【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。この明細書および別紙の特許請求の範囲において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
【0012】
図1、
図2、
図3、
図11において、符号「F」は、車両Cの前側(車両の前進方向側)を示す。符号「B」は、車両Cの後側を示す。符号「U」は、ドライバー側から前側を見た上側を示す。符号「D」は、ドライバー側から前側を見た下側を示す。符号「L」は、ドライバー側から前側を見た場合の左側を示す。符号「R」は、ドライバー側から前側を見た場合の右側を示す。また、
図1において、符号「O−O」は、車両軸(車両Cの前後方向の中心軸)を示す。
【0013】
さらに、
図8、
図9、
図10において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。
図8、
図9、
図10は、コンピュータシミュレーションにより作図されたスクリーン上の配光パターンを簡略化して示す等光度曲線の説明図であって、中央の等光度曲線は、高光度帯であって、その他の曲線は、外に行くにしたがって低くなる光度帯である。
【0014】
(実施形態1の構成の説明)
図1〜
図10は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用灯具1L、1Rの構成について説明する。この実施形態1の車両用灯具1L、1Rは、たとえば、コーナリングランプを備えたフロントコンビネーションランプ(ヘッドランプ)である。前記車両用灯具1L、1Rは、
図1に示すように、車両Cの前部の左右両側L、Rに搭載されている。前記車両Cの前部は、平面視において、前記車両Cの幅方向(横方向、左右方向)の前記車両Cの内側から外側にかけて前記車両Cの前側Fから後側Bに傾斜(スラント)している(
図1、2参照)。
【0015】
以下、前記車両Cの右側Rに搭載される右側の車両用灯具1Rについて説明する。なお、前記車両Cの左側Lに搭載される左側の車両用灯具1Lは、右側の車両用灯具1Rと左右逆でその他がほぼ同様の構成をなすので、説明を省略する。ここで、前記車両Cの右側Rに搭載される右側の車両用灯具1Rにおいて、前記車両Cの内側は左側Lであり、前記車両Cの外側は右側Rである。一方、前記車両Cの左側Lに搭載される左側の車両用灯具1Lにおいて、前記車両Cの内側は右側Rであり、前記車両Cの外側は左側Lである。
【0016】
(車両用灯具1Rの説明)
前記車両用灯具1Rは、
図2に示すように、灯室10を区画するランプハウジング(図示せず)およびランプレンズ12と、前記灯室10内に配置されている3個のコーナリングランプ3(3A、3B、3C)およびその他のランプユニット(図示せず)と、を備えるものである。
【0017】
その他のランプユニットとしては、たとえば、ロービーム用ランプのランプユニット、ハイビーム用ランプのランプユニット、クリアランスランプのランプユニット、ターンシグナルランプのランプユニットなどである。
【0018】
前記ランプレンズ12は、たとえば、素通しのアウターカバーやアウターレンズからなるものである。前記ランプレンズ12は、
図2に示すように、前記車両Cの前部とほぼ同様に、平面視において、前記車両Cの幅方向の前記車両Cの内側から外側にかけて前記車両Cの前側Fから後側Bに傾斜(スラント)している。
【0019】
(コーナリングランプ3の説明)
3個の前記コーナリングランプ3(3A、3B、3C)は、
図2に示すように、前記車両軸O−Oに対して前記車両Cの外側に向いている。すなわち、前記コーナリングランプ3のランプ軸O1−O1が前記車両軸O−Oに対して前記車両Cの外側に角度θ(この例では、約50°)向いている。
【0020】
3個の前記コーナリングランプ3(3A、3B、3C)は、
図3のランプ正面視に示すように、前記車両Cの内側から外側にかけて前記車両Cの下側Dから上側Uに傾斜して配置されている。すなわち、前記コーナリングランプ3は、ランプ正面視において、前記車両Cの内側から外側にかけて前記車両Cの下側Dから上側Uに吊り上っている「つり目のデザイン」をなすものである。
【0021】
前記コーナリングランプ3は、それぞれ、共通もしくは3個の基板2と、3個の半導体型光源4と、3個のリフレクタ5と、共通もしくは3個のヒートシンク部材6と、から構成されている。以下、真ん中の1個の前記コーナリングランプ3Bについて説明する。なお、左右の2個の前記コーナリングランプ3A、3Cは、真ん中の1個の前記コーナリングランプ3Bの構成とほぼ同様な構成をなすので、説明を省略する。
