特許第6107519号(P6107519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6107519
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】半導体装置及びその試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20170327BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20170327BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20170327BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20170327BHJP
【FI】
   G01R31/28 V
   H01L27/04 T
   G06F21/44 350
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-159391(P2013-159391)
(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2015-31534(P2015-31534A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】308014341
【氏名又は名称】富士通セミコンダクター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100081330
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 外治
(72)【発明者】
【氏名】稲岡 智彰
(72)【発明者】
【氏名】稲田 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】森▲崎▼ 徹
(72)【発明者】
【氏名】寺田 洋介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英明
(72)【発明者】
【氏名】冨里 信彰
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−505059(JP,A)
【文献】 特開平5−12459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
G06F 21/44
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
論理回路部と、
前記論理回路部のスキャンチェーンを形成する試験回路制御部と、を有し、前記試験回路制御部は、
パスコードを示すパスコード信号を他の半導体装置から受信するインタフェース部と、
前記パスコードを記憶する照合レジスタと、
前記パスコードが有効であるか否かを判定し、前記パスコードが有効であると判定したときに、前記論理回路部のスキャンチェーンを形成する制御部と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記インタフェース部は、前記パスコード信号を複数の前記他の半導体装置から受信する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記制御部は、入力された照合用パスコードと、前記パスコードとを比較して、前記照合用パスコードと、前記パスコードとが一致したときに、前記パスコードが有効であると判定する、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記パスコートが記憶される送出レジスタを更に有し、
前記制御部は、パスコートの出力を指示するパスコード送出指示を取得すると、前記送出レジスタに記憶される前記パスコードを出力する、請求項1〜3の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記インタフェース部は、ウェハから切断されたときに形成される切断面に一端が位置する配線に接続される、請求項1〜4の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記スキャンチェーンの初段又は最終段のフリップフロップ回路は、ウェハから切断されたときに形成される切断面に一端が位置する配線に接続される、請求項1〜5の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記論理回路部は、複数のスキャンチェーンを有する、請求項1〜6の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数のスキャンチェーンの間の接続を切り替えるスイッチを更に有する、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体装置のインタフェース部が、スクライブに形成される配線を介してパスコードを示すパスコード信号を他の半導体装置から取得して、
前記パスコードを前記半導体装置の照合レジスタに記憶し、
前記パスコードが有効であるか否かを判定し、
前記パスコードが有効であると判定したときに、前記半導体装置の論理回路部のスキャンチェーンを形成し、
前記スキャンチェーンを使用して前記半導体装置の論理回路部を試験する、
ことを特徴とする半導体装置の試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、各工程で各種の試験(テスト)が行われ、不良品の除去及び歩留まりの向上のためのテスト結果のフィードバックが行われる。例えば、半導体装置が電気的に正常に動作し、仕様を満たすかを検査する動作テストが行われ、合格したものだけが出荷される。
【0003】
LSI(Large Scale Integration、大規模集積回路)の回路規模が大きくなるにつれ、内部の動作状態を検出するのが難しくなっており、内部の動作状態を検出するために、半導体装置内にスキャンチェーンを形成することが行われる。スキャンチェーンは、フリップフロップ回路(FF)をチェーン状に継続接続したシフトレジスタであり、各FFは、前段からのデータ又はある時点で捕捉(キャプチャ)した組合せ回路(論理回路)のデータを、クロックに同期して次段に送る。初段のFFは、前段からのデータの替わりに入力端子に入力されたデータを次段に送る。また、最終段のFFは、出力データを出力端子に出力する。スキャンチェーンを利用することにより、組合せ回路に所望のデータを設定し、組合せ回路のある時点の状態(データ)を外部に出力することができる。これにより、所望の状態から組合せ回路を動作させ、所望の時点の組合せ回路の動作状態を知ることができる。
【0004】
図1(a)は、従来の半導体装置の一例の回路ブロック図である。
【0005】
半導体装置900は、論理回路部901と、試験回路制御部902と、試験モード信号入力部903と、試験データ入力部904と、試験データ出力部905とを有する。論理回路部901は、半導体装置900が動作することにより達成される種々の機能を実現するための論理回路素子及びメモリ素子等を有する。試験回路制御部902は、試験モード信号を受信したときに、論理回路部901が有するFFをスキャン試験モードに設定するための回路を有する。試験モード信号入力部903には試験モード信号が送信され、試験データ入力部904には試験データ入力信号が送信される。試験データ出力部905からは、試験データ入力部904に送信された試験データ入力信号に応じた試験データ出力信号が送信される。テスタ990は、半導体装置900の試験モード信号入力部903に試験モード信号を送信し且つ半導体装置900の試験データ入力部904に試験データ入力信号を送信する。また、テスタ990は、半導体装置900の試験データ出力部905から送信される試験データ出力信号を受信する。テスタ990は、受信した試験データ出力信号に対応するデータの値とテスタ990の内部に記憶される期待値とを比較して半導体装置900の論理回路部901に故障があるか否かを判定する。
【0006】
図1(b)は、図1(a)に示す半導体装置の試験における処理のフローチャートである。
【0007】
まず、ステップS901において、テスタ990は、試験モード信号入力部903に試験モード信号を送信する。次いで、ステップS902において、試験回路制御部902は、論理回路部901のFFを試験モードに設定する。次いで、ステップS903において、テスタ990は、試験データ入力信号を試験データ入力部904に送信する。次いで、ステップS904において、テスタ990は、半導体装置900の試験データ出力部905から送信される試験データ出力信号を受信する。そして、ステップS905において、テスタ990は、受信した試験データ出力信号に対応するデータの値とテスタ990の内部に記憶される期待値とを比較して半導体装置900の論理回路部901に故障があるか否かを判定する。
