特許第6107532号(P6107532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6107532
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/12 20060101AFI20170327BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20170327BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20170327BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20170327BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20170327BHJP
   H01G 11/78 20130101ALN20170327BHJP
   H01G 11/14 20130101ALN20170327BHJP
【FI】
   H01M2/12 101
   H01M2/34 B
   H01M2/04 A
   H01M2/02 A
   H01M2/30 D
   !H01G11/78
   !H01G11/14
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-169881(P2013-169881)
(22)【出願日】2013年8月19日
(65)【公開番号】特開2015-38845(P2015-38845A)
(43)【公開日】2015年2月26日
【審査請求日】2016年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
【審査官】 浅野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−105919(JP,A)
【文献】 特開2012−248451(JP,A)
【文献】 特開2007−179793(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/011470(WO,A1)
【文献】 特開2008−066254(JP,A)
【文献】 特開平07−105909(JP,A)
【文献】 特開平09−320551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/00〜 2/08
H01M 2/20〜 2/34
H01G 11/14
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極とセパレータとが積層された電極組立体が収容されるケースと、
前記ケースを構成する矩形状のケース壁に設けられ、前記ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁と、
前記電極と前記ケース外に突出する端子とを接続する導電部材と、
前記導電部材と前記ケース壁との間に配置される絶縁部材とを備える蓄電装置であって、
前記圧力開放弁は、前記ケース壁と一体的に形成され、かつ前記ケース壁の厚みよりも薄く形成されており、
前記ケース壁は、前記ケース内側に、前記ケース内に突出するとともに前記ケース壁の壁面上に延設される係止部を有し、
前記係止部は、前記ケース壁の短手方向に延びており、かつ前記圧力開放弁を挟んで対向する一対の突出部を有しており、
前記絶縁部材は、前記係止部に係止される被係止部を有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
電極とセパレータとが積層された電極組立体が収容されるケースと、
前記ケースを構成する矩形状のケース壁に設けられ、前記ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁と、
前記電極と前記ケース外に突出する端子とを接続する導電部材と、
前記導電部材と前記ケース壁との間に配置される絶縁部材とを備える蓄電装置であって、
前記圧力開放弁は、前記ケース壁と一体的に形成され、かつ前記ケース壁の厚みよりも薄く形成されており、
前記ケース壁は、前記ケース内側に、前記ケース内に突出するとともに前記ケース壁の壁面上に延設される係止部を有し、
前記係止部は、前記ケース壁の短手方向に延びており、かつ前記圧力開放弁を挟んで対向する一対の突出部を有しており、
前記係止部は、前記絶縁部材との位置関係を固定することを特徴とする蓄電装置。
【請求項3】
前記ケースは直方体状であり、
前記係止部は、前記ケース壁の長手方向に延びており、かつ前記圧力開放弁を挟んで対向する一対の突出部を有している請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記係止部は、前記圧力開放弁における前記係止部の延設方向に沿う長さより長く延びている請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記絶縁部材は、前記圧力開放弁を挟んで位置する複数の部材であり、
