホルモン剤、キナーゼ阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、遺伝学的治療薬(genetic therapeutics)、および抗アンドロゲンからなる群より選択されるがこれらに限定されない抗癌剤と組み合わせて哺乳類に投与する段階を含む、哺乳類における過増殖障害の治療法に関する。より好ましい態様では、抗体は、アドリアマイシンやタキソールなどの抗悪性腫瘍剤とともに投与することができる。別の好ましい態様では、抗体もしくは併用療法は、放射線療法、化学療法、光線力学療法、外科手術、または他の免疫療法とともに実施することができる。さらに別の好ましい態様では、抗体は別の抗体とともに投与される。例えば抗M-CSF抗体は、腫瘍もしくは癌細胞の増殖を阻害することが知られている抗体もしくは他の薬剤(例えばerbB2受容体、EGF-R、CD20、またはVEGFを阻害する抗体もしくは薬剤)とともに投与することができる。
【0207】
抗体と他の治療薬の同時投与(併用療法)は、抗M-CSF抗体および追加的な治療薬を含む薬学的組成物を投与する段階、ならびに2種類またはそれ以上の別個の薬学的組成物を投与する段階(一方は抗M-CSF抗体を含み、他方(複数の薬剤の場合もある)は、(1つまたは複数の)追加的な治療薬を含む)を含む。さらに、同時投与または併用療法は一般に、抗体および追加的な治療用薬剤が、相互に同じ時間に投与されることを意味するが、抗体および追加的な治療用薬剤が異なる時間に投与される場合も含む。例えば抗体は3日に1回投与することが可能である一方で、追加的な治療薬は1日1回投与される。あるいは抗体は、追加的な治療薬による障害の治療に先だって、または治療後に、投与することができる。同様に、抗M-CSF抗体の投与を、放射線療法、化学療法、光線力学療法、外科手術、または他の免疫療法などの治療に先だって、または治療後に実施することができる。
【0208】
抗体、および1つもしくは複数の追加的な治療用薬剤(併用療法)は、1回、2回、または少なくとも、条件が治療されたり、緩和されたり、または治癒されたりするまでの期間、投与することができる。好ましくは、併用療法は複数回実施される。併用療法は、1日3回〜6か月に1回、実施することができる。投与する段階は、1日3回、1日2回、1日1回、2日に1回、3日に1回、週に1回、2週間に1回、月に1回、2か月に1回、3か月に1回、および6か月に1回などのスケジュールで実施することができるほか、小型ポンプ経由で連続的に投与することができる。併用療法は、経口、粘膜の、頬内、鼻腔内、吸入可能、静脈内、皮下、筋肉内、非経口的な、腫瘍内経由で、または局所経路で実施することができる。併用療法は、腫瘍の部位から離れた部位を対象に実施することができる。併用療法は一般に、抗体が、腫瘍または癌の成長を停止させるか、または重量もしくは体積を減少させる場合に、対象となる腫瘍が存在する限りにおいて実施される。
【0209】
さらに別の態様では、抗M-CSF抗体は、放射標識、免疫毒素、もしくはトキシンで標識されるか、またはトキシンペプチドを含む融合タンパク質である。抗M-CSF抗体または抗M-CSF抗体の融合タンパク質は、放射標識、免疫毒素、トキシン、またはトキシンペプチドを、M-CSFを発現する細胞に誘導する。好ましい態様では、放射標識、免疫毒素、トキシン、またはトキシンペプチドは、抗M-CSF抗体が、標的細胞の表面のM-CSFと結合した後に内在化される。
【0210】
別の局面では、抗M-CSF抗体を、高レベルのM-CSFおよび/またはM-CSFが非癌性状態または疾患と関連している非癌性状態を治療するために使用できる。一つの態様では、このような方法は、抗M-CSF抗体を、高レベルのM-CSFおよび/またはM-CSFレベルもしくは活性に起因するか、または悪化した非癌性の病的状態の患者に投与する段階を含む。より好ましい態様では、抗M-CSF抗体は、非癌性の病的状態の進行を遅らせる。より好ましい態様では、抗M-CSF抗体は、非癌性の病的状態を少なくとも部分的に停止させたり逆転させたりする。
【0211】
遺伝子治療
本発明の核酸分子を、処置を必要とする患者に遺伝子治療で投与することができる。遺伝子治療はインビボまたはエキソビボのいずれかの場合がある。好ましい態様では、重鎖と軽鎖の両方をコードする核酸分子を患者に投与する。より好ましい態様では、核酸分子を、B細胞の染色体に同分子が安定に組み入れられるように投与する(B細胞がもっぱら抗体産生に関与するため)。好ましい態様では、B細胞前駆細胞を、トランスフェクトするか、エキソビボで感染させ、処置を必要とする患者に再移植する。別の態様では、B細胞前駆細胞または他の細胞に、対象細胞種に感染することが知られているウイルスを用いてインビボで感染させる。遺伝子治療に使用される典型的なベクターには、リポソーム、プラスミド、およびウイルスベクターなどがある。例示的なウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ関連ウイルスである。インビボまたはエキソビボにおける感染後に、抗体発現のレベルを、投与患者から試料を採取し、当技術分野で周知の、また本明細書に記載された任意の免疫アッセイ法でモニタリングすることができる。
