(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6106966
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】保冷剤投入の容易なバッグインボックス
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20170327BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20170327BHJP
B65D 5/462 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
B65D77/06 A
B65D5/54 301K
B65D5/462 100
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-145234(P2012-145234)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2014-8975(P2014-8975A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松田 考世
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表平03−505193(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3159848(JP,U)
【文献】
実開平01−158422(JP,U)
【文献】
特開2006−008180(JP,A)
【文献】
実開昭60−027057(JP,U)
【文献】
特開2009−214903(JP,A)
【文献】
実公昭40−026781(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/06
B65D 5/54
B65D 5/462
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部パネルと、これの両端に接続された一対の側部パネルと、側部パネルに接続された天部パネルと、天部パネルに設けた貼合部を貼合して胴部が構成される外装箱と、前記胴部の中に配されるスパウト付き内装袋とからなるバッグインボックスであって、貼合された天部パネルには、側部パネルと天部パネルの稜線の略中央部を含む、罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域を設け、該開口部領域の側部パネルと天部パネルとの稜線側の端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔を具備するとともに、前記罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域内部には持ち手となる穴を形成するための罫線と切込みを設けたことを特徴とする保冷剤投入の容易なバッグインボックス。
【請求項2】
前記罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域を天部パネル上に対称に一対設け、それぞれの領域の内部には持ち手となる穴を形成するための罫線と切込みを設け、それぞれの領域の、前記側部パネルと天部パネルとの稜線側および天部パネルと貼合部との稜線側の端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔を具備することを特徴とする請求項1記載の保冷剤投入の容易なバッグインボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装箱内に液体が充填されたスパウト付き内装袋が収納されているバッグインボックスの外装箱に関するものであり、特に、外装箱の天部パネルに開口部を具備する、必要なときに簡単に保冷剤を投入できる保冷剤投入の容易なバッグインボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種飲料や調味料あるいは液体洗剤などを収納する容器として、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、あるいはポリ塩化ビニル樹脂(PVC)などのプラスチック製容器(ボトル)が広く用いられていた。
【0003】
しかし、近年の廃棄物の増加が大きな社会問題となり、延いては資源保護の問題や省エネルギー、省資源問題とともに地球規模の環境問題となっている中で、プラスチックの使用量を減らした液体容器が望まれるようになってきた。
【0004】
上記のような問題に鑑み、環境に配慮された液体容器、特に、内容量の大きい(2リッターから30リッター程度の)業務用の液体容器として、段ボール製の外装箱と、その内部に醤油等液体が充填されている注出口(スパウト)付プラスチックフィルム製の内装袋を収納させた複合容器(以下バッグインボックスという)が登場し、例えば、醤油、食用油、酒等食品類や洗剤、現像液等を収納する業務用の液体容器として広く普及してきている。
【0005】
しかしながら、従来のバッグインボックスでは比較的短時間で内容物の温度調節が必要な場合に、内装袋に内容物が入った状態で簡単に行うことが難しかった。その一例がワインの保冷である。 ワインを収納したバッグインボックスは屋外で利用されることも多い。
