特許第6107145号(P6107145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6107145建築物補強方法及び繊維強化接着剤シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6107145
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】建築物補強方法及び繊維強化接着剤シート
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
   E04G23/02 F
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-2699(P2013-2699)
(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-134029(P2014-134029A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108111
【氏名又は名称】セメダイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(74)【代理人】
【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
(72)【発明者】
【氏名】前川原 久志
(72)【発明者】
【氏名】馬淵 俊介
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−092582(JP,A)
【文献】 特表2014−529694(JP,A)
【文献】 再公表特許第2010/086924(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/02
C09J 9/00 −201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤組成物を介して被補強体の補強面に繊維シートを貼り付けることで建築物を補強する建築物補強方法であって、
前記接着剤組成物は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有し、
前記ポリオールは、ポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールと、2官能以上のポリプロピレングリコールとを含むものであり、
前記ポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである、建築物補強方法。
【請求項2】
前記ポリオールがポリエステルポリオールをさらに含むものである、請求項1に記載の建築物補強方法。
【請求項3】
前記ポリエステルポリオールがアジピン酸系ポリエステルポリオールである、請求項2に記載の建築物補強方法。
【請求項4】
前記ポリオールがビスフェノールA骨格を有するポリオールをさらに含むものである、請求項1から3のいずれかに記載の建築物補強方法。
【請求項5】
前記接着剤組成物は、前記ウレタンプレポリマーの出発物質としてのポリイソシアネートの外に、前記出発物質としてのポリイソシアネートと同一又は異なるポリイソシアネートをさらに含有する、請求項1から4のいずれかに記載の建築物補強方法。
【請求項6】
前記出発物質としてのポリイソシアネートと同一又は異なるポリイソシアネートがカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである、請求項5に記載の建築物補強方法。
【請求項7】
前記接着剤組成物が硬化触媒をさらに含有する、請求項1から6のいずれかに記載の建築物補強方法。
【請求項8】
前記接着剤組成物がシリカをさらに含有する、請求項1から7のいずれかに記載の建築物補強方法。
【請求項9】
前記接着剤組成物を前記繊維シートに含浸又は積層させた繊維強化接着剤層の両面に剥離シートが積層されている繊維強化接着剤シートの一方の前記剥離シートを剥がし、
露出する前記繊維強化接着剤層を、前記被補強体の補強面に貼り付けて、他方の剥離シート上から圧締し、
湿気により前記繊維強化接着剤層を硬化させる、請求項1から8のいずれかに記載の建築物補強工法。
【請求項10】
接着剤組成物を繊維シートに含浸又は積層させた繊維強化接着剤層の両面に剥離シートが積層されている繊維強化接着剤シートであって、
前記接着剤組成物は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有し、
前記ポリオールは、ポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールと、2官能以上のポリプロピレングリコールとを含むものであり、
前記ポリイソシアネートはジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである、繊維強化接着剤シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物補強方法及び繊維強化接着剤シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建築物を補強する方法として、繊維シート接着工法が普及しつつある。この工法は、炭素繊維シートに樹脂を含浸させ、コンクリート表面に接着させることにより、コンクリートの曲げ補強、剪断補強、靱性補強をするというものである。
【0003】
炭素繊維シート工法で使用する含浸用樹脂としては、従来、2液型エポキシ樹脂系が主に用いられている。しかし、2液型エポキシ樹脂系では、樹脂の計量や混合を現場で行わなければならず、作業性に劣るだけでなく、品質にばらつきが生じ得るという課題もある。また、一定の混合比で樹脂を混合しなければならないため、少なくとも一方の樹脂が余ってしまい、原材料の無駄が生じるという課題もある。また、2液を混合してからその混合液が硬化するまでの時間(ポットライフ)を考慮すると、2液の混合は少量ずつ行わなければならないという課題もある。また、混合液をコンクリート表面に塗布してから繊維シートを貼付するという工程を経るため、混合液の塗布及び繊維シートの貼付にあたり、作業者ごとに技量の差が生じ得るという課題もある。また、作業終了後において、2液を混合した容器を洗浄したり、2液が入っていた空き缶を廃棄したりしなければならず、混合後の容器の洗浄等、作業面での煩わしさを伴うという課題もある。
【0004】
上記の課題を解決するため、従来の2液エポキシ樹脂系複合材料と同等の補強効果を持ち、さらに、作業性が良好で、作業環境、資源消費の点で優れる1液エポキシ樹脂系複合材料による建築物補強方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によると、主剤と硬化剤との混合作業がなくなるため、従来の方法に比べ、作業性に優れるとともに、材料の無駄が生じないため、資源消費の点においても優れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−131823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に、被補強体は建物の基礎や柱脚等である一方、繊維シートの材質はガラス繊維や炭素繊維等である。このように、接着対象となる材料の材質が大きく異なるため、双方に対する接着性、補強効果等に関し、よりいっそう高めることが求められている。
