特許第6106965号(P6106965)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6106965
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】照明付きベッド
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20170327BHJP
   A47C 21/00 20060101ALI20170327BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170327BHJP
【FI】
   F21V33/00 100
   A47C21/00
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-145182(P2012-145182)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2014-10940(P2014-10940A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−266579(JP,A)
【文献】 特開2003−229018(JP,A)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2009−0011259(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
A47C 21/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボードの使用者頭部側に設置された導光板と、
前記導光板の照明付ベッド長手方向と直交する面に設置された光源と、
前記導光板の使用者頭部側とは反対側に設置された反射板と、を備え、
前記導光板の上端を仰臥位状態の使用者頭部の高さと同じか仰臥位状態の使用者頭部の高さよりも低く設定した、
照明付ベッド。
【請求項2】
前記光源は、前記導光板の前記照明付ベッドの幅方向に対応する面に設定される、
請求項1に記載の照明付ベッド。
【請求項3】
制御基板にて前記光源の明るさを変えることにより2種類以上の明るさで照明が可能な、
請求項1または2に記載の照明付ベッド。
【請求項4】
制御基板にて前記光源の色温度を変えることにより2種類以上の色温度で照明が可能な、
請求項1または2に記載の照明付ベッド。
【請求項5】
前記制御基板にて前記光源の色温度を変えることにより2種類以上の色温度で照明が可能な、
請求項3に記載の照明付ベッド。
【請求項6】
前記導光板は複数の導光板であり、
前記複数の導光板の夫々の前記導光板には使用者頭部側の面に対し上下左右のいずれか1面以上に前記光源が設置され、
前記複数の導光板の夫々の前記導光板には前記導光板の使用者頭部側とは反対側に1個以上の前記反射板が設置される
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の照明付ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明付きベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明付きベッドに関する技術としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この照明付きベッドは、周囲に光を拡散させずに点灯させる為に、使用者の頭部位置後方のヘッドボードに照明器具を配設し、上端面を傾斜面とした細い棒状の導光板を幅方向に複数隣接配置した導光板を照明器具の上部に設けると共に、この導光板の傾斜面に反射板を当接させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−138355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、導光板上部から頭部側に放射される光の減衰を低くするために、導光板内での減衰を低く即ち表面放射を低くし、更に上端面の傾斜面に設けた反射板での反射率を大きくしている。しかし、この様にして得られた光は光源の直射光に近い為、不快グレア(ギラギラする様な不快な光のまぶしさ)が顕著にあらわれてしまう。また、導光板が複数の棒状であれば複数の点光源からの光放射に近い為、不均一な点光源が入り乱れて更に不快グレアを助長するおそれがある。