【0022】
(基板2の説明)
図3、
図4、
図5、
図7に示すように、前記基板2には、3個の前記半導体型光源4および3個の前記リフレクタ5および前記ヒートシンク部材6がそれぞれ固定保持されている。前記基板2は、長方形の板形状をなしている。前記基板2は、ランプ正面視において、前記車両Cの内側から外側にかけて前記車両Cの下側Dから上側Uに吊り上っている。
【0023】
(半導体型光源4の説明)
前記半導体型光源4は、
図3〜
図6に示すように、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記半導体型光源4は、発光部40を有する。
【0024】
前記半導体型光源4は、前記基板2の下面にそれぞれ固定保持されている。この結果、前記半導体型光源4は、前記車両Cの内側から外側にかけて前記車両Cの下側Dから上側Uに傾斜して配置されている。これに伴って、前記半導体型光源4の主光軸Zは、
図4に示すように、垂直軸V1に対して、前記車両Cの上側Uから下側Dにかけて前記車両Cの内側から外側に傾斜している。
【0025】
前記発光部40は、発光チップ(LEDチップ)を封止樹脂部材で封止したパッケージ(LEDパッケージ)からなる。前記発光部40の発光チップは、平面正方形形状をなす。すなわち、複数個たとえば4個の正方形の発光チップを配列してなるものである。なお、平面長方形形状をなす発光チップを使用しても良い。前記発光部40の発光チップの下側Dの面(下面)は、発光面をなす。前記発光部40の発光面は、下側Dに向いている。
【0026】
前記半導体型光源4の前記発光部40は、たとえば、前記車両Cが交差点を左折、あるいは、右折する際に、運転手(ドライバー)の手動操作、もしくは、前記車両Cに搭載された自動照明装置(図示せず)の自動操作により、点灯する。左折、あるいは、右折が完了した時点で、運転手の手動操作、もしくは、前記車両Cに搭載された自動照明装置の自動操作により、消灯する。
【0027】
(リフレクタ5の説明)
前記リフレクタ5は、
図3〜
図7に示すように、第1反射面51と、第2反射面52と、第3反射面53と、を有する。前記第1反射面51、前記第2反射面52、前記第3反射面53は、それぞれ、パラボラ系の自由曲面からなり、かつ、凸面からなる反射面である。この結果、前記第1反射面51、前記第2反射面52、前記第3反射面53は、それぞれ基準焦点(図示せず)および基準光軸(図示せず)を有する。
【0028】
前記第1反射面51と、前記第2反射面52および前記第3反射面53とは、前記半導体型光源4を抱え込むように、構成されている。前記第1反射面51、前記第2反射面52、前記第3反射面53は、それぞれ、前記半導体型光源4からの光L1、L2、L3を、オープン拡散の状態で、反射させて所定の配光パターン(補助コーナリングランプ配光パターン)CP1、CP2、CP3(
図8(A)、(B)、(C)を参照)を外部に照射するものである。
【0029】
前記第1反射面51は、前記第2反射面52および前記第3反射面53に対して前記車両Cの内側に配置されている。前記第1反射面51は、
図5、
図6に示すように、前記半導体型光源4からの光L1を反射光L4として、前記第2反射面52および前記第3反射面53の反射方向に対して主に前記車両Cの外側に反射させる反射面である。前記第1反射面51は、オープン拡散の反射面(たとえば、凸面)である。したがって、前記反射光L4は、拡散反射光である。
【0030】
前記第2反射面52および前記第3反射面53は、前記第1反射面51に対して前記車両Cの外側に配置されている。前記第2反射面52は、
図6に示すように、前記半導体型光源4からの光L2を反射光L5として、前記第1反射面51の反射方向に対して主に前記車両Cの内側に反射させる反射面である。前記第2反射面52は、オープン拡散の反射面(たとえば、凸面)である。したがって、前記反射光L5は、拡散反射光である。前記第3反射面53は、前記半導体型光源4からの光(図示せず)を反射光(図示せず)として、前記第1反射面51および前記第2反射面52の反射方向に対して主に前記車両Cの上側Uに反射させる反射面である。前記第3反射面53は、上下方向に対してクロス拡散の反射面(たとえば、凹面)である。これは、前記反射光が前記基板2に遮蔽されるのを防ぐためであり、また、上下に広がる配光を得るためである。
【0031】
