(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記自車両の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態は、前記運転者の覚醒状態、前記運転者の酩酊状態、前記運転者の脇見状態、前記運転者による運転操作部材の操作状態の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の運転支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1の実施の形態では、運転支援装置が自車両に設けられ、警報動作部が周辺車両である場合について説明する。
図1は第1の実施の形態に係る運転支援装置10Aの構成を示すブロック図、
図2は周辺車両4の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、運転支援装置10Aは、自車両2に搭載されており、カメラ12と、覚醒度検出部14と、測位部16と、照度センサ18と、車車間通信部20と、運転支援ECU22とを含んで構成されている。
【0009】
カメラ12は、自車両2の運転席に着座した運転者の瞬きを撮影しその画像情報を生成するものである。
覚醒度検出部14は、カメラ12から供給される画像情報を分析することにより運転者の覚醒度を検出し覚醒度データを生成するものである。覚醒度データは、例えば、レベル1〜レベル10といったように覚醒度が高いほど高い数値で表現される。
したがって、本実施の形態では、カメラ12および覚醒度検出部14が、自車両2の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態を検出する運転者状態検出手段として機能する。
【0010】
測位部16は、GPS衛星などの測位衛星から受信した測位信号に応じて自車両2の現在位置を特定し、自車両2の位置情報を例えば緯度経度で示される座標データの形式で生成するものである。
したがって、本実施の形態では、測位部16が、自車両2の位置を検出する自車両位置検出手段として機能する。
【0011】
照度センサ18は、自車両2の周囲環境における照度を検出するものである。
車車間通信部20は、自車両2の周辺に位置する周辺車両4との間で車車間通信により情報の授受を行なうものである。車車間通信によって通信可能な範囲は、通信状態が良好な環境であれば、例えば自車両2を中心として半径200m程度の円内とされている。
車車間通信は、自車両2と周辺車両4との間で常時行われている。
【0012】
運転支援ECU22は、覚醒度検出部14で検出された覚醒度データ、測位部16で生成された自車両2の位置データ、照度センサ18で検出された照度データを受け付けると共に、車車間通信部20を介して自車両2の周辺車両4との間で情報の授受を行ない、周辺車両4に対して警報動作を実行させるための制御を行なう。
運転支援ECU22は、CPU、制御プログラム等を格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
そして、
図1に示すように、CPUが前記の制御プログラムを実行することにより、警報動作部位置検出手段22A、警報制御手段22Bとして機能する。
【0013】
警報動作部位置検出手段22Aは、車車間通信部20を介して自車両2の周辺に位置する警報動作部としての周辺車両4の位置を検出する。
【0014】
警報制御手段22Bは、覚醒度検出部14で検出された覚醒度データ、すなわち運転者の身体状態が予め定められた判定基準を満たさない場合に、警報動作条件が成立したと判定する。例えば、覚醒度の判定基準がレベル5であれば、覚醒度データがレベル5を下回った場合に、警報動作条件が成立したと判定する。
そして、警報制御手段22Bは、警報動作条件が成立した場合に、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて、周辺車両4に自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行させるものである。
本実施の形態では、警報制御手段22Bは、車車間通信を介して警報動作を実行させる警報指示情報を周辺車両4へ送出する。
【0015】
次に、周辺車両4が実行する警報動作について具体的に説明する。
警報制御手段22Bは、
図2に示すように、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて周辺車両4が自車両2の前方に位置していると判定されたときに、警報動作として、周辺車両4のブレーキランプ28を点灯あるいは点滅させるための警報指示情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する。