これにより、睡眠時途中覚醒時などに照明を点灯すると、不快グレアによって睡眠時途中覚醒中の使用者が目を覚ましてしまい再入眠しにくくなるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、不快グレアを軽減して、睡眠時途中覚醒中の使用者が目を覚ましてしまうことを抑制可能な照明付ベッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明において講じた第1の課題解決手段は、ヘッドボードの使用者頭部側に設置された導光板と、前記導光板の照明付ベッド長手方向と直交する面に設置された光源と、前記導光板の使用者頭部側とは反対側に設置された反射板と、を備え、前記導光板の上端を仰臥位状態の使用者頭部の高さと同じか仰臥位状態の使用者頭部の高さよりも低く設定した、構成である。
【0007】
また、本発明の第2の課題解決手段は、前記光源は、前記導光板の前記照明付ベッドの幅方向に対応する面に設定される、構成である。
【0008】
また、本発明の第3の課題解決手段は、制御基板により前記光源の明るさを変えることにより2種類以上の明るさで照明が可能な、構成である。
【0009】
また、本発明の第4の課題解決手段は、前記制御基板により前記光源の色温度を変えることにより2種類以上の色温度で照明が可能な、構成である。
【0010】
また、本発明の第5の課題解決手段は、ヘッドボードの使用者頭部側に設置された複数の導光板と、前記複数の導光板の使用者頭部側の面に対し上下左右のいずれか1面以上に設置された光源と、前記複数の導光板の使用者頭部側とは反対側に夫々設置された複数の反射板と、を備える、構成である。
【発明の効果】
【0011】
第1の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッドは、ヘッドボードの使用者頭部側に設置された導光板と、導光板の照明付ベッド長手方向と直交する面に設置された光源と、導光板の使用者頭部側とは反対側に設置された反射板と、を備え、導光板の上端を仰臥位状態の使用者頭部の高さと同じか仰臥位状態の使用者頭部の高さよりも低く設定した、構成である。これにより、本発明の照明付ベッドは、光源の直進光が直接目に入ることを防止して直進光による不快グレアを軽減し、睡眠時途中覚醒中の使用者が目を覚ましてしまうことを抑制出来る。更に、照明を頭上からの発光では無くヘッドボードからの面発光にすることで、就寝前の読書時に本へ影を作ることを予防して照度を必要以上に上げる必要がなくなる。加えて、不快グレアを低減した面発光である。これらの効果により、就寝前の読書を行ないやすく、読書時に入眠を妨げることを低減出来る。その上、天井からの光ではなくヘッドボードからの面発光にすることで、発光面から読書面までの距離を短くして、省エネにも有効である。これらの効果は、伏臥位での読書でも有効であるが、仰臥位での読書では特に有効である。これらの効果は、1人用の導光板が1個付いた照明付ベッドでも、2人用の導光板が1個付いた照明付ベッドでも、2人用の導光板が2個付いた照明付ベッドでも同様に得られる。
【0012】
第2の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッドは、光源は、導光板の照明付ベッドの幅方向に対応する面に設定されている。これにより、本発明の照明付ベッドは、2人で寝ている際に睡眠時途中覚醒中または読書中の1人の使用者が照明を点灯させても、就寝中のもう1人に直進光または反射光を照射することを抑制し、就寝中のもう1人の睡眠を妨げることを抑制出来る。
【0013】
第3の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッドは、光源の明るさを変えることにより2種類以上の明るさで照明が可能な構成である。これにより、本発明の照明付ベッドは、使用者の睡眠時途中覚醒中や就寝前読書中と云った照明の用途に応じて、過度の覚醒防止が可能な照明を提供することが出来る。
【0014】
第4の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッドは、光源の色温度を変えることにより2種類以上の色温度で照明が可能な構成である。これにより、夜間の覚醒レベル上昇を抑制可能な低色温度の光や、視認性を向上可能な高色温度の照明を提供することが出来る。
【0015】