【0212】
好ましい態様では、遺伝子治療法は、抗M-CSF抗体の重鎖、またはこの抗原結合部分をコードする単離された核酸分子を投与する段階、ならびにこの核酸分子を発現させる段階を含む。別の態様では、遺伝子治療法は、抗M-CSF抗体の軽鎖、またはこの抗原結合部分をコードする単離された核酸分子を投与する段階、ならびに核酸分子を発現させる段階を含む。より好ましい方法では、遺伝子治療法は、本発明の抗M-CSF抗体の、重鎖もしくはこの抗原結合部分をコードする単離された核酸分子、および軽鎖もしくはこの抗原結合部分をコードする単離された核酸分子を投与する段階、ならびにこれらの核酸分子を発現させる段階を含む。遺伝子治療法は、タキソールやアドリアマイシンなどの別の抗癌剤を投与する段階を含む場合もある。
【0213】
本発明をさらに深く理解するために、実施例を以下に記載する。これらの実施例は、説明する目的でのみ提供するものであり、本発明の範囲をいかなる意味においても制限すると解釈されない。
【実施例】
【0214】
実施例I
抗M-CSF抗体を産生する細胞系列の作製
本発明の抗体を、以下の手順で調製し、選択し、またアッセイ法を行った。
免疫化とハイブリドーマの作製
8〜10週齢のXENOMOUSE(商標)マウスを、腹腔内または後足蹠にヒトM-CSF(10μg/用量/匹)を注射して免疫化した。投与は、3〜8週間にわたって5〜7回繰返した。細胞融合の4日前に、マウスに、ヒトM-CSF(溶媒はPBS)の最終注射を行った。免疫化されたマウスの脾臓およびリンパ節のリンパ球を、非分泌性骨髄腫のP3-X63-Ag8.653細胞系列と融合し、融合細胞を対象に文献記載の手順でHAT選択を行った(GalfreおよびMilstein, Methods Enzymol. 73: 3-46, 1981)。全てのM-CSFに特異的なヒトのIgG2抗体およびIgG4抗体を分泌するハイブリドーマのパネルを回収した。抗体は、Babcook, J.S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 7843-48, 1996に記載されたXENOMAX(商標)テクノロジーによっても作製した。本発明の抗体を産生するように作製された9つの細胞系列を後の試験用に選択し、252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4、8.10.3、および9.7.2と命名した。これらのハイブリドーマは、ブタペスト条約とAmerican Type Culture Collection (ATCC), 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209の規約に準じて2003年8月8日に登録された。ハイブリドーマには、以下のアクセッション番号が与えられた。
【0215】
実施例II
遺伝子出現頻度(Gene Utilization)解析
モノクローナル抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4、8.10.3および9.7.2の重鎖および軽鎖をコードするDNAを個々のハイブリドーマ細胞系列からクローニングし、そのDNA配列を、当業者に既知の方法で決定した。加えて、ハイブリドーマ細胞系列9.14.4、8.10.3、および9.7.2に由来するDNAを対象に、可変ドメインの特定のフレームワーク領域に変異を導入するか、および/またはアイソタイプ変換によって、例えばそれぞれ9.14.4I、8.10.3F、および9.7.2IFを得た。抗体の核酸配列および推定アミノ酸配列を元に、各抗体鎖に関する遺伝子出現頻度の内容を決定した(「VBASE」)。表2に、本発明に準じた分泌型抗体の遺伝子出現頻度を示す。
【0216】
(表2)
重鎖および軽鎖の遺伝子出現頻度
【0217】
重鎖および軽鎖の特定の残基への変異導入は、プライマーを設計して、QuickChange Site Directed Mutagenesisキット(Stratagene)を、製造業者の指示書に従って使用することで実施した。変異は自動配列決定によって確認し、変異が導入された挿入物を発現ベクターにサブクローニングした。この発現ベクターをHEK293細胞に導入して、特性決定用に十分な抗体を産生させた。
【0218】
実施例III
M-CSFマウス単球細胞増殖アッセイ法