また、警報制御手段22Bは、自車両2の位置情報および周辺車両4の位置情報に基いて得られた自車両2と自車両2の前方に位置する周辺車両4との距離、あるいは、照度センサ18で検出された自車両2の周辺環境の照度に応じて周辺車両4のブレーキランプ28の光量、あるいは、ブレーキランプ28の点滅パターンを調整するための警報指示情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する。
具体的には、自車両2の前方に位置する周辺車両4との距離が接近するほどブレーキランプ28の光量を下げ、自車両2の前方に位置する周辺車両4との距離が離間するほどブレーキランプ28の光量を上げるようにする。
また、自車両2の前方に位置する周辺車両4との距離が接近するほどブレーキランプ28の点滅のパターンが穏やかになるようにし、自車両2の前方に位置する周辺車両4との距離が離間するほどブレーキランプ28の点滅のパターンが激しくなるようにする。
また、自車両2の周辺環境の照度が低いほどブレーキランプ28の光量を下げ、自車両2の周辺環境の照度が高いほどブレーキランプ28の光量を上げるようにする。
また、自車両2の周辺環境の照度が低いほどブレーキランプ28の点滅のパターンが穏やかになるようにし、自車両2の周辺環境の照度が高いほどブレーキランプ28の点滅のパターンが激しくなるようにする。
このようにブレーキランプ28の光量や点滅パターンを調整すると、自車両2の運転者に過剰な刺激を与えて驚かせることなく自車両2の運転者に警報動作を確実に認識させる上で有利となる。
【0016】
また、警報制御手段22Bは、周辺車両4が警報動作を実行する場合に、周辺車両4の運転者に対して該周辺車両4の後方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を報知させるための報知指令情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する。
これにより、
図2に示すように、周辺車両4に設けられている後述する報知手段としての表示部32やスピーカ34を用いて、周辺車両4の運転者に対して該周辺車両4の後方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を報知させる。
したがって、自車両2の前方を走行する周辺車両4の運転者に対して防衛運転を促すことができ安全性を高める上で有利となる。
【0017】
また、警報制御手段22Bは、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて周辺車両4が自車両2の前方に位置していると判定されたときに、
図2に示すように、周辺車両4における急制動を抑制するように周辺車両4の制動装置36を制御させるための制動制御指令情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する。
これにより、周辺車両4の制動装置36は、急制動を抑制するようにブレーキペダルを操作したときの制動力の発生度合いを調整する。
したがって、自車両2の前方を走行する周辺車両4の運転者による急制動を抑制することができ安全性を高める上で有利となる。
なお、周辺車両4が制動制御指令情報を車車間通信を介して受け付けた場合であっても、周辺車両4の運転者が真に危険回避のために急制動を行なう場合には、急制動を許容してもよいことは無論である。例えば、周辺車両4の運転支援ECU38において、周辺車両4のブレーキ圧情報を監視しておき、予め定められた閾値以上のブレーキ圧が検出されたならば、真に危険回避のための急制動と判断し、制動制御指令情報を受け付けた場合であっても周辺車両4の急制動を許容するようにすればよい。
【0018】
また、警報制御手段22Bは、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて周辺車両4が自車両2の後方に位置していると判定されたときに、警報動作として、周辺車両4のヘッドランプ30を点灯あるいは点滅させるための警報指示情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する。
また、警報制御手段22Bは、自車両2と自車両2の後方に位置する周辺車両4との距離、あるいは、自車両2の周辺環境の照度に応じてヘッドランプ30の光量、あるいは、点滅パターンを調整するための警報指示情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する。
具体的には、ブレーキランプ28の場合と同様に、自車両2の後方に位置する周辺車両4との距離が接近するほど周辺車両4のヘッドランプ30の光量を下げ、自車両2の後方に位置する周辺車両4との距離が離間するほどヘッドランプ30の光量を上げるようにする。
また、ブレーキランプ28の場合と同様に、自車両2の後方に位置する周辺車両4との距離が接近するほどヘッドランプ30の点滅のパターンが穏やかになるようにし、自車両2の前方に位置する周辺車両4との距離が離間するほどヘッドランプ30の点滅のパターンが激しくなるようにする。
