(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6108112
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】改良されたルフィナミド調製プロセス
(51)【国際特許分類】
C07D 249/04 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
C07D249/04 506
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-525423(P2013-525423)
(86)(22)【出願日】2011年8月23日
(65)【公表番号】特表2013-538208(P2013-538208A)
(43)【公表日】2013年10月10日
(86)【国際出願番号】IN2011000561
(87)【国際公開番号】WO2012025936
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2014年8月6日
(31)【優先権主張番号】2458/CHE/2010
(32)【優先日】2010年8月25日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】513045655
【氏名又は名称】ダヴルリ,ラマモハン ラオ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ダヴルリ,ラマモハン ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ポンナイア,ラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】デフリー,サンジャイ クマール
(72)【発明者】
【氏名】ケイ,セルヴァラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴイピーエスエス,ディープシ
(72)【発明者】
【氏名】ナイドゥ,ドハヌンジャヤ.エス
【審査官】
早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/043849(WO,A1)
【文献】
特開昭56−127363(JP,A)
【文献】
特表2000−507602(JP,A)
【文献】
BUCKEL W. et al.,Mechanism-Based Inactivation of Coenzyme B12-Dependent 2-Methyleneglutarate Mutase by (Z)-Glutaconate and Buta-1,3-diene-2,3-dicarboxylate,European Journal of Inorganic Chemistry,2006年,(18),pp. 3622-3626
【文献】
KATRITZKY A. R. et al.,Novel Syntheses of Indolizines and Pyrrolo[2,1-a]isoquinolines via Benzotriazole Methodology,Journal of Organic Chemistry,1999年,64(20),pp. 7618-7621
【文献】
GORDON-GRAY C. G. et al.,Total Synthesis of Swazinecic Acid Dilactone. Part 1. Synthesis of 2-Hydroxy-2-Methyl-3,5-Dimethylenehexanedioic Acid as an Intermediate,Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1,1977年,(18),pp. 2040-2046
【文献】
BOUCHER, J. et al.,Dienophilic captodative olefins. VI. Synthesis and Diels-Alder cycloadditions of alkyl a-(alkylthio)acrylates with cyclopentadiene: steric effect on reactivity and on stereoselectivity,Tetrahedron,1988年,44(12),pp. 3595-3605
【文献】
WANG, G. et al.,A convenient preparation of α-bromoacrylate,Huaxue Shiji,1993年,15(1),pp. 40, 60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C07C
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで示されるルフィナミドの調製プロセスであって、
【化1】
前記調製プロセスは、
(a)式IIIの化合物
【化2】
を、
塩基性条件を必要とせずに式Vの2−ブロモアクリル酸またはそのエステル
【化3】
(式中、Rは水素またはC1−C6アルキル基である)
と反応させて、式VIの化合物
【化4】
を得る工程;
(b)式VIの化合物を式Iのルフィナミドに変換する工程;および
(c)工程
(b)で得られたルフィナミドを任意で精製する工程
を含む、式Iのルフィナミドの調製プロセス。
【請求項2】
Rは、水素、メチル、またはエチルである、請求項1に記載の調製プロセス。
【請求項3】
