(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒストグラム表示手段は、前記表データに基づきヒストグラムを表示する際に、前記条件書式設定手段により条件付き書式データが設定されている場合、前記設定されている条件付き書式データに従い、対象となるデータの階級に対応した表示要素をそのデータの表示色で表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のヒストグラム表示装置。
前記要素色指定手段は、複数の色の中からユーザに1つの色を選択させる色選択メニュー表示手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒストグラム表示措置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明のヒストグラム表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図である。
【0018】
このグラフ関数電卓10は、入力された関数式やリストデータ(表データ/統計データ)に対応するグラフを描画表示する機能を備えている。
【0019】
このグラフ関数電卓10の本体には、本体正面の下端から3分の2程度の範囲でキー入力部12が設けられ、上端から3分の1程度の範囲でタッチパネル表示部13が設けられる。
【0020】
キー入力部12には、数値・記号キー12a、関数・演算子キー12b、「Menu」キー12c、「Shift」キー12d、「Color」キー12e、「Graph」キー12f、「Trace」キー12g、「EXIT」キー12h、カーソルキー12i、そしてファンクションキー「F1」〜「F6」などが備えられる。
【0021】
数値・記号キー12aは、数字,記号などの個々のキーを配列した数値・記号の入力用キー群からなる。
【0022】
関数・演算子キー12bは、演算式や関数式を入力する際に操作される各種の関数記号キーや、「+」「−」「×」「÷」「=」などの演算子キーからなる。
【0023】
「Menu」キー12cは、四則計算式や関数計算式等の任意の計算式を入力して演算処理を行わせる演算モード、入力された関数式に対応したグラフの描画処理を行わせるグラフモード、表計算を行わせる表計算モード、任意のプログラムを入力して対応する計算処理を行わせるプログラムモード等、各種の動作モードの選択設定メニューを表示させる際に操作される。
【0024】
「Shift」キー12dは、キー入力部12における各キートップの左上に記述された各種の記号や機能を指定入力する際に該当するキーと合わせて操作される。
【0025】
「Color」キー12eは、入力データやグラフなどに対して任意の色を指定する際に操作される。
【0026】
「Graph」キー12fは、入力データを元にして任意のグラフを描く際に操作される。
【0027】
「Trace」キー12gは、画面上に表示されたグラフをトレースするトレースモードを設定する際に操作される。
【0028】
「EXIT」キー12hは、現在の状態から抜けるためのキーである。
【0029】
カーソルキー(「↑」「↓」「←」「→」)12iは、それぞれ表示されたデータの選択,送り操作や、カーソルの移動操作を行なう際などに操作される。
【0030】
ファンクションキー「F1」〜「F6」は、種々の動作モードに応じて表示部13の画面下端に沿って配列表示される各種選択メニューを選択する際に操作される。
【0031】
また、タッチパネル表示部13は、例えば縦186ドット×横378ドットの表示範囲を有するカラー表示可能な液晶表示画面13dの上に、透明タッチパネル13tを重ねて構成される。
【0032】
図2は、前記グラフ関数電卓10の回路構成を示すブロック図である。
【0033】
グラフ関数電卓10は、マイクロコンピュータであるCPU11を備えている。
【0034】
CPU11は、プログラムの起動により回路各部を動作させて、電卓機能や関数グラフ表示機能など、グラフ関数電卓10に備えられた各種機能を実行する。このCPU11には、
図1に示したキー入力部12、タッチパネル表示部13の他に、記憶装置14、RAM15、記録媒体読取部16、通信制御部18などが接続されている。
【0035】
記憶装置14は、ROMなどのメモリデバイスから構成され、本発明を実現するための電卓制御プログラム14aの他、各種データ及びプログラムを記憶している。
【0036】