また、自車両2の周辺環境の照度が低いほどヘッドランプ30の光量を下げ、自車両2の周辺環境の照度が高いほどヘッドランプ30の光量を上げるようにする。
また、自車両2の周辺環境の照度が低いほどヘッドランプ30の点滅のパターンが穏やかになるようにし、自車両2の周辺環境の照度が高いほどヘッドランプ30の点滅のパターンが激しくなるようにする。
このように光量や点滅パターンを調整すると、自車両2の運転者に過剰な刺激を与えて驚かせることなく自車両2の運転者に警報動作を確実に認識させる上で有利となる。
【0019】
また、警報制御手段22Bは、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて周辺車両4が自車両2の後方に位置していると判定されたときに、周辺車両4の運転者に対して該周辺車両4の前方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を報知させるための報知指令情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する。
これにより、周辺車両4では、周辺車両4に設けられている後述する報知手段としての表示部32やスピーカ34を用いて、周辺車両4の運転者に対して該周辺車両4の前方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を報知させる。
したがって、自車両2の後方を走行する周辺車両4の運転者に対して防衛運転を促すことができ安全性を高める上で有利となる。
【0020】
次に、自車両2の周辺に位置する周辺車両4について説明する。
図2に示すように、周辺車両4は、車車間通信部24と、測位部26と、ブレーキランプ28と、ヘッドランプ30と、表示部32と、スピーカ34と、制動装置36と、運転支援ECU38とを含んで構成されている。
【0021】
周辺車両4の車車間通信部24は、自車両2の車車間通信部20と同様に車車間通信を行なうものである。
周辺車両4の測位部26は、自車両2の測位部16と同様に周辺車両4の位置情報を生成するものである。
ブレーキランプ28は、ブレーキペダル操作に応じて点灯されるものであるが、本実施の形態では、周辺車両4の運転支援ECU38の制御によっても点灯、点滅が制御されるように構成されている。
ヘッドランプ30は、スイッチ操作に応じて点灯、滅灯されるものであるが、本実施の形態では、周辺車両4の運転支援ECU38の制御によっても点灯、点滅が制御されるように構成されている。
表示部32は、運転者が視認可能な箇所に配置され、文字、画像などを表示するものであり、本実施の形態では、周辺車両4の運転支援ECU38の制御によって前方あるいは後方に車両(自車両2)が位置している旨を示す情報を表示するように構成されている。
スピーカ34は、運転者に対して音声ガイダンス、警告音などを発生させるものであり、本実施の形態では、周辺車両4の運転支援ECU38の制御によって前方あるいは後方に車両(自車両2)が位置していることを旨を示す情報を発生するように構成されている。
制動装置36は、ブレーキペダル操作によって制動動作を行なうものであるが、本実施の形態では、周辺車両4の運転支援ECU38の制御によって急制動を抑制するようにブレーキペダルを操作したときの制動力の発生度合いが調整されるように構成されている。
周辺車両4の運転支援ECU38は、測位部26で生成された周辺車両4の位置データを受け付けると共に、車車間通信部24を介して自車両2との間で情報の授受を行ない、周辺車両4の制御を行なう。
周辺車両4の運転支援ECU38は、自車両2の運転支援ECU22と同様に、CPU、制御プログラム等を格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
そして、CPUが前記の制御プログラムを実行することにより機能する。
【0022】
次に、運転支援装置10Aの動作について
図3のフローチャートを参照して説明する。
自車両2の運転支援ECU22は、
図3の処理を繰り返して実行する。
まず、自車両2の運転支援ECU22は、覚醒度検出部14から供給される覚醒度データに基いて覚醒度が予め定められた判定基準を満たさないという警報動作条件が成立したか否かを判定する(ステップS10)。
警報動作条件が不成立したならば以下の処理をスキップする。
警報動作条件が成立したならば、自車両2の運転支援ECU22は、測位部16から自車両2の位置を検出し(ステップS12)、車車間通信を介して周辺車両4から当該周辺車両4の位置を検出する(ステップS14)。
次いで、自車両2の運転支援ECU22は、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて自車両2と周辺車両4との位置関係を算出する(ステップS16)。