前記係止部は、各絶縁部材の被係止部を係止する係止面を有している請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記絶縁部材は、前記ケース壁における前記圧力開放弁の周囲を覆う1つの部材である請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記係止部は、前記圧力開放弁の周囲を囲んでいる請求項6に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記ケースは、有底筒状のケース本体と、前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成されており、
前記圧力開放弁は前記蓋体に設けられ、
前記端子は前記蓋体から前記ケース外に突出する請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記蓄電装置は、二次電池である請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。この種の二次電池は、例えば、特許文献1に開示されている。二次電池は、電極とセパレータとが積層された電極組立体と電解液とをケース本体に収容し、そのケース本体の開口部を蓋体で閉塞している。また、二次電池においては、ケースの内圧が開放圧を越えた場合に開放する圧力開放弁が蓋体などのケース壁に設けられている。更に、二次電池においては、電極とケース外に突出する端子とを接続する導電部材と、圧力開放弁が設けられるケース壁とを絶縁するために、これらの間に絶縁部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−50111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二次電池では、その充放電に伴ってケース内にガスが発生し、ケースの内圧が高まる。そして、圧力開放弁が開放していない状態では、二次電池のケースが内圧上昇に伴って膨張し、変形する。ケースの変形に伴って圧力開放弁も変形してしまうと、ケースの内圧上昇に伴って圧力開放弁に作用する応力にばらつきが生じることにより、圧力開放弁を適切な開放圧で開放させることができないおそれがある。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、圧力開放弁を適切な開放圧で開放させることのできる蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための蓄電装置は、電極とセパレータとが積層された電極組立体が収容されるケースと、ケースを構成する矩形状のケース壁に設けられ、ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁と、電極とケース外に突出する端子とを接続する導電部材と、導電部材と前記ケース壁との間に配置される絶縁部材とを備える。前記圧力開放弁は、ケース壁と一体的に形成され、かつケース壁の厚みよりも薄く形成されている。そして、前記ケース壁は、ケース内側に、ケース内に突出するとともに前記ケース壁の壁面上に延設される係止部を有し、前記係止部は、ケース壁の短手方向に延びており、かつ圧力開放弁を挟んで対向する一対の突出部を有しており、絶縁部材は、係止部に係止される被係止部を有している。
【0007】
また、上記課題を解決するための蓄電装置は、電極とセパレータとが積層された電極組立体が収容されるケースと、ケースを構成する矩形状のケース壁に設けられ、ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁と、電極とケース外に突出する端子とを接続する導電部材と、導電部材と前記ケース壁との間に配置される絶縁部材とを備える。前記圧力開放弁は、ケース壁と一体的に形成され、かつケース壁の厚みよりも薄く形成されている。そして、前記ケース壁は、ケース内側に、ケース内に突出するとともに前記ケース壁の壁面上に延設される係止部を有し、係止部は、ケース壁の短手方向に延びており、かつ圧力開放弁を挟んで対向する一対の突出部を有しており、絶縁部材との位置関係を固定するものである。
【0008】
上記構成によれば、係止部によって圧力開放弁が設けられるケース壁を補強することができるため、ケース壁が変形しにくくなる。このため、ケース壁の変形に伴って圧力開放弁が変形してしまうことを抑制し、圧力開放弁に作用する応力のばらつきを低減させることができる。したがって、圧力開放弁の開放圧が設計上の圧力よりも上昇したり下降したりする圧力変動が生じにくくなり、圧力開放弁を適切な開放圧で開放させることができる。
【0009】
また、導電部材とケース壁との間に配置される絶縁部材は、例えば圧力開放弁を閉塞しないように、また導電部材を覆うように、適切な位置に配置する必要がある。上記構成によれば、係止部によってケース壁と絶縁部材との位置関係を固定することができる。したがって、圧力開放弁が設けられるケース壁と絶縁部材とを適切に位置決めすることができる。
また、ケースの内圧上昇に伴ってケース壁が変形する際には、ケース壁の長手方向における変形よりも短手方向における変形の方が大きな変形になりやすい。上記構成によれば、こうした大きな変形が生じやすいケース壁の短手方向の部分を補強することができるため、圧力開放弁をより適切な開放圧で開放させることができる。
【0010】
