(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術の発明は、仕上玄米の機外排出から機内循環への切換、次いで、機内循環から機外循環への切換をレバー操作する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、一旦、供給する籾が少なくなって機内循環にした後に、新たな籾を追加投入して機外排出にするときの操作性を良好にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明は次のような技術的手段を講じた。
【0007】
請求項1の発明は、
左右一側に籾摺部(1)を、左右中央部に摺落米風選部(2)を、左右他側に揺動選別板(15)を配設し、
駆動の入り切りをする主モータ(M1)を設け、
単一の操作レバー(32)により前記籾摺部(1)の籾シャッタ弁(31)、前記揺動選別板(15)駆動用の揺動クラッチ手段(39a)及び前記揺動選別板(15)で選別された仕上げ玄米を機内循環側あるいは機外排出側に切り換える循環/排出切換弁(36)を操作可能に構成し、
前記操作レバー(32)を第1操作位置(32b)に操作すると、籾シャッタ弁(31)を閉状態、揺動クラッチ手段(39a)を揺動切り状態、循環/排出切換弁(36)を循環側に切り換え、
前記操作レバー(32)を第2操作位置(32c)に操作すると、籾シャッタ弁(31)を開状態、揺動クラッチ手段(39a)を揺動入り状態、循環/排出切換弁(36)を循環側に切り換え、
前記操作レバー(32)を第3操作位置(32d)に操作すると、籾シャッタ弁(31)を開状態、揺動クラッチ手段(39a)を揺動入り状態、循環/排出切換弁(36)を排出側に切り換えるように構成し、
前記操作レバー(32)の第1操作位置(32b)と第3操作位置(32d)をそれぞれ検出する2つの操作レバー検出センサ(SE2)を設け、一方の操作レバー検出センサが操作レバー(32)を検出すると操作レバー(32)が第1操作位置(32b)にあると判定し、他方の操作レバー検出センサが操作レバー(32)を検出すると操作レバー(32)が第3操作位置(32d)にあると判定し、該2つの操作レバー検出センサ(SE2)がいずれも検出しない時は、操作レバー(32)は第2操作位置と判定し、
コントローラ(55)の指令により循環/排出モータ(M2)を作動して、循環/排出切換弁(36)を前記機内循環側あるいは前記機外排出側に切り換え可能に構成し、
揺動選別板(15)に供給する混合米を溜める混合米タンク(24)を設け、
混合米タンク(24)内の混合米量の溜まり具合を検出する混合米量センサ(SE1)を設け、
操作レバー検出センサ(SE2)が第3操作位置(32d)に操作レバー(32)があることを検出し、仕上げ玄米を機外排出している状態で、混合米量センサ(SE1)が混合米タンク(24)内の混合米量が所定量以下であることを検出すると、籾シャッタ弁(31)を開状態で且つ揺動クラッチ手段(39a)を揺動入り状態で、循環/排出切換弁(36)
が排出側から循環側に切り換わり、機内に残留する籾を籾摺部に戻して玄米化する残米処理工程が行われ、
残米処理工程中に、操作レバー(32)が継続して第3操作位置(32d)を検出した状態で混合米量センサ(SE1)が混合米タンク(24)内の混合米量が所定量以上になったことを検出すると、循環/排出切換弁(36)を循環側から排出側に切り換え、
混合米量センサ(SE1)が混合米タンク(24)内の混合米量が所定量以上になったことを検出しないで残米処理工程が設定時間を経過すると主モータ(M1)が停止することを特徴とする籾摺選別機とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によると、籾摺選別作業中に混合米タンク24の混合米量が所定量以下になったことを混合米センサSE1の検出情報で判定すると、操作レバー32が第3操作位置32dの状態のままで、循環/排出モータ(M2)により循環/排出切換弁36が排出側から循環側へ切り換えられ、機内残留穀粒に含まれる籾を籾摺部1に還元する残米処理工程を行い玄米化することができる。