【0023】
次いで、自車両2と周辺車両4との位置関係に基いて周辺車両4が自車両2の前方に位置する先行車であるか否かを判定する(ステップS18)。
周辺車両4が先行車であれば、自車両2の運転支援ECU22は、ブレーキランプ28を点灯あるいは点滅を指示する警報指令情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する(ステップS20)。
これにより、警報指令情報を受信した周辺車両4(先行車)の運転支援ECU38は、ブレーキランプ28の点灯あるいは点滅を行わせ、自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行する。
さらに、自車両2の運転支援ECU22は、周辺車両4(先行車)の後方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を報知させるための報知指令情報を車車間通信を介して周辺車両4(先行車)に送出する(ステップS22)。これにより周辺車両4(先行車)において周辺車両4の後方に注意を払うべき自車両2が走行している旨の報知がなされる。
また、自車両2の運転支援ECU22は、周辺車両4(先行車)における急制動を抑制するように周辺車両4(先行車)の制動装置36を制御させるための制動制御指令情報を車車間通信を介して周辺車両4(先行車)に送出する(ステップS24)。これにより、周辺車両4(先行車)の急制動が抑制される。そして、処理を終了する。
【0024】
一方、ステップS18で周辺車両4が先行車でないと判定された場合は、自車両2と周辺車両4との位置関係に基いて周辺車両4が自車両2の後方に位置する後続車であるか否かを判定する(ステップS26)。後続車でなければ以下の処理をスキップする。
周辺車両4が後続車であれば、自車両2の運転支援ECU22は、ヘッドランプ30を点灯あるいは点滅を指示する警報指令情報を車車間通信を介して周辺車両4に送出する(ステップS28)。
これにより、警報指令情報を受信した周辺車両4(後続車)の運転支援ECU38は、ヘッドランプ30の点灯あるいは点滅を行わせ、自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行する。
さらに、自車両2の運転支援ECU22は、周辺車両4(後続車)に対して周辺車両4の前方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を報知させるための報知指令情報を車車間通信を介して周辺車両4(後続車)に送出する(ステップS30)。これにより周辺車両4(後続車)において周辺車両4の前方に注意を払うべき自車両2が走行している旨の報知がなされる。そして、処理を終了する。
【0025】
次に、
図4を参照して実施例について説明する。なお、図中符号Rは道路、符号CLはセンターラインを示す。
図4(A)に示すように自車両2の前方に周辺車両4(先行車)が位置している場合について説明する。
まず、
図4(A)の状態で自車両2の運転者の覚醒度が低下したことが判定される。
すると、
図4(B)に示すように自車両2は車車間通信を介して周辺車両4の位置を検出する。
次いで、
図4(C)に示すように、自車両2から周辺車両4に対して警報動作を実行するための警報指令情報が送出される。
次いで、
図4(D)に示すように、周辺車両4が警報指令情報を受け付けると、周辺車両4(先行車)においてブレーキランプ28が点滅され、自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作が実行される。
【0026】
第1の実施の形態によれば、自車両2の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態として運転者の覚醒度を検出し、検出された運転者の覚醒度が予め定められた判定基準を満たさないという警報動作条件が成立した場合に、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて、周辺車両4に自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行させるようにした。
したがって、自車両2の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態に応じて的確に運転支援を行なうことにより安全性を確保する上で有利となる。
【0027】
また、自車両2に設けられた警報制御手段22Bが、警報動作を実行させる警報指示情報を車車間通信を介して周辺車両4へ送出するため、周辺車両4側に必要な装置が最小限で済む。
【0028】
また、警報制御手段22Bは、周辺車両4が自車両2の前方に位置していると判定されたときに、警報動作として、周辺車両4のブレーキランプ28を点灯あるいは点滅させるため、自車両2の運転者に対して効果的に注意を喚起させる上で有利となる。
