(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記米飯塊を中空状に形成する部材の上部が、前記米飯計量分割部よりも上方の前記米飯解し部に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の米飯成形装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、美味しい米飯塊の条件は、外部はしっかりし、内部はふんわりとして全体的に程よい硬さで口に入れると直ぐに解れるような米飯塊とされている。
【0005】
しかし、具入りの米飯塊を成形する場合に、米飯塊に無理に力を加えて具穴を形成すると米飯を押し潰し傷めてしまい、その結果、米飯のふんわり感を損ね、米飯塊の美味しさを損ねてしまう場合がある。
【0006】
そこで、具入りの米飯塊を成形する場合においては、如何にして、米飯を傷めないように米飯塊に具穴を形成するかが、美味しい米飯塊を提供する上で重要な課題となっている。
【0007】
本発明は、具入りの米飯塊を成形する場合に米飯を傷めないように具穴を形成することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の米飯成形装置は、米飯塊を解す米飯解し部と、前記米飯解し部の下方に設けられ、前記米飯解し部から送られた米飯塊を計量分割する米飯計量分割部と、前記米飯塊の搬送空間内に設けられ、前記米飯計量分割部において搬送される米飯塊を中空状に形成する部材と、前記米飯計量分割部により計量分割された米飯塊に
対し、前記米飯塊を中空状に形成する部材による中空形成によって形成された切れ目に沿って具穴を形成する具穴形成手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項1に記載の発明において、前記具穴形成手段は、前記米飯塊への差込時には縮径し、前記米飯塊への差込後には拡径して前記米飯塊に具穴を形成する具穴形成部材と、前記具穴形成部材を前記米飯塊への差込位置および前記米飯塊から離間する位置に往復移動させる駆動体と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項1に記載の発明において、前記具穴形成手段は、前記米飯塊への差込時に前記米飯塊に凸部を押し付けることで前記米飯塊に具穴を形成する具穴形成部材と、前記米飯塊への差込位置および前記米飯塊から離間する位置に往復移動させる駆動体と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記米飯計量分割部は、前記米飯塊の搬送空間を挟んで対向する一対のローラが、前記米飯塊の搬送方向に沿って前記搬送空間を狭くするように複数対配置された計量部と、前記計量部の下部に設けられ、前記計量部から搬送された前記米飯塊を予め決められた長さに分割する分割手段とを備え、前記米飯塊を中空状に形成する部材は、前記一対のローラの対向間に介在された状態で、前記米飯塊の搬送方向に沿って延びる板状または棒状の部材により形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記米飯塊を中空状に形成する部材の上部が、前記米飯計量分割部よりも上方の前記米飯解し部に位置していることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記米飯塊を中空状に形成する部材の上部が、前記米飯計量分割部の壁面に接続されており、前記米飯塊を中空状に形成する部材は、前記壁面の接続位置から前記米飯塊の搬送方向に沿って前記壁面から次第に遠ざかるように傾斜した状態で延びる第1の部分と、前記第1の部分の下部から連続して折れ曲がり前記壁面に沿うように延びる第2の部分とを有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項6に記載の発明において、前記米飯塊を中空状に形成する部材の上部が、前記米飯計量分割部の前記一対のローラの対向間の壁面に接続されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項6または7に記載の発明において、前記複数対の一対のローラのうち、少なくとも1つの一対のローラの各々の厚さ方向には高さ、形状またはその両方の異なる突起部が設けられており、前記高さ、形状またはその両方の異なる突起部の各々は、前記一対のローラの各々の外周に沿って凹凸を形成するように複数設けられていることを特徴とすることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記米飯塊を中空状に形成する部材の表面に、溝または複数の突起を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の本発明の米飯成形装置は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明において、前記米飯塊を中空状に形成する部材を着脱自在の状態で設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、米飯計量分割部において米飯塊を中空状に形成することにより、計量分割後の米飯塊に中空形成による切れ目を形成することができるので、米飯塊に無理な力を加えることなく切れ目に沿って容易に具穴を形成することができる。