(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記光色指定情報が変更されたとき、新たな前記出力情報に基づく前記出力レベルに対し、現在の前記出力レベルを徐々に変化させるフェード制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態の照明装置は発光色の異なる2種以上からなる複数の発光素子を光源として備えた光源部と;前記光源部で生成可能な照明光の光色と
この光色における複数の光束に対し前記各発光素子の出
力の関係を示す光色特性情報を
光色ごとに格納する記憶部と;前記照明光の光色を指定するための光色指定情報
および光束を指定する光束指定情報を入力する入力部と;前記光色特性情報に基づいて前記光色指定情報
および光束指定情報を前記各発光素子の出力情報に変換し、当該出力情報に基づいて前記各発光素子の出力レベルを制御する制御部と;を具備し
、前記制御部は、前記光色指定情報および前記光束指定情報に基づいて指定された光色および光束のうち、光色または光束の少なくとも一方が前記光色特性情報に無い場合、当該光源部において生成可能な光色および光束のうち前記指定された光色指定情報および光束指定情報に最も近い光色および光束から前記光色特性情報に無い前記出力情報を演算し前記各発光素子の出力レベルを制御する。
【0012】
また、本実施形態の照明システムは、複数の前記照明装置と;前記各照明装置とそれぞれ通信可能に接続され、前記各照明装置に対して前記光色指定情報を出力する中央制御装置と;を具備したことを特徴としている。
【0013】
本発明及び以下の請求項の各発明に係わる実施形態において、特に限定しない限り、用語の意義及び技術的意味は次による。
【0014】
発光素子とは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を好適に採用することが可能であるが、これに限定されるものではなく、例えば、有機EL等の発光体であっても良い。
【0015】
入力部とは、各種インターフェースを用いることが可能であり、有線、無線を問わない。
【0016】
光色指定情報としては、色度図上のx−y座標や色温度を好適に用いることが可能であるが、これらに限定されるものではなく、発光部において生成すべき照明光の光色を指定することが可能なパラメータであればよい。
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係わり、
図1は照明システムの構成図、
図2は照明装置に対して送信される制御信号のデータ構造の一例を示す図、
図3はリレーに対して送信される制御信号のデータ構造の一例を示す図、
図4は色度図、
図5は色度図上の座標から各発光ダイオードの出力比を演算するためのテーブルの一例を示す図、
図6,7は調光レベルの設定制御ルーチンを示すフローチャート、
図8は調光率演算についての説明図、
図9は調光レベルのフェード制御ルーチンを示すフローチャート、
図10は調光レベル変化幅のテーブルに一例を示す図、
図11は調光レベルの切替過渡時におけるフェード制御の一例を示す図、
図12,13は照明装置の変形例を示す構成図である。
【0018】
図1に示す照明システム1は、例えば、オフィスビルや各種施設等において好適に用いられるものである。この照明システム1は、システム全体を統括制御する中央制御装置5と、建物の壁等に設置されたスイッチ6と、LEDを光源とする複数の照明装置L1、L2、…、Lnと、各照明装置L1、L2、…、Lnに電源を供給する電源部7と、を有して構成されている。ここで、本実施形態の照明システム1において、各照明装置L1、L2、…、Lnにはそれぞれ固有のアドレス#が割り付けられており、これらは、例えば、スイッチ6とともに、信号伝送ライン10を介して中央制御装置5に接続されている。また、各照明装置L1、L2、…、Lnは、給電ライン11を介して電源部7に接続されている。なお、以下の説明においては、適宜、照明装置L1、L2、…、Lnを照明装置Lと総称する。
【0019】
中央制御装置5は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有して構成されている。中央制御装置5は、例えば、スイッチ6に対する操作信号が信号伝送ライン10を介して入力され、この操作信号に応じた制御データを、該当する照明装置Lに対し、信号伝送ライン10を介して伝送することが可能となっている
具体的に説明すると、スイッチ6は、例えば、各アドレス#の照明装置Lの光色や光束等を指定するための調光操作部や、各アドレス#の照明装置Lのオン/オフ切替を行うためのオン/オフ操作部等(何れも図示せず)を有する。そして、このようなスイッチ6の各操作部に対する操作信号が信号伝送ライン10を介して入力されると、中央制御装置5は、操作信号に応じた伝送フレームを生成する。
