【実施例】
【0056】
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例3〜6はそれぞれ参考例3〜6に読み替えるものとする。
本実施例における各値は、以下の方法に従って求めた。
【0057】
1.炭素繊維強化樹脂複合材料の分析
(1)総目付の分析
炭素繊維強化樹脂複合材料の全範囲を概ね25mm×25mmピッチでサンプルを切出し、切出した全サンプルの気中重量を、電子天秤を用いて測定した。サンプル寸法はマイクロメータを用いて2辺間の距離(2辺間距離W2及びW3)を、1/1000mm単位で精密に測定し、式(j)により各サンプルの総目付を算出した。さらに、サンプル全数(本実施例では幅1000mm×長さ250mmの等方性基材を、幅方向40点×長さ方向10点の合計400点)による平均値及び標準偏差を算出し、式(g)により、総目付の変動係数(CV1)を求めた。
総目付=気中重量/(W2×W3) 式(j)
総目付の変動係数(CV1)=100×総目付の標準偏差/総目付の平均値 式(g)
【0058】
(2)炭素繊維体積割合(Vf)の分析
炭素繊維強化樹脂複合材料の全範囲を概ね25mm×25mmピッチでサンプルを切出し、切出した全サンプルの気中重量を、電子天秤を用いて測定した後、当該サンプルを500℃×1時間空気雰囲気下で熱可塑性樹脂を燃焼除去し、処理後サンプルの重量を秤量することによって炭素繊維と熱可塑性樹脂の重量を算出した。次に、各成分の比重を用いて、炭素繊維と熱可塑性樹脂の体積割合を算出し、式(a)により各サンプルの炭素繊維体積割合(Vf)を算出した。
Vf=100×炭素繊維体積/(炭素繊維体積+熱可塑性樹脂体積) 式(a)
さらに、サンプル全数(400点)による平均値及び標準偏差を算出し、式(h)により、炭素繊維体積割合(Vf)の変動係数(CV2)を求めた。
炭素繊維体積割合(Vf)の変動係数(CV2)=100×炭素体積割合の標準偏差/炭素繊維体積割合の平均値 式(h)
【0059】
(3)繊維束の分析
炭素繊維強化樹脂複合材料の中から無作為に概ね25mm×25mmピッチで10点抽出して、サンプルを切出し、500℃×1時間程度、炉内にて樹脂を除去し、残留した繊維束をピンセットで全て取り出し、炭素繊維束(A)の束の数(I)および重量(Wi)を測定した。ピンセットにて取り出す事ができない程度に繊維束が小さいものについては、まとめて最後に重量を測定した(Wk)。重量の測定には、1/100mgまで測定可能な天秤を用いた。炭素繊維強化樹脂複合材料に使用している炭素繊維の繊維径(D)より、臨界単糸数を計算し、臨界単糸数以上の炭素繊維束(A)と、それ以外に分けた。
炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料の繊維全量に対する体積割合(VR)は、炭素繊維の密度(ρ)を用いて式(k)により求められる。
VR=Σ(Wi/ρ)×100/((Wk+ΣWi)/ρ) 式(k)
さらに、サンプル10点による平均値及び標準偏差を算出し、式(i)により、炭素繊維束(A)の体積割合の変動係数(CV3)を求めた。
炭素繊維束(A)体積割合の変動係数(CV3)=100×炭素繊維束(A)の体積割合の標準偏差/炭素繊維束(A)の体積割合の平均値 式(i)
【0060】
(4)炭素繊維の平均繊維長の分析
炭素繊維強化樹脂複合材料に含まれる炭素繊維の平均繊維長は、500℃×1時間程度、炉内にて熱可塑性樹脂を除去した後、無作為に抽出した炭素繊維100本の長さをノギスおよびルーペで1mm単位まで測定して記録し、測定した全ての炭素繊維の長さ(Li、ここでi=1〜100の整数)から、次式により重量平均繊維長(Lw)を求めた。
Lw=(ΣLi
2)/(ΣLi) ・・・ 式(f)
【0061】
(5)引張強度
ウォータージェットを用いて炭素繊維強化樹脂複合材料から試験片を幅方向に渡って15点切出し、JIS K−7164:2005を参考として、インストロン社製の5982R4407万能試験機を用いて、引張試験を行った。各試験片の形状はA形試験片とした。チャック間距離は115mm、試験速度は2mm/minとした。
さらに、サンプル全数(15点)による平均値及び標準偏差を算出し、式(l)により、引張強度の変動係数(CV4)を求めた。
引張強度の変動係数(CV4)=100×引張強度の標準偏差/引張強度の平均値 式(l)
【0062】
(6)成形時の流動長
炭素繊維強化樹脂複合材料からサンプルを250mm×250mm切り出し、NGKキルンテック株式会社製の樹脂シート加熱装置(型式H7GS−73408)を用いて、ポリアミド6(熱可塑性樹脂)の可塑化温度以上である290℃に加熱(ポリカーボネート(熱可塑性樹脂)の場合は300℃に加熱)した。
150℃に設定した400mm×400mm×2.6mmのクリアランスを持った成形型の下型に配置し、成形型の上型を下降させ、20MPaで1分間コールドプレスして平板のプレス成形体を作成した。成形型の上型を上昇させて成形型を完全に開放した後、作成したプレス成形体を下型から脱型させ、プレス成形体を取り出した。
取り出したプレス成形体について、プレス成形する前の250mm×250mmに切り出した、炭素繊維強化樹脂複合材料と比べて、コールドプレス時に流動した距離を測定した。具体的には、
図2で示す模式図の4辺を流動させ、各辺の流動長4点を測定した。
さらに、各辺(4辺×4点の合計16点)の流動長による平均値及び標準偏差を算出し、式(m)により、の成形時流動長の変動係数(CV5)を求めた。
流動長の変動係数(CV5)=100×流動長の標準偏差/流動長の平均値 式(m)
(7)成形体の外観評価
炭素繊維強化樹脂複合材料からサンプルを390mm×390mm切り出し、NGKキルンテック株式会社製の樹脂シート加熱装置(型式H7GS−73408)を用いて、ポリアミド6(熱可塑性樹脂)の可塑化温度以上である290℃に加熱(ポリカーボネート(熱可塑性樹脂)の場合は300℃に加熱)した。
加熱した炭素繊維強化樹脂複合材料のサンプルを、150℃に設定した400mm×400mm×2.6mmのクリアランスを持った成形型の下型に配置し、成形型の上型を下降させ、20MPaで1分間コールドプレスして平板のプレス成形体を作成した。成形型の上型を上昇させて成形型を完全に開放した後、作成したプレス成形体を下型から脱型させ、プレス成形体を取り出した。
取り出したプレス成形体について、その両面の空気噛み込み由来の表面凸部(最小長1mm以上のもの)の個数を測定した。
【0063】
2.ランダムマットの分析
(1)総目付の分析
ランダムマットの総目付及び総目付の変動係数(CV1’)の測定は、切り出す対象をランダムマットとすること以外は、上述の「1.(1)総目付の分析」で述べたのと同様の方法を用いた。
【0064】
(2)炭素繊維体積割合(Vf)の分析
ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)及び炭素繊維体積割合の変動係数(CV2’)の測定は、切り出す対象をランダムマットとすること以外は、上述の「1.(2)炭素繊維体積割合(Vf)の分析」で述べたのと同様の方法を用いた。