RAM15は、CPU11の処理動作に必要な各種データを記憶している。このRAM15には、表示部13の画面上にカラー表示されるデータが展開される表示データ記憶領域15aの他、式データ記憶領域15b、表データ記憶領域15c、条件付き書式データ記憶領域15d、階級範囲データ記憶領域15e、階級範囲毎表データ記憶領域15f、グラフデータ記憶領域15gが設けられている。
【0037】
式データ記憶領域15bには、キー入力部12の操作により入力された関数式に関するデータが記憶される。
【0038】
表データ記憶領域15cには、表計算モードでの表データ入力画面GT(
図6参照)に従い作成された表データが記憶される。
【0039】
条件付き書式データ記憶領域15dには、前記表データ記憶領域15cに記憶された表データに対し、ユーザが指定した範囲のセルに対応付けて設定した条件付き書式データ(
図7参照)が記憶される。
図7の具体例では、表データのセル[A1−A50]に対応付けて条件付き書式[条件1:数値40未満は赤色表示]が設定されている。なお、設定する表示態様は、文字自体の色を規定してもよいが、セルの背景色を規定するようにしてもよい。
【0040】
階級範囲データ記憶領域15eには、前記表データ記憶領域15cに記憶された表データを、その数値データに応じた階級に分けるための範囲データが記憶される(
図8参照)。具体的には、前記表データの数値データに応じて10階級に分けるためのデータが、第1階級範囲[0〜10(0以上10未満)]、第2階級範囲[10〜20(10以上20未満)],…,第10階級範囲[90〜100(90以上100以下)]として入力され記憶される。
【0041】
階級範囲毎表データ記憶領域15fには、前記表データ記憶領域15cに記憶されている表データ(
図6参照)を対象に、前記階級範囲データ記憶領域15eに記憶されている各階級範囲(
図8参照)毎の数値データのデータ数(度数)がカウントされ、ヒストグラムデータとして記憶される(
図9参照)。
【0042】
グラフデータ記憶領域15gには、関数式データあるいは表データに基づいて作成されたグラフ(ヒストグラムも含む)に関するデータが記憶される。
【0043】
記録媒体読取部16は、記録媒体17に記録されたデータの読み取りを行う。記録媒体17としては、例えばメモリカードなどが用いられ、プログラムや画像などが記録されている。
【0044】
通信制御部18は、図示せぬUSB(UniversalSerialBus)を介して接続された外部端末との間のデータ通信、あるいは所定の通信回線を介して無線により接続される外部端末との間のデータ通信を行う。
【0045】
このように構成されたグラフ関数電卓10は、前記表データ記憶領域15cに記憶された表データ(
図6参照)を表データ入力画面GTとして表示させる際、前記条件付き書式データ記憶領域15dに記憶された条件付き書式データ(
図7参照)に従った書式により表示する機能を有する。
【0046】
また、前記表データ記憶領域15cに記憶された表データ(
図6参照)を、前記階級範囲データ記憶領域15eに記憶された階級範囲データ(
図8参照)に対応したヒストグラム(
図9参照)にしてグラフ化する際、前記条件付き書式データ記憶領域15dに記憶された条件付き書式データ(
図7参照)に対応した表示形態でヒストグラム表示画面GH(
図10参照)を表示する機能を有する。
【0047】
さらに、前記条件付き書式データ(
図7参照)に対応した表示形態のヒストグラム表示画面GHにおいて、任意の柱状要素を指定して色を指定すると(
図11参照)、指定された柱状要素(階級)とその色に対応した条件付き書式を生成し前記条件付き書式データに追加登録する機能を有する。
【0048】
そして、このグラフ関数電卓10は、CPU11が前記電卓制御プログラム14aに記述された各種処理の命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、前記各機能を以下の動作説明で述べるように実現する。
【0049】
次に、前記構成のグラフ関数電卓10の動作について説明する。
【0050】
図3は、前記グラフ関数電卓10に備えられたCPU11によって実行される表計算モード時の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
図4は、前記グラフ関数電卓10における表計算モード時のヒストグラム表示処理に伴うヒストグラム生成処理を示すフローチャートである。