第5の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッドは、ヘッドボードの使用者頭部側に設置された複数の導光板と、複数の導光板の使用者頭部側の面に対し上下左右のいずれか1面以上に設置された光源と、複数の導光板の使用者頭部側とは反対側に夫々設置された複数の反射板と、を備えている。これにより、2人で寝ている際に睡眠時途中覚醒中の使用者が照明を点灯させても、就寝中のもう1人に直進光または反射光を照射することを更に抑制し、就寝中のもう1人の睡眠を妨げることを更に抑制出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】照明付ベッドの側面図。
図2】1人用の導光板が1個付いた照明付ベッドの上面図(a)と正面図(b)。
図3】2人用の導光板が1個付いた照明付ベッドの上面図(a)と正面図(b)。
図4】2人用の導光板が2個付いた照明付ベッドの上面図(a)と正面図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は照明付ベッド1の側面図であり、図2は1人用の導光板11が1個付いた照明付ベッド1の上面図(a)と正面図(b)。である。照明付ベッド1のヘッドボード2には、使用者頭部と相対する面(照明付ベッド1の長手方向のうち足側方向の面)に透明度の高いアクリル樹脂製の導光板11が埋め込まれている。導光板11の表面は、ヘッドボード2の使用者頭部側表面と同一面か、またはヘッドボード2の使用者頭部側表面よりも凹んだ位置になる様に埋め込まれている。導光板11の使用者頭部側の面に対する左右の面には、夫々電球色(色温度約3,000K)のLED12(光源)が設置されている(図2参照)。LED12の光を導光板11の内部へ効率良く進入させる為、LED12は、発光部全体が導光板11の左右の面に丁度埋め込まれる様に設置されている。導光板11に進入した光を導光板11の内部で効率良く拡散させる為、LED12は、反射板13の図中左右方向へ、且つ反射板13の反射面の方向(図中足側方向)の面へ反射板13との挟角が0〜90°となる様に、且つLED12の発光部全体が導光板11の左右の面に丁度埋め込まれる様に設置されている。導光板11の使用者頭部側とは反対側(図中頭側方向)になる面には、光の拡散性が高い白色塗料が塗布され、反射板13を形成している。LED12の反射光の拡散性能よりも反射率低下による省エネ性能の低下の防止を優先する場合には、反射板13をSUS304と云った金属板に変更して、導光板11の使用者頭部側とは反対側(図中頭側方向)になる面に密着させることも可能である。
【0019】
導光板11の上端高さは、マットレス3の上で仰臥位状態の使用者頭部の高さと同じかマットレス3の上で仰臥位状態の使用者頭部の高さよりも低く設定されている。LED12を点灯するスイッチは、LED12へ供給する電流値を調節するオン−オフ機能付きのボリューム14である。ボリューム14は、ヘッドボード2の使用者頭部側の面に対する右の面に設置されている。
【0020】
なお、ここでは光源をLED12で説明したが、蛍光灯やネオン管と云った他の光源で代用することも可能である。光源の色は、電球色で説明したが、白光色や赤色、青色、緑色といった他の色調で代用または組み合わせることも可能である。LED12は、LED12の指向性の高い発光面が導光板11の使用者頭部側の面に対する左右の面に当接されているだけでも良い。ボリューム14は、押すことでヘッドボード2表面と略同一高さになったり、ヘッドボード2表面から突出するもので、ヘッドボード2の使用者頭部側の面に取り付けられることも可能である。ボリューム14は、ヘッドボード2の使用者頭部側の面に対して左の面や使用者頭部側の面やヘッドボード上面に設置されることも可能である。
【0021】
また、ボリューム14と数種類の色調のLED12の組合せによってLED12の明るさまたは色温度を変えることにより、2種類以上の明るさまたは色温度で照明することも可能である。ボリューム14とLED12の組合せによってLED12の明るさを変えることにより、2種類以上の色調で照明することも可能である。ボリューム14と制御基盤15を使用した電流制御、PWM制御またはデューティ制御によってLED12の明るさまたは色調を変えることにより、2種類以上の明るさまたは色調で照明することも可能である。ボリューム14の代わりにノーマルオープン(常時開接点)型のオン−オフスイッチを使用し、オン時間やオン回数によって順次、明るさや色調を変更調節することも可能である。
【0022】
次に実施形態1の動作について説明する。
【0023】