したがって、米飯を傷めないように米飯塊に具穴を形成することが可能になる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、具穴形成部材を縮径した状態で米飯塊に差し込むことにより、米飯を傷めずに具穴形成部材を米飯塊に差し込むことが可能になる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、米飯計量分割部において米飯塊を中空状に形成することにより、計量分割後の米飯塊に中空形成による切れ目を形成することができるので、その切れ目に沿って具穴を形成することで米飯塊に無理な力を加えることなく容易に具穴を形成することができる。したがって、米飯塊に具穴形成部材の凸部を押し付けることで米飯塊に具穴を形成する場合でも米飯を傷めないように具穴を形成することが可能になる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、米飯塊の適量値を維持し、かつ、その米飯塊の中に空気を含ませることが可能になる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、米飯塊を中空状に形成する部材の上部に米飯が積もることに起因して米飯塊を米飯計量分割部に送れなくなる不具合を回避することが可能になる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、米飯塊を中空状に形成する部材の上部に米飯塊を積もらせることなく米飯分割計量部へ良好に送ることが可能になる。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、米飯塊を中空状に形成する部材の上部に米飯塊を積もらせることなく米飯分割計量部へ良好に送ることが可能になる。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、米飯分割計量部の上部あたりで米飯塊が詰まりそうなときに、米飯塊を米飯分割計量部へ良好に送ることが可能になる。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、米飯塊を中空状に形成する部材と米飯塊との接触面積を低減することができるので、米飯塊をスムーズに移動させることが可能になる。
【0027】
請求項10記載の発明によれば、米飯塊を中空状に形成する部材の種類を変えることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
図1は本実施の形態の米飯成形装置の要部斜視図、
図2は
図1の米飯成形装置のI−I線の断面図(横断面図)、
図3は
図1の米飯成形装置のII−II線の断面図(縦断面図)、
図4は
図1の米飯成形装置の米飯計量分割部の要部斜視図、
図5は
図1の米飯成形装置内において米飯塊を中空状に形成する部材である中仕切り板の一例の全体斜視図である。
【0032】
図1〜
図3に示すように、本実施の形態の米飯成形装置1は、例えばお結び等のような米飯塊を成形する装置であり、米飯解し部2と、その下方に設置された米飯計量分割部3と、その下方側に設置されたターンテーブル4(
図2および
図3参照)とを備えている。
【0033】
米飯解し部2は、米飯を柔らかく解すための機構部であり、ホッパー2aと、その下部に設置された米飯供給筒2bと、その米飯供給筒2bの内部に回転自在の状態で設置された2つの解し部材2c,2dと、米飯供給筒2b内の奥側の内壁面に固定された複数の固定羽根2e(
図2および
図3参照)とを備えている。なお、
図1では米飯解し部2の構成を分かり易くするためにホッパー2aおよび米飯供給筒2bの内部を透かして見せている。
【0034】
ホッパー2aは、米飯成形装置1の最上部に設置されている。このホッパー2aには、上部から下部に向かって面積が小さくなるような略逆四角錐状の開口部2aaが形成されており、その開口部2aaの上部から米飯成形装置1内に米飯を入れることが可能になっている。
【0035】
米飯供給筒2bは、ホッパー2aと米飯計量分割部3との間に設置されている。この米飯供給筒2bには、上部から下部に向かって面積が小さくなるような漏斗状の開口部2baが形成されている。この米飯供給筒2bの開口部2baの上部は、ホッパー2aの開口部2aaの下部と一致し、互いに連通した状態で接続されている。
【0036】
このような米飯供給筒2bの開口部2ba内は、ホッパー2aから送られた米飯塊を柔らかく解すための空間になっているとともに、その解された米飯塊を米飯計量分割部3に導くための空間になっている。
【0037】
この米飯供給筒2b内の下部において両側面には、米飯塊を検出するセンサ(図示せず)の発光側の窓部と受光側の窓部とが互いに対向するように設けられている。このセンサで米飯塊が検出されない場合(例えば米飯塊がセンサの発光部からの検出光を遮らない場合)は米飯塊の送りを停止し、センサで米飯塊が検出された場合(例えば米飯塊がセンサの発光部からの検出光を遮った場合)は米飯塊の送りを再開するようになっている。
【0038】
解し部材2c,2dは、その回転動作により米飯を撹拌し解すとともに、解した米飯を米飯計量分割部3に送り出す部材であり、回転軸2ca,2daと、その外周に突設された複数の解し羽根2cb,2dbとを備えている。