【0009】
次いで、残米処理工程中に、籾ホッパ6に籾の追加投入の有りを混合米センサSE1の検出情報で判定すると、操作レバー32が第3操作位置32dの状態のままでコントローラ55の指令により循環/排出切換弁36が循環側から排出側に切り換えることができる。
また、混合米量センサ(SE1)が混合米タンク(24)内の混合米量が所定量以上になったことを検出しないで残米処理工程が設定時間を経過すると主モータ(M1)が停止する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明を説明する。
【0012】
まず、
図1に基づきこの発明を備えている揺動選別板型籾摺選別機の全体構成について説明する。
【0013】
籾摺選別機は、機体の左側上部に配設している籾摺部1と、籾摺部1の右側に配設している摺落米風選部2と、摺落米風選部2の右側に配設している揺動選別板型混合米選別部3と、混合米選別部3の選別摺落米を揚穀する混合米揚穀機4と、混合米選別部3の仕上げ玄米を機外に取り出す玄米揚穀機5と、混合米選別部3の選別籾を籾摺部1に揚穀還元する籾揚穀機27により構成されている。
【0014】
籾摺部1は籾摺ロール型に構成されていて、籾ホッパ6と、一対の籾摺ロール7,7と、籾摺ロール7,7の下方に設けられている振動型の摺落米移送棚8等により構成されている。籾ホッパ6の籾は籾摺ロール7,7で籾摺されて摺落米移送棚8に落下供給され、振動している摺落米移送棚8により右側に移送され、摺落米風選部2の下部の選別始端側に供給される。
【0015】
摺落米風選部2は、摺落米風選箱体9と、摺落米風選箱体9内に上下方向に沿うように構成されている摺落米選別風路10と、摺落米選別風路10の中途部下方に設けられている粃受樋11と、摺落米選別風路10の始端部である下側部に設けられている摺落米受樋12と、摺落米選別風路10の終端側上側部に配設されている吸引ファン13と、排塵筒14等により構成されている。
【0016】
次に、揺動選別型の混合米選別部3について説明する。
【0017】
多段の揺動選別板15には、板面に選別用の凹凸が形成されていて、縦方向の一側を高い供給側、他側を低い排出側とし、縦方向に直交する横方向の一方側を高い揺上側、横方向他側を低い揺下側として、揺動選別板15の縦横2方向ともに傾斜した構成とし、揺動選別板15,を揺動装置(図示省略)により横方向斜め上下に往復揺動する構成である。
【0018】
揺動選別板15,の上方には混合米タンク24が配設されていて、摺落米受樋12に風選された混合米が混合米揚穀機4により揚穀され混合米タンク24に供給される。次いで、分配供給樋16、分配ケース17を経由して揺動選別板15に供給される。
【0019】
揺動選別板15の揺下側の側壁の排出側部分には、籾排出口を切り欠き構成し、選別籾は揺下側に取り出され、籾還元流路29を経て籾揚穀機27に供給される構成である。
【0020】
揺動選別板15に供給された混合米は、粒形の大小,比重の大小,摩擦係数の大小等の関係で、比重の重い小形の玄米は揺上側に偏流分布し、玄米に比較して大形で比重の軽い籾は、揺下側に偏流分布し、その中間部には分離されない籾・玄米の混合米が分布しながら選別される。そして、これらの選別穀粒は、揺動選別板15の排出側に設けられている玄米仕切板18及び籾仕切板19で仕切られて取り出される。
【0021】
取り出された仕上げ玄米は、玄米取出樋20,玄米流路21,玄米揚穀機5を経て機外に取り出される。また、取り出された選別混合米は混合米取出樋22,混合米流路23,摺落米受樋12,混合米揚穀機4,混合米タンク24,分配供給樋16,分配ケース17を経て、揺動選別板15に再度供給され再選別される。