使用者が就寝中に睡眠時途中覚醒状態になった際、または使用者が就寝前に読書をする際、または起床時に覚醒度をあげたい際、起床前後に衣装の色合わせを照明付ベッド1の上で行ないたい際には、使用者はヘッドボード2右側のボリューム14を手で操作してLED12をオンにしてLED12を好みの明るさや色調に調節する。この際、ボリューム14の操作量を制御基板15が検出し、制御基板15がLED12への電流値をボリューム14の操作量に応じて変更させる。LED12の明るさは、LED12への電流値に略比例して明るくなったり暗くなったりする。LED12の発光により導光板11の使用者頭部側の面に対する左右の面から導光板11の内部に入った光は、導光板11の表面で導光板11の内部方向へ反射を繰り返して最終的に使用者頭部側の面の全体から図中照明付ベッド1足側方向へ照射される。導光板11の内部に入った光は、導光板11の内部で反射を繰り返して拡散されている為、導光板11の使用者頭部側(足側方向)の面は、全体的に略均一の明るさで不快グレアが抑制され柔らかくかすんだ光(以下、おぼろ光と呼ぶ)として照射されることになる。更に、導光板11のうち導光板11の板厚面よりも広い面積を有する、使用者頭部側とは反対側になる(頭側方向)面には反射板13が設置されている為、導光板11の内部に入った光は効率良く使用者頭部側の面から図中照明付ベッド1足側方向へ照射される。
【0024】
例えば使用者が就寝中に睡眠時途中覚醒状態になった際には、使用者は、ヘッドボード2右側のボリューム14を手で操作して導光板11の使用者頭部側の面から照射される光の色調を覚醒度を効率良く抑制する2,500Kに調節する。使用者が就寝前に読書をする際には、同様の操作で覚醒度を抑えつつ視認性を向上させる3,000Kに調節する。使用者が起床する際には、同様の操作で覚醒度を効率良く向上させる7,000Kに調節する。使用者が衣装の色合わせを行なう際には、同様の操作で色の再現性の良い5,000K(太陽光色)に調節する。更に、ヘッドボード周辺の雰囲気を変えるイルミネーションとして使用する際には、赤色、青色、緑色といった他の色調を強調することも可能である。
【0025】
照明の必要が無くなった際には、使用者はヘッドボード2右側のボリューム14を手で操作して消灯(オフ)位置にする。この際、ボリューム14がオフ位置になったことを制御基板15が検出し、制御基板15がLED12への電流値をゼロにさせる。LED12への電流値がゼロになることで、LED12は消灯し、電流を消費しない状態になる。
【0026】
次に実施形態1の作用について説明する。
【0027】
第1の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッド1は、ヘッドボード2の使用者頭部側に設置された導光板11と、照明付ベッド1長手方向と直交する面に設置されたLED12と、導光板11の使用者頭部側とは反対側に設置された反射板13と、を備え、導光板11の上端を仰臥位状態の使用者頭部の高さと同じか仰臥位状態の使用者頭部の高さよりも低く設定している。これにより、本発明の照明付ベッド1は、LED12の直進光が直接目に入ることを防止して直進光による不快グレアを軽減し、便意などによる睡眠時途中覚醒中の使用者が目を覚ましてしまうことを抑制出来る。更に、照明を頭上からの発光では無くヘッドボード2からの面発光にすることで、就寝前の読書時に本へ影を作ることを予防して照度を必要以上に上げる必要がなくなる。加えて、不快グレアを低減した面発光である。これらの効果により、就寝前の読書を行ないやすく、読書時に入眠を妨げることを低減出来る。その上、天井やデスクスタンドからの光ではなくヘッドボード2からの面発光にすることで、発光面から読書面までの距離を短かくして、省エネにも有効である。おまけに、天井やデスクスタンドの様に照明付ベッド1より高い位置に配置される照明によって不要に部屋全体を明るくすることを防止して、省エネを図ると共に部屋全体をやわらかい雰囲気にすることも可能である。これらの効果は、伏臥位での読書でも有効であるが、仰臥位での読書では特に有効である。
【0028】
第2の課題解決手段による作用は、実施形態3で説明する。
【0029】
第3の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッド1は、LED12の明るさを変えることにより2種類以上の明るさで照明が可能な構成である。これにより、本発明の照明付ベッド1は、使用者の睡眠時途中覚醒中は2,500K、就寝前読書中は3,000K、起床後の覚醒中は7,000K、起床後の衣装の色合わせは5,000K、と云った様に照明の用途に応じておぼろ光の明るさと色調を調節することが出来る。即ち、過度の覚醒防止、視認性の向上、覚醒度の向上、色の再現性向上、を選択可能な照明付ベッド1を提供することが出来る。