【0039】
解し部材2c,2dの各々の回転軸2ca,2daは、米飯供給筒2bの開口部2ba内において手前側と奥側との離れた位置において、米飯供給筒2bの両側面の間に掛け渡された状態で、時計回りの方向に回転自在の状態で軸支されている。
【0040】
奥側の解し部材2cの複数の解し羽根2cbは、大きさや形状が同じであるが、手前側の解し部材2dの複数の解し羽根2dbは、大きさや形状が異なるものが設けられている。なお、ここでは、米飯供給筒2b内に2つの解し部材2c,2dを設置した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば1つだけでも良い。
【0041】
固定羽根2eは、米飯供給筒2b内において解し部材2dの回転軸2daよりも下方において、解し部材2dの各解し羽根2dbの隣接間に位置するように離れた状態で、回転軸2daの軸方向に沿って複数配置されている。各固定羽根2eは、下端から上端に向かって次第に薄くなるように形成されており、米飯供給筒2b内の奥側の内壁面に下端を固定した状態で垂直になるように立設されている。
【0042】
上記した米飯計量分割部3は、米飯解し部2から搬送された米飯塊を予め決められた大きさ、形状および重さになるように計量分割する機構部であり、
図1〜
図4に示すように、計量部3aと、その最下部の米飯塊の搬送出口部に設置された分割機構部(分割手段)3b(
図2および
図3参照)とを備えている。
【0043】
計量部3aは、上記した米飯供給筒2bの下部に設置されている。この計量部3aの上部の米飯塊の搬送入口部は、米飯供給筒2bの開口部2baの下部と一致し、連通した状態で接続されている。
【0044】
この計量部3aには、米飯塊の搬送空間を挟んで互いに対向するように配置された一対のローラ3aa,3ab,3acが米飯塊の搬送方向(下方)に沿って順に設置されている。ここでは、上方から下方に向かって、大径、中径および小径の3段の一対のローラ3aa,3ab,3acが配置されている場合が例示されているが、一対のローラの段数は、これに限定されるものではなく、例えば2段でも4段でも良い。
【0045】
各一対のローラ3aa,3ab,3acは、
図2の矢印で示すように互いの対向方向(内向き)に回転自在の状態で計量部3aの奥側の内壁面に軸支されているとともに、米飯塊の搬送方向に沿って各対の対向間隔(米飯塊の搬送空間)が狭くなるように配置されている。これにより、計量部3aに送られた米飯塊は、米粒の密度が一定に保たれたまま一対のローラ3aa,3ab,3acにより順に圧縮されながら下方に送られる構成になっている。
【0046】
最上部の一対のローラ3aa,3aaの外周には、米飯塊を下方に掻き下ろすための複数の突起部Pfが周方向に沿って凹凸を形成するように予め決められた間隔毎に形成されている。また、中段および下段の一対のローラ3ab,3acの各々の外周にも米飯塊を下方に掻き下ろすための複数の突起部Ps,Ptが周方向に沿って凹凸を形成するように予め決められた間隔毎に形成されている。さらに、中段および下段の一対のローラ3ab,3acの外周は、上から見て略細長円弧状になるように形成されており、一対のローラ3ab,3acの対同士の外周を合わせると略扁平楕円形状の搬送空間が形成されるようになっている。
【0047】
上記した分割機構部3bは、固定刃3baおよび可動刃3bb(
図2参照)を備えている。固定刃3baと可動刃3bbとは、互いの刃先を米飯塊の搬送出口部に向けて対向した状態で設置されている。
【0048】
固定刃3baは、例えば平面略矩形状の薄板により形成されており、計量部3aの下部に固定されている。可動刃3bbは、例えば、固定刃3baよりも幅の狭い平面略矩形状の薄板により形成されており、固定刃3baに向かって移動自在に設置されている。
【0049】
計量部3aから送られた米飯塊は、予め設定された大きさ、形状および重さになるタイミングで可動刃3bbのスライド動作により分割されてターンテーブル4の成形孔内に挿入されるようになっている。
【0050】
このような本実施の形態の米飯成形装置1は、計量部3a内において搬送される米飯塊を中空状に形成する部材として中仕切り板5Aを備えている。
【0051】
このような中仕切り板5Aを設けたことにより、計量部3a内で搬送される米飯塊を中空状に形成することができるので、成形される米飯塊の適量値を維持しながら、その米飯塊内に空気を含ませることができる。このため、最終成形品として、外部はしっかりし、内部はふんわりとして全体的に程よい硬さで口に入れるとすぐに解れるような寿司シャリ玉またはお結び等のような米飯塊を成形することができる。
【0052】
中仕切り板5Aは、例えばフッ素系の樹脂によって形成されており、
図3〜
図5に示すように、上下方向にほぼ線状に延びる第1の部分5Afと、第1の部分5Afの上部から互いに離間する2方向に延びる第2の部分5Asおよび第3の部分5Atとを有している。
【0053】
また、
図1、
図3〜
図5に示すように、中仕切り板5Aにおいて第1の部分5Afと第3の部分5Atとの間には、仲仕切り板5Aの幅方向中心に向かって斜め方向に延びる窪み部DTが形成されている。この窪み部DTは、米飯塊を検出する上記センサの検出光を遮らないように窪ませたものである。