例えば、ケースは直方体状であり、係止部は、前記ケース壁の長手方向に延びており、かつ前記圧力開放弁を挟んで対向する一対の突出部を有しているものが好ましい。
ケースの内圧上昇に伴ってケース壁が変形する際には、ケース壁の長手方向における変形よりも短手方向における変形の方が大きな変形になりやすい。上記構成によれば、こうした大きな変形が生じやすいケース壁の短手方向に加えて、長手方向の部分を補強することができるため、圧力開放弁をより適切な開放圧で開放させることができる。
【0011】
係止部は、例えば圧力開放弁における係止部の延設方向に沿う長さより長く延びているものが好ましい。
上記構成によれば、圧力開放弁における係止部の延設方向に沿う長さよりも長い範囲でケース壁が補強されるため、ケース壁において圧力開放弁が設けられる範囲に変形が生じにくくなる。したがって、圧力開放弁をより適切な開放圧で開放させることができる。
【0012】
絶縁部材が圧力開放弁を挟んで位置する複数の部材である場合には、例えば、係止部が、各絶縁部材の被係止部を係止する係止面を有していることが好ましい。
絶縁部材として複数の部材を組み付ける場合には、絶縁部材が適切な位置からずれやすい。上記構成によれば、絶縁部材として複数の部材を組み付ける場合であっても、係止部によって絶縁部材を適切に位置決めすることができる。
【0013】
絶縁部材としては、例えば前記ケース壁における圧力開放弁の周囲を覆う1つの部材であるものが採用可能である。
上記構成によれば、係止部によって1つの絶縁部材の位置を固定すればよいため、絶縁部材をより適切に位置決めすることができる。
【0014】
係止部は、例えば圧力開放弁の周囲を囲んでいるものが好ましい。
上記構成によれば、圧力開放弁の周囲全体を係止することができるため、圧力開放弁が設けられるケース壁と絶縁部材とをより適切に位置決めすることができる。
【0015】
蓄電装置としては、例えば、ケースが、有底筒状のケース本体と、ケース本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成されており、圧力開放弁が蓋体に設けられ、端子が蓋体からケース外に突出するものが採用可能である。
【0016】
蓄電装置としては、例えば二次電池が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、圧力開放弁を適切な開放圧で開放させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態の二次電池の斜視図。
図2】電極組立体の分解斜視図。
図3】二次電池の分解斜視図。
図4】(a)は図1の4−4線断面図であり、(b)は部分拡大図。
図5】ケースの蓋体の突出部と絶縁部材との位置関係を示す斜視図。
図6】第2の実施形態の二次電池の分解斜視図。
図7】ケースの蓋体の突出部と絶縁部材との位置関係を示す斜視図。
図8】別例における突出部の形状を示す斜視図。
図9】別例における突出部の形状を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、蓄電装置の第1の実施形態について図1図5にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、電極組立体14及び電解液が収容された直方体状のケース11を有している。ケース11は、直方体状且つ有底筒状のケース本体12と、ケース本体12の開口部12aを閉塞するケース壁に相当する長方形状の蓋体13とからなる。なお、ケース本体12及び蓋体13は金属製である。また、本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池であり、その外周が角型をなす角型電池である。
【0020】
二次電池10は、電極組立体14と電力のやり取りを行うのに用いられる正極端子15及び負極端子16を備えている。各端子15,16は、ケース11の蓋体13に取り付けられており、蓋体13の長手方向Lの両端側に離間して配置されている。
【0021】
図2に示すように、電極組立体14は、電極として互いに極性の異なる正極電極21及び負極電極22がセパレータ23を介して交互に積層されて構成されている。
正極電極21は、正極金属箔(例えばアルミニウム箔)21aと、正極金属箔21aの両面に正極活物質を塗布して設けられた正極活物質層21bと、を有する。正極電極21の端部21cからは、正極活物質が塗布されていない正極未塗工部からなる正極タブ31が突出している。
【0022】
負極電極22は、負極金属箔(例えば銅箔)22aと、負極金属箔22aの両面に負極活物質を塗布して設けられた負極活物質層22bと、を有する。負極電極22の端部22cからは、負極活物質が塗布されていない負極未塗工部からなる負極タブ32が突出している。
【0023】
図3に示すように、電極組立体14を構成する各正極電極21は、それぞれ正極タブ31が電極組立体14の積層方向Tに沿って列状に配置されるように積層される。同様に、電極組立体14を構成する各負極電極22は、それぞれ負極タブ32が電極組立体14の積層方向Tに沿って列状に配置されるように積層される。そして、各正極タブ31は、電極組立体14における積層方向Tの一端から他端までの範囲に集められて正極タブ群31aとされる。また、各負極タブ32も同様に、電極組立体14における積層方向Tの一端から他端までの範囲に集められて負極タブ群32aとされる。正極タブ群31a及び負極タブ群32aは、電極組立体14の積層方向Tに沿うようにそれぞれ折り曲げられている。そして、電極組立体14は、電極組立体14における各タブ群31a,32aが突出する端部14cと、ケース11の蓋体13とが対向するように、ケース11内に収容されている。
