特許第6106993号(P6106993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6106993
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20170327BHJP
   A47B 91/00 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   A47B13/00 Z
   A47B91/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-189911(P2012-189911)
(22)【出願日】2012年8月30日
(65)【公開番号】特開2014-45866(P2014-45866A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(72)【発明者】
【氏名】城ノ下 朋興
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−122526(JP,A)
【文献】 特開平09−191940(JP,A)
【文献】 実開昭49−101901(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00、13/06
A47B 91/00、91/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支脚で天板を支持するテーブルであって、前記支脚は、上部が外側へ傾斜した中間支脚と、該中間支脚の上下端部からそれぞれ同じ側に延設し、下向き傾斜した下支脚と上向き傾斜した上支脚とを有し、前記下支脚の先端部に床面に接地する接地部を設けるとともに、前記上支脚の先端部に前記天板を連結する支持部を設け、各支脚の下支脚と上支脚を前記天板に対して外向きに配向して配置し、該上支脚に有する支持部に前記天板の下面を載置して取付けてなることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
前記中間支脚の鉛直線に対する角度を5〜15度とし、前記下支脚の水平線に対する角度を5〜15度とし、前記上支脚の水平線に対する角度を5〜15度に設定してなる請求項1記載のテーブル
【請求項3】
前記中間支脚と下支脚のなす角度を85〜95度に設定してなる請求項1又は2記載のテーブル
【請求項4】
前記中間支脚の下端部若しくは前記下支脚の後端部と床面との距離を70〜100mmに設定してなる請求項1〜3何れか1項に記載のテーブル
【請求項5】
複数の前記支脚同士を連結して天板を支持する場合、前記中間支脚同士を連結部材で連結するとともに、前記上支脚の先端部同士をビーム部材で連結してなる請求項1〜4何れか1項に記載のテーブル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルミダイカスト製の支脚を複数対用い、それらを連結部材で連結して脚装置を形成し、それに天板を載置して取付けてテーブルを構成する構造のものは各種提供されている。
【0003】
特許文献1には、下部の内面及び下面に螺孔が形成された略垂直棒状の中間支脚、並びに、該中間支脚の上部から上外方へ延び、上端に天板を受ける受座が取付けられる棒状の上支脚、及び、該中間支脚の下部から下外方へ延びて接地する棒状の下支脚を一体形成してなる支脚の2個に、これらの前記螺孔を用いて、一体に形成又は複数の部品を連結して形成された支脚間連結体を取付けて支脚対とし、該支脚対を複数配設すると共に、前記支脚間連結体にビーム連結部を設けて該ビーム連結部間を支脚対間連結ビームにより連結してなるテーブル用脚装置が記載されている。
【0004】
この特許文献1に記載の支脚は、該支脚の高さの略半分に相当する垂直な中間支脚の下端から下支脚が床面に向けて傾斜して延びている。前記下支脚は、床面に対して約50度の角度に立ち上がった形状となっているため、天板下の空間で下支脚を越えて足を移動させることは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4457851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、複数の支脚同士を連結部材で連結してテーブル天板を支持する脚装置において、天板下の空間を広く確保するとともに、使用者の足と可能な限り干渉しないような支脚形状としたテーブルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、複数の支脚で天板を支持するテーブルであって、前記支脚は、上部が外側へ傾斜した中間支脚と、該中間支脚の上下端部からそれぞれ同じ側に延設し、下向き傾斜した下支脚と上向き傾斜した上支脚とを有し、前記下支脚の先端部に床面に接地する接地部を設けるとともに、前記上支脚の先端部に前記天板を連結する支持部を設け、各支脚の下支脚と上支脚を前記天板に対して外向きに配向して配置し、該上支脚に有する支持部に前記天板の下面を載置して取付けてなることを特徴とするテーブルを構成した(請求項1)。