【0008】
また、スキャンチェーンは、通常、半導体装置内で通常動作(システム動作)を行う際に使用されるFFで形成されるが、スキャンチェーンを形成するために設けたFFを使用する場合もある。大規模なLSIでは、スキャンチェーンを形成するFF数が膨大になり、初段から最終段までデータをシフトするのに要する時間が長くなるため、例えば、複数のスキャンチェーンを形成する場合がある。ただし、スキャンチェーン数が増加すると、それに応じてスキャンチェーン用の入力及び出力端子数も増加し、そのためのパッド数も増加するので、スキャンチェーン数は適宜設定される。
【0009】
図2は、従来の半導体装置の他の例の回路ブロック図である。
【0010】
半導体装置910は、複数の論理回路部911a〜911nと、試験回路制御部912と、試験モード信号入力部913と、複数の試験データ入力部914a〜914nと、複数の試験データ出力部915a〜915nとを有する。複数の論理回路部911a〜911nはそれぞれ、半導体装置910が動作することにより達成される種々の機能を実現するための論理回路素子及びメモリ素子等を有する。試験回路制御部912は、試験モード信号を受信したときに、論理回路部911a〜911nが有するFFをスキャン試験モードに設定するための回路を有する。試験モード信号入力部903には試験モード信号が入力される。試験データ入力部914a〜914nにはそれぞれ、試験データ入力信号が入力される。複数の試験データ出力部915a〜915nからはそれぞれ、試験データ入力部914a〜914nに送信された試験データ入力信号に応じた試験データ出力信号が送信される。テスタ991は、半導体装置910の試験モード信号入力部913に試験モード信号を送信し且つ半導体装置910の試験データ入力部914a〜914nに試験データ入力信号を送信する。また、テスタ991は、半導体装置900の試験データ出力部915a〜915nから送信される試験データ出力信号を受信する。テスタ991は、受信した試験データ出力信号に対応するデータの値とテスタ991の内部に記憶される期待値とを比較して半導体装置910の論理回路部911a〜911nに故障があるか否かを判定する。
【0011】
また、ウェハ上に形成される複数の半導体置のスキャンチェーンの間をスクライブ領域上に形成されるテスト用配線を介して接続することが知られている。例えば、ウェハ上に形成される複数の半導体装置に亘ってスキャンチェーンを形成することにより、半導体装置の製造工程で実施される試験の1つであるバーインにおける試験効率を向上させることができる。
【0012】
また、近年、半導体装置のデッドコピーを製造するために、スキャンチェーンを使用して、半導体装置内部のデータが取得されることがある。半導体装置の表面に形成される素子の構造及び接続関係を解析することで、半導体装置が有する論理回路の配置を特定した上で、半導体装置が有するROM(Read Only Memory)に記憶されるデータがスキャンチェーンを介して取得されるおそれがある。スキャンチェーンを使用して、半導体装置内部のデータが取得されることを防止するための方法が知られている。
【0013】
図3(a)は従来の半導体装置の更に他の例の回路ブロック図である。
【0014】
半導体装置920は、論理回路部921と、試験回路制御部922と、試験モード信号入力部923と、試験データ入力部924と、試験データ出力部925とを有する。論理回路部921は、半導体装置920が動作することにより達成される種々の機能を実現するための論理回路素子及びメモリ素子等を有する。試験モード信号入力部923、試験データ入力部924及び試験データ出力部925はそれぞれ、試験モード信号入力部903、試験データ入力部904及び試験データ出力部905に対応する機能を有する。試験回路制御部922は、パスコード判定回路部926を有することが図1を参照して説明した試験回路制御部902と相違する。パスコード判定回路部926は、試験データ入力信号が送信される前に、試験モード信号入力部923を介して送信されるパスコード信号に対応するパスコードが有効であるか否かを判定する。試験回路制御部922は、パスコード判定回路部926に記憶されたパスコードが有効であると判定した場合に、論理回路部921が有するFFをスキャン試験モードに設定する。
【0015】
図3(b)は、図3(a)に示す半導体装置の試験における処理のフローチャートである。
【0016】
まず、ステップS921において、テスタ992は、試験モード信号入力部923を介して試験回路制御部922に試験モード信号を送信する。次いで、ステップS922において、テスタ992は、試験モード信号入力部923にパスコード信号を送信する。次いで、ステップS923において、パスコード判定回路部926は、送信されたパスコード信号に対応するパスコードが有効であるか否かを判定する。パスコード判定回路部926がパスコードが有効でないと判定した場合、処理はステップS924に進み、処理が停止する。また、パスコード判定回路部926がパスコードが有効であると判定した場合、処理はステップS925に進む。処理がステップS925に進むと、試験回路制御部922は、論理回路部921のFFを試験モードに設定する。次いで、ステップS926において、テスタ992は、試験データ入力信号を試験データ入力部924に送信する。次いで、ステップS927において、テスタ992は、半導体装置920の試験データ出力部925から送信される試験データ出力信号を受信する。そして、ステップS928において、テスタ992は、受信した試験データ出力信号に対応するデータの値とテスタ992の内部に記憶される期待値とを比較して半導体装置920の論理回路部921に故障があるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2007−287770号公報
【特許文献2】国際公開第2006/025140号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図2に示す半導体装置910のように、スキャンチェーンを形成する論理回路を複数の領域に分割することにより、スキャンチェーンを使用して、半導体装置内部のデータを取得する処理に対する耐タンパ性が向上する。しかしながら、スキャンチェーンを形成する論理回路を複数の領域に分割すると試験に使用される端子の数が増加するため、端子毎に配置されるパッドの数も増加するので、チップサイズが大きくなり製造コストが上昇するおそれがある。
【0019】
また、図3(a)に示す半導体装置920のように、パスコードが有効であるか否かを判定する判定回路を有することにより、スキャンチェーンを使用して、半導体装置内部のデータを取得する処理に対する耐タンパ性が向上する。しかしながら、論理回路を解析する技術が向上してきており、パスコードが有効であるか否かを判定する判定回路の回路構造を解析することにより、パスコードが取得されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
1つの実施形態では、半導体装置は、論理回路部と、論理回路部のスキャンチェーンを形成する試験回路制御部とを有する。試験回路制御部は、インタフェース部と、照合レジスタと、制御部とを有する。インタフェース部はパスコードを示すパスコード信号を他の半導体装置から受信し、照合レジスタは、インタフェース部が受信したパスコードを記憶する。制御部は、照合レジスタが記憶したパスコードが有効であるか否かを判定し、照合レジスタが記憶したパスコードが有効であると判定したときに、論理回路部のスキャンチェーンを形成する。
【発明の効果】
【0021】
スキャンチェーンを使用して、半導体装置内部のデータを取得する処理に対する耐タンパ性が向上した半導体装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a)は従来の半導体装置の一例の回路ブロック図であり、(b)は(a)に示す半導体装置の試験における処理のフローチャートである。
図2】従来の半導体装置の他の例の回路ブロック図である。
図3】(a)は従来の半導体装置の更に他の例の回路ブロック図であり、(b)は(a)に示す半導体装置の試験における処理のフローチャートである。
図4】第1実施形態に係る半導体装置を搭載するウェハの回路ブロック図である。