【0029】
また、周辺車両4が自車両2の後方に位置していると判定されたときに、警報動作として、周辺車両4のヘッドランプ30を点灯あるいは点滅させるため、自車両2の運転者に対して効果的に注意を喚起させる上で有利となる。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、運転支援装置10Bが自車両2および周辺車両4に設けられ、警報動作部が周辺車両4である場合について説明する。
なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略し、異なった箇所を重点的に説明する。
図5は第2の実施の形態に係る運転支援装置10Bのうち自車両2側に設けられた部分の構成を示すブロック図、
図6は第2の実施の形態に係る運転支援装置10Bのうち周辺車両4側に設けられた部分の構成を示すブロック図である。
【0031】
図5に示すように、自車両2は、第1の実施の形態と同様に、カメラ12と、覚醒度検出部14と、測位部16と、照度センサ18と、車車間通信部20と、運転支援ECU22とを含んで構成されている。
第2の実施の形態では、運転支援ECU22によって情報送出手段22Cが実現されている。
情報送出手段22Cは、警報動作条件が成立したことを示す条件成立情報と、測位部16によって検出された自車両2の位置情報とを車車間通信を介して周辺車両4に送出するものである。
【0032】
図6に示すように、周辺車両4は、第1の実施の形態と同様に、車車間通信部24、測位部26、ブレーキランプ28、ヘッドランプ30、表示部32、スピーカ34、制動装置36、運転支援ECU38とを含んで構成されている。
第2の実施の形態では、測位部26によって自車両2の周辺に位置する警報動作部としての周辺車両4の位置を検出する警報動作部位置検出手段22Aが構成されている。
また、運転支援ECU38によって周辺車両制御手段38Aが実現されている。
周辺車両制御手段38Aは、車車間通信を介して受け付けた条件成立情報および自車両2の位置情報と、測位部26(警報動作部位置検出手段22A)で検出された周辺車両4の位置情報とに基いて周辺車両4に警報動作を実行させるものである。
そして、第2の実施の形態では、警報制御手段22Bは、
図5に示す自車両2に設けられた情報送出手段22Cと、
図6に示す周辺車両4に設けられた周辺車両制御手段38Aと含んで構成されている。
【0033】
次に運転支援装置10Bの動作について
図7のフローチャートを参照して説明する。
自車両2の運転支援ECU22は、覚醒度検出部14から供給される覚醒度データに基いて覚醒度が予め定められた判定基準を満たさないという警報動作条件が成立したか否かを判定する(ステップS40)。
警報動作条件が不成立したならば以下の処理をスキップする。
警報動作条件が成立したならば、自車両2の運転支援ECU22は、測位部16から自車両2の位置を検出する(ステップS42)。
次いで、自車両2の運転支援ECU22は、条件成立情報と自車両2の位置情報とを車車間通信を介して周辺車両4に送出し(ステップS44:情報送出手段22C)、処理を終了する。
【0034】
一方、周辺車両4の運転支援ECU38は、車車間通信を介して自車両2からの情報(条件成立情報と自車両2の位置情報)を受信したか否かを監視している(ステップS46)。
自車両2からの情報を受信しなければ以下の処理をスキップする。
自車両2からの情報を受信すると、周辺車両4の運転支援ECU38は、この周辺車両4の位置を測位部26により検出する(ステップS48)。
次いで、周辺車両4の運転支援ECU38は、自車両2の位置情報と周辺車両4の位置情報とに基いて自車両2と周辺車両4との位置関係を算出する(ステップS50)。
次いで、自車両2と周辺車両4との位置関係に基いて周辺車両4が自車両2の前方に位置する先行車であるか否かを判定する(ステップS52)。
周辺車両4が先行車であれば、周辺車両4の運転支援ECU38は、当該周辺車両4のブレーキランプ28を点灯あるいは点滅させる(ステップS54)。すなわち、周辺車両4は、自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行する。
さらに、周辺車両4の運転支援ECU38は、当該周辺車両4(先行車)の後方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を表示部32あるいはスピーカ34を用いて報知させる(ステップS56)。
また、周辺車両4の運転支援ECU38は、周辺車両4における急制動を抑制するように周辺車両4の制動装置36を制御する(ステップS58)。これにより、周辺車両4(先行車)の急制動が抑制される。そして、処理を終了する。なお、第1の実施の形態で説明したように、周辺車両4の運転者が真に危険回避のために急制動を行なう場合には、周辺車両4の運転支援ECU38によって急制動が許容される。
