(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6107404
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】カラーホイール駆動用モータおよびデジタル光処理式プロジェクタ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/215 20160101AFI20170327BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20170327BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
H02K11/215
G03B21/00 F
G03B21/14 Z
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-105421(P2013-105421)
(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公開番号】特開2014-50314(P2014-50314A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2016年2月9日
(31)【優先権主張番号】201220443105.0
(32)【優先日】2012年8月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
(72)【発明者】
【氏名】張 東旭
【審査官】
小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−337390(JP,A)
【文献】
実開昭58−156384(JP,U)
【文献】
特開平10−023727(JP,A)
【文献】
特開平11−266568(JP,A)
【文献】
特開平06−113519(JP,A)
【文献】
特開2008−109725(JP,A)
【文献】
特表2008−545146(JP,A)
【文献】
実公昭54−028565(JP,Y2)
【文献】
特開平05−284678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/215
G03B 21/00
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーホイール駆動用モータであって、
中心軸周りを回転し、前記中心軸に沿って延伸するシャフトと、前記シャフトに間接的または直接的に固定されるロータホルダと、を含む回転体と、
前記ロータホルダの回転位置を検出するように前記ロータホルダの周辺に配置される磁気的位置検出機構を含む静止体と、
を備え、
前記モータは、前記ロータホルダの径方向外方に配置され、前記ロータホルダと共に回転するリング状マグネットを有し、
前記リング状マグネットは、前記中心軸に沿い、かつ、互いに略平行な第一端面および第二端面を有し、
前記リング状マグネットは、周方向に交互に配列されるn個のN極とn個のS極とを有し、隣り合う前記N極と前記S極との間に磁極切替わり部が形成され、
前記磁極切替わり部の個数は2nであり、
隣り合う前記磁極切替わり部は、周方向に360°/2nの角度で隔てられ、
nは1以上の整数であり、
前記中心軸に垂直な仮想平面において、前記中心軸と2n個の前記磁極切替わり部のうち、少なくとも1つの磁極切替わり部とを通る第一直線と、前記中心軸から前記リング状マグネットに延びる第二直線とにより、所定の角度θがなされ、
前記リング状マグネットの表面において、前記第二直線と前記リング状マグネットとが重なる部位に第一標識が設けられ、
前記所定の角度θは、0°≦θ≦360°/2nである、ことを特徴とする。
【請求項2】
前記リング状マグネットの表面に第二標識がさらに設けられ、
前記第二標識と前記第一標識とは周方向に360°/2nの角度で隔てられ、
前記第一標識と前記第二標識とは異なる標識である、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記所定の角度θは、θ=360°/4nであり、前記N極および前記S極のいずれか一方の磁極上にて、隣り合う前記磁極切替わり部の周方向中央に前記第一標識が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記第二標識は、前記第一標識とは異なる磁極上にて、隣り合う前記磁極切替わり部の周方向中央に設けられることを特徴とする請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記第一標識は一つである、ことを特徴とする請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記所定の角度θは、θ=0°または360°/2nであり、前記第一標識は、前記磁極切替わり部と周方向位置が一致する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項7】
前記所定の角度θ=0°または360°/2nであり、前記第一標識および前記第二標識は、前記磁極切替わり部と周方向位置が一致する、ことを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項8】
