特許第6108316号(P6108316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイ トゥー ユーの特許一覧

<>
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000003
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000004
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000005
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000006
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000007
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000008
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000009
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000010
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000011
  • 特許6108316-電力効率改善装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6108316
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】電力効率改善装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20170327BHJP
   H02H 9/02 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   H02J3/00
   H02H9/02 Z
【請求項の数】25
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-221137(P2014-221137)
(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2015-130781(P2015-130781A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2014年10月30日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0001929
(32)【優先日】2014年1月7日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0048088
(32)【優先日】2014年4月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517054486
【氏名又は名称】アイ トゥー ユー
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャンホン・キム
(72)【発明者】
【氏名】サンキョン・キム
【審査官】 緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−139085(JP,A)
【文献】 特開2001−068244(JP,A)
【文献】 特開2012−161233(JP,A)
【文献】 特表2012−506229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00−5/00
H02H 9/00−9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力効率改善装置であって、
磁場を生成する磁性体と、
前記磁場を通過するように配置され、一端において、交流電圧が印加される電力線に直接接続されている導線と、
前記導線の他端に直接接続され、前記電力線に印加された前記交流電圧に等しい交流電圧を前記導線に印加させるコントロール部とを含み、
前記導線が、第1導線部、導電板及び第2導線部を含み、
前記第1導線部、前記導電板及び前記第2導線部は互いに電気的に接続しており、前記導電板は前記第1及び第2導線部の間に配置され、
前記導電板が、前記磁場が形成される空間に前記磁性体から離間して配置されており、
前記導電板は、前記第1及び第2導線部よりも大きい面積を有するように、前記導電板の所定の方向への幅は、前記第1及び第2導線部の前記所定の方向への幅よりも大きいことを特徴とする電力効率改善装置。
【請求項2】
前記磁場が、0.1〜1Tの大きさを有することを特徴とする請求項1に記載の電力効率改善装置。
【請求項3】
前記導線を被覆する絶縁部材をさらに含み、
前記導電板が被覆されていないことを特徴とする請求項1に記載の電力効率改善装置。
【請求項4】
前記磁性体及び前記導電板間に形成され、前記導電板を前記磁場の内部に位置するように固定する固定部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電力効率改善装置。
【請求項5】
前記磁性体が、第1磁性体と、該第1磁性体から離間して配置された第2磁性体とを含み、
前記第1及び第2磁性体の互いに対向する面の極性が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の電力効率改善装置。
【請求項6】
前記導線が、前記第1及び第2磁性体間を通過するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電力効率改善装置。
【請求項7】
前記磁性体がソレノイドであることを特徴とする請求項1に記載の電力効率改善装置。
【請求項8】
前記ソレノイドが、
強磁性体と、
前記強磁性体に巻回したソレノイド導線とを含むことを特徴とする請求項7に記載の電力効率改善装置。
【請求項9】
前記ソレノイドが、第1ソレノイドと、該第1ソレノイドから離間して配置された第2ソレノイドとを含み、