式Vの化合物は、2−ブロモアクリル酸、2−ブロモアクリル酸メチル、および2−ブロモアクリル酸エチルから選択される、請求項1に記載の調製プロセス。
【請求項4】
工程(a)で調製される式VIの化合物は、1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルである、請求項1に記載の調製プロセス。
【請求項5】
式VIで表される化合物の調製プロセスであって、
【化5】
(式中、Rは水素またはC1−C6アルキル基から選択される)
前記プロセスは、
(a)式IIIの化合物
【化6】
を、
塩基性条件を必要とせずに式Vの2−ブロモアクリル酸またはそのエステル
【化7】
(式中、Rは水素またはC1−C6アルキル基から選択される)
と反応させる工程
を含む、式VIの化合物の調製プロセス。
【請求項6】
式Vの化合物は、2−ブロモアクリル酸、2−ブロモアクリル酸メチル、および2−ブロモアクリル酸エチルから選択される、請求項5に記載の調製プロセス。
【請求項7】
調製される化合物は、1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルである、請求項5に記載の調製プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルフィナミド合成における重要な中間体である1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルを製造する、新規の工業的に実行可能な費用効率の高いプロセスを提供する。
関連出願との相互参照
【0002】
本出願は、2010年8月25日出願の仮明細書第2458/CHE/2010号の完全明細書であり、その優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
ルフィナミドとして一般に知られている1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(式I)は、トリアゾール誘導体であり、4歳以上の子供および成人のレノックス・ガストー症候群と関連したてんかんの補助治療に使用されている。ルフィナミドがどのようにその抗てんかん作用を発揮するのかは不明であるが、in vitro研究の結果から、ルフィナミドの作用の根本的な機構は、ナトリウムチャンネル活性の調節、特にチャンネル不活性状態の延長であることが示唆されている。ルフィナミドは、培養皮質ニューロンにおいて、ナトリウムチャンネルが長期プレパルス後の不活性化から回復するのを顕著に遅くし(≧1μΜ)、ナトリウム依存性活動電位の反復興奮が続くのを制限する(EC50は3.8μM)。
【0004】
【化1】
【0005】
ルフィナミドは、Ciba−Geigy社の米国特許第4,789,680号で初めて開示された。そこで用いられた合成法を、以下の反応スキームIに示す。
【0006】
【化2】
【0007】
このプロセスによるルフィナミド調製は、DMSOの存在下2,6−ジフルオロベンジルクロリドとアジ化ナトリウムを反応させて2,6−ジフルオロベンジルアジドを得、次いでこれをプロピオール酸で処理してカルボン酸中間体とし、これをさらにチオニルクロリドと反応させて、対応するアシルクロリドとすることを含む。アシルクロリド中間体をさらにアンモニアのメタノール溶液と反応させてルフィナミドとする。
【0008】
米国特許第6,277,999号は、スキームIIに示すとおりのルフィナミド調製プロセスを記載している。このプロセスは、水酸化ナトリウム水溶液および溶媒としてトルエンの存在下で、2,6−ジフルオロベンジルアジドと2−クロロプロパ−2−エンニトリルをカップリングすることによりルフィナミドとしている。
【0009】
【化3】
【0010】
WO2010/043849は、以下のスキームIIIに示すとおりのルフィナミド調製プロセスを記載している。このプロセスは、2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンゼンをプロピオール酸メチルと反応させて1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルとし、これをアンモニアと反応させてルフィナミドとしている。
【0011】
【化4】
【0012】
上記の先行技術によるプロセスには、プロピオール酸や2−クロロプロパ−2−エンニトリルのような高価な試薬が使われており、またプロセスには、全体的な収率、反応過程で生じる5−カルボン酸アミドおよびテトラゾールのような不純物の制御、ならびに商業的な実行可能性という複雑な問題があることが報告されている。そのため、ルフィナミドを効率的に調製する新規プロセスが常に求められている。鋭意検討した結果、本発明者らは、ルフィナミドを高収率で調製できる新規の商業的に実行可能な方法を発見した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4,789,680号
【特許文献2】米国特許第6,277,999号
【特許文献3】WO2010/043849
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
ルフィナミドおよびその中間体を調製する新規プロセスが開発された。2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンジルと2−ブロモアクリル酸アルキルを反応させることにより、ルフィナミド合成において重要な中間体である式VIの1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エステルが得られる。本発明は、式Vの2−ブロモアクリル酸エステルを調製するプロセスも提供し、このプロセスは、臭素化試薬の存在下で式IVのアクリル酸またはそのエステルを臭素化し、続いて塩基で処理することを含む。
