(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得手段は、前記行動管理装置とは異なる外部装置と前記行動管理装置との通信状態に応じて、前記行動データをリアルタイムに前記外部装置から取得する、あるいは、前記外部装置に蓄積された前記行動データを一括して前記外部装置から取得することを特徴とする請求項1に記載の行動管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態に係る行動管理システムの構成を示す図である。
【0014】
この行動管理システムは、リスト端末11と、携帯端末12と、インターネット等のネットワーク13上に存在する各種コンテンツサーバ14a,14b…、リスト端末サーバ15、健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17とからなる。
【0015】
リスト端末11と携帯端末12は、本発明の第1の端末と第2の端末に相当するものである。本実施形態において、リスト端末11は、ユーザの手首に装着可能な腕時計の形状を有する。これに対し、携帯端末12は、例えばスマートフォンなどであり、ユーザがカバン等に入れて持ち歩くことが可能な多機能型の携帯用通信端末装置である。リスト端末11の近くに携帯端末12があるとき、リスト端末11と携帯端末12はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により接続される。
【0016】
また、携帯端末12は、無線LAN(Wi-Fi)や3Gの携帯電話回線網等を通じてネットワーク13上の各種コンテンツサーバ14a,14b…やリスト端末サーバ15、健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17に接続可能な機能を有する。
【0017】
各種コンテンツサーバ14a,14b…は、例えば各地域の天気情報の配信や、音楽、映画の配信など、ネットワーク13上で様々なサービスを行う。リスト端末サーバ15は、リスト端末11で扱う情報を管理するための専用サーバであり、各種コンテンツサーバ14a,14b…、健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17から配信される情報をリスト端末11の画面サイズに合わせて加工するなどの処理を行う。
【0018】
ここで、本発明の第1の端末として用いられるリスト端末11の使い方について説明する。
【0019】
図2はリスト端末11の装着状態を示す図、
図3はリスト端末11と携帯端末12との関係を示す図である。
【0020】
図2に示すように、リスト端末11は、装置本体11aと、この装置本体11aの両端に取り付けられたバンド11bとからなる。後述するように、リスト端末11の装置本体11aには、加速度センサや角速度センサなどの動き検知センサが内蔵されている。ユーザの手首にリスト端末11を装着した状態で腕を顔の前に待っていき、手首を回す動作(これをフリップ動作と呼ぶ)を行うと表示が切り替えられる。
【0021】
図3に示すように、リスト端末11と携帯端末12とは、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により接続されている。携帯端末12は、各種コンテンツサーバ14a,14b…の情報や健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17の情報を受信すると、これらの情報をリスト端末11に送信する。この場合、リスト端末11の画面は携帯端末12に比べて小さいため、
図1に示したリスト端末サーバ15が各種コンテンツサーバ14a,14b…の情報をリスト端末用に加工処理している。この加工処理された情報を携帯端末12経由でリスト端末11に送って表示する。
【0022】
どの情報をどのように表示するのかは、携帯端末12側で設定する。携帯端末12側で設定を行うのは、リスト端末11の画面が小さいためである。携帯端末12には、リスト端末11との間で設定内容を同期するためのアプリが搭載されている。
【0023】
図4はリスト端末11の表示切替え方法を説明するための図である。
【0024】
リスト端末11では、ユーザが手首を回す動作(フリップ動作)を行うことで、表示の切替えを行うことができる。この例では、初期画面である時計画面の状態から1回目のフリップ動作で現在地域の雨雲の動き、2回目のフリップ動作で指定地域の天気情報、3回目のフリップ動作でスケジュール、4回目のフリップ動作でツイートの情報に順次切り替えられる様子が示されている。どの情報を何番目に表示するのかも含めて携帯端末12側で設定することができる。