【0006】
たとえば、バーベキューや、キャンプ等のように屋外で飲用する場合には冷蔵庫等の冷却装置が完備していない場合が多いので、あらかじめワイン自体を他の小容量のボトル等に小分けして置き保冷剤入りの大型容器に入れて運搬して飲用直前に小分けしたボトルからグラス等で供する方法も考えられるが、この方法は煩雑であるばかりでなく輸送中に気が抜けてしまい風味が劣化するという問題もはらんでいる。
【0007】
そこでバッグインボックスから内容物を出すことなしに簡単に保冷剤で冷却しておくことが出来たら便利である。しかしながら通常のバッグインボックスの外装箱は輸送時の内容物の保護のため頑丈に作られているので箱を壊すことなしに箱の外から簡単に保冷剤等を投入することが出来ない。
【0008】
また、外装箱の中に保冷剤として氷を袋に詰めたものを挿入した場合には、保冷剤の形が崩れ易く内容物に広範囲の面積で接触させるためには大きな容積をとることから沢山の保冷剤を入れなければならないことが問題になる。
【0009】
後者の問題に対して特許文献1では、保冷剤を配置したことによる有効内容積の減少が少なく、内袋を側面からも保冷することが容易なバッグインボックス型の搬送容器として、外装箱と内装袋の隙間に吸水性プラスチックを内蔵したシートに吸水させて凍結した保冷剤が配置されたことを特徴とする搬送容器が提案されている。
【0010】
この方法によれば確かに少ない容積の保冷剤で効果的に内容物を冷却することが可能であるが、この保冷剤の投入自体は外装箱の封止前に行うかあるいは内容物の使用前の所定時間に外装箱を開けて行うかいずれかになり、使用する比較的短時間前のタイミングで簡単に保冷剤を投入することは難しい。
【0011】
保冷剤の投入を外装箱の封止前に行う場合は保冷剤の効果の継続している期間中に内容物を使用することが必要になり実際上困難であることが多い。また内容物の使用前の所定時間に外装箱を開けて行うと外装箱が破壊されてしまうのでそれ以降の内容物の保持搬送が困難になる。
【0012】
また、特許文献2ではコストおよび省資源の点で優れるとともに、5〜10Lの飲料であっても安定よく持ち運ぶことが可能で、内容液を円滑に完全に包装容器から注出でき、さらに包装容器を安価な故紙を利用した段ボールシートを利用して作成し、美粧印刷をも可能にしたバッグインカートンとして、段ボールシートから形成されている外装カートンと前記外装カートンの中に配されるスパウト付き内装袋とからなるバッグインカートンにおいて、前記外装カートンの天部パネルに2つの開口部と、これら開口部の間に帯状のハンドルを具備することを特徴とする持ち運びが容易なバッグインカートンが提案されている。
【0013】
ここでは帯状のハンドルを形成するために天部パネルに2つの開口部を開けており、ここから小さい保冷剤を投入することは不可能ではないが、これらの開口部はせいぜい指により操作可能な程度の大きさしかなく、これを大きくするとハンドルあるいはハンドル打ち抜き後の天部パネルの強度が不安定になるので、ここからある程度以上の大きさの保冷剤を投入することは困難である。
【0014】
上記のような事情から、内容物の使用前か使用中の適当な時期に、簡単に外箱から保冷剤を投入できる簡素な構造のバッグインボックスが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平3−256865号公報
【特許文献2】特開2003−128138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
内容物の使用前または使用中の適当な時期に、簡単に外箱から保冷剤を投入できる簡素な構造のバッグインボックスを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のバッグインボックスは、段ボールシートから形成されている外装箱と、前記外装箱の中に配されるスパウト付き内装袋とからなるバッグインボックスにおいて、前記外装箱の天部パネルに保冷剤投入のための簡易な開口部を具備することによって、内容物の使用前またはs使用中の適当な時期に保冷剤を投入することが容易に出来るバッグインボックスである。
【0018】
本発明の請求項1に係るバッグインボックスは、底部パネルと、これの両端に接続された一対の側部パネルと、側部パネルに接続された天部パネルと、天部パネルに設けた貼合部を貼合して胴部が構成される外装箱と、前記胴部の中に配されるスパウト付き内装袋とからなるバッグインボックスであって、貼合された天部パネルには、側部パネルと天部パネルの稜線の略中央部を含む、罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域を設け、該開口部領域の側部パネルと天部パネルとの稜線側の端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔を具備する
とともに、前記罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域内部には持ち手となる穴を形成するための罫線と切込みを設けたことを特徴とする保冷剤投入の容易なバッグインボックスである。
【0020】
本発明の請求項
