特許第6107844号(P6107844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6107844検出装置、検出制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6107844
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】検出装置、検出制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20170327BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170327BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20170327BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20170327BHJP
   G03B 17/38 20060101ALN20170327BHJP
【FI】
   H04N5/232 Z
   H04N5/225 B
   G03B15/00 Q
   G03B17/00 Q
   !G03B17/38 B
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-13862(P2015-13862)
(22)【出願日】2015年1月28日
(65)【公開番号】特開2016-139942(P2016-139942A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2016年2月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下野 勉
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 将幸
【審査官】 ▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−030163(JP,A)
【文献】 特開2010−183254(JP,A)
【文献】 特開2010−153954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 15/00
G03B 17/00
H04N 5/225
G03B 17/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の変化を検出する検出装置であって、
撮像手段と、
当該検出装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で当該撮像画像の変化を検出することにより被写体の動きを検出する画像変化検出手段と、
前記姿勢検出手段により検出される当該検出装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する位置変更手段と、
を備え
前記位置変更手段は、前記所定の検出領域の大きさを維持し、かつ前記撮像画像に対する当該所定の検出領域の位置関係が重力方向に対して垂直及び水平方向で一定となるように、当該所定の検出領域の位置を変更することを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記画像変化検出手段により前記所定の検出領域で前記撮像画像の変化が検出されたことに応じて、前記撮像手段による撮影処理を実行する撮影処理手段を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
被写体を検出する検出装置であって、
撮像手段と、
当該検出装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で被写体を検出する被写体検出手段と、
前記姿勢検出手段により検出される当該検出装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する位置変更手段と、
撮像画像のアスペクト比が1でない場合に、当該検出装置の姿勢の変化に応じて、前記位置変更手段により変更された所定の検出領域の位置を補正する位置補正手段と、
を備えることを特徴とする検出装置。
【請求項4】
前記位置補正手段は、
当該検出装置の姿勢の変化に伴って撮像画像の長辺が重力方向に対する水平方向に近似するようになった場合に、撮像画像の水平かつ中心方向に移動するように、所定の検出領域の位置を補正可能とすることを特徴とする請求項3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記位置補正手段は、
当該検出装置の姿勢の変化に伴って撮像画像の長辺が重力方向に対する垂直方向に近似するようになった場合に、撮像画像の垂直かつ中心方向に移動するように、所定の検出領域の位置を補正可能とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記被写体検出手段により前記所定の検出領域で被写体が検出されたことに応じて、前記撮像手段による撮影処理を実行する撮影処理手段を、更に備えることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項7】
撮像画像内の所定の一点を基準とする所定の検出領域の座標位置に係る情報と、
当該検出装置の姿勢に応じて変更する所定の検出領域の変更座標位置に係る情報と、を記憶する記憶手段を更に備え、
前記位置変更手段は、
前記姿勢検出手段により当該検出装置の姿勢が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記座標位置に係る情報及び前記変更座標位置に係る情報に基づき、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶されている前記座標位置に係る情報を任意に設定可能とする設定手段を更に備えることを特徴とする請求項に記載の検出装置。
【請求項9】
前記姿勢検出手段は、
前記撮像手段が備えるレンズの光軸まわりにおける当該検出装置の回動角度に応じて、当該検出装置の姿勢を検出することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項10】
撮像画像、及び所定の検出領域の位置を示す指標画像を表示手段に表示する表示制御手段を更に備え、
前記表示制御手段は、
所定の検出領域の位置の変更に応じて、前記指標画像の表示位置を更新することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項11】