【0025】
以下に、各装置の構成と動作について詳しく説明する。
図5はリスト端末11の回路構成を示すブロック図である。
【0026】
リスト端末11は、CPU21、表示部22、タッチパネル23、通信部24、メモリ25、センサ部26、時計部27、GPS部28などを備える。
【0027】
CPU21は、メモリ25に記憶されたプログラム25aの起動により、リスト端末11の動作を制御する。本実施形態において、このCPU21には、第2の端末である携帯端末12との通信状態に応じて活動データを送信する通信制御機能21aが備えられている。ここで言う「活動データ」とは、ユーザの活動を表すデータであり、センサ部26またはGPS部28にて測定される。
【0028】
センサ部26では、加速度センサ等の動き検出センサにより、ユーザの日常生活の動き(行動)を測定する。GPS部28では、GPS(Global Positioning System)によりユーザの現在位置を測定する。通信制御機能21aでは、携帯端末12との通信状態に応じて、センサ部26またはGPS部28にて測定された活動データをリアルタイムに携帯端末12に送信するか、あるいは、メモリ25に蓄積された活動データを一括して携帯端末12に送信する。
【0029】
さらに、CPU21には、各種情報を取得する情報取得機能21bと、ユーザの所定の動作に基づいて各種情報の中から予め設定された項目に関する情報を選択的に表示する表示制御機能21cが設けられている。「所定の動作」とは、ユーザの手首を回す動作(フリップ動作)である(
図4参照)。
【0030】
表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)からなり、各種情報をカラー表示する。タッチパネル23は、表示部22の表示画面上に載置され、タッチ操作による入力指示を行うために用いられる。この表示部22とタッチパネル23とで一体型の入力表示装置を構成し、ユーザが画面の表示を見ながら、タッチ操作による入力指示を行うことができる。
【0031】
通信部24は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信により、外部端末(ここでは携帯端末12)との間でデータの送受信処理を行う。
【0032】
メモリ25には、CPU21を制御するためのプログラム25aの他、CPU21の処理動作に必要な各種データが記憶される。プログラム25aは、上述した各機能21a,21b,21cを実現するためのプログラムを含む。
【0033】
センサ部26は、x軸,y軸,z軸方向の加速度を検知可能な3軸の加速度センサなどからなる動き検出センサを備えている。時計部27は、リスト端末11の時計機能を実現するための部分であり、現在の時刻を計時する。また、GPS部28は、GPSにより現在位置を検出する。
【0034】
図6は携帯端末12の回路構成を示すブロック図である。
【0035】
携帯端末12は、CPU31、表示部32、タッチパネル33、第1の通信部34a、第2の通信部34b、メモリ35、GPS部36などを備える。
【0036】
CPU31は、メモリ35に記憶されたプログラム35aの起動により、携帯端末12の動作を制御する。本実施形態において、このCPU31には、リスト端末11の情報表示に関わる各種設定を行う設定機能31a、リスト端末サーバ15に定期的にアクセスしてコンテンツ情報を収集する情報収集機能31b、コンテンツ情報をリスト端末11に転送する情報転送機能31cなどが設けられている。
【0037】
さらに、CPU31は、リスト端末11から受信した活動データを解析する解析機能31d、活動データの種類に応じてネット上の所定のサーバにアクセスし、解析結果として得られたデータを送信して当該サーバのサービスを受けるサーバアクセス機能31eを有する。
【0038】
表示部32とタッチパネル33は、リスト端末11の表示部22とタッチパネル23と同様に一体型の入力表示装置を構成し、ユーザが画面の表示を見ながら、タッチ操作による入力指示を行うことができる。
【0039】
第1の通信部34aは、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信機能により、外部端末(リスト端末11)との間で無線通信によるデータの送受信処理を行う。第2の通信部34bは、無線LAN(Wi-Fi)や3Gの携帯電話回線網等により、ネットワーク13上のコンテンツサーバ14a,14b…やリスト端末サーバ15、健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17にアクセスする。