図5図4に示す半導体装置の試験における処理のフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る半導体装置を搭載するウェハの回路ブロック図である。
図7図6に示す半導体装置の試験における処理のフローチャートである。
図8】第3実施形態に係る半導体装置を搭載するウェハの回路ブロック図である。
図9】第4実施形態に係る半導体装置の回路ブロック図である。
図10】第4実施形態に係る半導体装置を搭載するウェハの回路ブロック図である。
図11図9に示す半導体装置のスイッチ設定を示す図である。
図12図9に示す半導体装置の試験における処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面を参照して、本発明に係る半導体装置及びその試験方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明との均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0024】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置が搭載されたウェハの回路ブロック図である。
【0025】
ウェハ100は、第1半導体装置1と、第2半導体装置2と、第3半導体装置3と、第4半導体装置4とを有する。
【0026】
第1半導体装置1は、第1論理回路部10と、第1試験回路制御部11と、第1試験モード信号入力部12と、試験データ入力部13とを有する。第1論理回路部10は、第1半導体装置1が動作することにより達成される種々の機能を実現するための論理回路素子及びメモリ素子が配置される。第1試験回路制御部11は、第1インタフェース部111と、第1制御部112と、第1照合レジスタ113と、第1スキャンチェーン設定部115とを有する。
【0027】
第2半導体装置2は、第1半導体装置1が有する第1論理回路部10と同一の構成を有する第2論理回路部20と、第2試験回路制御部21とを有する。第2試験回路制御部21は、第2インタフェース部211と、第2制御部212と、第2送出レジスタ214と、第2スキャンチェーン設定部215とを有する。
【0028】
第3半導体装置3は、第1半導体装置1が有する第1論理回路部10と同一の構成を有する第3論理回路部30と、第3試験回路制御部31とを有する。第3試験回路制御部31は、第3インタフェース部311と、第3制御部312と、第3送出レジスタ314と、第3スキャンチェーン設定部315とを有する。
【0029】
第4半導体装置4は、第1半導体装置1が有する第1論理回路部10と同一の構成を有する第4論理回路部40と、第4試験回路制御部41とを有する。第4試験回路制御部41は、第4インタフェース部411と、第4制御部412と、第4送出レジスタ414と、第4スキャンチェーン設定部415とを有する。
【0030】
第1インタフェース部111と、第2インタフェース部211と、第3インタフェース部311と、第4インタフェース部411との間は、第1スクライブ配線51を介して接続される。第1インタフェース部111、第2インタフェース部211、第3インタフェース部311及び第4インタフェース部411の間の配線は、第1半導体装置1、第2半導体装置2、第3半導体装置3及び第4半導体装置4が分離されるときに切断される。すなわち、半導体装置がウェハ100から切断されたとき、第1インタフェース部111、第2インタフェース部211、第3インタフェース部311及び第4インタフェース部411の送信用配線及び受信用配線の端部はそれぞれ、切断面に位置する。
【0031】
第1論理回路部10と、第2論理回路部20との間は、第2スクライブ配線52を介して接続される。第2論理回路部20と、第3論理回路部30との間は、第3スクライブ配線53を介して接続される。第3論理回路部30と、第4論理回路部40との間は、第4スクライブ配線54を介して接続される。第2スクライブ配線52の一端は第1論理回路部10に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFに接続され、第2スクライブ配線52の他端は第2論理回路部20に配置されるスキャンチェーンの初段のFFに接続される。第3スクライブ配線53の一端は第2論理回路部20に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFに接続され、第3スクライブ配線53の他端は第3論理回路部30に配置されるスキャンチェーンの初段のFFに接続される。第4スクライブ配線54の一端は第3論理回路部30に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFに接続され、第4スクライブ配線54の他端は第4論理回路部40に配置されるスキャンチェーンの初段のFFに接続される。ウェハ100上では、第1論理回路部10に配置されるスキャンチェーンの初段のFFと第4論理回路部40に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFとの間は、第2〜第4スクライブ配線52〜54を介して直列に接続される。
【0032】
第2スクライブ配線52、第3スクライブ配線53及び第4スクライブ配線54はそれぞれ、第1半導体装置1、第2半導体装置2、第3半導体装置3及び第4半導体装置4の間のスクライブ領域に形成される。第1スクライブ配線51、第2スクライブ配線52、第3スクライブ配線53及び第4スクライブ配線54はそれぞれ、第1半導体装置1、第2半導体装置2、第3半導体装置3及び第4半導体装置4をウェハ100から分離するときに切断される。第1半導体装置1、第2半導体装置2、第3半導体装置3及び第4半導体装置4がウェハ100から切断されると、スキャンチェーンの初段又は最終段のフリップフロップ回路の配線の一端は、切断面に位置する。
【0033】
第1インタフェース部111は、第2インタフェース部211、第3インタフェース部311及び第4インタフェース部411から受信した信号に対応する情報を第1制御部112に出力する。また、第1インタフェース部111は、第1制御部112から取得した情報を示す信号を第2インタフェース部211、第3インタフェース部311及び第4インタフェース部411に送信する。
【0034】
第1インタフェース部111は、第2送出レジスタ214に記憶されるパスコードの出力を指示する第2パスコード送出指示を取得すると、第2インタフェース部211に第2パスコード送出指示信号を送信する。第1インタフェース部111は、第3送出レジスタ314に記憶されるパスコードの出力を指示する第3パスコード送出指示を取得すると、第3インタフェース部311に第3パスコード送出指示信号を送信する。第1インタフェース部111は、第4送出レジスタ414に記憶されるパスコードの出力を指示する第4パスコード送出指示を取得すると、第4インタフェース部411に第4パスコード送出指示信号を送信する。
【0035】
第1インタフェース部111は、第2パスコードを示す第2パスコード信号を受信すると、第2パスコードを第1制御部112に出力し、第3パスコードを示す第3パスコード信号を受信すると、第3パスコードを第1制御部112に出力する。また、第1インタフェース部111は、第4パスコードを示す第4パスコード信号を受信すると、第4パスコードを第1制御部112に出力する。
【0036】
第1インタフェース部111は、第2論理回路部20のスキャンチェーンの形成を指示する第2スキャン形成指示を第1制御部112からを取得すると、第2インタフェース部211に第2スキャン形成指示信号を送信する。第1インタフェース部111は、第3論理回路部30のスキャンチェーンの形成を指示する第3スキャン形成指示を第1制御部112からを取得すると、第3インタフェース部311に第3スキャン形成指示信号を送信する。第1インタフェース部111は、第4論理回路部40のスキャンチェーンの形成を指示する第4スキャン形成指示を第1制御部112からを取得すると、第4インタフェース部411に第4スキャン形成指示信号を送信する。
【0037】
第1制御部112は、第1試験モード信号入力部12を介してテスタ801から第1論理回路部10の論理動作の試験開始を示す試験モード信号を受信する。第1制御部112は、試験モード信号を受信すると、第2パスコード送出指示、第3パスコード送出指示及び第4パスコード送出指示を第1インタフェース部111に出力する。
【0038】
第1制御部112は、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードを第1インタフェース部111から取得すると、それぞれのパスコードを第1照合レジスタ113に記憶する。