前記リフレクタ5の前記反射面のうち、前記半導体型光源4の前記主光軸Zが交差する部分もしくはその近傍の部分(前記主光軸Zに対して約15°の範囲の部分)には、部分反射面50が設けられている。前記部分反射面50は、
図4、
図5、
図9に示すように、前記半導体型光源4からの光L3を反射光L6として前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1の外側下方に反射させる反射面である。
【0032】
前記部分反射面50は、前記第1反射面51側に配置されている。前記第1反射面51と前記第2反射面52との接続線である稜線54は、前記半導体型光源4の前記主光軸Zに沿って、前記車両Cの上側から下側にかけて前記車両Cの内側から外側に湾曲傾斜している。前記稜線54は、この例では、湾曲線であるが、直線であっても良い。
【0033】
前記第1反射面51と前記第2反射面52とは、前記稜線54を介して、また、前記第1反射面51および前記第2反射面52と前記第3反射面53とは、稜線を介して、段が無い無段差のトリム面で交差している。
【0034】
(配光パターンCP1、CP2、CP3の説明)
前記第1反射面51で形成される前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1は、
図8(A)に示すように、スクリーンの左右の水平線HL−HRから下側約12°−15°までの範囲で、かつ、前記車両Cの外側約30°から約100°までの遠方および手前の範囲を照明する。たとえば、主に、車両C側の横断歩道の渡り始めと車両Cの側方手前までを照明する。
【0035】
前記第2反射面52で形成される前記第2補助コーナリングランプ配光パターンCP2は、
図8(B)に示すように、スクリーンの左右の水平線HL−HRから下側約7°までの範囲で、かつ、前記車両Cの外側約20°から約100°までの遠方の範囲を照明する。たとえば、主に、横断歩行者の渡り始めを照明する。
【0036】
前記第3反射面53で形成される前記第3補助コーナリングランプ配光パターンCP3は、
図8(C)に示すように、スクリーンの左右の水平線HL−HRから上側約8°−12°までの範囲で、かつ、前記車両Cの外側約15°から約90°までの上方の範囲を照明する。たとえば、主に、横断歩行者の上半身を照明する。
【0037】
前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1と、前記第2補助コーナリングランプ配光パターンCP2と、前記第3補助コーナリングランプ配光パターンCP3とが合成されることにより、
図10に示すコーナリングランプ配光パターンCPが形成される。
【0038】
(第1反射面51の入射像I1、I2、I3、I4、I5の説明)
図4、
図9に示すように、前記第1反射面51の前記部分反射面50の第1ポイントP1において入射する(映し込まれる)前記半導体型光源4の前記発光部40の発光面の入射像I1は、前記部分反射面50以外のその他の前記第1反射面51の第2ポイントP2、第3ポイントP3、第4ポイントP4、第5ポイントP5において入射する前記半導体型光源4の前記発光部40の発光面の入射像I2、I3、I4、I5と比較して大きい。
【0039】
前記第1反射面51の前記部分反射面50の前記第1ポイントP1において入射した前記半導体型光源4の前記発光部40の発光面の前記入射像I1は、前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1の外側下方に照射される。
【0040】
前記第1反射面51の下側Dでかつ外側(前記第2反射面52側)の前記第2ポイントP2において入射した前記半導体型光源4の前記発光部40の発光面の前記入射像I2は、前記第1ポイントP1の前記入射像I1よりも小さい像であって、前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1の中央側上方に照射される。
【0041】
前記第1反射面51の下側Dでかつ内側(前記第2反射面52と反対側)の前記第3ポイントP3において入射した前記半導体型光源4の前記発光部40の発光面の前記入射像I3は、前記第1ポイントP1の前記入射像I1よりも小さい像であって、前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1の内側上方に照射される。
【0042】