抗M-CSF抗体による阻害の程度を見極めるために、抗M-CSF抗体の存在下におけるM-CSF依存性のマウスの単球細胞増殖を測定するインビトロアッセイ法を実施した。
【0219】
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)(Manassas, VA)から入手したマウスの単球細胞M-NFS-60細胞を、2 mM L-グルタミン(ATCC)、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS)(Invitrogen, Carlsbad, CA)、0.05 mM 2-メルカプトエタノール(Sigma, St. Louis MO)を含むRPMI-1640培地(アッセイ法用の培地)に15 ng/mlのヒトM-CSFを添加したものに維持した。M-NSF-60細胞を、翌日使用するための5×10
4個と、2日後に使用するための2.5×10
4個に分割した。アッセイ法に使用する前に、細胞をRPMI-1640で3回洗浄し、細胞数をカウントし、容量をアッセイ法用培地で2×10
5細胞/mlに調節した。全ての条件は、96ウェルの処理済みの組織培養プレート(Corning、Corning, NY)中で3回実施した。各ウェルに、50μlの洗浄済みの細胞、100 pMまたは1000 pMのM-CSFのいずれか(容量25μl)、および酢酸緩衝液(140 mM塩化ナトリウム、20 mM酢酸ナトリウム、および0.2 mg/mlポリソルベート80、pH 5.5)中に、さまざまな濃度で溶解した試験抗体または対照抗体(容量25μl)を添加した(最終容量は100μl)。本発明の抗体を単独で、またヒトM-CFSとともに検討した。プレートを24時間、37℃で5% CO
2の雰囲気下でインキュベートした。
【0220】
24時間後に、10μl/ウェルの0.5μCiの
3H-チミジン(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)を添加し、細胞を対象に3時間のパルス処理を行った。取り込まれたチミジンの量を検出するために、事前に湿らせたユニフィルターGF/Cフィルタープレート(Packard, Meriden, CT)上に細胞を回収し、水で10回洗浄した。このプレートを一晩かけて乾燥させた。フィルタープレートに底シールを貼付した。次に1ウェル当たり45μlのMicroscint 20(Packard, Meriden, CT)を添加した。上シールを貼付後に、プレート上の細胞をTrilux microbetaカウンター(Wallac, Norton, OH)でカウントした。
【0221】
これらの実験から、本発明の抗M-CSF抗体が、M-CSFに反応した、マウスの単球細胞の増殖を阻害することがわかる。また、さまざまな濃度の抗体を用いることで、マウスの単球細胞増殖の阻害のIC
50を、抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、および9.7.2について決定した(細胞増殖アッセイ法、表3Aおよび表3B)。
【0222】
(表3A)
【0223】
(表3B)
【0224】
実施例IV
ヒト全血単球活性化アッセイ法
抗M-CSF抗体の存在下におけるM-CSF依存性の単球の形状変化を測定するインビトロアッセイ法を実施し、抗M-CSF抗体が、全血の単球活性化を阻害する能力を有するか否かを判定し、また単球の形状変化の阻害の程度を決定した。
【0225】
96ウェルの組織培養プレートの各ウェルに、6μlの1.7 nMの抗M-CSF抗体と94 μlのヒト全血を最終濃度が102 pMの抗M-CSF抗体となるように混合した。このプレートを37℃で、CO
2組織培養インキュベーター内でインキュベートした。次に、プレートをインキュベーターから取り出した。各ウェルに100μlの固定液(リン酸緩衝食塩水を溶媒とする0.5%ホルマリン。MgCl
2またはCaCl
2を含まない)を添加し、プレートを室温で10分間インキュベートした。各試料について、各ウェルの180μlと、1 mlの赤血球溶解緩衝液を混合した。チューブをボルテックスミキサーで2秒間攪拌した。次に試料を、37℃で5分間、攪拌水浴中でインキュベートして赤血球を溶解させたが、単球は完全な状態で維持した。このインキュベーションの直後に、同試料の読み値を、蛍光活性化細胞スキャニング(FACS)装置(BD Beckman FACS)で得て、データをFACS Stationソフトウェア(バージョン3.4)で解析した。
【0226】
これらの実験から、対照試料と比較して本発明の抗M-CSF抗体が単球の形状変化を阻害することがわかる。単球形状変化アッセイ法によって、抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、および9.7.2に関するIC