前記導線が、前記第1及び第2ソレノイド間を通過するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の電力効率改善装置。
【請求項10】
前記磁性体が、
上下に離間して配置された第1及び第2磁性体と、
前記第1及び第2磁性体を囲繞する複数のソレノイドとを含み、
前記導線が、前記第1及び第2磁性体間において、前記第1磁性体、第2磁性体、及び前記複数のソレノイドそれぞれの磁場が重なる部分を通過するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電力効率改善装置。
【請求項11】
前記磁性体、前記導電板が配置された空間を封止する封止材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電力効率改善装置。
【請求項12】
電力効率改善装置であって、
互いに異なる相を有する複数の電力線に1対1で対応する複数の磁場生成部と、
それぞれの一端が前記複数の電力線それぞれに1つずつ電気的に直接接続され、前記複数の磁場生成部のそれぞれが生成した磁場を通過するように配置された複数の導線と、
前記複数の導線の他端に直接接続され、前記複数の導線に流れる電圧及び電流を制御するコントロール部とを含み、
前記複数の導線のそれぞれが、第1導線部、導電板及び第2導線部を含み、
前記第1導線部、前記導電板及び前記第2導線部は互いに電気的に接続しており、前記導電板は前記第1及び第2導線部の間に配置され、
前記導電板が、前記磁場生成部が生成した磁場内に位置し、
前記導電板は、前記第1及び第2導線部よりも大きい面積を有するように、前記導電板の所定の方向への幅は、前記第1及び第2導線部の前記所定の方向への幅よりも大きいことを特徴とする電力効率改善装置。
【請求項13】
前記コントロール部が、前記複数の導線のそれぞれが接続する前記複数の電力線それぞれの交流電圧に等しい交流電圧を前記複数の導線のそれぞれに印加して過電流及び電気素子へのサージを防止するように構成されており、
前記複数の磁場生成部のそれぞれが、0.1〜1Tの磁場を生成するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の電力効率改善装置。
【請求項14】
前記複数の導線のそれぞれの前記第1及び第2導線部が、絶縁部材によって被覆されたことを特徴とする請求項12に記載の電力効率改善装置。
【請求項15】
前記複数の磁場生成部のそれぞれが、
前記磁場を生成する磁性体と、
前記磁性体と前記導電板の間に配置される固定部と、
前記磁性体、前記固定部及び前記導電板を封止する封止材とを含むことを特徴とする請求項14に記載の電力効率改善装置。
【請求項16】
電力効率改善装置であって、
磁場を生成する磁性体と、
前記磁場を通過するように配置され、一端において、交流電源部に直接接続されている第1導線と、
前記第1導線の他端に直接接続され、前記第1導線の過電流を防止するコントロール部と、
前記コントロール部及び負荷部を直接接続する第2導線とを含み、
前記第1導線は、第1サブ導線、導電板及び第2サブ導線を備え、
前記第1サブ導線、前記導電板及び前記第2サブ導線は互いに電気的に接続し、前記導電板は前記第1及び第2サブ導線の間に配置され、前記導電板は前記磁場が形成される空間に前記磁性体から離間して配置されており、
前記導電板は、前記第1および第2サブ導線よりも大きい面積を有するように、前記導電板の所定の方向への幅は、前記第1および第2サブ導線の前記所定の方向への幅よりも大きいことを特徴とする電力効率改善装置。
【請求項17】
前記磁場が、0.1〜1Tの大きさを有することを特徴とする請求項16に記載の電力効率改善装置。
【請求項18】
前記磁性体が複数存在し、
前記第1導線が、前記複数の磁性体それぞれの磁場が重なる部分に配置されていることを特徴とする請求項16に記載の電力効率改善装置。
【請求項19】
前記第1導線を被覆しかつ前記導電板を被覆しない絶縁部材をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の電力効率改善装置。
【請求項20】
前記磁性体及び前記導電板間に形成され、前記導電板を前記磁場内部に位置するように固定する固定部をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の電力効率改善装置。
【請求項21】
前記磁性体が、第1磁性体と、該第1磁性体から離間して配置された第2磁性体とを含み、
前記第1及び第2磁性体の互いに対向する面の極性が互いに異なることを特徴とする請求項16に記載の電力効率改善装置。
【請求項22】
前記第1導線が、前記第1及び第2磁性体間を通過するように配置されていることを特徴とする請求項21に記載の電力効率改善装置。
【請求項23】
前記磁性体がソレノイドであることを特徴とする請求項16に記載の電力効率改善装置。
【請求項24】
前記ソレノイドが、
ソレノイド芯と、
前記ソレノイド芯に巻回したソレノイド導線とを含むことを特徴とする請求項23に記載の電力効率改善装置。
【請求項25】
前記ソレノイドが、第1ソレノイドと、該第1ソレノイドから離間して配置された第2ソレノイドとを含み、
前記第1導線が、前記第1及び第2ソレノイド間を通過するように配置されていることを特徴とする請求項23に記載の電力効率改善装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導線及び電気装置(電気デバイス)の伝導度を向上させ、抵抗による熱損失を減らすことができる電力効率改善装置に関する。
【0002】
環境代替エネルギー技術の開発が遅延していることから、エネルギー不足の事態は全世界が共通して経験している問題となっている。エネルギー不足の事態を解決するための方法として、(1)環境代替エネルギー及び(2)高効率電力素子の開発が進められてきたが、最近では電気素子の効率を外部装置によって改善することができる方案についての関心が高まっている。
【0003】