【0024】
二次電池10は、正極タブ群31aと正極端子15とを電気的に接続する正極導電部材41と、負極タブ群32aと負極端子16とを電気的に接続する負極導電部材42と、を備えている。各導電部材41,42は、ケース11の蓋体13の壁面である面13a,13bのうち、ケース11の内側の面である蓋体13の裏面13bと、電極組立体14の端部14cとの間に配置されている。そして、各導電部材41,42は、蓋体13の長手方向Lに沿う方向に互いに離間して配置されている。
【0025】
正極導電部材41は、金属板、例えばアルミニウム板を屈曲させたものである。すなわち、正極導電部材41は、蓋体13の裏面13bに沿って延びている板状の端子接合部41aと、蓋体13の裏面13bに沿って端子接合部41aから離れる方向に延びているタブ接合部41bと、を有している。そして、これら端子接合部41aとタブ接合部41bとは、端子接合部41aからタブ接合部41bに立ち上がるように延びている立ち上げ部41cによって連結されている。
【0026】
正極端子15は、角柱状の基部15aと、基部15aからケース11外に突出する円柱状の突出部15bと、を有している。そして、正極端子15の基部15aと正極導電部材41の端子接合部41aとが接合(例えば溶接)されている。また、正極導電部材41のタブ接合部41bと正極タブ群31aとが接合(例えば溶接)されている。こうして正極タブ群31aと正極端子15とが正極導電部材41に接続されることにより、正極電極21と正極端子15とが電気的に接続されることとなる。
【0027】
負極導電部材42は、金属板、例えば銅板を屈曲させたものであり、正極導電部材41と同様に、板状の端子接合部42aと、タブ接合部42bと、を有している。そして、これら端子接合部42aとタブ接合部42bとが、端子接合部42aからタブ接合部42bに立ち上がるように延びている立ち上げ部42cによって連結されている。
【0028】
負極端子16も、正極端子15と同様に、角柱状の基部16aと、円柱状の突出部16bと、を有している。そして、正極側と同様に、負極端子16の基部16aと負極導電部材42の端子接合部42aとが接合(例えば溶接)されており、負極導電部材42のタブ接合部42bと負極タブ群32aとが接合(例えば溶接)されている。こうして負極タブ群32aと負極端子16とが負極導電部材42に接続されることにより、負極電極22と負極端子16とが電気的に接続されることとなる。なお、蓋体13の長手方向Lにおける負極導電部材42のタブ接合部42bの長さは、正極導電部材41のタブ接合部41bよりも長くなっている。
【0029】
各端子15,16の突出部15b,16bは、ケース11の蓋体13に設けられた貫通孔13cを通ってケース11外に突出している。そして、突出部15b,16bの突出箇所には、絶縁リング51が挿通された状態でナット52が螺着されている。また、各端子15,16の突出部15b,16bにはOリング53がそれぞれ取り付けられている。Oリング53が各端子15,16の基部15a,16aとケース11の蓋体13との間で圧縮されることにより、各端子15,16の突出部15b,16bの周囲がシールされている。また、正極端子15の基部15a及び正極導電部材41の端子接合部41aと、負極端子16の基部16a及び負極導電部材42の端子接合部42aとは、それぞれ絶縁部材54によって覆われている。絶縁部材54は、各端子15,16の基部15a,16aの電極組立体14側の面を覆った状態で、各端子15,16の基部15a,16a及び突出部15b,16bにそれぞれ嵌合している。
【0030】
図3及び図4(a)に示すように、ケース11の蓋体13には、ケース11内に電解液を注入するための注液孔13dが設けられている。注液孔13dは、電解液が注入された後は、封止栓55によって封止されている。
【0031】
また、ケース11の蓋体13には、ケース11内の圧力をケース11外に開放させる圧力開放弁56が設けられている。圧力開放弁56は、ケース11内の圧力が上昇し過ぎないように、ケース11内の圧力が所定の圧力である開放圧を越えた場合に開裂する。圧力開放弁56の開放圧は、ケース11自体に亀裂や破断などが生じ得る前に開裂し得る圧力に設定されている。そして、圧力開放弁56は、蓋体13の板厚よりも薄い薄板状の弁体57を有する。弁体57は、ケース11の蓋体13の面13a,13bのうち、ケース11の外側の面である蓋体13の表面13aに凹設された凹部58の底に位置しており、蓋体13と一体的に成形されている。なお、圧力開放弁56は、平行な2つの直線部を弧部で繋いだトラック形状の周縁を有し、ケース11と同様に金属製である。また、圧力開放弁56は、ケース11の蓋体13の長手方向Lにおいて、蓋体13の中央に設けられている。そして、圧力開放弁56は、負極導電部材42のタブ接合部42bと対向した状態となっている。
【0032】