【0040】
メモリ35には、CPU31を制御するためのプログラム35aの他、CPU31の処理動作に必要な各種データが記憶される。プログラム35aは、上述した各機能31a,31b,31cを実現するためのプログラムを含む。
【0041】
なお、コンテンツサーバ14a,14b…やリスト端末サーバ15、健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17については、CPU、ROM、RAMなどを備えた汎用のコンピュータからなり、その詳しい構成については図示を省略する。
【0042】
次に、本実施形態における行動管理支援システムの動作について、(a)情報配信、(b)健康管理サービス、(c)ランニングサービス、(d)情報取得・情報表示の各動作に分けて説明する。なお、ここで言う「行動管理」とは、ユーザの健康管理とランニング管理の総称である。
【0043】
(a)情報配信
図7は情報配信に関するリスト端末サーバ15の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、リスト端末サーバ15に備えられた図示せぬCPUが所定のプログラムを読み込むことにより実行される。
【0044】
リスト端末サーバ15は、ネットワーク13上に存在する各種コンテンツサーバ14a,14b、健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17からの配信情報を受信し(ステップA11)、これらの配信情報をリスト端末用に加工する(ステップA12)。リスト端末サーバ15は、
図8に示すリスト端末用メモリ41に加工後の配信情報を蓄積する(ステップA13)。
【0045】
リスト端末用メモリ41はリスト端末毎に設けられている。このリスト端末用メモリ41には、ユーザ情報41aとして、ユーザが持つリスト端末11に固有のID情報(識別情報)、ユーザが選択した配信コンテンツ種類、その他の各種設定情報が記録されている。また、配信情報41bとして、各種コンテンツサーバ14a,14b、健康管理サーバ16、ランナーズサーバ17から受信してリスト端末用に加工した配信情報が記憶されている。「リスト端末用に加工」とは、腕時計サイズであるリスト端末11の画面に合わせてコンテンツ情報を編集するなどの処理を施すことである。
【0046】
リスト端末サーバ15は、このリスト端末用メモリ41を参照して、各種コンテンツ情報をユーザ別に選択的に受信し、それぞれに加工処理してリスト端末用メモリ41に蓄積する。
【0047】
図9は情報配信に関する携帯端末12の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、携帯端末12に備えられたCPU31がメモリ35に記憶されたプログラム35aを読み込むことにより実行される。
【0048】
まず、ユーザが携帯端末12の画面上に設けられた図示せぬ設定アイコンをタップして「リスト端末設定」の機能を起動する。「リスト端末設定」の機能が起動されると(ステップB11のYes)、携帯端末12(詳しくはCPU31)は、ネットワーク13を介してリスト端末サーバ15に接続し、リスト端末サーバ15からリスト端末設定用の所定の設定画面を受信して表示する(ステップB12)。
【0049】
ユーザが携帯端末12の画面上で設定操作を行うと(ステップB13)、携帯端末12は、その設定操作によって設定された情報をメモリ35に保持しておくと共に、リスト端末サーバ15に送信して(ステップB14)、リスト端末サーバ15のリスト端末用メモリ41に当該設定情報を登録する(ステップB15)。
【0050】
なお、このときの設定情報をリスト端末11に送るようにしても良い。これにより、ユーザがリスト端末11の画面で設定内容をいつでも確認することができる。
【0051】
予め設定された巡回時間になると(ステップB16のYes)、携帯端末12は、ネットワーク13を介してリスト端末サーバ15にアクセスして、リスト端末用メモリ41に蓄積されているコンテンツ情報を受信する(ステップB17)。このとき受信したコンテンツ情報は、メモリ35の所定のエリアに記憶される。そして、リスト端末11から配信要求があったときに(ステップB18のYes)、携帯端末12は、上記メモリ35の所定のエリアに記憶されたコンテンツ情報を読み出してリスト端末11に転送する(ステップB19)。携帯端末12からリスト端末11に転送されたコンテンツ情報は、リスト端末サーバ15にて既にリスト端末用に加工済みである。
【0052】