【0007】
そこで、本発明は、被補強体と繊維シートとの接着性、及び被補強体の補強効果をよりいっそう高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、接着剤組成物の組成について鋭意研究を重ねた結果、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを有する一成分系湿気硬化型の接着剤組成物を用い、該ポリオールが、ポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールと、2官能以上のポリプロピレングリコールとの両方を含むものであり、上記ポリイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを含むようにすることで、被補強体と繊維シートとの接着性がいっそう高めることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0009】
(1)本発明は、接着剤組成物を介して被補強体の補強面に繊維シートを貼り付けることで建築物を補強する建築物補強方法であって、前記接着剤組成物は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有し、前記ポリオールは、ポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールと、2官能以上のポリプロピレングリコールとを含むものであり、前記ポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである、建築物補強方法である。
【0010】
(2)また、本発明は、前記ポリオールがポリエステルポリオールをさらに含むものである、(1)に記載の建築物補強方法である。
【0011】
(3)また、本発明は、前記ポリエステルポリオールがアジピン酸系ポリエステルポリオールである、(2)に記載の建築物補強方法である。
【0012】
(4)また、本発明は、前記ポリオールがビスフェノールA骨格を有するポリオールをさらに含むものである、(1)から(3)のいずれかに記載の建築物補強方法である。
【0013】
(5)また、本発明は、前記接着剤組成物が、前記ウレタンプレポリマーの出発物質としてのポリイソシアネートの外に、前記出発物質としてのポリイソシアネートと同一又は異なるポリイソシアネートをさらに含有する、(1)から(4)のいずれかに記載の建築物補強方法である。
【0014】
(6)また、本発明は、前記出発物質としてのポリイソシアネートと同一又は異なるポリイソシアネートがカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである、(5)に記載の建築物補強方法である。
【0015】
(7)また、本発明は、前記接着剤組成物が硬化触媒をさらに含有する、(1)から(6)のいずれかに記載の建築物補強方法である。
【0016】
(8)また、本発明は、前記接着剤組成物がシリカをさらに含有する、(1)から(7)のいずれかに記載の建築物補強方法である。
【0017】
(9)また、本発明は、前記接着剤組成物を前記繊維シートに含浸又は積層させた繊維強化接着剤層の両面に剥離シートが積層されている繊維強化接着剤シートの一方の前記剥離シートを剥がし、露出する前記繊維強化接着剤層を、前記被補強体の補強面に貼り付けて、他方の剥離シート上から圧締し、湿気により前記繊維強化接着剤層を硬化させる、(1)から(8)のいずれかに記載の建築物補強工法である。
【0018】
(10)また、本発明は、接着剤組成物を繊維シートに含浸又は積層させた繊維強化接着剤層の両面に剥離シートが積層されている繊維強化接着剤シートであって、前記接着剤組成物は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有し、前記ポリオールは、ポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールと、2官能以上のポリプロピレングリコールとを含むものであり、前記ポリイソシアネートはジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである、繊維強化接着剤シートである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、被補強体と繊維シートとの接着性、及び被補強体の補強効果をよりいっそう高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る繊維強化接着剤シートを示す断面図である。
図2】被補強体がコンクリートである場合の上記繊維強化接着剤シートを用いた建築物の補強工法を示す図である。
図3】本実施形態に係る繊維強化接着剤シート包装体を示す概略図である。
図4】上記繊維強化接着剤シートの一形態として、上記繊維強化接着剤シートが所定の幅方向を有する長尺の巻取り体であることを示す図である。
図5】被補強体が木材である場合の上記繊維強化接着剤シートを用いた建築物の補強工法を示す図である。
図6】柱脚接合部の引張試験における試験体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0022】
本発明は、接着剤組成物を介して被補強体の補強面に繊維シートを貼り付けることで建築物を補強する建築物補強方法である。
【0023】
<接着剤組成物>
接着剤組成物は一成分系湿気硬化型であり、(A)ウレタンプレポリマーを含有する。その他、接着剤組成物は、(B)ポリイソシアネート、(C)硬化触媒及び/又は(D)シリカをさらに含有することが好ましい。
【0024】
[(A)ウレタンプレポリマー]
(A)ウレタンプレポリマーは末端にイソシアネート基を有する。このウレタンプレポリマーは、(A1)ポリオールと(A2)ポリイソシアネートとを反応させることによって得られる。
【0025】
〔(A1)ポリオール〕
(A1)ポリオールは、(A11)ポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールと、(A12)2官能以上のポリプロピレングリコールとの両方を含むものである。(A1)ポリオールは、(A13)ポリエステルポリオール及び/又は(A14)ビスフェノール骨格を有するポリオールをさらに含むものであることが好ましい。そして、(A13)ポリエステルポリオールはアジピン酸系ポリエステルを含むものであることがより好ましい。以下では、ポリテトラメチレングリコールを「PTG」ともいい、変性ポリテトラメチレングリコールを「PTXG」ともいい、ポリプロピレングリコールを「PPG」ともいう。
【0026】
((A11)PTG及び/又はPTXG)