【0052】
図5は、前記グラフ関数電卓10における表計算モード時のヒストグラム表示処理に伴うに伴う条件付き書式データ生成処理を示すフローチャートである。
【0053】
(データ入力)
図6は、前記グラフ関数電卓10における表計算モード時の全体処理に伴う表データ入力画面GTの一例を示す図である。
【0054】
まず、ユーザがグラフ関数電卓10のキー入力部12に設けられた「Menu」キー12cを操作して表計算モードを設定すると、CPU11の制御の下で表示部13に
図6に示すような表データ入力画面GTが表示される(ステップS1)。
【0055】
この表データ入力画面GTには、複数のセルからなる表が設けられている。ユーザがキー入力部12の数値・記号キー12aを操作して、この表の各セルに数値データを入力することにより、これらの数値データを含む表データ(15c)が作成される(ステップS2)。以下、50人のクラスの生徒のテストの点数が、セルA1〜A50に記憶されたものとして説明をする。
【0056】
図7は、前記グラフ関数電卓10における表計算モード時の表データに対して設定される条件付き書式データ(15d)の具体例を示す図である。
【0057】
ここで、条件付き書式データ記憶領域15dに、前記表示中の表データ(15c)に対応付けられた条件付き書式が設定されているか否か判断される(ステップS3)。
【0058】
そして、
図7に示すように、条件付き書式データ記憶領域15dには、40点に届かないデータを識別するために、条件付き書式(対象セル[A1−A50][条件1:数値40未満は赤色表示])が設定されていると判断されると(ステップS3(Yes))、当該条件付き書式に従い、
図6に示すように、表データ(15c)内のセルA1に入力されている数値[10]が赤色で表示される(ステップS4)。
【0059】
なお、
図6の具体例において、赤色を示すハッチングは、図面の制約上、色付けで表現できないために便宜的に付したものであり、実際には数値自体が指定の色でカラー表示される。
【0060】
(表データに基づくヒストグラム表示)
表データの作成後、キー入力部12に設けられた「Graph」キー12fが操作されると、「Scatter」、「Histgram」、「回帰グラフ」といったグラフ種を示すグラフ種選択メニュー(図示せぬ)が画面下端に沿って配列表示され、任意のグラフ種をファンクションキー「Fn」の操作にて選択できる。
【0061】
ここで、「Histgram」が選択されると(ステップS5(Yes))、
図4におけるヒストグラム生成処理に移行される(ステップSA)。
【0062】
図8は、前記グラフ関数電卓10に設けられたRAM15の階級範囲データ記憶領域15eに記憶される階級範囲データの具体例を示す図である。
【0063】
図9は、前記グラフ関数電卓10のヒストグラム生成処理に伴いRAM15の階級範囲毎表データ記憶領域15fに一時記憶される階級範囲毎表データ(ヒストグラム)の具体例を示す図である。
【0064】
図10は、前記グラフ関数電卓10のヒストグラム生成処理に伴い生成されたヒストグラム31のヒストグラム表示画面GHの具体例を示す図である。
【0065】
ヒストグラム31は、階級毎にその階級に存在する数値データの個数を累積した複数の柱状要素31a,31b,31c,…からなる。これらの柱状要素31a,31b,31c,…の高さから階級毎の数値データの存在個数を比較することができる。
【0066】
図10の具体例は、前記
図6で示した表データ(15c)、
図7で示した条件付き書式データ(15d)、および
図8で示した階級範囲データ(15e)に対応しており、条件付き書式データ(15d)にて設定された条件に応じて各柱状要素31a,31b,31c,…がカラー表示されることになる。
【0067】
すなわち、ヒストグラム生成処理に移行されると、前記表データ入力画面GT(
図6参照)に従い入力された表データ(15c)を対象に、ヒストグラムとして生成すべき描画範囲のセルおよび開始点の数値と数値の幅(階級)を設定するための設定画面(図示せず)が表示される。そして、この設定画面に従い、例えば描画範囲のセル[A1−A50]、開始点の数値[0]、数値の幅[10]が設定され、
図8に示すように生成された階級範囲データが階級範囲データ記憶領域15eに記憶される(ステップA1)。
【0068】
すると、先ず、階級範囲データ記憶領域15eに記憶されている第1階級範囲(小区間)[0〜10]が読み出される(ステップA2)。
【0069】