【0022】
また、揺動選別板15の揺下側に偏流分離した選別籾のうち揺下側の側壁に沿って流下したものは、籾排出口から籾還元流路29に取り出され、また、揺下側の側壁よりも揺上側を流下したものは揺動選別板15の排出側端部から籾仕切板18により仕切られて、籾取出樋25に取り出される。このようにして取り出された選別籾は、籾流路26,籾揚穀機27を経て籾摺部1に揚穀還元され、再度の籾摺がなされる。なお、摺落米風選部2で粃受樋11に選別された粃は、籾揚穀機27に送られ、混合米選別部3の選別籾と共に籾摺部1に揚穀還元される。
【0023】
次に、
図2に基づき籾シャッタ弁31の操作レバー32及び混合米タンク24の穀粒溜まり具合に基づく籾シャッタ弁31の調節作動構成について説明する。
【0024】
籾ホッパ6の下部には籾シャッタ弁31を設け、籾シャッタ弁31の軸部31aと操作レバー32の軸部32aとの間にジョイントレバー33を介装し、所定範囲の融通を持たせて連動連結している。すなわち、籾シャッタ弁31の軸部31aに第1ジョイントレバー33aを取り付け、操作レバー32の軸部32aに第2ジョイントレバー33bを取り付け、第1ジョイントレバー33aと第2ジョイントレバー33bとの間を長孔とピンにより所定範囲の融通を持たせて連動連結している。しかして、操作レバー32を軸部32a回りに開閉操作すると、第1ジョイントレバー33a、第2ジョイントレバー33bを介して籾シャッタ弁31を開閉することができる。
【0025】
また、混合米揚穀機4上部の揚穀投げ出し部4aには、混合米タンク24を上下動自在に吊り下げ支持し、混合米タンク24に所定量以上の穀粒が溜まり重くなると、混合米タンク24がバネ34に抗して下方へ移動し、穀粒が所定量より少なくなると、バネ34により上方へ移動するようにしている。そして、混合米タンク24の側方に混合米量センサSE1を設け、混合米タンク24に所定量以上の混合米が溜り下方への移動を混合米量センサSE1で検出するようにしている。なお、混合米量の検出は主モータM1の負荷電流値を検出する負荷電流センサSE5でも良い。
【0026】
また、混合米選別部3の選別穀粒取出部には、循環/排出切換弁36を設け、循環/排出モータM2の正逆回転駆動により揺動選別板15の仕上げ玄米を機内循環側に切り換えたり、機外取出側に切り換えるようにしている。また、循環/排出切換弁36の循環側、排出側への切換状態を検出する循環/排出検出センサSE3を設けている。
【0027】
また、
図2に示すように、混合米タンク24と籾シャッタ弁31とをメカ的なリンケージで連結する切換連動手段37により連動連結している。この切換連動手段37は、例えば、混合米タンク24に一端が連結されている誘導ロッド37a、誘導ロッド37aの他端にピン連結されている第1支点アーム37b、第1支点アーム37bの他端にピン連結している連動ロッド37c、連動ロッド37cの他端にピン連結している回動アーム37dにより構成し、回動アーム37dの他端に籾シャッタ弁31の軸部31aのアーム部をピン連結している。
【0028】
しかして、混合米タンク24に所定量以上の穀粒が溜り下方へ移動すると、誘導ロッド37a、第1支点アーム37b、連動ロッド37c及び回動アーム37dを介して籾シャッタ弁31が閉調節される。また、混合米タンク24の穀粒量が所定量以下に減少し上方へ移動すると、誘導ロッド37a、第1支点アーム37b、連動ロッド37c及び回動アーム37dを介して籾シャッタ弁31が開調節され、混合米タンク24から揺動選別板15に混合米を継続して供給するようにしている。
【0029】
揺動選別板15の下方には揺動駆動装置39を設け、操作レバー32と揺動入切プーリ39aを揺動操作ワイヤ40により連動連結し、操作レバー32の操作により籾シャッタ弁31の開閉と関連的に揺動入切プーリ39aを入切するようにしている。
【0030】
次に、
図3及び
図6について説明する。
