(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)関連筋肉疲労、慢性腎臓病(CKD)関連筋肉疲労、慢性心不全(CHF)関連筋肉疲労および尿失禁から選択される障害を治療するための、請求項2に記載の医薬組成物。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)関連筋肉疲労、慢性腎臓病(CKD)関連筋肉疲労、慢性心不全(CHF)関連筋肉疲労および尿失禁から選択される障害の治療のための医薬品の製造における請求項1に記載の化合物の使用。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1態様において本発明は、下記式(I)の化合物またはそれの塩を提供する。
【0021】
【化6】
式中、
【化7】
は単結合もしくは二重結合を示し;
R
1は−CF
3、−C≡N、またはハロであり;
R
2はH、C
1−3アルキル、または−CHF
2であり;
R
3はHまたはC
1−3アルキルであり;
R
4は−C(O)OCH
3、−C(CH
3)
2OH、−CH
2OH、−CH
2SCH
3、−CH
2S(O)
2CH
3、−C(O)CH
3、またはフェニルもしくはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良く;
R
5はHまたはメチルである。
【0022】
本発明の別の態様において、
【化8】
R
1、R
2、R
3、およびR
5は上記で定義の通りであり、R
4は−C(O)OCH
3、−C(CH
3)
2OH、−C(CH
3)(CF
3)OH、−CH
2OH、−CH
2SCH
3、−CH
2S(O)
2CH
3、−C(O)CH
3、またはフェニルもしくはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良い。
【0023】
1実施形態において、
【化9】
は単結合もしくは二重結合を示し;
R
1は−CF
3、−C≡N、またはハロであり;R
2はH、C
1−3アルキル、または−CHF
2であり;R
3はHまたはC
1−3アルキルであり;
R
4は−CH
2S(O)
2CH
3であり、R
5はHまたはメチルである。
【0024】
本発明の特定の実施形態において、
【化10】
は単結合もしくは二重結合を示し;R
1は−CF
3、−C≡N、またはハロであり;R
2はH、C
1−3アルキル、または−CHF
2であり;R
3はHであり;
R
4は−C(CH
3)(CF
3)OH、−CH
2SCH
3、−CH
2S(O)
2CH
3、−C(O)CH
3またはフェニルもしくはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良く、R
5はメチルである。
【0025】
本発明の別の実施形態において、
【化11】
は単結合もしくは二重結合を示し;R
1は−CF
3、−C≡N、またはハロであり;R
2はH、C
1−3アルキル、または−CHF
2であり;R
3はC
1−3アルキルであり;
R
4は−C(CH
3)(CF
3)OH、−CH
2SCH
3、−CH
2S(O)
2CH
3、−C(O)CH
3またはフェニルもしくはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良く、R
5はHまたはメチルである。
【0026】
一部の実施形態において、R
1は−CF
3、−C≡N、またはハロである。ある種の実施形態において、R
1は−CF
3または−C≡Nである。ある種の実施形態において、R
1はハロである。特定の実施形態において、R
1はClである。一部の好ましい実施形態において、R
1は−CF
3である。
【0027】
一部の実施形態において、R
2はH、メチル、エチル、プロピル、または−CHF
2である。特定の実施形態において、R
2はH、メチル、または−CHF
2である。ある種の好ましい実施形態において、R
2はHである。他の好ましい実施形態において、R
2はメチルである。
【0028】
ある種の実施形態において、R
3はHである。他の実施形態において、R
3はC
1−3アルキルである。特定の実施形態において、R
3はメチルまたはエチルである。ある種の好ましい実施形態において、R
3はメチルである。
【0029】
一部の実施形態において、R
4は−C(O)OCH
3、−C(CH
3)
2OH、−CH
2OH、−CH
2SCH
3、−CH
2S(O)
2CH
3、または−C(O)CH
3である。他の実施形態において、R
4は−C(CH
3)(CF
3)OHである。好ましい実施形態において、R
4は−C(CH
3)
2OHまたは−CH
2S(O)
2CH
3である。特に好ましい実施形態において、R
4は−CH
2S(O)
2CH
3である。
【0030】
他の実施形態において、R
4はフェニルまたはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良い。ある種の実施形態において、R
4は
【化12】
である。
【0031】
1実施形態において、R
5はHである。別の実施形態において、R
5はメチルである。
【0032】
一部の実施形態において、R
3はHであり;R
4は−C(CH
3)
2OH、−CH
2SCH
3、またはフェニルまたはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良く、R
5はHである。
【0033】
別の実施形態において、R
3はメチル、エチル、またはプロピルであり、R
4は−C(O)OCH
3、−C(CH
3)
2OH、−CH
2OH、−CH
2SCH
3、−CH
2S(O)
2CH
3、−C(O)CH
3、またはフェニルもしくはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良く、R
5はHである。
【0034】
別の実施形態において、R
3はメチル、エチル、またはプロピルであり;R
4は−C(CH
3)
2OHであり;R
5はHである。
【0035】
別の実施形態において、R
3はメチル、エチル、またはプロピルであり;R
4は−C(CH
3)(CF5
3)OHであり;R
5はHである。
【0036】
ある好ましい実施形態において、当該化合物は下記式I′の化合物である。
【0038】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は上記で定義の通りである。
【0039】
別の実施形態において、当該化合物は下記式I″の化合物である。
【0041】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は上記で定義の通りである。
【0042】
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素基を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、好ましくは指定数の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素を指す。本明細書で使用される「アルキル」の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
本明細書を通じて使用される場合に、炭素原子などの原子の好ましい数は、例えば「Cx−Cyアルキル」という表現によって表され、その場合、指定数の炭素原子を含む本明細書で定義のアルキル基を指す。
【0045】
各可変要素についての実施形態および好ましい基が、各可変要素について上記で別個に挙げられているが、本発明の化合物は、式(I)、(I′)、または(I″)における各可変要素のいくつかが各可変要素についての態様もしくは実施形態、ならびに好ましい、より好ましいもしくは最も好ましい基から選択されるものを含む。従って本発明は、全ての態様、実施形態、ならびに好ましい、より好ましいおよび最も好ましい基の全ての組み合わせを含むものである。
【0046】
本発明はまた、
2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]プロパン酸メチル;
2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]ブタン酸メチル;
2−メチル−1−(1−メチル−2−オキソプロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−エチル−2−オキソプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−エチル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルスルホニル)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(2−(メチルチオ)エチル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−(ジフルオロメチル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
2−(ジフルオロメチル)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
2−(ジフルオロメチル)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
1−(3−オキソブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)インドリン−5−カルボニトリル;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)インドリン−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルスルホニル)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
4−クロロ−1−(3−オキソブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
4−クロロ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
1−(3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(3−シアノフェニル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−4−クロロ−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−フェニルエチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
からなるリストから選択される化合物
およびこれらの塩も提供する。
【0047】
本発明は、化合物4−クロロ−1−((2R,3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリルおよびそれの塩も包含する。
【0048】
本発明は、
1−((2R,3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
からなるリストから選択される化合物
およびそれらの塩も提供する。
【0049】
ある好ましい実施形態において、当該化合物は(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルである。
【0050】
本発明の化合物は、1以上の核ホルモン受容体の機能を調節すると考えられている。特に、本発明の化合物はアンドロゲン受容体(「AR」)を調節する。本発明は、ARの選択的作動薬、部分作動薬、拮抗薬および部分拮抗薬である化合物を含む。本発明の化合物は、AR関連の疾患および状態、例えばARの機能もしくは活性の調節によって予防、改善もしくは治癒される疾患もしくは状態の治療において有用である。そのような調節は、ある種の組織内で孤立していることができるか、治療対象者の身体全体に広がったものであることができる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、指定の状態の改善、その状態の症状の消失もしくは軽減、その状態の進行の遅延もしくは消失を指す。
【0052】
本発明の化合物は、対象者における状態の初期発症、または既往対象者における状態の再発を予防または遅延させる上で有用でもあり得る。
【0053】
本発明の1実施形態は、医学療法で使用される本発明の化合物を提供する。特に本発明は、アンドロゲン活性が介在する障害の治療を提供する。より詳細には、本発明は、組織選択的同化活性またはアンドロゲン活性に応答する障害の治療を提供する。本発明の別の実施形態は、有効量の本発明の化合物を対象者に投与することを含む、アンドロゲン活性が介在する障害を患う哺乳動物の治療方法を提供する。
【0054】
本発明の1実施形態は、骨粗鬆症、および/または骨の質量、密度もしくは成長の低下、骨粗鬆症の予防、骨折修復および治癒の加速、関節置換術、歯周病における治癒の加速、歯の修復および成長の加速、パジェット病、骨軟骨形成異常、筋肉疲労、筋肉の強度および機能の維持および強化、虚弱または加齢性機能低下(ARFD)、ドライアイ、サルコペニア、末期腎臓疾患(ESRD)、慢性疲労症候群、慢性筋肉痛、急性疲労症候群、敗血症、創傷治癒の加速、感覚機能の維持、慢性肝臓疾患、AIDS、無重力、火傷および外傷回復、血小板減少症、短腸症候群、過敏性大腸症候群、炎症性大腸炎、クローン病および潰瘍性大腸炎、肥満、悪液質もしくは加齢関連の摂食障害などの摂食障害、副腎皮質機能亢進およびクッシング症候群、循環器病または心機能障害、鬱血性心不全、高血圧、乳房、脳、皮膚、卵巣、膀胱、リンパ、肝臓、腎臓、子宮、膵臓、子宮内膜、肺、結腸および前立腺などのアンドロゲン受容体を含む悪性腫瘍細胞、前立腺肥大、多毛症、アクネ、脂漏症、アンドロゲン性脱毛症、貧血、高有毛症(hyperpilosity)、前立腺の腺腫と新生物形成、高インスリン血症、インスリン耐性、糖尿病、X症候群、脂質異常症、更年期血管運動状態、尿失禁、アテローム性動脈硬化症、性欲増強、性機能障害、抑鬱、神経質、興奮性、ストレス、低下した精神力と低い自尊心、認知機能の改善、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、子癇前症の中和、月経前症候群、避妊、子宮筋腫症、大動脈平滑筋細胞増殖、男性ホルモン補充またはADAMなど(それに限定されるものではない)の各種障害の治療のための本発明の化合物の使用である。
【0055】
本発明の別の実施形態は、骨粗鬆症、および/または骨の質量、密度もしくは成長の低下、骨粗鬆症の予防、骨折修復および治癒の加速、関節置換術、歯周病における治癒の加速、歯の修復および成長の加速、パジェット病、骨軟骨形成異常、筋肉疲労、筋肉の強度および機能の維持および強化、虚弱または加齢性機能低下(ARFD)、ドライアイ、サルコペニア、末期腎臓疾患(ESRD)、慢性疲労症候群、慢性筋肉痛、急性疲労症候群、創傷治癒の加速、感覚機能の維持、慢性肝臓疾患、AIDS、無重力、火傷および外傷回復、血小板減少症、短腸症候群、過敏性大腸症候群、炎症性大腸炎、クローン病および潰瘍性大腸炎、肥満、悪液質もしくは加齢関連の摂食障害などの摂食障害、副腎皮質機能亢進およびクッシング症候群、循環器病または心機能障害、鬱血性心不全、高血圧、乳房、脳、皮膚、卵巣、膀胱、リンパ、肝臓、腎臓、子宮、膵臓、子宮内膜、肺、結腸および前立腺などのアンドロゲン受容体を含む悪性腫瘍細胞、前立腺肥大、多毛症、アクネ、脂漏症、アンドロゲン性脱毛症、貧血、高有毛症(hyperpilosity)、前立腺の腺腫と新生物形成、高インスリン血症、インスリン耐性、糖尿病、X症候群、脂質異常症、更年期血管運動状態、尿失禁(骨盤底の筋肉および/または組織の消耗関連の尿失禁など)、アテローム性動脈硬化症、性欲増強、性機能障害、抑鬱、神経質、興奮性、ストレス、低下した精神力と低い自尊心、認知機能の改善、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、子癇前症の中和、月経前症候群、避妊、子宮筋腫症、大動脈平滑筋細胞増殖、男性ホルモン補充またはADAMなど(これらに限定されるものではない)の各種障害の治療を必要とする哺乳動物の治療方法を提供する。好ましくは本発明の化合物は、性腺機能低下症、骨粗鬆症、筋肉疲労、消耗性疾患、癌悪液質、虚弱、前立腺肥大、前立腺癌、乳癌、閉経期および男性更年期血管運動状態、尿失禁、性機能障害、勃起障害、抑鬱、子宮筋腫症、および/または子宮内膜症の治療もしくは予防、アクネ、多毛症、造血の刺激、男性避妊、インポテンスの治療のために、および同化剤として使用され、その使用は対象者に対して有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0056】
一部の実施形態において本発明は、筋障害の治療における本発明の化合物の使用を包含する。特定の実施形態において、筋障害は手術関連筋障害、外傷性筋障害、作業関連の骨格筋障害、または使い過ぎ関連筋障害である。
【0057】
手術関連筋障害の例には、膝置換術、前十字靭帯(ACL)修復、美容整形手術、人工股関節置換術、関節置換術、腱修復術、腱板の疾患および損傷の外科的修復、および切断による筋肉の損傷などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
外傷性筋障害の例には、戦場筋障害、自動車事故関連筋障害、およびスポーツ関連筋障害などがあるが、これらに限定されるものではない。筋肉に対する外傷性障害には、裂傷、鈍器挫傷、散弾負傷、筋肉の引っ張りもしくは断裂、火傷、急性の筋違い、慢性の筋違い、重量もしくは力によるストレス損傷、反復性ストレス障害、裂離筋障害、および筋コンパートメント症候群などもあり得る。
【0059】
1実施形態において、筋障害は外傷性筋障害であり、治療方法は外傷直後(例えば、損傷の1日以内)の少なくとも1高用量の本発明の化合物の投与とそれに続く回復期間中の低用量の本発明の化合物の定期的投与を提供する。
【0060】
作業関連の筋障害の例には、高反復運動、強い運動、ぎこちない姿勢、身体と物体との間の長期で強い機械的結合、および振動などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
使い過ぎ関連筋障害(オーバートレーニング関連筋障害)には、回復欠如または物理的作業能力上昇の欠如を伴う未修復もしくは修復したの筋損傷などがある。
【0062】
別の実施形態において、筋障害は、運動誘発の遅発性筋肉痛(DOMS)などを引き起こす運動もしくはスポーツ誘発筋損傷である。
【0063】
別の態様において本発明は、ヒトに本発明の化合物を投与することを含む、筋肉変性障害の治療方法を提供する。
【0064】
特定の実施形態において、筋肉変性障害は筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、多発性筋炎、または皮膚筋炎である。
【0065】
例えば、当該方法は、デュシェンヌ型MD、ベッカー型MD、先天型MD(福山型)、エミリー・ドレフュス型MD、肢帯MD、および顔面肩甲上腕MDから選択される筋ジストロフィー障害を治療するのに用いることができる。
【0066】
本発明の方法は、筋強直性ジストロフィーI型(DM1またはシュタイネルト)、筋強直性ジストロフィーII型(DM2または近位筋強直性ミオパシー)、または先天性筋緊張症を治療するのに用いることもできる。
【0067】
一部の実施形態において本発明は、筋肉再生を促進する生体的足場(例えば細胞外基質を含む足場)の移植と組み合わせて本発明の化合物を対象者で投与する併用療法を包含する。そのような足場は当業界では知られている。例えば、Turner and Badylack (2012) Cell Tissue Res. 347(3):759-74およびUS特許第6576265号を参照する。非架橋細胞外基質材料を含む足場が好ましい。
【0068】
別の態様において本発明は、処置を必要とする対象者に本発明の化合物を投与することを含む、腱損傷の治療方法を提供する。特定の実施形態において本発明は、安定な腱−骨接合部分の形成を促進する方法を含む。関連する実施形態では本発明は、腱損傷、例えば手術による腱修復に対するストレスを増加させる方法を提供する。別の実施形態において本発明は、手術による腱修復のために修復部位での線維化を低減する方法を提供する。特定の実施形態において本発明は、回旋筋腱板損傷に関連する腱の損傷、または旋筋腱板損傷の外科的修復関連の腱損傷を治療する方法を提供する。本発明の化合物による治療を必要とする哺乳動物は、代表的にはヒトである。
【0069】
ある好ましい実施形態において、治療対象の障害は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)関連の筋肉疲労である。
【0070】
別の好ましい実施形態において、治療対象の障害は、慢性腎疾患(CKD)または末期腎臓疾患(ESRD)関連の筋肉疲労である。
【0071】
別の好ましい実施形態において、治療対象の障害は、慢性心不全(CHF)関連の筋肉疲労である。
【0072】
別の好ましい実施形態において、当該化合物は、骨折の修復および治癒を加速するのに用いられ、例えば股関節骨折の修復および治癒を加速するのに用いられる。
【0073】
さらに別の好ましい実施形態において当該化合物は、尿失禁(骨盤底の筋肉および/または組織の消耗関連の尿失禁など)を治療するのに用いられる。
【0074】