【0039】
第1制御部112は、試験データ入力部13を介してテスタ801から照合用のパスコードを示す照合用パスコード信号を受信する。第1制御部112は、照合用パスコード信号を受信し、入力された参照用パスコードを取得すると、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードが有効であるか否かを判定する。すなわち、第1制御部112は、照合用パスコード信号を受信すると、受信した照合用パスコード信号に対応する照合用パスコードと、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードとが一致しているか否かを判定する。
【0040】
第1制御部112は、照合用パスコードと、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードとが一致すると判定した場合、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードが有効であると判定する。第1制御部112は、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードが有効であると判定すると、第1スキャンチェーン設定部115に第1論理回路部10のスキャンチェーンを形成するために、第1スキャンチェーン設定部115にスキャン形成指示を出力する。また、第1制御部112は、第2〜第4論理回路部20〜40のスキャンチェーンを形成するために、第2〜第4スキャン形成指示を第1インタフェース部111に出力する。
【0041】
第1照合レジスタ113は、第2半導体装置2から出力された第2パスコード、第3半導体装置3から出力された第3パスコード及び第4半導体装置4から出力された第4パスコードをそれぞれ記憶する。第1照合レジスタ113に記憶されたパスコードは試験が終了した後に消去される。
【0042】
第1スキャンチェーン設定部115は、第1制御部112からスキャン形成指示を取得したときに、第1論理回路部10のFFを試験モードに設定して、第1論理回路部10のスキャンチェーンを形成する。第1スキャンチェーン設定部115は、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードをスキャンチェーンを形成するためのパスコードとして使用する。一例では、第1スキャンチェーン設定部115は、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが第1照合レジスタに記憶されたときに、第1論理回路部10のFFを試験モードに設定する論理回路である。また他の例では、第1スキャンチェーン設定部115は、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが第1照合レジスタに記憶されたときに、第1論理回路部10のFFを試験モードに設定する動的再構成回路を含む回路である。
【0043】
第2インタフェース部211は、第1インタフェース部111から受信した信号に対応する情報を第2制御部212に出力する。また、第2インタフェース部211は、第2制御部212から取得した情報を示す信号を第1インタフェース部111に送信する。
【0044】
第2インタフェース部211は、第1インタフェース部111から第2パスコード送出指示信号を受信すると、第2パスコード送出指示を第2制御部212に出力する。第2インタフェース部211は、第2送出レジスタ214から第2パスコードを取得すると、第1インタフェース部111に第2パスコード信号を送信する。第2インタフェース部211は、第1インタフェース部111から第2スキャン形成指示信号を受信すると、第2スキャン形成指示を第2制御部212に出力する。
【0045】
第2制御部212は、第2パスコード送出指示を取得すると、第2送出レジスタ214に記憶される第2パスコードを第2インタフェース部211に出力する。第2制御部212は、第2スキャン形成指示を取得すると、第2スキャンチェーン設定部215に第2論理回路部20のスキャンチェーンを形成するために、第2スキャンチェーン設定部215にスキャン形成指示を出力する。
【0046】
第2スキャンチェーン設定部215は、第2制御部212からスキャン形成指示を取得したときに、第2論理回路部20のスキャンチェーンを形成する。
【0047】
第3試験回路制御部31及び第4試験回路制御部41は、第2試験回路制御部21と同一の構成を有する。第3制御部312は、第3パスコード送出指示を取得すると、第3送出レジスタ314に記憶される第3パスコードを第3インタフェース部311に出力する。第3制御部312は、第3スキャン形成指示を取得すると、第3論理回路部30のスキャンチェーンを形成するために、第3スキャンチェーン設定部315にスキャン形成指示を出力する。第3スキャンチェーン設定部315は、第3制御部312からスキャン形成指示を取得したときに、第3論理回路部30のスキャンチェーンを形成する。第4制御部412は、第4パスコード送出指示を取得すると、第4送出レジスタ414に記憶される第4パスコードを第4インタフェース部411に出力する。第4制御部412は、第4スキャン形成指示を取得すると、第4論理回路部40のスキャンチェーンを形成するために、第4スキャンチェーン設定部415にスキャン形成指示を出力する。第4スキャンチェーン設定部415は、第4制御部412からスキャン形成指示を取得したときに、第4論理回路部40のスキャンチェーンを形成する。
【0048】
図5は、第1半導体装置1、第2半導体装置2、第3半導体装置3及び第4半導体装置4に亘って形成されるスキャンチェーンによる試験の処理を示すフローチャートである。
【0049】
まず、ステップS101において、テスタ801は、第1半導体装置1、第2半導体装置2、第3半導体装置3及び第4半導体装置4の第1〜第4試験モード信号入力部12、22、32及び42にそれぞれ、試験モード信号を送信する。次いで、ステップS102において、第1制御部112は、第2パスコード送出指示、第3パスコード送出指示及び第4パスコード送出指示を出力する。次いで、ステップS103において、第2制御部212は第2送出レジスタ214に記憶される第2パスコードを出力し、第3制御部312は第3送出レジスタ314に記憶される第3パスコードを出力する。また、第4制御部412は、第4送出レジスタ414に記憶される第4パスコードを出力する。
【0050】
次いで、ステップS104において、第1制御部112は、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードを第1照合レジスタ113に記憶する。次いで、ステップS105において、テスタ801は、照合用パスコード信号を送信する。次いで、ステップS106において、第1制御部112は、照合用パスコードと、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードとが一致しているか否かを判定する。第1制御部112が照合用パスコードと、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードとが一致していないと判定すると、処理はステップS107に進み、処理が停止する。第1制御部112が照合用パスコードと、第1照合レジスタ113に記憶されるパスコードとが一致していると判定すると、処理はステップS108に進む。
【0051】
処理がステップS108に進むと、第1制御部112は、第1スキャンチェーン設定部115にスキャン形成指示を出力する。また、第1制御部112は、第2〜第4論理回路部20〜40のスキャンチェーンを形成するために第2〜第4スキャン形成指示を第1インタフェース部111に出力する。次いで、ステップS109において、第1スキャンチェーン設定部115、第2スキャンチェーン設定部215、第3スキャンチェーン設定部315及び第4スキャンチェーン設定部415はそれぞれ、論理回路部のスキャンチェーンを形成する。すなわち、第1スキャンチェーン設定部115は第1論理回路部10のFFを試験モードに設定し、第2スキャンチェーン設定部215は第2論理回路部20のFFを試験モードに設定する。また、第3スキャンチェーン設定部315は第3論理回路部30のFFを試験モードに設定し、第4スキャンチェーン設定部415は第4論理回路部40のFFを試験モードに設定する。次いで、ステップS110において、テスタ801は、第1半導体装置1の試験データ入力部13に試験データ入力信号を送信する。次いで、ステップS111において、テスタ801は、第4半導体装置4の試験データ出力部43から送信される試験データ出力信号を受信する。そして、ステップS112において、テスタ801は、受信した試験データ出力信号に対応するデータの値とテスタ801の内部に記憶される期待値とを比較して第1〜第4論理回路部10〜40に故障があるか否かを判定する。