2に係るバッグインボックスは、前記罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域を天部パネル上に対称に一対設け、それぞれの領域の内部には持ち手となる穴を形成するための罫線と切込みを設け、それぞれの領域の、前記側部パネルと天部パネルとの稜線側および天部パネルと貼合部との稜線側の端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔を具備することを特徴とする請求項
1記載の保冷剤投入の容易なバッグインボックスである。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るバッグインボックスは、外装箱の天部パネルに開口部を具備しているので必要なときに保冷剤を投入するために必要な部分だけを簡単に開口して保冷剤を投入することが出来る搬送用容器とすることが出来る。これによって内容物の使用前または使用中の適当な時期に、簡単に外箱から保冷剤を投入できる簡素な構造のバッグインボックスを提供することが可能になった。
【0022】
外装箱の天部パネルには、略中央部にフラップの一部を含む幅の少なくとも一部に、罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域を設けてあるので、必要なときに天部パネルのこの開口部の切込みもしくはミシン目を開封して開口部領域を罫線に沿って折り曲げて開放し、その空間から保冷剤を外装箱の内部に容易に投入することが出来る。保冷剤の投入後は折り曲げた罫線部分の天部パネルを元に戻すことによって簡易的に閉鎖することが出来て保冷剤の冷却効果を損なわない。
【0023】
また開口部領域端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔を設けてあるので、上記の開口部領域を開封するときに特別な器具を必要とせずに指孔をきっかけとして開封を開始することが出来るのでいつでもどこでも保冷剤の投入が容易に出来る。
【0024】
また、本発明の請求項2に係るバッグインボックスによれば、
保冷剤を投入するための、罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域内部には持ち手となる穴を形成するための罫線と切込みが設けてあるので、保冷剤の投入後にバッグインボックスを手で持ちまわす必要がある場合にはこの切込みを押し開けて罫線で折り曲げて手の指の入る穴を開きそこを把持して取り扱うことが出来る。
なお、バッグインボックスからカップやグラス等の個別の容器に注ぎ分ける場合にもこの持ち手となる穴を形成するための罫線と切込みは便利に使用できる。
【0025】
本発明の請求項3に係るバッグインボックスによれば、
前記罫線と切込みもしくはミシン目により囲まれた開口部領域を天部パネル上に対称に一対設けてあることによって開口部を必要によって1箇所または2箇所開封することが出来る。
これによって、たとえば、冷却の必要な程度や保冷剤の効果持続期間に対応した保冷剤の使用量に適した開口部の形成を選択することが出来、内装袋の両面から保冷剤を配置することによってより強力に冷却することも可能になる。
【0026】
また、それぞれの領域の内部には持ち手となる穴を形成するための罫線と切込みを設け
、それぞれの領域端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔を具備しているので保冷剤の投入後にバッグインボックスを手で持ちまわす場合には一対の切込みを押し開けて罫線で折り曲げて手の指の入る穴を開き両方を把持して取り扱うとより安定して取り扱うことが出来る。個別の容器に注ぎ分ける場合にも便利である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明のバッグインボックス外装箱ブランクの一例の展開図。
【
図2】本発明のバッグインボックスの一例の外観略図。(A)保冷剤投入前外観略図。(B)保冷剤投入時外観略図。
【
図3】本発明のバッグインボックスの一例の断面略図。
【
図4】本発明のバッグインボックスの一例の外観略図。(A)保冷剤投入前外観略図。(B)保冷剤投入時外観略図。
【
図5】本発明のバッグインボックスの一例の外観略図。(A)保冷剤投入前外観略図。(B)保冷剤投入時外観略図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に必要に応じて図面を参照して本発明の保冷剤投入の容易なバッグインボックスを説明する。
【0029】
本発明の請求項1に係るバッグインボックスの実施形態の一例を
図1から
図3に示した。
図1は本発明のバッグインボックスの外装箱ブランクの一例の展開図である。
図2は本発明のバッグインボックスの一例の外観略図である。(A)は保冷剤投入前、(B)は保冷剤投入時。
図3は本発明のバッグインボックスの一例の断面略図である。
【0030】
図1から
図3に示したように、本発明の請求項1に係るバッグインボックスの外装箱(100)は底部パネル(1)と、これの両端に接続された一対の側部パネル(2)、(3)と、側部パネル(2)に接続された天部パネル(4)と、天部パネル(4)に設けた貼合部(5)を貼合して胴部が構成される外装箱(100)と、前記胴部の中に配されるスパウト付き内装袋(30)とからなるバッグインボックスであって、貼合された天部パネル(4)には、略中央部にフラップの一部を含む幅の少なくとも一部に、罫線(16a)と切込みもしくはミシン目(16b)により囲まれた開口部領域(16)を設け、該開口部領域端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔(18)を具備することを特徴とする保冷剤投入の容易なバッグインボックスである。