50を決定した(ヒト全血単球活性化、表3Aおよび表3B)。
【0227】
実施例V
c-fms受容体結合阻害アッセイ法
抗M-CSF抗体の存在下におけるc-fms受容体に対するM-CSFの結合を測定するインビトロアッセイ法を実施して、抗M-CSF抗体が、M-CSFのc-fms受容体への結合を阻害する能力を有するか否かを判定し、またその阻害の程度を決定した。
【0228】
ヒトのc-fmsをトランスフェクトしたNIH-3T3細胞、またはマグネシウムまたはカルシウムを含まないダルベッコ・リン酸緩衝食塩水中で維持したM-NSF-60細胞を洗浄した。NIH-3T3細胞を、5 mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、pH 7.4を用いて、組織培養プレートから剥離させた。このNIH-3T3細胞を組織培養用インキュベーター内に戻して1〜2分間維持し、フラスコを軽く叩いて細胞の結合を緩くした。NIH-3T3細胞とM-NSF-60細胞を50 ml容のチューブに移し、反応緩衝液(50 mMのN-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸(HEPES)、pH 7.4を含む、炭酸水素ナトリウムを含まない1×RPMI)で2回洗浄した。次にNIH-3T3細胞を反応用緩衝液に再懸濁して、最終濃度を1.5×10
5細胞/mlとした。M-NSF-60細胞を反応緩衝液に再懸濁して、最終濃度を2.5×10
6細胞/mlとした。
【0229】
このアッセイ法では、9μlの滅菌済みの0.4 Mショ糖溶液、100μlの
125I-M-CSF(Amersham, IMQ7228v)(最終濃度200 pM)、50 mM HEPES(pH 7.4)、0.2%ウシ血清アルブミン、および100μlの非標識M-CSF(最終濃度200 nM)を含む培地RPMI-1640を結合用チューブ内で混合した。次に、50μl/チューブの、濃度を漸増させた試験抗体を添加した。抗体の非特異的な結合を決定するために、発明者らは、200 nMのM-CSFも添加した試料を含めた。対照用チューブには、抗体を添加しなかった。次に、1本のチューブあたり15,000個のNIH-3T3細胞、または250,000個のM-NSF-60細胞を添加した。全てのチューブを室温で3時間インキュベートして遠心した(10,000 rpm、2分)。細胞ペレットを含むチューブの先端を切り離し、細胞に結合した状態のM-CSFの量をPackard Cobra IIガンマカウンターで決定した。特異的な結合は、全結合から非特異的な結合を差し引いて決定した。全てのアッセイ法は2回実施した。結合データの解析には、コンピュータプログラムGraph Pad Prism 2.01を使用した。
【0230】
これらの実験から、本発明の抗M-CSF抗体が、対照試料とは対照的に、M-CSFのc-fms受容体への結合を阻害することがわかる。また、さまざまな濃度の抗体を用いることで、抗体252、88、100、3.8.3、2.7.3、1.120.1、9.14.4I、8.10.3F、9.7.2IF、9.14.4、8.10.3、および9.7.2について、受容体結合の阻害に関するIC
50を決定した(受容体結合阻害アッセイ法、表3Aおよび表3B)。
【0231】
実施例VI
BIACORE(商標)による抗M-CSFモノクローナル抗体の親和性定数(KD)の決定
精製抗体の親和性を、BIACORE(商標)3000装置を用いた表面プラズモン共鳴によって、製造業者のプロトコルに従って測定した。
【0232】
抗体3.8.3、2.7.3、および1.120.1に関しては、BIACORE(商標)3000装置を用いて、0.0005%のTween-20を含むダルベッコ・リン酸緩衝食塩水を用いて25℃で実験を実施した。沈降速度を決める実験で、またはアミノ酸配列から求めた理論的な吸光係数を用いて試料の280 nmにおける波長を測定することでタンパク質濃度を得た。固定化された抗原に対する抗体の結合を測定する実験では、M-CSFを、B1チップ上に標準的な直接アミンカップリング法で固定化した。3.8.3、2.7.3、および1.120.1については、抗体試料を0.69μMとなるように調製した。これらの試料を連続的に3倍に希釈し、約100倍の濃度範囲で8.5 nMまたは2.8 nMとした。各濃度に関して、試料を2回、5μl/分の流速で4分間かけて注入した。解離状態を2000秒間にわたってモニタリングした。データを単純な1:1結合モデルに、BIACORE(商標) Biaevaluationソフトウェアを用いて全体的にフィッティングを行った。いずれの場合も、この方法でk
offを得た結果、得られたデータセットが、結合データと解離データの全体的なフィッティングで得られたデータに良好に匹敵することがわかった。