また、二次電池10は、正極導電部材41のタブ接合部41b及び負極導電部材42のタブ接合部42bと、ケース11の蓋体13との間に絶縁部材60が設けられている。絶縁部材60は、正極導電部材41のタブ接合部41bを覆う板状の正極絶縁部材61と、負極導電部材42のタブ接合部42bを覆う板状の負極絶縁部材62と、の2つの部材で構成される。正極絶縁部材61の厚さと負極絶縁部材62の厚さとは同じ厚さに設定されている。
【0033】
図4(a)に示すように、正極絶縁部材61は、蓋体13の長手方向Lにおいて、正極端子15が突出する貫通孔13cに隣接する部分から圧力開放弁56の弁体57に隣接する部分までを覆っている。この正極絶縁部材61によって、正極導電部材41の立ち上げ部41c及びタブ接合部41bの全体が覆われている。また、正極絶縁部材61には、蓋体13の注液孔13dと対向する位置に貫通孔61dが設けられている。
【0034】
一方、負極絶縁部材62は、蓋体13の長手方向Lにおいて、負極端子16が突出する貫通孔13cに隣接する部分から圧力開放弁56の弁体57に隣接する部分までを覆っている。この負極絶縁部材62によって、負極導電部材42の立ち上げ部42cの全体と、タブ接合部42bの一部とが覆われている。
【0035】
正極絶縁部材61と負極絶縁部材62とは、蓋体13の長手方向Lにおいて、互いに離間して設けられている。そして、この正極絶縁部材61と負極絶縁部材62との間隔部分と蓋体13の圧力開放弁56とが対向している。すなわち、正極絶縁部材61と負極絶縁部材62は、互いに対向する端面61a,62aによって圧力開放弁56を挟むように位置している。また、正極絶縁部材61の端面61aと負極絶縁部材62の端面62aとの間に圧力開放弁56が位置している。
【0036】
図4(b)及び図5に示すように、ケース11の蓋体13の裏面13bには、ケース11内に突出するとともに裏面13b上に延びている突出部70が設けられている。突出部70は、蓋体13の短手方向Sに延びているとともに圧力開放弁56を挟んで対向する2つの直線状の第1突出部71と、蓋体13の長手方向Lに延びているとともに圧力開放弁56を挟んで対向する2つの直線状の第2突出部72と、で構成されており、プレス成形で形成されている。蓋体13の短手方向Sにおいて、第1突出部71の長さは圧力開放弁56の幅よりも長く設定されている。なお、上記で第1突出部71と比較している圧力開放弁56の幅は、圧力開放弁56における蓋体13の短手方向Sに沿う長さを示している。すなわち、第1突出部71は、圧力開放弁56における第1突出部71の延設方向に沿う長さより長く延びている。蓋体13の長手方向Lにおいて、第2突出部72の長さは圧力開放弁56の幅よりも長く設定されている。なお、上記で第2突出部72と比較している圧力開放弁56の幅は、圧力開放弁56における蓋体13の長手方向Lに沿う長さを示している。すなわち、第2突出部72は、圧力開放弁56における第2突出部72の延設方向に沿う長さより長く延びている。こうした第1突出部71と第2突出部72とが一体化されることにより、突出部70は全体として四角枠状をなして圧力開放弁56の周囲を囲むようになっている。また、第1突出部71及び第2突出部72の突出長さは、絶縁部材61,62の厚さより短い一律の長さに設定されている。これにより、第1突出部71及び第2突出部72は、突出方向の先端が負極導電部材42のタブ接合部42bに当接しない状態となっている。
【0037】
2つの第1突出部71における蓋体13の長手方向Lの外側に位置する側面71aは、正極絶縁部材61の端面61aと負極絶縁部材62の端面62aとにそれぞれ対向している。更には、2つの第1突出部71の側面71aは、正極絶縁部材61の端面61aと負極絶縁部材62の端面62aとにそれぞれ当接している。
【0038】
次に本実施形態の二次電池10の作用について説明する。
ケース11の蓋体13の裏面13bに設けられる突出部70によって、蓋体13を補強することができる。このため、蓋体13の短手方向Sに延設される第1突出部71によって、短手方向Sにおける蓋体13の変形を抑制することができる。また、蓋体13の長手方向Lに延設される第2突出部72によって、長手方向Lにおける蓋体13の変形を抑制することができる。そして、ケース11の内圧が上昇する際に蓋体13が変形しにくくなることにより、蓋体13の変形に伴って圧力開放弁56が変形してしまうことを抑制することができる。
【0039】
また、導電部材41,42と蓋体13との間に配置される絶縁部材60は、圧力開放弁56を閉塞しないように、また導電部材41,42を覆うように、適切な位置に配置する必要がある。本実施形態では、第1突出部71の側面71aが正極絶縁部材61の端面61aと負極絶縁部材62の端面62aとにそれぞれ当接している。このため、第1突出部71によって蓋体13と絶縁部材61,62との位置関係を固定することができる。なお、本実施形態では、第1突出部71が係止部として機能し、第1突出部71の側面71aが係止面として機能し、絶縁部材61,62の端面61a,62aが被係止部として機能する。
【0040】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1突出部71及び第2突出部72によって蓋体13を補強することができるため、蓋体13が変形しにくくなり、蓋体13の変形に伴って圧力開放弁56が変形してしまうことを抑制することができる。このため、圧力開放弁56に作用する応力のばらつきを低減させることができる。したがって、圧力開放弁56の開放圧が設計上の圧力よりも上昇したり下降したりする圧力変動が生じにくくなり、圧力開放弁56を適切な開放圧で開放させることができる。