一方、ステップS52で周辺車両4が先行車でないと判定された場合は、自車両2と周辺車両4との位置関係に基いて周辺車両4が自車両2の後方に位置する後続車であるか否かを判定する(ステップS60)。後続車でなければ以下の処理をスキップする。
周辺車両4が後続車であれば、周辺車両4の運転支援ECU38は、当該周辺車両4のヘッドランプ30を点灯あるいは点滅させる(ステップS62)。すなわち、周辺車両4は、自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行する。
さらに、周辺車両4の運転支援ECU38は、当該周辺車両4(後続車)の前方に注意を払うべき自車両2が走行している旨を表示部32あるいはスピーカ34を用いて報知させる(ステップS64)。そして、処理を終了する。
【0035】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、自車両2の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態に応じて的確に運転支援を行なうことにより安全性を確保する上で有利となる。
また、警報制御手段22Bは、自車両2に設けられた情報送出手段22Cと、周辺車両4に設けられた周辺車両制御手段38Aと含んで構成されているため、自車両2の運転支援ECU22の処理能力が軽減されるため、部品コストの低減を図る上で有利となる。
【0036】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、運転支援装置10Cが自車両2に設けられ、警報動作部が自車両2が走行する道路周辺の設備である場合について説明する。
図8は第3の実施の形態に係る運転支援装置10Cの構成を示すブロック図、
図9は設備6の構成を示すブロック図である。
【0037】
図8に示すように、運転支援装置10Cは、自車両2に搭載されており、第1の実施の形態と同様に、カメラ12と、覚醒度検出部14と、測位部16と、照度センサ18と、運転支援ECU22とを含んで構成され、第1の実施の形態の車車間通信部20に代えて路車間通信部40が設けられている点のみが第1の実施の形態と異なっている。
路車間通信部40は、
図9に示す設備6の路車間通信部42と路車間通信を行なうものである。
第3の実施の形態では、自車両2の運転支援ECU22によって警報動作部位置検出手段22A、警報制御手段22Bが構成されている。
警報動作部位置検出手段22Aは、路車間通信部40を介して自車両2が走行する道路周辺に位置する警報動作部としての設備6の位置を検出する。
【0038】
警報制御手段22Bは、警報動作条件が成立した場合に、自車両2の位置情報と設備6の位置情報とに基いて、設備6に自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行させるものである。
警報制御手段22Bは、自車両2に設けられ、警報動作を実行させる警報指示情報を路車間通信を介して設備6へ送出する。
また、本実施の形態では、警報制御手段22Bは、自車両2の位置情報と警報動作部位置検出手段22Aで検出された設備6の位置情報とに基いて自車両2が設備6の近傍箇所を通過する時刻を示す通過時刻を算出すると共に、通過時刻の情報を警報指示情報と共に路車間通信を介して設備6へ送出するものである。
【0039】
警報動作について具体的に説明する。
警報制御手段22Bは、自車両2の位置情報と設備6の位置情報とに基いて、警報動作として、
図9に示す設備6の街路灯44を点灯あるいは点滅させるための警報指示情報を設備6に送出する。あるいは、設備6の電光掲示板46に自車両2の運転者に注意を喚起させる表示を行わせるための警報指示情報を設備6に送出する。あるいは、設備6のスピーカ48から自車両2の運転者に注意を喚起させる警報音(電子音、あるいは、音声ガイダンスを含む)を発生させるための警報指示情報を設備6に送出する。
【0040】
次に、自車両2が走行する道路周辺に位置する設備6について説明する。
図9に示すように、設備6は、いわゆる道路インフラを構成するものであって、路車間通信部42と、街路灯44と、電光掲示板46と、スピーカ48と、設備ECU50とを含んで構成されている。
【0041】
路車間通信部42は、自車両2の路車間通信部40と同様に路車間通信を行なうものである。
街路灯44は、道路に沿って間隔をおいて設けられており、設備ECU50によって自車両2の運転者に対して注意を喚起するように点灯、点滅の制御がなされる。
電光掲示板46は、道路の側方箇所、あるいは、道路の上方箇所などに設置されており、設備ECU50によって自車両2の運転者に対して注意を喚起する表示を行なうように制御される。
スピーカ48は、道路の側方箇所、あるいは、道路の上方箇所などに設置されており、設備ECU50によって自車両2の運転者に対して注意を喚起する警報音が発生するように制御される。
【0042】