【0233】
抗体252、抗体88、および抗体100については、実験を、HBS-EP緩衝液(0.01 M HEPES、pH 7.4、0.15 M NaCl、3 mM EDTA、0.005%界面活性剤P20)中で、BIACORE(商標) 3000装置を用いて25℃で実施した。固定化抗原に対する抗体の結合を測定する実験では、M-CSFをCM5 Research Grade Sensorチップ上に、標準的な直接アミンカップリング法で固定化した。抗体試料は、抗体252および抗体100については12.5 nMとなるように、また抗体88については25.0 nMとなるように調製した。これらの試料を連続的に2倍に希釈し、約15〜30倍の濃度範囲の0.78 nMとした。各濃度に関して、試料を2回、ランダムな順序で30μl/分の流速で3分間かけて注入した。解離状態を300秒間にわたってモニタリングした。得られたデータを、単純な1:1の結合モデルに、BIACORE(商標) Biaevaluationソフトウェアを用いて全体的なフィッティングを行った。いずれの場合も、この方法でk
offを得た。その結果、対象データセットが、結合データと解離データの全体的なフィッティングから得られたデータと同等であることがわかった。
【0234】
表4は、抗体252、抗体88、抗体100、抗体3.8.3、抗体2.7.3、および抗体1.120.1について得られた結果を示す。
【0235】
(表4)
【0236】
実施例VII
8.10.3ハイブリドーマ細胞による8.10.3抗体の産生
抗体8.10.3を3 Lのスパージ(sparged)スピナ中で産生させた。3 L容のスパージスピナフラスコは、培養物を羽根車制御による磁気プラットフォームで混合するガラス容器である。スピナは、ガス管線に接続して、5% CO
2および空気を供給する。最初に8.10.3ハイブリドーマ細胞を、T-25細胞培養フラスコ中で解凍した。この細胞をスパージスピナに接種するため、十分な数の細胞となるまで進行的に増やした。
【0237】
2個の3 L容のスパージスピナフラスコ中のハイブリドーマ無血清培地中に、8.10.3ハイブリドーマ細胞を接種した。ただし2つのスパージフラスコには、表5に示すように添加した。記載の最終濃度のUltra-Low IgG血清(Gibco cat# 16250-078)、L-グルタミン(JRH Biosciences cat# 59202-500M)、非必須アミノ酸(Gibco cat# 11140-050)、ペプトン(Difsco cat# 211693)、グルコース(JT Baker cat# 1920-07から調製したインハウス・ストック)、およびAnti-foam C(Sigma cat# A-8011)を培地に添加した。各反応槽内における容積のバランスは、ハイブリドーマ無血清培地である。
【0238】
(表5)2つの3 L容のスパージスピナ内におけるハイブリドーマ8.10.3の成長条件
【0239】
培養物を15日間成長させ、生存能が20%を下回った時点で回収した。生存能を、自動細胞カウンター(Cedex, Innovatis)によるトリパンブルー排除法で決定した。回収は、遠心と、これに続く濾過によって行った。7000 rpmで15分間の遠心と、これに続く滅菌済みの0.22μm 4"のOpticap Milliporeフィルター(cat# KVSCO4HB3)による10 Lの滅菌済みTC-Techバッグ(cat# P/N 12420 Bag Style CC-10-112420)内への濾過によって清澄な上清を得た。次に、濾液を以下の実施例に記載の手順で精製した。
【0240】
実施例VIII
抗M-CSF抗体の精製
プロテインAカラム(Amersham Pharmacia)を、3カラム容の8 M尿素による洗浄と、これに続く20 mM Tris(pH 8)による平衡洗浄(equilibration wash)によって調製した。実施例VIIで得られた最終濾液に、2% v/vの1 M Tris pH 8.3、および0.02%のNaN
3を添加した後に、重力点滴(gravity-drip)モードでプロテインAカラムにローディングした。ローディングの完了後に、樹脂を5カラム容の20 mM Tris(pH 8)と、これに続く5カラム容の溶出用緩衝液(0.1 Mグリシン、pH 3.0)で洗浄した。沈殿が認められたら、1 MのTris pH 8.3の10% v/v溶液を、溶出後の抗体に添加した。次に、溶出後のタンパク質を、透析用緩衝液(140 mM NaCl/20 mM酢酸ナトリウム、pH 5.5)の溶出材料の100倍容量に透析した。透析後は、抗体を0.22μmフィルターで滅菌濾過し、使用するまで保存した。
【0241】
実施例IX
サルへの投与および単球数