【0031】
籾摺選別機の正面中央部、すなわち摺落米風選部2の正面に操作レバー32を設けている。操作レバー32を左右方向の操作溝45に沿って往復操作自在に設け、操作レバー32を操作溝45の左側端部の第1操作位置32bに操作すると、「籾シャッタ弁31を閉状態、揺動駆動装置39を切り状態、循環/排出切換弁36を循環状態」に切り換える。また、操作溝45の左右方向中間部の第2操作位置32cに切り換えると、「籾シャッタ弁31を開状態、揺動駆動装置39を駆動状態、循環/排出切換弁36を循環状態」に切り換える。また、操作レバー32を操作溝45の右側端部の第3操作位置32dに切り換えると、「籾シャッタ弁31を開状態、揺動駆動装置39を駆動状態、循環/排出切換弁36を排出状態」に切り換える。
【0032】
操作レバー32の姿勢は、第1操作位置32bに操作すると、籾摺部1側に傾斜する姿勢とし、第2操作位置32cに操作すると略直立する姿勢に、第3操作位置32dに操作すると揺動選別板15側に傾斜する構成としている。すなわち、オペレータは離れた場所からでも操作レバー32の姿勢で作業状態が視認し易くなっている。
【0033】
操作溝45はその前後を操作レバー32を案内するガイド体70で挟む構成とし、ガイド体70は正面視で円弧状に形成している。
【0034】
次に、
図4に基づき操作盤41について説明する。
【0035】
籾摺選別機の正面中央上部に操作盤41を設け、操作盤41の近傍に操作レバー32を設けている。操作盤41の下側部に左右方向にかけて運転/停止スイッチSW1、自動運転と手動運転の切り換える自動入切スイッチSW2、籾摺ロール7,7の間隙を開調節するロール開スイッチSW3、籾摺ロール7,7の間隙を閉調節するロール閉スイッチSW4を設けている。そして、ロール開スイッチSW3とロール閉スイッチSW4の間にロール間隙調節表示部54を設けている。
【0036】
また、上側部左側に異常表示部42を設け、主モータM1の負荷状態を負荷電流センサSE5で検出し表示するようにしている。上側部右側には操作表示部44を設けている。
【0037】
操作表示部44には左側から右側にかけて第1操作表示マーク43a、第2操作表示マーク43b、第3操作表示マーク43cを設けている。そして、第1操作表示マーク43aの近傍に「操作レバー32の第1操作位置32bへの操作を表示する第1操作位置ランプLa」を設け、第2操作表示マーク43bの近傍に「操作レバー32の第2操作位置32cへの操作を表示する第2操作位置ランプLb」を設け、第3操作表示マーク43cの近傍に「操作レバー32の第3操作位置32dへの操作を表示する第3操作位置ランプLc」を設けている。
【0038】
また、ガイド体70に第1操作位置ランプLa、第2操作位置ランプLb、第3操作位置ランプLcを設けている。第1操作位置ランプLa、第2操作位置ランプLb、第3操作位置ランプLcはガイド体70又は操作表示部にいずれか一方に設けても良いし、両方設けても良い。
【0039】
次に、
図5に基づき籾摺機の主モータM1から各駆動部への伝動構成について説明する。
【0040】
籾摺部1の下方に主モータM1を配設し、主モータM1から籾摺ベルト伝動装置46、籾摺入力軸1aを経由して籾摺ロール7,7に動力を伝達している。籾摺入力軸1aから移送ベルト伝動装置47、移送入力軸8aを経由して摺落米移送棚8に動力を伝達している。移送入力軸8aから混合米揚穀ベルト伝動装置48、混合米揚穀入力軸4aを経由して混合米揚穀機4及び混合米ラセン12aに動力を伝達している。
【0041】
また、混合米揚穀入力軸4aから籾揚穀ベルト伝動装置49、籾揚穀入力軸27aを経由して籾揚穀機27に動力を伝達している。籾揚穀入力軸27aから吸引ファンベルト伝動装置50、吸引ファン入力軸13aを経由して吸引ファン13に動力を伝達している。籾揚穀入力軸27aから玄米揚穀機ベルト伝動装置51、玄米揚穀機入力軸5aを経由して玄米揚穀機5に動力を伝達している。玄米揚穀機入力軸5aから揺動ベルト伝動装置52、揺動クランク軸53を経由して揺動駆動装置39に動力を伝達している。