PTGとしては、公知のテトラヒドロフランの重合体を広く使用可能である。PTGの分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均分子量500〜5000、より好ましくは500〜2000の範囲のものを用いることが好適である。以下では、数平均分子量を「Mn」ともいう。PTGは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】
PTXGは、テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルの共重合体であり、アルキレンエーテルは側鎖を有することが好ましい。PTXGとしては、例えば、テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランとの共重合体、テトラヒドロフランとアルキレンオキサイドとの共重合体、テトラヒドロフランと側鎖を有するアルキレンエーテルとの共重合体等が挙げられる。テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランとの共重合体としては、例えば、特開昭63−235320号公報記載のテトラヒドロフランと3−アルキルテトラヒドロフランとの共重合体等が好適な例として挙げられる。
【0028】
PTXGの分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均分子量500〜5000、より好ましくは1000〜3000の範囲のものを用いることが好適である。PTXGは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0029】
PTG及び/又はPTXGは1種のみを用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよく、組み合わせも特に制限されないが、作業性の点からPTXGを用いることが好ましい。ポリオールを2種以上組み合わせて用いる場合、2種以上のポリオールとポリイソシアネートを反応させてウレタンプレポリマーを合成してもよく、ポリオール成分の異なる2種以上のウレタンプレポリマーを混合して用いてもよい。
【0030】
PTG及び/又はPTXGの含有量は、全ポリオールに対して20重量%以上70重量%以下であることが好ましく、30重量%以上60重量%以下であることがより好ましい。20重量%未満であると、硬化物の強靱性が低下し、柱脚及びコンクリートの曲げに対する補強効果の向上を十分に発揮できない可能性があるため、好ましくない。70重量%を超えると、作業性が低下する可能性があるため、好ましくない。
【0031】
((A12)2官能以上のPPG)
PPGは、2官能以上であれば特に限定されないが、2官能以上のPPGとしては、例えば、低分子量ポリオール又は芳香族/脂肪族ポリアミンを開始剤とするプロピレンオキサイドの付加重合物(プロピレンオキサイドと、エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとのランダム及び/又はブロック共重合体を含む。)が挙げられる。
【0032】
2官能以上のPPGの含有量は、全ポリオールに対して1重量%以上80重量%以下であることが好ましく、20重量%以上70重量%以下であることがより好ましい。1重量%未満であると、作業性が低下する可能性があるため、好ましくない。80重量%を超えると、硬化物の強靱性が低下し、柱脚及びコンクリートの曲げに対する補強効果の向上が十分に発揮できない可能性があるため、好ましくない。
【0033】
((A13)ポリエステルポリオール)
必須の構成ではないが、(A1)ポリオールは、ポリエステルポリオールをさらに含むものであることが好ましい。
【0034】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量ポリオールと多塩基酸とを、公知の条件下、反応させて得られる重縮合物が挙げられる
【0035】
低分子量ポリオールとしては、水酸基を2つ以上有する数平均分子量400未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、アルカン(C7〜20)ジオール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジメタノール及びそれらの混合物、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジオール及びそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA等の2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリン等の4価アルコール、例えば、キシリトール等の5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトール等の6価アルコール、例えば、ペルセイトール等の7価アルコール、例えば、ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
【0036】
多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、その他の飽和脂肪族ジカルボン酸(C11〜13)、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他の不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、その他の芳香族ジカルボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、その他の脂環族ジカルボン酸、例えば、ダイマー酸、水添ダイマー酸、ヘット酸等のその他のカルボン酸、及び、それらカルボン酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アルキル(C12〜C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらのカルボン酸等から誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライド等が挙げられる。
【0037】
中でも、作業性の観点から、ポリエステルポリオールはアジピン酸系ポリエステルであることが好ましい。アジピン酸系ポリエステルの例として、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールのエステル化物を挙げることができる。
【0038】
ポリエステルポリオールは必須の構成ではないが、ポリオールがポリエステルポリオールを含むものである場合、その含有量は、全ポリオールに対して1重量%以上60重量%以下であることが好ましく、10重量%以上60重量%以下であることがより好ましく、20重量%以上50重量%以下であることが更に好ましい。1重量%未満であると、アジピン酸系ポリエステルを含有することによって得られる、被補強体及び繊維シートに対する接着性向上と、柱脚及びコンクリートの曲げに対する補強効果の向上とを十分に発揮できない可能性がある。60重量%を超えると、作業性が低下する可能性があるため、好ましくない。
【0039】
((A14)ビスフェノール骨格を有するポリオール)