【0052】
図6は、第2実施形態に係る半導体装置が搭載されたウェハの回路ブロック図である。
【0053】
ウェハ200は、第1半導体装置1´と、第2半導体装置2´と、第3半導体装置3´と、第4半導体装置4´とを有する。
【0054】
第1半導体装置1´は、第1試験回路制御部11の代わりに第1試験回路制御部15を有することが、第1半導体装置1と相違する。第1試験回路制御部15は、第1制御部112の代わりに第1制御部152を有することが、第1試験回路制御部11と相違する。また、第1試験回路制御部15は、第1パスコードを記憶する第1送出レジスタ154を有することが、第1試験回路制御部11と相違する。
【0055】
第1制御部152は、第1試験モード信号入力部12を介してテスタ802から第1論理回路部10の論理動作の試験開始を示す試験モード信号を受信する。また、第1制御部152は、第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードの取得を指示するパスコード取得指示信号をテスタ802から受信する。第1制御部152は、パスコード取得指示信号を受信すると、第2パスコード送出指示、第3パスコード送出指示及び第4パスコード送出指示を第1インタフェース部111に出力すると共に、第1送出レジスタ154に記憶される第1パスコードを取得する。第1制御部152は、第1インタフェース部111から第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードを取得すると、取得した第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードを第1パスコードと共に第1照合レジスタに記憶する。
【0056】
第1制御部152は、第1照合レジスタ113に記憶された第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが有効であると判定すると、第1スキャンチェーン設定部115にスキャン形成指示を出力する。一例では、第1制御部152は、第1照合レジスタ113に記憶された第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードと、不図示のROMに記憶された照合用パスコードとを比較する。そして、第1制御部152は、第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードと、照合用パスコードとが一致したときに、第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが有効であると判定する。照合用パスコードが記憶されるROMがEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の記憶されたデータが消去可能なROMの場合、ROMに記憶された照合用パスコードは試験が終了した後に消去される。
【0057】
第2制御部252、第3制御部352及び第4制御部452はそれぞれ、第1制御部152と同一の構成を有する。第2制御部252は、第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが第2照合レジスタ213に記憶されると、第2スキャンチェーン設定部215にスキャン形成指示を出力する。第3制御部352は、第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが第3照合レジスタ313に記憶されると、第3スキャンチェーン設定部315にスキャン形成指示を出力する。第4制御部452は、第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが第4照合レジスタ413に記憶されると、第4スキャンチェーン設定部415にスキャン形成指示を出力する。
【0058】
図7は、第1半導体装置1´、第2半導体装置2´、第3半導体装置3´及び第4半導体装置4´に亘って形成されるスキャンチェーンによる試験の処理を示すフローチャートである。
【0059】
まず、ステップS201において、テスタ802は、第1半導体装置1´、第2半導体装置2´、第3半導体装置3´及び第4半導体装置4´の第1〜第4試験モード信号入力部12、22、32及び42にそれぞれ、試験モード信号を送信する。
【0060】
次いで、ステップS202において、テスタ802は、第1半導体装置1´の第1試験モード信号入力部12にパスコード取得指示信号を送信する。次いで、ステップS203において、第1制御部152は、第2パスコード送出指示、第3パスコード送出指示及び第4パスコード送出指示を出力すると共に、第1送出レジスタ154に記憶される第1パスコードを取得する。次いで、ステップS204において、第2制御部212は、第2送出レジスタ214に記憶される第2パスコードを第1制御部152に出力し、第3制御部312は、第3送出レジスタ314に記憶される第3パスコードを第1制御部152に出力する。また、第4制御部412は、第4送出レジスタ414に記憶される第4パスコードを第1制御部152に出力する。
【0061】
次いで、ステップS205において、第1制御部152は、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードを第1パスコードと共に第1照合レジスタ113に記憶する。次いで、ステップS206において、第1制御部152は、第1照合レジスタ113に記憶された第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードが有効であると判定して、第1スキャンチェーン設定部115にスキャン形成指示を出力する。次いで、ステップS207において、第1スキャンチェーン設定部115は、第1論理回路部10のFFを試験モードに設定する。
【0062】
次いで、ステップS208において、テスタ802は、第2半導体装置2´の第2試験モード信号入力部22にパスコード取得指示信号を送信する。次いで、ステップS209において、第2制御部252は、第1パスコード送出指示、第3パスコード送出指示及び第4パスコード送出指示を出力すると共に、第2送出レジスタ214に記憶される第2パスコードを取得する。以降、ステップS210〜S212において、第2制御部252は、ステップS204〜S206における第1制御部152の同様の処理を実行する。次いで、ステップS213において、第2スキャンチェーン設定部215は、第2論理回路部20のFFを試験モードに設定する。
【0063】
次いで、ステップS214において、テスタ802は、第3半導体装置3´の第3試験モード信号入力部32にパスコード取得指示信号を送信する。次いで、ステップS215において、第3制御部352は、第1パスコード送出指示、第2パスコード送出指示及び第4パスコード送出指示を出力すると共に、第3送出レジスタ314に記憶される第3パスコードを取得する。以降、ステップS216〜S218において、第3制御部352は、ステップS204〜S206における第1制御部152の同様の処理を実行する。次いで、ステップS219において、第3スキャンチェーン設定部315は、第3論理回路部30のFFを試験モードに設定する。
【0064】
次いで、ステップS220において、テスタ802は、第4半導体装置4´の第4試験モード信号入力部42にパスコード取得指示信号を送信する。次いで、ステップS221において、第4制御部452は、第1パスコード送出指示、第2パスコード送出指示及び第3パスコード送出指示を出力すると共に、第4送出レジスタ414に記憶される第4パスコードを取得する。以降、ステップS222〜S224において、第4制御部452は、ステップS204〜S206における第1制御部152の同様の処理を実行する。次いで、ステップS225において、第4スキャンチェーン設定部415は、第4論理回路部40のFFを試験モードに設定する。
【0065】
次いで、ステップS226において、テスタ802は、第1半導体装置1´の試験データ入力部13に試験データ入力信号を送信する。次いで、ステップS227において、テスタ802は、第4半導体装置4´の試験データ出力部43から送信される試験データ出力信号を受信する。そして、ステップS228において、テスタ801は、受信した試験データ出力信号に対応するデータの値とテスタ801の内部に記憶される期待値とを比較して第1〜第4論理回路部10〜40に故障があるか否かを判定する。
【0066】