すると、表データ記憶領域15cに記憶されている表データが読み出され(ステップA3)、前記第1階級範囲内の数値データのデータ数(度数)がカウントされ、
図9に示すように階級範囲毎表データ(ヒストグラム)としてRAM15内の階級範囲毎表データ記憶領域15fに記憶される(ステップA4)。
【0070】
図9の具体例では、第1階級範囲[0〜10]内の数値データのデータ数(度数)は、1個としてカウントされる。
【0071】
ここで、前記階級範囲データ記憶領域15eに記憶されている全ての階級範囲に対する処理が終了したか否か判断され(ステップA5)、終了してないと判断されると(ステップA5(No))、次の階級、つまり第2階級範囲(小区間)[10〜20]が読み出され(ステップA6)、前記ステップA3からの処理に戻る。
【0072】
そして、全ての階級範囲に対する数値データのデータ数(度数)のカウント処理が終了したと判断されると(ステップA5(Yes))、ヒストグラム生成の対象である前記表データ(15c)の描画範囲[A1−A50]に条件付き書式が設定されているか否か判断される(ステップA7)。
【0073】
ここで、ヒストグラム生成の対象である前記表データ(15c)の描画範囲[A1−A50]に、
図7で示したように条件付き書式(対象セル[A1−A50][条件1:数値40未満は赤色表示])が設定されていると判断されると(ステップA7(Yes))、当該条件付き書式の条件と前記階級範囲毎表データ(15f)における階級とが合致するか否か判断される(ステップA8)。
【0074】
具体的には、前記条件付き書式の条件[条件1:数値40未満…]は階級範囲の階級[0−10][10−20][20−30][30−40]に対応しており合致すると判断されるので(ステップA8(Yes))、前記階級範囲毎表データ(15f)に従い、当該条件[条件1:数値40未満は赤色表示]の指定色(赤色)で表した柱状要素31a〜31dを含むヒストグラム31が生成され、RAM15のグラフデータ記憶領域15gに記憶される(ステップA9)。
【0075】
すると、前記表計算モード時の全体処理に戻り(Return)、前記グラフデータ記憶領域15eに記憶された条件付き書式に応じた色のヒストグラム31が表示データ記憶領域15aに展開され、
図10に示すようなヒストグラム表示画面GHとしてタッチパネル表示部13の画面上にカラー表示される(ステップS6)。
【0076】
一方、前記ステップA7おいて、ヒストグラム生成の対象である前記表データ(15c)の描画範囲[A1−A50]に、条件付き書式が設定されていないと判断されるか(ステップA7(No))、または前記ステップA8において、条件付き書式の条件と前記階級範囲毎表データ(15f)における階級とが合致していないと判断された場合は(ステップA8(No))、当該階級範囲毎表データ(15f)に従い、標準色(白抜きの黒)で表した各柱状要素31a,31b,…からなるヒストグラム31が生成され、RAM15内のグラフデータ記憶領域15gに記憶される(ステップA10)。
【0077】
すると、前記表計算モード時の全体処理に戻り(Return)、前記グラフデータ記憶領域15eに記憶された標準色のヒストグラム31が表示データ記憶領域15aに展開され、ヒストグラム表示画面GHとしてタッチパネル表示部13の画面上に表示される(ステップS6)。
【0078】
ここで、前記ステップA8において、条件付き書式の条件と階級範囲毎表データ(15f)における階級とが合致していないとの判断について、例えば、前記条件付き書式の条件が[数値35以下]であるのに対し、各階級範囲が[0−10][10−20][20−30][30−40]…になる場合、条件[数値35以下]は合致しないと判断される。
【0079】
(ヒストグラム表示後の色変更)
ヒストグラムの表示後に、ユーザによりキー入力部12に設けられた「Color」キー12eが操作されると(ステップS7(Yes))、そのヒストグラム表示画面GHの下端に赤色(Red)、青色(Blue)、緑色(Grn)、黄色(Yllw)の選択メニュー32が表示され、以下のような手順で任意の柱状要素の色変更が行われる。
【0080】
図11は、前記グラフ関数電卓10のヒストグラム表示画面GHにおいて指定の柱状要素を指定の色に変更した具体例を示す図である。
【0081】
先ず、前記
図10で示したように、タッチパネル表示部13に表示されたヒストグラム表示画面GHにおいて、例えば、