例えば、交流電流を活用している大部分の電気素子は、実質的には不完全な交流波形特性によって異常電圧及び高調波波形による損失が生じるが、これを解決するために、電力供給装置である電力設備に理想的な正弦波形を一定に保つ電気回路を設置する技術が適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開公報第2011/0140781 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、電力設備が供給する交流電流の波形を一定に保つ回路技術は、電気素子の効率改善の一部は援助しているが、根本的に電気素子効率を向上させる解決策にはなっていない。その理由は、電気素子の効率を低下させる主な要因が、導線及び電気素子自体内で進行する自由電子の無作為運動と、これによる他の原子の振動運動との衝突、すなわち抵抗に起因するためである。したがって、電気素子の効率を向上させるためには、無作為運動の自由電子を一定方向に整列し、他の振動している原子と自由電子との衝突確率を減らし、これによって自由電子の流動速度(ドリフト速度)を増加させる方案を考慮することができる。すなわち、自由電子の流動速度が増加すると導体及び電気素子の伝導度(conductivity)が向上するため、電気素子効率の減少の原因となっていた抵抗による熱損失を減少させることができる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、強い磁場を発生させ、これを通じて自由電子の流動速度及び導線と電気素子の伝導度を向上させて電力効率を改善する電力効率改善装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は上述した課題に制限されてはならず、言及されていない他の課題は、下記の記載から当業者が明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を達成するために、本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置は、磁場を生成する磁性体と、前記磁場を通過するように配置され、一端において、交流電圧が印加される電力線に電気的に並列接続されている導線と、前記導線の他端に接続され、前記電力線に印加された交流電圧に等しい交流電圧を前記導線に印加して過電流及び電気素子へのサージ(surge)を防止するコントロール部とを含み、前記導線は導電板を含み、前記導電板は前記磁場が形成される空間に前記磁性体から離間(離隔)して配置されており、前記導電板の第1幅は前記導線の第2幅よりも大きいかまたは同じである。
【0009】
前記磁場は、0.1〜1Tの大きさを有し得る。
【0010】
前記導線を被覆する絶縁部材をさらに含み、前記導電板は被覆されなくてもよい。
【0011】
前記磁性体と前記導電板の間に形成され、前記導電板を前記磁場内部に位置するように固定する固定部をさらに含んでもよい。
【0012】
前記磁性体は、第1磁性体と、該第1磁性体から離間して配置された第2磁性体を含み、前記第1及び第2磁性体の互いに対向する面の極性は互いに異なってもよい。
【0013】
前記導線は、前記第1及び第2磁性体間を通過するように配置することができる。
【0014】
前記磁性体はソレノイドであってもよい。前記ソレノイドは、強磁性体と、前記強磁性体に巻回したソレノイド導線を含み、前記ソレノイド導線は前記コントロール部に接続され、独立的な電源ソースから前記コントロール部を通じて電源が供給されてもよい。
【0015】
前記ソレノイドは、第1ソレノイドと、該第1ソレノイドから離間して配置された第2ソレノイドを含み、前記導線は、前記第1及び第2ソレノイド間を通過するように配置することができる。
【0016】
前記磁性体は、上下に離間して配置された第1及び第2磁性体と、該第1及び第2磁性体を囲繞する複数のソレノイドを含み、前記導線は、前記第1及び第2磁性体の間で、前記第1磁性体、第2磁性体、及び前記複数のソレノイドそれぞれの磁場が重なる部分を通過するように配置することができる。
【0017】
前記磁性体、前記導電板が配置された空間を封止する封止材をさらに含んでもよい。
【0018】
上述した課題を達成するために、本発明の他の実施形態に係る電力効率改善装置は、互いに異なる相を有する複数の電力線に1対1で対応する複数の磁場生成部と、それぞれの一端において前記複数の電力線それぞれと1つずつ電気的に並列接続されており、前記複数の磁場生成部それぞれが生成した磁場を通過する複数の導線と、前記複数の導線の他端に接続された、前記複数の導線に流れる電圧及び電流を制御するコントロール部とを含む。
【0019】
前記コントロール部は、前記複数の導線それぞれが接続する前記複数の電力線それぞれの交流電圧に等しい交流電圧を前記複数の導線それぞれに印加して過電流及び電気素子へのサージを防止し、前記複数の磁場生成部のそれぞれは、0.1〜1Tの磁場を生成することができる。
【0020】
前記複数の導線のそれぞれは、絶縁部材によって被覆された導線部と、導電板を含み、前記導電板は、前記磁場生成部が生成した磁場内に位置してもよい。
【0021】
前記複数の磁場生成部のそれぞれは、前記磁場を生成する磁性体と、前記磁性体と前記導電板の間に配置される固定部と、前記磁性体、前記固定部、及び前記導電板をモールディングする封止材を含んでもよい。
【0022】
上述した課題を達成するために、本発明の他の一実施形態に係る電力効率改善装置は、磁場を生成する磁性体、前記磁場を通過し、一端において、交流電源部に電気的に直列接続されている第1導線と、該第1導線の他端に接続された、過電流及び電気素子へのサージを防止するコントロール部と、前記コントロール部及び負荷部を接続する第2導線とを含む。
【0023】
前記第1導線は導電板を含み、前記導電板は前記磁場内に前記磁性体から離間して配置され、前記導電板の第1幅は前記導線の第2幅より大きくてもよい。
【0024】
前記磁場は、0.1〜1Tの大きさを有してもよい。
【0025】
前記磁性体は複数であり、前記第1導線は、前記複数の磁性体それぞれの磁場が重なる部分に配置されてもよい。
【0026】
前記第1導線を被覆し、前記導電板は被覆しない絶縁部材をさらに含んでもよい。
【0027】
前記磁性体と前記導電板の間に形成され、前記導電板を前記磁場内部に位置するように固定する固定部をさらに含んでもよい。
【0028】