本発明の化合物は1以上の形態で結晶化する可能性があり、これは多形と呼ばれる性質であるが、このような多形(「多形体」)は式(I)、(I′)もしくは(I″)の範囲内にある。多形は一般的に、温度、圧力またはその両方の変化に応答して生じうる。多形はまた結晶化方法の変法の結果生じうる。多形は当技術分野で知られている種々の物理的性質(例えばX線回折パターン、溶解度および融点など)により識別することができる。
【0075】
本明細書に記載の化合物の一部は1以上のキラル中心を有するか、さもなくば複数の立体異性体として存在しうる。本発明の範囲には、立体異性体の混合物ならびに純化されたエナンチオマーまたはエナンチオ/ジアステレオ富化された混合物も含まれる。また、式(I)、(I′)もしくは(I″)で表される化合物の個々の異性体、ならびにその全体的にまたは部分的に平衡化された混合物も本発明の範囲に含まれる。本発明にはまた、上の式で表される化合物の個々の異性体を、1以上のキラル中心が反転したその異性体との混合物として含む。
【0076】
代表的には(絶対ではないが)、本発明の塩は製薬上許容される塩である。「製薬上許容される塩」という用語に含まれる塩は、本発明の化合物の無毒性塩を指す。本発明の化合物の化合物は、酸付加塩を含むことができる。代表的な塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物塩、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル塩、硝酸メチル塩、硫酸メチル塩、マレイン酸一カリウム塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシル酸塩、トリエチオジド、トリメチルアンモニウム塩、および吉草酸塩などがある。製薬上許容されない他の塩は本発明の化合物の調製に有用である可能性があり、これらは本発明のさらなる態様をなすと見なされるべきである。
【0077】
本明細書において用いられる「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明では式(I)、(I′)もしくは(I″)の化合物)と溶媒から形成される、さまざまな化学量論的量の複合体を指す。かかる溶媒は、本発明においては、溶質の生物学的活性を妨害するものであってはならない。適当な溶媒の非限定的な例としては、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられるがこれに限らない。好ましくは使用する溶媒は製薬上許容される溶媒である。適当な製薬上許容される溶媒の非限定的な例としては、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。最も好ましくは使用する溶媒は水である。
【0078】
本明細書で用いられる場合「有効量」という用語は、例えば研究者または臨床関係者が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す薬物または薬剤の量を意味する。「治療上有効量」という用語は、そのような量の投与を受けていない相当する対象者と比較して、疾患、障害または副作用の治療、治癒もしくは改善あるいは疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす量を意味する。この用語の範囲にはまた、正常な生理機能を強化する上で有効な量も含まれる。療法で使用される場合、治療上有効量の式(I)(I′)または(I″)の化合物を原薬化学物質として投与することができる。さらに、有効成分を医薬組成物として提供することができる。
【0079】
従って、本発明はさらに、有効量の本発明の化合物および1以上の製薬上許容される担体、希釈剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。本発明の化合物は本明細書で記載の通りである。担体、希釈剤または賦形剤は、製剤の他の成分と適合性であり、医薬組成物を受ける者に対して有害性がない意味において許容できるものでなければならない。
【0080】
本発明の別の態様によれば、1以上の製薬上許容される担体、希釈剤もしくは賦形剤と本発明の化合物を混合することを含む医薬製剤の製造方法も提供される。
【0081】
本発明の化合物の治療上有効量は、多くの要素によって決まる。例えば、投与を受ける者の動物種、年齢および体重、治療を要する当該特定の症状およびその重度、製剤の性質、および投与の経路はいずれも考慮すべき要素である。治療上有効量は最終的には、担当の医師または獣医の判断によるべきである。脆弱などの障害を患っているヒトの治療のための有効な量の本発明の化合物は、概して、1日当たり0.01から100mg/kg(投与を受ける者(哺乳動物)の体重)の範囲であるはずである。より一般的には有効量は1日当たり0.001から1mg/kg(体重)の範囲であるはずである。従って、70kgの成体哺乳動物にとって1日当たりの実際の量は通常0.07から70mg、例えば0.1から20mg、例えば1から10mgとなると考えられる。この量は、1日当たりの単回投与で、または1日の合計量が同じになるように1日当たりいくつか(例えば、2回、3回、4回、5回またはそれ以上)の分割投与で施すことができる。化合物の塩、溶媒和物の有効量は、式(I)、(I′)もしくは(I″)の化合物自体の有効量に対する割合として決定することができる。本明細書に記載の他の状態の治療には同様の用量が妥当であるはずである。
【0082】
医薬製剤は、単位用量当たり所定量の有効成分を含む単位製剤で提供することができる。そのような単位は、非限定的例として、治療される状態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態に応じて、本発明の化合物0.1mgから100mg、例えば0.1から50mg、例えば0.5から15mgを含むことができる。好ましい単位製剤は、本明細書において上記で記載されている1日用量もしくは部分用量またはそれの適切な部分の有効成分を含むものである。そのような医薬製剤は、薬学業界で公知のいずれかの方法によって製造することができる。
【0083】
医薬製剤は、いずれか適切な経路による、例えば経口(口腔もしくは舌下など)、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下もしくは経皮など)、経膣、または非経口(皮下、筋肉、静脈もしくは皮内など)経路による投与に適したものとすることができる。そのような製剤は、薬学業界で公知のいずれかの方法によって、例えば担体または賦形剤と有効成分を組み合わせることで製造することができる。
【0084】
経口投与に順応させた医薬製剤は、カプセルもしくは錠剤;粉剤もしくは粒剤;液剤もしくは懸濁液(それぞれ水系液もしくは非水系液);可食の泡剤もしくはホイップ;または水中油型乳濁液もしくは油中水型乳濁液などの個別の単位として提供することができる。例えば、錠剤もしくはカプセルの形態での経口投与の場合、活性薬剤成分は、エタノール、グリセリン、水などの経口で無毒性の製薬上許容される不活性担体と組み合わせることができる。概して、粉剤は、化合物を好適な微細サイズまで粉砕し、可食炭水化物、例えばデンプンもしくはマンニトールなどの適切な医薬担体と混合することで製造される。香味剤、保存剤、分散剤および着色剤も存在させることができる。
【0085】
カプセル剤は、粉剤、液体または懸濁混合物を調製し、それをゼラチンまたは何らかの別の適当な外皮材料を用いてカプセル化することにより製造することができる。流動化剤および滑沢剤、例えばコロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固形ポリエチレングリコールなどを混合物に加えてからカプセル化を行うことができる。カプセルが摂取されたときの医薬の利用能を改善するために、崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを添加することもできる。その上、所望によりまたは必要であれば、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤を混合物に組み込むこともできる。適当な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、グルコースやβ−ラクトースのような天然糖、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの製剤に有用な潤滑剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
錠剤は例えば、粉末混合物を調製し、顆粒またはスラッグを形成し、滑沢剤と崩壊剤を加え、ついで打錠することにより製剤化することができる。粉末混合物は、適当に細かく砕いた混合物を上に記載の希釈剤または基剤と混合することにより調製することができる。適宜の成分には、結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(例えばパラフィン)、再吸収促進剤(例えば四級塩)および/または吸収剤(例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウム)などがある。粉末混合物は、結合剤(例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液またはセルロース材料もしくはポリマー材料の液剤)などを使用し、ついで篩を強制通過させることにより湿式造粒することができる。造粒の代替法として、粉末混合物を打錠機にかけることも可能であり、その結果得られるのは不完全に形成されたスラッグであり、これを破壊して顆粒とする。顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたはミネラルオイルを添加することにより滑らかにして、錠剤成形金型への付着を防止することができる。次いで滑らかにした混合物を打錠する。本発明の化合物はまた、自由流動性の不活性担体と混合して、顆粒化またはスラッグ形成工程を経ることなく、直接打錠することもできる。シェラックのシーリングコート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスの光沢コーティングからなる透明または半透明の保護コーティングを施してもよい。異なる単位用量を区別するためにこうしたコーティングに着色料を添加してもよい。
【0087】
経口用液体(例えば液剤、シロップおよびエリキシル剤)は、その所定量があらかじめ決められた量の化合物を含有するように、単位製剤で調製することができる。シロップ剤は例えば、化合物を適当に香味付けした水溶液に溶解させることにより調製することができ、またエリキシル剤は無毒性のアルコール系ビヒクルを使用することにより調製することができる。懸濁液は一般に、化合物を無毒性のビヒクル中に分散させることにより製剤することができる。可溶化剤および乳化剤(例えばエトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル)を加えることができる。本発明に従って使用可能な可溶化剤には、Cremophor EL、ビタミンE、PEGおよびSolutolなどがある。保存剤および/または香味添加剤(ペパーミント油もしくは天然甘味料、サッカリンまたは他の人工甘味料)などを添加してもよい。
【0088】
適当であれば、経口投与用の単位投与製剤をマイクロカプセル化することもできる。製剤はまた、放出が延長されるまたは持続するように調製することができ、これは例えば微粒子材料をポリマーやワックスなどでコーティングしたり、その中に包埋することにより行う。
【0089】
本発明の化合物はまた、リポソーム送達系、例えば小さい単ラメラベシクル、大きい単ラメラベシクルおよび多ラメラベシクルの形態で投与することができる。リポソームは種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどから形成することができる。
【0090】
本発明の化合物はまた、化合物分子がカップリングされる個々の担体としてのモノクローナル抗体の使用によっても送達することができる。
【0091】
本発明の化合物はまた、標的性薬剤担体としての可溶性ポリマーにカップリングさせることもできる。そのようなポリマーには、ポリビニルピロリドン(PVP)、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチル−アスパルトアミドフェノールまたはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが含まれ得る。その上、本発明の化合物は、薬物の制御放出をもたらすのに有用な生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリεカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋型または両親媒性ブロックコポリマーにカップリングさせることもできる。
【0092】
経皮投与に適合させた医薬製剤は、個別の貼付剤(投与を受ける者の表皮と長時間にわたり密着することを意図したもの)として提供することができる。例えば、有効成分は、Nature Biotechnology, 26(11)、 1261-1268(2008)(そのような送達系に関連して参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているように、化学促進剤、イオントフォレシス、非破壊的超音波、極微針、熱剥離、マイクロクリスタル・ピーリングおよびエレクトロポレーションにより貼付剤から送達され得る。
【0093】
局所用途用に適合させた医薬製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉剤、液剤、ペースト、ゲル、噴霧剤、エアロゾルまたはオイル剤として製剤することができる。
【0094】
眼や他の外部組織(口や皮膚など)の処置のためには、製剤を局所用の軟膏またはクリームとして塗布することができる。軟膏として製剤する場合、有効成分をパラフィン系または水混和性の軟膏基剤のいずれかと共に使用することができる。あるいは、有効成分を、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤を用いてクリームとして製剤することができる。
【0095】
眼への局所適用に適合させた医薬製剤には点眼剤などがあり、この場合有効成分は適当な担体(特に水系溶媒)に溶解または懸濁される。
【0096】
口への局所適用に適合させた医薬製剤には、ロゼンジ剤、芳香錠、および洗口剤が挙げられる。
【0097】
鼻への投与に適合させた医薬製剤には、担体が固形物の場合、例えば20から500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末などがある。粉剤は鼻から吸い込む様式で(すなわち鼻に近づけて保持した粉剤容器から鼻孔への急激な吸入により)投与される。担体が液体の場合には、経鼻噴霧剤または点鼻剤として投与するための適当な製剤には、有効成分の水系または油系液剤などがある。
【0098】
吸入による投与に適合させた医薬製剤としては、微粒子の散剤またはミストが挙げられ、これらは各種の加圧式定量噴霧器、ネブライザーまたは吸入器により生成させることができる。
【0099】
直腸投与に適合させた医薬製剤は坐剤または浣腸剤として提供することができる。
【0100】
膣投与に適合させた医薬製剤はペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡剤または噴霧剤として提供することができる。
【0101】
非経口投与用に適合させた医薬製剤としては、水系および非水系の滅菌注射溶液(これは抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および所期の投与を受ける者の血液と等張にする溶質を含み得る)、ならびに水系および非水系の滅菌懸濁液(これは懸濁剤および増粘剤を含み得る)が挙げられる。製剤は、単一用量または複数用量容器、例えば密封アンプルやバイアル中で提供することができ、また、使用の直前に無菌液体担体(例えば注射用水)を加えるだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時注射溶液および懸濁液は無菌の粉剤、粒剤および錠剤から調製することができる。
【0102】
上記で特に言及した成分以外に、製剤は対象の製剤の種類を考慮して当技術分野で慣用の他剤を含んでもよい。例えば経口投与に適した製剤は、香味剤または着色剤を含んでもよい。
【0103】
本発明の化合物およびそれの塩、ならびにそれらの溶媒和物は、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて、上記状態の治療に用いることができる。例えば、虚弱療法において、他の同化もしくは骨粗鬆症治療剤と組み合わせることができる。従って、1例として、本発明による骨粗鬆症併用療法は、少なくとも一つの本発明の化合物の投与および例えば、Boniva(登録商標)(イバンドロン酸ナトリウム)、Fosamax(登録商標)(アレンドロネート)、Actonel(登録商標)(リセドロン酸ナトリウム)またはProlia(商標名)(デノスマブ)などの少なくとも一つの他の骨粗鬆症療法の使用を含むものと考えられる。本発明の化合物および他の医薬活性剤は、一緒にまたは別個に投与することができ、別個に投与する場合、投与は同時にまたはいずれかの順序で順次行うことができる。本発明の化合物および他の医薬活性剤の量ならびに投与の相対的タイミングを選択して、所望の併用治療効果を達成する。本発明の化合物の他の治療剤との組み合わせでの投与は、(1)両方の化合物を含む単一の医薬組成物;または(2)それら化合物の一方をそれぞれ含む別個の医薬組成物で同時に投与することで組み合わせても良い。あるいは、当該組み合わせは、一方の治療剤を最初に投与し、他の薬剤を第2に投与するか、その逆としても良い。そのような順次投与は、時間的に近くしても良く、時間的に離れていても良い。
【0104】
他の可能な療法組み合わせには、本発明の他の化合物、成長促進剤、成長ホルモン分泌促進物質(例えば、グレリン)、成長ホルモン放出因子およびそれの類縁体、ヒト成長ホルモンおよびそれの類縁体(例えば、Genotropin(登録商標)、Humatrope(登録商標)、Norditropin(登録商標)、Nutropin(登録商標)、Saizen(登録商標)、Serostim(登録商標))、ソマトメジン類、α−アドレナリン作動薬、セロトニン5−HT
D作動薬、ソマスタチンもしくはそれの放出を阻害する薬剤、5−α−レダクターゼ阻害薬、アロマターゼ阻害薬、GnRH作動薬もしくは拮抗薬、副甲状腺ホルモン、エストロゲン、テストステロン、SERM類、プロゲステロン受容体作動薬もしくは拮抗薬と組み合わせた、および/または他の核ホルモン受容体調節剤と組み合わせた本発明の化合物などがある。
【0105】
本発明のの化合物は、各種障害および状態の治療で用いることができることから、本発明の化合物は、それらの障害もしくは状態の治療で有用な多様な他の好適な治療剤と併用することができる。例としては、抗糖尿病薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、抗炎症薬、抗不安薬、抗鬱剤、抗高血圧剤、抗血小板剤、抗血栓剤および血栓溶解剤、強心配糖体類、コレステロールもしくは脂質低下剤、鉱質コルチコイド受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、キナーゼ阻害薬、甲状腺模倣剤、同化剤、ウィルス療法、認知障害療法、睡眠障害療法、性機能障害療法、避妊薬、細胞傷害剤、放射線療法、抗増殖剤および抗腫瘍剤との本発明の組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。さらに、本発明の化合物は、アミノ酸類、トリグリセリド類、ビタミン類(ビタミンDなど;例えば、Hedstrom et al. (2002) J Bone Joint Surg Br. 84(4):497-503を参照)、無機物、クレアチン、リポ酸、カルニチンまたは補酵素Q10などの栄養補給剤と組み合わせても良い。
【0106】
特に、本発明の化合物は、単独でまたは他の薬剤と組み合わせて、創傷治癒の加速において、そして性腺機能低下症、サルコペニア、骨粗鬆症、筋肉疲労、消耗性疾患、悪液質(癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末期腎臓疾患(ESRD)、心不全、HIV疾病、HIV治療、および糖尿病1型および2型関連の悪液質など)、虚弱、ドライアイ、前立腺肥大、前立腺癌、乳癌、閉経期および男性更年期血管運動状態、尿失禁、性機能障害、勃起障害、抑鬱、子宮筋腫症、子宮内膜症、アクネ、多毛症、男性避妊、インポテンスの治療において、そして男性および女性のホルモン補充療法として、造血の刺激剤として、同化剤としての使用において有用であると考えられている。
【0107】
本発明の化合物は、公知の標準的な合成方法などの各種方法によって製造することができる。一般的な合成方法の例を下記に示し、本発明の具体的な化合物を作業実施例で製造している。
【0108】
下記に記載の全てのスキームにおいて、感受性基もしくは反応性基に対する保護基を、必要に応じて、合成化学の一般的原理に従って用いている。保護基は、有機合成の標準的な方法(T. W. Green and P. G. M. Wuts(1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons(保護基に関して参照によって本明細書に組み込まれる))に従って扱う。これらの基は、当業者には容易に明らかである方法を用い、化合物合成の都合の良い段階で除去する。工程の選択ならびに反応条件およびそれの実行順序は、式(I)、(I′)、または(I″)の化合物の製造と適合したものでなければならない。