前記第一標識はリング状マグネットの前記第一端面および前記第二端面のいずれかに位置する、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のモータ。
【請求項9】
前記第一標識はリング状マグネットの第一端面および第二端面のいずれか一方から他方へ凹む凹部である、ことを特徴とする請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
前記第一標識は前記リング状マグネットの軸方向中央よりも上側に位置し、前記第二標識は前記リング状マグネットの軸方向中央よりも下側に位置する、ことを特徴とする請求項2、4、7のいずれかに記載のモータ。
【請求項11】
前記第二標識は前記リング状マグネットの前記第一端面および前記第二端面のいずれか一方から他方へ凹む凹部である、ことを特徴とする請求項2、4、7のいずれかに記載のモータ。
【請求項12】
前記第一標識は前記リング状マグネットの前記第一端面から前記第二端面側へ凹む凹部であり、前記第二標識は前記リング状マグネットの第二端面から第一端面側へ凹む凹部である、ことを特徴とする請求項2、4、7のいずれかに記載のモータ。
【請求項13】
前記第一標識または前記第二標識は、前記リング状マグネットの表面に塗布される、ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。
【請求項14】
前記第一標識または第二標識は、前記N極と前記S極にそれぞれに形成される異なる色または模様である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。
【請求項15】
前記ロータホルダにはカラーホイールが取り付けられ、
前記カラーホイールは、周方向において複数の色区域および隣り合う2つの色区域の間において複数の色境界部を有し、
前記リング状マグネットの前記第一標識または第二該標識は、前記カラーホイールの色境界部と周方向位置が一致する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。
【請求項16】
デジタル光処理式プロジェクタであって、
前記請求項1ないし15のいずれかに記載のカラーホイール駆動用モータを備える、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラーホイール駆動用モータおよび当該モータを備えるDLP式プロジェクタ(デジタル光処理式プロジェクタ)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、映像投影システムは様々な種類が存在するが、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)式プロジェクタは、高輝度、高耐久性、小型である等の利点を有するため、デジタルプロジェクタの主流になっている。DLP式プロジェクタは、カラーホイールを備えており、カラーホイールはカラーホイール駆動用モータに固定されている。DLP式プロジェクタが稼動する際に、モータの回転位置を検出することが必要である。例えば、中国特許第1179344号公報に開示されるモータでは、インダクタによってロータマグネットの磁束を検出することにより、回転体の位置を検出する。
図1および
図2に示すように、当該モータは、ロータヨーク
103が深さの浅いカップ状に形成され、その周辺部に一体に設けられるフランジ部
103aを有している。フランジ部
103aの一部には、所定幅の切り欠き状の窓部
103bが形成されている。また、ロータヨーク
103には、当該ロータヨーク
103の中心を貫通するようにシャフト
109が取り付けられている。フランジ部
103aの内周には、ロータマグネット
108がリング状かつ無端状に貼着配置されている。ロータマグネット
108は、周方向に亘って、全周等分割のS極、N極に交互着磁されている。また、ロータマグネット
108の一部が窓部
103bを通して、ロータヨーク
103の外方に露出している。
図3に示すように、フランジ部
103aの外周付近にインダクタ
107が配置されている。そのため、当該モータのロータヨーク
103が回転すると、この回転に伴って窓部
103bを通して外方に臨むロータマグネット
108が回転移動し、インダクタ
107に対して離間したり、インダクタ
107に接近したりする。インダクタ
107は、窓部
103bから露出するロータマグネット
108から離間すると、当該ロータマグネット
108の磁束を殆ど受けないため、誘起電圧が略0である。しかし、窓部
103bに臨むロータマグネット
108が接近すると、そのロータマグネット
108の磁束を受け、インダクタ
107の誘起電圧がその磁束の時間変化に比例する値となる。モータ回転のインデックス信号は、インダクタ
107の磁束検出の出力値を処理することにより得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、中国特許第1179344号公報のようなモータでは、以下の技術課題がある。当該モータでは、ロータマグネット
108の一部を窓部
103bから露出させるため、ロータヨーク
103にアンバランスが生じる。また、ロータヨーク
103に窓部
103bを設けることにより、ロータマグネット