【0041】
また、第1突出部71が係止部として機能するとともに、絶縁部材61,62の各端面61a,62aが被係止部として機能することにより、蓋体13と絶縁部材60との位置関係を固定することができる。したがって、蓋体13と絶縁部材60とを適切に位置決めすることができる。
【0042】
(2)ケース11の内圧上昇に伴って蓋体13が変形する際には、蓋体13の長手方向Lにおける変形よりも短手方向Sにおける変形の方が大きな変形になりやすい。上記実施形態によれば、こうした大きな変形が生じやすい蓋体13の短手方向Sの部分が第1突出部71によって補強されるため、圧力開放弁56をより適切な開放圧で開放させることができる。
【0043】
(3)第1突出部71及び第2突出部72によって、圧力開放弁56における第1突出部71及び第2突出部72の延設方向に沿う長さよりも長い範囲で蓋体13が補強されるため、蓋体13において圧力開放弁56が設けられる範囲に変形が生じにくくなる。したがって、圧力開放弁56をより適切な開放圧で開放させることができる。
【0044】
(4)絶縁部材60として複数の部材を組み付ける場合には、絶縁部材60が適切な位置からずれやすい。上記実施形態によれば、正極絶縁部材61及び負極絶縁部材62といった2つの部材を絶縁部材60として組み付ける場合であっても、絶縁部材60を適切に位置決めすることができる。
【0045】
(5)第1突出部71及び第2突出部72によって、蓋体13において圧力開放弁56の周囲全体が補強されるため、蓋体13において圧力開放弁56の周囲全体に変形が生じにくくなる。したがって、圧力開放弁56をより適切な開放圧で開放させることができる。
【0046】
(6)例えば、導電部材41,42に孔を形成するとともに絶縁部材60に突部を設け、孔に突部を挿入するようにすれば絶縁部材60を導電部材41,42に係止させることができる。しかしながら、こうした形態では、孔を形成した分だけ導電部材41,42における電流経路が狭まるおそれがある。上記実施形態では、絶縁部材60を蓋体13に係止させるようにしているため、上記のように導電部材41,42の電流経路を狭めることなく、絶縁部材60を係止することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
以下、蓄電装置の第2の実施形態について図6及び図7にしたがって説明する。なお、以下で説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0048】
図6に示すように、本実施形態における二次電池10は、正極導電部材41のタブ接合部41b及び負極導電部材42のタブ接合部42bと、ケース11の蓋体13との間に絶縁部材80が設けられている。絶縁部材80は、正極導電部材41のタブ接合部41bを覆う板状の正極絶縁部81と、負極導電部材42のタブ接合部42bを覆う板状の負極絶縁部82と、を含む。そして、絶縁部材80は、蓋体13の長手方向Lに延びている2つの連結部83,84によって絶縁部81,82が連結されることにより、一体化された1つの部材となっている。また、正極絶縁部81には、蓋体13の注液孔13dと対向する位置に貫通孔81dが設けられている。
【0049】
絶縁部材80の中央には、正極絶縁部81と負極絶縁部82とにおいて対向する端面81a,82aと、連結部83,84において対向する端面83a,84aとで、矩形状の孔85が形成されている。そして、この絶縁部材80の孔85と蓋体13の圧力開放弁56とが対向している。すなわち、絶縁部材80は、正極絶縁部81と、負極絶縁部82と、連結部83,84とによって、蓋体13における圧力開放弁56の周囲を覆っている。また、正極絶縁部81の端面81aと、負極絶縁部82の端面82aと、連結部83,84の端面83a,84aとによって、圧力開放弁56の周囲が囲まれている。
【0050】
図7に示すように、ケース11の蓋体13の裏面13bには、ケース11内に突出するとともに裏面13b上に延びている突出部70が設けられている。本実施形態の突出部70は、2つの第1突出部71における蓋体13の長手方向Lの外側に位置する側面71aが正極絶縁部81の端面81aと負極絶縁部82の端面82aとにそれぞれ当接するほか、2つの第2突出部72における蓋体13の短手方向Sの外側に位置する側面72aが連結部83,84の端面83a,84aにそれぞれ当接している。
【0051】
次に本実施形態の二次電池10の作用について説明する。
ケース11の蓋体13の裏面13bに設けられる突出部70によって、蓋体13を補強することができる。このため、蓋体13の短手方向Sに延設される第1突出部71によって、短手方向Sにおける蓋体13の変形を抑制することができる。また、蓋体13の長手方向Lに延設される第2突出部72によって、長手方向Lにおける蓋体13の変形を抑制することができる。そして、ケース11の内圧が上昇する際に蓋体13が変形しにくくなることにより、蓋体13の変形に伴って圧力開放弁56が変形してしまうことを抑制することができる。
【0052】