【0030】
第4の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッド1は、LED12の色温度を変えることにより2種類以上の色温度で照明が可能な構成である。これにより、夜間の覚醒レベル上昇を更に抑制可能な低色温度または暗めの色調の光や、視認性または覚醒度を更に向上可能な高色温度または刺激的な色の照明や、色盲の人が見易い色調の照明、を提供することが出来る。
【0031】
第5の課題解決手段による作用は、実施形態3で説明する。
【0032】
(実施形態2)
図3は2人用の導光板11が1個付いた照明付ベッド1の上面図(a)と正面図(b)である。実施形態2は、実施形態1に対して照明付ベッド1の左右方向の幅が1人用(約100cm)から2人用(約140cm)に変更になったものである。実施形態2の構成は、左右方向の幅が異なること以外は、実施形態1と同じである。
【0033】
実施形態2の動作は、実施形態1と同じである。
【0034】
第1の課題解決手段による実施形態2の作用は、以下の内容を除き実施形態1と同じである。
【0035】
照明付ベッド1の左右方向の幅を140cm以上のダブルサイズ、クイーンサイズ(約170cm)やキングサイズ(約200cm)にする際などには、LED12を使用した実施形態2の方が蛍光管を使用した背景技術よりも対応し易く、コストも低減し易い。これは、140cm以上の幅に対応する長い蛍光管は、市販では入手し難く特注になり易いことと、輸送時や使用現場での組み付け時や長い蛍光管の交換時に取り扱い難いことなどに起因する。
【0036】
(実施形態3)
図4は2人用の導光板11が2個付いた照明付ベッド1の上面図(a)と正面図(b)である。実施形態3は、実施形態2に対して導光板11の数とボリューム14の数が1個から2個に増え、2個の導光板11の間に反射板13を設けたものである。導光板11の数とボリューム14の数と、2個の導光板11の間に設けた反射板13以外については、実施形態1と同じ構成である。
【0037】
次に実施形態3の動作について説明する。
【0038】
照明付ベッド1の図中左側で就寝中の使用者が便意等によって睡眠時途中覚醒状態になった際、使用者はヘッドボード2左側のボリューム14を手で操作して図中左側の導光板11に内蔵されたLED12のみを好みの明るさや色調に調節しながらオン(点灯)させる。この際、ボリューム14の操作量を制御基板15が検出し、制御基板15がLED12への電流値をボリューム14の操作量に応じて変更させる。LED12の明るさは、LED12への電流値に略比例して明るくなったり暗くなったりする。LED12の発光により導光板11の使用者頭部側の面に対する左右の面から導光板11の内部に入った光は、導光板11の表面で導光板11の内部方向へ反射を繰り返して最終的に使用者頭部側の面の全体から図中照明付ベッド1足側方向へ照射される。導光板11の内部に入った光は、導光板11の内部で反射を繰り返して拡散されている為、導光板11の使用者頭部側の面は、全体的におぼろ光として照射されることになる。更に、導光板11のうち導光板11の板厚面よりも広い面積を有する、使用者頭部側とは反対側になる面には反射板13が設置されている為、導光板11の内部に入った光は効率良く使用者頭部側の面から図中照明付ベッド1の左半分の足側方向へ照射される。
【0039】
この際、図中右側の導光板11に内蔵されたLED12は点灯せず、図中照明付ベッド1の右半分の足側方向へはLED12の光が照射されない。
【0040】
次に実施形態3の作用について説明する。
【0041】
第1,第3,第4の課題解決手段による実施形態3の作用は、実施形態1と同じである。従って、実施形態1では得られない第2、第5の各課題解決手段による実施形態3の作用について、以下、説明する。
【0042】
第2の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッド1は、LED12を導光板11の照明付ベッド1の幅方向の面に設定されている。これにより、本発明の照明付ベッド1は、2人で寝ている際に睡眠時途中覚醒中または読書中の1人の使用者がLED12を点灯させても、就寝中のもう1人に直進光または反射光を照射することを抑制し、就寝中のもう1人の睡眠を妨げることを抑制出来る。