108の磁束が漏えいし、モータの特性が悪化する。さらに、ロータマグネット
108をロータヨーク
103に固定する際に、ロータマグネット
108の外周面全周に亘って接着剤を塗布することができないため、振動や騒音の悪化を引き起こす虞もある。さらには、ロータマグネット
108とロータ
ヨーク103とを組立する際に、磁極の境界
部を識別するための標識をロータマグネット
108に付けて、窓部
103bから、ロータマグネット
108の磁極の境界
部を露出させる必要がある。そのため、組立作業の効率が低下する虞がある。また、当該方法を採用した場合、窓部
103bから、ロータマグネット
108の磁極の境界部を露出させ、当該磁極の境界部とカラーホイールの色の境界部とを一致させる必要がある。
【0004】
したがって、上記の技術課題を解決できるモータが必要である。
【0005】
以上、本発明は、上記の課題に対して鑑みたものであり、高特性なカラーホイール駆動用モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題に対して、本出願の発明は、ロータホルダに窓部を設けることなく、ロータホルダの内周面に固定されたロータマグネットとは別部材であるリング状マグネットを、ロータホルダの外周面に配置する。当該リング状マグネットは周方向において極数が複数である。また、特定の磁極切替わり部を識別するために、当該リング状マグネットに標識が設けられる。
【0007】
本発明の例示的な一つの側面に係るカラーホイール駆動用モータは、中心軸周りを回転し、前記中心軸に沿って延伸するシャフトと、前記シャフトに間接的または直接的に固定されるロータホルダと、を含む回転体と、前記ロータホルダの回転位置を検出するように前記ロータホルダの周辺に配置される磁気的位置検出機構を含む静止体と、を備える。前記モータは、前記ロータホルダの径方向外方に配置され、前記ロータホルダと共に回転するリング状マグネットを有する。前記リング状マグネットは、前記中心軸に沿い、かつ、互いに略平行な第一端面および第二端面を有する。前記リング状マグネットは、周方向に交互に配列されるn個のN極とn個のS極とを有し、隣り合う前記N極と前記S極との間に磁極切替わり部が形成される。前記磁極切替わり部の個数は2nである。隣り合う前記磁極切替わり部は、周方向に360°/2nの角度で隔てられ、nは1以上の整数である。
【0008】
前記中心軸に垂直な仮想平面において、前記中心軸と2n個の前記磁極切替わり部のうち、少なくとも1つの磁極切替わり部とを通る第一直線と、前記中心軸から前記リング状マグネットに延びる第二直線とにより、所定の角度θがなされ、前記リング状マグネットの表面において、前記第二直線と前記リング状マグネットとが重なる部位に第一標識が設けられ、前記所定の角度θは、0°≦θ≦360°/2nである。
【0009】
好ましい一実施例では、リング状マグネットの表面に第二標識がさらに設けられ、前記第二標識と前記第一標識とは周方向に360°/2nの角度で隔てられ、前記第一標識と前記第二標識とは異なる標識である。
【0010】
好ましい一実施例では、前記所定の角度θは、θ=360°/4nであり、前記N極および前記S極のいずれか一方の磁極上にて、隣り合う前記磁極切替わり部の周方向中央に前記第一標識が設けられる。前記第二標識が設けられることを特徴とする請求項3に記載のモータ。
【0011】
好ましい一実施例では、前記第二標識は、前記第一標識とは異なる磁極上にて、隣り合う前記磁極切替わり部の周方向中央に設けられる。
【0012】
好ましい一実施例では、前記第一標識が一つである。
【0013】
好ましい一実施例では、前記所定の角度θは、θ=0°またはθ=360°/2nであり、前記第一標識は、前記磁極切替わり部と周方向位置が一致する。
【0014】
好ましい一実施例では、前記第一標識は前記リング状マグネットの前記第一端面および前記第二端面のいずれかに位置する。
【0015】
好ましい一実施例では、前記第一標識は前記リング状マグネットの第一端面および第二端面のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。
【0016】
好ましい一実施例では、前記第一標識は、前記リング状マグネットの軸方向中央よりも上側に位置し、前記第二標識は前記リング状マグネットの軸方向中央よりも下側に位置する。
【0017】
好ましい一実施例では、前記第二標識はリング状マグネットの第一端面と第二端面との一方から他方へ凹む凹部である。
【0018】
好ましい一実施例では、前記第一標識は前記リング状マグネットの前記第一端面から前記第二端面側へ凹む凹部であり、前記第二標識は前記リング状マグネットの前記第二端面から第一端面側へ凹む凹部である。
【0019】
好ましい一実施例では、前記第一標識または前記第二標識は前記リング状マグネットの表面に塗布される。
【0020】
好ましい一実施例では、前記第一標識または前記第二標識は、前記N極と前記S極にそれぞれに形成される異なる色または模様である。
【0021】
好ましい一実施例では、前記ロータホルダにはカラーホイールが取り付けられる。前記カラーホイールは、周方向において複数の色区域および隣り合う2つの色区域の間において複数の色境界部を有する。前記リング状マグネットの前記第一標識または第二該標識は、前記カラーホイールの色境界部と周方向位置が一致する。