図8は、第3実施形態に係る半導体装置が搭載されたウェハの回路ブロック図である。
【0067】
ウェハ300は、第1半導体装置5と、第2半導体装置6と、第3半導体装置7と、第4半導体装置8とを有する。
【0068】
第1半導体装置5は、第1論理回路部10の代わりに第11論理回路部101、第12論理回路部102及び第13論理回路部103を有することが、第1半導体装置1と相違する。第2半導体装置6は、第2論理回路部20の代わりに第21論理回路部201、第22論理回路部202及び第23論理回路部203を有することが、第2半導体装置2と相違する。第3半導体装置7は、第3論理回路部30の代わりに第31論理回路部301、第32論理回路部302及び第33論理回路部303を有することが、第3半導体装置3と相違する。第4半導体装置8は、第4論理回路部40の代わりに第41論理回路部401、第42論理回路部402及び第43論理回路部403を有することが、第4半導体装置4と相違する。
【0069】
第11論理回路部101、第21論理回路部201、第31論理回路部301及び第41論理回路部401は、同一の構成を有する。第12論理回路部102、第22論理回路部202、第32論理回路部302及び第42論理回路部402は、同一の構成を有する。第13論理回路部103、第23論理回路部203、第33論理回路部303及び第43論理回路部403は、同一の構成を有する。
【0070】
第11論理回路部101に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第21論理回路部201に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第121スクライブ配線121を介して接続される。第21論理回路部201に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第12論理回路部102に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第122スクライブ配線122を介して接続される。第12論理回路部102に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第22論理回路部202に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第123スクライブ配線123を介して接続される。第22論理回路部202に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第13論理回路部103に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第124スクライブ配線124を介して接続される。第13論理回路部103に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第23論理回路部203に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第125スクライブ配線125を介して接続される。
【0071】
第23論理回路部203に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第31論理回路部301に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第231スクライブ配線231を介して接続される。
【0072】
第31論理回路部301に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第41論理回路部401に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第341スクライブ配線341を介して接続される。第41論理回路部401に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第32論理回路部302に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第342スクライブ配線342を介して接続される。第32論理回路部302に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第42論理回路部402に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第343スクライブ配線343を介して接続される。第42論理回路部402に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第33論理回路部303に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第344スクライブ配線344を介して接続される。第33論理回路部303に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第43論理回路部403に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間は、第345スクライブ配線345を介して接続される。
【0073】
第1スクライブ配線51及び第121スクライブ配線121〜第345スクライブ配線345はそれぞれ、第1半導体装置5、第2半導体装置6、第3半導体装置7及び第4半導体装置8の間のスクライブ領域に形成される。第1スクライブ配線51及び第121スクライブ配線121〜第345スクライブ配線345はそれぞれ、第1半導体装置5、第2半導体装置6、第3半導体装置7及び第4半導体装置8をウェハ300から分離するときに切断される。第1半導体装置5、第2半導体装置6、第3半導体装置7及び第4半導体装置8がウェハ300から切断されると、第1インタフェース部111〜第4インタフェース部411の送信用配線の端部及び受信用配線の端部は、切断面に位置する。また、第1半導体装置5、第2半導体装置6、第3半導体装置7及び第4半導体装置8がウェハ300から切断されると、スキャンチェーンの初段又は最終段のフリップフロップ回路の配線の一端は、切断面に位置する。
【0074】
第1スキャンチェーン設定部115は、第1制御部112から第1スキャン形成指示を取得したときに、第11論理回路部101、第12論理回路部102及び第13論理回路部103のFFを試験モードに設定する。第2スキャンチェーン設定部215は、第2制御部212から第2スキャン形成指示を取得したときに、第21論理回路部201、第22論理回路部202及び第23論理回路部203のFFを試験モードに設定する。第3スキャンチェーン設定部315は、第3制御部312から第3スキャン形成指示を取得したときに、第31論理回路部301、第32論理回路部302及び第33論理回路部303のFFを試験モードに設定する。第4スキャンチェーン設定部415は、第4制御部412から第4スキャン形成指示を取得したときに、第41論理回路部401、第42論理回路部402及び第43論理回路部403のFFを試験モードに設定する。
【0075】
ウェハ300では、スキャンチェーンは、第1半導体装置5、第2半導体装置6、第3半導体装置7及び第4半導体装置8がそれぞれ有する論理回路部の一部を交互に通過するように形成される。
【0076】
図9は、第4実施形態に係る半導体装置の回路ブロック図である。
【0077】
第1半導体装置5´は、第1試験回路制御部11の代わりに、第1試験回路制御部16を有することが、第1半導体装置5と相違する。また、第1半導体装置5´は、第1スイッチ90と、第2スイッチ91と、第3スイッチ92と、第4スイッチ93と、第5スイッチ94と、第6スイッチ95と、第7スイッチ96とを有することが、第1半導体装置5と相違する。また、第1半導体装置5´は、試験データ入力部13の代わりに、試験データ入出力部(以下、DIOとも称する)17を有することが、第1半導体装置5と相違する。
【0078】
第1試験回路制御部16は、第1送出レジスタ114と、第1スイッチ切替部116とを有することが第1試験回路制御部11と相違する。第1送出レジスタ114は、第1パスコードを記憶する。第1スイッチ切替部116は、第1スイッチ90、第2スイッチ91、第3スイッチ92、第4スイッチ93、第5スイッチ94、第6スイッチ95及び第7スイッチ96の状態を設定する。また、第1試験回路制御部16は、第1制御部112の代わりに第1制御部162を有することが、第1試験回路制御部11と相違する。
【0079】
