特許第6106856号(P6106856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6106856調理台に固定して用いる組み立て式舟形シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6106856
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】調理台に固定して用いる組み立て式舟形シート
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20170327BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   B65F1/00 102D
   B65F1/00 D
   B65F1/14 D
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-105489(P2012-105489)
(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公開番号】特開2013-220943(P2013-220943A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】512115346
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 香織
(74)【代理人】
【識別番号】708005183
【氏名又は名称】株式会社Office−KOBY
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 香織
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−73677(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第2342059(GB,A)
【文献】 特開平7−228301(JP,A)
【文献】 特開2006−131347(JP,A)
【文献】 特開2003−305981(JP,A)
【文献】 特開2001−227254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート(1)に、山折線(10)、谷折線(11)を設け、シート(1)は、調理台固定面(A面)、第一の舟形形成面(B面)、第二の舟形形成面(C面)で構成し、調理台固定面(A面)と第一の舟形形成面(B面)の間に山折線(10)を設け、第一の舟形形成面(B面)と第二の舟形形成面(C面)の間に谷折線(11)を設け、第一の舟形形成面(B面)と第二の舟形形成面(C面)は左右対称形状に形成し、第一の舟形形成面(B面)と第二の舟形形成面(C面)に水切り孔(6)を複数個設け、第一の舟形形成面(B面)の左右にフック(7)(12)、係止溝(9)をそれぞれ設け、第二の舟形形成面(C面)の左右にフック(8)(13)、係止溝(9)をそれぞれ設けており、第一と第二の舟形形成面左右のフックは、谷折線(11)を中心にそれぞれ対称形状に形成しており、調理台固定面(A面)の長手方向は、フックにより舟形を構成させた長手方向の長さより長い、以上のように構成された調理台に固定して用いる組み立て式舟形シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所で調理をしたあとの生ゴミを入れるもので、より詳細に説明すると、流し台の脇の調理台に貼着して、調理をしたときに出た生ゴミを入れる、組み立て式の舟形を有する生ゴミ用組み立て式舟形シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流し台に設置する生ゴミ入れについては、種々の工夫がなされてきた。(技術文献1、2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平7−228301号公報
【特許文献2】 特開2005−314031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、物品の形状については、三角形、円形、四角形などを基本とし、大きさは流し台の作業範囲を広くすることを第一に考えられたものであった。
したがって、いずれの場合も、生ゴミ入れにゴミを入れる際に、まな板上でカットしたあと、わざわざねらいを定めなければならず、上手く入らなかったり隙間に落ちたりする可能性もあり、スムーズな調理を行なう上で支障があった。
さらに、かつて包丁が主であった調理器具も多様化し、皮むき器の様に使用後に皮が散乱する種の調理器具の使用頻度が増えてきた。
また、住宅の過密化により、限られた範囲の調理台で作業しなければならなくなった、という事由により、従来の製品での調理、および、生ゴミ処理作業はますます非効率になった。
また、流し台事体に付属するゴミ受け製品の技術の向上により、不衛生になりやすく、使用したあと、場所をとる三角コーナーの使用を控え、直接流し台付属のゴミ受けを使用する傾向も見られるが、その場合、本来濡れる必要のない生ゴミを濡らし、そのあとの処理を面倒にする可能性があるばかりか、生ゴミの量が多い際は、排水の妨げにもなる。
かくして、三角コーナーの進化、および、それに代わる製品の存在が求められてきた。
本発明は、以上のような実情に鑑みて発明されたもので、調理から生ゴミ処理までを効率良く行なうことを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
シート(1)に、山折線(10)、谷折線(11)を設け、シート(1)は、調理台固定面(A面)、舟形形成面(B面)、舟形形成面(C面)で構成する。
調理台固定面(A面)の両角内部に十字状の切り溝(4)を設け、
調理台固定面(A面)と舟形形成面(B面)の間に山折線(10)を設ける。
舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)は、対称形状に形成する。
舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)の間に谷折線(11)を設ける。
舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)に水切り孔(6)を複数個設ける。
舟形形成面(B面)に、フック(7)、フック(12)、係止溝(9)を設ける。
舟形形成面(C面)に、フック(8)、フック(13)、係止溝(9)を設ける。