【0022】
本発明の例示的なその他の側面に係るデジタル光処理式プロジェクタは、前記のカラーホイール駆動用モータを備える。
【発明の効果】
【0023】
上記のモータによれば、リング状マグネットの周方向における磁極切替わり部の位置が確定できる。そして、第一標識がN極およびS極のいずれか一方に設けられるため、第一標識と磁極切替わり部との位置関係が明白であるとき、回転方向に対して磁極の切替え(N→S或いはS→N)が容易に判断できる。
【0024】
上記のデジタル光処理式プロジェクタは、モータが高性能であり、プロジェクタの投影性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、中国特許第1179344号公報に開示されるモータのロータヨークの一部を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1のモータのロータヨークとインダクタのコイルとの配置位置を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明に関するモータを示す側面図である。
【
図6】
図6は、
図4のモータの回転体の一部を示す断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第一実施例に関するリング状マグネットを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8のリング状マグネットを示す平面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第二実施例に関するリング状マグネットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書では、図面を参照しながら本発明に関するモータの実施例を説明する。図面では、同じ部材或いは構造に同じ記号を付する。図面は特定の縮尺で示すものではない。下記の実施例および図面は、単に説明の便宜上用いられ、本発明の権利範囲は、下記の実施例に限定されない。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲により解釈される。
【0027】
本明細書に記載の上下および内外は、単に図面に基づいて実施例を説明するために定義され、本発明の主旨を限定しない。モータを実機に搭載する際、当該技術分野に属する一般的な技術者は、本明細書の記述によって、様々な変更が可能である。
【0028】
図4は本発明に関するモータを示す側面図である。
図5は
図4のモータを示す平面図である。
図6は
図4のモータの回転体の一部を示す断面図である。
図7は
図4のモータの静止体を示す断面図である。本発明に関するモータ1は、回転体2と静止体3とを備える。回転体2は、上下方向に伸びる中心軸I−I’を中心として回転する。静止体3は、回転体2に対して、相対的に静止する。
図6に示すように、回転体2は、シャフト4と、ロータホルダ5と、ロータマグネット6とを備える。シャフト4は中心軸I−I’に沿って延伸する。ロータホルダ5は、間接的または直接的にシャフト4に固定される。ロータホルダ5は、円筒状の側壁と蓋部とを有する。ロータホルダ5の蓋部は、中心軸I−I’に対して略垂直な方向に広がる。ロータホルダ5は、略円板状である。ロータホルダ5の側壁は、蓋部の外縁部から下方に向かって伸びる。すなわち、ロータホルダ5は有蓋略円筒状である。本実施例では、シャフト4は、ロータホルダ5の略中央部に固定される。ロータマグネット6はロータホルダ5の側壁の内周面に固定される。ロータマグネット6は、略円環状である。なお、ロータマグネット6は、一部材により構成されてもよいし、複数の円弧状のマグネットを周方向に配置することにより構成されてもよい。
図7に示すように、静止体3は、軸受部7と、ステータ8と、磁気的位置検出機構9(
図5に示す)とを備える。軸受部7は軸孔7aを有する。シャフト4は、軸受部7の軸孔7aの内部に配置される。軸受部7は、シャフト4を回転可能に支持する。ステータ8は、ロータホルダ5の側壁および蓋部により覆われる。すなわち、ステータ8は、ロータマグネット6よりも径方向内側に位置する。また、ステータ8はロータマグネット6と径方向に対向する。モータ1の駆動時には、ロータマグネット6とステータ8との間にて回転力が発生する。磁気的位置検出機構9はロータホルダ5の周辺に配置される。具体的には、磁気的位置検出機構9は、リング状マグネット10の近傍かつリング状マグネット10よりも径方向外方に配置される。なお、リング状マグネット10については後述する。磁気的位置検出機構9はロータホルダ5の回転位置を検出する。磁気的位置検出機構9はホールICである。モータ1における、上記の構造は、当該技術分野に属する一般的な技術者に対して周知事項であるため、具体的な説明を省略する。
【0029】
本発明に関するモータ1の構造では、ロータホルダ5の側壁に窓部を有しない。すなわち、ロータマグネット6の外周面は露出しない。モータ1では、ロータホルダ5の側壁の外周面に、ロータホルダ5と共に回転するリング状マグネット10が配置される。そして、磁気的位置検出機構9は、リング状マグネット10から受ける磁束がロータホルダ6の回転に伴って変化し、リング状マグネット10の位置を関数として誘起電圧を出力する。当該リング状マグネット10は、周方向において少なくとも1つのN極と1つのS極とが交互に配列される。本発明は前述の技術的思想に基づいて創作される。