投与群あたり1頭のオスと1頭のメスのカニクイザルの静脈内に、溶媒または抗体8.10.3(実施例VIIおよびVIIIの手順で作製したもの)を約5分間かけて投与した(0 mg/kg、0.1 mg/kg、1 mg/kg、または5 mg/kg、投与容量は3.79 mL/kg)。臨床検査解析用の血液試料の回収は、投与後の24時間後および72時間後の時点で、また週に1回、3週間にわたって回収を行った。単球数は、Abbott Diagnostics社のCell Dynシステム(Abbott Park, Illinois)を用いて光散乱法で決定した。
【0242】
すべての投与量において、総単球数の用量関連性の減少(約25%〜85%)(
図1Aおよび1B)が観察された。0.1 mg/kgおよび1 mg/kgにおける単球数は、第2週までに、ほぼ対照レベルに見かけ上回復し、5 mg/kgの単球数は第3週でも低下を続けていた。
【0243】
CD14+CD16+の単球サブセットの解析
霊長類の全血をヘパリンナトリウムを含むVacutainerチューブに採取した。0.2 mlの各血液試料を、10 mlの赤血球溶解緩衝液(Sigma)を含む15 mlの円錐状のポリプロピレン製の遠心チューブに移し、37℃の水浴で15分間インキュベートした。次に同チューブを、Sorvall RT7遠心器で遠心した(5分間、1,200 rpm)。上清を吸引し、ペレットを10 mlの4℃のFACS緩衝液(ハンクス平衡塩溶液/2% FBS/0.02%アジ化ナトリウム)に再懸濁し、チューブを再び遠心した(5分間、1,200 rpm)。上清を吸引し、ペレットを、80μlのFACS緩衝液(4℃)、10μlのFITC結合抗ヒトCD14モノクローナル抗体(BD Biosciences, San Diego, CA)、0.5μlのCy5-PE結合抗ヒトCD16モノクローナル抗体(BD Biosciences, San Diego, CA)、および10μlのPE結合抗ヒトCD89モノクローナル抗体(BD Biosciences, San Diego, CA)を含む抗体カクテルに再懸濁した。この細胞懸濁物を氷上で20分間インキュベートした後に、10 mlのFACS緩衝液(4℃)を添加し、細胞を上記のように遠心した。上清を吸引し、細胞ペレットを400μlのFACS緩衝液に再懸濁し、細胞をFACS Caliberフロー血球計算器(BD Biosciences, San Jose, CA)で解析した。30,000個の細胞についてのデータを各試料について得た。
【0244】
フォワードアングル(forward angle)の光散乱と直交性(orthogonal)の光散乱を組み合わせることで単球集団を同定した。単球ゲート内の細胞の解析をさらに、CD14とCD16の発現に関して行った。高レベルのCD14を発現し、CD16をほとんど、あるいは全く発現しない単球集団(CD14
++CD16
-)と、低レベルのCD14を発現し、高レベルのCD16を発現する単球集団(CD14
+CD16
+)の、ヒト末梢血に関して過去に検討された(Ziegler-Heitbrock H.W., Immunology Today 17: 424-428 (1996))、2つの単球群に類似した2つの別個の集団の単球を観察した。検討した個々の霊長類個体に関して、CD14
+CD16
+のサブセット中に単球の占めるパーセンテージを個々の血液採取後に、8.10.3の注射後の1日目、3日目、7日目、14日目、および21日目に決定した。
【0245】
一般に8.10.3の投与は、CD14
+CD16
+の単球の占めるパーセンテージの低下を招いた(
図2Aおよび
図2B参照)。8.10.3抗体の投与を受けなかったサルは、比較的安定なCD14
+CD16
+の単球レベルを示した。CD14
+CD16
+の単球は、「炎症誘発性」であると判定された。というのは、高レベルのTNF-αおよび他の炎症性サイトカインを産生するからである(Frankenberger, M.T., et al., Blood 87: 373-377 (1996))。炎症誘発性の表現型に対する典型的なCD14
++CD16
-表現型に由来する単球の分化がM-CSFに依存することも報告されている(Saleh M.N., et al., Blood 85: 2910-2917 (1995))。
【0246】
実施例X
サルへの投与および単球数
投与群当たり3頭のオスのカニクイザルの静脈内に、溶媒(20 mM酢酸ナトリウム、pH 5.5、140 mM NaCl)、精製抗体8.10.3Fまたは精製抗体9.14.4I(0 mg/k、1 mg/k、もしくは5 mg/kg、投与容量は3.79 mL/kg、約5分間)を投与した。サルは、4〜9歳で6〜10 kgの個体を対象とした。臨床検査解析用の血液試料は、2日目、4日目、8日目、15日目、23日目、および29日目に回収した。単球数は、Abbott Diagnostics社のCell Dynシステム(Abbott Park, Illinois)を用いて光散乱法で決定した。