【0065】
(3)繊維束(A)の分析
ランダムマットの炭素繊維束(A)の分析及び炭素繊維束(A)の体積割合の変動係数(CV3’)の測定は、切り出す対象をランダムマットとすること以外は、上述の「1.(3)繊維束の分析」で述べたのと同様の方法を用いた。
【0066】
(4)炭素繊維の平均繊維長の分析
ランダムマットの平均繊維長の分析は、切り出す対象をランダムマットとすること以外は、上述の「1.(4)炭素繊維の平均繊維長の分析」で述べたのと同様の方法を用いた。
【0067】
[実施例1]
炭素繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24K(平均繊維径7μm、繊維幅10mm)を拡幅して、繊維幅20mmとしたものを使用し、さらに1/5に分繊した。カット装置にはロータリーカッターを用い炭素繊維を繊維長20mmに定長カットするようにした。次いで、カット装置の直下に設けた管体に115g/minの供給速度にて供給し、炭素繊維を管体内の小孔から圧縮空気を噴射させることで開繊するとともに、樹脂供給部よりマトリックス樹脂として、ユニチカ社製のナイロン6樹脂A1030(PA6)を135g/minの供給速度にて管体内に供給し、炭素繊維と混合させた後、管体直下に設置した、搬送速度(V1)=0.7m/minで一方向へ連続的に動く通気性支持体上へ散布・定着させ、ランダムマットを得た。この製造方法は輸送配管を用いていない。カット装置の直下に管体を設けているので、カッターでカットされた炭素繊維は、管体に入るまでの間、鉛直下向きに落下するのみである。
なお、管体は、中心間距離を通気性支持体の搬送方向(MD方向)に垂直な方向(TD方向)に100mm間隔で13本を配置し、管体ユニット化し、その管体ユニットは揺動速度(V2)=9m/min、揺動振幅(W2)=110mmでTD方向に往復揺動させた。このときの搬送速度(V1)に対する、揺動速度(V2)の比、V2/V1は12.9であり、揺動振幅(W2)は隣接間の管体ピッチ100mmの1/2値=50mmよりも大きく設定した。
【0068】
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は75%、変動係数(CV3’)は3.2%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3650g/m
2、変動係数(CV1’)は5.2%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.6%、変動係数(CV2’)は3.7%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。炭素繊維複合材料は単層であり、その厚さは2.6mmであった。
【0069】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は74%、変動係数(CV3)は3.4%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3600g/m
2、変動係数(CV1)は3.6%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.6%、変動係数(CV2)は7.0%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は336MPa、変動係数(CV4)は7.6%であり、比較例1のCV4対比43%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は25mm、変動係数(CV5)は6.4%であり、比較例1のCV5対比35%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は0個であった。
ランダムマット及び炭素繊維強化樹脂複合材料の評価結果は表1にまとめて示した。以降の実施例で得られたランダムマット及び炭素繊維強化樹脂複合材料の評価結果についても同様に表1に示した。
【0070】
[実施例2]
炭素繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、繊維幅10mm)を拡幅して、繊維幅20mmとしたものを使用し、さらに1/5に分繊した。カット装置にはロータリーカッターを用い炭素繊維を繊維長20mmに定長カットするようにした。次いで、カット装置の直下に設けた管体に58g/minの供給速度にて供給し、炭素繊維を管体内の小孔から圧縮空気を噴射させることで開繊するとともに、樹脂供給部よりマトリックス樹脂として、ユニチカ社製のナイロン6樹脂A1030を73g/minの供給速度にて管体内に供給し、炭素繊維と混合させた後、管体直下に設置した、搬送速度(V1)=0.7m/minで一方向へ連続的に動く通気性支持体上へ散布・定着させ、ランダムマットを得た。なお、管体は通気性支持体の搬送方向(MD方向)に垂直な方向(TD方向)に10本を200mmピッチで配置したものを1列として、列間のピッチを200mm、列間の位相差を50mmとして4列を平行に配置し、合計40管体をユニット化した。隣接する管体の中心間距離(X1)の最小距離は200mmであり、隣接する管体より散布される炭素繊維及び熱可塑性樹脂同士が通気性支持体上に定着する前段階の空気中で混合されない距離を確保した。さらに幅方向(TD方向)に渡る管体の位相差(P1)は50mmであり、得られたランダムマットの平均散布幅(W1)=180mmの1/2値よりも狭いものとした。
【0071】
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は74%、変動係数(CV3’)は4.5%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3600g/m
2、変動係数(CV1’)は6.9%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.1%、変動係数(CV2’)は4.6%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0072】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は77%、変動係数(CV3)は4.4%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3580g/m
2、変動係数(CV1)は4.9%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.4%、変動係数(CV2)は8.8%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は328MPa、変動係数(CV4)は9.1%であり、比較例1のCV4対比52%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は22mm、変動係数(CV5)は8.6%であり、比較例1のCV5対比47%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は1個であった。