【0020】
例えば、スイッチ6の調光操作部に対する操作入力が行われた場合、中央制御装置5は、照明装置Lに対して制御データを伝送するための伝送フレーム15を生成する。この伝送フレーム15は、例えば、
図2に示すように、照明装置のアドレスデータ15a、照明光の光色を指定するための光色指定情報としての光色制御コマンド15b、及び、照明光の光束を指定するための光束指定情報としての光束制御コマンド15cを順に並べて構成されたフォーマットを有する。ここで、本実施形態における光色制御コマンド15bとしては、例えば、色度図(
図4参照)上の色温度が設定される。また、色温度に代えて、色度図上のx−y座標を、光色制御コマンド15bとして設定することも可能である。なお、色温度は相関色温度として以下説明する。
【0021】
また、例えば、スイッチ6のオン/オフ操作部に対する操作入力が行われた場合、中央制御装置5は、電源回路へ供給される電力、言い換えると電源回路部および光源部20で消費する電力をオンオフ制御するための制御データを伝送するための伝送フレーム16を生成する。この伝送フレーム16は、例えば、
図3に示すように、照明装置Lのアドレスデータ16a、及び、オン/オフ状態を指定するための電源制御コマンド16bを順に並べて構成されたフォーマットを有する。
【0022】
そして、中央制御装置5は、生成した伝送フレーム15(或いは、伝送フレーム16)を、信号伝送ライン10を介して照明装置Lに対して伝送する。
【0023】
図1に示すように、照明装置Lは、光源部20と、記憶部21と、伝送部22と、制御部23と、電源回路24と、を有して構成されている。電源回路24は、リレー(図示せず)が内蔵され、制御部23が上述のオンオフ制御するための伝送フレーム16を受信すると、制御部23はこのリレーのオンオフ制御を行う。これによって、照明装置Lを消灯状態に制御している場合には電源回路24で消費される待機電力をカットすることができる。
【0024】
光源部20は、発光色の異なる2種以上からなる複数のLED25を光源として有する。この光源部20として、本実施形態の各照明装置Lには、例えば、異なる2種類の仕様の電源部のうちの何れかが採用されている。
【0025】
これらの光源部のうち、一方の光源部20(以下、第1の光源部20Aともいう)は、例えば、相関色温度が3000K近辺の電球色の光を発光するLED25Lと、相関色温度が6500K近辺の昼光色の光を発光するLED25Nと、を光源として有する。第1の光源部20Aは、後述する調光制御において、LED25LとLED25Nの各出力レベルが可変に制御されることにより、上記電球色と昼光色の相関色温度を結ぶ線上における任意の混光色の照明光を生成することが可能となっている。
【0026】
また、他方の光源部20(以下、第2の光源部20Bともいう)は、例えば、赤色発光するLED25Rと、緑色発光するLED25Gと、青色発光するLED25Bと、を光源として有する。そして、この第2の光源部20Bは、後述する調光制御において、LED25RとLED25GとLED25Bの各出力レベルが可変に制御されることにより、色度図上において略任意の混光色の照明光を生成することが可能となっている。
【0027】
なお、
図1に示す本実施形態の照明システム1において、例えば、照明装置L1等に第1の光源部20Aが採用され、照明装置L2、Ln等に第2の光源部20Bが採用されている。
【0028】
記憶部21は、例えば、RAM等によって構成され、照明装置Lの各種制御情報等を格納する。本実施形態において、この記憶部21には、制御部23で実行される各種制御プログラム等の他に、当該照明装置Lに割り付けられたアドレス情報や、光源部20で生成可能な照明光の光色と各LED25の出力との関係を示す光色特性情報等が格納されている。この場合、例えば、第1の光源部20Aを備えた照明装置L(照明装置L1等)の記憶部21には、例えば、
図5(a)〜(d)に示すように、光色特性情報として、第1の光源部20Aで生成可能な照明光の各光色(例えば、相関色温度により指定)と、当該各光色を実現するための各LED25L、25Nの光束毎の各調光率(出力)との関係をテーブル化した情報が格納される。図示しないが、同様に、例えば、第2の光源部20Bを備えた照明装置L(照明装置L2、Ln等)の記憶部21には、光色特性情報として、第2の光源部20Bで生成可能な照明光の各光色(例えば、相関色温度により指定)と、当該各光色を実現するための各LED25R、25G、25Bの光束毎の各調光率(出力)との関係をテーブル化した情報が格納される。
【0029】
伝送部22は、信号伝送ライン10と接続してデータ授受を行うための伝送インターフェースであり、中央制御装置5で生成された伝送フレーム15,16の各種制御情報等を入力可能な力部としての機能を具備している。