【0109】
当業者には、式(I)、(I′)、または(I″)の化合物に立体中心が存在する場合がわかる。従って、本発明は全ての可能な立体異性体を含み、ラセミ化合物だけではなく、個々のエナンチオマーも含むものである。化合物が単一のエナンチオマーであることが望まれる場合、それは立体特異的合成によって、または最終生成物もしくはいずれか都合の良い中間体の分割によって得ることが可能である。最終生成物、中間体もしくは出発材料の分割は、当業界で公知の好適な方法によって行うことができる。例えば、Stereochemistry of Organic Compounds, E. L. Eliel, S. H. Wilen, and L. N. Mander(Wiley−Interscience, 1994)(立体化学に関して、参照により本明細書に組み込まれる)を参照する。
【0111】
式(I)の化合物は、α−ハロエステルを有する高度に置換されたインドール化合物のアルキル化によって合成することができる(スキーム1)。原料のインドール化合物は、公開されている手順に従って製造することができる(例えばUS2008139631A1参照)。次に、個々のエステルについて、メチルマグネシウムヨージドなどのグリニャル試薬を加えることで、メチルケトンと3級アルコールの混合物を得る。
【0113】
式(I)の化合物を得るためのさらなる構造的多様性は、スキーム1の同じエステル含有インドールの還元から生じる(スキーム2)。次に、得られる1級アルコールをメシルクロライドで処理し、次にナトリウムチオメトキシドで処理して、チオエーテルを得る。オキソンによる酸化によって、相当するメチルスルホンを得る。
【0115】
式(I)の化合物を与える別の方法は、市販の4−フルオロベンゾニトリル類の簡単なアリールリチウム化とそれに続くヨウ素による反応停止によって製造される高度に置換されたアリールフルオリドから出発するものである(スキーム3)。次に、相当するヨードアレンを、標準的なパラジウム介在合成方法によってTMS−アセチレンにカップリングさせる。次に、得られたアルキニルアレンをアミンで処理して2級アニリン中間体を得て、それを塩基で処理することで環化させて相当するインドールを得る。求核置換段階における市販されていないアミン相手は、標準的な方法によって合成される。
【0116】
略称
本明細書で使用される場合、これらの方法、スキームおよび実施例で使用される記号および慣用記述は、例えばthe Journal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryなどの現代の科学文献で使用されるものと一致するものである。具体的には、実施例において、そして明細書全体を通じて、下記の略称を用いることができる。
【0117】
g(グラム;mg(ミリグラム);
L(リットル);mL(ミリリットル);
μL(マイクロリットル);N(規定度);
M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);
Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);
mol(モル);mmol(ミリモル);
rt(室温);min(分);
h(時間);d(日);
MS(質量分析);LCMS(液体クロマトグラフィー質量分析);
GCMS(ガスクロマトグラフィー質量分析);ESI(エレクトロスプレーオン化);
HPLC(高速液体クロマトグラフィー);
psi(ポンド/平方インチ);H
2(水素ガス)
Pd(C)(パラジウム/炭素);ee(エナンチオマー過剰);
NH
4Cl(塩化アンモニウム);THF(テトラヒドロフラン);
MeCN(アセトニトリル);CH
2Cl
2(塩化メチレン);
Pd(PPh
3)
4(パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン);
NaOH(水酸化ナトリウム);TFA(トリフルオロ酢酸);
CDCl
3(重クロロホルム);CD
3OD(重メタノール);
SiO
2(シリカ);DMSO(ジメチルスルホキシド);
EtOAc(酢酸エチル);Na
2SO
4(硫酸ナトリウム);
HCl(塩酸);CHCl
3(クロロホルム);
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);PhMe(トルエン);
Cs
2CO
3(炭酸セシウム);Me(メチル);
Et(エチル);EtOH(エタノール);
MeOH(メタノール);t−Bu(tert−ブチル);
Et
2O(ジエチルエーテル);N
2(窒素);
sat′d(飽和);NaHCO
3(重炭酸ナトリウム);
K
2CO
3(炭酸カリウム);Zn(CN)
2(シアン化亜鉛);
NMP(N−メチル−2−ピロリドン);DIEA(ジイソプロピルエチルアミン);
LiBH
4(水素化ホウ素リチウム);Et
3N(トリエチルアミン);
オキソン(過モノ硫酸カリウム);LDA(リチウムジイソプロピルアミド);
Na
2S
2O
3(チオ硫酸ナトリウム);DIPA(ジイソプロピルアミン);
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン);KOtBu(カリウムt−ブトキシド);
hex(ヘキサン);semiprep(半分取);
NaCNBH
3(水素化ホウ素シアノナトリウム);CuI(ヨウ化銅);
Pd(PPh
3)
2Cl
2(ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロライド);
anhyd(無水);DMAC(ジメチルアセトアミド);
dppf(1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン);
Pd
2(dba)
3(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);
PMHS(ポリメチルヒドロシロキサン);MsCl(メシルクロライド);
Aq(水溶液);TBAF(フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム)
n−BuLi(n−ブチルリチウム);TsOH(トシル酸);
MTBE(メチルt−ブチルエーテル);Boc
2O(ジ−t−ブチルジカーボネート)。
【0118】
別段の断りがない限り、温度はいずれも℃(摂氏)で表したものである。別段の記述がない場合、反応はいずれも不活性雰囲気下、室温で行っている。詳細な合成なしに用いられている試薬は、市販されているか、文献手順に従って製造されるものである。
【0119】
UPLC−MS分析は、40℃でWaters BEHC18カラム(寸法:2.1×50mm)を用いるWaters Acquity UPLCシステムで行った。ニードルオーバーフィル注入を行う0.5μL部分ループを作り、Waters Acquity PDA検出器において40Hzで210から350nmの走査でUV検出を行った。水+0.2%ギ酸(体積比)(溶媒A)/アセトニトリル+0.15%ギ酸(体積比)(溶媒B)勾配を、初期条件:10分間かけて95/5%(A/B)から1/99%で行い、1.5分までそれを保持した。流量1mL/分を用いた。質量分析は、走査時間105ミリ秒、および走査間ディレー20ミリ秒で、125から1000amuを走査する交互正/負エレクトロスプレーオン化を行うWaters Acquity SQDで実施した。
【0120】
1H NMRスペクトラムは、Varian Inova 400MHz NMRスペクトル装置で得た。サンプルを、各サンプルについて示したように、99.9%重クロロホルム−D、DMSO−d6、またはd4−メタノールに溶かした。化学シフトは、百万分率で表す(ppm、δ単位)。カップリング定数は、ヘルツ(Hz)単位である。分裂パターンは見かけの多重性を説明するものであり、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、またはb(広い)と称される。
【0121】
(実施例)
下記の実施例に関して、ある化合物が別の実施例に「記載の方法に従って合成」されたと記載されている場合、それは、当該化合物が、当業界の範囲内にある程度の変更を行って、実質的に前記他の実施例に記載の通りに合成されたことを示している。
【0123】
2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]プロパン酸メチル
2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(例えば、US2008139631A1参照)(0.300g、1.338mmol)、炭酸セシウム(0.654g、2.007mmol)および2−ブロモプロパン酸メチル(0.223mL、2.007mmol)のDMF(3mL)中混合物を90℃で1時間加熱した。冷却したら、反応混合物をEt
2O(30mL)と水(25mL)との間で分配した。有機相を水(20mL)とブライン(10mL)で洗浄した。合わせた水相をEt
2Oで洗浄した(25mLで2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、5%から40%EtOAc−ヘキサン勾配で溶離を行うシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]プロパン酸メチルを得た(0.419g、収率94%)。MS(ESI):m/z311(MH+)。
【0125】
2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]ブタン酸メチル
2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルおよび2−ブロモブタン酸メチルを用い、実施例1と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z325(MH+)。
【0127】
2−メチル−1−(1−メチル−2−オキソプロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例3)および1−(2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例4)
メチルマグネシウムヨージド(3M Et
2O中溶液)(0.322mL、0.967mmol)のEt
2O(1mL)の溶液を氷冷し、それに2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]プロパン酸メチル(実施例1)(0.100g、0.322mmol)のEt
2O(1mL)中溶液を加えた。不均一混合物を氷浴中で5分間、室温で10分間、次に38℃で約1時間撹拌した。冷却したら、反応混合物をEtOAc(5mL)で希釈し、飽和NH
4Cl水溶液(5mL)で処理した。混合物をEtOAc(25mL)と水(15mL)との間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、50%、75%および100%CH
2Cl
2−ヘキサンで順次溶離を行うシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、2−メチル−1−(1−メチル−2−オキソプロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.008g、8%収率、極性が低い方の生成物)(MS(ESI):m/z295(MH+))および1−(2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.069g、60%収率、極性が高い方の生成物)(MS(ESI):m/z311(MH+)を得た。
【0129】
1−(1−エチル−2−オキソプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例5)および1−(1−エチル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例6)
2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]ブタン酸メチルを用い、実施例3および4と同様の方法で合成した。
【0130】
実施例5(収率8%):1−(1−エチル−2−オキソプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル:MS(ESI):m/z309(MH+)。
【0131】
実施例6(収率53%):1−(1−エチル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル:MS(ESI):m/z325(MH+)。
【0133】
1−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−(5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチル(実施例1)(0.263g、0.848mmol)のTHF(5mL)中溶液を氷冷し、それにLiBH
4(2M THF中溶液)(1.695mL、3.39mmol)を滴下した。還元剤の添加が完了したら、冷却浴を外し、混合物を室温で撹拌した。2時間後、反応混合物を氷浴中で冷却し、飽和NH
4Cl水溶液(15mL)をゆっくり加えた。混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、1N HCl(10mL)でゆっくり処理した。相を分離し、水相をEtOAc(20mL)で洗浄した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、20%から60%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、1−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.212g、収率83%)を白色固体として得た。MS(ESI):m/z283(MH+)。
【0135】
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0137】
A.メタンスルホン酸2−(5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロピル
1−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例7)(0.110g、0.390mmol)およびEt
3N(0.068mL、0.487mmol)のCH
2Cl
2(4mL)中溶液にメタンスルホニルクロライド(0.038mL、0.487mmol)を滴下した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を濃縮して乾固させた。残留物をEtOAc(30mL)と0.2N HCl(15mL)との間で分配した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、25%から60%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、メタンスルホン酸2−(5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロピルを無色油状物として得た(0.145g、収率97%)。MS(ESI):m/z361(MH+)。
【0139】
B.2−メチル−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
メタンスルホン酸2−(5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロピル(0.145g、0.402mmol)のDMF(3mL)中溶液にナトリウムチオメトキシド(0.056g、0.805mmol)を1回で加えた。90分後、追加のナトリウムチオメトキシド(2当量)を加え、混合物をさらに1時間撹拌した。反応混合物を水(25mL)で希釈し、EtOAc(30mL)で抽出した。有機相を0.1N HCl(20mLで1回)およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、0%から30%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、2−メチル−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.094g、収率71%)を無色油状物として得た。MS(ESI):m/z313(MH+)。
【0141】
2−メチル−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例8)(0.045g、0.144mmol)のMeOH(4mL))中溶液を氷冷し、それにオキソン(0.133g、0.216mmol)の水(2mL)中溶液を加えた。1時間後、追加のオキソン(0.100g、0.163mmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。30分後、反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(Phenomenex Lunaカラム;勾配:10%から100%MeCN−水(0.1%TFA含有))によって精製した。生成物を含む分画を飽和K
2CO
3水溶液で塩基性とし、濃縮して水相とし、それをEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、2−メチル−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルを得た。MS(ESI):m/z345(MH+)。
【0143】
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−[5−シアノ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]ブタン酸メチル(実施例2)を原料とし、実施例7および8について記載のものと同様の手順を用いて、3段階で合成した。MS(ESI):m/z327(MH+)。
【0145】
2−メチル−1−(1−(メチルスルホニル)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例10)を用いて、実施例9と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z359(MH+)。
【0147】
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.025g、0.099mmol)(例えば、US2008139631A1参照)、Cs
2CO
3(0.129g、0.396mmol)、ヨウ化カリウム(0.0165g、0.099mmol)および市販の1−クロロ−2−メチルプロパン−2−オール(0.041mL、0.396mmol)のDMF(2mL)中混合物を80℃で90分間、次に120℃で1時間加熱した。追加の1−クロロ−2−メチルプロパン−2−オール(0.041mL、0.396mmol)、Cs
2CO
3(0.129g、0.396mmol)およびヨウ化カリウム(0.0165g、0.099mmol)を加え、加熱を120℃でさらに6時間続けた。冷却したら、混合物をEtOAc(25mL)と水(20mL)との間で分配した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(Phenomenex Lunaカラム;勾配:10%から90%MeCN−水(0.1%TFA含有))によって精製した。生成物を含む分画を濃縮して水相とし、それを次にEtOAc(25mL)と飽和NaHCO
3水溶液(20mL)との間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。このクロマトグラフィーでは生成物は未反応の原料インドールから分離されなかったので、その取得物について、50%から100%CH
2Cl
2−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、1−(2−(メチルチオ)エチル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.014g、収率42%)を白色固体として得た。MS(ESI):m/z325(M+H)。
【0149】
1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0151】
A.2−(5−シアノ−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチル
2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルおよび2−ブロモプロパン酸メチルを用い、実施例1と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z339(MH+)。
【0153】
B.1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−(5−シアノ−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチルを用い、実施例4と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z339(MH+)。
【0155】