【0073】
[実施例3]
炭素繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24K(平均繊維径7μm、繊維幅10mm)を拡幅して、繊維幅20mmとしたものを使用し、さらに1/5に分繊した。カット装置にはロータリーカッターを用い炭素繊維を繊維長20mmに定長カットするようにした。次いで、カット装置の直下に設けた管体に115g/minの供給速度にて供給し、炭素繊維を管体内の小孔から圧縮空気を噴射させることで開繊するとともに、樹脂供給部よりマトリックス樹脂として、ユニチカ社製のナイロン6樹脂A1030を135g/minの供給速度にて管体内に供給し、炭素繊維と混合させた後、管体直下に設置した、搬送速度(V1)=0.7m/minで一方向へ連続的に動く通気性支持体上へ散布・定着させ、ランダムマットを得た。なお、管体は通気性支持体の搬送方向(MD方向)に垂直な方向(TD方向)に13本を100mmピッチで配置して、管体ユニット化した。さらに、得られたランダムマットの上方から、幅1500mm×長さ300mmの板に20mmピッチで先端がL字状であるニードルを配置した均し装置を、20回/minの頻度で、ランダムマットに突き刺すように上下往復運動させ、ランダムマットを均した。
【0074】
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は69%、変動係数(CV3’)は6.4%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3650g/m
2、変動係数(CV1’)は7.7%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は33.8%、変動係数(CV2’)は6.6%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0075】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は67%、変動係数(CV3)は6.9%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3610g/m
2、変動係数(CV1)は5.7%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は33.6%、変動係数(CV2)は10.1%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は344MPa、変動係数(CV4)は11.0%であり、比較例1のCV4対比63%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は18mm、変動係数(CV5)は7.9%であり、比較例1のCV5対比43%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は3個であった。
【0076】
[実施例4]
ロータリーカッターを用い炭素繊維を繊維長40mmに長カットしたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は79%、変動係数(CV3’)は4.7%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3490g/m
2、変動係数(CV1’)は7.1%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.0%、変動係数(CV2’)は4.8%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0077】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は80%、変動係数(CV3)は4.5%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3500g/m
2、変動係数(CV1)は4.8%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.0%、変動係数(CV2)は9.3%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は310MPa、変動係数(CV4)は10.3%であり、比較例1のCV4対比59%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は11mm、変動係数(CV5)は9.1%であり、比較例1のCV5対比50%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は4個であった。
【0078】
[実施例5]
管体から噴射する圧縮空気量を、TD方向に配置された13個の管体のうち、6個(一方向に1〜13番と順に並べた際の偶数番号の6個)について、実施例1の2/3の量に、7個(一方向に1〜13番と順に並べた際の奇数番号の7個)について、実施例1の4/3の量にした以外こと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は74%、変動係数(CV3’)は12.1%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3590g/m
2、変動係数(CV1’)は5.5%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は36.2%、変動係数(CV2’)は3.6%であった。
【0079】
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は76%、変動係数(CV3)は13.1%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3550g/m
2、変動係数(CV1)は3.7%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.5%、変動係数(CV2)は7.5%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は333MPa、変動係数(CV4)は12.2%であり、比較例1のCV4対比70%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は22mm、変動係数(CV5)は10.3%であり、比較例1のCV5対比56%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は4個であった。