前記磁性体は、第1磁性体と、該第1磁性体から離間して配置された第2磁性体とを含み、前記第1及び第2磁性体の互いに対向する面の極性は互いに異なってもよい。
【0029】
前記第1導線は、前記第1及び第2磁性体間を通過してもよい。
【0030】
前記磁性体はソレノイドであってもよい。
【0031】
前記ソレノイドは、ソレノイド芯と、前記ソレノイド芯に巻回したソレノイド導線を含み、前記ソレノイド導線は、前記コントロール部に接続され、前記コントロール部から電源が供給されてもよい。
【0032】
前記ソレノイドは、第1ソレノイドと、該第1ソレノイドから離間して配置された第2ソレノイドとを含み、前記第1導線は、前記第1及び第2ソレノイド間を通過してもよい。
【0033】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、負荷部の電力効率を改善し、負荷部、導線、及び電気素子での電力使用量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置のブロック図である。
図2図1の一実施形態に係る磁場生成部の斜視図である。
図3図1の他の実施形態に係る磁場生成部の斜視図である。
図4図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部の斜視図である。
図5図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部の斜視図である。
図6図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部の斜視図である。
図7図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部の斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置の効果を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置の効果を説明するための図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る電力効率改善装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の利点及び特徴、またはそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されてはならず、互いに異なる多様な形態で実現できるはずである。本実施形態は、本発明の開示を完全なものとし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されたものに過ぎず、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。図面に示された構成要素の大きさ及び相対的な大きさは、説明の明瞭性のために誇張されたものであってもよい。明細書全体に渡って同一する参照符号は同一する構成要素を指称し、「及び/または」は言及されたアイテムのそれぞれ及び1つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0037】
素子または層が他の素子または層の「上」または「上に」と指称されているものは、他の素子または層の直ぐ上だけではなく、中間に他の層または他の素子を介在する場合も含む。この反面、素子が「直接上」または「真上に」と指称されるものは、中間に他の素子または層を介在しないことを示す。
【0038】
空間的に相対的な用語である「下」、「下に」、「下部」、「上」、「上部」などは、図に示されているように、1つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加え、使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図に示されている素子を裏返した場合、他の素子の「下」または「下に」と記述された素子は、他の素子の「上」に置かれることになる。したがって、例示的な用語である「下」は、下と上の方向をすべて含んでもよい。素子は他の方向にも配向されることがあるため、これによって空間的に相対的な用語は配向に応じて解釈されてもよい。
【0039】
本明細書で使用される用語は実施形態を説明するためものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において単数型は、語句で特別に言及されない限り複数型も含む。明細書で使用される「含む」及び/または「含んでいる」は、言及された構成要素の他にも1つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0040】
第1及び第2などは多様な素子や構成要素を叙述するために使用されるが、これらの素子や構成要素はこれらの用語によって制限されないことは当然である。これらの用語は、1つの素子や構成要素を他の素子や構成要素と区別するために使用されるものに過ぎない。したがって、後述される第1素子や構成要素は、本発明の技術的思想内において第2素子や構成要素であってもよいことは当然である。
【0041】
他の定義がなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学的用語を含む)は、当業者が共通して理解できる意味として使用されるであろう。また、一般的に使用される辞書で定義されている用語は、明白に特別に定義されない限り、理想的または過度に解釈されてはならない。
【0042】
図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置200について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置200のブロック図であり、図2は、図1の磁場生成部210の一実施形態に係る斜視図である。
【0043】
図1を参照すると、電力効率改善装置200は、電源部100と負荷部110の間の電力線120に並列に接続してもよい。電源部100は負荷部110に電力を供給し、負荷部110は電源部100から電力の供給を受けて作動する。負荷部110は、例えば、生産設備、機械装置、ビルなどの電力を使用するものであれば何でもよい。
【0044】