1−(2−(メチルチオ)エチル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.025g、0.099mmol)、Cs
2CO
3(0.129g、0.396mmol)、(2−クロロエチル)(メチル)スルファン(0.039mL、0.396mmol)およびヨウ化カリウム(0.0165g、0.099mmol)のDMF(2mL)中混合物を80℃で加熱した。約1時間後、追加のCs
2CO
3(0.129g、0.396mmol)、(2−クロロエチル)(メチル)スルファン(0.039mL、0.396mmol)およびカリウムヨージド(0.0165g、0.099mmol)を加え、加熱を1時間続けた。冷却したら、混合物をEtOAc(25mL)と水(20mL)との間で分配した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(Phenomenex Lunaカラム;勾配:10%から90%MeCN−水(0.1%TFA含有))によって精製した。生成物を含む分画を濃縮して水相とし、EtOAc(25mL)と飽和NaHCO
3水溶液(20mL)との間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、1−(2−(メチルチオ)エチル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルを得た。MS(ESI):m/z327(M+H)。
【0157】
1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
実施例7および8について記載のものと同様の手順を用いて、2−(5−シアノ−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチル(実施例13A)を原料とし、3段階で合成した。MS(ESI):m/z341(M+H)。
【0159】
2−(ジフルオロメチル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
【0161】
A.2−(4,5−ジシアノ−2−(ジフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチル
2−(ジフルオロメチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(例えば、US2008139631A1参照)および2−ブロモプロパン酸メチルを用い、実施例1と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z304(M+H)。
【0163】
B.2−(ジフルオロメチル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
2−(4,5−ジシアノ−2−(ジフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチルを用い、実施例4と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z304(M+H)。
【0165】
2−(ジフルオロメチル)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
実施例7および8について記載のものと同様の手順を用いて、2−(4,5−ジシアノ−2−(ジフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチル(実施例16A)を原料とし、3段階で合成した。MS(ESI):m/z306(M+H)。
【0167】
2−(ジフルオロメチル)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
2−(ジフルオロメチル)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(実施例17)を用い、実施例9と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z338(M+H)。
【0169】
1−(3−オキソブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例19)および1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例20)
【0171】
A.2−(5−シアノ−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチル
4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(例えば、US2008139631A1参照)および2−ブロモプロパン酸メチルを用い、実施例1と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z297(MH+)。
【0173】
B.1−(3−オキソブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例19)および1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例20)
2−(5−シアノ−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチルを用い、実施例3および4と同様の方法で合成した。
【0174】
実施例19(収率8%):1−(3−オキソブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル:MS(ESI):m/z281(MH+)。
【0175】
実施例20(収率53%):1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル:MS(ESI):m/z297(MH+)。
【0177】
(S)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0179】
A.2−(4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1,3−ジオキソラン
市販の4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(15g、78mmol)のトルエン(90mL)中溶液にエチレングリコール(21.77mL、390mmol)およびTsOH(0.743g、3.90mmol)を加えた。次に、混合物を140℃の油浴で4時間にわたり加熱し(還流冷却管に取り付けたディーン−スタークトラップ下)、約1.4から1.5mLの水を回収し、それは予想体積に近いものであった。TLC(20%EtOAc−ヘキサン)で、主要な新たな極性が高い方のスポットが示された。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機相を水(50mLで1回)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を0%から10%EtOAc−ヘキサン勾配で溶離を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィー(330gISCOカラム)によって精製した。生成物を含む最も純粋な分画によって、9.83gが得られた(収率51%)。MS(ESI):m/z237(M+H)。
【0181】
B.2−(4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1,3−ジオキソラン
2−(4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1,3−ジオキソラン(2.52g、10.65mmol)およびDIPA(0.150mL、1.067mmol)の脱水THF(30mL)中溶液に−78℃で、n−BuLiのヘキサン中溶液(4.26mL、10.65mmol)を、内部温度が<−70℃に維持されるような速度で滴下した。得られた淡黄色溶液を−78℃で3時間撹拌したら、その間に青色が生じた。ヨウ素(2.97g、11.71mmol)を1回で加えた(内部温度−78℃から66℃)。混合物を30分間撹拌し、冷却浴から出し、10%Na
2S
2O
3を加えることで反応停止した。昇温させてから、混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、所望の生成物および未反応原料の混合物(
1H NMRによって約9:1)2.49gを得た。混合物を逆相低圧液体クロマトグラフィー(C18カラム、MeOH/水勾配)によって分割して、2−(4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1,3−ジオキソラン(2.13g、5.88mmol、収率55.2%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δppm7.87(dd、J=8.8、5.7Hz、1H)7.23(m、J=8.2、7.5、0.6、0.6Hz、1H)、6.23(q、J=2.1Hz、1H)、4.10−4.03(m、4H)。
【0183】
C.4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
段階1
2−(4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1,3−ジオキソラン(9.43g、26.0mmol)のアセトン(60mL)中溶液に、塩酸水溶液(52.1mL、52.1mmol)を加え、混合物を還流下に15時間加熱した(
1H NMRによる完全に変換)。混合物を冷却し、飽和NaHCO
3にゆっくり投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して、淡黄色シロップ8.09gを得て、それは静置していると結晶化した(25.4mmolベンズアルデヒドと仮定)。
【0184】
段階2
段階1からのベンズアルデヒドおよびEt
3N(7.08mL、50.8mmol)のクロロホルム(75mL)中溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(1.864g、26.8mmol)を1回で加え、混合物を室温で撹拌した。3時間後に追加量のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.441g;6.35mmol)を加え、撹拌を終夜続けた。18時間後の
1H NMRで、オキシムへの変換が完了していることが示された。
【0185】
段階3
段階2からの溶液にEt
3N(7.08mL、50.8mmol)を加え、混合物を氷浴中で冷却した。トリホスゲン(8.27g、27.9mmol)のクロロホルム(20mL)中溶液を15分間かけて滴下した。1時間後の
1H NMRによって変換が完了したことが示された。混合物を洗浄し(水で2回、NaHCO
3、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。得られた粗固体をヘプタンから再結晶して、4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(5.88g、18.67mmol、収率71.7%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.85(ddd、J=8.6、5.1、0.5Hz、1H)、7.36(ddd、J=8.6、6.6、0.5Hz、1H);MS(GCMS EI)m/z315([M]
+、100%)。
【0186】
実施例21Cの別途経路:
【化47】
【0187】
4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
調製したばかりのLDA(119mmol)の脱水THF(250mL)中溶液に−45℃で、市販の4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(21.5g、114mmol)のTHF(30mL)中溶液を、内部温度が<−40℃に維持されるような速度で滴下した(添加中に暗褐色となった)。混合物を−45℃で30分間撹拌し、冷却して−70℃とし、ヨウ素(31.7g、125mmol)を1回で加えた(−70℃から−52℃)。混合物を1時間撹拌し、冷却浴から出し、10%Na
2S
2O
3(約250mL)および1N HCl(約125mL)を加えることで反応停止した。混合物をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)と次にヘプタン(30mL)からの2回の再結晶によって精製して、4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(15.79g、50.1mmol、収率44.1%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.85(ddd、J=8.6、5.1、0.5Hz、1H)、7.36(ddd、J=8.6、6.6、0.5Hz、1H);MS(GCMS EI)m/z315([M]
+、100%)。
【0189】
D.4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル
20mLバイアルに、4−フルオロ−3−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.315g、1.00mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.014g、0.020mmol)およびCuI(0.0076g、0.040mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水PhMe(5mL)およびDIPA(0.210mL、1.500mmol)を注射器によって加え、超音波浴に入れながらN
2を吹き込むことで混合物を10分間脱気した。エチニルトリメチルシラン(0.155mL、1.100mmol)を注射器によって滴下し、セプタムをPTFE面クリンプトップに取り替えた。混合物を60℃の加熱ブロックで撹拌した。冷却したら、混合物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過した。濾液を洗浄し(飽和NH
4Cl、水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(0.231g、収率81%)を明橙赤色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.75(ddd、J=8.7、5.0、0.6Hz、1H)、7.39(ddd、J=8.6、7.8、0.5Hz、1H)、0.28(s、9H);MS(GCMS EI)m/z285([M]
+、15%)、270([M−CH
3]
+、100%)。
【0191】
E.(S)−2−(ジベンジルアミノ)プロパン酸メチル
市販の(S)−2−アミノプロパン酸メチル塩酸塩(10.0g、71.6mmol)をDMF(35mL)に懸濁させ、次にK
2CO
3(31.7g、229mmol)と次にベンジルブロミド(18.21mL、158mmol)を加えた。混合物を室温で38時間撹拌した。LCMSは、この時点で所望の生成物への良好な変換を示した。反応液を濾過し、固体成分をEtOAcで洗った。濾液を水およびEtOAcで希釈し、層を分配した。水系部分を少量ずつのEtOAcで抽出した。合わせた有機部分をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して淡黄色粘稠油状物を得た。次に、この油状物のクロマトグラフィーを行って(ISCO、シリカ120gカラム、254回収、一般的勾配;ヘキサン/EtOAc)、所望の生成物を得た(15.76g、75%)。MS(ESI)m/z284(M+H)。
【0193】
F.(S)−3−(ジベンジルアミノ)−2−メチルブタン−2−オール
(S)−2−(ジベンジルアミノ)プロパン酸メチル(15.76g、55.6mmol)をEt
2O(400mL)に溶かし、次に冷却して約0℃とした。次にメチルマグネシウムヨージド(27.7mL、3M)を加えた。後者を加えると、混合物は不均一白色となった。混合物を昇温させて環境温度とした。翌日のLCMS(17時間)で、所望の生成物への変換が示された。飽和NH
4Cl水溶液でゆっくり反応停止し、次に水およびEtOAcで希釈した。層を分離し、水系部分をEtOAcで抽出した。合わせた有機部分をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して淡黄色油状物を得た。十分乾燥させた後のLCMSで、所望の生成物が示された。この取得物を次の段階に直接用いた。MS(ESI)m/z284(M+1)。
【0195】
G.(S)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール
S)−3−(ジベンジルアミノ)−2−メチルブタン−2−オール(15.76g、55.6mmol)をMeOH(250mL)に溶かし、Pd(C)(2.0g、10%乾燥重、50%水)で処理した。反応容器をN
2でパージし、真空サイクルを行い(7回)、次にFischer Porter装置でH
2を入れて(2回の真空および充填サイクル)約0.41MPa(65psi)とした。最初の2時間にわたり、適宜に充填を行いながら、容器圧を約0.41MPa(65psi)に維持した。2時間後にその圧力を維持した。反応液を環境温度で終夜撹拌した。反応容器を、真空およびN
2の交互サイクルでパージした。触媒をセライトで濾去し、ケーキをMeOHで洗った。残ったケーキに水を加えて、発火の可能性を低下させた。ロータリーエバポレータ(40torr、45℃)と次に高真空によって、濾液を注意深く濃縮して淡黄色の濃厚液体(5.60g、98%)を得た。
1H NMRによって、メタノールがないことが確認された。高真空に過剰に曝露すると、生成物の損失が生じる。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ4.12(bs、1H)、2.57(q、J=6.5Hz、1H)、1.40(bs、2H)、1.03(s、3H)、1.00(s、3H)、0.90(d、J=6.7Hz、3H)。
【0197】
H.(S)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(0.063g、0.221mmmol)、(S)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール(0.060g、0.582mmol)およびDIEA(0.077mL、0.442mmol)をNMP(0.5mL)中で合わせ、加熱して90℃とした。9時間の加熱後のLCMSで、アニリン中間体への良好な変換および一部の所望のインドール形成を示した。混合物を冷却して室温とし、KOtBu(1.98mL、1M THF中溶液)で処理した。その塩基では、加熱せずに所望のインドールへの変換はされなかった。混合物を飽和NH
4Cl水溶液で反応停止し、次にEtOAcで抽出した。合わせた有機部分を濃縮して黄色油状物を得て、NMP(1mL)で希釈した。追加のKOtBu(1.98mL、1M THF中溶液)を加えて、暗褐色溶液を得て、それを加熱して50℃とした。0.5時間後のLCMSで、所望のインドールへの変換を示した。飽和NH
4Cl水溶液で再度反応停止し、次にEtOAcで抽出した。合わせた有機部分を濃縮して黄色油状物を得て、クロマトグラフィー精製して(ISCO、標準勾配、ヘキサン/EtOAc、24gシリカ)、所望の生成物を得た。次に、混合物について逆相半分取操作(Agilent、230nm検出)を行って、所望の生成物を無色ガム状物として得た。MS(ESI):m/z297(MH+)。
【0199】
(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
市販の(R)−2−アミノプロパン酸メチル塩酸塩を原料とし、実施例21と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z297(MH+)。
【0201】
(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)インドリン−5−カルボニトリル
(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例22)(0.017g、0.057mmol)のTFA(1.5mL)中溶液に氷浴中で、NaCNBH
3(0.0721g、1.148mmol)を少量ずつ加えた。冷浴で約1時間撹拌後、反応混合物を部分的に濃縮した。残留物をCH
2Cl
2(20mL)に溶かし、0.5N NaOH(10mL)で洗浄した。有機相を0.5N NaOH(10mLで1回)およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、10%から40%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)インドリン−5−カルボニトリルを得た。MS(ESI):m/z299(M+H)。
【0203】
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0205】
A.2−(5−シアノ−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)ブタン酸メチル