【0008】
ここで、前記中間支脚の鉛直線に対する角度を5〜15度とし、前記下支脚の水平線に対する角度を5〜15度とし、前記上支脚の水平線に対する角度を5〜15度に設定してなることが好ましい(請求項2)。
【0009】
更に、前記中間支脚と下支脚のなす角度を85〜95度に設定してなることも好ましい(請求項3)。
【0010】
また、前記中間支脚の下端部若しくは前記下支脚の後端部と床面との距離を70〜100mmに設定してなることも好ましい(請求項4)。
【0011】
そして、複数の前記支脚同士を連結して天板を支持する場合、前記中間支脚同士を連結部材で連結するとともに、前記上支脚の先端部同士をビーム部材で連結してなるのである(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
以上にしてなる本発明のテーブルは、複数の支脚で天板を支持するテーブルであって、前記支脚は、上部が外側へ傾斜した中間支脚と、該中間支脚の上下端部からそれぞれ同じ側に延設し、下向き傾斜した下支脚と上向き傾斜した上支脚とを有し、前記下支脚の先端部に床面に接地する接地部を設けるとともに、前記上支脚の先端部に前記天板を連結する支持部を設け、各支脚の下支脚と上支脚を前記天板に対して外向きに配向して配置し、該上支脚に有する支持部に前記天板の下面を載置して取付けてなるので、天板下方の足入れ空間が広くなり、またテーブルの前に着座したままで使用者の足が下向き傾斜した下支脚の上を左右方向に通過でき、またつま先が下支脚の後部下方に侵入でき、使用者の足の置き位置及び足の動作に対する干渉が少なくなる。
【0013】
特に、前記中間支脚の鉛直線に対する角度を5〜15度とし、前記下支脚の水平線に対する角度を5〜15度とし、前記上支脚の水平線に対する角度を5〜15度に設定し、また前記中間支脚と下支脚のなす角度を85〜95度に設定することで、支脚の強度を維持しながら、人間工学的に着座者の足との干渉を最小限にすることができる。
【0014】
また、前記中間支脚の下端部若しくは前記下支脚の後端部と床面との距離を70〜100mmに設定してなることにより、下支脚の後部下方につま先を侵入させ得る空間を設けることができる。
【0015】
また、複数の前記支脚同士を連結して天板を支持する場合、前記中間支脚同士を連結部材で連結とするとともに、前記上支脚の先端部同士をビーム部材で連結してなると、隣接する支脚同士が強固に連結されて構造的に強い脚構造となり、各支脚の上支脚の先端部に設けた支持部に前記天板を連結することで、天板の支持強度が高くなり、安定した剛構造のテーブルとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のテーブルに使用する脚装置を構成する支脚の側面図である。
図2】本発明に係るテーブルの上方から見た斜視図である。
図3】同じくテーブルの下方から見た斜視図である。
図4】同じくテーブルの正面図である。
図5】同じくテーブルの側面図である。
図6】同じくテーブルの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は支脚の構造を島氏、図2図6はテーブルを示し、図中符号1は支脚、2は連結部材、3は天板、4は中間支脚、5は下支脚、6は上支脚をそれぞれ示している。
【0018】
本発明に係るテーブルに使用する脚装置は、複数の支脚1,…同士を連結部材2で連結して天板3を支持するテーブルの脚装置であって、前記支脚1は、上部が外側へ傾斜した中間支脚4と、該中間支脚4の上下端部からそれぞれ同じ側に延設し、下向き傾斜した下支脚5と上向き傾斜した上支脚6とを有し、前記下支脚5の先端部に床面に接地する接地部7を設けるとともに、前記上支脚6の先端部に前記天板3を連結する支持部8を設けてなるものである。そして、本発明に係るテーブルは、各支脚1の下支脚5と上支脚6を前記天板3に対して外向きに配向して配置し、該上支脚6に有する支持部8に前記天板3の下面を載置して取付けた構造である。尚、前記連結部材2は省略することもある。
【0019】