【0054】
さらに、
図1、
図4および
図5に示すように、中仕切り板5Aの厚さ方向に交差する両表面には、米飯塊の搬送方向(中仕切り板5Aの長手方向)に沿って延びる複数の溝GVが中仕切り板5Aの幅方向に沿って予め決められた間隔および幅で形成されている。
【0055】
このような溝GVを形成したことにより、中仕切り板5Aと米飯塊との接触面積を低減することができる上、米飯塊を溝GVに沿って下方に誘導させることができるので、計量部3a内において米飯塊をスムーズに移動させることができる。
【0056】
溝GVおよび溝GV隣接間の断面形状は矩形波状でも良いが、鋸波状にしても良い。これにより、中仕切り板5Aと米飯塊との接触面積をさらに小さくすることができるので、計量部3a内において米飯塊をさらにスムーズに移動させることができる。
【0057】
また、溝GVの幅をお米の幅よりも小さくしても良い。これにより、お米が溝GVに入り込まないようにすることもできる。さらに、中仕切り板5Aの厚さ方向に交差する両表面の溝GVの位置が一致しないように幅方向にずらしても良い。これにより、中仕切り板5Aの機械的強度を向上させることができる。
【0058】
さらに、溝GVに代えて、中仕切り板5Aの表面に複数の突起を設けて凹凸を形成しても良い。この突起の平面形状は、例えば、円形状、楕円形状、矩形状または三角形状あるいはこれらの組み合わせとされている。また、突起は、例えばエンボス加工により形成されている。
【0059】
このように中仕切り板5Aの表面に複数の突起(凹凸)を設けたことにより、中仕切り板5Aと米飯塊との接触面積を低減することができるので、米飯塊をスムーズに下方に移動させることができる。また、中仕切り板5Aの表面の複数の突起(凹凸)の配置は、米飯塊を下方に誘導するような配置にすることが好ましい。これにより、米飯塊をさらにスムーズに下方に移動させることができる。
【0060】
このような中仕切り板5Aは、
図1〜
図3に示すように、その厚さ方向に交差する両表面を米飯供給筒2bおよび計量部3aの側面に向かい合わせた状態で米飯成形装置1の米飯塊の搬送空間に設置されている。
【0061】
ここでは、中仕切り板5Aが、米飯供給筒2bおよび計量部3aの米飯塊の搬送空間の幅方向を2分割するように、米飯供給筒2b内から計量部3aの一対のローラ3aa,3ab,3acの対向間(搬送空間)を通過して計量部3aの最下の一対のローラ3acの対向間(搬送路)まで延び終端した状態で米飯塊の搬送空間に設置されている。
【0062】
中仕切り板5Aの第1の部分5Afは、
図2に示すように、一対のローラ3aa,3ab,3acの対向間(搬送空間)を左右に2分割し、中仕切り板5Aの厚さ方向の両側に米飯塊の搬送空間が形成されるように、各一対のローラ3aa,3ab,3acの対向間の中央に配置されている。
【0063】
また、中仕切り板5Aの第1の部分5Afは、
図3に示すように、中仕切り板5Aの第1の部分5Afの幅方向の両側に米飯塊の搬送空間が形成されるように一対のローラ3aa,3ab,3acの厚さ方向の中央に配置されている。
【0064】
中仕切り板5Aの第2の部分5Asの先端部は米飯供給筒2bの手前側の内壁面の孔内に嵌め合わされている。一方、中仕切り板5Aの第3の部分5Atは、米飯供給筒2bの奥側の内壁面に引っ掛かるようにして固定されている。このように、中仕切り板5Aをその上部の第2の部分5Asと第3の部分5Atとの2箇所で固定することにより、中仕切り板5Aの第1の部分5Afを中空に浮かせた状態で安定して固定することができる。
【0065】
また、中仕切り板5Aの上部(第2の部分5Asおよび第3の部分5At)は、解し部材2dの外周の各解し羽根2dbに接触しないように各解し羽根2dbの隣接間に配置された状態で、計量部3aよりも上方の米飯供給筒2b内に配置されている。
【0066】
中仕切り板5Aの上部を計量部3aよりも上方の米飯供給筒2b内に配置した理由は、本発明者らが中仕切り板5Aの形状や設置位置を種々変えて実験を行ったことで初めて見出された課題を解決するための構造である。以下、その理由について説明する。
【0067】
図6は実験対象の中仕切り板50Aを装着した計量部3aの分解斜視図、
図7は
図6の実験対象の中仕切り板50Aの全体斜視図、
図8(a)は
図7の中仕切り板50Aを装着した米飯成形装置51の縦断面図、
図8(b)は同図(a)の米飯成形装置51の横断面図である。
【0068】
中仕切り板50Aは、例えば平面T字状に形成されており、その上部が計量部3aの手前側および奥側の内壁面の上部(米飯供給筒2bと計量部3aとの境界よりも下方)で接続され固定されている。
図8(a),(b)に示すように、中仕切り板50Aの上部が、米飯供給筒2bよりも下方に位置している場合、
図8(b)に示すように、中仕切り板50Aの上部に米飯塊RMが積もり、米飯塊RMを計量部3a内に送り込むことができず、計量することができなかった。
【0069】
また、
図9は他の実験対象の中仕切り板50Bを装着した計量部3aの分解斜視図、
図10は
図9の実験対象の中仕切り板50Bの全体斜視図である。
【0070】
中仕切り板50Bは、例えば平面形状がY字状に形成されており、その上部から2方向に延びる部分が、計量部3aの手前側および奥側の内壁面の上部(米飯供給筒2bと計量部3aとの境界よりも下方)で接続され固定されている。この場合、中仕切り板50BのY字状の又部分に、ある程度の圧縮のかかった米飯塊が引っ掛かり、その下方へ米飯塊を送ることができなかった。