リスト端末11に転送されたコンテンツ情報は、ユーザが所定の動作を行うことで、予め設定された優先順位に従って表示される。所定の動作とは、手首を回す動作(フリップ動作)である。
【0053】
(b)健康管理サービス
ユーザは、健康を管理する健康管理サーバ16に加入している。健康管理サーバ16は、ユーザの日常生活の活動から健康管理に役立つメッセージを配信するなどのサービスを行う。日常生活の活動とは、例えば1日の行動として食事(朝食)→歩行(通勤)→仕事→食事(昼食)→ジョギング→仕事→歩行(退勤)→食事(夕食)→睡眠などである。
【0054】
健康管理サーバ16へのアクセスは携帯端末12側で行う。つまり、携帯端末12には健康管理アプリが搭載されている。リスト端末11から動き検出センサのデータを受信すると、ユーザが何をしているかなどを解析して、例えば5分毎に健康管理サーバ16に送る。
【0055】
以下に、リスト端末11の動作と携帯端末12の動作に分けて、健康管理サービスに関する動作を詳しく説明する。
【0056】
(リスト端末11の動作)
図10は健康管理サービスに関するリスト端末11の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、リスト端末11に備えられたCPU21がメモリ25に記憶されたプログラム25aを読み込むことにより実行される。また、後述する
図12、
図14および
図15のフローチャートで示される処理についても同様であり、CPU21がプログラム25aを読み込むことにより実行される。
【0057】
リスト端末11(詳しくはCPU21)は、センサ部26に備えられた動き検出センサの出力があるか否かチェックする(ステップC11)。動き検出センサの出力がある場合(ステップC11のYes)、リスト端末11は、ユーザがリスト端末11を身に付けて行動しているものと判断し、そのときに動き検出センサから出力される動きデータを取得する(ステップC12)。
【0058】
ここで、リスト端末11の近くに携帯端末12があり、近距離無線通信可能な状態にあれば(ステップC13のYes)、リスト端末11は、その間に動き検出センサから得られる動きデータを携帯端末12にリアルタイムに送信する(ステップC14)。
【0059】
一方、近距離無線通信可能な状態でない場合、つまり、例えば携帯端末12を家に置いて、リスト端末11だけを身に付けて行動している場合には(ステップC13のNo)、リスト端末11は、その間に得られる動きデータをメモリ25の所定のエリアに蓄積しておく(ステップC15)。そして、近距離無線通信可能な状態になったときに(ステップC16,C17)、リスト端末11は、メモリ25の所定のエリアに蓄積された動きデータを一括して携帯端末12に送信する(ステップC18)。
【0060】
(携帯端末12の動作)
図11は健康管理サービスに関する携帯端末12の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、携帯端末12に備えられたCPU31がメモリ35に記憶されたプログラム35aを読み込むことにより実行される。また、後述する
図13のフローチャートで示される処理についても同様であり、CPU31がプログラム35aを読み込むことにより実行される。
【0061】
今、携帯端末12では、健康管理アプリが起動されているものとする。
【0062】
携帯端末12(詳しくはCPU31)は、データを受信すると(ステップD11のYes)、そのデータがリスト端末11からリアルタイムで送られて来る動きデータか否かを判断する(ステップD12)。
【0063】
受信データがリスト端末11からリアルタイムで送られて来る動きデータであれば(ステップD12のYes)、携帯端末12は、その動きデータをメモリ35の所定のエリアに蓄積する(ステップD13)。そして、動きデータが所定時間分蓄積されたら(ステップD14のYes)、携帯端末12は、メモリ35から読み出して、どのように活動していのかを解析する(ステップD15)。
【0064】
動きデータを所定時間分蓄積しておくのは、ある程度の時間幅で解析しないと、ユーザの行動を正しく判断できないためである。解析された結果は、所定時間(例えば5分)毎に携帯端末12からネットワーク13を介して健康管理サーバ16に送られる(ステップD16)。
【0065】
一方、リスト端末11から動きデータが一括して送られてきた場合、つまり、上記ステップC15で蓄積された動きデータが送られて来た場合には(ステップD17のYes)、携帯端末12は、その蓄積データを用いて解析処理を行う(ステップD18)。解析された結果は、所定時間(例えば5分)毎に携帯端末12からネットワーク13を介して健康管理サーバ16に送られる(ステップD16)。
