特許6108445IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

比較的水深の深い海上に設置されるスパー型の浮体式洋上風力発電設備

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

ところで、風車型式には、ナセルの風上側にブレードを取り付け、ブレードを風上に向かって正対させ、正面から風を受けるように設置するアップウィンド型式と、ナセルの風下側にブレードを取り付け、ブレードの背面を風上に向け後側から風を受けるように設置するダウンウィンド型式とが存在するが、一般的にはブレードの風上側に障害物があると効率が落ちるとされ、アップウィンド型式が専ら採用されている。この場合、ブレードの撓みによって該ブレードがタワーに接触するのを防止するため、図26(A)に示されるように、風車の回転軸は水平線に対して所定角度(θ=5〜10°程度)の上向き角θを付けている。 しかしながら、風力発電設備が浮体式である場合は、タワーの下端が地面に固定されておらず、風圧によって傾動し風下側に傾くことになるため、図26(B)に示されるように、ブレードの回転面Sがさらに上を向くように傾き(θ+β)、受風面積が低下することにより発電効率が低下するという問題点があった。 また、浮体式の洋上発電設備の場合、風車に風が当たると、風による抵抗を減らすように浮体に鉛直軸回りの回転力(ヨー)が発生するため発電効率が低下するとともに、暴風時には浮体の傾動が大きくなり係留索に作用する荷重が増大するという問題点もある。 更に、前記特許文献5では、海面上に係留点を設置することで係留の作用点を上げ、浮体運動の抑制力を増加させるようにしているが、係留点を海面上にすると接近する船舶が係留に接触する可能性が高くなり危険であるなどの問題があった。 一方、前記特許文献5のように、コンクリート製のプレキャスト筒状体を高さ方向に複数段積み上げて一体化を図るコンクリート浮体構造部51Aを備えた洋上風力発電設備50の場合、前記コンクリート浮体構造部51Aの組立てや運搬の際及び洋上風力発電設備50の建て起こしの際などに、コンクリート浮体構造部51Aに大きな曲げ応力が作用する。ここで、コンクリート浮体構造部51Aは、設置後は両端がほぼ自由端とされた支持構造であるため、主に軸力が作用し、大きな曲げ応力は作用しない構造となっている。特に、プレキャスト筒状体として周方向に複数に分割された分割プレキャスト筒状体を接合する構造の場合、曲げに対する強度が弱く組立てや運搬中及び建て起こし時に変形や破損が生じる危険性があった。このため、組立て等の際に発生する曲げに対し、一時的に補強用のフレーム枠を別途用意しなければならず、作業が大掛かりなものになるとともに、コストが増大する欠点があった。 そこで本発明の主たる課題は、スパー型の浮体式洋上風力発電設備において、タワーの傾動による発電効率の低下を抑えるとともに、鉛直軸回りの回転運動(ヨー運動)を抑制し、かつ船舶が係留索に接触するのを防止すると同時に、タワーの傾動姿勢状態を適性に保持し得るようにし、更に組立て等の作業を容易にするとともに、コストを低減した浮体式洋上風力発電設備を提供することにある。 第2の課題は、特に暴風時において、鉛直軸回りの回転運動(ヨー運動)の更なる抑制を図ることにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、浮体と、係留索と、タワーと、タワーの頂部に設備されるナセル及び複数のブレードからなる風車とから構成された浮体式洋上風力発電設備において、 前記風車は、回転軸に所定角度の上向き角を付けており、かつ前記ブレードをナセルの風下側に取り付け、ブレードの背面を風上に向けて設置するダウンウィンド型式とし、 前記係留索の浮体への係留点は、海面下で・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、スパー型の浮体式洋上風力発電設備において、タワーの傾動による発電効率の低下を押さえるとともに、鉛直軸回りの回転運動(ヨー運動)を抑制し、かつ船舶が係留索に接触するのを防止すると同時に、タワーの傾動姿勢状態を適性に保持し得るようになる。また、組立て等の作業が容易にできるとともに、コスト低減が可能となる。 さらに、特に暴風時において、鉛直軸回りの回転運動(ヨー運動)の更なる抑制を図ることが可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明に係る浮体式洋上風力発電設備1の側面図である。

【図2】浮体2の縦断面図である。

【図3】プレキャスト筒状体12(13)を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図(B-B線矢視図)、(C)は底面図(C-C線矢視図)である。

【図4】プレキャスト筒状体12(13)同士の緊結要領図(A)(B)である。

【図5】下側コンクリート製浮体構造部2Aと上側鋼製浮体構造部2Bとの境界部を示す縦断面図である。

【図6】ヨー抑制フィン8を示す下側コンクリート製浮体構造部2Aの横断面図である。

【図7】風によるタワー4の傾動状態を示す、(A)は無風時(直立時)、(B)は受風時(傾動時)を示す側面図である。

【図8】抵抗モーメント発生による傾動制御状態を示す全体側面図である。

【図9】タワー4の傾斜角に対する発電出力の変化図である。

【図10】下側コンクリート製浮体構造部2Aを示す、(A)は横断面図、(B)は左右で別視点からの側面図である。

【図11】要部を拡大した、(A)は正面図、(B)は平面図である。

【図12】定着具30を示す、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。

【図13】アウターケーブル31の正面図である。

【図14】浮体式洋上風力発電設備1の施工要領を示す流れ図である。

【図15】施工要領(その1)を示す、(A)は平面図、(B)は正面図である。

【図16】施工要領(その2)を示す、(A)は平面図、(B)は正面図である。

【図17】施工要領(その3)を示す、(A)は平面図、(B)は正面図である。

【図18】施工要領(その4)を示す、(A)は平面図、(B)は正面図である。

【図19】施工要領(その5)を示す、(A)は正面図、(B)はプレキャスト筒状体12部分の平面図である。

【図20】施工要領(その6)を示す平面図である。

【図21】施工要領(その7)を示す正面図である。

【図22】施工要領(その8)を示す正面図である。

【図23】施工要領(その9)を示す正面図である。

【図24】施工要領(その10)を示す正面図である。

【図25】従来の浮体式洋上風力発電設備(特許文献5)を示す全体図である。

【図26】アップウインド型式の場合の風によるタワーの傾動状態を示す、(A)は無風時(直立時)、(B)は受風時(傾動時)を示す側面図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1…浮体式洋上風力発電設備、2…浮体、2A…下側コンクリート浮体構造部、2B…上側鋼製浮体構造部、3…係留索、4…タワー、5…風車、6…ナセル、7…ブレード、8…ヨー抑制フィン、12…プレキャスト筒状体、30…定着具、31…アウターケーブル、36…吊り上げ金具

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