【0071】
また、
図11は、さらに他の実験対象の中仕切り板50Cを装着した計量部3aの斜視図、
図12は
図11の計量部3aの正面図である。
【0072】
ここでは、中仕切り板50Cの固定位置を
図8や
図9で示した中仕切り板50A,50Bに対して90度向きを変えた場合について評価した。最上段の一対のローラ3aa,3aaの厚さ方向中央にスリットSLが形成されており、その一対のローラ3aa,3aaのスリットSLにブリッジ部50Caを架けることで、一対のローラ3aa,3aaの対向間の中央に中仕切り板50Cを配置した。
【0073】
この場合、中仕切り板50Cのブリッジ部50Ca上(
図12の破線で囲んだ部分)に米飯塊が積もり、その下方へ米飯塊を送ることができなかった。しかも、中仕切り板50C自体を外しても、その状態に変わりは無かった。
【0074】
これらに対して、
図13(a)は、本実施の形態の米飯成形装置1の縦断面図、同図(b)は同図(a)の横断面図を示している。
【0075】
本実施の形態の場合、
図13(a),(b)に示すように、中仕切り板5Aの上部を米飯供給筒2b内に位置させることにより、
図13(b)に示すように、米飯塊RMが中仕切り板5Aの上部に積もらないので、米飯塊RMを詰まらせることなく計量部3a内にスムーズに移動させることができた。
【0076】
また、発明者らの検討によれば、計量部3a内で米飯塊に圧縮力がかかっている時に米飯塊を分割しながら送るのは困難であることが判明した。これに対して、本実施の形態によれば、中仕切り板5Aの上部を米飯供給筒2b内に配置したことにより、米飯塊の解しの段階で落下中の米飯塊を分割することができるので、計量部3a内において米飯塊を良好に中空状に形成することができる。
【0077】
次に、
図14は
図1〜
図3等の米飯成形装置の分解斜視図である。
【0078】
ターンテーブル4は、例えば平面円形状のプレートにより形成されており、架台15に内蔵された駆動源(図示せず)によって反時計回りの方向に間欠回転可能な状態で架台15上に軸支されている。
【0079】
このターンテーブル4の外周近傍には、その外周方向に沿って予め決められた間隔毎にターンテーブル4の上下面を貫通する複数個の成形孔MHが形成されている。この成形孔MHは、計量分割後の米飯塊RMを収容する孔であり、その平面形状は、例えば角丸の三角形状に形成されている。ただし、成形孔MHの形状は、これに限定されるものではなく、例えば角丸の長方形状、円形状または楕円形状でも良い。
【0080】
また、ターンテーブル4の外周において計量部3aの搬送出口よりも下流の上方には、成形排出装置16を構成する成形上型16Uが、米飯塊RMを成形する位置および米飯塊RMから離間する位置に往復移動な状態で設置されている。
【0081】
成形上型16Uは、成形孔MH内の米飯塊RMを押圧することで米飯塊を予め決められた形状に成形する部材であり、支持部材16S1を介して支持アーム16SAに支持されている。
【0082】
成形上型16Uの米飯塊RMに対する押圧面(下面)は、上記成形孔MH内に収まるように、例えば、成形孔MHよりも若干小さな角丸の三角形状に形成されている。ただし、成形上型16Uの押圧面の平面形状は、これに限定されるものではなく、成形孔MHの形状に合わせて、例えば角丸の長方形状、円形状または楕円形状でも良い。
【0083】
この成形上型16Uよりも下流には、成形排出装置16を構成する押出部材16Dが米飯塊RMを押し出す位置および米飯塊RMから離間する位置に往復移動な状態で設置されている。
【0084】
押出部材16Dは、成形孔MH内の成形後の米飯塊RMをターンテーブル4の下方に押し出し、成形排出装置16を構成する排出コンベア16C上に載置する部材であり、支持部材16S2を介して上記支持アーム16SAに支持されている。
【0085】
これら成形上型16Uおよび押出部材16Dの往復動作は、成型排出装置16を構成する第1の駆動体(図示せず)により支持アーム16SAを往復動作させることにより行われるようになっている。この第1の駆動体は、例えば、回転モータ等のような駆動源と、回転モータ等の回転動作を直線動作に変換する機構部とを備えており、架台15内に設置されている。
【0086】
また、ターンテーブル4の外周において計量部3aの搬送出口よりも下流であって成形上型16Uよりも上流には、具穴形成装置(具穴形成手段)17を構成する具穴形成器(具穴形成部材)17Aが上下動可能な状態で設置されている。
【0087】
具穴形成装置17は、成形孔MH内の米飯塊RMに具穴GHを形成する装置であり、具穴形成器17Aと、その具穴形成器17Aを上下動させる第2の駆動体(駆動体;図示せず)とを備えている。
【0088】
ここで、
図15(a)は米飯差込直前の具穴形成器の一部を破断して示した断面図、
図15(b)は具穴形成時の
図15(a)の具穴形成器の一部を破断して示した断面図、
図16は
図15(a)に対応する具穴形成器の要部斜視図、
図17は
図15(b)に対応する具穴形成器の要部斜視図を示している。
【0089】
具穴形成器17Aは、例えば2本のフィンガ部17Afを備えている。この2本のフィンガ部17Afは、米飯塊RMへの差込時には、