【0030】
制御部23は、記憶部21に予め格納されたプログラム等に従って各種制御を行う。この制御の1つとして、制御部23は、中央制御装置5から伝送される電源制御コマンドに基づいて、電源回路24に内蔵されたリレーのオン/オフ制御(光源部20のオン/オフ制御)を行う。また、制御部23は、中央制御装置5から伝送される光色制御コマンド及び光束制御コマンドに基づいて、各LED25の出力レベル制御を行う。すなわち、制御部23は、例えば、記憶部21に格納されているテーブルに基づいて、光色制御コマンドを各LED25の出力情報に変換する。より具体的には、制御部23は、光色制御コマンドと光束制御コマンドとに基づいて、所望の相関色温度及び光束を得るために必要な各LED25に対する出力情報を演算する。そして、制御部23は、各出力情報に基づいて各LED25の調光レベル信号を生成し、この調光レベル信号に基づく電源回路24に対する制御を通じて、電源部7から各LED25に印加する駆動電圧を制御することにより、各LED25の出力レベルを制御する。
【0031】
次に、制御部23において実行される調光レベルの設定制御について、
図6に示す調光レベル設定制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。なお、以下に示す調光レベルの設定制御は、例えば、光源部20Aを備えた照明装置Lの制御部23において実行される一例について説明するものである。
【0032】
このルーチンは、例えば、該当するアドレスの新たな伝送フレーム15が伝送部22を通じて入力される毎に実行されるものである。このルーチンがスタートすると、制御部23は、先ず、ステップS101において、光色制御コマンドが指定する相関色温度が、光源部20Aにおいて生成可能な相関色温度範囲内にあるか否かを判定する。すなわち、制御部23は、光色制御コマンドが指定する相関色温度が、例えば、各LED25L、25Nにより生成可能な相関色温度の最小値3000Kから最大値6500Kの間に存在するか否かを判定する。
【0033】
そして、ステップS101において、光色制御コマンドが指定する相関色温度が光源部20Aにおいて生成可能な相関色温度範囲内にあると判定した場合、制御部23は、ステップS102に進み、光色制御コマンドが指定する相関色温度と一致する相関色温度テーブルが存在するか否かを調べる。
【0034】
そして、ステップS102において、光色制御コマンドが指定する相関色温度と一致する相関色温度テーブルが存在すると判定した場合、制御部23は、ステップS103に進み、該当する相関色温度のテーブルを読出した後、ステップS105に進む。
【0035】
一方、ステップS101において、光色制御コマンドが指定する相関色温度が光源部20Aにおいて生成可能な相関色温度範囲にないと判定した場合、制御部23は、ステップS104に進み、光色制御コマンドが指定する相関色温度に一番近い相関色温度のテーブルを読み出した後、ステップS105に進む。すなわち、制御部23は、光色制御コマンドが指定する相関色温度に対応する相関色温度テーブルとして、最小となる3000Kの相関色温度テーブル(
図5(a)参照)、或いは、最大となる6500Kの相関色温度テーブル(
図5(d)参照)を読み出す。
【0036】
また、ステップS102において、光色制御コマンドが指定する相関色温度と一致する相関色温度テーブルが存在しないと判定した場合、制御部23は、ステップS110に進み、光色制御コマンドが指定する相関色温度に一番近い上下の相関色温度テーブルを読出した後、ステップS111に進む。すなわち、制御部23は、例えば、光色制御コマンドが指定する相関色温度が3500Kである場合、3000Kの相関色温度テーブルと4000Kの相関色温度テーブルとを読出す。
【0037】
ステップS103或いはステップS104からステップS105に進むと、制御部23は、光束制御コマンドが指定する光束が相関色温度テーブルに設定された光束範囲内(例えば、100lm〜5000lmの範囲内)であるか否かを調べる。
【0038】
そして、ステップS105において、光束制御コマンドが指定する光束が相関色温度テーブルに設定された光束範囲内であると判定した場合、制御部23は、ステップS106に進み、光束制御コマンドが指定する光束に一致する光束が、ステップS103或いはステップS104で読み出した相関色温度テーブル上に存在するか否かを調べる。
【0039】
そして、ステップS106において、一致する光束テーブルが存在すると判定した場合、制御部23は、ステップS107に進み、相関色温度テーブル上の該当する光束テーブルを読み出し、当該テーブルに設定されている各調光率を新たな制御情報として設定した後、ルーチンを抜ける。
【0040】