【0080】
[実施例6]
炭素繊維の供給量を29/min、熱可塑性樹脂の供給量を37/minにセットして装置を稼動し、炭素繊維と熱可塑性樹脂が混合されたランダムマットを得たこと以外は、実施例2と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は72%、変動係数(CV3’)は5.1%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は1870g/m
2、変動係数(CV1’)は7.2%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は34.1%、変動係数(CV2’)は4.9%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0081】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は71%、変動係数(CV3)は5.5%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は1890g/m
2、変動係数(CV1)は4.8%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は33.9%、変動係数(CV2)は9.1%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は311MPa、変動係数(CV4)は10.2%であり、比較例1のCV4対比58%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は10mm、変動係数(CV5)は11.1%であり、比較例1のCV5対比61%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は3個であった。
【0082】
[実施例7]
炭素繊維の供給量を82/min、熱可塑性樹脂の供給量を158/minにセットして装置を稼動し、炭素繊維と熱可塑性樹脂が混合されたランダムマットを得たこと以外は、実施例2と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は74%、変動係数(CV3’)は5.0%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3610g/m
2、変動係数(CV1’)は6.7%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は25.4%、変動係数(CV2’)は6.1%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0083】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は73%、変動係数(CV3)は5.4%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3560g/m
2、変動係数(CV1)は4.6%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は24.9%、変動係数(CV2)は9.9%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は270MPa、変動係数(CV4)は9.8%であり、比較例1のCV4対比56%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は29mm、変動係数(CV5)は7.8%であり、比較例1のCV5対比43%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は0個であった。
【0084】
[実施例8]
炭素繊維を、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)UTS50−24K(平均繊維径7μm、繊維幅10mm)としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は76%、変動係数(CV3’)は3.4%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3580g/m
2、変動係数(CV1’)は4.9%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は36.1%、変動係数(CV2’)は2.9%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0085】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は77%、変動係数(CV3)は3.3%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3560g/m
2、変動係数(CV1)は2.9%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.5%、変動係数(CV2)は6.4%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は375MPa、変動係数(CV4)は6.6%であり、比較例1のCV4対比38%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は26mm、変動係数(CV5)は5.9%であり、比較例1のCV5対比32%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は0個であった。
【0086】
[実施例9]
熱可塑性樹脂を、帝人株式会社製のポリカーボネート樹脂“パンライト”(登録商標)L−1225WP(PC)としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は74%、変動係数(CV3’)は4.1%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3590g/m
2、変動係数(CV1’)は5.3%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は36.1%、変動係数(CV2’)は3.9%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0087】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は73%、変動係数(CV3)は4.3%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3590g/m