【0066】
また、リスト端末11にはGPS部28が設置されており、利用者がリスト端末11を装着して行動している間、現在の位置データが携帯端末12に送られてくる。携帯端末12は、リスト端末11から位置データを受信した場合には(ステップD19のYes)、移動経路や移動速度などを解析する(ステップD20)。この解析結果は上記動きデータの解析同様に携帯端末12からネットワーク13を介して健康管理サーバ16に送られる(ステップD16)。
【0067】
このように、リスト端末11を身に付けておくだけで、ユーザの日常生活の活動に関するデータが採取され、携帯端末12と通信可能な状態になったときに携帯端末12に送られて解析される。解析された結果は健康管理サーバ16に送られる。これにより、携帯端末12を持ち歩かなくとも、健康管理サーバ16から健康管理に関するアドバイスなどを受けることができる。
【0068】
(c)ランナーズサービス
ユーザは、健康管理サーバ16とは別にランナーズサーバ17にも加入している。ランナーズサーバ17は、ユーザのランニングをアドバイスするサイトであり、ランニングした距離やコースを登録することで、他の人と比較するなどのサービスを提供している。
【0069】
ユーザは携帯端末12を持ち、ランニングアプリを起動してランニングする。ランニング中の位置データは携帯端末12のGPS部36で記録され、ユーザ操作でランナーズサーバ17に送信される。
【0070】
一方、携帯端末12を置いてランニングした場合には、リスト端末11のGPS部28で位置データが記録される。携帯端末12と通信可能な状態になったときに、その記録された位置データが携帯端末12からリスト端末11に送られ、ランニングしたと判断されると自動的にランナーズサーバ17に送信される。また、ランニングではなく、例えば携帯端末12を置いて別の部屋の会議室に移動することなどがある。このような場合には、位置データは上述した健康管理アプリに出力される。
【0071】
以下に、リスト端末11の動作と携帯端末12の動作に分けて、ランニングサービスに関する動作を詳しく説明する。
【0072】
(リスト端末11の動作)
図12はランニングサービスに関する携帯端末12の動作を示すフローチャートである。
【0073】
リスト端末11(詳しくはCPU21)では、携帯端末12との間で近距離無線通信が可能な状態であるか否かを判断する(ステップE11)。近距離無線通信が可能な状態でなかった場合には(ステップE11のNo)、リスト端末11は、ユーザが携帯端末12を置いてランニング中あるいは何らかの行動をしているものと判断し、そのときにリスト端末11のGPS部28で検出される位置データをメモリ25の所定のエリアに記録する(ステップE12)。
【0074】
ここで、ユーザが携帯端末12の近くに戻り、リスト端末11と携帯端末12とが近距離無線通信が可能な状態になると(ステップE13のYes)、リスト端末11は、上記メモリ25の所定のエリアに記録された位置データを携帯端末12に送信する(ステップE14)。
【0075】
(携帯端末12の動作)
図13はランニングサービスに関する携帯端末12の動作を示すフローチャートである。
【0076】
まず、携帯端末12(詳しくはCPU31)は、ランナーズアプリが起動されているか否かを判断する(ステップF11)。ランナーズアプリが起動されている場合(ステップF11のYes)、携帯端末12は、ユーザがランニング中であると判断し、そのときに携帯端末12のGPS部36で検出される位置データをメモリ25の所定のエリアに記録する(ステップF12)。
【0077】
なお、ランナーズアプリが起動されている場合には携帯端末12が優先であり、リスト端末11から位置データが送られて来ても、その位置データは使用せずに、携帯端末12で検出された位置データをランニング用のデータとして使用するものとする。
【0078】
ここで、ユーザにより所定の送信操作があると(ステップF13のYes)、メモリ25の所定のエリアに記録された位置データがネットワーク13を介してランナーズサーバ17に送信される(ステップF14)。また、この位置データはユーザの日常生活の活動を把握する上でも必要なデータなので、健康管理アプリにも出力される(ステップF15)。
【0079】
一方、ランナーズアプリが起動されていない場合において(ステップF11のNo)、携帯端末12は、リスト端末11から位置データを受信すると(ステップF16のYes)、その位置データを解析して(ステップF17)、ユーザがランニング中であるか否かを判断する(ステップF18)。この場合、予めランニングコースとして登録された経路を移動中であったり、徒歩よりも速い速度で移動している状態であれば、ランニング中であると判断できる。