【0015】
本発明は、ルフィナミドを調製する新規プロセスを提供することを目的とする。
【0016】
本発明は、ルフィナミド調製において重要な中間体である式VIの1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エステルを調製するプロセスを提供することを別の目的とする。
【0017】
本発明は、式IVのアクリル酸アルキルを臭素化して、本発明のルフィナミド合成法に用いられる式Vの2−ブロモアクリル酸アルキルを得るプロセスを提供することをさらに別の目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によって、2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンジルと2−ブロモアクリル酸アルキルを反応させることにより、ルフィナミド合成において重要な中間体である式VIの1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステルが得られる。本発明のプロセスを以下のスキームIVに示す。
【0020】
上記スキームでは、式IIの2−(ハロメチル)−1,3−ジフルオロベンゼン(式中、XはCI、Br、またはIである)をアルカリ金属アジド試薬と反応させることで、式IIIの2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンジルを得る。
【0022】
アルカリ金属アジドは、アジ化ナトリウムおよびアジ化カリウムから選択することができ、好ましくはアジ化ナトリウムである。この反応は、DMSO、DMF、t−ブタノールからなる群より選択される極性溶媒中で、好ましくはt−ブタノール中で行われて、式IIIの化合物が得られる。1つの実施形態では、2−(ブロモメチル)−1,3−ジフルオロベンゼンを、t−ブタノール中、アジ化ナトリウムで処理して、式IIIの2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンジルとする。
【0023】
式IIIの化合物を式Vの2−ブロモアクリル酸またはそのエステルと縮合させて、式VIの化合物とする。
【0026】
本発明は、2−ブロモアクリル酸、2−ブロモアクリル酸メチル、または2−ブロモアクリル酸エチルなど目的物に応じた式Vの2−ブロモアクリル酸またはそのエステルを式IIIのアジド化合物で処理することによる式VIの化合物(式中、Rは水素、メチル、またはエチルである)の調製に特に関する。
【0027】
本発明は、式VIの1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルの調製に主に関する。
【0028】
式IIIのアジド化合物と式Vの化合物の縮合は、酢酸、メタノール、ギ酸、イソプロパノール、水など、およびそれらの混合物からなる群より選択される適切な極性プロトン性溶媒中で行われる。この反応は、好ましくは水またはtert−ブタノールあるいはそれらの混合物中で行われて式VIの化合物が得られる。
【0029】
好適な実施形態では、t−ブタノールと水の混合物中で2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンゼンを2−ブロモアクリル酸メチルで処理することにより、1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルが生成される。
【0030】
式VIの1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エステル(式中、RはC1−C6アルキルである)は、アンモニア処理または当該分野で既知の他の方法により直接ルフィナミドに変換することができる。ルフィナミドへの変換は、1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸中間体経由でも行うことができ、そしてこの中間体は1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エステルをアルカリ金属水酸化物で加水分解することで生成される。
【0031】
好適な実施形態では、NaOH水溶液またはNaOHフレークの存在下で1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルエステルを加水分解し、続いてHCIで酸性にすることにより、式VIIの1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸化合物とする。
【0033】
式VIIの1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸化合物と塩素化試薬、好ましくはチオニルクロリドとの反応により、対応する塩化カルボニル化合物とする。この化合物を続いてアンモニアで処理することにより式Iのルフィナミドを得る。このアミド化反応は、適切な溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、トルエンなど、およびそれらの混合物、好ましくはトルエン中、液体または気体のアンモニアの存在下で行われることで、式Iのルフィナミドを与える。生成物は、ギ酸およびメタノールを用いて随意に精製される。
【0034】