必須の構成ではないが、(A1)ポリオールは、ビスフェノール骨格を有するポリオールをさらに含むものであることが好ましい。
【0040】
ビスフェノール骨格を有するポリオールは、下記一般式(1)で表される構造を有する。
【0041】
一般式(1)
【化1】
(式中、R及びRは、直鎖または分岐構造を有する炭素数1〜8の炭化水素を表し、R及びRは、それぞれ独立に水素、メチル基又はエチル基を表す。m及びnは1以上の整数から選ばれる。)
【0042】
ビスフェノール骨格を有するポリオールは、ビスフェノール化合物と炭素数1〜8のアルキレンオキシドを付加反応することにより得られる。製造の際に触媒を用いても良く、用いられる触媒としては、1級アミン、2級アミン、3級アミンおよびそれらの塩などのアミン系触媒、4級アンモニウム塩、酸触媒等が挙げられる。
【0043】
ビスフェノール化合物としては、(ア)R及びRが水素の、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビスフェノールや、(イ)R及びRがメチル基の、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(o−ヒドロキシフェニル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンや、(ウ)Rが水素であり、Rがメチル基の、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンや、(エ)Rがメチル基であり、Rがエチル基の、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン等が挙げられる。
【0044】
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、ヘプチレンオキシド、オクチレンオキシド等が挙げられ、他の成分との相溶性の観点から、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドであることが好ましい。
【0045】
ビスフェノール骨格を有するポリオールとしては、入手し易いという点で、下記一般式(2)で示されるものが好ましい。市販品としては、例えば、東邦化学工業株式会社製のビスオールシリーズや、株式会社アデカ製のアデカポリオールBPXシリーズ、三洋化成工業株式会社製のニューポールBPシリーズ、BPEシリーズ、日本乳化剤株式会社製のBAシリーズ等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い
【0046】
一般式(2)
【化2】
一般式(2)において、R、R、m及びnは、一般式(1)と同じである。
【0047】
ビスフェノール骨格を有するポリオールは必須の構成ではないが、ポリオールがビスフェノール骨格を有するポリオールを含むものである場合、その含有量は、全ポリオールに対して1重量%以上40重量%以下であることが好ましく、5重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。1重量%未満であると、ビスフェノール骨格を有するポリオールを含有することによって得られる、柱脚及びコンクリートの曲げに対する補強効果の向上を十分に発揮できない可能性がある。40重量%を超えると、硬化物が硬く、かつ、脆くなる可能性があり、作業性も低下する可能性があるため、好ましくない。
【0048】
(他のポリオール)
本発明は、(A1)ポリオールとして、上記(A11)〜(A14)とは異なる他のポリオールが含まれることを排除するものではない。他のポリオールは、活性水素基を2個以上有する活性水素含有化合物であればどのようなものであってもよく、特に限定されないが、例えば、3官能以上の多価アルコールやジオール等の他のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリマーポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0049】
〔(A2)ポリイソシアネート〕
(A)ウレタンプレポリマーは、上記(A1)ポリオールと(A2)ポリイソシアネートとを反応させることによって得られる。
【0050】
(A2)ポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含むものである。MDIを含むことで、被補強体と繊維シートとの両方に対する接着性に優れる。
【0051】
ところで、ポリイソシアネートは、MDIに加え、他のポリイソシアネートを含むものであってもよい。他のポリイソシアネートについては特に限定されるものでなく、イソシアネート基を2個以上有する公知のポリイソシアネート化合物を使用可能であり、例えば、ポリメリックMDI(PMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類のほか、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンメチルエステルジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類、上記イソシアネートのカルボジイミド変性イソシアネート、イソシアヌレート変性体等を使用できる。
【0052】
(A1)ポリオール成分と、(A2)ポリイソシアネートとを反応させる方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、水酸基(OH)を2個以上有するポリオール成分とイソシアネート基(NCO)を2個以上有するポリイソシアネートとをイソシアネート基が過剰となるように、即ちNCO/OH当量比が、1より大となるように反応させることにより、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが得られる。
【0053】
その反応条件としては、特に限定されないが、例えばNCO/OH当量比1.3〜10.0の割合、より好ましくは1.5〜5.0の割合にて、窒素又はドライエアー気流中で70〜100℃で数時間反応させることにより製造される。NCO/OH当量比が1.3未満の場合はプレポリマーの粘度が高くなり作業性に問題が生じ、10を超えると発泡により不具合が生じる場合がある。
【0054】
[(B)ウレタンプレポリマーの出発物質としてのポリイソシアネートの外に加えられる、該出発物質としてのポリイソシアネートと同一又は異なるポリイソシアネート]
必須の構成ではないが、本発明の接着剤組成物は、(A)ウレタンプレポリマーの出発物質としての(A2)ポリイソシアネートの外に(B)ポリイソシアネートをさらに含有することが好ましい。
【0055】
(B)ポリイソシアネートの種類は特に限定されるものでなく、(A2)ポリイソシアネートで説明したものと同じものを用いることができる。中でも、発泡が少なく、硬化速度が速いことから、すなわち(B)成分としてのポリイソシアネート、すなわち後添加に用いるポリイソシアネートとしてはカルボジイミド変性MDIを用いることが好ましい。
【0056】