図11に示すように、ユーザが右端の柱状要素31jをタッチすると、タッチ操作t1された柱状要素31jが点滅などにより識別されて表示される(ステップS8)。
【0082】
そして、前記選択メニュー32の中の1色(Grn)がタッチ操作t2(又は「F5」キー)にて指定されると(ステップS9)、前記タッチされた柱状要素31jの色がその指定色(Grn)である緑色に変更される(ステップS10)。その後、
図5における条件付き書式データ生成処理へ移行される(ステップSB)。
【0083】
この条件付き書式データ生成処理では、まず、前記ヒストグラム表示画面GHにおいて緑色に色変更された柱状要素31jの階級の範囲[90−100]が特定される(ステップB1)。次に、これに応じた条件付き書式[数値90以上は緑色表示]が生成される(ステップB2)。なお、この場合は100が上限であるため、[数値90以上は緑色表示]としたが、[数値90以上で100以下は緑色表示]と設定してもよい。
【0084】
そして、前記生成された条件付き書式が、
図7に示すように、このヒストグラム31に該当する表データ(15c)の描画範囲[A1−A50]に設定されている条件付き書式データの条件[条件2:数値90以上は緑色表示]として追加され、条件付き書式データ記憶領域15dに登録される(ステップB3)。
【0085】
以後同様にして、ヒストグラム表示画面GHに表示中のヒストグラム31の任意の柱状要素を1つ1つ指定しながら、その指定された柱状要素の色を変更し、この変更の内容を、当該ヒストグラム31に該当する表データ(15c)の条件付き書式データ(15d)に追加して登録することができる。
【0086】
この後、キー入力部12に設けられた「EXIT」キー12hが操作されると(ステップS11(Yes))、前記一連の表計算モード時の全体処理が終了される。
【0087】
したがって、前記構成のグラフ関数電卓10における表計算モード時のヒストグラム表示機能によれば、表データ記憶領域15cに記憶された表データを表示させる際に、当該表データに関する表示書式の条件を設定するための条件付き書式が条件付き書式データ記憶領域15dに記憶されている場合には、その条件(セルの範囲、数値の範囲、数値の色など)に応じた表示形態で表示される。この表データ(15c)をヒストグラムとして表示させるため、そのセルの範囲および階級の開始点と幅を設定すると、設定内容に応じた前記表データ(15c)のヒストグラム31が生成されヒストグラム表示画面GHとして表示部13に表示される。この際、前記表データ(15c)に設定された条件付き書式の条件が当該ヒストグラム31にも合致する場合は、その条件(数値の範囲、数値の色など)に応じた表示形態で各柱状要素31a,31b,…が表示される。そして、表示中のヒストグラム31の任意の柱状要素とその色を指定すると、指定された柱状要素が指定の色に変更されて表示されると共に、色変更された柱状要素の階級と色に応じた表示書式の条件が生成され、前記表データ(15c)に関する条件付き書式として追加で登録される。
【0088】
よって、ヒストグラムの指定の要素に設定した色に対応してリストデータの条件付き書式を設定することが可能になる。
【0089】
このため、表データとヒストグラムとの相互関係を、表データに設定された条件付き書式に応じた色の表示形態により視覚的に把握でき、表データを元に描画されるヒストグラムの特性を容易に理解できるばかりでなく、ユーザが表示中のヒストグラムの柱状要素に対して色変更を行うと、その柱状要素の色変更に応じた内容で前記表データの条件付き書式を追加で設定できるので、表示させるヒストグラムの各柱状要素と表データの各数値データとの相互関係を色変化にてより容易に学ぶことができる。
【0090】
また、表のセルに対して条件付き書式データが記憶されるので、上記の例であれば、[A1−A50]の範囲をコピーして[B1−B50]に張り付けて、B列を他のテストの点数入力に利用しても、A列と同様の色分けができるようになる。
【0091】
なお、前記実施形態において記載したグラフ関数電卓10による各動作手法、すなわち、
図3のフローチャートで示す表計算モード時の全体処理、
図4のフローチャートで示すヒストグラム生成処理、