2、変動係数(CV1)は3.9%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.9%、変動係数(CV2)は7.6%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は339MPa、変動係数(CV4)は8.3%であり、比較例1のCV4対比47%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は9mm、変動係数(CV5)は12.4%であり、比較例1のCV5対比68%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は2個であった。
【0088】
[比較例1]
管体ユニットを往復揺動させずに固定して炭素繊維強化樹脂複合材料を作成したこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は76%、変動係数(CV3’)は12.0%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3600g/m
2、変動係数(CV1’)は15.3%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.4%、変動係数(CV2’)は11.2%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0089】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は76%、変動係数(CV3)は11.1%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3570g/m
2、変動係数(CV1)は10.8%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は34.9%、変動係数(CV2)は13.4%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は302MPa、変動係数(CV4)は17.5%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は17mm、変動係数(CV5)は18.3%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は15個であった。
ランダムマット及び炭素繊維強化樹脂複合材料の評価結果は表2にまとめて示した。以降の比較例で得られたランダムマット及び炭素繊維強化樹脂複合材料の評価結果についても同様に表2に示した。
【0090】
[比較例2]
ロータリーカッターのクリアランスを小さくして、炭素繊維の重量平均繊維長を0.5mmになるように調整したこと以外は、比較例1と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は81%、変動係数(CV3’)は9.6%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3570g/m
2、変動係数(CV1’)は14.5%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.8%、変動係数(CV2’)は13.8%であった。
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
【0091】
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は80%、変動係数(CV3)は9.8%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3580g/m
2、変動係数(CV1)は9.8%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.4%、変動係数(CV2)は15.4%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は240MPa、変動係数(CV4)は15.5%であり、比較例1のCV4対比89%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は35mm、変動係数(CV5)は17.0%であり、比較例1のCV5対比93%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は2個であった。
【0092】
[比較例3]
管体から噴射する圧縮空気量を比較例1の2倍とし、かつ管体長を2倍としたこと以外は、比較例1と同様にしてサンプルを作成した。
得られたランダムマットについて、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)のランダムマットの炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は10%、変動係数(CV3’)は14.3%であり、ランダムマットの総目付について調べたところ、総目付の平均値は3630g/m
2、変動係数(CV1’)は14.9%であり、ランダムマットの炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.3%、変動係数(CV2’)は10.8%であった。
【0093】
得られたランダムマットは、搬送速度0.7m/minの連続含浸装置にて加圧・加熱して熱可塑性樹脂を炭素繊維マット中に含浸させ、炭素繊維強化樹脂複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化樹脂複合材料について、幅1000mm×長さ250mmに切り出し、炭素繊維束(A)について調べたところ、式(b)で定義される臨界単糸数は86であり、炭素繊維束(A)の炭素繊維強化樹脂複合材料中の炭素繊維全量に対する体積割合の平均値は11%、変動係数(CV3)は14.6%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の総目付について調べたところ、総目付の平均値は3600g/m
2、変動係数(CV1)は10.3%であり、炭素繊維強化樹脂複合材料の炭素繊維体積割合(Vf)について調べたところ、炭素繊維体積割合(Vf)の平均値は35.7%、変動係数(CV2)は11.1%であった。また、炭素繊維強化樹脂複合材料の引張強度について調べたところ、引張強度の平均値は354MPa、変動係数(CV4)は15.4%であり、比較例1のCV4対比88%であった。さらに、炭素繊維強化樹脂複合材料の成形時の流動性について調べたところ、成形時の流動長の平均値は4mm、変動係数(CV5)は24.9%であり、比較例1のCV5対比136%であった。成形時のプレス成形体の両面の表面凸部の個数は38個であった。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】