【0031】
本発明のバッグインボックスに用いる外装箱の素材としては、通常、段ボールシートを使用するが小容量の場合には紙を用いる場合もある。
図3にはバッグインボックスを構成する内装袋(30)と外装箱(100)およびスパウト(31)のみを示した。
【0032】
内装袋(30)は、フィルムタイプのものと、成形タイプのものが存在する。主としてポリエチレンを素材とするものが多いが、バリアー性能を向上するために多層の複合フイルムを用いることも可能である。
複合フイルムの例としては、LLDPE/EVOH/LLDPEが有る。内装袋はピンホールの発生を考慮して二重袋としたものを使用することもある。
この合成樹脂製内装袋の一端には、予めねじ蓋を設けたスパウト(31)が形成されている。
【0033】
次に本発明のバッグインボックスで使用する外装箱(100)の具体的な形態の一例を
説明する。
図1に示したように、本発明のバッグインボックスで使用する外装箱を形成するブランクは段ボールシートを打ち抜いて、罫線によって各パネルが折り曲げ自在に形成されている。
なお、このようなブランクの表面にはダイレクト印刷、もしくはプレプリント印刷等により、美粧印刷が施されている。
【0034】
図1のブランクにおいて底部パネル(1)の両端に罫線を介して一対の側部パネル(2)と(3)が接続されている。さらに側部パネル(2)、(3)の一端には天部パネル(4)が折り曲げ自在に接続されている。さらに天部パネル4の延長上には罫線を介して貼合部(5)が連設されている。
また底部パネル(1)及び天部パネル(4)の両端にはそれぞれ折込フラップ(7)、(7a)、(8),(8a)が連設され、前記側部パネル(2),(3)の両端には蓋フラップ(9),(9a)、(10),(10a)が連設されている。
蓋フラップ(9),(9a)、(10),(10a)は、折込フラップ(7)、(7a)、(8),(8a)の上に重ね合わせて、筒状胴部の両端面を閉じて封緘するようになっている。
なお 蓋フラップ(9)、折込フラップ(7)には、内装袋(30)のスパウト(31)を外装箱から突出させるための切取り部(32)が設けられている。
【0035】
次に、外装箱(100)の天部に設ける開口部領域の構成を説明する。
本発明のこの実施形態では、天部パネル(4)の長手方向に沿った折り曲げ用の罫線(16a)とその両端を結ぶ切込みまたはミシン目(16b)によって、保冷剤投入用の開口部領域が罫線(16a)と天部パネル(4)と側部パネル(2)の稜線との間に形成されている。
【0036】
保冷剤投入用の開口部としては外装箱(100)の天部に設ける開口部領域の位置と形状は特に限定されるものではないが、内容物との干渉を少なくして内容物を効果的に冷却するためには、通常は天部パネルの端部寄りの位置から保冷剤を投入するように設定することが多い。
図2の(B)には保冷剤を投入したときの様子を示した。
また、折り曲げ用の罫線(16a)は保冷剤の投入だけを考えれば切込みまたはミシン目でもよいが、その後の取り扱いと保管を考慮すると持ち易く再封可能な罫線である必要がある。
【0037】
以上のようにすることによって天部パネルの所定の領域に開口することが出来るようになるが、開口のきっかけとなる部分がないと頑丈な外装箱に素手で穴を開ける作業は大変な場合がある。
そのために本発明のバッグインボックスに用いる外装箱では天部パネルの開口領域の端部に指で押して簡単に開けられる程度の切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔(18)を備えている。
【0038】
さらに、本発明の請求項2に係るバッグインボックスに用いる外装箱(101)には、
図4に示すように、罫線(16a)と切込みもしくはミシン目(16b)により囲まれた開口部領域(16)内部には持ち手となる穴(17)を形成するための罫線(17a)と切込み(17b)を設けてある。
【0039】
したがって、保冷剤の投入後にバッグインボックスを手で持ちまわす必要がある場合にはこの切込み(17b)を押し開けて罫線(17a)で折り曲げて手の指の入る穴(17)を開きそこを把持して取り扱うことが出来るだけでなく、バッグインボックスからカップやグラス等の個別の容器に注ぎ分ける場合にも使用できる。
図4(B)には開口部領域
(16)を起立させて保冷剤を外装箱(101)内部に投入した状態を示した。
【0040】
また、折り曲げ用の罫線(17a)は手の指で把持して持ち回すことだけを考えれば切込みまたはミシン目でもよいが、その後の取り扱いと保管を考慮すると折り曲げ用の罫線(16a)と同様に持ち易く再封可能な罫線である必要がある。
【0041】
加えて、本発明の請求項3に係るバッグインボックスに用いる外装箱(102)は、
図5に示すように、罫線(16a)と切込みもしくはミシン目(16b)により囲まれた開口部領域(16)と天部パネル(4)上の対称な位置に、罫線(16a’)と切込みもしくはミシン目(16b’)により囲まれた開口部領域(16’)を設け、それぞれの領域の内部には持ち手となる穴(17)、(17’)を形成するための罫線(17a)、(17a‘)と切込み(17b)、(17b’)を設け、それぞれの領域端部に切込みもしくはミシン目により囲まれた指孔(18)、(18’)を具備している保冷剤投入の容易なバッグインボックスである。