(B)成分としてのポリイソシアネート、すなわち(A)成分にポリイソシアネートを後添加することは必須の構成ではないが、接着剤組成物が(B)成分としてのポリイソシアネートを含有するものである場合、その含有量は、(A)ウレタンプレポリマー100重量部に対して40重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましい。40重量%を超えると、硬化物が硬く、かつ、脆くなる可能性があるため、好ましくない。
【0057】
[(C)硬化触媒]
必須の構成ではないが、本発明の接着剤組成物は、(A)ウレタンプレポリマーのほか、(C)硬化触媒をさらに含有することが好ましい。
【0058】
硬化触媒の種類は特に限定されるものでなく、例えば、3級アミン触媒、錫触媒等を挙げることができる。3級アミン触媒としては、公知の3級アミンが広く使用可能であり、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリターシャリーブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリ2−エチルヘキシルアミン、メチルジ−2−エチルヘキシルアミン、ジブチル2−エチルヘキシルアミン、トリヘキサデシルアミン、トリベンジルアミン等のモノアミン;テトラメチル1,2−ジアミノエタン、テトラメチル1,3−ジアミノプロパン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のポリアミン;トリエチレンジアミン;N−エチルモルフォリン、ビス(モルホリノエチル)エーテル、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(3,5−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(3,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、4−(3,5−ジメチルモルホリノ)−4’−(3,6−ジメチルモルホリノ)ジエチルエーテル等のモルホリン化合物等が挙げられる。
【0059】
錫触媒としては、公知の有機錫化合物が広く使用可能であり、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)等の錫系キレート化合物等が挙げられる。
【0060】
(C)硬化触媒の配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100重量部に対して、0.01〜10重量部配合することが好ましく、0.01〜2重量部配合することがより好ましい。硬化触媒は、1種類のものを単独で用いてもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
【0061】
[(D)シリカ]
必須の構成ではないが、本発明の接着剤組成物は、(A)ウレタンプレポリマーのほか、(D)シリカをさらに含有することが好ましい。シリカを含有することで、チキソトロピー性を付与し、液ダレを防止することができる。
【0062】
(D)シリカとしては、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ等が挙げられ、微粉末シリカを用いることが好ましい。
【0063】
シリカの配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100重量部に対して、0.5〜30.0重量部配合することが好ましく、3.0〜15.0重量部配合することがより好ましい。シリカは、1種類のものを単独で用いてもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
【0064】
[(E)他の成分]
接着剤組成物は、上記(A)〜(D)に加えて、必要に応じて、(E1)溶剤、(E2)可塑剤、(E3)脱水剤(保存安定性改良剤)、(E4)カップリング剤、(E5)充填剤のほか、着色剤、変色防止剤、接着付与剤、物性調整剤、離型剤、滑剤、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加水分解安定剤、難燃剤、ラジカル重合開始剤等の各種添加剤を配合してもよい。
【0065】
((E1)溶剤)
溶剤の種類は特に限定されるものでなく、エタノール、イソプロピルアルコール等のメタノール以外のアルコール系溶剤、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ペンタン、ヘキサン、パラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。
【0066】
((E2)可塑剤)
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルアジペート、ジイソデシルフタレート、トリオクチルホスヘート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油等が挙げられ、単独又は混合して使用することができる。
【0067】
((E3)脱水剤(保存安定性改良剤))
脱水剤の種類は特に限定されるものでなく、組成物中に存在する水分と反応する、ビニルトリメトキシシラン等の低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネート(PTSI)等が挙げられる。
【0068】
((E4)カップリング剤)
カップリング剤としては、クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリラウリルミスティルチタネート等のチタン系カップリング剤が挙げられる。
【0069】
((E5)充填剤)
充填剤としては、各種形状の有機又は無機のものがあり、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック;クレー;タルク;カオリン;硅藻土;ゼオライト;酸化チタン、生石灰、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネシウム;硫酸アルミニウム;水酸化アルミニウム;塩化ビニルペーストレジン;ガラスバルーン、シラスバルーン、サランバルーン、フェノールバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン等の無機質バルーン、有機質バルーン等;あるいはこれらの脂肪酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられ、単独で、又は混合して使用することができる。また、ガラスバルーンやシリカバルーン等の無機中空フィラー、及びポリフッ化ビニリデンやポリフッ化ビリニデン共重合体等の有機中空フィラーを用いてもよい。
【0070】
着色剤としては、酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0071】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾフェン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0072】