撮像手段を備える自装置の姿勢を検出する処理と、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で当該撮像画像の変化を検出することにより被写体の動きを検出する処理と、
検出される当該自装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する処理と、
を含み、
前記所定の検出領域の大きさを維持し、かつ前記撮像画像に対する当該所定の検出領域の位置関係が重力方向に対して垂直及び水平方向で一定となるように、当該所定の検出領域の位置を変更することを特徴とする検出制御方法。
【請求項12】
撮像手段を備える自装置の姿勢を検出する処理と、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で被写体を検出する処理と、
検出される当該自装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する処理と、
撮像画像のアスペクト比が1でない場合に、当該自装置の姿勢の変化に応じて、変更された所定の検出領域の位置を補正する処理と、
を含むことを特徴とする検出制御方法。
【請求項13】
コンピュータに、
撮像手段を備える自装置の姿勢を検出する姿勢検出機能、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で当該撮像画像の変化を検出することにより被写体の動きを検出する画像変化機能、
前記姿勢検出機能により検出される当該自装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する位置変更機能、
を実現させ、
前記位置変更機能は、前記所定の検出領域の大きさを維持し、かつ前記撮像画像に対する当該所定の検出領域の位置関係が重力方向に対して垂直及び水平方向で一定となるように、当該所定の検出領域の位置を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
撮像手段を備える自装置の姿勢を検出する姿勢検出機能、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で被写体を検出する被写体検出機能、
前記姿勢検出機能により検出される当該自装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する位置変更機能、
撮像画像のアスペクト比が1でない場合に、当該自装置の姿勢の変化に応じて、前記位置変更機能により変更された所定の検出領域の位置を補正する位置補正機能、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置、検出制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置に設けられる機能として、撮像画面内の指定エリア(検出領域)で被写体の動きを検出して自動的にシャッタを切る自動撮影機能(以下、モーションシャッタという)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−333420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、例えば、撮像装置の姿勢を横置きの状態から縦置きの状態に変更した場合であっても、撮像画面内の指定エリアの位置は固定されているため、被写体の動きをユーザの所望の位置で検出することができなくなるという問題がある。また、上記特許文献1には、指定エリアの位置を任意に設定することが可能である点について記載されているが、被写体の動きをユーザの所望の位置で常に検出しようとした場合、撮像装置の姿勢を変更するごとに指定エリアの位置を設定し直す必要があり面倒である。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、装置の姿勢を変更した場合に、被写体を検出する検出領域を、手間をかけず良好な位置に設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る検出装置は、
画像の変化を検出する検出装置であって、
撮像手段と、
当該検出装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で当該撮像画像の変化を検出することにより被写体の動きを検出する画像変化検出手段と、
前記姿勢検出手段により検出される当該検出装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する位置変更手段と、
を備え
前記位置変更手段は、前記所定の検出領域の大きさを維持し、かつ前記撮像画像に対する当該所定の検出領域の位置関係が重力方向に対して垂直及び水平方向で一定となるように、当該所定の検出領域の位置を変更することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置の姿勢を変更した場合に、被写体を検出する検出領域を、手間をかけず良好な位置に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明を適用した一実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図1の撮像装置を模式的に示す斜視図である。
図3】(a)は、図1の撮像装置の記憶部に記憶される設定情報の内容を説明するための図であり、(b)は、座標変更情報の内容を説明するための図であり、(c)は、座標補正情報の内容を説明するための図である。
図4図1の撮像装置によるモーションシャッタモード処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図5】(a)〜(d)は、検出領域の位置の変更例を説明するための図であり、(e)及び(f)は、検出領域の位置の補正例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。また、図2(a)は、図1の撮像装置100を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は、撮像装置100の表示パネル9aを180°回動させた状態を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の撮像装置100は、中央制御部1と、メモリ2と、撮像部3と、姿勢検出部4と、撮像制御部5と、画像データ生成部6と、記憶部7と、画像記録部8と、表示部9と、操作入力部10とを備えている。