設備ECU50は、路車間通信を介して自車両2との間で情報の授受を行ない、設備6の制御を行なう。
また、設備ECU50は、当該設備6の位置を示す位置情報50Aが予め登録されており、設備6の位置情報50Aを路車間通信を介して自車両2に供給するように構成されている。
設備ECU50は、自車両2の運転支援ECU22と同様に、CPU、制御プログラム等を格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
そして、CPUが前記の制御プログラムを実行することにより機能する。
【0043】
次に、運転支援装置10Cの動作について
図10のフローチャートを参照して説明する。
自車両2の運転支援ECU22は、
図10の処理を繰り返して実行する。
まず、自車両2の運転支援ECU22は、覚醒度検出部14から供給される覚醒度データに基いて覚醒度が予め定められた判定基準を満たさないという警報動作条件が成立したか否かを判定する(ステップS80)。
警報動作条件が不成立したならば以下の処理をスキップする。
警報動作条件が成立したならば、自車両2の運転支援ECU22は、測位部16から自車両2の位置を検出し(ステップS82)、路車間通信を介して設備ECU6から設備6の位置(設備の位置情報50A)を検出する(ステップS84:警報動作部位置検出手段22A)。
次いで、自車両2の運転支援ECU22は、自車両2の位置情報と設備6の位置情報50Aと自車両2の走行速度とに基いて自車両2と設備6との位置関係を算出し、自車両2と設備6との位置関係に基いて自車両2が設備6を通過する通過時刻を算出する(ステップS86)。
次いで、自車両2の運転支援ECU22は、設備6において警報動作を実行させるための警告指示情報および通過時刻を路車間通信を介して設備6に送信し(ステップS88)、処理を終了する。
これにより、警報指令情報および通過時刻を受信した設備ECU50は、自車両2の通過時刻になると、街路灯44を点灯、点滅させ、あるいは、電光掲示板46に注意を喚起する表示を行なわせ、あるいは、スピーカ48から注意を喚起する警報音を発生させる。すなわち、自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行する。
【0044】
第3の実施の形態によれば、自車両2の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態として運転者の覚醒度を検出し、検出された運転者の覚醒度が予め定められた判定基準を満たさないという警報動作条件が成立した場合に、自車両2の位置情報と自車両2が走行する道路周辺の設備6の位置情報50Aとに基いて、設備6に自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行させるようにした。
したがって、自車両2の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態に応じて的確に運転支援を行なうことにより安全性を確保する上で有利となる。
【0045】
また、警報制御手段22Bは、自車両2に設けられ、路車間通信を介して警報動作を実行させる警報指示情報を設備6へ送出するため、設備6側に必要な装置が最小限で済む。
【0046】
また、警報制御手段22Bは、警報動作として、街路灯44の点灯、点滅、あるいは、電光掲示板46の表示、あるいは、スピーカ48からの警告音の発生を行なうため、自車両2の運転者に対して効果的に注意を喚起させる上で有利となる。
【0047】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態では、運転支援装置10Dが自車両2および設備6に設けられ、警報動作部が設備6である場合について説明する。
図11は第4の実施の形態に係る運転支援装置10Dのうち自車両2側に設けられた部分の構成を示すブロック図、
図12は第4の実施の形態に係る運転支援装置10Dのうち設備6側に設けられた部分の構成を示すブロック図である。
【0048】
図11に示すように、自車両2は、第3の実施の形態と同様に、カメラ12と、覚醒度検出部14と、測位部16と、照度センサ18と、路車間通信部40と、運転支援ECU22とを含んで構成されている。
第4の実施の形態では、運転支援ECU22によって情報送出手段22Cが実現されている。
情報送出手段22Cは、警報動作条件が成立したことを示す条件成立情報と、測位部16によって検出された自車両2の位置情報とを路車間通信を介して設備6に送出するものである。また、本実施の形態では、情報送出手段22Cは、条件成立情報と自車両2の位置情報とに加えて自車両2の走行速度を路車間通信を介して設備6に送出する。
【0049】
図12に示すように、設備6は、第3の実施の形態と同様に、路車間通信部42と、街路灯44と、電光掲示板46と、スピーカ48と、設備ECU50とを含んで構成されている。