電力線120は、電源部100と負荷部110の間を接続し、負荷部110に電力を供給する。電力線120には交流電圧が印加されてもよい。電力線120は、第1〜第4電力線121、123、125、127を含み得る。第1〜第4電力線121、123、125、127は同じ電圧を有し、互いに異なる相を有してもよい。図1では、電力線120が3相4線であり、4本の電力線121、123、125、127を含むものとして示されているが、本発明がこれに制限されてはならず、例えば、電力線120は3相3線であり、3本の電力線を含んでもよく、3相ではなく4相などであってもよい。
【0045】
電力効率改善装置200は、磁場生成部210、導線220、コントロール部230を含んでもよい。
【0046】
磁場生成部210は強い磁場を生成する。生成された磁場は、電力線120及び負荷部110に配置された導線内の自由電子の流動速度を増加させ、電力線120及び負荷部110に配置された導線の伝導度を向上できるようになる。
【0047】
磁場生成部210は、0.1〜1Tの磁場を生成してもよい。0.1T未満の磁場は負荷部110の電力効率を改善するには多少不足であり、1Tを超える磁場は生成が容易でない。また、磁場の強度が大きいほど、むしろ導線の伝導度は減少し、磁場生成部210の期待寿命(life time)が短くなることがある。
【0048】
導線220は、負荷部110と電力線120に磁場の効果を及ぼすために必要である。導線220の一端は電力線120に接続され、導線220の他端はコントロール部230に接続されている。導線220は磁場生成部210とは直接に接続せず、磁場生成部210が生成した磁場を通過する。
【0049】
コントロール部230は、導線220の他端に接続されている。導線220の一端は電力線に電気的に並列接続され、コントロール部230は、導線220に流れる電圧及び電流を制御することができる。具体的には、コントロール部230は、電力線120に印加された交流電圧に等しい交流電圧を導線220に印加し、負荷部110への過電流及び電圧のサージを防止する。
【0050】
磁場生成部210及び導線220の数は、電力線120の数に対応してもよい。例えば、電力線120が4本である場合、磁場生成部210も4つであり、導線220も4本であってもよい。図1では電力線120が4本であると示されているが、磁場生成部210もそれぞれの電力線121、123、125、127と対応するように4つであり、導線220もそれぞれの電力線121、123、125、127と対応するように4本であってもよい。具体的には、第1電力線121には第1サブ導線221の一端が接続し、第1サブ導線221は第1磁場生成部241が生成した磁場を通過し、第1サブ導線221の他端はコントロール部230と接続してもよい。第2電力線123には第2サブ導線223の一端が接続し、第2サブ導線223は第2磁場生成部243が生成した磁場を通過し、第2サブ導線223の他端はコントロール部230と接続してもよい。第3電力線125には第3サブ導線225の一端が接続し、第3サブ導線225は第3磁場生成部245が生成した磁場を通過し、第3サブ導線225の他端はコントロール部230と接続してもよい。第4電力線127には第4サブ導線227の一端が接続し、第4サブ導線227は第4磁場生成部247が生成した磁場を通過し、第4サブ導線227の他端はコントロール部230と接続してもよい。
【0051】
図2を参照しながら、磁場生成部210について説明する。図1には4つの磁場生成部241、243、245、247が示されているが、4つの磁場生成部241、243、245、247すべては同じ形状を有しているため、以下では1つについてのみ説明する。
【0052】
磁場生成部210は、磁性体310と固定部330を含んでもよい。磁性体310は強い磁場320を生成してもよい。磁性体310は、0.1〜1Tの大きさを有する磁場320を生成してもよい。磁性体310は円形で示されているが、本発明がこれに制限されてはならない。
【0053】
固定部330は、導電板410と磁性体310の間に配置されてもよく、導電板410が磁性体310と接触することを防いでもよい。固定部330により、導電板410は磁性体310から離間して配置されてもよい。さらに、固定部330は、導電板410が磁場320内部に位置できるように固定してもよい。
【0054】
固定部330の表面に接着剤を塗って磁性体310と導電板410を固定部330に付けてもよいが、本発明がこれに制限されてはならない。固定部330は導体ではない物質で構成されてもよい。
【0055】
磁場生成部210を通過する導線220は、導電板410、第1導線部420、第2導線部430を含んでもよい。第1導線部420はショート(短絡)を防ぎ、外部の環境から第1導線部420を保護するために第1絶縁部材423によって被覆されてもよい。第1導線部420は電力線120と接続してもよい。
【0056】
第2導線部430もショートを防ぎ、外部の環境から第2導線部430を保護するために第2絶縁部材433によって被覆されてもよい。第2導線部430はコントロール部230と接続してもよい。
【0057】
第1導線部420と第2導線部430の間には導電板410が配置されてもよい。導電板410は、磁場320が生成された空間を通過し、磁場320の影響を受けてもよい。導電板410は、磁場320の影響を最大限に受けるために、第1及び第2導線部420、430よりも大きい面積を有するように形成されてもよい。具体的には、導電板410の第1幅(W1)は、第1及び第2導線部420、430の第2幅(W2)よりも大きいかまたは同じである。導電板410の面積が大きいため、第1及び第2導線部420、430に比べて磁場420が形成された空間を占める領域が広くなる。導電板410は、固定部330によって磁場320内に磁性体310から離間して配置されてもよい。図2では、導電板410が磁性体310の下部に配置されるものと示されているが、本発明はこれに制限されてはならず、磁性体310の上に固定部330、導電板410が積層される構造で形成されてもよい。
【0058】
導電板410が磁場320の影響を受けると、順に第1及び第2導線部420、430、電力線120、負荷部110の導線内の自由電子の流動速度を増加できるようになる。