一方、ステップS105において、光束制御コマンドが指定する光束が相関色温度テーブルに設定された光束範囲外であると判定した場合、制御部23はステップS108に進み、相関色温度テーブル上の一番近い光束テーブル(例えば、光束100lm或いは5000lmのテーブル)を読み出し、当該テーブルに設定されている各調光率を新たな制御情報として設定した後、ルーチンを抜ける。
【0041】
また、ステップS106において、一致する光束テーブルが存在しないと判定した場合、制御部23は、ステップS109に進み、光束制御コマンドが指定する光束に一番近い上下の光束テーブルを読み出し、これら各光束テーブルに設定されている調光率に基づいて新たな調光率を制御情報として演算した後、ルーチンを抜ける。
【0042】
例えば、現在3000Kの相関色温度テーブルが読み出されており、光束制御コマンドが指定する光束が150lmである場合、
図5(a)及び
図8に示す(1)、(3)の関係から、
電球色LED25Lの調光率=(a+b)×150/(100+200)%
昼光色LED25Nの調光率=(A+B)×150/(100+200)%
を算出する。
【0043】
また、ステップS110からステップS111に進むと、制御部23は、光束制御コマンドが指定する光束が相関色温度テーブルに設定された光束範囲内(例えば、100lm〜5000lmの範囲内)であるか否かを調べる。
【0044】
そして、ステップS111において、光束制御コマンドが指定する光束が相関色温度テーブルに設定された光束範囲内であると判定した場合、制御部23は、ステップS112に進み、光束制御コマンドが指定する光束に一致する光束が、ステップS110で読み出した各相関色温度テーブル上に存在するか否かを調べる。
【0045】
そして、ステップS112において、一致する光束テーブルが存在すると判定した場合、制御部23は、ステップS113に進み、異なる相関色温度間の各調光率に基づいて新たな調光率を制御情報として演算した後、ルーチンを抜ける。
【0046】
例えば、現在光色制御コマンドが指定する相関色温度が3500Kであり、3000Kの相関色温度テーブルと4000Kの相関色温度テーブルとが読み出されており、光束制御コマンドが指定する光束が100lmである場合、
図5(a),(b)及び
図8に示す(1)、(2)の関係から、
電球色LED25Lの調光率=(a+d)×3500/(3000+4000)%
昼光色LED25Nの調光率=(A+D)×3500/(3000+4000)%
を算出する。
【0047】
一方、ステップS112において、一致する光束テーブルが存在しないと判定した場合、制御部23は、ステップS114に進み、各相関色温度テーブル上において、光束制御コマンドが指定する光束に一番近い上下の光束テーブルを読み出した後、ステップS115に進む。
【0048】
そして、ステップS115において、制御部23は、相関色温度毎に調光率を演算し、さらに、これら異なる相関色温度間での新たな調光率を制御情報として演算した後、ルーチンを抜ける。
【0049】
例えば、現在光色制御コマンドが指定する相関色温度が3500Kであり、3000Kの相関色温度テーブルと4000Kの相関色温度テーブルとが読み出されており、光束制御コマンドが指定する光束が150lmである場合、
図5(a),(b)及び
図8に示す(1)〜(4)の関係から、各調光率を演算する。すなわち、テーブル(1)、(3)から、
電球色LED25Lの調光率=(a+b)×150/(100+200)=V%
昼光色LED25Nの調光率=(A+B)×150/(100+200)=X%
テーブル(2)、(4)から、
電球色LED25Lの調光率=(d+e)×150/(100+200)=Y%
昼光色LED25Nの調光率=(D+E)×150/(100+200)=Z%
となり、最終的な各調光率
電球色LED25Lの調光率=(V+Y)×3500/(3000+4000)%
昼光色LED25Nの調光率=(X+Z)×3500/(3000+4000)%
を算出する。
【0050】
また、ステップS111において、光束制御コマンドが指定する光束が相関色温度テーブルに設定された光束範囲外であると判定した場合、制御部23は、ステップS116に進み、各相関色温度テーブル上の一番近い光束テーブルを読み出した後、ステップS117に進む。
【0051】
そして、ステップS117において、異なる相関色温度間の各調光率に基づいて新たな調光率を制御情報として演算した後、ルーチンを抜ける。
【0052】
例えば、現在光色制御コマンドが指定する相関色温度が3500Kであり、3000Kの相関色温度テーブルと4000Kの相関色温度テーブルとが読み出されており、光束制御コマンドが指定する光束が100lmである場合、
図5(a),(b)及び
図8に示す(1)、(2)の関係から、
電球色LED25Lの調光率=(a+d)×3500/(3000+4000)%