第4の実施の形態では、設備6の位置情報50Aが登録されている設備ECU50によって自車両2の周辺に位置する警報動作部としての設備6の位置を検出する警報動作部位置検出手段22Aが構成されている。
また、設備ECU50によって設備制御手段50Bが実現されている。
設備制御手段50Bは、路車間通信を介して受け付けた条件成立情報および自車両2の位置情報と、設備6の位置情報50Aと、自車両2の走行速度とに基いて設備6に警報動作を実行させるものである。
そして、第4の実施の形態では、警報制御手段22Bは、自車両2に設けられた情報送出手段22Cと設備6に設けられた設備制御手段50Bと含んで構成されている。
【0050】
次に運転支援装置10Dの動作について
図13のフローチャートを参照して説明する。
自車両2の運転支援ECU22は、覚醒度検出部14から供給される覚醒度データに基いて覚醒度が予め定められた判定基準を満たさないという警報動作条件が成立したか否かを判定する(ステップS100)。
警報動作条件が不成立したならば以下の処理をスキップする。
警報動作条件が成立したならば、自車両2の運転支援ECU22は、測位部16から自車両2の位置を検出する(ステップS102)。
次いで、自車両2の運転支援ECU22は、車車間通信により条件成立情報と自車両2の位置情報と自車両2の走行速度とを路車間通信を介して設備6に送出し(ステップS104:情報送出手段22C)、処理を終了する。
【0051】
一方、設備ECU50は、路車間通信を介して自車両2からの情報(条件成立情報と自車両2の位置情報)を受信したか否かを監視している(ステップS106)。
自車両2からの情報を受信しなければ以下の処理をスキップする。
自車両2からの情報を受信すると、設備ECU50は、この設備ECU50に登録されている設備6の位置(設備の位置情報50A)を検出する(ステップS108:警報動作部位置検出手段22A)。
次いで、設備ECU50は、自車両2の位置情報と設備6の位置情報50Aとに基いて自車両2と設備6との位置関係を算出し、自車両2と設備6との位置関係と自車両の走行速度とに基いて自車両2が設備6を通過する通過時刻を算出する(ステップS110)。
次いで、設備ECU50は、通過時刻となったか否かを判定する(ステップS112)。
通過時刻でなければステップS114を繰り返す。
通過時刻となったならば、設備ECU50は、街路灯44を点灯、点滅させ、あるいは、電光掲示板46に注意を喚起する表示を行なわせ、あるいは、スピーカ48から注意を喚起する警報音を発生させる。すなわち、自車両2の運転者に注意を喚起させる警報動作を実行する(ステップS114)。
【0052】
第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様に、自車両2の安全運転に影響を及ぼす運転者の身体状態に応じて的確に運転支援を行なうことにより安全性を確保する上で有利となる。
また、警報制御手段22Bは、自車両2に設けられた情報送出手段22Cと、設備6に設けられた設備制御手段50Bと含んで構成されているため、自車両2の運転支援ECU22の処理能力が軽減されるため、部品コストの低減を図る上で有利となる。
【0053】
実施の形態では、運転者状態検出手段が検出する運転者の身体状態が運転者の覚醒状態である場合について説明した。
しかしながら、運転者状態検出手段が検出する運転者の身体状態は、運転者の酩酊状態、運転者の脇見状態、運転者による運転操作部材の操作状態の何れかであってもよく、あるいは、それらの組み合わせであってもよい。
【0054】
なお、運転者の酩酊状態は、運転者の呼気に含まれるアルコール濃度、あるいは、運転者の心拍数を検出する従来公知の様々な検出装置によって検出することができる。
この場合は、検出された酩酊度合いのデータが予め定められた判定基準を満たさない場合に、警報動作条件が成立したと判定する。
また、運転者の脇見状態は、車室内カメラにより捉えたドライバの顔の向きあるいは視線の向きを検出する従来公知の様々な検出装置によって検出することができる。
この場合は、検出された脇見度合いのデータが予め定められた判定基準を満たさない場合に、警報動作条件が成立したと判定する。
また、運転者による運転操作部材の操作状態は、例えば、ステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダルの操作頻度、操作タイミング、操作量を検出することで得られる。
この場合は、これらの操作状態が予め定められた判定基準を満たさない場合に(異常な操作がなされていると判定される場合に)、運転者の身体状態が何らかの原因(例えば、動物の飛び出しなど)でパニック状態(驚愕状態)となっているものとして、警報動作条件が成立したと判定する。
【0055】
また、実施の形態では、通信回線が車車間通信あるいは路車間通信である場合について説明したが、通信回線として、携帯電話回線など従来公知の様々な通信回線を使用することが可能である。