【0080】
ランニング中と判断した場合(ステップF18のYes)、携帯端末12は、リスト端末11から受信した位置データをランナーズサーバ17に送信する(ステップF14)。また、携帯端末12は、このときの位置データを健康管理アプリに出力する(ステップF15)。
【0081】
また、例えば移動距離が短かったり、移動速度が遅いような場合には、ランニング中ではなく、単に場所を移動しただけであると判断される。ランニング中でないと判断した場合(ステップF18のNo)、携帯端末12は、リスト端末11から受信した位置データをランナーズサーバ17には送信せずに、健康管理アプリにだけ出力する(ステップF19)。
【0082】
このように、携帯端末12を持ってランニングすれば、その間に検出された位置データをランナーズサーバ17に送ることで、ランニングに関するアドバイスなどを受けることができる。また、携帯端末12を置いてランニングした場合には、リスト端末11から受信した位置データをランナーズサーバ17に送ることで、上記同様にランニングに関するアドバイスなどを受けることができる。
【0083】
(d)情報取得・情報表示
リスト端末11は、携帯端末12を通じてネット上の各種コンテンツ情報を取得して表示することができる。各種コンテンツ情報には、上述した健康管理サーバ16やランナーズサーバ17から提供される情報も含まれる。
図9で説明したように、これらの情報はリスト端末サーバ15にて一旦リスト端末用に加工処理されてから携帯端末12を通じてリスト端末11に与えられる。
【0084】
図14はリスト端末11の情報取得処理の動作を示すフローチャートである。
【0085】
リスト端末11(詳しくはCPU21)は、一定時間毎に携帯端末12との接続状態を確認し(ステップG11)、通信可能か否かを判断する(ステップG12)。通信可能な場合、つまり、リスト端末11と携帯端末12とが近距離無線通信可能な状態にあれば(ステップG12のYes)、リスト端末11は、携帯端末12からコンテンツ情報を受信して、メモリ35の所定のエリアに記憶しておく(ステップG13)。このコンテンツ情報は、携帯端末12がリスト端末サーバ15から定期的に受信したものであり(
図9のステップB17参照)、リスト端末用に加工処理されている。
【0086】
図15はリスト端末11の情報表示処理の動作を示すフローチャートである。
【0087】
リスト端末11(詳しくはCPU21)は、センサ部26に備えられた動き検出センサの出力データを解析し、その解析結果に基づいてユーザがどのような動きをしているのかを判断する(ステップH11)。
【0088】
ここで、ユーザが手首を回している場合(ステップH12のYes)、リスト端末11は、
図4に示したフリップ動作をしているものと判断し、基準画面である時計画面から情報表示に切り替える。すなわち、リスト端末11は、ユーザが手首を回した回数に基づいてメモリ25の所定のエリアから各種情報を選択的に読み出し、これを表示部22の画面に表示する(ステップH13)。上記各種情報には、健康管理サーバ16やランナーズサーバ17からのアドバイスも含まれる。この場合、各種情報を表示する順番は、予め設定されているものとする。
【0089】
また、ユーザが腕を下げた動作を行った場合(ステップH14のYes)、リスト端末11は、情報表示から基準画面である時計画面に戻す(ステップH15)。
【0090】
以上のように本実施形態によれば、身体に装着可能な形状を有するリスト端末11と、このリスト端末11と近距離無線通信により接続可能な多機能型の携帯端末12を用いて、ユーザの健康管理を支援することができる。
【0091】
この場合、リスト端末11には加速度センサ等の動き検出センサが設置されている。したがって、リスト端末11を身に付けていれば、携帯端末12を常に持ち歩かなくとも、ユーザの日常生活の動きを測定でき、その測定結果をリスト端末11から携帯端末12を通じて健康管理サーバ16に送ることで、健康管理に関するアドバイスを受けることができる。
【0092】
また、リスト端末11にはGPSによる位置検出機能が備えられている。したがって、このリスト端末11を身に付けていれば、携帯端末12を常に持ち歩かなくとも、ランニングしたときの走行距離を測定でき、その測定結果をリスト端末11から携帯端末12を通じてランナーズサーバ17に送ることで、ランニングに関するアドバイスを受けることができる。