4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルおよび2−ブロモブタン酸メチルを用い、実施例1と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z311(MH+)。
【0207】
B.1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−(5−シアノ−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)ブタン酸メチルを用い、実施例4と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z311(MH+)。
【0209】
1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
実施例7および8について記載のものと同様の手順を用いて、2−(5−シアノ−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)プロパン酸メチル(実施例19A)を原料とし、3段階で合成した。MS(ESI):m/z299(MH+)。
【0211】
1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例25)を用い、実施例9と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z331(MH+)。
【0213】
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0215】
A.(R)−1−(メチルチオ)プロパン−2−アミン
段階1
市販の(R)−2−アミノプロパン−1−オール(5g、66.6mmol)のMeCN(20mL)中溶液に氷浴中で、クロロスルホン酸(4.46mL、66.6mmol)を非常にゆっくり滴下した(非常に発熱的)。ガム状のベージュ色沈殿が生じた。反応混合物を冷浴中に約10分間維持し、次に室温で約30分間維持した。反応混合物をスパーテルで掻いて、ガム状沈殿の固化を試みた。数分後、ベージュ固体を生じた。さらに約10分間撹拌後、固体を濾取し、MeCN(40mL)およびヘキサン(100mL)で順次洗浄し、約40分間空気吸引によって乾燥させた。中間体である硫酸水素((R)−2−アミノプロピルの量は0.46gであった(収率約96%)。
【0216】
段階2
ナトリウムチオメトキシド(5.60g、80mmol)の水溶液(水20mL)に、固体NaOH(2.66g、66.6mmol)を少量ずつ約10分間かけて加えた。次に、段階1からの中間体を固体として約5分間かけて加えた。混合物を90℃で約10時間加熱した。反応混合物は二相であった。冷却したら、MTBE(20mL)を加え、有機相(褐色様色)を分離した。水相をMTBEで抽出した(20mLで2回)。最初の有機相を1N NaOH(15mL)で洗浄する(これによって色はほとんど抜ける)。塩基性水相をMTBEで再抽出した(20mLで2回)。全てのエーテル相を合わせ、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して(生成物が揮発性であるため、注意深く)、粗精製生物を明黄色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ2.91−2.87(m、1H)、2.43−2.31(m、2H)、2.04(s、3H)、1.50(bs、2H)、1.01(d、J=6.3Hz、3H)。
【0217】
実施例27Aの別途合成:
【化62】
【0218】
(R)−1−(メチルチオ)プロパン−2−アミン塩酸塩
【0220】
A.メタンスルホン酸(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル
段階1
市販の(R)−2−アミノプロパン−1−オール(135g、1797mmol)をMeOH1350mL)に溶かした。溶液を氷浴で冷却して5℃とし、Boc
2O(392g、1797mmol)をMeOH(1000mL)中溶液として加えた。反応温度を10℃以下に維持した。添加後、冷却浴を外し、混合物を3時間撹拌した。MeOHを減圧下に除去した(ロータリーエバポレータ浴:50℃)。得られた残留物は無色油状物であり、それは終夜で固化して白色固体となった。この取得物を次の段階にそのまま用いた。
【0221】
段階2
残留物をCH
2Cl
2(1200mL)に溶かし、NEt
3(378mL、2717mmol)を加え、次に混合物を氷浴で冷却した。次に、MsCl(166.5mL、2152mmol)を約2時間かけて加え、その間反応温度は15℃以下に維持した。混合物を氷浴で1時間撹拌し、次に浴を外した。混合物を3日間撹拌し、10%NaOH溶液(500mL、3回)、次に水で洗浄した。有機相をMgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒留去した(ロータリーエバポレータ、50℃水浴)。純度の低い残留物をEtOAc500mL(500mL)およびMTBE(500mL)の混合物に溶かし、次に水で抽出して全ての水溶性塩を除去した。有機相をMgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒留去して白色固体残留物を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ6.94−6.92(m、1H)、4.02(d、J=5.8Hz、2H)、3.78−3.71(m、1H)、3.16(s、3H)、1.38(s、9H)、1.06(d、J=6.8Hz、3H)。
【0223】
B.(R)−tert−ブチル(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)カーバメート
NaSMe(30g、428mmol)をDMF(200mL)とともに撹拌して懸濁液を得た。次に、メタンスルホン酸(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル(97g、383mmol)を、温度を45℃以下に維持しながら(発熱)少量ずつ加えた。添加後、混合物を2時間撹拌し、トルエン(100mL)を加えた。混合物を水で洗浄し(500mL、4回)、MgSO
4で脱水し、濾過した。濾液を溶媒留去して(ロータリーエバポレータ)、淡黄色油状物を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ6.77−6.75(m、1H)、3.60−3.54(m、1H)、2.54−2.50(m、1H)、2.43−2.38(m、1H)、2.05(s、3H)、1.38(s、9H)、1.08(d、J=7.8Hz、3H)。
【0225】
C.(R)−1−(メチルチオ)プロパン−2−アミン塩酸塩
氷浴で冷却したMeOH(600mL)溶液を撹拌しながら、それにアセチルクロライド(150mL)を加えた。混合物を氷浴で30分間撹拌し、次に(R)−tert−ブチル(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)カーバメート(78g、380mmol)に加えた。混合物を室温で2時間撹拌し(CO
2、(CH
3)
2C=CH
2発生)、次に溶媒留去して白色固体を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ8.22(bs、3H)、3.36−3.29(m、1H)、2.80−2.75(m、1H)、2.64−2.59(m、1H)、2.10(s、3H)、1.27(d、J=6.6Hz、3H)。
【0227】
D.(R)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例21D、1.16g、4.07mmol)、(R)−1−(メチルチオ)プロパン−2−アミン(0.599g、5.69mmol)およびDIEA(1.42mL、8.13mmol)のDMSO(7mL)中混合物を、100℃で50分間加熱した(封管)。冷却したら、反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(30mL)で洗浄した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して中間体アニリンを得た。この中間体をNMP(7mL)に溶かし、KOtBu(1M THF中溶液)(5.69mL、5.60mmol)で処理し、50℃で加熱した。LCMSによって反応をモニタリングしたところ、40分後に完了しているように思われた。冷却したら、反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、水(30mL)で洗浄した。有機相を追加の水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、5%から40%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行ってチオエーテル中間体を得た。MS(ESI):m/z299(MH+)。
【0229】
E.(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
(R)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.560g、1.88mmol)のMeOH(10mL)の溶液を氷冷し、それにオキソン(4.04g、6.57mmol)の水溶液(水10mL)を加えた。50分後、反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、100%CH
2Cl
2を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルを白色泡状物として得て、それをCH
2Cl
2/ヘキサンから結晶化して白色固体を得た(0.508g、収率79%)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ8.17(d、J=8.6Hz、1H)、8.12(d、J=3.5Hz、1H)、7.81(d、J=8.5Hz、1H)、6.87−6.84(m、1H)、5.43−5.35(m、1H)、4.01(dd、J=14.8、8.6Hz、1H)、3.83(dd、J=14.8、4.9Hz、1H)、2.77(s、3H)、1.59(d、J=6.8Hz、3H);MS(ESI):m/z331(M+H)。
【0231】
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)インドリン−5−カルボニトリル
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例27)を用い、実施例23と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z333(M+H)。
【0233】
1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
実施例7および8について記載のものと同様の手順を用いて、2−(5−シアノ−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル)ブタン酸メチル(実施例24A)を原料とし、3段階で合成した。MS(ESI):m/z313(MH+)。
【0235】
1−(1−(メチルスルホニル)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例29)を用い、実施例9と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z345(MH+)。
【0237】
4−クロロ−1−(3−オキソブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
4−クロロ−1H−インドール−5−カルボニトリル(例えば、US2008139631A1参照)および3−ブロモブタン−2−オンを用い、実施例1と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z247(MH+)。
【0239】
(S)−4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0241】
A.2−クロロ−4−フルオロ−3−ヨードベンゾニトリル
調製したばかりのLDA(33.7mmol)の脱水THF(30mL)中溶液に−78℃で、市販の2−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル(5.00g、32.1mmol)のTHF(10mL)中溶液を、内部温度が<−70℃に維持されるような速度で滴下した。混合物を2時間撹拌し、ヨウ素(8.97g、35.4mmol)のTHF(20mL)中溶液を滴下した(温度<−70℃)。混合物を30分間撹拌し、冷却浴から出し、10%Na
2S
2O
3を加えることで反応停止した。混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を(水、ブライン)洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を少量のCH
2Cl
2に溶かし、シリカ層で濾過した(25%EtOAc/ヘキサン溶離液)。主要生成物を含む分画を減圧下に濃縮し、残留物をヘプタンから再結晶して、黄褐色固体3.24gを得た。母液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、淡黄色固体2.85gを得た。固体を合わせて2−クロロ−4−フルオロ−3−ヨードベンゾニトリルを得た(6.09g、収率67%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.70(dd、J=8.6、5.5Hz、1H)、7.08(dd、J=8.6、6.8Hz、1H);MS(GCMS EI)m/z281([M]
+,100%)。
【0243】
B.2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル
肉厚ガラス圧力容器に、2−クロロ−4−フルオロ−3−ヨードベンゾニトリル(2.815g、10.00mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.351g、0.500mmol)、およびCuI(0.095g、0.500mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水THF(25mL)およびDIPA(4.22mL、30.0mmol)を注射器によって加え、超音波洗浄浴に入れた状態でN
2を10分間を吹き込むことで混合物を脱気した。脱気した混合物に、エチニルトリメチルシラン(4.24mL、30.0mmol)を加え、容器をPTFEブッシングで再度密閉し、混合物を50℃の加熱ブロックで撹拌した。41時間後、混合物を冷却し、半飽和NH
4Clに投入した。全体をセライト層で濾過し、濾液をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(2.29g、収率91%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.60(dd、J=8.7、5.4Hz、1H)、7.12(dd、J=8.7、7.9Hz、1H)、0.30(s、9H);MS(GCMS EI)m/z251([M]
+、14%)、236([M−CH
3]
+、100%)。
【0245】
C.(S)−4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル、(0.229g、0.91mmol)、(S)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール(実施例21E)(0.113g、1.092mmol)およびK
2CO
3(0.252g、1.820mmol)の脱水NMP(3mL)中混合物を、N
2下に2時間にわたり、60℃の加熱ブロックで撹拌した。CuI(0.017g;0.091mmol)を加え、混合物についてマイクロ波加熱(140℃)を30分間行った。反応混合物をEtOAc/水に投入し、全体をセライト層で濾過した。濾液の層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を濾過し(Whatman#2)、洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(S)−4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.148g、収率62%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.50(d、1H)、7.42−7.39(m、1H)、7.39−7.34(m、1H)、6.74(d、J=3.3Hz、1H)、4.41(q、J=7.0Hz、1H)、1.60(d、J=7.1Hz、3H)、1.41(s、1H)、1.33(s、3H)、1.09(s、3H);MS(LCMS ES+)m/z263([M+H]
+、88%)、304({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0247】
(R)−4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
(R)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール(市販の(S)−2−アミノプロパン酸メチル塩酸塩を用い、実施例21Gと同様の方法で製造)(0.1084g、1.051mmol)および2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例32B)(0.212g、0.841mmol)の脱水NMP(4mL)中溶液に室温で、DBU(0.475mL、3.15mmol)を注射器によって滴下した。反応バイアルをクリンプトップで密閉し、40分間にわたりマイクロ波加熱(140℃)を行った。冷却したら、混合物を飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を分取HPLC(C18固定相、MeCN/水勾配(0.1%TFA添加剤含有))によって精製して、(R)−4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.0188g、収率7%)を黄褐色フィルム状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.50(d、J=3.4Hz、1H)、7.41(d、J=8.6Hz、1H)、7.37(d、J=8.6Hz、1H)、6.74(d、J=3.3Hz、1H)、4.41(q、J=7.0Hz、1H)、1.60(d、J=7.0Hz、3H)、1.33(s、3H)、1.10(s、3H);MS(LCMS ES+)m/z263([M+H]
+、52%)、304({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0249】
4−クロロ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0251】
A.3−アミノ−2−メチルペンタン−2−オール
市販の2−アミノブタン酸メチル塩酸塩を原料とし、実施例21Gと同様の方法で合成した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.37−2.35(m、1H)、1.69−1.64(m、2H)、1.19(s、3H)、1.05(s、3H)、1.01−0.98(m、3H)。
【0253】
B.4−クロロ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例32B)(0.163g、0.647mmol)、3−アミノ−2−メチルペンタン−2−オール(0.091g、0.776mmol)およびK
2CO
3(0.179g、1.294mmol)の脱水NMP(3mL)中混合物を60℃の加熱ブロックでN
2下に撹拌した。18時間後、混合物について15分間マイクロ波加熱(140℃)を行った。冷却したら、混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、4−クロロ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.0761g、収率43%)を黄色ガム状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.48(d、J=2.2Hz、1H)、7.42(d、J=8.6Hz、1H)、7.35(d、J=8.7Hz、1H)、6.77(d、J=3.3Hz、1H)、4.07(dd、J=11.6、3.6Hz、1H)、2.09(m、J=3.6Hz、2H)、1.44(s、1H)、1.35(s、3H)、1.08(s、3H)、0.65(t、J=7.3Hz、3H);MS(LCMS ES+)m/z277([M+H]
+、70%)、318({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0255】
4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0257】
A.3−アミノ−2,3−ジメチルブタン−2−オール
市販の2−アミノ−2−メチルプロパン酸メチルを原料とし、実施例21Gと同様の方法で合成した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ1.18(s、6H)、1.16(s、6H)。