また、導電部材41,42と蓋体13との間に配置される絶縁部材80は、圧力開放弁56を閉塞しないように、また導電部材41,42を覆うように、適切な位置に配置する必要がある。本実施形態では、第1突出部71が正極絶縁部81の端面81aと負極絶縁部82の端面82aとにそれぞれ当接しているとともに、第2突出部72が連結部83,84の端面83a,84aにそれぞれ当接している。このため、第1突出部71及び第2突出部72によって蓋体13と絶縁部材80との位置関係を固定することができる。なお、本実施形態では、第1突出部71及び第2突出部72が係止部として機能し、第1突出部71の側面71a及び第2突出部72の側面72aが係止面として機能し、絶縁部材80の正極絶縁部81の端面81a、負極絶縁部82の端面82a、及び連結部83,84の端面83a,84aが被係止部として機能する。
【0053】
上記実施形態によれば、上述した第1の実施形態で得ることのできる効果(1)〜(3)、(5)、(6)に加えて以下の効果を得ることができる。
(7)突出部70によって1つの絶縁部材80の位置を固定すればよいため、絶縁部材80をより適切に位置決めすることができる。
【0054】
(8)突出部70によって圧力開放弁56の周囲全体を係止することができるため、蓋体13と絶縁部材80とをより適切に位置決めすることができる。
なお、上述の各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
【0055】
○ 圧力開放弁56の周縁の形状は、例えば円形状や矩形状等、トラック形状以外であってもよい。
○ 圧力開放弁56は、ケース11の蓋体13の中央から偏った位置に設けてもよい。
【0056】
○ 第1の実施形態において、第1突出部71が、正極絶縁部材61の端面61aと負極絶縁部材62の端面62aとに当接せずに、これらと対向するように位置していてもよい。こうした形態であっても、第1突出部71によって絶縁部材60を係止することができるため、蓋体13と絶縁部材60とを適切に位置決めすることができるといった効果を得ることができる。
【0057】
○ 第2の実施形態において、第1突出部71が、正極絶縁部81の端面81aと負極絶縁部82の端面82aとに当接せずに、これらと対向するように位置していてもよい。こうした形態であっても、第1突出部71によって絶縁部材80を係止することができるため、蓋体13と絶縁部材80とを適切に位置決めすることができるといった効果を得ることができる。
【0058】
○ 第2の実施形態において、第2突出部72が、連結部83,84の端面83a,84aに当接せずに、これらと対向するように位置していてもよい。こうした形態であっても、第2突出部72によって絶縁部材80を係止することができるため、蓋体13と絶縁部材80とを適切に位置決めすることができるといった効果を得ることができる。
【0059】
○ 正極タブ群31a及び負極タブ群32aは、いずれか一方を電極組立体14の端部14cの中央寄りに配置するとともに、他方を電極組立体14の端部14cの中央よりも偏った位置に配置するようにしてもよい。また、正極タブ群31a及び負極タブ群32aを電極組立体14の端部14cの両端に配置するようにしてもよい。なお、これら正極タブ群31a及び負極タブ群32aの位置に合わせて導電部材41,42の長さを変更してもよい。また、こうした形態において、圧力開放弁56が負極導電部材42と対向しない場合には、突出部70の突出長さを絶縁部材60,80の厚さ以上の長さとしてもよい。
【0060】
○ 突出部70の突出長さは一律の長さに限らず、蓋体13の場所に応じて突出部70の突出長さを変更するようにしてもよい。例えば、蓋体13において、変形しやすい部分の突出部70の突出長さを長く設定し、変形しにくい部分の突出部70の突出長さを短く設定するようにしてもよい。
【0061】
○ 突出部70の第1突出部71を、曲線状や波状等、直線状以外の形状としてもよい。また、第2突出部72を、曲線状や波状等、直線状以外の形状としてもよい。
図8に示すように、突出部70に代えて、圧力開放弁56の周囲を囲むトラック形状の突出部170を採用してもよい。突出部170は、蓋体13の長手方向Lに延設される2つの直線部と、蓋体13の長手方向Lの両側において2つの直線部を繋ぐ2つの弧部と、が一体化されて構成されている。こうした突出部170を第1の実施形態で採用する場合には、突出部170の上記2つの弧部が係止部として機能し、突出部170における上記2つの弧部の側面170aが係止面として機能する。また、突出部170を第2の実施形態で採用する場合には、突出部170の上記2つの直線部と上記2つの弧部とが係止部として機能し、突出部170における上記2つの弧部の側面170aと上記2つの直線部の側面170bとが係止面として機能する。
【0062】
○ 突出部70に代えて、圧力開放弁56の周囲を囲む円形状の突出部を採用してもよい。例えば、圧力開放弁56の周縁の形状がトラック形状である場合では、突出部は、その弧部に沿うように延設されるとともに、直線部の周りを囲むように延設される。また、圧力開放弁56の周縁の形状が円形状である場合には、その周縁に沿うように突出部が延設される。なお、本形態の突出部を第1の実施形態で採用する場合には、蓋体13の長手方向Lの両側における突出部の弧部が係止部として機能し、長手方向Lの両側における突出部の弧部の側面が係止面として機能する。また、本形態の突出部を第2の実施形態で採用する場合には、蓋体13の長手方向Lの両側における突出部の弧部と、短手方向Sの両側における突出部の弧部とが係止部として機能し、長手方向Lの両側における突出部の弧部の側面と、短手方向Sの両側における突出部の弧部の側面とが係止面として機能する。