【0042】
そして、前記循環/排出切換弁36を
図2に示すように循環/排出切換モータM2により切り換えするように構成している。
【0043】
なお、
図7に示すように操作レバー32により籾シャッタ弁31、揺動入切プーリ39a及び循環/排出切換弁36を関連的に切換操作するように構成してもよい。すなわち、操作レバー32とシャッタ弁31とをシャッタ弁操作ワイヤ60で連動連結し、操作レバー32と揺動入切プーリ39aを揺動操作ワイヤ40により連動連結し、操作レバー32と循環/排出切換弁36とを循環/排出操作ワイヤ61により連動連結し、操作レバー32の操作により籾シャッタ弁31、揺動入切プーリ39a及び循環/排出切換弁36を関連的に切り換え操作するようにしている。
【0044】
次に、
図8に基づき制御ブロック図について説明をする。
【0045】
コントローラ55の入力側には、スイッチ群及びセンサ群を接続している。すなわち、運転/停止スイッチSW1、自動入切スイッチSW2、ロール開スイッチSW3、ロール閉スイッチSW4、表示切換スイッチSW5、循環/排出切換スイッチSW6、及び、混合米量センサSE1、操作レバー検出センサSE2、循環/排出検出センサSE3、籾シャッタ弁センサSE4、主モータM1の負荷電流値を検出する負荷電流センサSE5を、入力インターフェイスを経由して接続している。
【0046】
また、出力側には駆動回路を経由して主モータM1、循環/排出モータM2、ロール間隙調節モータM3、第1レバー操作位置ランプLa、第2レバー操作位置ランプLb、第3レバー操作位置ランプLcを接続している。
【0047】
次に、
図3、
図4、
図9及び
図10のフローチャートに基づきコントローラ55の制御内容について説明する。なお、この実施例は操作レバー32の操作位置を操作レバー検出センサSE2で検出し、コントローラ55の指令により循環/排出モータM2を作動し循環/排出切換弁36を自動的に切り換えるタイプに関するものである。
【0048】
運転/停止スイッチSW1をONにし運転を開始すると(ステップS1)、操作レバー32が第1操作レバー位置32bにあるか否かを判定し(ステップS2)、Noであると、第1操作位置ランプLaを点滅(次工程操作表示)し、操作レバー32を第1レバー位置32bへ操作するように報知し、オペレータが操作レバー32を第1レバー位置32bに戻すと、ステップS2に戻る(ステップS3)。また、Yesであると、第1操作位置ランプLaを点灯(現在操作状態表示)する(ステップS4)。
【0049】
次いで、籾摺ロール7,7のロール間隙の初期設定が開始され、ロール間隙の初期設定が終了したか否かを判定し(ステップS5)、Yesであると、第2操作位置ランプLbを点滅し、オペレータに操作レバー32を第2操作位置32cへ操作するように促す(ステップS6)。次いで、オペレータが操作レバー32を第2操作位置32cに操作すると、籾シャッタ弁31が開状態、揺動クラッチ39aが揺動入り状態、循環/排出切換弁36が循環側に切り換えられ、循環工程での籾摺選別作業が開始される。この状態では、第1操作位置ランプLaが消灯し、第2操作位置ランプLbが点灯し、循環作業状態であることを表示する(ステップS7)。
【0050】
次いで、混合米タンク24に所定量以上の混合米が溜ったか否かを混合米センサSE1の検出情報により判定し(ステップS8)、Yesであると、第3操作位置ランプLcを点滅し、オペレータに第3操作位置32dへの操作可能状態を報知する(ステップS9)。次いで、オペレータが操作レバー32を第3操作位置32dに操作すると、籾シャッタ弁31が開状態、揺動クラッチ39aが揺動入り状態、循環/排出切換弁36が循環側から排出側に切り換えられ、排出工程の籾摺選別作業がなされ、第2操作位置ランプLbが消灯し、第3操作位置ランプLcが点灯し排出作業状態であることを表示し(ステップS10)、この状態で籾摺選別作業が継続される(ステップS11)。