ここで、複数の支脚1,…同士を連結する場合、図1図6に示すように、前記中間支脚4,4同士を連結部材2で連結するとともに、前記上支脚6,6の先端部同士をビーム部材9で連結している。そして、前記ビーム部材9の適所を天板3の下面にネジ止めしている。前記ビーム部材9は、各支脚1,…同士を連結して剛性の高い脚構造とするとともに、前記天板3の下面を載支して該天板3の撓みを防止する働きをする。
【0020】
更に詳しくは、前記支脚1は、アルミニウム、マグネシウム若しくは亜鉛等の好ましくは軽合金のダイカストによって作製されている。前記支脚1の中間支脚4、下支脚5及び上支脚6は別々に作製して連結一体化しても良いが、全て一体的にダイカストで作製することが、部品点数が少なく、また工数が少なくなるので好ましい。本実施形態では、前記支脚1は、アルミダイカストで一体形成している。
【0021】
前記中間支脚4の背面の上下中間部には、前記連結部材2を構成する連結アーム10がネジ止めされ、隣接する支脚1,1の各連結アーム10,10同士は同じく前記連結部材2を構成する端部がT字形状をなす連結杆11にネジ止め連結される。前記連結杆11は、長尺の主パイプ11Aの両端に短い副パイプ11Bを平面視T字状になるように溶接し、副パイプ11Bの両端に前記連結アーム10をネジ止め連結できるようになっている。前記連結杆11の主パイプ11Aと副パイプ11Bの長さを変えることにより、各種寸法のテーブルに対応できるようになっている。主パイプ11Aの長さはテーブルの長尺方向の長さに対応し、副パイプ11Bの長さはテーブルの奥行幅に対応して決定される。予め、複数種類の連結杆11を用意しておけば、形状の異なる天板3と組み合わせて、複数種のテーブルを構成できる。
【0022】
具体的には、図1に示すように、前記中間支脚4の鉛直線Vに対する角度αを5〜15度とし、前記下支脚5の水平線H1に対する角度βを5〜15度とし、前記上支脚6の水平線H2に対する角度γを5〜15度に設定することが好ましい。ここで、水平線H1は床面に対応し、水平線H2は天板3に対応する。また、前記中間支脚4と下支脚5のなす角度δを85〜95度に設定することが好ましい。そして、前記中間支脚4の下端部若しくは前記下支脚5の後端部と床面H1との距離hを70〜100mmに設定することが好ましい。
【0023】
本実施形態では、α=10度、β=10度、γ=10度、δ=90度であり、h=83mmとしている。
【0024】
先ず、前記中間支脚4の鉛直線Vに対する角度αは、人間工学的に椅子に自然に着座した人の膝とつま先を結ぶ直線の傾きに対応している。前記中間支脚4を上部が外側へ傾斜するように設定することにより、人間工学的に天板3下の足入れ空間を広く、また心理的にも広く見せることができる。前記中間支脚4が傾斜していることにより、前記連結アーム10を取付けて、前後の支脚1,1同士を連結杆11の副パイプ11Bを介して連結した際にも、前後の中間支脚4,4間に適度の空間が生じ、意匠的にも詰まった感じがなくなり、斬新なデザインの脚装置となる。
【0025】
また、前記下支脚5の水平線H1に対する角度βを最適に設定し、前記中間支脚4の下端部若しくは前記下支脚5の後端部と床面H1との距離hが適度な値になるようにしている。図6に示すように、前記支脚1の下支脚5と上支脚6を、長方形の前記天板3の側縁に対して約45度の角度に外向きに配置している。そして、前記天板3の長辺側又は短辺側に着座した際に、両足のつま先は若干開く方向に向くのが自然であり、つま先は足入れ空間の奥部で前記支脚1の下支脚5と交差するようになるが、前記距離hが適度な値をとるとき、つま先は前記下支脚5の後部下方に侵入するので干渉しない。
【0026】
また、前記下支脚5の後部が床面から浮いているので、床面の適所から引き出した配線コードの引き回しが容易になる。例えば、50cm四方のタイルカーペットを床面に敷いている場合には、配線コードの引き出し位置はタイルカーペットの角部にすることが多いが、この位置がテーブルの設置状態によっては、下支脚5の下方に隠れたり、下支脚5を横切って配線コードを引き回すこともあるが、そのような場合にも対応できる。
【符号の説明】
【0027】
1 支脚
2 連結部材
3 天板
4 中間支脚
5 下支脚
6 上支脚
7 接地部
8 支持部
9 ビーム部材
10 連結アーム
11 連結杆
11A 主パイプ
11B 副パイプ
V 鉛直線
H1 水平線(床面)
H2 水平線(天板)
α 鉛直線Vと中間支脚のなす角度
β 水平線H1と下支脚のなす角度
γ 水平線H2と上支脚のなす角度
δ 中間支脚と下支脚のなす角度
h 水平線(床面)H1と中間支脚の下端との距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6