第1スイッチ90は、試験データ入出力部17と、第11論理回路部101に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間の配線を接続し、又は切断する。第2スイッチ91は、第1半導体装置5´をウェハから分離した時の配線の切断面と、第11論理回路部101に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間の配線を接続し、又は切断する。第3スイッチ92は、第1半導体装置5´をウェハから分離した時の配線の切断面と、第12論理回路部102に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFとの間の配線を接続し、又は切断する。第4スイッチ93は、第1半導体装置5´をウェハから分離した時の配線の切断面と、第13論理回路部103に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間の配線を接続し、又は切断する。第5スイッチ94は、第11論理回路部101に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第12論理回路部102に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間の配線を接続し、又は切断する。第6スイッチ95は、第12論理回路部102に配置されるスキャンチェーンの最終段のFFと、第13論理回路部103に配置されるスキャンチェーンの初段のFFとの間の配線を接続し、又は切断する。第7スイッチ96は、第1試験回路制御部16の信号伝送用の配線と第1半導体装置5´をウェハから分離した時の配線の切断面との間の配線を接続し、又は切断する。
【0080】
第1制御部162は、第1試験モード信号入力部12を介してテスタから第1論理回路部10の論理動作の試験開始を示す試験モード信号を受信する。また、第1制御部162は、第1パスコード、第2パスコード及び第3パスコードの取得を指示するパスコード取得指示信号をテスタから受信する。第1制御部162は、パスコード取得指示信号を受信すると、第2パスコード送出指示及び第3パスコード送出指示を第1インタフェース部111に出力すると共に、第1送出レジスタ154に記憶される第1パスコードを取得する。第1制御部162は、第1インタフェース部111から第2パスコード及び第3パスコードを取得すると、取得した第2パスコード及び第3パスコードを第1パスコードと共に第1照合レジスタに記憶する。第1制御部162は、第1照合レジスタ113に記憶された第1パスコード、第2パスコード及び第3パスコードが有効であると判定すると、第1スキャンチェーン設定部115にスキャン形成指示を出力する。
【0081】
図10は、第4実施形態に係る半導体装置が搭載されたウェハの回路ブロック図である。
【0082】
ウェハ400は、第1半導体装置5´と、第2半導体装置6´と、第3半導体装置7´とを有する。図10において、実線で示すスイッチはオン状態であるスイッチであり、破線で示すスイッチはオフ状態のスイッチである。図10において、太線は、形成されるスキャンチェーンの経路を示し、破線はスキャンチェーンの経路に含まれない配線を示す。
【0083】
第1半導体装置5´、第2半導体装置6´及び第3半導体装置7´は送出レジスタに記憶されるパスコード及び搭載されるスイッチの設定が相違するが、他の構成は同一である。
【0084】
第1試験回路制御部16の第1送出レジスタ114は第1パスコードを記憶し、第2試験回路制御部26の第2送出レジスタ214は第2パスコードを記憶し、第3試験回路制御部36の第3送出レジスタ314は第3パスコードを記憶する。
【0085】
図11は、第1半導体装置5´、第2半導体装置6´及び第3半導体装置7´のスイッチ設定を示す図である。
【0086】
第1試験回路制御部16の第1スイッチ切替部116は、試験データ入出力部17を入力状態とし、第1スイッチ90及び第6スイッチ95をオンし、第2スイッチ91〜第5スイッチ94及び第7スイッチ96をオフするように設定される。第2試験回路制御部26の第2スイッチ切替部216は、試験データ入出力部27を入力状態とし、第1スイッチ90、第5スイッチ94及び第6スイッチ95をオフし、第2スイッチ91〜第4スイッチ93及び第7スイッチ96をオンするように設定される。第3試験回路制御部36の第3スイッチ切替部316は、試験データ入出力部37を出力状態とし、第1スイッチ90及び第6スイッチ95をオフし、第2スイッチ91〜第5スイッチ94及び第7スイッチ96をオンするように設定される。第1スイッチ切替部116、第2スイッチ切替部216及び第3スイッチ切替部316はそれぞれ、第1〜第3試験モード信号入力部12、22及び32に入力されるスイッチ状態設定信号に対応するスイッチ状態に設定される。
【0087】
第1半導体装置5´、第2半導体装置6´及び第3半導体装置7´のスイッチ設定では、第1半導体装置5´の試験データ入出力部17に試験データ入力信号が入力されると、第3半導体装置7´の試験データ入出力部17から試験データ出力信号が出力される。すなわち、第1半導体装置5´の試験データ入出力部17から試験データ入力信号は、第1半導体装置5´の第1スイッチ90及び第11論理回路部101、第2半導体装置6´の第2スイッチ91及び第21論理回路部201の順に伝搬される。次いで、試験データ入力信号は、第3半導体装置7´の第2スイッチ91、第31論理回路部301、第5スイッチ94、第32論理回路部302及び第3スイッチ92、第2半導体装置6´の第22論理回路部202及び第3スイッチ92の順に伝搬される。次いで、試験データ入力信号は、第1半導体装置5´の第12論理回路部102、第6スイッチ95及び第13論理回路部103、第2半導体装置6´の第4スイッチ93及び第23論理回路部203の順に伝搬される。そして、試験データ入力信号は、第3半導体装置7´の第4スイッチ93、第33論理回路部303及び試験データ入出力部37を介して、試験データ出力信号として出力される。
【0088】
図12は、第1半導体装置5´、第2半導体装置6´及び第3半導体装置7´に亘って形成されるスキャンチェーンによる試験の処理を示すフローチャートである。
【0089】
まず、ステップS301において、テスタ804は、第1半導体装置5´、第2半導体装置6´及び第3半導体装置7´の第1〜第3試験モード信号入力部12、22及び32にそれぞれ、試験モード信号を送信する。
【0090】
次いで、ステップS302において、テスタ804は、第1半導体装置5´の第1試験モード信号入力部12に第1スイッチ状態設定信号を送信する。第1スイッチ状態設定信号に対応するスイッチ状態は、第1スイッチ90及び第6スイッチ95をオンし、第2スイッチ91〜第5スイッチ94及び第7スイッチ96をオフする状態である。
【0091】
次いで、ステップS303において、テスタ804は、第2半導体装置6´の第2試験モード信号入力部22に第2スイッチ状態設定信号を送信する。第2スイッチ状態設定信号に対応するスイッチ状態は、第1スイッチ90、第5スイッチ94及び第6スイッチ95をオフし、第2スイッチ91〜第4スイッチ93及び第7スイッチ96をオンする状態である。
【0092】
次いで、ステップS304において、テスタ804は、第3半導体装置7´の第3試験モード信号入力部32に第3スイッチ状態設定信号を送信する。第3スイッチ状態設定信号に対応するスイッチ状態は、第1スイッチ90及び第6スイッチ95をオフし、第2スイッチ91〜第5スイッチ94及び第7スイッチ96をオンする状態である。
【0093】
次いで、ステップS305において、テスタ804は、第1半導体装置1´の第1試験モード信号入力部12にパスコード取得指示信号を送信する。次いで、ステップS306において、第1制御部162は、第2パスコード送出指示及び第3パスコード送出指示を出力すると共に、第1送出レジスタ154に記憶される第1パスコードを取得する。次いで、ステップ307において、第2制御部262は、第2送出レジスタ214に記憶される第2パスコードを第1制御部152に出力し、第3制御部362は、第3送出レジスタ314に記憶される第3パスコードを第1制御部162に出力する。
【0094】
次いで、ステップS308において、第1制御部162は、第2パスコード及び第3パスコードを第1パスコードと共に第1照合レジスタ113に記憶する。次いで、ステップS309において、第1制御部162は、第1照合レジスタ113に記憶された第1パスコード、第2パスコード及び第3パスコードが有効であると判定して、第1スキャンチェーン設定部115にスキャン形成指示を出力する。次いで、ステップS310において、第1スキャンチェーン設定部115は、第11論理回路部101、第12論理回路部102及び第13論理回路部103のFFを試験モードに設定する。