【0051】
次いで、
図10の「B」に移行し、同様の籾摺選別作業が継続され(ステップS12)、次いで、混合米タンク24の混合米量が所定量以下になったか否かを混合米センサSE1の検出情報で判定し(ステップS13)、Yesであると、操作レバー32が第3操作位置32dの操作状態のままでコントローラ55の指令により循環/排出切換弁36が排出側から循環側へ切り換えられ、機内残留穀粒に含まれる籾を籾摺部1に還元し玄米化するための残米処理工程が実行される(ステップS15)。
【0052】
次いで、籾ホッパ6に籾の追加投入の有無を例えば混合米センサSE1の検出情報で判定し(ステップS16)、Yesであると、操作レバー32が第3操作位置32dの操作状態のままでコントローラ55の指令により循環/排出切換弁36が循環側から排出側に切り換えられ、次いで、前記ステップS12に戻る(ステップS17)。また、Noであると、所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS18)、Noであると、前記ステップS15に戻り、Yesであると、残米処理工程が終了したと判定し、主モータM1をコントローラ55の指令により自動停止し籾摺選別作業を終了する(ステップS19)。
【0053】
なお、第1〜第3レバー操作位置ランプLa,Lb,Lcが点灯すると現在操作状態表示とし、点滅させると次工程操作表示としているが、これに限定されるものではなく、例えばランプの色彩を変更し点灯表示してもよく種々の変更例が考えられる。
【0054】
なお、混合米タンク24の混合米量が所定量以下になったか否かを混合米センサSE1の検出情報で判定し(ステップS13)、Yesであるときに、オペレータが操作ハンドル32を手動で第3操作位置32dから第2操作位置に操作すると、前述の設定時間経過による運転停止のタイマ制御は行われずに、オペレータが運転/停止スイッチSW1で停止操作しない限り駆動を継続する。
【0055】
次に、
図3、
図4、
図9及び
図11に基づきコントローラ55の制御内容について説明する。なお、この
参考例は
図7に示すように操作レバー32により籾シャッタ弁31、揺動入切プーリ39a及び循環/排出切換弁36を手動で関連的に切換操作するタイプに関するものである。
【0056】
図9のフローによりステップS1乃至ステップS11と同様の制御が実行され、「B」に続いて
図11のステップS21に移行し、同様の籾摺選別作業が継続される(ステップS21)。次いで、混合米タンク24の混合米量が所定量以下になったか否かを混合米センサSE1の検出情報により判定し(ステップS22)、Yesであると、第2操作位置ランプLbが点滅し、オペレータに第2操作位置32cへの操作を促す。次いで、オペレータが操作レバー32を第3操作位置32dから第2操作位置32cへ操作すると、籾シャッタ弁31が開状態、揺動入切プーリ39aが入り状態のままで循環/排出切換弁36が排出側から循環側へ切り換えられ、循環工程の籾摺選別作業に移行し(ステップS24)、第3操作位置ランプLcが消灯し、第2操作位置ランプLbが点灯したた状態で(ステップS25)、残米処理工程が実行される(ステップS26)。
【0057】
次いで、オペレータが残米処理工程が終了したと判定すると、オペレータの任意の操作で操作レバー32を第2操作位置32cから第3操作位置32dへ操作し、残米処理工程で籾摺選別された残米を排出し(ステップS27)、オペレータが運転/停止スイッチSW1を切り運転は終了する。
【0058】
次に、
図16に基づき操作盤41の他の
参考例について説明する。
【0059】