【0030】
図8は、本発明の第一実施例に関するリング状マグネットを示す斜視図である。
図9は、
図8のリング状マグネットを示す平面図である。リング状マグネット10は、上下方向に伸びる中心軸を中心とするリング状である。また、リング状マグネット10は、当該中心軸に沿う第一端面12および第二端面14を有する。第二端面14は、第一端面12と略平行である。第一端面12および第二端面14は、当該中心軸を中心とする略リング状の面である。モータ1にリング状マグネット10が取り付けられた際に、当該中心軸は、回転体2の中心軸I−I’と一致もしくは略一致する。図面に示すように、リング状マグネット10は1つのN極と1つのS極とを有する。リング状マグネット10のN極とS極との間には、隣り合う2つの磁極切替わり部16,18が形成される。すなわち、磁極切替わり部(N→S)16および磁極切替わり部(S→N)18は、周方向に180°の間隔で位置する。回転位置を高精度に検出するためには、異なる磁極および異なる磁極切替わり部を識別することが必要である。そのため、リング状マグネット10のN極(或いはS極)において、隣り合う磁極切替わり部16,18の周方向中央に第一標識17が設けられる。図面に示すように、第一標識17がN極に設けられる。当該リング状マグネット10をロータホルダの外周面に取り付ける時、第一標識17を周方向中央とする磁極がN極であることが明白である。さらに、磁極の個数も明白であるため、作業者はもう1つの磁極がSであることが容易に判断でき、磁極切替わり部(N→S)16と磁極切替わり部(S→N)18も容易に判断できる。好ましい一実施例では、第一標識17は、リング状マグネット10の第一端面12および第二端面14いずれかの一方から他方へ凹む凹部である。なお、リング状マグネット10のS極(或いはN極)において、隣り合う磁極切替わり部16,18の間に第二標識19が設けられる。第二標識19は、第一標識17と異なる標識である。第二標識がS極(或いはN極)において隣り合う磁極切替わり部(N→S)16と磁極切替わり部(S→N)18の周方向中央に設置してもよく、S極(或いはN極)において周方向のその他の位置に配置してもよい。好ましい一実施例では、第二標識19は、リング状マグネット10の第一端面12および第二端面14のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。好ましい一実施例では、第一標識17がリング状マグネット10の第一端面12および第二端面14のいずれか一方から他方へ凹む凹部であり、かつ、第二標識19がリング状マグネット10の第一端面12および第二端面14のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。ただし、第一標識17と第二標識19とは、異なる端面に設けられる。製造工程では、第一標識17と第二標識19とが異なる端面に設けられる場合、着磁工程では、凹部により、着磁治具に対して、リング状のマグネット10の周方向の位置決めが容易にできる。そのため、凹部と磁極切替わり部16,18との位置関係を高精度に着磁することができる。また、リング状マグネット10をモータ1に取り付けるとき、前記凹部に対応した凸部が設けられた取り付け治具を用いることにより、リング状マグネットを容易に定位できるため、作業効率が向上できる。当然のことながら、第一標識17がS極に設けられてもよく、第二標識19がN極に設けられてもよい。
【0031】
図10は、
図8と
図9のリング状マグネットの変形例を示す図である。リング状マグネット10は、周方向に交互に配列される4つの磁極(N極およびS極)を有する。すなわち、リング状マグネット10には、2つのN極と2つのS極を有し、4つの磁極切替わり部が形成される。換言すれば、リング状マグネット10は、2つの磁極切替わり部(N→S)16と、2つの磁極切替わり部(S→N)18とを有する。隣り合う磁極切替わり部16,18の間隔は90°である。リング状マグネット10は、各N極(或いはS極)ごとに、隣り合う磁極切替わり部16,18の周方向中央に第一標識17が設けられる。図
10に示すように、リング状マグネット10は、N極において2つの第一標識17が設けられる。好ましい一実施例では、第一標識17は、リング状マグネット10の第一端面12および第二端面14のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。なお、リング状マグネット10は、各S極(或いはN極)ごとに、隣り合う磁極切替わり部の間に第二標識19が設けられる。第一標識17と第二標識19とは、異なる標識である。第二標識19は、S極(或いはN極)において隣り合う磁極切替わり部16,18の周方向中央に設置してもよく、S極(或いはN極)において周方向のその他の位置に配置してもよい。好ましい一実施例では、第二標識19は、リング状マグネット10の第一端面12および第二端面14のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。最も好ましい一実施例では、第一標識17がリング状マグネット10の第一端面12および第二端面14のいずれか一方から他方へ凹む凹部であり、かつ、第二標識19がリング状マグネット10の第一端面12および第二端面14のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。ただし、第一標識17と第二標識19とは、異なる端面に設けられる。