【0247】
試験前レベルの単球(
図3Aおよび3B)と比較時に、抗体8.10.3Fおよび抗体9.14.4Iの全ての投与時における総単球のパーセンテージ変化の低下が認められた(例えば、
図3Aおよび
図3Bの4日目、8日目、15日目、および23日目を参照)。
【0248】
本明細書に引用された全ての出版物および特許出願は、個々の出版物または特許出願が特異的かつ個別に、参照により組み入れられることが示されているように、参照により本明細書に組み入れられる。前記の発明は、説明目的および理解を進めることを目的とした実施例で、ある程度詳細に記載されているが、当業者には、本発明の記載に鑑みて、ある変更および改変が、本発明の意図および添付の特許請求の範囲から解離することなく加えられる可能性があることが容易に理解されると思われる。
【0249】
配列
キー:
シグナルペプチド:下線を付した小文字
CDR 1、2、3:下線を付した大文字
可変ドメイン:大文字
定常ドメイン:小文字
生殖細胞系列からの変異:太字
SEQ ID NO:1
252の重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:2
252の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:3
252の軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:4
252の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:5
88の重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:6
88の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:7
88の軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:8
88の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:9
100の重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:10
100の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:11
100の軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:12
100の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:14
3.8.3の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:16
3.8.3の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:18
2.7.3の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:20
2.7.3の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:22
1.120.1の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:24
1.120.1の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:25
9.14.4Iの重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:26
9.14.4Iの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:27
9.14.4、9.14.4I、9.14.4-Ser、および9.14.4-G1の軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:28
9.14.4、9.14.4I、9.14.4-Ser、および9.14.4-G1の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:37
9.14.4の重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:38
9.14.4の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:54
9.14.4C-Serの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:56