【0043】
第5の課題解決手段によれば、本発明の照明付ベッド1は、ヘッドボード2の使用者頭部側の面に設置された複数の導光板11と、複数の導光板11の使用者頭部側の面に対し上下左右のいずれか1面以上に設置されたLED12と、複数の導光板11の使用者頭部側とは反対側に夫々設置された複数の反射板13と、を備えている。これにより、本発明の照明付ベッド1は、LED12の直進光または反射光が大量に直接使用者の目に入ることを防止して直進光または反射光による不快グレアを軽減し、便意などによる睡眠時途中覚醒中の使用者が目を覚ましてしまうことを抑制出来る。更に、2人で寝ている際に睡眠時途中覚醒中の使用者がLED12を点灯させても、就寝中のもう1人に直進光または反射光を照射することを抑制し、就寝中のもう1人の睡眠を妨げることを更に抑制出来る。
【0044】
(付記項1)
本発明による本実施形態の照明付ベッド1は、導光板11の使用者頭部側表面が擦りガラス状に加工されているものである。
【0045】
これにより、不快グレアを更に軽減して、便意等によって睡眠時途中覚醒中の使用者が目を覚ましてしまうことを更に抑制することが出来る。
【0046】
(付記項2)
本発明による本実施形態の照明付ベッド1は、導光板11の照明付ベッド1の幅方向の面に反射板13を有するものである。
【0047】
これにより、不快グレアを更に軽減して、導光板11の照明付ベッド1の幅方向の面からの光照射を抑制し、更に照明の効率化と省エネ化を高めることが出来る。
【0048】
(付記項3)
本発明による本実施形態の照明付ベッド1は、光源を各導光板11の照明付ベッド1の幅方向の面または照明付ベッド1の上下方向の面に対で設置しているものである。
【0049】
これにより、照明付ベッド1の幅方向の面または照明付ベッド1の上下方向の面のLED12の相乗効果(加法性)によって照明付ベッド1の幅方向の面または照明付ベッド1の上下方向の面のLED12の電力の和を1つのLED12の電力よりも低下させて省エネ化を図ることが可能になる。更に、照明付ベッド1の幅方向の面または照明付ベッド1の上下方向の面のLED12の明るさまたは色調を夫々変更することで、その時々の気分または壁や本棚の配置と云った部屋の状況に合わせた様々な照明効果を創出することも可能である。
【0050】
(付記項4)
本発明による本実施形態の照明付ベッド1は、LED12を各導光板11の照明付ベッド1の幅方向の面に対で設置しているものである。
【0051】
これにより、各導光板11の表面摩耗や光源自体の明るさ低下や使用者の意外時のLED12の明るさ低下設定によって、各導光板11の使用者頭部側表面全面への光分散性が悪化した場合でも、使用者の顔を均一に照らし出して、使用者の表情を暗く損ねることを抑制出来る。即ち、人の顔は、顔の表面から一番高い部位となる鼻を中心にして、上下には眼窩や唇下といった凹部があるが、左右にはこの様な凹部が無い。これにより、読書中の使用者やうつ伏せから起き上がった使用者の顔には、光源を各導光板11の上下に設定した場合には陰影が出来るが、LED12を各導光板11の上下に設定した場合には陰影が出来ず使用者の顔を美しいまま見せることが可能になる。
【0052】
(付記項5)
本発明による本実施形態の照明付ベッド1は、光源が赤・青・緑と云った2つ以上のLEDチップを1つのLED12に入れたものである。
【0053】
これにより、LED12付近の色むらを抑制して、意匠性をより高めて高級感を創出すると共に、色違いによる不快グレアを軽減して、便意等によって睡眠時途中覚醒中の使用者が目を覚ましてしまうことを更に抑制することが出来る。更に、LED12に必要な空間を小さくして、照明付ベッド1を小型化することも可能である。
【0054】
(付記項6)
本発明による本実施形態の照明付ベッド1は、導光板11の使用者頭部側表面がヘッドボード2の使用者頭部側表面と同一面かまたはヘッドボード2の使用者頭部側表面よりも凹んだ位置に設置されるものである。
【0055】
これにより、導光板11の使用者頭部側表面の上下左右の面からLED12からの使用者頭部側表面の上下左右の面への直進光が不快グレアとして漏洩することを予防することが出来る。更に、就寝時に使用者が導光板11の端部へ頭部を衝突させて不快感を感じさせるおそれを低減することも出来る。
【符号の説明】
【0056】
1 照明付ベッド
2 ヘッドボード
11 導光板
12 光源(LED)
13 反射板
14 ボリューム(スイッチ)
15 制御基板
図1
図2
図3
図4