図5(B)には開口部領域(16)と開口部領域(16’)を起立させて保冷剤を外装箱(102)内部の内装袋(30)の両側に投入した状態を示した。
【0042】
開口部を2箇所開封することが出来ることによって、このように内装袋の両面から保冷剤を配置することによってより強力に冷却することも可能になる。
【0043】
また、持ち手となる穴を形成した直立した開口部領域が外装箱の上面に一対形成出来るので、保冷剤の投入後に両方を把持して取り扱うとより安定して取り扱うことが出来、個別の容器に注ぎ分ける場合にも便利である。
【0044】
本発明の保冷剤投入の容易なバッグインボックスは通常の製函機により容易に組み立てることが出来る。
まず、
図1のブランクからなる外装箱(100)を組立てるには、製函機によって貼着部(5)天部パネル(4)の裏側に折り曲げ、貼着部(5)を天部パネル(4)に貼合して胴貼りを施す。
続いて胴貼りされた外装箱(100)に、内容物を充填した内装袋(30)を挿入する。
内容物が内装袋(30)の内部にホット充填された場合は、内容物の冷却後に、ホットメルト等の糊にて封緘する。
内装袋(30)の挿入後、胴部の両端面を蓋フラップ(9),(9a)、(10),(10a)、折込フラップ(7)、(7a)、(8),(8a)の上に重ね合わせて封緘する。
図2(A)、
図3は組立状態を示している。
図4に示した外装箱(101)と
図5に示した外装箱(102)の場合も同様であるので説明は省略する。
【0045】
図1と
図2に示した外装箱(100)を用いた本発明のバッグインボックスに保冷剤を投入するときは、操作者が外装箱の天部パネル(4)の指孔(18)を指で押して破り、そこをきっかけにして切込みまたはミシン目(16b)を切り裂いて罫線(16a)で上方に折り曲げて天部パネルに開口部(16)を形成する。
【0046】
つぎにたとえば冷却された保冷剤を用意してこの開口部(16)から外装箱(100)内部に投入し、開口部を再度仮密閉して適当な時間冷却した後にスパウト(30)から内容物を注出して飲用等に供する。
【0047】
図4に示した外装箱(101)を用いた本発明のバッグインボックスに保冷剤を投入するときは、操作者が外装箱の天部パネル(4)の指孔(18)を指で押して破り、そこを
きっかけにして切込みまたはミシン目(16b)を切り裂いて罫線(16a)で上方に折り曲げて天部パネルに開口部(16)を形成する。
【0048】
つぎにたとえば冷却された保冷剤を用意してこの開口部(16)から外装箱(101)内部に投入し、開口部を再度仮密閉して適当な時間冷却した後にスパウト(30)から内容物を注出して飲用等に供する。
このときにバッグインボックスを持ちまわす必要があれば開口部(16)内部の持ち手となる孔(17)を開けてそこに手を入れて持つと持ち易い。
【0049】
図5に示した外装箱(102)を用いた本発明のバッグインボックスに保冷剤を投入するときは、操作者が外装箱の天部パネル(4)の指孔(18)、(18’)を指で押して破り、そこをきっかけにして切込みまたはミシン目(16b)、(16b’)を切り裂いて罫線(16a)、(16a’)で上方に折り曲げて天部パネルに開口部(16)、(16’)を形成する。
【0050】
つぎにたとえば冷却された保冷剤を複数用意してこの開口部(16)、(16’)から外装箱(101)内部に投入し、開口部を再度仮密閉して適当な時間冷却した後にスパウト(30)から内容物を注出して飲用等に供する。
このときにバッグインボックスを持ちまわす必要があれば開口部(16)、(16’)内部の持ち手となる孔(17)、(17’)を両方開けてそこに手を入れて持つと揺れることなく安定して持ち易い。
【0051】
以上のように、本発明のバッグインボックスによれば、持ち運びとワイン等の液状内容物の注出が容易であるのみならず、ボックス容器に内容物が入った状態で冷却することが簡単に出来るようになった。
さらに従来のペットボトルの使い捨てによる資源の無駄使いを抑制し、環境破壊の防止に寄与することができる。
また内装袋と外装カートンを分別排出する事が可能であるから外装箱は故紙として再利用することによって廃棄物処理対策の面でも有効である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のバッグインボックスの構成は保冷剤の投入に限られず、バッグインボックスの外装箱内部への保温材や香料等の中途投入の必要とされる用途に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…底部パネル
2…側部パネル
3…側部パネル
4…天部パネル
5…貼合部
7…折込フラップ
7a…折込フラップ
8…折込フラップ
8a…折込フラップ
9…蓋フラップ
9a…蓋フラップ
10…蓋フラップ
10a…蓋フラップ
16…開口部
16’…開口部
16a…罫線
16b…切込みまたはミシン目
16a’…罫線
16b’…切込みまたはミシン目
17…持ち手となる穴
17a…罫線
17b…切込み
17’…持ち手となる穴
17a’…罫線
17b’…切込み
18…指孔
18’…指孔
30…内装袋
31…スパウト
32…切取り部
100…外装箱
101…外装箱
102…外装箱