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物等が挙げられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール等が挙げられる。
【0073】
加水分解安定剤としては、芳香族カルボジイミドが挙げられ、特に融点約40℃のカルボジイミドモノマー、融点60〜90℃のカルボジイミド低分子ポリマー、融点100〜120℃のカルボジイミドポリマーが好ましい。前記加水分解安定剤を前記ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜3.0重量部配合することが好ましく、0.1〜2.0重量部配合することがより好ましい。
【0074】
難燃剤としては、有機ハロゲン系化合物、リン系化合物、(イソ)シアヌル酸誘導体化合物等の窒素含有化合物、無機化合物等を配合することができる。尚、環境の観点からはハロゲンを含有しない難燃剤を配合することが好ましい。
【0075】
[粘度]
接着剤組成物の粘度は、塗布性や流動性、繊維シートへの含浸性の観点から、好ましくは5〜500Pa・s(23℃)程度である。
【0076】
<建築物の補強>
建築物の補強は、上記接着剤組成物を介して被補強体の補強面に上記繊維シートを貼り付けるものであればどのようなものであってもよい。例えば、混合液を被補強体の補強面に塗布し、その後、繊維シートを貼付してもよい。また、図1に記載の繊維強化接着剤シート1を用い、この繊維強化接着剤シート1を図2に記載の方法で被補強体の補強面(例えば、基礎コンクリート10の表面)に貼付してもよい。
【0077】
[繊維強化接着剤シート1]
図1は、繊維強化接着剤シート1の概略断面図である。繊維強化接着剤シート1には、第1の剥離シート2と、繊維シート3と、この繊維シート3に上記接着剤組成物を含浸又は積層させた繊維強化接着剤層4と、第2の剥離シート5とが順次積層されている。
【0078】
繊維シート3は、繊維シート接着工法で用いる物として使用されているものであればどのようなものであってもよく、例えば、炭素繊維シート、アラミド繊維シート、ガラス繊維シート等が知られている。繊維シート3の厚さは、10μm以上であることが好ましい。厚さが10μm未満であると、繊維強化接着剤シート1を被補強体の補強面に貼り付けても被補強体が有効に補強されない可能性がある点で好ましくない。
【0079】
繊維強化接着剤層4の厚さは、10μm以上であることが好ましい。厚さが10μm未満であると、繊維強化接着剤シート1を被補強体の補強面に貼り付けても有効に接着できない可能性がある点で好ましくない。
【0080】
[繊維強化接着剤シート1の収容形態]
上記接着剤組成物は空気中の湿気により硬化するため、上記繊維強化接着剤シート1を用いる場合、未使用時において接着剤組成物が硬化しないようにするための対策をとることが求められる。この対策はどのようなものであってもよいが、例えば、剥離シート2,5に湿気対策を施すことのほか、湿気の遮断性を有する包装体で包装することが考えられる。
【0081】
前者である場合、剥離シート2,5の材質をポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、アルミニウム箔、ナイロン多層フィルム、透明蒸着フィルム等にすることが考えられる。この場合、剥離シート2,5の厚さは、5μm以上であることが好ましい。厚さが5μm未満であると、湿気又は紫外線の遮断性が有効に機能しない可能性がある点で好ましくない。
【0082】
後者である場合、図3に示すような包装体20を用いることが考えられる。包装体20は湿気の遮断性を有していれば足りるが、ハンドリングや廃棄性の観点から、図3に示すように、アルミニウム箔やアルミ蒸着フィルムを含む、ヒートシールや粘着による密封可能な包装袋であることが好ましい。
【0083】
包装体20に収容される繊維強化接着剤シート1の状態はどのような状態であってもよい。例えば、複数枚の繊維強化接着剤シート1が平積みされた状態で包装体20に収容されていてもよいし、図4に示すように、長尺の巻取り体としての繊維強化接着剤シート1が包装体20に複数本収容されていてもよい。中でも、被補強体の補強面の形状にあわせて自在に加工できるとともに、持ち運びに優れることから、長尺の巻取り体としての繊維強化接着剤シートが包装体20に複数本収容されていることが好ましい。被補強体が木材等の住宅の柱等の補強の用途で繊維強化接着剤シート1を用いる場合、住宅の柱の幅が150mm程度であることを踏まえると、繊維強化接着剤シート1の幅方向の長さは100から200mm程度であることが好ましい。また、被補強体が住宅等の基礎コンクリートの補強の用途で繊維強化接着剤シート1を用いる場合にはそれより広く、200mmから500mm程度であってもよい。
【0084】
[繊維強化接着剤シート1を用いたときの建築物の補強手順]
【0085】
図2に戻り、図2は、被補強体が住宅の基礎コンクリート10である場合の繊維強化接着剤シート1を用いた建築物の補強手順を示す図である。まず、作業者は、繊維強化接着剤シート1の第2の剥離シート5を剥がす(図2(a))。このとき、繊維シート3が繊維強化接着剤層4と別層になっていることで、第2の剥離シート5上には繊維シート3が配置されている。これにより、繊維シート3が離型層の役割をして、第2の剥離シート5を容易に剥離することができる。続いて、作業者は、第2の剥離シート5を剥がすことによって露出した繊維強化接着剤層4を、基礎コンクリート10の補強面に貼り付けて、ローラ11を用いて第1の剥離シート2の表面から圧締する(図2(b))。このとき、第1の剥離シート2は外側から圧締作業を容易にするために、透明フィルムであることが好ましい。そして、この圧締作業によって、繊維強化接着剤層4が繊維シート3内に含浸する。続いて、作業者は、第1の剥離シート2を剥がし(図2(c))、湿気又は紫外線により繊維強化接着剤層4を硬化させる(図2(d))。なお、この硬化によって、第1の剥離シート2を容易に剥がすことができる。
【0086】
この手法をとることで、被補強体の補強面に接着剤組成物を塗布する工程を省略して補強面に繊維シートを貼付できるため、繊維強化接着剤シートを極めて簡便に被補強体に貼り付けることができるとともに、作業者の技量によって生じ得る品質の差を抑えることができる。
【0087】
また、図2は、被補強体が住宅の基礎コンクリート10である場合について説明しているが、これに限るものではなく、被補強体が木材でできた柱12又は土台13であっても、補強面に繊維シート3を自在に貼付できる(図5)。また、図示は省略するが、被補強体は、住宅に限るものではなく、電柱、橋脚等、幅広い用途に用いることができる。
【0088】
また、第1実施形態では、繊維強化接着剤層4を繊維シート3内に含浸させた後、第1の剥離シート2を剥がして繊維強化接着剤層4を硬化させることについて説明したが、繊維強化接着剤層4を硬化させた後に第1の剥離シート2を剥がしてもよい。被着材であるコンクリートや木材に十分湿気があるため、この湿気によって接着剤組成物が硬化するためである。繊維強化接着剤層4を硬化させた後に第1の剥離シート2を剥がすことで、第1の剥離シート2を剥がす際に、接着剤組成物が剥離シートに転写するのを防止できるという利点が得られる。
【実施例】