また、中央制御部1、メモリ2、撮像部3、姿勢検出部4、撮像制御部5、画像データ生成部6、記憶部7、画像記録部8、及び表示部9は、バスライン11を介して接続されている。
【0011】
また、撮像装置100は、図2(a)及び図2(b)に示すように、撮像部3(特に、レンズ部3a;後述)を具備する装置本体部100Aに表示部9の表示パネル9a(後述)が所定の回動機構(例えば、ヒンジ機構等)を介して取りつけられている。具体的には、表示パネル9aは、光軸Z方向に略直交する一の軸(例えば、水平方向の軸等)周りに略180°回動自在に装置本体部100Aに軸支されている。つまり、表示パネル9aを装置本体部100Aに対して相対的に略180°回動させることで、表示パネル9aの表示方向を撮像部3の撮像方向と略等しくするように、すなわち、表示パネル9aをレンズ部3aの露出面と同様に被写体側に臨むように配置することができるようになっている(図2(b)参照)。そして、表示パネル9aをレンズ部3aの露出面と同じ側とした状態では、ユーザが表示パネル9aに表示されるユーザ自身を含む画像を視認しながら、所謂、自分撮りを行うことができる。
なお、表示パネル9aは、例えば、装置本体部100Aに対して光軸Z方向に略直交する垂直方向の軸周りに略180°回動自在に軸支されていても良く、この場合も、表示パネル9aをレンズ部3aの露出面と同じ側とした状態では、所謂、自分撮りを行うことができる。
【0012】
中央制御部1は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部1は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、撮像装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0013】
メモリ2は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部1や撮像制御部5等の各部によって処理されるデータ等を一時的に記憶するものである。
【0014】
撮像部(撮像手段)3は、被写体を撮像する。具体的には、撮像部3は、レンズ部3aと、電子撮像部3bと、補助光源3cと、を備えている。
【0015】
レンズ部3aは、例えば、レンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部3bは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサから構成され、レンズ部3aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。なお、4:3、16:9、1:1のように異なるアスペクト比の画像は、イメージセンサにより取得される画像データの内でアスペクト比を確保し最大の画素数となる範囲を切り出して取得する。
補助光源3cは、例えば、LED(Light Emitting Diode)ライトから構成され、撮影時に補助光を発光する。この補助光を発光することにより暗所でも、電子撮像部3bに入力される光量を確保するとともにフォーカスを合わせやすくしている。
なお、図示は省略するが、撮像部3は、レンズ部3aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0016】
姿勢検出部(姿勢検出手段)4は、撮像装置100の姿勢を検出する。
具体的には、姿勢検出部4は、角速度センサで構成されており、レンズ部3aの光軸Z(図2参照)まわりにおける撮像装置100の回動角度を検出し、検出された回動角度に応じて撮像装置100の姿勢を検出する。回動角度の検出は、撮像装置100が通常使用される横置きの姿勢(図5(a)参照)を基準として行う。
例えば、撮像装置100の回動角度が0°以上45°未満の場合、姿勢検出部4は、撮像装置100が通常使用される横置きの姿勢(0°の姿勢;図5(a)参照)であることを検出する。また、撮像装置100の回動角度が45°以上135°未満の場合、姿勢検出部4は、撮像装置100が縦置きの姿勢(90°の姿勢;図5(b)参照)であることを検出する。また、撮像装置100の回動角度が135°以上225°未満の場合、姿勢検出部4は、撮像装置100が通常使用される横置きの姿勢とは逆さまの姿勢(180°の姿勢;図5(c)参照)であることを検出する。また、撮像装置100の回動角度が225°以上315°未満の場合、姿勢検出部4は、撮像装置100が縦置きの姿勢(270°の姿勢;図5(d)参照)であることを検出する。また、撮像装置100の回動角度が315°以上360°未満の場合、姿勢検出部4は、撮像装置100が通常使用される横置きの姿勢(0°の姿勢;図5(a)参照)であることを検出する。
なお、姿勢検出部4の上記構成は一例であり、加速度センサ、地磁気センサ等から構成されるようにしてもよい。
【0017】
撮像制御部5は、撮像部3による被写体の撮像を制御する。
撮像制御部5は、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。撮像制御部5は、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部3bを走査駆動して、所定周期毎に光学像を電子撮像部3bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部3bの撮像領域から1画面分ずつフレーム画像を読み出して画像データ生成部6に出力させる。また、撮像制御部5は、AF(自動合焦処理)、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス調整処理)等の被写体を撮像する際の条件の調整制御を行う。
【0018】
また、本実施形態において、撮像制御部5は、状態判定部5aと、検出部5bと、位置変更部5cと、位置補正部5dと、撮影処理部5eと、を具備している。詳細の説明は後述する。
なお、撮像制御部5の各部は、例えば、所定のロジック回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0019】
画像データ生成部6は、電子撮像部3bから転送されたフレーム画像のアナログ値の信号に対してRGBの色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。
また、画像データ生成部6は、生成した画像データをバッファメモリとして使用されるメモリ2や画像記録部8に転送する。
【0020】