【0059】
磁性体310、固定部330、導電板410などを外部の環境や衝撃などから保護するために、これらを封止材500で封止(モールディング)してもよい。封止材500は非伝導性物質であってもよく、例えばエポキシ樹脂であってもよいが、これに制限されてはならない。図面では、封止材500は円柱形状で示されているが、本発明はこれに制限されてはならず、封止材500は多様な形状を有するように形成されてもよい。
【0060】
一方、封止材500を形成する場合には、固定部330は配置しなくてもよい。すなわち、固定部330が配置される場所を封止材500が封止するようになる。したがって、導電板410と磁性体310を離間させて導電板410を固定する役割を、封止材500が固定部330の代わりに行ってもよい。
【0061】
図3を参照しながら、他の実施形態に係る磁場生成部211について説明する。上述と重複する内容は説明を省略し、相違点について主に説明する。図3は、図1の他の実施形態に係る磁場生成部211の斜視図である。
【0062】
図3を参照すると、他の実施形態に係る磁場生成部211は、複数の磁性体311、312を含み得る。例えば、第1磁性体311が配置され、第1磁性体311から離間して第2磁性体312が配置されてもよい。図3では、第1及び第2磁性体311、312が上下に配置されると示されているが、本発明がこれに制限されてはならない。また、磁性体は、例えば3つ以上が配置されてもよい。
【0063】
第1磁性体311は第1磁場321を生成し、第2磁性体312は第2磁場322を生成してもよい。第1磁場321と第2磁場322が重なることによって磁場の強度が大きくなるため、第1磁性体311と第2磁性体312は第1磁場321と第2磁場322が重なる程度に離間させる。第1及び第2磁性体311、312の間で第1磁場321と第2磁場322が合わさるために、互いに対向する第1磁性体311の一面と第2磁性体312の一面は極性が互いに異なってもよい。図3では、例示的に、互いに対向する第1磁性体311の下面がS極であり、第2磁性体312の上面がN極であると示した。
【0064】
第1及び第2磁性体311、312の間で磁場が最も大きいため、導線220は第1及び第2磁性体311、312の間を通過してもよい。導電板410を第1及び第2磁性体311、312に配置するために、導電板410と第1磁性体311の間には第1固定部331が、導電板410と第2磁性体312の間には第2固定部332が配置されてもよい。第1及び第2固定部331、332は、導体ではない物質で構成されてもよい。
【0065】
第1及び第2磁性体311、312が生成する第1及び第2磁場321、322の強度の合計は、0.1〜1Tの大きさであってもよい。
【0066】
封止材500は、第1及び第2磁性体311、312、導電板410、第1及び第2固定部331、332を封止するように形成されてもよい。
【0067】
図4を参照しながら、さらに他の実施形態に係る磁場生成部212について説明する。上述と重複する内容は説明を省略し、相違点について主に説明する。図4は、図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部212の斜視図である。
【0068】
図4を参照すると、磁場生成部212は、ソレノイド313を利用して磁場323を生成してもよい。具体的には、ソレノイド313は、ソレノイド芯313_1と、ソレノイド芯313_1を囲繞するソレノイド導線313_2を含み得る。ソレノイド心313_1は、例えば強磁性体であってもよい。ソレノイド導線313_2は、コントロール部230に接続されて独立的に存在する電源供給部から電源の供給を受けてもよい。ソレノイド導線313_2に電源が供給されて電流が流れると、ソレノイド313には、図4に示すように磁場323が生成される。磁場323を通過するように導電板410が配置されてもよく、ソレノイド313と導電板410の間に固定部330が配置されて導電板410が磁場323内に配置され、固定部330がソレノイド313から離間するように固定してもよい。
【0069】
図2の磁場生成部210とは異なり、磁性体をソレノイド313で使用すると、磁場323を生成するためにソレノイド313に電源を供給しなければならないため、電力消費が追加で発生する。しかし、負荷部110で節減される電力量は、磁場323を生成するための電力量よりも遥かに大きい。さらに、磁性体310の磁場320は時間の経過と共に減少するが、ソレノイド313を使用する場合には、磁場323の強度は時間が経過しても変わらない。
【0070】
ソレノイド313の磁場323の強度は、0.1〜1Tであってもよい。
【0071】
図5を参照しながら、さらに他の実施形態に係る磁場生成部213について説明する。上述と重複する内容は説明を省略し、相違点について主に説明する。図5は、図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部213の斜視図である。
【0072】
図5を参照すると、図4とは異なり、磁場生成部213は複数のソレノイドを含んでもよい。例えば、第1ソレノイド313が配置され、第1ソレノイド313から離間して第2ソレノイド314が配置されてもよい。図5では、第1及び第2ソレノイド313、314が上下に配置されると示されているが、本発明がこれに制限されてはならない。また、ソレノイドは、例えば3つ以上が配置されてもよい。第1及び第2ソレノイド313、314はそれぞれ、第1及び第2ソレノイド芯313_1、314_1と、第1及び第2ソレノイド芯313_1、314_1を囲繞する第1及び第2ソレノイド導線313_2、314_2を含んでもよい。
【0073】
第1ソレノイド313は第1磁場323を生成し、第2ソレノイド314は第2磁場324を生成してもよい。第1磁場323と第2磁場324が合わさることによって磁場の強度が大きくなるため、第1ソレノイド313と第2ソレノイド314は、第1磁場323と第2磁場324が重なる程度に離間させる。第1及び第2ソレノイド313、314の間で第1磁場323と第2磁場324が合わさるために、互いに対向する第1ソレノイド313の一面と第2ソレノイド314の一面は極性が互いに異なってもよい。図5では、例示的に、互いに対向する第1ソレノイド313の下面がS極であり、第2ソレノイド314の上面がN極であると示した。