【0089】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
【0090】
<ウレタンプレポリマーの合成>
【表1】
【0091】
表1に記載の成分は次のとおりである。なお、配合は固形分の重量部である。
(A1)ポリオール
(A11)PTG及び/又はPTXG
PTG(商品名:PTG−1000SN,数平均分子量:1000,保土谷化学工業社製)
PTXG(商品名:PTXG−1800,数平均分子量:1800,旭化成繊維社製)
(A12)PPG
2官能PPG(商品名:アクトコールD−3000,数平均分子量:3000,三井化学社製)
3官能PPG(商品名:アクトコールT−5000,数平均分子量:5000,三井化学社製)
(A13)ポリエステルポリオール
アジピン酸系ポリエステル(商品名:クラレポリオールP−2010,アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとのエステル化物,2官能,数平均分子量:2000,クラレ社製)
(A14)ビスフェノール骨格を有するポリオール
2,2−ビス(4−ポリオキシプロピレンオキシフェニル)プロパン(商品名:アデカポリオールBPX−11,2官能,数平均分子量:360,ADEKA社製)
(A2)MDI含有ポリイソシアネート(商品名:コスモネートPH,4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート,三井化学社製)
(A2’)MDI以外のポリイソシアネート
TDI(商品名:コスモネートT−80,分子量:174,三井化学社製)
IPDI(商品名:VESTANAT IPDI,分子量:222,デグサジャパン社製)
【0092】
温度計を備えた攪拌機に(A1)ポリオールを表1に記載の量で添加し、脱水処理した後、(A2)イソシアネートを表1に記載の量で添加し、窒素雰囲気下70〜90℃で5時間反応させて、合成例a〜hに係るウレタンプレポリマーを得た。これらのウレタンプレポリマーにおける、NCOのOHに対する比(NCO/OH)で規定されるR値を併せて表1に示す。
【0093】
<接着剤組成物の調製 その1>
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
表2〜表4に記載の成分は次のとおりである。なお、配合は固形分の重量部である。
(A)ウレタンプレポリマー
上記「ウレタンプレポリマーの合成」で合成した合成例a〜hに係るウレタンプレポリマー
(B)外添ポリイソシアネート
カルボジイミド変性MDI(商品名:コスモネートLK,三井化学社製)
(C)硬化触媒
3級アミン触媒(商品名:U−CAT660M,2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル,サンアプロ社製)
錫触媒(商品名:ネオスタンU−830,ジオクチル錫ジネオデカノエート,日東化成社製)
(D)シリカ(商品名:アエロジルRY200S,ジメチルシリコンオイルで表面処理された疎水性シルカ,日本アエロジル社製)
(E)他の成分
(E1)溶剤(商品名:IPクリーンLX,イソドデカンを主成分とするイソパラフィン系溶剤,出光興産社製)
(E2)可塑剤:ジイソノニルフタレート(DINP)
(E3)脱水剤(保存安定性改良剤,p−トルエンスルホニルイソシアネート(PTSI))
(E4)カップリング剤(商品名:KBM403,3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,信越化学工業社製)
(E5)充填剤
水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH32,昭和電工社製)
炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB,白石カルシウム社製)
【0097】
表2〜表4に示す配合にて、硬化触媒を除く材料を窒素気流下、常温で攪拌混合した後、硬化触媒を加えて窒素気流下、常温にて攪拌混合を行うことで、実施例及び比較例に係る接着剤組成物を得た。
【0098】
<接着性の評価>
接着性の評価は、JIS K6850に準拠して行った。被着体として、5×25×100mmの米栂(含水率:10%)を用いた。接着剤組成物を200μm程度の厚みで塗布し、オープンタイムを5分間取った後貼り合せた。その後、23℃50%RHで1週間養生したものを接着性試験体とした。結果を表5〜表7に示す。
【0099】
<柱脚接合部の引張試験>
柱脚接合部の引張試験は、「木造部材等の試験・評価 4「継手・仕口接合部の試験方法・評価方法」(建材試験情報2011年6月号,財団法人建材試験センター発行)の記載を参考にしながら、次の手法によって行った。
【0100】
1.試験体の準備
まず、図6に示す試験体を準備した。柱及び土台はいずれも断面寸法が105mm×105mmの杉(含水率:10%)とし、土台の中央に柱端部を接合した。土台の長さは1000mmであり、柱の長さは600mmである。柱芯から外側400mmの位置に固定用ボルトM12と角座金W4.5×45を用いてトルク値が約30N・mになるように固定した。そして、柱と土台との接合部となる領域に、実施例及び比較例に係る接着剤組成物を厚さが1mm程度になるように逆T字型に刷毛塗りし、この刷毛塗りした領域に100mm幅のガラス繊維シート(たて糸2310tex,よこ糸33.7tex,厚み約0.87mm)(商品名:ガラステープ,サカイ産業社製)を貼り付けた。そして、23℃,50%RHの条件下で7日間静置することで、接着剤組成物を湿気硬化させた。試験体数は、予備試験体を1体、本試験体を6体とした。
【0101】
2.試験方法
(1)加力装置
加力装置として、TCLP−100kNB(東京測器社製)を用いた。(2)測定装置
電気式変位計THS−1100(容量:50mm及び100mm,非直線性:0.1%RO,感度:100×10−6/mm及び200×10−6,東京測器社製)を使用し、コンピュータ制御により荷重及び変位データを連続的に記録した。
(2)加力方法
上記「1.試験体の準備」で準備した試験体に対し、加力ジグを介して柱頂部に引張荷重を加えた。加力は次の手順にしたがって行った。
ア 単調加力による予備試験を1体行い、その結果から降伏変位(δy)を求めた。
イ 一方向繰り返し加力による本試験を6体以上について行った。繰り返しの履歴は、予備試験で得られた降伏変位(δy)の1/2,1,2,4,6,8,12,16倍の順で各1回繰り返しを行う。予備試験において、降伏変位が得られない場合には、最大荷重時の変位(δmax)の1/10,1/5,3/10,2/5,2/1,3/5,7/10,1倍の順で繰り返しを行った。
ウ 加力は、最大荷重に達した後、最大荷重の80%に荷重が低下するまで又は仕口の機能が失われるまで(短ほぞが抜け出す変位:30mm以上)行った。
(3)測定方法
柱及び土の相対変位と、柱の絶対変位とを測定した。変位の測定は、試験による材料の割れ、めり込みによる変位等も含むものとし、上記電気式変位計を用いて部材の軸芯で表、裏2箇所以上で計測した。
【0102】
3.評価方法