昼光色LED25Nの調光率=(A+D)×3500/(3000+4000)%
を算出する。
【0053】
このように新たな制御情報として各LED25L、25Nの調光率を演算すると、制御部23は、フェード制御によって、現在の調光レベルを新たな調光レベルへと移行させる。この移行は、例えば、
図9に示す調光レベルのフェード制御ルーチンに従って行われる。このルーチンがスタートすると、制御部23は、先ず、ステップS201において、現在の制御中の調光率に基づいて、各LED25L、25Nにより生成される混光色の相関色温度を演算する。
【0054】
続くステップS202において、制御部23は、予め設定されたテーブル等を読み出す。すなわち、例えば、
図10に示すように、記憶部21には、混光による相関色温度と調光レベルの変化幅Δdとの関係を示すテーブルが予め設定されて格納されており、制御部23は、このテーブルを参照して、混光色の相関色温度に応じた調光レベルの変化幅Δdを設定する。
【0055】
そして、ステップS203において、制御部23は、ステップS202で設定した調光レベルの変化幅Δdを用いてフェード制御を行う。
【0056】
続くステップS204において、制御部23は、現在の調光レベルが新たな制御情報に基づく調光レベルに到達したか否かを調べることにより、調光レベルの移行が完了したか否かを調べ、移行が完了していないと判定した場合には、ステップS201に戻る。
【0057】
一方、ステップS204において、新たな調光レベルへの移行が完了したと判定した場合、制御部23は、ルーチンを抜ける。
【0058】
このような制御により、例えば、
図11に示すように、相関色温度に応じた変化量にて、調光レベルが違和感なくフェード制御される。ここで、上述のようなフェード制御は、例えば、制御パラメータとして、相関色温度に代えて光束を用いることも可能である。或いは、上述の処理に代えて、周知の正弦波を基にしたフィルタ処理等によって、フェード制御を行うことも可能である。 また、制御する相関色温度に応じて制御数を変化させてもよい。制御数とは、光源部の出力を変化させる数であり、例えば、調光率を5%ずつ変化させていた場合に調光率を1%ずつ変化させることで制御数が増加することになる。このように、色の変化を感じやすい相関色温度の場合には制御数を増やし、色の変化を感じにくい相関色温度の場合には制御数を減らすことで光色の変化を感じにくくすることができる。また、相関色温度の幅によって調光レベルの変化幅を記憶する場合について説明したが、これに限定されることなく、相関色温度に対する変化幅の関数としてテーブルを記憶しておき、都度読みだすようにしてもよい。
【0059】
このような実施形態によれば、発光色の異なる2種以上からなる複数のLED25を備えた光源部20と、光源部20で生成可能な照明光の光色と各LED25の出力との関係を示す光色特性情報を格納する記憶部21と、照明光の光色を指定するための光色制御コマンドを入力する伝送部22と、光色特性情報に基づいて光色制御コマンドを各LED25の出力情報に変換し当該出力情報に基づいて各LED25の出力レベルを制御する制御部23と、を具備して照明装置Lを構成することにより、高い汎用性にて、所望の光色の照明光を容易に生成することができる。すなわち、例えば、光源部20の仕様が異なる複数の照明装置Lを混在させて照明システム1を構成した場合にも、画一的な制御情報(制御コマンド)によって、調光制御等を行うことができる。
【0060】
ここで、上述の実施形態においては、照明装置Lの光源部20として、2種類のLED25L、25Nを用いた光源部20A、及び、2種類のLED25R、25G、25Bを用いた光源部20Bを例に説明したが、光源部20の仕様としてはこれらに限定されるものではなく、例えば、4種以上のLEDを光源として用いた光源部を採用することも可能である。この場合、例えば、
図12に示すように、黒体輻射軌跡上の光色に対応するLED25L、25Nと、R、G、Bの各色に対応するLED25R、25G、25Bと、を組み合わせて光源部20Cを構成することにより、幅広い光色の照明光を効率よく生成することができる。すなわち、光源部20Cを備えた照明装置Lでは、例えば、基本的には発光効率の良好なLED25L、25Nを中心とする調光制御を行い、不足する光色をLED25R、LED25G、LED24Bにおいて補うことにより、幅広い光色の照明光を効率よく生成することができる。
【0061】
また、例えば、
図13に示すように、照明装置Lをソケット27と照明装置本体28とに分離可能に構成することも可能である。このように照明装置Lを分離可能に構成し、例えば、記憶部21に格納されているテーブルを、ソケット27に装着される照明装置本体28に応じて書き換え可能な構成とすれば、より汎用性の高い照明装置Lを実現することができる。