記憶部7は、読み書き可能な不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。この記憶部7には、設定情報7a、座標変更情報7b、座標補正情報7c等が格納されている。
【0021】
設定情報7aは、ライブビュー画像L内の左上角(所定の一点)を基準とする検出領域Tの座標位置に係る情報である。具体的には、図3(a)に示すように、設定情報7aは、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)におけるライブビュー画像Lの左上からの水平方向の座標「a」と、当該ライブビュー画像Lの左上からの垂直方向の座標「b」と、当該ライブビュー画像Lの水平方向のサイズ「X」と、当該ライブビュー画像Lの垂直方向のサイズ「Y」と、撮像装置100の姿勢(向き)「d」と、で構成されている。
【0022】
座標変更情報7bは、撮像装置100の姿勢に応じて変更する検出領域Tの変更座標位置に係る情報である。具体的には、図3(b)に示すように、座標変更情報7bとして、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量「0°」と、変更座標値(a,b)と、が対応付けられて記憶されている。また、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量「90°」と、変更座標値(b,Y−a)と、が対応付けられて記憶されている。また、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量「180°」と、変更座標値(X−a,Y−b)と、が対応付けられて記憶されている。また、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量「270°」と、変更座標値(X−b,a)と、が対応付けられて記憶されている。
【0023】
座標補正情報7cは、撮像装置100の姿勢の変化に応じて補正する検出領域Tの座標値の補正内容に係る情報である。具体的には、図3(c)に示すように、座標補正情報7cとして、撮像装置100の姿勢の変化内容と、補正内容とが対応付けられて記憶されている。より具体的には、撮像装置100の姿勢の変化内容「横置き(0°または180°の姿勢)から縦置き(90°または270°の姿勢)」及び「縦置き(90°または270°の姿勢)から横置き(0°または180°の姿勢)」と、補正内容「x座標に|X−Y|/2を加算」とが対応付けられて記憶されている。
【0024】
画像記録部8は、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。また、画像記録部8は、画像データ生成部6の符号化部(図示略)により所定の符号化方式で符号化された各種の画像の画像データを記録する。
本実施形態では、画像記録部8は、例えば、撮像部3により撮像され、後述する撮影処理部5eによる撮影を実行する処理がなされた画像の画像データ等を記録する。
【0025】
なお、画像記録部8は、例えば、記録媒体(図示略)が着脱自在に構成され、装着された記録媒体からのデータの読み出しや記録媒体に対するデータの書き込みを制御する構成であっても良い。
【0026】
表示部9は、ライブビュー画像L或いは、記録されている静止画像や動画像を再生、表示する。具体的には、表示部9は、表示パネル(表示手段)9aと、表示制御部(表示制御手段)9bと、を具備している。
【0027】
表示パネル9aは、表示領域内に画像を表示する。具体的には、表示パネル9aは、静止画撮影モードや動画撮影モードにて、撮像部3による被写体の撮像により生成される画像フレームを所定のフレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像Lを表示する。また、再生モードにて、メモリ2や画像記録部8に記録され、ユーザにより選択された静止画像や動画像を再生、表示する。
なお、表示パネル9aとしては、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどが挙げられるが、一例であってこれらに限られるものではない。
【0028】
表示制御部9bは、ライブビュー画像L、或いはメモリ2や画像記録部8から読み出され復号された所定サイズの画像データに基づいて、所定の画像を表示パネル9aの表示画面に表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部9bは、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、中央制御部1の制御下にてメモリ2から読み出されてVRAM(図示略)に記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示パネル9aに出力する。
【0029】
また、表示制御部9bは、本実施形態において、撮像部3の撮像方向と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっていると状態判定部5aにより判定されると、撮像部3により撮像されて画像データ生成部6により生成される画像フレームを所定フレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像Lを表示パネル9aに表示させるとともに、所定の格納手段(例えば、メモリ2等)に格納されている、撮影開始を指示する開始指標等の画像データを読み出して取得し、ライブビュー画像L内の検出領域Tに重畳させてOSD表示させる。
【0030】
操作入力部(設定手段)10は、装置本体に対して各種指示を入力するためのものである。
具体的には、操作入力部10は、例えば、シャッタボタン、動作モードや機能等の選択指示に係る上下左右のカーソルボタン、決定ボタン等を具備する操作部を備えている。
そして、ユーザにより操作部の各種ボタンが操作されると、操作入力部10は、操作されたボタンに応じた操作指示を中央制御部1に出力する。中央制御部1は、操作入力部10から出力され入力された操作指示に従って所定の動作を各部に実行させる。
【0031】
本実施形態では、例えば、操作入力部10から出力され入力された操作指示に従って、記憶部7に記憶されている設定情報7aの内容(初期設定時の撮像装置100の姿勢(0°の姿勢)におけるライブビュー画像Lの左上からの水平方向の座標「a」や、当該ライブビュー画像Lの左上からの垂直方向の座標「b」等)を任意に設定することができる。
なお、操作入力部10は、表示部9の表示パネル9aと一体となって設けられたタッチパネル(図示略)を有して構成されていても良い。