【0032】
当然のことながら、第一標識17がS極に設けられてもよく、第二標識19がN極に設けられてもよい。リング状マグネット10は、交互に配列されるn個のN極とn個のS極とを有し、2n個の磁極切替わり部が形成される。また、隣り合う磁極切替わり部の間隔が360°/2nであり、n≧1、nが整数である。
【0033】
図11は本発明の第二実施例に関するリング状マグネットを示す斜視図である。リング状マグネット100は、中心軸O−O’を中心とするリング状である。また、リング状マグネット100は、当該中心軸O−O’に沿う第一端面120および第二端面140を有する。第二端面140は、第一端面120と略平行である。第一端面120および第二端面140は、当該中心軸O−O’を中心とする略リング状の面である。図面に示すように、リング状マグネット100が一つのN極と一つのS極とを有し、N極とS極との間に隣り合う2つの磁極切替わり部160,180が形成される。これらの磁極切替わり部160,180は、周方向に180°(360°/2n、n=1)の間隔で位置する。リング状マグネット100の中心軸O−O’と垂直な仮想平面において、中心軸O−O’と磁極切替わり部160とを通る第一直線A−A’は、中心軸O−O’からリング状マグネット100へ延伸する第二直線B−B’と所定の角度θをなす。リング状マグネットの表面において、第二直線B−B’とリング状マグネット100とが重なり合う部位に第一標識170が設けられる。なお所定の角度θは、0°≦θ≦180°である。
図11に示すように、第一標識170と、磁極切替わり部160との間隔は、所定の角度θであり、さらに、第一標識170と磁極切替わり部180との間隔は、180°−θである。
【0034】
なお、リング状マグネット100はさらに第二標識190を有する。第二標識190は、S極において、第一標識170と周方向に180°隔たる。第一標識170と第二標識190との間隔は、周方向に360°/2nであり、nはN極の個数(すなわち、S極の個数)であり、n≧1、nは整数である。第一標識170と第二標識190とは異なる標識である。第一標識がN極およびS極のいずれか一方に設けられるため、回転方向に対して磁極の切替わり(N→S或いはS→N)が容易に識別できる。
【0035】
図12は
図11のリング状マグネットの変形例を示す図である。リング状マグネット100は、周方向に交互に配列される4つのN極とS極を有する。すなわち、リング状マグネット100は、2つのN極と2つのS極とを有し、4つの磁極切替わり部160,180が形成される。隣り合う磁極切替わり部16,18の間隔は90°である。リング状マグネット100の中心軸O−O’と垂直な仮想平面において、中心軸O−O’と1つの磁極切替わり部160とを通る第一直線A−A’は、中心軸からリング状マグネット100へ延伸する第二直線B−B’と所定の角度θをなす。リング状マグネットの表面において、第二直線B−B’とリング状マグネット100とが重なり合う部位に第一標識170が設けられる。なお、所定の角度θは、0°≦θ≦90°である。
図12に示すように、第一標識170と、磁極切替わり部160との間隔は、所定の角度θであり、さらに、最も近い磁極切替わり部180との間隔は、90°−θである。
【0036】
なお、リング状マグネット100はさらに第二標識190有する。第二標識190は、S極において、第一標識170と周方向に360°/2n隔たる。nはN極の個数(すなわち、S極の個数)であり、n≧1、nが整数である。
図12では、n=2である。そのため、
図12の第一標識170と第二標識190との間隔は、周方向に90°である。この角度間隔により特定の方向に沿ってN極とS極ごとに第一標識170と第二標識が設けられる。第一標識170と第二標識190とは、異なる標識である。第一標識がN極およびS極のいずれか一方に設けられ、また、標識の間隔が明白であるため、回転方向に対して磁極の切替わり(N→S或いはS→N)が容易に判断できる。
【0037】
上記の具体的な実施例によると、図面に示すように、第一直線A−Aが1つの磁極切換え部160を通り、かつ第二直線B−B’がリング状マグネット100のN極と重なる。しかし、第一直線A−Aが1つの磁極切換え部180を通ってもよく、または第二直線B−Bがリング状マグネットのN極と重なってもよい。すなわち、第一標識170がS極に設けられてもよく、第二標識190がN極に設けられてもよい。すなわち、異なる磁極に標識が設けられてもよい。
【0038】
本発明に関する第二実施例のリング状マグネットは、n個のN極とn個のS極とを有し、2n個の磁極切替わり部が形成される。すなわち、n個のN→S磁極切替わり部160およびn個のS→N磁極切替わり部180を有し、隣り合う磁極切替わり部160,180の間隔は360°/2nである。なお、n≧1、nは整数である。リング状マグネットの中心軸と垂直な仮想平面において、中心軸O−O’と1つの磁極切替わり部160とを通る第一直線A−A’は、中心軸O−O’からリング状マグネット100へ延伸する第二直線B−B’と所定の角度θをなす。そして、リング状マグネット100の表面において、第二直線B−B’とリング状マグネット100と重なり合う部位に第一標識170が設けられる。なお、所定の角度θは、0°≦θ≦360°/2nである。さらに、リング状マグネット100の表面には、第二標識190が設けられる。第二標識190と第一標識170との間隔は、周方向に360°/2nである。第一標識170と第二標識190とは異なる標識である。