【0259】
B.4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
乾燥機で乾燥したバイアルに、3−アミノ−2,3−ジメチルブタン−2−オール(0.063g、0.539mmol)、2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例32B)(0.113g、0.449mmol)およびK
2CO
3(0.137g、0.988mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水NMP(3mL)を注射器によって加え、混合物を60℃の加熱ブロックでN
2下に撹拌した。1時間後、バイアルをPTFE面クリンプトップで密閉し、マイクロ波加熱を行い、140℃で1時間、次に160℃で45分間加熱した(空気冷却)。混合物を水/EtOAcに投入し、全体をセライト層で濾過した。濾液の層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を分取HPLC(C18固定相、MeCN/水勾配(0.1%TFA添加剤含有))によって精製して、4−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.0066g、収率5%)を黄褐色固体を得た(純度約85%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.84(d、J=9.0Hz、1H)、7.49(d、J=3.5Hz、1H)、7.32(d、J=8.9Hz、1H)、6.71(d、J=3.4Hz、1H)、1.87(s、6H)、1.20(s、6H);MS(LCMS ES+)m/z277([M+H]
+、65%)、318({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0261】
(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例32B)(0.120g、0.477mmol)、(S)−1−(メチルチオ)プロパン−2−アミン(0.075g、0.715mmol)(実質的にUS2005182275A1に記載の方法に従って製造)およびDIEA(0.166mL、0.953mmol)のDMSO(2mL)中混合物を、100℃で45分間加熱した(封管)。冷却したら、反応混合物をEtOAc(25mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、中間体(S)−2−クロロ−3−エチニル−4−((1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)アミノ)ベンゾニトリルを得た。この中間体をNMP(2mL)に溶かし、KOtBu(1M THF中溶液)(1.430mL、1.430mmol)で処理し、60℃で加熱した。LCMSによって反応をモニタリングし、45分後、追加のKOtBu(1M THF中溶液)(1.430mL、1.430mmol)を加え、さらに1時間加熱を継続した。冷却したら、反応混合物をEtOAc(25mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、5%から30%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.056g、収率42%)を得た。MS(ESI):m/z265(M+H)。
【0263】
(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例36)を用い、実施例9と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z297(MH+)。
【0265】
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例32B)および(R)−1−(メチルチオ)プロパン−2−アミン(実施例27C)を用い、実施例36と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z265(M+H)。
【0267】
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例38)を用い、実施例9と同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z297(MH+)。
【0269】
(S)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
【0271】
A.1,2−ジブロモ−4−フルオロ−3−ヨードベンゼン
調製したばかりのLDA(33.9mmol)の脱水THF(100mL)中溶液に−78℃で、1,2−ジブロモ−4−フルオロベンゼン(4mL、32.3mmol)のTHF(8mL)中溶液を、内部温度を<−70℃に維持するような速度で滴下した。混合物を30分間撹拌し、ヨウ素(9.02g、35.5mmol)を1回で加えた。混合物を30分間撹拌し、10%Na
2S
2O
3を加えることで反応停止し、冷却浴から出した。昇温してから、混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物をシリカ層(ヘキサンから2%EtOAc/ヘキサン)から溶出し、MeOH−水から再結晶して、1,2−ジブロモ−4−フルオロ−3−ヨードベンゼン(8.59g、収率70%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.64(dd、J=8.8、5.5Hz、1H)、6.93(dd、J=8.8、7.0Hz、1H);MS(GCMS EI)m/z378([M]
+、Br同位体、56%)、380([M]
+、Br同位体、100%)、382([M]
+、Br同位体、51%)。
【0273】
B.((2,3−ジブロモ−6−フルオロフェニル)エチニル)トリメチルシラン
肉厚ガラス容器に、1,2−ジブロモ−4−フルオロ−3−ヨードベンゼン(8.31g、21.88mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.768g、1.094mmol)およびCuI(0.292g、1.532mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水THF(30mL)およびDIPA(30.8mL、219mmol)を注射器によって加え、超音波浴に入れながらN
2を10分間吹き込むことで混合物を脱気した。エチニルトリメチルシラン(3.40mL、24.07mmol)を注射器によって加え、セプタムをPTFEブッシングに取り替えた。混合物を40℃の油浴で撹拌した。40時間後、混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、セライト層で濾過した。濾液を洗浄し(飽和NH
4Clで2回、水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、((2,3−ジブロモ−6−フルオロフェニル)エチニル)トリメチルシラン(6.08g、17.37mmol、収率79%)を黄色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.53(dd、J=8.9、5.4Hz、1H)、6.95(dd、J=8.9、8.1Hz、1H)、0.29(s、9H);MS(GCMS EI)m/z348([M]
+、Br同位体、18%)、350([M]
+、Br同位体、34%)、352([M]
+、Br同位体、18%)、333([M−CH
3]
+、Br同位体、56%)、335([M−CH
3]
+、Br同位体、100%)、337([M−CH
3]
+、Br同位体、54%)。
【0275】
C.4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル
乾燥機乾燥したフラスコに、((2,3−ジブロモ−6−フルオロフェニル)エチニル)トリメチルシラン、(6.08g、17.37mmol)、Zn(CN)
2(2.039g、17.37mmol)、Pd
2(dba)
3(0.477g、0.521mmol)、およびdppf(0.481g、0.868mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水DMAC(25mL)およびPMHS(0.344mL、17.37mmol)を注射器によって加え、超音波洗浄浴に入れながら、N
2を10分間吹き込むことで混合物を脱気した。混合物を、窒素下に100℃の油浴で撹拌した。26時間後、混合物を冷却し、飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(2.98g、収率71%)を黄褐色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.72(dd、J=8.7、4.7Hz、1H)、7.43(dd、J=8.6、8.0Hz、1H)、0.32(s、9H);MS(GCMS EI)m/z242([M]
+、7%)、227([M−CH
3]
+、100%)。
【0277】
D.(S)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、(S)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール(実施例21G)(0.064g、0.622mmol)、4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(0.126g、0.518mmol)およびK
2CO
3(0.143g、1.036mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水NMP(3mL)を注射器によって加え、混合物をN
2下に60℃の加熱ブロックで撹拌した。30分後、バイアルをPTFE面クリンプトップで密閉し、混合物についてマイクロ波加熱(140℃)を15分間行った。混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(S)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(0.0659g、収率50%)を黄褐色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.73(d、J=8.7,Hz、1H)、7.69(d、J=3.3Hz、1H)、7.51(d、J=8.7Hz、1H)、6.84(d、J=3.2Hz、1H)、4.47(q、J=7.0Hz、1H)、1.63(d、J=7.0Hz、3H)、1.53(s、1H)、1.34(s、3H)、1.11(s、3H)。
【0279】
(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、(R)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール(市販の(S)−2−アミノプロパン酸メチル塩酸塩を用い実施例21Gと同様の方法で製造)(0.072g、0.696mmol)、4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(実施例40C)(0.141g、0.58mmol)、脱水NMP(3.5mL)およびDIEA(0.304mL、1.740mmol)を入れ、バイアルをクリンプトップで密閉した。混合物について、マイクロ波加熱(140℃)を20分間行った。冷却したら、混合物を飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、アニリン中間体0.0572g(0.226mmol)を得た。得られたアニリンを脱水NMP(2mL)に溶かし、KOtBuのTHF中溶液(0.250mL、0.25mmol)を注射器によって加えた。混合物をN
2下に室温で終夜撹拌した。約24時間後、混合物を飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(0.0285g、収率19%)を無色フィルム状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.73(d、J=8.7,Hz、1H)、7.69(d、J=3.4Hz、1H)、7.51(d、J=8.6Hz、1H)、6.84(d、J=3.4Hz、1H)、4.46(q、J=7.1Hz、1H)、1.63(d、J=7.0Hz、3H)、1.48(s、1H)、1.34(s、3H)、1.11(s、3H)。
【0281】
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
乾燥機乾燥した20mLマイクロ波バイアルに、3−アミノ−2−メチルペンタン−2−オール(実施例34A)(0.0705g、0.602mmol)、4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(実施例40C)(0.146g、0.602mmol)、およびK
2CO
3(0.100g、0.722mmol)を入れた。脱水NMP(3mL)を注射器によって加え、バイアルをPTFE面クリンプトップで密閉した。混合物についてマイクロ波加熱(140℃)を35分間行った。混合物を冷却し、飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで層化し、全体を濾過した(Whatman#2)。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製した。所望の生成物を含む分画を活性炭で脱色して、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン−3−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(0.0285g、収率18%)を琥珀色フィルム状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.75−7.61(m、2H)、7.53(d、J=8.6Hz、1H)、6.88(d、J=3.3Hz、1H)、4.16−4.07(m、1H)、2.20−2.01(m、2H)、1.37(s、3H)、1.08(s、3H)、0.65(t、J=7.3Hz、3H);MS(LCMSES+)m/z268([M+H]
+、26%)、285(100%)、309({[M+H]+MeCN}
+、78%)。
【0283】
1−(3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、3−アミノ−2,3−ジメチルブタン−2−オール(実施例35A)(0.063g、0.540mmol)および4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(実施例40C)(0.109g、0.45mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。DIEA(0.157mL、0.900mmol)および脱水DMSO(2mL)を注射器によって加え、混合物をN
2下に室温で撹拌した。18時間後、昇温させて60℃とし、撹拌をさらに30時間続けた。冷却したら、混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して、暗色油状残留物を得た。乾燥機乾燥したバイアルに、残留物を入れ、次にCuI(0.043g、0.225mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水DMF(3mL)を注射器によって加え、セプタムをPTFE面クリンプトップと取り替えた。混合物についてマイクロ波加熱(140℃)を20分間行った。混合物を飽和NH
4Clに投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)と、次に分取HPLC(C18固定相、MeCN/水勾配(0.1%TFA添加剤含有))によって精製して、1−(3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(0.0093g、収率8%)を無色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ8.21(dd、J=9.0、0.8Hz、1H)、7.65(d、J=3.5Hz、1H)、7.42(d、J=9.0Hz、1H)、6.81(dd、J=3.5、0.8Hz、1H)、1.88(s、6H)、1.21(s、6H);MS(LCMSES+)m/z268([M+H]
+、29%)、309({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0285】
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(実施例39)(0.043g、0.145mmol)、Zn(CN)
2(0.034g、0.290mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.0335g、0.029mmol)のDMF(3mL)中混合物にN
2を5分間吹き込み、封管中4時間にわたり120℃で加熱した。反応をLCMSによってモニタリングし、追加のシアン化亜鉛およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を適宜に加えた。約50%が変換された後、反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(15mL)で洗浄した。有機相をブラインで洗浄した。合わせた水相をEtOAcで抽出した(20mLで1回)。有機相を合わせ、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(Phenomenex Lunaカラム;勾配:10%から100%MeCN−水(0.1%TFA含有))によって精製した。生成物を含む分画を合わせ、濃縮して水相とし、それをEtOAc(20mL)と飽和Na
2CO
3水溶液(20mL)との間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。次に、生成物をCH
2Cl
2−ヘキサンから結晶化させて、(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.015g、収率33%)を白色固体として得た。MS(ESI):m/z288(M+H)。
【0287】
(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例21D)(0.173g、0.606mmol)、市販の(R)−3−(1−アミノエチル)ベンゾニトリル(0.098g、0.667mmol)およびK
2CO
3(0.092g、0.667mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水NMP(3mL)を注射器によって加え、混合物をN
2下に60℃の加熱ブロックで17時間撹拌した。混合物を冷却し、飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.0845g、収率41%)を淡黄色ガム状物として得て、それはEt
2O/ヘキサンで磨砕すると固化した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.62(d、J=7.6Hz、1H)、7.57(d、J=4.6Hz、1H)、7.53(d、J=8.5Hz、1H)、7.47(t、J=7.8Hz、1H)、7.42(s、1H)、7.39(d、J=8.6Hz、1H)、7.29(d、J=6.7Hz、1H、溶媒との重なり)、6.96(m、1H)、5.76(q、J=7.0Hz、1H)、2.01(d、J=7.1Hz、3H);MS(LCMSES+)m/z340([M+H]
+、86%)、381({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0289】
1−(1−(3−シアノフェニル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0291】
A.メタンスルホン酸1−(3−シアノフェニル)プロピル
3−(1−ヒドロキシプロピル)ベンゾニトリル(0.273g、1.694mmol;参照:Synlett(2002), (11), 1922−1924)、Et
3N(0.354mL、2.54mmol)およびMsCl(0.198mL、2.54mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中混合物を室温で撹拌した。90分後、追加のそれぞれ0.75当量のEt
3NおよびMsClを加えた。1時間後、反応混合物を濃縮して乾固させ、残留物をEtOAc(20mL)と0.1N HCl(20mL)との間で分配した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、5%から30%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、メタンスルホン酸1−(3−シアノフェニル)プロピル(0.289g、収率68%)を得た(生成物はやや不安定であり、取得からすぐに用いるか低温で保存する必要がある。)。
【0293】