籾摺選別機の正面中央上部に操作盤41を設け、操作盤41の近傍に操作レバー32を設けている。操作盤41の下側部には左側から右側にかけて運転/停止スイッチSW1、自動運転と手動運転の切り換える自動入切スイッチSW2、籾摺ロール7,7の間隙を開調節するロール開スイッチSW3、籾摺ロール7,7の間隙を閉調節するロール閉スイッチSW4を設けている。そして、ロール開スイッチSW3とロール閉スイッチSW4との間にロール間隙調節表示部54を設けている。
【0060】
また、上側部左側に異常表示部42を設け、主モータM1の負荷状態を表示するようにしている。上側部右側には操作表示部44を設けている。
【0061】
操作表示部44には左側から右側にかけて第1操作表示マーク43a、第2操作表示マーク43b、第3操作表示マーク43cを設けている。そして、第1操作表示マーク43aと第2操作表示マーク43bの中間に第1表示灯L1を設け、第1操作表示マーク43aから第2操作表示マーク43bに向かう矢印を設けている。第2操作表示マーク43bと第3操作表示マーク43cの中間に第2表示灯L2を設け、第2操作表示マーク43bから第3操作表示マーク43cに向かう矢印を設けている。第3操作表示マーク43cと第2操作表示マーク43bの中間に第3表示灯L3を設け、第3操作表示マーク43cから第2操作表示マーク43bに向かう矢印を設けている。第2操作表示マーク43bと第1操作表示マーク43aの中間に第4表示灯L4を設け、第2操作表示マーク43bから第1操作表示マーク43aに向かう矢印を設けている。
【0062】
そして、これらの第1表示灯L1、第2表示灯L2、第3表示灯L3、第4表示灯L4を、操作レバー32の現在操作状態を表示するときには例えば点灯し、操作レバー32の次工程操作状態を表示するときには例えば点滅し、2種類の表示をするようにし、操作レバー32の操作方向及び操作タイミングを表示するようにしている。
【0063】
次に、
図12、
図13及び
図16に基づき他の
参考例について説明する。なお、この
参考例は操作レバー32の操作位置を操作レバー検出センサSE2で検出し、コントローラ55の指令により循環/排出モータM2を作動し循環/排出切換弁36を自動的に切り換えるタイプに関するものである。
【0064】
運転/停止スイッチSW1をONにし運転を開始すると(ステップS31)、籾摺ロール7,7のロール間隙の初期設定が開始され(ステップS32)、ロール間隙の初期設定が終了すると(ステップS33)、第1表示灯L1が点灯し(ステップS34)、オペレータにより操作レバー32が第1操作位置32bから第2操作位置32cに操作されると(ステップS35)、籾シャッタ弁31が開状態、揺動クラッチ39aが揺動入り状態、循環/排出切換弁36が循環側に切り換えられ、循環工程の籾摺作業が開始され(ステップS36)、第1表示灯L1が消灯する(ステップS37)。
【0065】
次いで、例えば、混合米タンク24に所定量以上の混合米が溜ったか否かを混合米センサSE1の検出情報により判定し(ステップS38)、Yesであると、適正な籾摺選別状態になったものと判定し、第2表示灯L2を点灯する(ステップS39)。次いで、オペレータにより操作レバー32が第2操作位置32cから第3操作位置32dへ操作されると(ステップS40)、籾シャッタ弁(31)が開状態、揺動クラッチ39aが揺動入り状態、循環/排出切換弁(36)が排出側に切り換えられ(ステップS41)、揺動選別板15の選別玄米を機外排出状態とした排出工程の籾摺選別作業がなされる(ステップS41)。次いで、第2表示灯L2が消灯し(ステップS42)、排出工程での籾摺選別作業が継続される(ステップS43)。
【0066】
次いで、