【0074】
第1及び第2ソレノイド313、314の間で磁場が最も大きいため、導線220は第1及び第2ソレノイド313、314の間を通過してもよい。導電板410を第1及び第2ソレノイド313、314の間に配置するために、導電板410と第1ソレノイド313の間には第1固定部331が、導電板410と第2ソレノイド314の間には第2固定部332が配置されてもよい。
【0075】
第1及び第2ソレノイド313、314が生成する第1及び第2磁場323、324強度の合計は、0.1〜1Tの大きさであってもよい。
【0076】
封止材500は、第1及び第2ソレノイド313、314、導電板410、第1及び第2固定部331、332を封止するように形成されてもよい。
【0077】
図6を参照しながら、さらに他の実施形態に係る磁場生成部214について説明する。上述と重複する内容は説明を省略し、相違点について主に説明する。図6は、図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部214の斜視図である。
【0078】
図6を参照すると、磁場生成部214は、ソレノイド313と磁性体310を含んでもよい。例えば、ソレノイド313が配置され、ソレノイド313から離間して磁性体310が配置されてもよい。図6では、ソレノイド313が磁性体310上に配置されると示されているが、これに制限されてはならず、ソレノイド313が磁性体310の下部に配置されてもよい。
【0079】
ソレノイド313は、ソレノイド芯313_1と、ソレノイド芯313_1を包むソレノイド導線313_2を含んでもよい。ソレノイド導線313_2は、コントロール部230に接続して電源の供給を受けてもよい。
【0080】
ソレノイド313と磁性体310はそれぞれ、磁場323、320を生成してもよい。それぞれの磁場323、320が互いに合わさるために、互いに対向するソレノイド313の一面と磁性体310の一面は極性が互いに異なってもよい。図6では、例示的に、互いに対向するソレノイド313の下面がS極であり、磁性体310の上面がN極であると示した。
【0081】
導線220、特に導電板410は、ソレノイド313と磁性体310の間を通過してもよい。導電板410をソレノイド313と磁性体310の間に配置するために、導電板410とソレノイド313の間、導電板410とソレノイド310の間にはそれぞれ固定部330が配置されてもよい。
【0082】
ソレノイド313と磁性体310が生成する第1及び第2磁場323、320強度の合計は、0.1〜1Tの大きさであってもよい。
【0083】
封止材500は、ソレノイド313、磁性体310、導電板410、固定部330を封止するように形成されてもよい。
【0084】
図7を参照しながら、さらに他の実施形態に係る磁場生成部215について説明する。上述と重複する内容は説明を省略し、相違点について主に説明する。図7は、図1のさらに他の実施形態に係る磁場生成部215の斜視図である。
【0085】
図7を参照すると、磁場生成部215は、複数の磁性体311、312と複数のソレノイド313a〜313fを含んでもよい。前記複数のソレノイド313a〜313Fは、永久磁石に代替が可能である。具体的には、図3の磁場生成部211のように第1磁性体311と第2磁性体312を配置し、第1及び第2磁性体311、312を囲繞する複数のソレノイド313a〜313fを配置してもよい。複数のソレノイド313a〜313fと複数の磁性体311、312は、互いに離間して配置される。図7では、複数のソレノイド313a〜313fが6つであり、平行する六角形の頂点に位置するように示されているが、これに制限されてはならず、例えば、4つまたは8つのソレノイドが第1及び第2磁性体311、312の周りで四角形の頂点に位置したり、8つのソレノイドが八角形の頂点に位置してもよい。複数のソレノイド313a〜313fはそれぞれコントロール部230に接続し、コントロール部230から電源の供給を受けて磁場を形成してもよい。導電板410は、複数のソレノイド313a〜313fと複数の磁性体311、312が生成した磁場に位置する。導電板410は、複数のソレノイド313a〜313f及び複数の磁性体311、312と非接触する。第1導線部420と第2導線部430は、複数のソレノイド313a〜313fの間を通過して導電板410と接続する。第1及び第2絶縁部材423、433によって第1及び第2導線部420、430をそれぞれ被覆しているため、第1及び第2導線部430も複数のソレノイド313a〜313fと非接触する。
【0086】
複数のソレノイド313a〜313fと複数の磁性体311、312が生成する磁場の大きさの合計は、0.1〜1Tであってもよい。複数のソレノイド313a〜313fと複数の磁性体311、312によって磁場が発生するため、それぞれが生成する磁場の大きさは小さくなる。
【0087】
導電板410と第1磁性体311の間には第1固定部331が、導電板410と第2磁性体312の間には第2固定部332が配置されてもよい。第1及び第2固定部331、332は、導体ではない物質で構成されてもよい。
【0088】
封止材500は、複数のソレノイド313a〜313f、複数の磁性体311、312、導電板410、第1及び第2固定部331、332を封止するように形成されてもよい。
【0089】
図8及び図9を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置200の効果について説明する。図8及び図9は、本発明の一実施形態に係る電力効率改善装置200の効果を説明するための図である。具体的には、図8は表1に対する折れ線グラフであり、図9は1週間単位での本発明の効果を示した棒グラフである。
【0090】
電力効率改善装置200の効果を調べるために、次のように実験を行った。生産ライン設備全体(図1の負荷部110に対応)に供給する電力線(3相4線、380V)に電力効率改善装置200を接続し、生産ライン設備が1日に使用する電力量、生産ライン設備が1日に生産する生産量を測定した。また、これにより、生産量と対比してどのくらい電力量を使用したかを計算した。生産ライン設備で1日に使用する電力量と生産量には毎日少しずつの差があるため、正確な効果を把握するために、生産量に対比する電力使用量を求めた。生産ラインの生産量単位はトン(ton)であり、電力量単位はkwhである。