図15(a)および
図16に示すように縮径し、米飯塊RMへの差込後には、
図15(b)および
図17に示すように拡径して米飯塊RMに具穴GHを形成するように設けられている。ただし、フィンガ部17Afは、2本に限定されるものではなく、3本以上でも良い。
【0090】
この2本のフィンガ部17Afは、その下端側(米飯塊RMへの差込側)が共に先端に向かって次第に細くなるように形成されているとともに、縮径した(閉じた)状態で米飯塊RMに差し込まれるようになっている。このため、米飯を押し潰し傷めてしまわないようにフィンガ部17Afを米飯塊RMにスムーズに差し込むことができる。
【0091】
また、フィンガ部17Afの上端側は幅広に形成されており、その先端側は二股に分かれている。フィンガ部17Afの上端の二股に分かれた一方は、ピンに17Ap1によりベースプレート17Abに回転可能な状態で軸止されている。また、フィンガ部17Afの上端の二股に分かれた他方は、リンクプレート17Akを介して、上記したベースプレート17Abよりも上方に設置された支持プレート17Asに接続されている。すなわち、リンクプレート17Akの一端はピン17Ap2によりフィンガ部17Afの上端側に回転可能な状態で軸止され、他端はピン17Ap3により支持プレート17Asに回転可能な状態で軸止されている。
【0092】
ベースプレート17Abの上面中央には支持軸17Axが接合されている。支持プレート17Asおよびその上に接合されたブロック体17Arの下面中央には、
図15の上下方向に延びる軸孔(図示せず)が形成されており、その軸孔内には上記支持軸17Axが上下方向に摺動可能な状態で挿入されている。
【0093】
ベースプレート17Abと支持プレート17Asとの間において、支持軸17Axの外周にはコイル状のスプリング(図示せず)が設けられている。このスプリングの付勢力によりベースプレート17Abと支持プレート17Asと間隔が予め決められた長さに維持されている。そして、その初期状態(付勢力を受けてない状態)では、
図15(a)および
図16に示すように、2本のフィンガ部17Afが互いに接触して閉じた(縮径)状態に維持される。
【0094】
一方、ベースプレート17Abの外周には、その中央から外周に向かって延びる複数本のアーム(図示せず)が接合されている。このアームの先端には、その先端から下方(ターンテーブル4の上面)に向かって延びる支柱部(図示せず)が接合されている。この支柱部は、具穴形成器17Aを下降した時にターンテーブル4の成形孔MHの周囲の上面に当たるようになっている。その支柱部がターンテーブル4の上面に当たると、ベースプレート17Abが支持軸17Ax外周の上記スプリングの付勢力に抗して上昇する結果、ベースプレート17Abと支持プレート17Asとの間隔が狭くなるので、リンクプレート17Akの作用により、
図15(b)および
図17に示すように、2本のフィンガ部17Afが次第に離間して開く(拡径する)ようになっている。
【0095】
本実施の形態においては、上記したように計量部3aにおいて米飯塊を中空状に形成しているので、
図15〜
図17に示すように、計量分割後の米飯塊RMの中央に中空形成による切れ目Lを形成することができる。このため、具穴の形成時には、米飯塊RMに無理な力を加えることなく切れ目Lに沿って容易に具穴GHを形成することができる。したがって、米飯を傷めないように米飯塊RMに具穴GHを形成することができる。
【0096】
次に、
図18(a)は米飯差込直前の具穴形成器の変形例の断面図、(b)は具穴形成時の(a)の具穴形成器の断面図である。
【0097】
具穴形成器(具穴形成部材)17Bは、上記第2の駆動体により米飯塊RMへの差込位置および米飯塊RMから離間する位置に往復移動可能な状態で設けられている。この具穴形成器17Bの下端には、先端に向かって次第に縮径するような凸部17Bcが設けられている。具穴形成時には、
図18(b)に示すように、具穴形成器17Bの凸部17Bcを米飯塊RMに押し付けることで具穴GHを形成するようになっている。
【0098】
この場合も計量部3aにおいて米飯塊RMを中空状に形成していることにより、
図18に示すように、計量分割後の米飯塊RMの中央に中空形成による切れ目Lを形成することができるので、具穴形成時に、
図18の具穴形成器17Bを用いた場合でも、米飯塊RMに無理な力を加えることなく切れ目Lに沿って容易に具穴GHを形成することができる。したがって、米飯を傷めないように米飯塊RMに具穴GHを形成することができる。
【0099】
次に、本実施の形態の米飯成形装置1による米飯塊の成形工程について説明する。
【0100】
まず、米飯塊の計量分割工程について
図1〜
図3を参照して説明する。
【0101】
米飯成形装置1のホッパー2aの開口部2aaを通じて米飯を米飯成形装置1内に入れると、米飯は米飯供給筒2b内の2段の解し部材2c,2dの回転動作により解されながら米飯供給筒2b内の内壁面に沿って下部に送られる。
【0102】
続いて、米飯供給筒2b内の下部に送られた米飯塊は、米飯供給筒2b内での解しの段階で中仕切り板5Aにより分割された状態で落下し、米飯計量分割部3の計量部3a内に送られる。
【0103】