B.1−(1−(3−シアノフェニル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.030g、0.143mmol)のTHF(5mL)中懸濁液に、KOtBu(1M THF中溶液)(0.157mL、0.157mmol)を加えた。室温で2分間撹拌後、メタンスルホン酸1−(3−シアノフェニル)プロピル(0.0512g、0.214mmol)のTHF(1mL)中溶液を加え、混合物を封管中80℃で加熱した。反応をLCMSによってモニタリングした。約30分後、追加のTHF(1mL)中のメタンスルホン酸1−(3−シアノフェニル)プロピル(0.0342g、0.143mmol)を加え、混合物を80℃でさらに30分間加熱した。冷却したら、反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物について、0%から25%EtOAc−ヘキサン勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを行った。取得物を、分取HPLC(Phenomenex Lunaカラム;勾配:10%から100%MeCN−水(0.1%TFA含有))によってさらに精製した。生成物を含む分画を合わせ、濃縮して水相とし、それを次に、EtOAc(25mL)と飽和NaHCO
3水溶液(20mL)との間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して1−(1−(3−シアノフェニル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.014g、収率26%)を得た。MS(ESI):m/z354(M+H)。
【0295】
(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例21D)、(0.171g、0.598mmol)、市販の(R)−5−(1−アミノプロピル)ニコチノニトリル(0.106g、0.658mmol)およびK
2CO
3(0.091g、0.658mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水NMP(3mL)を注射器によって加え、混合物をN
2下に60℃の加熱ブロックで撹拌した。22時間後、混合物を冷却し、飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.0758g、収率36%)を黄褐色ガム状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ8.82(s、1H)、8.69(brs、1H)、7.64(brs、1H)、7.60−7.43(m、3H)、7.00(brs、1H)、5.49(t、J=7.5Hz、1H)、2.42(6重線、J=7.1Hz、2H)、1.04(t、J=7.1Hz、3H);MS(LCMSES+)m/z355([M+H]
+、62%)、396({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0297】
(R)−4−クロロ−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、市販の(R)−5−(1−アミノプロピル)ニコチノニトリル(0.165g、1.023mmol)、2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例32B)(0.234g、0.93mmol)、およびK
2CO
3(0.141g、1.023mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水NMP(3mL)を注射器によって加え、混合物をN
2下に60℃の加熱ブロックで撹拌した。18時間後、セプタムをPTFE面クリンプトップと取り替え、混合物についてマイクロ波加熱(140℃)を15分間行った。冷却したら、混合物を飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、合わせた洗浄液を濾過し(Whatman#2)、EtOAcで再抽出した(1回)。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、短いシリカ層で濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(R)−4−クロロ−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(0.1024g、収率34%)をガム状物として得て、それはEt
2O/ヘキサンで磨砕すると黄褐色固体を生じた。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ8.81(d、J=1.1Hz、1H)、8.68(d、J=1.8Hz、1H)、7.66−7.58(m、1H)、7.44(d、J=3.4Hz、1H)、7.42(d、J=8.8Hz、1H)、7.18(d、J=8.5Hz、1H)、6.88(d、J=3.1Hz、1H)、5.43(dd、J=8.5、6.9Hz、1H)、2.50−2.30(m、2H)、1.03(t、J=7.3Hz、3H);MS(LCMSES+)m/z321([M+H]
+、55%)、362({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0299】
(R)−1−(1−フェニルエチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(実施例40C)(0.100g、0.413mmol)およびK
2CO
3(0.057g、0.413mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水NMP(2mL)および(R)−1−フェニルエタンアミン(0.053mL、0.413mmol)を注射器によって加え、混合物をN
2下に60℃の加熱ブロックで撹拌した。15時間後、混合物を冷却し、飽和NH
4Clを加えることで反応停止し、水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水で2回、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(R)−1−(1−フェニルエチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(0.0574g、収率51%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.63(d、J=3.3Hz、1H)、7.48(dd、J=8.6、0.7Hz、1H)、7.43(d、J=8.7Hz、1H)、7.37−7.27(m、3H)、7.12−7.06(m、2H)、6.88(dd、J=3.3、0.7Hz、1H)、5.72(q、J=7.1Hz、1H)、1.98(d、J=7.0Hz、3H);MS(LCMS ES+)m/z272([M+H]
+、5%)、289(100%)、313({[M+H]+MeCN}、23%)、335({[M+Na]+MeCN}、22%)。
【0301】
(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
乾燥機乾燥したバイアルに、4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(実施例40C)(0.128g、0.528mmol)、(R)−3−(1−アミノエチル)ベンゾニトリル(0.085g、0.581mmol)およびK
2CO
3(0.080g、0.581mmol)を入れ、ラバーセプタムで密閉した。脱水NMP(3mL)を注射器によって加え、混合物をN
2下に60℃の加熱ブロックで撹拌した。3.5時間後、セプタムをPTFE面クリンプトップと取り替え、混合物についてマイクロ波加熱(140℃)を20分間行った。冷却したら、混合物を飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を濾過し(Whatman#2)、洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(0.0705g、0.238mmol、収率45.0%)を黄褐色泡状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.63(d、J=3.4Hz、1H)、7.61(dt、J=7.8、1.3Hz、1H)、7.50−7.41(m、3H)、7.40(t、J=1.8Hz、1H)、7.30−7.27(m、1H)、6.93(dd、J=3.4、0.7Hz、1H)、5.76(q、J=7.1Hz、1H)、2.01(d、J=7.1Hz、3H);MS(LCMSES+)m/z297([M+H]
+、24%)、338({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0303】
(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
【0305】
A.3−エチニル−4−フルオロフタロニトリル
4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)フタロニトリル(実施例40C)(0.302g、1.246mmol)の脱水THF(5mL)中溶液にTBAFのTHF中溶液(1.246mL、1.246mmol)を滴下した。得られた黒色混合物を室温でN
2下に5分間撹拌した。混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、3−エチニル−4−フルオロフタロニトリル(0.0635g、収率30%)を黄褐色固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.79(dd、J=8.7、4.7Hz、1H)、7.49(dd、J=8.7、8.0Hz、1H)、3.86(s、1H);MS(GCMS EI)m/z170([M]
+、100%)。
【0307】
B.(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル
(R)−5−(1−アミノプロピル)ニコチノニトリル塩酸塩(0.081g、0.411mmol)の脱水NMP(2.0mL)中溶液にDIEA(0.215mL、1.232mmol)を注射器によって加えた。混合物を15分間撹拌し、3−エチニル−4−フルオロフタロニトリル(0.0635g、0.373mmol)を1回で加えた。混合物を室温でN
2下に36時間撹拌し、飽和NaHCO
3に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を洗浄し(水、ブライン)、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を脱水DMF(3mL)に溶かし、CuI(0.036g、0.187mmol)を加え、混合物についてマイクロ波加熱(140℃)を30分間行った。混合物をEtOAcで希釈し、セライト層で濾過した。濾液をヘプタンで1:1希釈し、減圧下に濃縮した(ヘプタン追い出しを3回)。残留物を低圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、勾配溶離)によって精製して、(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル(0.0407g、0.131mmol、収率35.0%)を黄色ガム状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ8.83(d、J=8.7Hz、1H)、8.69(d、J=2.2Hz、1H)、7.66(t、J=2.1Hz、1H)、7.63(d、J=3.4Hz、1H)、7.53(s、2H)、7.00(d、J=3.4Hz、1H)、5.50(dd、J=8.7、6.8Hz、1H)、2.53−2.34(m、2H)、1.03(t、J=7.3Hz、3H);MS(LCMSES+)m/z312([M+H]
+、6%)、353({[M+H]+MeCN}
+、100%)。
【0309】
4−クロロ−1−((2R,3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0311】
A.(R)−3−(ビベンジルアミノ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−オン
(R)−2−(ジベンジルアミノ)プロパン酸メチル(市販の(R)−2−アミノプロパン酸メチル塩酸塩を用い、実施例21Eと同様の方法で製造)(8.36g、29.5mmol)をトルエン(15mL)に溶かし、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(6.53mL、44.3mmol)で処理した。混合物を氷浴で冷却し、酢酸テトラブチルアンモニウム(0.445g、1.48mmol)を加えた。反応液を氷浴上で放置した。1.5時間後のTLCおよびLCMSで、極性が相対的に低い(TLC)生成物への優れた変換が示された。混合物を飽和NH
4Cl水溶液で反応停止し、EtOAcで抽出した。有機部分をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して褐色油状物を得て、それをTHF(40mL)で希釈し、次に1N HCl水溶液(10mL)で処理した。混合物を終夜撹拌させた。翌日のLCMSで、微量の二付加生成物とともに所望の生成物が示された。混合物をNaHCO
3(飽和水溶液、pH約9まで)で中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機部分を飽和NaHCO
3と次にブラインで洗浄した。有機部分をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して暗琥珀色油状物を得て、それについてクロマトグラフィー(ISCO、220gシリカ、ヘキサン/EtOAC;0%から30%;230および254nm)を行って、所望の生成物を明黄色油状物として得た(6.83g、72%):MS(ESI):m/z340(水和物としてのM+H)。
【0313】
B.(2S,3R)−3−(ジベンジルアミノ)−1,1,1−トリフルオロ−2−メチルブタン−2−オール
(R)−3−(ジベンジルアミノ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−オン(実施例52A)(3.41g、10.61mmol)をEt
2O(80mL)に溶かし、冷却して約0℃(氷の外部温度)としてから、MeMgI(7.07mL、3M)を加えた。グリニャル試薬を加えると反応が不均一となった。10分間撹拌後、TLCによって、原料の生成物より若干極性が低いところ(残留原料と思われるものが微量)に良好な変換が示され、混合物を飽和NH
4Cl水溶液で反応停止し、EtOAcで抽出した。合わせた有機部分をNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。得られた明黄色残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、80gシリカ、27分かけて0%から40%、約10分間の保持時間;ヘキサン/EtOAc)によって精製して、所望の生成物を明黄色油状物として得た。TLC、LCMSおよびNMRにより、約15%から20%のビスCF
3アルコールを不純物として含む所望の生成物が示された。微量の他のジアステレオマーの存在した。取得物を濃縮し、再度クロマトグラフィー精製して(純粋なCH
2Cl
2、80gSiO
2、254/230nm)、ビス−CF
3アルコールと所望の生成物(1.94g、54%)の分離を行った。この取得物全体を、脱ベンジル化段階に用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ7.62−7.48(m、10H)、6.11(s、1H)、4.16(d、J=13.6Hz、2H)、3.61(d、J=13.7Hz、2H)、3.15(q、J=6.8Hz、1H)、1.42−1.40(m、6H)。
【0315】
C.(2S,3R)−3−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−2−メチルブタン−2−オール
(2S,3R)−3−(ジベンジルアミノ)−1,1,1−トリフルオロ−2−メチルブタン−2−オール(実施例52B)(1.94g、5.75mmol)をMeOH(50mL)に溶かし、触媒(0.612g、10%乾燥重、50%水)で処理した。反応容器を、真空およびN
2を交互に行うことで(7回)パージした。H
2を導入し、容器を、真空とH
2置換によって再度パージした(3回)。最後に、反応容器にH
2を入れた(約0.62MPa(90psi))。圧力を下げて約0.55MPa(80psi)とし、そのまま終夜放置した(H
2取り込みが停止したように思われた)。15時間後、反応液をN
2/真空サイクルでパージし、触媒/炭素をセライトでの濾過によって除去した。セライトケーキをMeOHで洗い、ロータリーエバポレータにより、次に液体体積の最後の部分をN
2吹き飛ばしで仕上げることで、得られた濾液を注意深く濃縮して白色固体を得た。得られた灰色固体/フィルム状物をCH
2Cl
2に溶かし、次にマイクロフィルターで濾過して残留Pd/Cを除去した。得られた淡黄色濾液の吹き飛ばしを行い、軽い減圧を行うことで、淡黄色固体(0.726g、80%)を得た。この取得物のPMRで、優れた純度と残留原料がないことが示された。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ2.95(q、J=6.7Hz、1H)、1.60(bs、2H)、1.13−1.11(m、3H)、0.96−0.94(m、3H)。
【0317】
D.4−クロロ−1−((2R,3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
封管中、2−クロロ−4−フルオロ−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例32B)(0.08g、0.318mmol)、(2S,3R)−3−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−2−メチルブタン−2−オール(実施例52C)(0.079mg、0.503mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.094mL、0.540mmol)をDMSO(1.0mL)中で合わせ、次に加熱して100℃とした。アニリン中間体の形成をLCMSによってモニタリングした。この中間体への優れた変換が、加熱約3時間後に明らかになった。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機部分をNa
2SO
4で脱水し、濃縮して褐色油状物を得た。高真空によって、さらなる微量のDMSOを除去した。褐色残留物をNMP(約1.0mL)で希釈し、KOtBu(0.095mL、1.0M THF中溶液)で処理した。得られた溶液を加熱して60℃として45分間経過させ、その時点でのLCMSで、ごくわずかに極性が低い生成物の形成が示された。この生成物のUV追跡は、アニリン中間体のものとかなり異なっていた。粗混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機部分を水およびブラインで洗浄し、次にNa
2SO
4で脱水した。濃縮によって粘稠褐色油状物を得て、それをISCO(24gシリカ、ヘキサン/EtOAc70%まで、254および230nmで検出)によって精製して、所望の生成物を優れた純度の淡黄色固体(0.078g、78%)として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ7.79(d、J=3.5Hz、1H)、7.71(d、J=8.6Hz、1H)、7.57(d、J=8.8Hz、1H)、6.68(d、J=3.3Hz、1H)、6.50(s、1H)、5.03(q、J=7.0Hz、1H)、1.51(d、J=6.9Hz、3H)、1.37(s、3H);MS(ESI):m/z317(M+H)。
【0319】
1−((2R,3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(実施例21D)を用い、実施例52と同様の方法で合成した。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ8.05(d、J=8.8Hz、1H)、7.94(d、J=3.5Hz、1H)、7.76(d、J=8.6Hz、1H)、6.78−6.76(m、1H)、6.54(s、1H)、5.15(q、J=7.0Hz、1H)、1.54(d、J=7.0Hz、3H)、1.39(s、3H);MS(ESI):m/z351(M+H)。
【0321】
(S)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
実施例27Cと同様の方法で製造した(S)−1−(メチルチオ)プロパン−2−アミンを用い、実施例27Dと同様の方法で合成した。MS(ESI):m/z299(M+H)。
【0323】
(S)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
(S)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリルを用い、実施例27と同様の方法で合成した。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ8.16(d、J=8.7Hz、1H)、8.12(d、J=3.5Hz、1H)、7.81(d、J=8.6Hz、1H)、6.85−6.84(m、1H)、5.40−5.35(m、1H)、4.01(dd、J=14.6、8.2Hz、1H)、3.83(dd、J=14.9、5.1Hz、1H)、2.76(s、3H)、1.59(d、J=6.6Hz、3H);MS(ESI):m/z331(M+H)。