【0095】
次いで、ステップS311において、テスタ804は、第2半導体装置6´の第2試験モード信号入力部22にパスコード取得指示信号を送信する。次いで、ステップS312において、第2制御部262は、第1パスコード送出指示及び第3パスコード送出指示を出力すると共に、第2送出レジスタ214に記憶される第2パスコードを取得する。以降、ステップS313〜S315において、第2制御部262は、ステップS307〜S309における第1制御部162の同様の処理を実行する。次いで、ステップS316において、第2スキャンチェーン設定部215は、第21論理回路部201、第22論理回路部202及び第23論理回路部203のFFを試験モードに設定する。
【0096】
次いで、ステップS317において、テスタ804は、第3半導体装置7´の第3試験モード信号入力部32にパスコード取得指示信号を送信する。次いで、ステップS318において、第3制御部362は、第1パスコード送出指示及び第2パスコード送出指示を出力すると共に、第3送出レジスタ314に記憶される第3パスコードを取得する。以降、ステップS319〜S321において、第3制御部362は、ステップS307〜S309における第1制御部162の同様の処理を実行する。次いで、ステップS322において、第3スキャンチェーン設定部315は、第31論理回路部301、第32論理回路部302及び第33論理回路部303のFFを試験モードに設定する。
【0097】
次いで、ステップS323において、テスタ804は、第1半導体装置5´の試験データ入出力部17に試験データ入力信号を送信する。次いで、ステップS234において、テスタ802は、第3半導体装置7´の試験データ出力部37から送信される試験データ出力信号を受信する。そして、ステップS325において、テスタ801は、受信した試験データ出力信号に対応するデータの値とテスタ801の内部に記憶される期待値とを比較して第11〜第3論理回路部101〜303に故障があるか否かを判定する。
【0098】
第1実施形態に係る第1半導体装置1は、第2半導体装置2、第3半導体装置3及び第4半導体装置4から取得する第2〜第4パスコードと、テスタ801から取得する照合用パスコードとが一致したときに、スキャンチェーンを形成する。第1半導体装置1には第2〜第4パスコードは全く記憶されていないため、第1半導体装置1は、スキャンチェーンを使用して第1半導体装置1の内部のデータを取得する処理に対して高い耐タンパ性を有する。
【0099】
第2実施形態に係る第1半導体装置1´、第2半導体装置2´、第3半導体装置3´及び第4半導体装置4´は、記憶しているパスコードを互いに交換することにより、スキャンチェーンを形成する。第2実施形態では複数の半導体装置がパスコードを互いに交換することにより、スキャンチェーンを形成するので、それぞれが単体で存在する場合、パスコードを特定することは容易ではない。また、第1インタフェース部111〜第4インタフェース部411の送信用配線及び受信用配線の端部はそれぞれ、切断面に位置するので、照合用パスコードの解析は容易ではない。
【0100】
第3実施形態に係る第1半導体装置5、第2半導体装置6、第3半導体装置7及び第4半導体装置8は、スキャンチェーンが論理回路部の一部を交互に通過するように形成される。第3実施形態では、スキャンチェーンが論理回路部の一部を交互に通過するように形成されるので、ウェハ300から切断された後のスキャンチェーンの解析は煩雑になり、スキャンチェーンを使用して内部のデータを取得する処理に対する耐タンパ性が向上する。
【0101】
第4実施形態に係る第1半導体装置5´、第2半導体装置6´、第3半導体装置7´及び第4半導体装置8´は、第1〜第7スイッチ90〜96を有することにより、同一の回路構成を有するように形成される。第4実施形態では、半導体装置は同一の回路構成を有するように形成されるので、半導体装置の製造が容易になる。
【0102】
第1〜第3実施形態に係るウェハ100、200及び300では4つの半導体装置の間で、パスコードを入出力しているが、2つ又は3つの半導体装置の間でパスコードを入出力してもよく、また5つ以上の半導体装置の間でパスコードを入出力してもよい。
【0103】
また、ウェハ100、200及び300では4つの半導体装置で、1つのスキャンチェーンを形成しているが、2つ又は3つの半導体装置で1つのスキャンチェーンを形成してもよく、また5つ以上の半導体装置で1つのスキャンチェーンを形成してもよい。また、スキャンチェーンは、半導体装置毎に形成されてもよい。
【0104】
また、第4実施形態に係るウェハ400では3つの半導体装置で、1つのスキャンチェーンを形成しているが、2つの半導体装置で1つのスキャンチェーンを形成してもよく、また4つ以上の半導体装置で1つのスキャンチェーンを形成してもよい。4つ以上の半導体装置で1つのスキャンチェーンを形成する場合、第2半導体装置6´の同様なスイッチ状態となるような半導体装置を第1半導体装置5´と第3半導体装置7´との間に追加すればよい。
【0105】
また、第1実施形態に係る第1試験回路制御部11は第1パスコートが記憶される送出レジスタを有してもよい。第1試験回路制御部11が送出レジスタを有する場合、第1制御部112は、第2パスコード送出指示、第3パスコード送出指示及び第4パスコード送出指示を出力すると共に、送出レジスタに記憶される第1パスコードを第1照合レジスタ113に記憶する。
【0106】
第1実施形態に係る第1半導体装置1の第1試験回路制御部11が出力する第2〜第4スキャン形成指示は、照合用パスコードを含んでもよい。第2〜第4スキャン形成指示が照合用パスコードを含む場合、第2制御部212、第3制御部312及び第4制御部412はそれぞれ、第2〜第4スキャン形成指示を取得したときに、照合用パスコードが一致しているか否かを判定する。
【0107】
さらに、第1実施形態に係る第2試験回路制御部21、第3試験回路制御部31及び第4試験回路制御部41はそれぞれ、照合レジスタを有してもよい。第2試験回路制御部21、第3試験回路制御部31及び第4試験回路制御部41が照合レジスタを有する場合、第1試験回路制御部11又はテスタ801から送信される照合用パスコードと、照合レジスタに記憶されるパスコードとが比較される。
【0108】
また、第2実施形態に係る第1制御部152、第2制御部252、第3制御部352及び第4制御部452が第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードに対応する情報を記憶する場合、記憶される情報は書き換え可能にしてもよい。第1パスコード、第2パスコード、第3パスコード及び第4パスコードに対応する情報を書き換え可能にすることにより、ウェハ200の状態でテスタ802で試験された後に情報を書き換えることが可能になる。
【0109】
また、第1〜第4実施形態では、出力されたパスコードを取得する制御部を有する半導体装置から、他の半導体装置にパスコードを送出するようにパスコード送出指示を出力しているが、テスタ、又は他の半導体装置がパスコード送出指示を出力してもよい。
【0110】
また、第1〜第4実施形態では、制御部が照合レジスタに記憶されたパスコードが有効であると判定したときに、スキャンチェーン設定部にスキャン形成指示を出力しているが、制御部は、スキャンチェーン設定部の機能を含んでも良い。制御部がスキャンチェーン設定部の機能を含む場合は、制御部は、照合レジスタに記憶されたパスコードが有効であると判定したときに、論理回路部のFFを試験モードに設定する。
【符号の説明】
【0111】
1、1´、5、5´ 第1半導体装置
2、2´、6、6´ 第2半導体装置
3、3´、7、7´ 第3半導体装置
4、4´、8 第4半導体装置
10、20、30、40 第1〜第4論理回路部
11、15、16 第1試験回路制御部
21、25、26 第2試験回路制御部
31、35、36 第4試験回路制御部
41、45 第4試験回路制御部
112、152、162 第1制御部
212、252、262 第2制御部
312、352、362 第3制御部
412、452 第4制御部
113、253、353、453 第1〜第4照合レジスタ
154、214、314、414 第1〜第4送出レジスタ
115、215、315、415 第1〜第4スキャンチェーン設定部
116、216、316 第1〜第4スイッチ切替部
801、802、804 テスタ
900、910、920 従来の半導体装置
901、911a〜911n、921 論理回路部
990、992 テスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12