【0032】
撮像制御部5の説明に戻り、状態判定部5aは、撮像装置100の状態を判定する。
すなわち、状態判定部5aは、撮像部3により撮像されて表示部9に表示される被写体の画像を当該被写体自身に視認させることが可能な所定の状態(所謂、自分撮りの状態)であるか否かを判定する。
具体的には、状態判定部5aは、撮像部3による被写体の撮像の際に、撮像部3の撮像方向(レンズ部3aの露出方向)と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっている状態であるか否かを判定する。例えば、状態判定部5aは、装置本体部100Aに対して表示パネル9aが略180°回動したことを機械的に検出するスイッチ(図示略)の検出信号や、表示パネル9aの重力方向に対する傾きを検出するセンサ(例えば、加速度センサ等;図示略)の検出信号の入力に基づいて、撮像部3の撮像方向と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっているか否かを判定する。
そして、状態判定部5aは、撮像部3の撮像方向と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっていると判定した場合に、撮像部3により撮像されて表示部9に表示される被写体の画像を当該被写体自身に視認させることが可能な所定の状態であると特定する。
【0033】
検出部(被写体検出手段)5bは、撮像部3により撮像されている撮像画像から検出対象を検出する処理を実行する。
具体的には、検出部5bは、逐次撮像される撮像画像(ライブビュー画像Lに相当)のうち、検出領域(ライブビュー画像L内の検出領域Tに相当)の画素値の変動に基づいて画像の変化を検出することにより、検出対象(例えば、被写体の動作)を検出するモーション検出処理を行う。
なお、モーション検出処理は公知の技術を使用することで実現可能であるため、詳細な説明は省略する。
また、検出領域Tにはモーションシャッタを開始するための開始指標がOSD(On Screen Display)表示される。
【0034】
位置変更部(位置変更手段)5cは、姿勢検出部4により検出される撮像装置100の姿勢に応じて、撮像画像のうちの検出領域に相当するライブビュー画像L内における検出領域Tの位置を変更する。
具体的には、位置変更部5cは、姿勢検出部4により検出される撮像装置100の姿勢に応じて、ライブビュー画像Lに対する検出領域Tの位置関係が、重力方向に対する垂直及び水平方向で一定となるように、ライブビュー画像L内における検出領域Tの位置を変更する。
【0035】
本実施形態において、位置変更部5cは、姿勢検出部4により撮像装置100の姿勢が検出された場合に、記憶部7に設定情報7aとして記憶されている座標位置に係る情報、及び、座標変更情報7bとして記憶されている変更座標位置に係る情報に基づき、ライブビュー画像L内における検出領域Tの位置を変更する。なお、座標位置に係る情報は、ライブビュー画像Lにおける座標として記憶され、検出領域Tの位置を変更するごとに、相当する撮像画像上の検出領域の座標に変換されて検出が行われる。また、撮像画像のアスペクト比を変更するとライブビュー画像Lのアスペクト比も変更されるため、ライブビュー画像L上の座標と表示部9上の座標とは異なる場合があるため、設定情報7aを表示部9における座標として、アスペクト比に影響を受けないようにしてもよい。
【0036】
具体的には、図5(a)に示すように、姿勢検出部4により検出された撮像装置100の姿勢が通常使用される横置きの姿勢(0°の姿勢)である場合、すなわち、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量が0°である場合、位置変更部5cは、記憶部7に記憶されている設定情報7a及び座標変更情報7bを参照して、検出領域Tの座標位置を(a,b)として設定する。なお、図5(a)に示すように、撮像装置100が0°の姿勢の状態にあるときのライブビュー画像Lの左上角(所定の一点)の座標を(0,0)とする。また、このときのライブビュー画像Lの長手方向をx軸方向とし、短手方向をy軸方向とする。
また、図5(b)に示すように、姿勢検出部4により検出された撮像装置100の姿勢が縦置きの姿勢(90°の姿勢)である場合、すなわち、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量が90°である場合、位置変更部5cは、記憶部7に記憶されている設定情報7a及び座標変更情報7bを参照して、検出領域Tの座標位置を(b,Y−a)として設定する。
また、図5(c)に示すように、姿勢検出部4により検出された撮像装置100の姿勢が横置きの姿勢(180°の姿勢)である場合、すなわち、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量が180°である場合、位置変更部5cは、記憶部7に記憶されている設定情報7a及び座標変更情報7bを参照して、検出領域Tの座標位置を(X−a,Y−b)として設定する。
また、図5(d)に示すように、姿勢検出部4により検出された撮像装置100の姿勢が縦置きの姿勢(270°の姿勢)である場合、すなわち、設定時の撮像装置100の姿勢(例えば、0°の姿勢)との向きの変化量が270°である場合、位置変更部5cは、記憶部7に記憶されている設定情報7a及び座標変更情報7bを参照して、検出領域Tの座標位置を(X−b,a)として設定する。
このように、位置変更部5cは、姿勢検出部4により検出される撮像装置100の姿勢に応じて、検出領域Tの座標位置を変更することによって、常にライブビュー画像Lの左上から水平方向にa、垂直方向にbの距離の位置に検出領域Tを設定することができるようになっている。
【0037】
位置補正部(位置補正手段)5dは、位置変更部5cにより変更された検出領域Tの位置を補正する。
具体的には、本実施形態において、位置補正部5dは、先ず、ライブビュー画像Lのアスペクト比が1であるか否かを判定し、アスペクト比が1でないと判定された場合、設定時の撮像装置100の姿勢(向き)と、現在の撮像装置100の姿勢(向き)と、が一致するか否かを判定する。