図5のフローチャートに示す条件付き書式データ生成処理等の各手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレシキプルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体(記録媒体17)に記録して配布することができる。そして、電子計算機10のコンピュータ(CPU11)は、この記憶媒体に記録されたプログラムを読み込むことで、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0092】
また、前記手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(公衆回線)を介して伝送させることができる。そして、電子計算機10のコンピュータ(CPU11)は、このプログラムを通信ネットワークに接続された通信装置(通信制御部18)にて受信することにより、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0093】
なお、本発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0094】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0095】
[1]
表データを記憶する表データ記憶手段と、
この表データ記憶手段により記憶された表データの指定された範囲のセルについて、データの条件とそのデータが記憶されたセルの表示態様を規定する条件付き書式データを記憶する条件書式記憶手段と、
前記表データ記憶手段により記憶された表データに基づきヒストグラムを表示するヒストグラム表示手段と、
このヒストグラム表示手段により表示されたヒストグラムから任意の階級に対応した表示要素を指定して表示色を設定する要素色設定手段と、
この要素色設定手段により設定された前記ヒストグラムの任意の階級に対応した表示要素とその表示色に応じて、当該表示要素の階級に対応した前記表データのデータを対象とする条件付き書式データを生成し前記条件書式記憶手段に設定する条件書式設定手段と、
を備えたことを特徴とするヒストグラム表示装置。
【0096】
[2]
前記ヒストグラム表示手段は、前記表データ記憶手段により記憶された表データのデータに基づきヒストグラムを表示する際に、前記条件書式記憶手段に記憶された条件付き書式データに従い、対象となるデータの階級に対応した表示要素をそのデータの表示色で表示する、
ことを特徴とする[1]に記載のヒストグラム表示装置。
【0097】
[3]
前記表データ記憶手段により記憶された表データを表示する表データ表示手段を備え、
この表データ表示手段は、前記条件書式記憶手段に記憶された条件付き書式データに従い、対象となるデータをそのデータが記憶されたセルに設定された表示態様で表示する、
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のヒストグラム表示装置。
【0098】
[4]
前記要素色設定手段は、
前記ヒストグラム表示手段により表示されたヒストグラムの任意の階級に対応した表示要素とその表示色をユーザ操作に応じて指定する要素色指定手段と、
この要素色指定手段により指定された表示要素の表示色を指定された表示色に変更する色変更手段と、
を有することを特徴とする[1]ないし[3]の何れかに記載のヒストグラム表示装置。
【0099】
[5]
前記表データに記憶されるデータは数値データであり、
前記条件書式記憶手段は、数値データの条件とそのデータが記憶されたセルの表示態様を規定する条件付き書式データを記憶する、
ことを特徴とする[1]ないし[4]の何れかに記載のヒストグラム表示装置。
【0100】
[6]
表示部とメモリを備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
表データを記憶する表データ記憶手段と、
この表データ記憶手段により記憶された表データの指定された範囲のセルについて、データの条件とそのデータが記憶されたセルの表示態様を規定する条件付き書式データを記憶する条件書式記憶手段と、
前記表データ記憶手段により記憶された表データに基づきヒストグラムを表示するヒストグラム表示手段と、
このヒストグラム表示手段により表示されたヒストグラムから任意の階級に対応した表示要素を指定して表示色を設定する要素色設定手段と、
この要素色設定手段により設定された前記ヒストグラムの任意の階級に対応した表示要素とその表示色に応じて、当該表示要素の階級に対応した前記表データのデータを対象とする条件付き書式データを生成し前記条件書式記憶手段に設定する条件書式設定手段、
として機能させるためのプログラム。