前記第1反射面51の上側Uでかつ外側(前記第2反射面52側)の前記第4ポイントP4において入射した前記半導体型光源4の前記発光部40の発光面の前記入射像I4は、前記第1ポイントP1の前記入射像I1よりも小さくかつ前記第2ポイントP2の前記入射像I2および前記第3ポイントP3の前記入射像I3よりも大きくしかも扁平な像であって、前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1の外側上方に照射される。
【0043】
前記第1反射面51の上側Uでかつ内側(前記第2反射面52と反対側)の前記第5ポイントP5において入射した前記半導体型光源4の前記発光部40の発光面の前記入射像I5は、前記第1ポイントP1の前記入射像I1よりも小さくかつ前記第2ポイントP2の前記入射像I2および前記第3ポイントP3の前記入射像I3よりも大きくしかも扁平な像であって、前記第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1の内側上方に照射される。
【0044】
(ヒートシンク部材6の説明)
前記ヒートシンク部材6は、
図5に示すように、フィン形状をなす。前記ヒートシンク部材6は、前記基板2および前記リフレクタ5に固定保持されている。前記ヒートシンク部材6は、前記半導体型光源4において発生する熱を外部に放射させる。前記基板2および前記リフレクタ5および前記ヒートシンク部材6は、一体構造としても良い。
【0045】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1における車両用灯具1L、1Rは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0046】
たとえば、車両Cが交差点を左折、あるいは、右折する際に、運転手の手動操作、もしくは、車両Cに搭載された自動照明装置の自動操作により、3個のコーナリングランプ3A、3B、3Cの半導体型光源4の発光部40が、それぞれ点灯する。発光部40から放射される光L1、L2、L3は、リフレクタ5の第1反射面51、第2反射面52、第3反射面53で反射される。
【0047】
第1反射面51で反射された反射光L4、L6は、
図8(A)に示す第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1として、第2反射面52で反射された反射光L5は、
図8(B)に示す第2補助コーナリングランプ配光パターンCP2として、第3反射面53で反射された反射光は、
図8(C)に示す第3補助コーナリングランプ配光パターンCP3として、それぞれ、車両Cの前側Fから車両Cの外側(右側R)にかけての範囲を照射する。
【0048】
第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1と第2補助コーナリングランプ配光パターンCP2と第3補助コーナリングランプ配光パターンCP3とは、合成(重畳)されて、
図10に示すコーナリングランプ配光パターンCPとして、車両Cの前側Fから車両Cの外側(右側R)にかけての範囲を照明する。
【0049】
車両Cが左折、あるいは、右折を完了した時点で、運転手の手動操作、もしくは、車両Cに搭載された自動照明装置の自動操作により、半導体型光源4の発光部40が消灯する。
【0050】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用灯具1L、1Rは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0051】
この実施形態1における車両用灯具1L、1Rは、第1反射面51の部分反射面50において入射する半導体型光源4の発光部40の発光面の入射像I1が、部分反射面50以外のその他の第1反射面51において入射する半導体型光源4の発光部40の発光面の入射像I2、I3、I4、I5と比較して大きい。このために、部分反射面50の入射像I1の単位面積当たりの光の強さ(光度、照度、光量)がその他の第1反射面51の入射像I2、I3、I4、I5の単位面積当たりの光の強さと比較して弱い(小さい、低い)。この結果、入射像I1の単位面積当たりの光の強さが弱い部分反射面50からの反射光L6を第1補助コーナリングランプ配光パターンCP1の外側下方に反射させることにより、コーナリングランプ配光パターンCPの外側下方の明暗差を効率良く暈すことができる。これにより、コーナリングランプ配光パターンCPの外側下方、すなわち、ドライバーの側方直下付近の視界を効率良く改善することができる。