9.14.4C-Ser、9.14.4-CG2、および9.14.4-CG4の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:74
9.14.4-CG2の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:78
9.14.4-CG4の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:82
9.14.4-Serの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:101
9.14.4G1の重鎖(γ鎖)ヌクレオチド配列
SEQ ID NO:102
9.14.4G1の重鎖(γ鎖)タンパク質配列
SEQ ID NO:29
8.10.3および8.10.3Fの重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:30
8.10.3および8.10.3Fの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:31
8.10.3FG1および8.10.3Fの軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:32
8.10.3FG1および8.10.3Fの軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:43
8.10.3および8.10.3-Serの軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:44
8.10.3および8.10.3-Serの軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:58
8.10.3C-Serの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:60
8.10.3-CG2、8.10.3-CG4、および8.10.3C-Serの軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:62
8.10.3-CG2の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:90
8.10.3-Serの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:94
8.10.3-CG4の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:97
8.10.3FG1の重鎖のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:98
8.10.3FG1の重鎖(γ鎖)のタンパク質配列
SEQ ID NO:33
9.7.2IFの重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:34
9.7.2IFの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:35
9.7.2IFの軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:36
9.7.2IFの軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:45
9.7.2の重鎖[γ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:46
9.7.2の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:47
9.7.2および9.7.2-Serの軽鎖[κ鎖]のヌクレオチド配列
SEQ ID NO:48
9.7.2および9.7.2-Serの軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:50
9.7.2C-Serの重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:52
9.7.2C-Ser、9.7.2-CG2、および9.7.2-CG4の軽鎖[κ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:66
9.7.2-CG2の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:70
9.7.2-CG4の重鎖[γ鎖]のタンパク質配列
SEQ ID NO:86