以上のように構成された生ゴミ用組み立て式舟形シート。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、流し台の奥行きを最大限生かし、かつ限られた流し台内の作業範囲を有効にするため、縦長の舟形を有する組み立て式シートにし、流し台脇の調理台に貼着し、まな板を重ね使用することにより包丁で一掃できるため、効率のよい調理作業と進行を実現できる。
また、投入されたゴミの余分な水切りを行うと同時に、空上に浮いていることで流し台内の水作業によるゴミの余計な水濡れを防ぐことができる。
さらに、展開することで容易に洗浄し、乾燥できるため、衛生的である。
不使用時は畳んで収納することで収納場所を取らない。
専用の使い捨て消耗品を買い続けるコストと環境への配慮、そして、生ゴミ入れを主張しない外観は、調理場の美観を損なわない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 本発明に係るシートの構成例の展開状態を示した説明図である。
図2図1に示すシートの組立てた状態を示した平面図である。
図3図1に示すシートの組立てた状態を示した斜視図である。
図4図1に示すシートの実施例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態は、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るシート(1)の構成例で、シート(1)に、山折線(10)、谷折線(11)を設け、調理台固定面(A面)、舟形形成面(B面)、舟形形成面(C面)の展開状態を示した説明図である。
図中のシート(1)は、プラスチック、ポリプロピレンなどの耐水資材製で、湾曲、および折り曲げ可能なシートである。
そして、シート(1)は、流し台脇の調理台上に接し固定する調理台固定面(A面)、および、一見すると蝶のような形状で、後述する説明で舟形を形成する舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)にて構成される。
舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)は、対称形状に形成する。
調理台固定面(A面)の一側辺(2)、および、側辺(3)は舟形形成面(B面)の形状に緩やかに接する様に接合点に向け斜線を描く。
その両角は、円弧状にすることが好ましい。
そして、その両角内部には十字状の切り溝(4)が刻設され、その十字の中央部の角を切断することで、後述する調理台への固定に使用する吸盤の脱着が可能になる。
舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)の中心部の左右に切り溝(5)が入れられる。
左切り溝(5)は、シート(1)の一側辺(2)から側辺(3)までの3分の1程まで刻設される。
右切り溝(5)は、シート(1)の側辺(3)から一側辺(2)までの3分の1程まで刻設される。
切り溝(5)は、図1に示すように、外に向かって徐々に広がっていくものとする。
そのようにした場合、後述する容体形成の際の湾曲操作がスムーズになる。
切り溝(5)の上下、および、中心線上に、適宜形状の水切り孔(6)を複数個設ける。
図1では、舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)に設けている。
また、一側辺(2)、および、側辺(3)の両側に、互いに係止、または、嵌合し合う連結手段が設置される。
図1に示す連結手段は、そこから突出するフック(7)、フック(8)で、フック(7)、フック(8)の付け根に係止溝(9)が形成される。
この場合、後述する容体形成時に、一方のフック(7)(または、フック(8))が、他方のフック(8)(または、フック(7))の係止溝(9)に係止される(図2図3図4参照)。
他の連結手段としては、一方の側に差込スリットを穿設し、そこに他方の側に設けたフックを差込んで係止させる方法や、一方の側に形成した凹部(透孔を含む)に他方の側に形成した凸部を押入れて嵌合する方法などがある。
本発明に係るシート(1)は、山折線(10)、谷折線(11)にしたがい、山折、谷折を行なったあと、フック(7)、フック(8)近辺部を持ち、舟形形成面(B面)を舟形形成面(C面)の上に重ねる。
もしくは、(C面)を(B面)の上に重ねるようにして丸めながら、フック(7)、フック(8)を近付け、フック(7)、フック(8)を係止させる。
同様にフック(12)、フック(13)も係止させ、かくして、調理台上に接する調理台固定面(A面)、および、舟形状の容体に組立てた舟形形成面(B面)、舟形形成面(C面)を有する形状になる。(図2図3図4参照)
さらに、調理台固定面(A面)の十字切り溝(4)に吸盤を裏から挿入し、吸盤を取りつけることで、流し台脇の調理台上に固定する。
また、前記固定手段としては、シリコンなどの粘着素材使用による固定なども考えられる。
まな板を調理台固定面(A面)の上に重ねて置き、まな板上で調理具材のカッティング、皮むきなどを行ない、不要部分は包丁などを用いて、舟形形成面(B面)と舟形形成面(C面)にて形成される舟形の内部に一掃投入することで効率的な作業が行なえる。
さらに、組立展開可能な構造は、片方のフックを外すことで使用後のゴミ袋への投入を助け、その後の洗浄乾燥を容易にする。
なお、本発明に係るシートは反復使用するものであり、また、山折線(10)、谷折線(11)を逆に折ることで表裏面共使用可能であり、左右逆の流し台を有する調理場にも対応可能である。
また、上下の両横側面を波状などの装飾にし、舟形形成面上の水切り孔の形状を植物の葉の脈に見立て、設置状態が植物の葉の様に見える形状にするなど、工夫しより装飾的な形にすることもひとつのアイデアである。
【実施例1】
【0009】
図4は、調理台に固定し、上からまな板を重ね皮むき器具にて皮をむき、包丁で一掃する実施方法の説明図である。
【実施例2】
【0010】
山折線(10)を折り曲げず、舟形に組み立て、壁に貼着させ、簡易的な水切りとして使用する実施方法もある。
この方法により、本発明を洗浄したあと、乾燥をさせながら、同時に水切りを行なうこともでき、限られた調理場での可能性が拡がる。
また、小さな子供のいる家庭の、風呂場での使用玩具の水切りなどの用途も考えられる。
【実施例3】
【0011】
より簡易的な実施方法として、まな板を重ねずに、直接調理台固定面(A面)を利用し調理具材をカットすることにより、まな板を使用するまでもない際のまな板使用の手間を省ける。
【符号の説明】
【0012】
1 シート
2 一側辺
3 側辺
4 十字状切り溝
5 切り溝
6 水切り孔
7 フック
8 フック
9 係止溝
10 山折線
11 谷折線
12 フック
13 フック
A面 調理台固定面
B面 舟形形成面
C面 舟形形成面
図1
図2
図3
図4