そして、設定時の撮像装置100の姿勢(向き)と、現在の撮像装置100の姿勢(向き)と、が一致しないと判定された場合、位置補正部5dは、撮像装置100の姿勢の変化内容による分岐処理を実行し、撮像装置100の姿勢の変化内容が、横置きから縦置き(例えば、0°の姿勢から90°の姿勢)、または、縦置きから横置き(例えば、90°の姿勢から0°の姿勢)であると判定された場合、位置補正部5dは、姿勢変化後の検出領域Tのx座標位置に応じて、記憶部7に記憶されている座標補正情報7cから補正内容を特定する。具体的には、図3(c)に示すように、姿勢変化後の検出領域Tのx座標の値が(1/2)Xよりも小さい場合、補正内容として、「x座標の値に|X−Y|/2を加算」を特定する。また、当該x座標の値が(1/2)Xと等しい場合、補正内容として、「補正なし」を特定する。また、当該x座標の値が(1/2)Xよりも大きい場合、「x座標の値から|X−Y|/2を減算」を特定する。
そして、位置補正部5dは、特定された補正内容に基づき、現在の検出領域Tの座標を補正する。
【0038】
例えば、図5(e)に示すように、撮像装置100を90°の姿勢から0°の姿勢に変化させた場合(姿勢変化後の検出領域Tのx座標aが(1/2)Xより小さい場合)、位置補正部5dは、特定された補正内容「x座標に|X−Y|/2を加算」に従い、現在の検出領域Tの座標(a,b)を(a+|X−Y|/2,b)に補正する。ここで、位置補正部5dは、撮像装置100の姿勢の変化に伴って、ライブビュー画像Lの長辺が重力方向に対する水平方向に近似するようになった場合に、ライブビュー画像Lの水平かつ中心方向に移動するように、検出領域Tの位置を補正したこととなる。
【0039】
また、図5(f)に示すように、撮像装置100を0°の姿勢から90°の姿勢に変化させた場合(姿勢変化後の検出領域Tのx座標bが(1/2)Xより小さい場合)、位置補正部5dは、特定された補正内容「x座標に|X−Y|/2を加算」に従い、現在の検出領域Tの座標(b,Y−a)を(b+|X−Y|/2,Y−a)に補正する。ここで、位置補正部5dは、撮像装置100の姿勢の変化に伴って、ライブビュー画像Lの長辺が重力方向に対する垂直方向に近似するようになった場合に、ライブビュー画像Lの垂直かつ中心方向に移動するように、検出領域Tの位置を補正したこととなる。
【0040】
撮影処理部5eは、撮像部3による被写体の撮像画像の撮影処理を実行する。
本実施形態において、撮影処理部5eは、被写体に動きがあると検出部5bにより判断された場合、撮像部3による被写体の撮像画像の撮影処理を実行する。
【0041】
<モーションシャッタモード処理>
次に、本実施形態の撮像装置100によるモーションシャッタモード処理について図4を参照して説明する。
図4は、モーションシャッタモード処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0042】
図4に示すように、先ず、状態判定部5aは、撮像部3の撮像方向と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっている状態であるか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、状態判定部5aは、装置本体部100Aに対して表示パネル9aが略180°回動した状態とされているか否かを判定する。
【0043】
ステップS1において、撮像部3の撮像方向と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっていないと判定された場合(ステップS1;NO)、モーションシャッタモード処理を終了する。
一方、ステップS1において、撮像部3の撮像方向と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっていると判定された場合(ステップS1;YES)、表示制御部9bは、撮像部3により撮像されて画像データ生成部6により生成される画像フレームを所定のフレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像Lを表示パネル9aに表示させる(ステップS2)。
【0044】
次いで、姿勢検出部4は、レンズ部3aの光軸Z(図2参照)まわりにおける撮像装置100の回動角度を検出し、検出された回動角度に応じて撮像装置100の姿勢を検出する(ステップS3)。
【0045】
次いで、位置変更部5cは、記憶部7に設定情報7aとして記憶されている座標位置に係る情報、及び、座標変更情報7bとして記憶されている変更座標位置に係る情報に基づき、ライブビュー画像L内における検出領域Tの位置を変更する(ステップS4)。
【0046】
次いで、位置補正部5dは、ライブビュー画像Lのアスペクト比が1であるか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、アスペクト比が1であると判定された場合(ステップS5;YES)、表示制御部9bは、ライブビュー画像Lの表示を更新する(ステップS6)。このとき、表示制御手段9bは、検出領域Tの位置に重畳させて開始指標の表示を行う。
【0047】
次いで、検出部5bは、モーション検出処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7において、検出部5bにより、モーション(被写体の動作)が検出されていないと判別された場合(ステップS7;NO)、検出部5bによる検出を継続する。
一方、ステップS7において、検出部5bにより、モーション(被写体の動作)が検出されたと判別された場合(ステップS7;YES)、撮影処理部5eは、撮像部3による被写体の撮像画像の撮影処理を実行する(ステップS8)。
【0048】
次いで、撮像制御部5は、検出部5bによる検出の終了を指示する所定の操作がなされたか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9において、検出部5bによる検出の終了を指示する所定の操作がなされていないと判定された場合(ステップS9;NO)、ステップS2へ戻る。
一方、ステップS9において、検出部5bによる検出の終了を指示する所定の操作がなされたと判定された場合(ステップS9;YES)、モーションシャッタモード処理を終了する。
【0049】
また、ステップS5において、アスペクト比が1でないと判定された場合(ステップS5;NO)、位置補正部5dは、記憶部7に記憶されている設定情報7aを設定した時の撮像装置100の姿勢(向き)と、現在の撮像装置100の姿勢(向き)と、が一致するか否かを判定する(ステップS10)。
【0050】
ステップS10において、設定時の撮像装置100の姿勢(向き)と、現在の撮像装置100の姿勢(向き)と、が一致すると判定された場合(ステップS10;YES)、ステップS6へ移行し、以降上述したステップS7〜S9の処理を実行する。