【0039】
図8、
図9および10に記述の第一実施例およびその変形例では、第一標識17が隣り合う磁極切替わり部160,180の周方向中央に位置するため、第一実施例は第二実施例の特別な実施例と理解すべきである。このとき、隣り合う磁極切替わり部160,180の間隔は360°/2nであり、所定の角度θは、θ=360°/4nである。第一標識17は、隣り合う磁極切替わり部の周方向中央に位置する。
【0040】
好ましい一実施例では、第一標識170がリング状マグネット100の軸方向中央よりも上側に位置し、第二標識190がリング状マグネット100の軸方向中央よりも下側に位置する。
図11に示すように、θ=0°或いはθ=360°/2nの時、第一標識170および第二標識190は、磁極切替わり部160,180と周方向位置が同じである。好ましい一実施例では、第一標識170および第二標識190がリング状マグネット100の第一端面120および第二端面140のいずれか一方に位置する。より好ましい実施例では、第一標識170および第二標識190は、リング状マグネット100の第一端面120および第二端面140のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。最も好ましい実施例では、第一標識170はリング状マグネット100の第一端面120から第二端面140側へ凹む凹部であり、第二標識190はリング状マグネット100の第二端面140から第一端面120側へ凹む凹部である。すなわち、第一標識170と第二標識190とは異なる端面に位置する。(未表示、
図8に示すように)。
【0041】
図13に示すように、第一標識170と第二標識190とが異なる端面に位置し、また磁極切替わり部160,180と周方向位置が同じである場合、リング状マグネット100の取り付けが非常に容易になる。このとき、取り付け治具に、前記凹部に対応する凸部を設けて、取り付け治具に対してリング状マグネット100の位置を定める。このとき、いずれかの凹部に対して、凹部の周方向両側の磁極の相対位置関係がリング状マグネット100の上下方向の取り付け方向により変わらなく、リング状マグネットを取り付けるとき、リング状マグネットの取り付け向きを留意する必要がないので、リング状マグネットの取り付けがさらに容易になる。
【0042】
また、第一標識170および第二標識190は、ペンなどによりリング状マグネットの表面に塗布されてもよい。そのほか、第一標識170および第二標識190は、N極とS極とに異なる色或いは模様を塗布して、色或いは模様が異なるように構成される。
【0043】
本発明に関するモータは、DLP式プロジェクタに適用され、DPL式プロジェクタは周方向において複数の色を有するカラーホイールを備える。前記カラーホイールは前記ロータホルダに取り付けられる。カラーホイールは、周方向において複数の色区域および2つの色区域の間に設けられる複数の色境界部を有する。前記リング状マグネットの前記第一標識または前記第二標識は、カラーホイールの前記色境界部と周方向位置が一致する。
【0044】
本発明に関するモータは必ずしもすべての前述の特徴を有さず、これらの特徴が任意に組み合わせられてもよい。
【0046】
本発明に関するカラーホイール駆動用モータは回転体と静止体とを備える。前記回転体は、中心軸周りを回転し、前記中心軸に沿って延伸するシャフトと、前記シャフトに間接的または直接的に固定されるロータホルダとを含む。前記静止体は、前記ロータホルダの回転位置を検出するように前記ロータホルダの周辺に配置される磁気的位置検出機構を含む。前記モータは、前記ロータホルダの径方向外方に配置され、前記ロータホルダと共に回転するリング状マグネットを有する。前記リング状マグネットは、前記中心軸に沿う第一端面および第二端面を有する。第二端面は、第一端面と対向する。前記リング状マグネットは、周方向に交互に配列されるn個のN極とn個のS極とを有し、隣り合うN極とS極の間に磁極切替わり部が形成される。前記磁極切替わり部の個数は2nである。隣り合う前記磁極切替わり部は、周方向に360°/2nの角度で隔てられ、nは1以上の整数である。
【0047】
前記中心軸に垂直な仮想平面において、前記中心軸と前記2n個磁極切替わり部のうち、少なくとも1つの磁極切替わり部とを通る第一直線と、前記中心軸からリング状マグネットに延びる第二直線とにより、所定の角度θがなされる。前記第二直線と前記リング状マグネットとが重なる部位における前記リング状マグネットの表面に第一標識が設けられる。前記所定の角度θは、0°≦θ≦360°/2nである。このようにすれば、リング状マグネットにおいて磁極切替わり部が確定できる。また、第一標識がN極およびS極のいずれか一方に設けられるため、第一標識と磁極切替わり部との位置関係が明白であるとき、回転方向に対して磁極の切替わり(N→S或いはS→N)が容易に判断できる。
【0048】