続いて、計量部3a内に送られた米飯塊は、3段の一対のローラ3aa,3ab,3acの内向きの回転動作により圧縮されながら下方に送られる。この時、米飯塊は中仕切り板5Aにより中空状に形成される。これにより、成形される米飯塊の適量値を維持し、かつ、その米飯塊内に空気を含ませることができる。
【0104】
その後、計量部3aで中空状に形成された米飯塊は、予め設定された大きさ、形状および重さとなるタイミングで可動刃3bbのスライド動作により分割されてターンテーブル4の成形孔MH(
図14等参照)内に落とされる。この時、本実施の形態においては、上記したように計量部3aにおいて米飯塊を中空状に形成しているので、計量分割後の米飯塊の中央の米の密度が外周側よりも粗になり切れ目L(
図15〜
図17参照)が形成される。
【0105】
次に、具穴形成工程について
図14〜
図17を参照して説明する。
【0106】
米飯塊RMの計量分割後、
図14および
図15(a)に示すように、ターンテーブル4を間欠回転させて、米飯塊RMが収容された成形孔MHを具穴形成器17Aの直下に位置させる。
【0107】
続いて、具穴形成器17Aを第2の駆動体により下降させて、
図15(b)および
図17に示すように、具穴形成器17Aのフィンガ部17Afを直下の米飯塊RMに差し込む。この時、具穴形成器17Aの2本のフィンガ部17Afは先が細く閉じた状態(縮径した状態)になっているので、米飯を押し潰し傷めることなくスムーズにフィンガ部17Afを米飯塊RMに差し込むことができる。
【0108】
さらに、具穴形成器17Aを下降させると、具穴形成器17Aの2本のフィンガ部17Afが下降とともに次第に離れる方向に移動することにより、米飯塊RMに具穴GHが形成される。この時、計量部3aにおいて米飯塊を中空状に形成しているので、計量分割後の米飯塊RMの中央に切れ目を形成することができる。このため、米飯塊RMに無理な力を加えることなく切れ目Lに沿って容易に具穴GHを形成することができるので、米飯を傷めないように米飯塊RMに具穴GHを形成することができる。
【0109】
次に、具入れ工程、成形工程および取り出し搬出工程について
図14を参照して説明する。
【0110】
具穴形成工程後、ターンテーブル4を間欠回転させて、具穴GHが形成された米飯塊RMが収容された成形孔MHを具入れ領域に位置させた後、米飯塊RMの具穴GHに、例えば梅干しや昆布等のような各種の具を入れる。
【0111】
続いて、ターンテーブル4を間欠回転させて、具入れ後の米飯塊RMが収容された成形孔MHを成形上型16Uの押圧面の直下に位置させた後、成形上型16Uを下降して成形孔MH内の米飯塊RMを成形上型16Uで押圧することにより、米飯塊RMは予め決められた形状に成形される。
【0112】
この時、同時に、成形位置よりも下流の成形孔MH内における成形後の具入りの米飯塊RMを押出部材16Dによりターンテーブル4の下方に押し出し、排出コンベア16C上に載置して決められた場所に搬送する。
【0113】
本実施の形態においては、米飯塊RMを中空状に形成することにより、成形される米飯塊RM内に程よく空気を含ませることができる。また、具入りの米飯塊RMを成形する場合に米飯を傷めないように具穴GHを形成することができる。これらにより、最終成形品として、外部はしっかりし、内部はふんわりとして全体的に程よい硬さで口に入れるとすぐに解れるような、お結び等のような米飯塊を成形することができる。そして、米飯塊が冷めたてしまった後や保存のため冷蔵しておいた後でも、上記食感が失われないようにすることができる。
【0115】
図19は、本実施の形態の米飯成形装置内で搬送される米飯塊を中空状に形成する部材の他の一例である中仕切り板5Bの全体斜視図である。
【0116】
本実施の形態において用いる中仕切り板5Bは、前記第1の実施の形態の中仕切り板5Aと同様に、上下方向に線状に延びる第1の部分5Bfと、その上部から互いに離間する2方向に延びる第2の部分5Bsおよびに第3の部分5Btとを有している。
【0117】
この中仕切り板5Bにおいては、
図5の中仕切り板5Aの窪み部DTが広くなるように第3の部分5Btの下部が部分的に除去されているとともに、米飯塊の移動に対する抵抗が小さくなるように第1の部分5Bfの傾斜部分SPの傾斜角度が小さくなるように形成されている。米飯成形装置1における中仕切り板5Bの配置の仕方は、
図1〜
図4等に示した中仕切り板5Aの配置と同じである。なお、溝GVに代えて、中仕切り板5Bの表面に上記した複数の突起(凹凸)を設けても良い。
【0118】
このような中仕切り板5Bを用いた場合、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる上、米飯塊との接触面積をさらに低減することができるので、米飯塊の移動をさらにスムーズにすることができた。
【0120】
図20は、本実施の形態の米飯成形装置の計量部の分解斜視図、
図21は
図20の計量部を側面側から見た斜視図、
図22は
図20の計量部の最上段のローラの分解斜視図である。
【0121】
本実施の形態においては、
図20および
図21に示すように、中仕切り板5Cの上部が、計量部3aの奥側の内壁面の上部に接続されている。ただし、中仕切り板5Cの上部を計量部3aの手前側の内壁面の上部に接続しても良い。
【0122】
中仕切り板5Cは、
図20および
図21に示すように、その上部の接続位置から米飯塊の搬送方向(