【0052】
この実施形態1における車両用灯具1L、1Rは、第1反射面51と、第2反射面52および第3反射面53とが半導体型光源4を抱え込むように構成されている。このために、半導体型光源4の発光部40からの光束を効率良く利用することができる。しかも、第1反射面51と、第2反射面52および第3反射面53とが半導体型光源4を左右から抱え込むので、左右方向(水平方向)においてコンパクトに構成することができる。これにより、レイアウト性が向上してランプ意匠の自由度が増す。かつ、コーナリングランプ配光パターンCPのような横長の配光パターンを形成するコーナリングランプ3(3A、3B、3C)の左右方向(水平方向)の大型化を抑制することができる。
【0053】
この実施形態1における車両用灯具1L、1Rは、
図3、
図4に示すように、半導体型光源4を、車両Cの内側から外側にかけて車両Cの下側Dから上側Uに傾斜させるものである。このために、ランプの意匠の自由度が向上される。たとえば、「つり目のデザイン」に対応可能である。
【0054】
この実施形態1における車両用灯具1L、1Rは、
図4に示すように、半導体型光源4の主光軸Zが車両Cの上側Uから下側Dにかけて車両Cの内側から外側に傾斜していても、第1反射面51と第2反射面52との接続線である稜線54が半導体型光源4の主光軸Zに沿って、車両Cの上側Uから下側Dにかけて車両Cの内側から外側に傾斜している。このために、
図3、
図4に示すように、半導体型光源4が車両Cの内側から外側にかけて車両Cの下側Dから上側Uに傾斜していても、第1反射面51の左右方向(水平方向)の幅を車両Cの下側Dにおいて十分に確保することができる。この結果、第1反射面51のうち、半導体型光源4の主光軸Zが交差する部分もしくはその近傍の部分の部分反射面50を十分に確保することができ、半導体型光源4からの光L3をコーナリングランプ配光パターンCPの外側下方に反射させる配光設計が可能である。
【0055】
この実施形態1における車両用灯具1L、1Rは、第1反射面51と第2反射面52とが稜線54を介して、また、第1反射面51および第2反射面52と第3反射面53とが稜線を介して、段が無い無段差のトリム面で交差している。このために、反射面51、52、53における蒸着溜り(アンダーコートやトップコート)を少なくすることができるので、意図しない(配光設計以外の)光(グレア、光スジ、光ムラなど)を抑制することができる。
【0056】
(実施形態2の構成、作用、効果の説明)
図11は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2における車両用灯具100について説明する。図中、
図1〜
図10と同符号は、同一のものを示す。
【0057】
前記の実施形態1の車両用灯具1L、1Rは、3個の前記コーナリングランプ3(3A、3B、3C)を、共通の基板2により、
図3のランプ正面視に示すように、車両Cの内側から外側にかけて車両Cの下側Dから上側Uに傾斜して配置するものである。これに対して、この実施形態2における車両用灯具100は、3個の前記コーナリングランプ3(3A、3B、3C)を、3個の基板2により、
図11のランプ正面視に示すように、車両Cの内側から外側にかけて車両Cの下側Dから上側Uに段々に傾斜して配置するものである。
【0058】
この実施形態2における車両用灯具100は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1の車両用灯具1L、1Rとほぼ同様の作用、効果を達成することができる。
【0059】
(実施形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2においては、ランプユニットとして3個のコーナリングランプ3(3A、3B、3C)を使用した例について説明するものである。ところが、この発明においては、ランプユニットとして、1個のコーナリングランプ、2個、4個以上のコーナリングランプであっても良い。
【0060】
また、前記の実施形態1、2においては、ランプユニットのリフレクタ5が第1反射面51、第2反射面52、第3反射面53を有するものである。ところが、この発明においては、少なくとも、第1反射面51と第2反射面52とを有するものであれば良い。また、4個以上の反射面を有するものであっても良い。この場合において、反射面と反射面との接続線である稜線が半導体型光源の主光軸に沿って位置していて、部分反射面がその稜線の近傍に設けられている。