好ましい一実施例では、リング状マグネットの表面に第二標識がさらに設けられ、前記第二標識と前記第一標識とは周方向に360°/2nの角度で隔てられ、前記第一標識と前記第二標識とは異なる標識である。第一標識と第二標識との位置関係が明白であるので、第一標識と第二標識との位置が容易に識別でき、リング状マグネットの取り付け工数が低減できる。
【0049】
好ましい一実施例では、前記所定の角度θは、θ=360°/4nであり、N極およびS極のいずれか一方の磁極上にて、隣り合う前記磁極切替わり部の周方向中央に前記第一標識が設けられる。第一標識がN極およびS極のいずれか一方に設けられるため、第一標識と磁極切替わり部との位置関係が明白であるとき、回転方向に対して磁極の切替わり(N→S或いはS→N)が容易に判断できる。
【0050】
好ましい一実施例では、前記第二標識は、前記第一標識とは異なる磁極上にて、隣り合う前記磁極切替わり部の周方向中央に設けられている。このようにすれば、回転方向に対して磁極の切替わりが目視で容易に判断できる。
【0051】
好ましい一実施例では、前記第一標識は一つである。このようにすれば、回転方向に対して磁極の切替わりが目視で容易に判断できる。
【0052】
好ましい一実施例では、前記所定の角度θは、θ=0°またはθ=360°/2nであり、前記第一標識は、前記磁極切替わり部と周方向位置が一致する。第二標識を有する場合、前記所定の角度θは、θ=0°またはθ=360°/2nであるので、前記第一標識および第二標識は、前記磁極切替わり部と周方向位置が一致する。このようにすれば、磁極の切替わりの位置が容易に判断できる。
【0053】
好ましい一実施例では、前記第一標識はリング状マグネットの第一端面および第二端面のいずれかに設けられる。これにより、リング状マグネットの取り付け方向が判断され、リング状マグネットがロータホルダに容易に固定される。
【0054】
好ましい一実施例では、前記第一標識はリング状マグネットの第一端面および第二端面のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。リング状マグネットの成形工程で、当該凹部が一回に形成できる。また、リング状マグネットを取り付けるとき、前記凹部に対応する凸部が設けられた取り付け治具を用いることにより、取り付け治具に対するリング状マグネットの位置を容易に合わせることができ、作業効率が向上できる。
【0055】
好ましい一実施例では、前記第一標識はリング状マグネットの軸方向中央よりも上側に位置し、前記第二標識はリング状マグネットの軸方向中央よりも下側に位置する。
【0056】
好ましい一実施例では、前記第二標識はリング状マグネットの第一端面および第二端面のいずれか一方から他方へ凹む凹部である。そのため、リング状マグネットの成形工程で、第二標識を容易に形成できる。また、リング状マグネットを取り付けるとき、取り付け治具に、前記凹部に対応する凸部が設けて、取り付け治具に対してリング状マグネットの位置を容易に定められ、作業効率が向上する。
【0057】
好ましい一実施例では、前記第一標識はリング状マグネットの第一端面から第二端面側へ凹む凹部であり、前記第二標識はリング状マグネットの第二端面から第一端面側へ凹む凹部である。リング状マグネットの成形工程で、前記凹部が容易に形成できる。また、リング状マグネットをモータに取り付けるとき、前記凹部に対応した凸部が設けられた取り付け治具を用いることにより、リング状マグネットを容易に定位できるため、作業効率が向上できる。そして、θ=0°或いはθ=360°/2n時、第一標識170および第二標識190が磁極切替わり部160および180と周方向の同じところに位置する。リング状マグネットの取り付け方向が限定しなく、作業効率が向上できる。
【0058】
好ましい一実施例では、前記第一標識または第二標識はリング状マグネットの表面に塗布される。このようにすれば、標識を容易に設けることができる。
【0059】
好ましい一実施例では、前記第一標識または第二標識はN極とS極にそれぞれに形成される異なる色または模様である。磁極切替わり部が目視で容易に判断できる。
【0060】
好ましい一実施例では、前記ロータホルダにカラーホイールが取り付けられる。前記カラーホイールは周方向において複数の色区域および隣り合う2つの色区域の間において複数の色境界部を有し、かつ前記リング状マグネットの前記第一標識または第二該標識と前記カラーホイールの色境界部とが周方向における位置合わせる。このようにすれば、磁極切替わり部および色境界部の位置を容易に合わせることができる。
【0061】
本発明に関するデジタル光処理式プロジェクタは前述のいずれかのカラーホイール駆動用モータを備える。このようなデジタル光処理式プロジェクタのモータは高性能であり、プロジェクタの投影性能が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、カラーホイール駆動用モータおよび前記カラーホイール駆動用モータを備えるデジタル光処理式プロジェクタに利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 モータ
2 回転体
3 静止体
4 シャフト
5 ロータホルダ
6 ロータマグネット
7 軸受部
8 ステータ
9 磁気的位置検出機構
10 リング状マグネット
12 第一端面
14 第二端面
16 磁極切替わり部(N→S)
17 第一標識
18 磁極切替わり部(S→N)
19 第二標識