一方、ステップS10において、設定時の撮像装置100の姿勢(向き)と、現在の撮像装置100の姿勢(向き)と、が一致しないと判定された場合(ステップS10;NO)、位置補正部5dは、撮像装置100の姿勢の変化内容による分岐処理を実行する(ステップS11)。
【0051】
ステップS11において、撮像装置100の姿勢の変化内容が、横置きから横置き(例えば、0°の姿勢から180°の姿勢)、または、縦置きから縦置き(例えば、90°の姿勢から270°の姿勢)であると判定された場合、ステップS6へ移行し、以降上述したステップS7〜S9の処理を実行する。
【0052】
一方、ステップS11において、撮像装置100の姿勢の変化内容が、横置きから縦置き(例えば、0°の姿勢から90°の姿勢)、または、縦置きから横置き(例えば、90°の姿勢から0°の姿勢)であると判定された場合、位置補正部5dは、記憶部7に記憶されている座標補正情報7cから補正内容を特定する(ステップS12)。具体的には、図3(c)に示すように、姿勢変化後の検出領域Tのx座標の値が(1/2)Xよりも小さい場合、補正内容として、「x座標の値に|X−Y|/2を加算」を特定する。また、当該x座標の値が(1/2)Xと等しい場合、補正内容として、「補正なし」を特定する。また、当該x座標の値が(1/2)Xよりも大きい場合、「x座標の値から|X−Y|/2を減算」を特定する。
【0053】
次いで、位置補正部5dは、特定された補正内容に基づき、現在の検出領域Tの座標を補正し(ステップS13)、ステップS6へ移行し、以降上述したステップS7〜S9の処理を実行する。
【0054】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、姿勢検出部4により検出される撮像装置100の姿勢に応じて、撮像画像内における検出領域の位置を変更することとなる。
従って、撮像装置100の姿勢を変更した場合でも、検出領域を、手間をかけず良好な位置に設定することができるようになる。
【0055】
また、本実施形態の撮像装置100によれば、姿勢検出部4により検出される撮像装置100の姿勢に応じて、撮像画像Lに対する検出領域の位置関係が重力方向に対して垂直及び水平方向で一定となるように、撮像画像内における検出領域Tの位置を変更することとなる。
従って、撮像装置100の姿勢を変更した場合でも、撮像画像に表示される被写体(例えば、人)に対して検出領域を常に所定の位置に設けることができるようになる。
これにより、撮像装置100の姿勢を変更した場合でも、常にユーザの所望の位置で被写体の検出(モーション検出)を行うことができるようになる。
【0056】
また、本実施形態の撮像装置100によれば、姿勢検出部4により撮像装置100の姿勢が検出された場合に、記憶部7に記憶されている設定情報7a及び座標変更情報7bに基づき、撮像画像内における検出領域の位置を変更することとなるので、撮像装置100の姿勢が検出される度に変更後の検出領域の位置を算出する手間を省くことができる。
【0057】
また、本実施形態の撮像装置100によれば、記憶部7に記憶されている設定情報7aを任意に設定可能となっているので、被写体の検出(モーションシャッタ)の使い勝手を向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態の撮像装置100によれば、撮像画像のアスペクト比が1でない場合に、撮像装置100の姿勢の変化に応じて、位置変更部5cにより変更された検出領域の位置を補正することとなる。
具体的には、撮像装置100の姿勢の変化に伴って、撮像画像の長辺が重力方向に対する水平方向に近似するようになった場合に、撮像画像の水平かつ中心方向に移動するように、検出領域の位置を補正可能とした。また、撮像装置100の姿勢の変化に伴って、撮像画像の長辺が重力方向に対する垂直方向に近似するようになった場合に、撮像画像の垂直かつ中心方向に移動するように、検出領域の位置を補正可能とした。
従って、撮像装置100の姿勢を変更した際、撮像画像が横長から縦長または縦長から横長の状態に変化しても、そのときの撮像画像に相応しい位置に検出領域を移動させることができるようになり、被写体の検出(モーションシャッタ)の使い勝手を向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態の撮像装置100によれば、姿勢検出部4は、撮像部3が備えるレンズ部3aの光軸Zまわりにおける撮像装置100の回動角度に応じて、撮像装置100の姿勢を検出するので、撮像装置100を横置きにした姿勢と縦置きにした姿勢とを好適に検出することができる。
【0060】
また、本実施形態の撮像装置100によれば、撮像画像に相当するライブビュー画像L、及び撮像画像内の検出領域に相当するライブビュー画像内の検出領域Tの位置を示す指標画像を表示パネル9aに表示し、検出領域の位置の変更に応じて、当該指標画像の表示位置を更新するので、被写体の検出(モーションシャッタ)の使い勝手を向上させることができる。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態にあっては、位置補正部5dによって補正を行う場合、検出領域Tの座標値のうちx座標に所定の補正量(|X−Y|/2)を加算又は減算するようにしたが、当該補正量は一例であり、ユーザの用途や好みに応じて任意に設定することができるようにしてもよい。また、位置補正部5dによる補正については、補正を行うモード(ONモード)と、当該補正を行わないモード(OFFモード)を設け、ユーザによって何れかのモードを指定することができるようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態にあっては、検出部5bにより検出される検出対象は、被写体の動作に限らず、予め登録されている対象物の色や形といった静止している被写体としてもよく、この場合においても、被写体の動作を検出する場合と同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、上記実施形態にあっては、撮像部3の撮像方向と表示パネル9aの表示方向が略等しくなっていると判定された場合に、モーション検出を行うようにしているが、これに限らず、モーション検出を行うか否かを任意に設定可能としてもよい。
また、上記実施形態にあっては、ライブビュー画像L内の左上角を基準とする所定の一点としているが、これに限らず、ライブビュー画像L内の中心等、他の位置としてもよい。
【0064】
また、上記実施形態の撮像装置100の構成は一例であり、これに限られるものではない。例えば、撮像機能を具備するスマートフォン等の携帯端末から構成されていても良い。具体的には、例えば、携帯端末を用いて本実施形態の自分撮りを行う場合には、当該携帯端末の表示パネル側に露出されている撮像部のレンズ部(所謂、インカメラ)を利用することで、撮像部により撮像されて表示パネルに表示される被写体の動画像を当該被写体自身に視認させることが可能な状態となる。