試験で得られた荷重−変位曲線を用いて、荷重−変位包絡線を作成し、この包絡線から最大荷重を測定することで、柱脚接合部の補強効果を確認した。結果を表5〜表7に示す。最大荷重については、最大荷重が45kN以上であった場合を“◎”とし、35kN以上45kN未満である場合を“○”とし、25kN以上35kN未満である場合を“△”とし、25kN未満である場合を“×”とした。
【0103】
<コンクリート曲げ試験>
無筋コンクリート基礎補強を想定し、コンクリート曲げ試験を行った。コンクリート(幅:3400mm,高さ:600mm,奥行き:120mm(ただし、幅方向における支点と支点との間は3000mm))の正面及び背面において、高さ方向における上から400mmまでを占める領域に、実施例及び比較例に係る接着剤組成物を厚さが2mm程度になるように刷毛塗りし、100mm幅のガラス繊維シート(たて糸2310tex,よこ糸33.7tex,厚み約0.87mm)(商品名:ガラステープ,サカイ産業社製)を貼り付けた。そして、23℃,50%RHの条件下で7日間静置した後、加力点をコンクリートの中心よりそれぞれ500mmの位置とし、4点曲げ試験を行った。加力装置はUH−200A(SHIMADSU社製)とし、荷重−変位曲線を得るための測定装置は上記変位計THS−1100(東京測器社製)とした。試験で得られた荷重−変位曲線を用いて荷重−変位包絡線を作成し、この包絡線から最大荷重及びそのときの変位を測定することで、無筋コンクリート基礎の補強効果を確認した。結果を表5〜表7に示す。最大荷重については、最大荷重が60kN以上であった場合を“◎”とし、55kN以上60kN未満である場合を“○”とし、50kN以上55kN未満である場合を“△”とし、50kN未満である場合を“×”とした。
【0104】
<作業性の評価>
無筋コンクリート基礎補強を想定し、作業性を評価した。コンクリート(幅:3400mm,高さ:600mm,奥行き:120mm)の正面において、高さ方向における上から400mmまでを占める領域に、実施例及び比較例に係る接着剤組成物を厚さが2mm程度になるようにクシ目ゴテで塗布した。結果を表5〜表7に示す。抵抗感なくスムーズに塗布でき、クシ目が立ち、繊維シートの貼付が可能である場合を“○”とし、塗布の際、少し抵抗はあったが作業性に影響はない程度にスムーズに塗布でき、くし目が立ち、繊維シートの貼付が可能である場合を“△”とし、塗布の際に抵抗があり、作業性に支障がある場合、くし目が立たない場合、又は繊維シートがめくれ落ちて貼付ができない場合のいずれか1以上に該当する場合を“×”とした。
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】
【表7】
【0108】
ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを含有し、上記ポリオールは、ポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールと、2官能以上のポリプロピレングリコールとを含むものであり、上記ポリイソシアネートはジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである接着剤組成物を介して被補強体の補強面に繊維シートを貼り付けると、被補強体及び繊維シートに対する接着性と、作業性とのいずれにも優れ、かつ、柱脚及びコンクリートの曲げのいずれに対しても有効に補強できることが確認された(実施例1〜15)。
【0109】
特に、実施例3,5及び6と実施例1とを比べることで、ポリオールがポリエステルポリオールをさらに含むものである場合、被補強体及び繊維シートに対する接着性と、コンクリートの曲げに対する補強効果とが高まる点で好適であることが確認された。
【0110】
また、実施例9と実施例15とを比べることで、ポリオールがビスフェノールA骨格を有するポリオールをさらに含むものである場合、コンクリートの曲げに対する補強効果が高まる点で好適であることが確認された。
【0111】
また、実施例9〜12を比べることで、接着剤組成物が、ウレタンプレポリマーの出発物質としてのポリイソシアネートの外に、出発物質としてのポリイソシアネートと同一又は異なるポリイソシアネートをさらに含有することで、柱脚接合部の接着性能向上を目的として水酸化アルミニウムからなる充填剤を加えることによって生じ得る作業性の減少を有効に抑えられる点で好適であることが確認された。なお、作業性の減少を有効に抑えることを目的として、接着剤組成物に溶剤や希釈剤を加えることも考えられるが、この場合、硬化物の強靭さが低下し、柱脚及びコンクリートの曲げに対する充分な補強効果が得られない場合がある。接着剤組成物にポリイソシアネートを外添することで、硬化物の強靭さを低下させることなく、作業性の減少を有効に抑えることができる。
【0112】
また、実施例1と実施例2、及び実施例7と実施例8を各々対比することで、接着剤組成物がシリカを含有する場合(実施例1、7)、接着剤組成物がシリカを含有しない場合(実施例2、8)に比べて、作業性に優れることが確認された。
【0113】
一方、水酸化アルミニウムからなる充填剤を含有しない場合(実施例1〜6及び比較例1〜4)について検討すると、ポリオールがポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールを含むものでない場合、柱脚及びコンクリートの曲げに対する充分な補強効果が得られない可能性がある点で好ましくないことが確認された(比較例1)。
【0114】
また、ポリオールが2官能以上のポリプロピレングリコールを含むものでない場合、被補強体と繊維シートとの両方に対する充分な接着性が得られない可能性がある点、柱脚に対する充分な補強効果が得られない可能性がある点、及び充分な作業性が得られない可能性がある点で好ましくないことが確認された(比較例2)。
【0115】
また、ポリイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを含むものでない場合、被補強体と繊維シートとの両方に対する充分な接着性が得られない可能性がある点、また、柱脚に対する充分な補強効果が得られない可能性がある点(比較例3及び4)で好ましくないことが確認された。
【0116】
また、水酸化アルミニウムからなる充填剤を含有する場合(実施例7〜15及び比較例5〜8)について検討すると、ポリオールがポリテトラメチレングリコール及び/又は変性ポリテトラメチレングリコールを含むものでない場合、コンクリートの曲げに対する充分な補強効果が得られない可能性がある点で好ましくないことが確認された(比較例5)。
【0117】
また、ポリオールが2官能以上のポリプロピレングリコールを含むものでない場合、充分な作業性が得られない可能性がある点で好ましくないことが確認された(比較例6)。
【0118】
また、ポリイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを含むものでない場合、柱脚に対する充分な補強効果が得られない可能性がある点で好ましくないことが確認された(比較例7、8)。
【符号の説明】
【0119】
1 繊維強化接着剤シート
2 第1の剥離シート
3 繊維シート
4 繊維強化接着剤層
5 第2の剥離シート
20 繊維強化接着剤シート包装体
図1
図2
図3
図4
図5
図6