【0324】
生物の部
本発明の化合物は、アンドロゲン受容体の調節剤である。さらに、本発明の化合物は、糖質コルチコイド受容体、鉱質コルチコイド受容体、および/またはプロゲステロン受容体の調節剤としても有用であることも分かる可能性がある。オキソステロイド核受容体が介在する活性を、下記のイン・ビトロアッセイおよびイン・ビボアッセイを用いて求めた。
【0325】
イン・ビトロアッセイ
下記の略称および材料入手先を用いる。
【0326】
Fluormone PL Red−市販のPR蛍光プローブ(Invitrogen、P2964)
Fluormone GS Red−市販のGR蛍光プローブ(PanVera社、製品番号P2894)
Fluormone AL Red−市販のAR蛍光プローブ(Invitrogen、PV4294,)
MBP−hPR−LBD−マルトース結合タンパク質精製ヒトプロゲステロンリガンド結合ドメイン(社内製造)
GR−精製ヒト糖質コルチコイド受容体(PanVera社、製品番号P2812)
MBP−nAR−LBD−マルトース結合タンパク質精製ラットアンドロゲンリガンド結合ドメイン(社内製造)
PRスクリーニング緩衝液−100mMリン酸カリウム(pH7.4)、100μG/mLウシγ−グロブリン、15%エチレングリコール、10%グリセリン(2mM CHAPS含有)、新鮮な状態で加えた1mM DTTおよび新鮮な状態で加えた4%DMSO(化合物分配由来の1%濃度とともに、アッセイでは最終5%DMSO)
ARスクリーニング緩衝液−50mM Tris pH7.5、100mM硫酸アンモニウム、20%グリセリン、3%キシリトール(5mM Chaps含有)、新鮮な状態で加えた2mM DTTおよび新鮮な状態で加えた4%DMSO(化合物分配由来の1%濃度とともに、アッセイでは最終5%DMSO)
GRスクリーニング緩衝液−100mMリン酸カリウム(pH7.4)、200mM Na
2MoO
2、1mM EDTA、20%DMSO(PanVera社、製品番号P2814)、GR安定化ペプチド(100μM)(PanVera社、製品番号P2815)含有
DTT−ジチオトレイトール(PanVera社、製品番号P2325)
Discovery Analyst−FP読取装置
DMSO−ジメチルスルホキシド。
【0327】
プロゲステロン受容体蛍光偏光アッセイ:
プロゲステロン受容体蛍光偏光アッセイを用いて、化合物とプロゲステロン受容体との相互作用を調べる。
【0328】
化合物を384ウェル黒色低容量プレートに加えて最終容量0.1μLとする。冷却したアッセイ緩衝液にDTTおよびDMSOを加えてから、直ちにアッセイを開始する。十分なFluormone PL RedおよびPR−LBDを氷上で解凍し、ガラス管中の冷却した緩衝液に加えて、それぞれ最終濃度2nMおよび8nMを得る。容量10μLのアッセイ混合物を、マルチドロップを用いて化合物プレートに加える。アッセイ液を20から22℃(室温)で2から3時間インキュベートする。好適な535nM励起および590nM発光干渉フィルター(Dichroic 561nM)を用いるDiscovery Analystでプレートのカウンティングを行う。PRと相互作用する化合物では、蛍光偏光読取値は相対的に低くなる。試験化合物をDMSOに溶かして希釈する。化合物のアッセイは単回で行い、下記の形の4パラメータ曲線適合を用いる。
【0330】
式中、aは最小値であり、bはヒル勾配であり、cはIC
50であり、dは最大値である。最大値および最小値を、化合物の非存在下および10
−5Mプロゲステロン存在下での接着と比較する。データは、n回の実験の平均の標準誤差とともに平均pIC
50として提供される。
【0331】
アンドロゲン受容体蛍光偏光アッセイ:
アンドロゲン受容体蛍光偏光アッセイを用いて、化合物とアンドロゲン受容体との相互作用を調べる。
【0332】
化合物を384ウェル黒色低容量プレートに加えて最終容量0.1μLとする。冷却したアッセイ緩衝液にDTTおよびDMSOを加えてから、直ちにアッセイを開始する。十分なFluormone AL RedおよびAR−LBDを氷上で解凍し、ガラス管中の冷却した緩衝液に加えて、(現在のバッチについて)それぞれ最終濃度1nMおよび100nMを得る。容量10μLのアッセイ混合物を、マルチドロップを用いて化合物プレートに加える。アッセイ液を20℃で2から3時間インキュベートする。好適な535nM励起および590nM発光干渉フィルター(Dichroic 561nM)を用いるDiscovery Analystでプレートのカウンティングを行う。ARと相互作用する化合物では、蛍光偏光読取値は相対的に低くなる。試験化合物をDMSOに溶かして希釈する。化合物のアッセイは単回で行い、下記の形の4パラメータ曲線適合を用いる。
【0334】
式中、aは最小値であり、bはヒル勾配であり、cはIC
50であり、dは最大値である。最大値および最小値を、化合物の非存在下および10
−5M対照化合物2−((4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)アセトアミド存在下での接着と比較する。データは、n回の実験の平均の標準誤差とともに平均pIC
50として提供される。選択した実施例からの結果を表1に示してある。
【0336】
糖質コルチコイド受容体蛍光偏光アッセイ
糖質コルチコイド受容体蛍光偏光アッセイを用いて、化合物と糖質コルチコイド受容体との相互作用を調べる。
【0337】
化合物を384ウェル黒色低容量プレートに加えて最終容量0.5μLとする。十分なFluormone GS RedおよびGRを氷上で解凍し、ガラス管中の冷却した緩衝液に加えて、それぞれ最終濃度1nMおよび4nMを得る。GRスクリーニング緩衝液を冷却して4℃としてからDTTを加えて、最終濃度1mMを得る。GRスクリーニング緩衝液中のFluormone GS RedおよびGRを化合物プレートに加えて、最終容量10μLとする。アッセイ液を4℃で12時間インキュベートする。好適な535nM励起および590nM発光干渉フィルターを用いるDiscovery Analystでプレートのカウンティングを行う。GRと相互作用する化合物では、蛍光偏光読取値は相対的に低くなる。試験化合物をDMSOに溶かして希釈する。化合物のアッセイは単回で行い、下記の形の4パラメータ曲線適合を用いる。
【0339】
式中、aは最小値であり、bはヒル勾配であり、cはEC
50であり、dは最大値である。最大値および最小値を、化合物の非存在下および10
−5Mデクサメタゾン存在下での接着と比較する。データは、n回の実験の平均の標準誤差とともに平均pIC
50として提供される。
【0340】
AR機能アッセイ:
AR DNA製造
ヒトAR遺伝子のN末端切断物を含むプラスミドをATCCから入手したが、それはタンパク質のN末端から154個の残基を持たないものである。社内で得られたヒト肝臓cDNAライブラリからのAR遺伝子のN末端領域をPCR法を用いてクローニングした。N末端小片およびC末端小片について一緒にPCRを行い、コザック配列とともにBamHI部位でpSG5ベクターにサブクローニングした。その配列は、公開された配列の中で当該受容体内の可変性の高い二つの領域における公開された配列と異なっている。このクローンは、1個の追加のグルタミン残基(残基79)および3個の追加のグリシン残基(475位)を有する。
【0341】
MMTV DNA製造
pGL3塩基性ベクターをSmaIおよびXhoIで消化させた。pMSGを平滑末端HindIIIで消化させ、次にXhoIで消化させて、pMMTV−LTRを切り取る。次に、pMMTV−LTR断片を、pGL3塩基性ベクターのSmaI部位およびXhoI部位に結合させた。得られたプラスミドは、26位からXhoI部位のMMTVプロモーターと、次にNcoI部位とSalI(3482位)部位の間に含まれるルシフェラーゼを含む。
【0342】
アッセイプロトコール
製造者のプロトコールに従って、サル腎臓CV−1細胞(ECACC番号87032605)をFugene−6試薬で一時的にトランスフェクションした。すなわち、80%密集度の密度のCV−1細胞のT175フラスコを、混合DNA 25gおよびFugene−6 75lでトランスフェクションした。DNA混合物(pAR 1.25μg、pMMTVルシフェラーゼ2.5μgおよびpBluescript(Stratagene)18.75μg)をOptiMEM−1 5mL中Fugeneで30分間インキュベートし、次にトランスフェクション培地(1%Hyclone、2mM L−グルタミンおよび1%Pen/Strepを含むDMEM)で希釈して20mLとしてから、細胞に加えた。24時間後、細胞をPBSで洗浄し、0.25%トリプシンを用いてフラスコから脱離させ、Sysmex KX−21Nを用いてカウンティングした。トランスフェクション細胞をアッセイ培地(1%Hyclone、2mM L−グルタミンおよび1%Pen/Strepを含むDMEM)で希釈して70細胞/μLlとする。必要濃度の化合物を含む白色Nunc 384ウェルプレートの各ウェルに、細胞懸濁液70μLを分配した。24時間後、プレートの各ウェルにSteady Glo 10μLを加えた。プレートを暗所で10分間インキュベートしてから、それをViewlux読取装置で読み取った。
【0343】
解析
全てのデータを各プレートの16高対照ウェルおよび16低対照ウェルの平均に対して正規化した。下記形態の4パラメータ曲線適合を適用した。
【0345】
式中、aは最小値であり、bはヒル勾配であり、cはXC50であり、dは最大値である。データはn回の実験の平均の標準偏差とともに平均pXC50として提供される。
【0346】
実施例1から55に示した化合物をAR機能アッセイで調べたところ、全てがこのアッセイの作動薬モードでpIC
50≧5.01を有していた。
【0347】
当業者には、イン・ビトロ結合アッセイおよび機能活性についての細胞に基づくアッセイに変動性があることが理解される。従って、理解すべき点として、上記で記載のpIC
50の値は例示に過ぎない。
【0348】
虚勢雄ラットモデル(ORXラット)
C. D. Kockakian, Pharmac. Therap. B1(2), 149-177(1975);C. Tobin and Y. Joubert, Developmental Biology 146, 131-138(1991);J. Antonio、J. D. Wilson and F. W. George, J Appl. Physiol. 87(6)2016-2019(1999))(これらの開示内容は、参照によって本明細書に包含される。)に記載の方法に従って、虚勢雄ラットモデル(ORX)を用いて、アンドロゲン受容体の調節剤としての本発明の化合物の活性を調べた。
【0349】
アンドロゲン類は、動物とヒトの両方において多くの組織の維持および成長で重要は役割を果たすことが確認されている。肛門挙筋および球海綿体筋のような筋肉、ならびに前立腺および精嚢などの副生殖器は、アンドロゲン受容体の高発現レベルを有し、外因性アンドロゲン添加または精巣切除によるアンドロゲン欠乏に対して迅速に応答することが知られている。去勢は、筋肉および副生殖器の大幅な萎縮を生じるが、去勢動物への外因性アンドロゲン投与によって、これらの筋肉および副生殖器の効果的な肥大を生じる。背側球海綿体筋とも称される肛門挙筋は「本当の骨格筋」ではなく、明確に伴性であるが、アンドロゲン応答性および除去の簡単さのため、この筋肉を用いて、それの試験化合物の筋肉タンパク同化活性をスクリーニングすることが妥当である。
【0350】
体重160から180gの雄スプレーグ−ドーリーラットをアッセイで用いた。ラットは、投与時および試験を通じて単独でケージに入れた。イソフルラン麻酔下に無菌手術条件で、両側精巣摘除術を行った。陰嚢では、体軸方向切開を行った。睾丸を露出させ、精巣動脈および輸精管を、結紮部位近位で4.0シルク0.5cmによって結紮した。次に、結紮部位遠位で外科用ハサミによって睾丸を摘出した。組織断端を陰嚢に戻し、陰嚢および覆っている皮膚を手術用ステープラーによって閉じた。偽ORXラットについては、結紮およびハサミによる切断を除く全ての手順を行った。これらのラットは、手術後7から10日に、体重に基づいて試験群に無作為に割り当てた。
【0351】
ジヒドロテストステロン(DHT)および標準的なSARM、S−22(J. Pharma. Exper. Thera. Vol 315, p.230)を陽性対照として用いた(DHTは1から10mg/kg皮下注射、S−22は0.1から3mg/kg経口投与)。本発明の化合物を、4から28日間にわたって皮下投与または経口投与した。あるいは、本発明の一部の化合物は、7から49日間にわたり皮下投与または経口投与した。ラットは1日1回体重を測定し、それに応じて用量を調節した。試験中を通じて、動物の福祉はモニタリングした。
【0352】
試験終了後、ラットをCO
2チャンバで屠殺した。腹側前立腺(VP)、精嚢(SV)、肛門挙筋(LA)および球海綿体筋(BC)を注意深く切除した。それら組織を乾式でブロットし、重量を記録し、組織分析および分子的分析のために保存した。VPおよびSV重量はアンドロゲン指標として役立ち、LAおよびBCは同化作用指標として役立つ。同化活性のアンドロゲン活性に対する比率を用いて、試験化合物を評価した。血清黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および同化活性の他の可能な血清マーカーも分析した。
【0353】
概して、好ましい化合物は、肛門挙筋肥大を示し、前立腺刺激はほとんど示さなかった。
【0354】
実施例9、20、26、27、33、51、52および53で示した化合物について、実質的に上記の方法に従って、去勢雄ラットモデルで試験を行った。試験化合物は遊離型または塩型で用いた。実施例9、26、27、51、52および53で示した化合物は、好ましい肛門挙筋肥大を示し、前立腺に影響しなかった。好ましい肛門挙筋肥大を有する化合物は、媒体処理去勢動物と比較した場合に肛門挙筋重量に30%以上の増加を示す化合物と定義し、10mg/kg/日以下で経口投与した。前立腺への影響回避は、肛門挙筋ED
50:前立腺ED
50が少なくとも2:1比であると定義した。ED
50は、媒体処理去勢動物レベルより上の最大応答レベルの50%と定義される。相対的に短い期間の試験(4から7日)の場合、最大応答は陽性対照(DHTまたは標準SARM、S−22)処理からの最大応答と定義される。相対的に長期の試験(7から49日)の場合、ED
50は性腺機能正常状態の50%と定義される。
【0355】
全ての研究が、実験動物ケアの原則(NIH公開番号85−23、改訂1985)および動物使用に関するグラクソスミスクライン方針に適合したものであった。
【0356】
当業者には、上記の去勢雄ラットモデル試験などのイン・ビボ動物モデル試験には変動性があることは理解される。従って、理解すべき点として、上記で記載の好ましい肛門挙筋肥大の値および前立腺影響回避は例示に過ぎないものである。
【0357】
本明細書では、本発明の具体的な実施形態について詳細に例示および説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。上記の詳細な説明は本発明を例示するものとして提供されたものであり、本発明の制約を構成するものと解釈すべきではない。変更は当業者には自明であり、本発明の精神を逸脱しない全ての変更が添付の特許請求の範囲に包含されるものである
。
[1] 下記式Iの化合物または該化合物の塩。
[式中、
は単結合もしくは二重結合を示し;
R1は−CF3、−C≡N、またはハロであり;
R2はH、C1−3アルキル、または−CHF2であり;
R3はC1−3アルキルであり;
R4は−C(CH3)(CF3)OH、−CH2SCH3、−CH2S(O)2CH3、−C(O)CH3またはフェニルもしくはピリジニルであり、前記フェニルまたはピリジニルは、−C≡Nおよびハロから選択される1個もしくは2個の基で置換されていても良く;
R5はHまたはメチルである。]
[2] R1が−CF3である1に記載の化合物。
[3] R2がHである1または2に記載の化合物。
[4] R2がメチルである1または2に記載の化合物。
[5] R3がメチルである1から4のうちのいずれか1項に記載の化合物。
[6] R4が−CH2S(O)2CH3である1から5のうちのいずれか1項に記載の化合物。
[7] R5がHである1から6のうちのいずれか1項に記載の化合物。
[8] R5がメチルである1から6のうちのいずれか1項に記載の化合物。
[9] 前記化合物が下記式I′を有する1から8のうちのいずれか1項に記載の化合物。
[10] 前記化合物が
2−メチル−1−(1−メチル−2−オキソプロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−エチル−2−オキソプロピル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−メチル−1−(1−(メチルスルホニル)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
2−(ジフルオロメチル)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
2−(ジフルオロメチル)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
1−(3−オキソブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)インドリン−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルチオ)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(メチルスルホニル)ブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
4−クロロ−1−(3−オキソブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−4−クロロ−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1−(3−シアノフェニル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−4−クロロ−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−フェニルエチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
(R)−1−(1−(3−シアノフェニル)エチル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
4−クロロ−1−((2R,3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−1−(1−(メチルチオ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(S)−1−(1−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
(R)−1−(1−(5−シアノピリジン−3−イル)プロピル)−1H−インドール−4,5−ジカルボニトリル;
1−((2R,3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−カルボニトリル;
からなる群から選択される1に記載の化合物および該化合物の塩。
[11] 下記化合物。
[12] 1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物および1以上の製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
[13] 1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物をヒト対象者に投与することを含む、慢性閉塞性肺疾患(COPD)関連筋肉疲労、慢性腎臓病(CKD)関連筋肉疲労、慢性心不全(CHF)関連筋肉疲労および尿失禁から選択される障害の治療方法。
[14] 慢性閉塞性肺疾患(COPD)関連筋肉疲労、慢性腎臓病(CKD)関連筋肉疲労、慢性心不全(CHF)関連筋肉疲労および尿失禁から選択される障害の治療のための医薬品の製造における1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物の使用。
[15] 慢性閉塞性肺疾患(COPD)関連筋肉疲労、慢性腎臓病(CKD)関連筋肉疲労、慢性心不全(CHF)関連筋肉疲労および尿失禁から選択される障害の治療に使用される1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物。
[16] 1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物をヒト対象者に投与することを含む、股関節骨折の修復および治癒を加速する方法。
[17] 股関節骨折の修復および治癒を加速するための医薬品製造における1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物の使用。
[18] 股関節骨折の修復および治癒を加速するのに使用される、1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物。