本発明は、式Vの2−ブロモアクリル酸またはそのエステルの調製プロセスも提供し、このプロセスは、臭素化試薬の存在下で式IVのアクリル酸またはそのエステルを臭素化し、続いて塩基で処理することを含む。
【0037】
本発明は、臭素化試薬の存在下で式IVのアクリル酸、アクリル酸メチル、またはアクリル酸エチルを臭素化する、式中Rが水素、メチル、またはエチルである式Vの化合物の調製に特に関する。本発明は、アクリル酸メチルを臭素化することによる、式中Rがメチルである式Vの化合物の調製に主に関する。
【0038】
臭素化反応は、THF、アセトン、アセトニトリル、およびMDCなどからなる群より選択される適切な非プロトン性溶媒中、三臭化リン、三臭化アルミニウム、および臭素などからなる群より選択される試薬の存在下で行うことができる。式Vの化合物を得るために臭素化反応に用いる塩基は、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシド、トリエチルアミンからなる群、好ましくは炭酸ナトリウムおよびトリエチルアミンからなる群より選択される。好適な実施形態では、塩化メチレン溶媒中、臭素および炭酸ナトリウムの存在下でアクリル酸メチルを臭素化して2−ブロモアクリル酸メチルを得る。
【0039】
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。
【実施例1】
【0040】
モノブロモアクリル酸メチルの調製
【0041】
アクリル酸メチル(100g)と二塩化メチレン(300ml)を混合して0〜5℃に冷却した。0〜5℃で、この混合物に1時間かけて臭素(60ml)を加えた。内容物を、4〜5時間25〜30℃に維持した。この混合物に10%NaHC
3(100ml)溶液を加え、30分間撹拌した。層を分離して、二塩化メチレン層に炭酸ナトリウム(250gm)およびトリエチルアミン(160ml)を加え、25〜30℃で1時間撹拌した。混合物を2時間25〜30℃に維持し、濾過した。ろ液に20%HCl溶液(100ml)を加え、30分間撹拌した。層を分離して、有機層を20%HCl溶液(100ml)で洗った。有機層を、30℃より低い温度で、乾固するまで減圧濃縮した。収率:140gm。
【実施例2】
【0042】
2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンゼンの調製
【0043】
2,6−ジフルオロベンジルブロミド(100gm)、テトラブチルアンモニウムブロミド(10gm)、t−ブタノール(200ml)、およびアジ化ナトリウム(62.8gm)を混合し、室温で22−24時間撹拌した。操作完了後、反応物を濾過し、t−ブタノール(2.5ml)で洗って2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンゼンを得た。
【実施例3】
【0044】
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルの調製
【0045】
実施例2のとおりに調製した2−(アジドメチル)−1,3−ジフルオロベンゼンのt−ブタノール溶液、2−ブロモアクリル酸メチル(120gm)、および水(200ml)を混合し、75〜80℃に加熱した。内容物を75〜80℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却した。生じた固体を濾過し、次いでこの粗生成物をシクロヘキサン(240ml)に加えて室温で2時間撹拌した。固体を濾過し、シクロヘキサン(50ml)で洗った。生成物を2時間乾燥させて、1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルを得た。収率:120gm
【実施例4】
【0046】
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸の調製
【0047】
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチル(50gm)と水酸化ナトリウム溶液(水100ml中11.76gm)を混合し、混合物が透明になるまで室温で撹拌した。塩酸(30ml)をDM水(70ml)に加えたものを、この反応物に加えた。pHが2〜3になるまで25〜30℃でこの塩酸溶液を加えてpHを調整した。操作完了後、反応物を濾過し、固体を65℃−70℃で15時間乾燥させた。収率:40gm
【実施例5】
【0048】
ルフィナミドの調製
【0049】
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(25gm)とチオニルクロリド(63.5gm)を混合し、80℃を維持しながら3時間撹拌した。反応物を50℃に冷却し、過剰なチオニルクロリドを留去した。この反応物に、トルエン(25ml)を2回加え、減圧蒸留した。次いでトルエン(175ml)を加えると透明な溶液になった。反応物に室温でアンモニア水(100ml)を加え、2時間室温に維持した。反応物を濾過し、固体に10%炭酸ナトリウム溶液を加え、30分間撹拌した。固体を濾過し、水およびシクロヘキサン(50ml)で洗った。粗生成物を真空オーブン中70〜80℃で10時間乾燥させた。
収率:23.00gm。
【実施例6】
【0050】
ルフィナミドの精製
【0051】
粗ルフィナミド(7.5gm)とギ酸(36ml)を50〜55℃に加熱して透明な溶液とした。この溶液を、20〜25℃で2時間かけてメタノールに加えた。20〜25℃で混合物にメタノール(37.5ml)を加えた。その後、混合物を20〜25℃で2時間撹拌した。固体を濾過しメタノール(75ml)で洗った。固体を60℃で真空乾燥させた。
収率:6.3gm。