【0091】
【表1】
【0092】
図8には、表1の内容をグラフで示した。
【0093】
表1と図8を参照すると、生産ライン設備に電力効率改善装置200を設置すると、設置前と比べて生産ライン設備において生産量と対比して電力使用量が減少することが確認された。電力効率改善装置200は、電力線120及び負荷部110の導線に流れる自由電子の流動速度を改善し、このような改善は電力効率改善装置200に近い方から順になされる。したがって、生産ライン設備全体に電力効率改善効果が現われるためには一定の時間が必要となり、したがって電力効率改善装置200を設置した直後には改善効果は現われず、時間を置いて徐々に効果が現われ始める。
【0094】
図9では、1週間単位で平均を出し、設置前の生産量に対比する電力使用量と設置後の生産量に対比する電力使用量を比べた。
【0095】
設置後1週間の平均生産量に対比する電力使用量は0.0334kwh/tと、設置前の0.0336kwh/tに比べて0.6%減少した。しかし、設置後2週間の平均生産量に対比する電力使用量は0.0318kwh/tと、設置前に比べて5.4%減少し、設置後3週間の平均生産量に対比する電力使用量は0.0311kwh/tと、設置前に比べて7.4%減少した。生産ライン設備が使用する1日の電力量が数千kwhであることを考慮するとき、電力効率改善装置200の優れた電力節減効果を確認することができる。
【0096】
図10を参照しながら、本発明の他の実施形態に係る電力効率改善装置201について説明する。上述と重複する内容は説明を省略し、相違点について主に説明する。図10は、本発明の他の実施形態に係る電力効率改善装置201のブロック図である。
【0097】
図10の電力効率改善装置201は、図1の電力効率改善装置200とは異なり、電源部100と負荷部110の間に直列に接続されている。具体的には、電力効率改善装置201は、第1導線220a、第2導線220b、磁場生成部210、コントロール部230を含む。図10では、例示的に、電源部100が3相4線で電力を供給すると示した。したがって、第1導線220aは、4本の導線221_1、223_1、225_1、227_1を含み、第2導線220bは、4本の導線221_2、223_2、225_2、227_2を含むと示した。電源部100が提供する電圧相により、第1導線220aと第2導線220bの数が異なってもよい。
【0098】
第1導線220aは電源部100に接続し、磁場生成部241を通過してコントロール部230に接続する。具体的には、第1サブ導線221_1は第1磁場生成部241を通過してコントロール部230に接続し、第2サブ導線223_1は第2磁場生成部243を通過してコントロール部230に接続し、第3サブ導線225_1は第3磁場生成部245を通過してコントロール部230に接続し、第4サブ導線227_1は第4磁場生成部247を通過してコントロール部230に接続する。
【0099】
第2導線220bは、コントロール部230と負荷部110の間を接続する。具体的には、第1導線220aが第1〜第4サブ導線221_1、223_1、225_1、227_1を含むため、第2導線220bも第5〜第8サブ導線221_2、223_2、225_2、227_2を含む。言い換えれば、第1導線220aと第2導線220bの数は等しい。第5サブ導線221_2は第1サブ導線221_1とコントロール部230を通じて接続し、第6サブ導線223_2は第2サブ導線223_1とコントロール部230を通じて接続し、第7サブ導線225_2は第3サブ導線225_1とコントロール部230を通じて接続し、第8サブ導線227_2は第4サブ導線227_1とコントロール部230を通じて接続する。
【0100】
図10に示すように、電力効率改善装置201を電源部100と負荷部110の間に直列に接続すると、電力効率改善の効果がより迅速に現れるようになる。図2の電力効率改善装置201のように、電源部100と負荷部110の間で電力効率改善装置200を並列に接続すると、図9のように約2週間が経過しなければ明らかな効果が現われない。しかし、図10のように、電力効率改善装置201を電源部100と負荷部110の間に直列に接続すると、2週間前から明らかな効果が現われるようになる。電力効率改善装置201の抵抗は、負荷部110の抵抗と比べると極めて微小であるため、直列に接続しても負荷部110の動作には影響を及ぼさない。
【0101】
図10の電力効率改善装置201の磁場生成部210の形状と磁場生成部210を通過する第1導線220aの形状は、図2図7に示すものと同じであるため、詳しい説明は省略する。
【0102】
コントロール部230は、第1及び第2導線220a、220bに流れる電圧と電流を制御することができる。例えば、コントロール部230は、第1及び第2導線220a、220bの過電流及び電気素子へのサージを防止することができる。また、コントロール部230は、磁場生成部210及び負荷部110間に配置されることに限定されずに、電源部110に直接接続されてもよい。以上、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、当業者は、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更しなくても、他の具体的な形態で実施できるということを理解できるであろう。したがって、上述した実施形態はすべての面において例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと理解されなければならない。
【符号の説明】
【0103】
100:電源部
110:負荷部
120:電力線
200、201:電力効率改善装置
210〜215:磁場生成部
220:導線
230:コントロール部
310、311、312:磁性体
320、321、322、323、324:磁場
313、314、313a、313b、313c、313d、313e、313f:ソレノイド
500:封止材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10