図21の下方)に沿って奥側の内壁面から次第に遠ざかるように傾斜して中段のローラ3abの上部あたりまで延びる第1の部分5Cfと、その第1の部分5Cfから連続して第1の部分5Cfに対して交差するように下方に折れ曲がり奥側の内壁面に沿うように最下段のローラ3acの下部あたりまで延びる第2の部分5Csとを有している。中仕切り板5Cの第2の部分5Csは、中段および最下段のローラ3ab,3acの厚さ方向の中央あたりに位置している。
【0123】
このような中仕切り板5Cを取り付けたことにより、
図6〜
図12で説明した場合よりも、計量部3a内への米飯塊の移動を飛躍的に向上させることができた。なお、この中仕切り板5Cの表面に前記第1、第2の実施の形態で説明したのと同様に溝GVや複数の突起(凹凸)を設けても良い。
【0124】
また、本実施の形態においては、
図20〜
図22に示すように、最上段のローラ3aaの厚さ方向の中央に星型のフランジ部SFが設置されている。このため、ローラ3aaの外周には、複数の突起部Pfの他に、ローラ3aaの厚さ方向の中央に、突起部Pfと形状が異なり、突起部Pfよりも高い、星型のフランジ部SFの複数の突起部SFPが突出されている。そして、突起部Pf,SFPは、一対のローラ3aaの各々の外周に沿って凹凸を形成するように複数設けられている。ただし、星型のフランジ部SFは、中段のローラ3ab,3abや最下段のローラ3ac,3acに設けても良い。また、突起部SFPは、突起部Pfより高い、または突起部Pfに対して形状が異なるだけでも良い。
【0125】
このような星型のフランジ部SFを設けたことにより、最上段の一対のローラ3aa,3aaの部分で米飯塊が詰まりそうなときに、星型のフランジ部SFにより米飯塊を送り出す力が増すので、米飯塊を計量部3a内へ上手く送ることができる。
【0126】
また、最上段のローラ3aaは分解式になっており、星型のフランジ部SFの着脱が可能になっている。これにより、米飯塊の成形処理に応じてフランジ部SFを着けたり外したりすることができる。また、ローラ3aaおよび星型のフランジ部SFの清掃を容易にすることができるので、ローラ3aaを常に清潔に保つことができる。
【0127】
図23は
図20の米飯成形装置1を用いて成形された米飯塊の全体斜視図である。ここでは、例えば寿司シャリ玉を成形した場合を示している。上記のように中仕切り板5Cを取り付けた場合、最終成形品の米飯塊RMGにおいて中仕切り板5Cの下方にあたる奥側の部分RAは手前側の部分RBよりも米の密度が低くなった。
【0129】
図24は、本実施の形態の米飯成形装置の計量部の分解斜視図、
図25は
図24の計量部からローラを取り外して中仕切り板を示した斜視図である。
【0130】
本実施の形態においては、
図24および
図25に示すように、中仕切り板5Dの上部が、計量部3aの最上段の一対のローラ3aa,3aaの下部(米飯解し部2と米飯計量分割部3との境界よりも下方)の位置で奥側の内壁面に着脱自在の状態で接続されている。
【0131】
中仕切り板5Dは、
図25に示すように、その上部の接続位置から米飯塊の搬送方向(
図25の下方)に沿って奥側の内壁面から次第に遠ざかるように傾斜して最下段のローラ3acの上部あたりまで延びる第1の部分5Dfと、その第1の部分5Dfから連続して第1の部分5Dfに対して交差するように下方に折れ曲がり上記奥側の内壁面に沿うように最下段のローラ3acの中央あたりまで延びる第2の部分5Dsとを有している。
【0132】
このような中仕切り板5Dを取り付けた場合においても計量部3a内の米飯塊を中空状に形成することができた。また、米飯塊を計量部3a内に良好に送ることができた。なお、この中仕切り板5Cの表面に前記第1、第2の実施の形態で説明したのと同様に溝GVや複数の突起(凹凸)を設けても良い。
【0133】
また、
図26は中仕切り板5Dの他の一例を示した斜視図である。
図26では、中仕切り板5Dの第2の部分5Dsの下部が最下段のローラ3acの下部まで延びており、第2の部分5Dsの長さが、
図20の場合よりも長くなっている。
【0134】
本発明者らの検討によれば、中仕切り板5Dの長さを変えると、計量部3a内の米飯塊の中空状態の度合いを変えられることが判明した。例えば中仕切り板5Dを長くすると米飯塊の中空部が明瞭な状態で形成され、中仕切り板5Dを短くすると米飯塊の中空部が不明瞭な状態で形成された。
【0135】
そこで、本実施の形態においては、中仕切り板5Dの種類(長さ)を変えられるように中仕切り板5Dを着脱自在の状態で設けた。そして、最終成形品に応じて中仕切り板5Dの種類(長さ)を変えるようにした。これにより、最終成形品の米飯塊の硬さ等を変えることができる。
【0136】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0137】
例えば前記実施の形態においては、お結び等の米飯塊の搬送手段としてターンテーブルを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、搬送手段として直線状のベルトコンベアや枠状の無端ベルトコンベアを用いても良い。
【0138】
また、前記実施の形態においては、米飯塊を中空状に形成する部材が板状の場合について説明したが、これに限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば棒状でも良い。