【0093】
一方、携帯端末12にもGPSによる位置検出機能が備えられているので、携帯端末12を持ちながらランニングすれば、そのときの走行距離を測定してランナーズサーバ17に送ることができる。
【0094】
また、リスト端末11では、携帯端末12で受信したネット上の各種情報を確認できる。この場合、ユーザがリスト端末11を持ちながら所定の動作を行うことで、これらの情報の中から予め設定された項目に関する情報が選択的に表示される。したがって、情報表示のための面倒な操作をしなくとも、いつでも簡単に必要な情報のみを表示して確認することができる。
【0095】
このリスト端末11はユーザの手首に装着可能な腕時計の形状を有し、カバン等に入れた携帯端末から近距離無線通信により各種情報を取得する。ユーザはこのリスト端末11を手首に装着した状態で、手首を回すといった動作を行うだけで、これらの情報を選択的に見ることができる。
【0096】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0097】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
身体に装着可能な形状を有する第1の端末と、この第1の端末と近距離無線通信により接続可能な第2の端末とを備えた行動管理システムにおいて、
上記第1の端末は、
ユーザの行動データを測定する測定手段と、
この測定手段によって測定された行動データを記録する記録手段と、
上記第2の端末との通信状態に応じて、上記測定手段によって測定された行動データをリアルタイムに上記第2の端末に送信するか、あるいは、上記記録手段に蓄積された行動データを一括して上記第2の端末に送信する通信制御手段とを具備し、
上記第2の端末は、
上記第1の端末から受信した行動データを解析する解析手段と、
上記行動データの種類に応じてネット上の所定のサーバにアクセスし、上記解析手段によって得られたデータを送信して当該サーバのサービスを受けるサーバアクセス手段と
を具備したことを特徴とする行動管理システム。
【0098】
[2]
上記測定手段は、
上記行動データとしてユーザの日常生活の動きデータを測定することを含み、
上記サーバアクセス手段は、
上記行動データが上記動きデータの場合に健康管理を支援する第1のサーバにアクセスして上記動きデータを送信し、健康管理に関するアドバイスを受けることを特徴とする[1]記載の行動管理システム。
【0099】
[3]
上記測定手段は、
上記行動データとしてユーザの現在位置を示す位置データを測定することを含み、
上記サーバアクセス手段は、
上記行動データが上記位置データであり、ユーザがランニング中と判断できる場合にランニングを支援する第2のサーバにアクセスして上記位置データを送信し、ランニングに関するに関するアドバイスを受けることを特徴とする[1]記載の行動管理システム。
【0100】
[4]
上記第2の端末は、
ユーザの現在位置を測定する位置測定手段を備え、
上記サーバアクセス手段は、
所定の操作により、上記第2のサーバにアクセスし、上記位置測定手段によって測定された位置データを送信することを特徴とする[1]記載の行動管理システム。
【0101】
[5]
上記第1の端末は、
上記第2の端末から各種情報を取得する情報取得手段と、
ユーザの所定の動作により、上記情報取得手段によって取得された各種情報の中から予め設定された項目に関する情報を選択的に表示する表示制御手段と
をさらに具備したことを特徴とする[1]記載の行動管理システム。
【0102】
[6]
上記第1の端末は、
ユーザの手首に装着可能な腕時計の形状を有し、
上記情報取得手段は、
上記第1の端末がユーザの手首に装着された状態で、上記第1の端末の近くに存在する上記第2の端末から近距離無線通信により各種情報を取得することを特徴とする請求項[5]記載の行動管理システム。
【0103】
[7]
身体に装着可能な形状を有する第1の端末と、この第1の端末と近距離無線通信により接続可能な第2の端末とを用いて、ユーザの行動を管理するための方法であって、
上記第1の端末は、
ユーザの行動データを測定し、
この測定された行動データをメモリに記録し、
上記第2の端末との通信状態に応じて、上記測定された行動データをリアルタイムに上記第2の端末に送信するか、あるいは、上記メモリに蓄積された行動データを一括して上記第2の端末に送信し、
上記第2の端末は、
上記第1の端末から受信した行動データを解析し、
上記行動データの種類に応じてネット上の所定のサーバにアクセスし、上記行動データの解析結果を送信して当該サーバのサービスを受けることを特徴とする行動管理方法。