【0063】
○ 第1及び第2の実施形態及び上記変形例において、突出部70,170は、例えば第1突出部71と第2突出部72との間に隙間を設ける等、別体で構成されていてもよい。但し、蓋体13の変形を効果的に抑制するためには、上記の隙間を可能な限り小さくすることが望ましい。
【0064】
○ 上記変形例において、例えば第1突出部71の長さ等、突出部70,170における蓋体13の短手方向Sに延設される部分の長さを、短手方向Sの圧力開放弁56の幅以下に設定してもよい。また、例えば第2突出部72の長さ等、突出部70,170における蓋体13の長手方向Lに延設される部分の長さを、長手方向Lの圧力開放弁56の幅以下に設定してもよい。
【0065】
○ 第2の実施形態において、突出部70として設けられる第1突出部71を1つとしてもよい。また、突出部70として設けられる第2突出部72を1つとしてもよい。
図9に示すように、第2突出部72を省略して、突出部270として蓋体13の短手方向Sに延設される突出部のみを設けるようにしてもよい。この形態では、突出部270が係止部として機能し、突出部270における蓋体13の長手方向Lの外側に位置する側面270aが係止面として機能する。なお、図9では突出部270を第1の実施形態で採用する場合を例示しているが、突出部270は第2の実施形態で採用することも可能である。
【0066】
○ 第1突出部71を省略して、突出部として蓋体13の長手方向Lに延設される突出部のみを設けるようにしてもよい。この形態では、長手方向Lに延設される突出部が係止部として機能する。
【0067】
○ 圧力開放弁56は、ケース本体12を構成するケース壁に配置してもよい。こうして圧力開放弁56を配置するケース壁を変更した場合であっても、そのケース壁に突出部70,170,270を設けるようにすれば、圧力開放弁56を適切な開放圧で開放させる効果と、圧力開放弁56が設けられるケース壁と絶縁部材60,80とを適切に位置決めすることができるといった効果とを得ることができる。
【0068】
○ 圧力開放弁56は、蓋体13やケース本体12を構成するケース壁と一体的に成形されたものに限らず、蓋体13やケース本体12を構成するケース壁とは別体のものとして、これらケース壁に溶接等によって固定されたものであってもよい。
【0069】
○ 端子15,16は、ケース本体12を構成するケース壁からケース11外に突出するものであってもよい。
○ 正極端子15と正極導電部材41とを一体化させて端子部材としてもよい。また、負極端子16と負極導電部材42とを一体化させて端子部材としてもよい。なお、こうした形態でも、端子部材においてケース11内に位置する導電部材に相当する部分と、蓋体13との間に絶縁部材60,80を設けるとともに、蓋体13の裏面13bに突出部70,170,270を設けるようにすれば、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
○ 絶縁部材60,80として、3つ以上の部材で構成される絶縁部材を採用してもよい。
○ 第2の実施形態及び上記変形例において、複数の絶縁部材60,80の厚さは異なる厚さに設定してもよい。
【0071】
○ 絶縁部材60,80に凹部や孔部等を形成して、これら凹部や孔部等を、絶縁部材61,62の端面61a,62a、絶縁部81,82の端面81a,82a、及び連結部83,84の端面83a,84aに代えて被係止部として機能させるようにしてもよい。
【0072】
○ ケース11の形状を変更してもよい。例えば、ケース11は円筒型でもよい。
○ 電極組立体14は、積層型に限らず、帯状の正極電極と帯状の負極電極を捲回して層状に積層した捲回型でもよい。
【0073】
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であってもよい。要は、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであれば良い。また、蓄電装置としてキャパシタでもよい。
【0074】
○ 二次電池10は、車両電源装置として自動車に搭載してもよいし、産業用車両に搭載しても良い。また、定置用の蓄電装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
10…二次電池、11…ケース、12…ケース本体、12a…開口部、13…蓋体、13a…表面、13b…裏面、14…電極組立体、15…正極端子、16…負極端子、21…正極電極、22…負極電極、23…セパレータ、31…正極タブ、31a…正極タブ群、32…負極タブ、32a…負極タブ群、41…正極導電部材、42…負極導電部材、56…圧力開放弁、60,80…絶縁部材、61…正極絶縁部材、61a,62a,81a,82a,83a,84a…端面、62…負極絶縁部材、70,170,270…突出部、71…第1突出部、71a,72a,170a,170b,270a…側面、72…第2突出部、81…正極絶縁部、82…負極絶縁部、83,84…連結部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9