【0065】
また、上記実施形態にあっては、姿勢検出手段、被写体検出手段、位置変更手段としての機能を、中央制御部1の制御下にて、姿勢検出部、検出部、位置変更部が駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、姿勢検出処理ルーチン、被写体検出処理ルーチン、位置変更処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、姿勢検出処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、撮像部3を備える撮像装置100の姿勢を検出する処理を実行する手段として機能させるようにしても良い。また、被写体検出処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、撮像部3により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で被写体を検出する処理を実行する手段として機能させるようにしても良い。また、位置変更処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、姿勢検出処理ルーチンにより検出される撮像装置100の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する手段として機能させるようにしても良い。
【0066】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0067】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
被写体を検出する検出装置であって、
撮像手段と、
当該検出装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で被写体を検出する被写体検出手段と、
前記姿勢検出手段により検出される当該検出装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する位置変更手段と、
を備えることを特徴とする検出装置。
<請求項2>
前記位置変更手段は、
前記姿勢検出手段により検出される当該検出装置の姿勢に応じて、撮像画像に対する所定の検出領域の位置関係が、重力方向に対する垂直及び水平方向で一定となるように、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
<請求項3>
撮像画像内の所定の一点を基準とする所定の検出領域の座標位置に係る情報と、
当該検出装置の姿勢に応じて変更する所定の検出領域の変更座標位置に係る情報と、を記憶する記憶手段を更に備え、
前記位置変更手段は、
前記姿勢検出手段により当該検出装置の姿勢が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記座標位置に係る情報及び前記変更座標位置に係る情報に基づき、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の検出装置。
<請求項4>
前記記憶手段に記憶されている前記座標位置に係る情報を任意に設定可能とする設定手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の検出装置。
<請求項5>
撮像画像のアスペクト比が1でない場合に、当該検出装置の姿勢の変化に応じて、前記位置変更手段により変更された所定の検出領域の位置を補正する位置補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の検出装置。
<請求項6>
前記位置補正手段は、
当該検出装置の姿勢の変化に伴って撮像画像の長辺が重力方向に対する水平方向に近似するようになった場合に、撮像画像の水平かつ中心方向に移動するように、所定の検出領域の位置を補正可能とすることを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
<請求項7>
前記位置補正手段は、
当該検出装置の姿勢の変化に伴って撮像画像の長辺が重力方向に対する垂直方向に近似するようになった場合に、撮像画像の垂直かつ中心方向に移動するように、所定の検出領域の位置を補正可能とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の検出装置。
<請求項8>
前記姿勢検出手段は、
前記撮像手段が備えるレンズの光軸まわりにおける当該検出装置の回動角度に応じて、当該検出装置の姿勢を検出することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の検出装置。
<請求項9>
撮像画像、及び所定の検出領域の位置を示す指標画像を表示手段に表示する表示制御手段を更に備え、
前記表示制御手段は、
所定の検出領域の位置の変更に応じて、前記指標画像の表示位置を更新することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の検出装置。
<請求項10>
撮像手段を備える自装置の姿勢を検出する処理と、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で被写体を検出する処理と、
検出される当該自装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する処理と、
を含むことを特徴とする検出制御方法。
<請求項11>
コンピュータに、
撮像手段を備える自装置の姿勢を検出する姿勢検出機能、
前記撮像手段により撮像される撮像画像内における所定の検出領域で被写体を検出する被写体検出機能、
前記姿勢検出機能により検出される当該自装置の姿勢に応じて、撮像画像内における所定の検出領域の位置を変更する位置変更機能、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0068】
100 撮像装置
1 中央制御部
3 撮像部
4 姿勢検出部
5 撮像制御部
5a 状態判定部
5b 検出部
5c 位置変更部
5d 位置補正部
5e 撮影処理部
7 記憶部
7a 設定情報
7b 座標変更情報
7c 座標補正情報
9 表示部
9a 表示パネル
9b 表示制御部
T 検出領域
図1
図2
図3
図4
図5