図13の「F」に移行し、同様の排出工程で籾摺選別作業が継続される(ステップS44)。次いで、例えば混合米タンク24の混合米量が所定量以下になったか否かを混合米センサSE1の検出情報により判定し(ステップS45)、Yesであると、籾ホッパ6への籾投入が終了し作業終了と判定し、第3表示灯L3を点灯する(ステップS46)。次いで、操作レバー32を第3操作位置32dに操作したままの状態で、コントローラ55の指令により循環/排出切換弁36が排出側から循環側へ自動的に切り換えられ(ステップS47)、第3表示灯L3を消灯し(ステップS48)、揺動選別板15の選別玄米を機内循環状態とし残留穀粒の全量を玄米にする残米処理工程が実行される(ステップS49)。
【0067】
次いで、オペレータにより操作レバー32を第3操作位置32dから第2操作位置32cへ操作され、次いで、第3操作位置32dへ操作されると、残米処理工程で籾摺選別された玄米が全量機外へ取り出される(ステップS50)。
【0068】
次いで、例えば、負荷電流センサSE5の主モータM1の検出負荷電流値が所定値以下に低下したか否かを判定し(ステップS50)、Yesであると、残米排出作業が終了したと判定し、コントローラ55の指令により主モータM1を自動的に停止し、籾摺作業が終了する(ステップS52)。
【0069】
次に、
図12、
図14及び
図16に基づき他の
参考例について説明する。なお、この
参考例は
図7に示すように操作レバー32により籾シャッタ弁31、揺動入切プーリ39a及び循環/排出切換弁36を手動で関連的に切換操作するタイプに関するものである。
【0070】
図12のフローによりステップS31乃至ステップS43が同様に実行され「F]に至る。次いで、
図14に移行し同様の排出工程で籾摺選別作業が継続される(ステップS61)。次いで、例えば混合米タンク24の混合米量が所定量以下になったか否かを混合米センサSE1の検出情報により判定し(ステップS62)、Yesであると、籾ホッパ6への籾投入が終了し作業終了と判定し、第3表示灯L3を点灯する(ステップS63)。次いで、オペレータにより操作レバー32が第3操作位置32dから第2操作位置32cに操作されると(ステップS64)、第3表示灯L3を消灯し(ステップS65)、揺動選別板15の選別玄米を機内循環状態とし残留穀粒の全量を玄米にする残米処理工程が実行される(ステップS66)。
【0071】
次いで、オペレータが残米処理工程が終了したと判断すると、操作レバー32が第2操作位置32cから第3操作位置32dへ操作され、残米処理工程で籾摺選別された玄米が全量機外へ取り出される(ステップS67)。
【0072】
次いで、例えば、負荷電流センサSE5による主モータM1の検出負荷電流値が所定値以下に低下したか否かを判定し(ステップS68)、Yesであると、残米排出作業が終了したと判定し、第4表示灯L4を点灯する(ステップS69)。次いで、オペレータにより操作レバー32が第3操作位置32dから第2操作位置32cを経て第1操作位置32bへ操作されると(ステップS70)、第4表示灯L4が消灯し(ステップS71)、運転/停止スイッチSW1を操作し作業を終了する(ステップS72)。
【0073】
図12から
図14における表示灯の点灯は点滅でも良い。
【0074】
図15にはインペラ羽根型の籾摺選別機を示している。インペラ羽根型籾摺選別機にも前記コントローラ55による制御を実施することができる。インペラ羽根型籾摺選別機は、インペラ羽根型の籾摺装置を備えた籾摺部1と、籾摺部1の左右方向中間部に配設している摺落米風選部2と、摺落米風選部2の右側に配設している揺動選別板型混合米選別部3と、混合米選別部3の選別摺落米を揚穀する混合米揚穀機4と、混合米選別部3の仕上げ玄米を機外に取り出す玄米揚穀機5と、混合米選別部3の選別籾を籾摺部1に揚穀還元する籾揚穀機27とにより構成し、籾摺選別機の機体左側上部にインペラ羽根型籾摺装置を備えたインペラケース57を配設している。
【0075】
なお、インペラ羽根型の籾摺選別機に前記操作レバー32の操作表示制御装置を採用することができる。この場合には、前記
図9の制御フローチャートにおけるステップS1乃至S5を、「運転/停止スイッチSW1をONにし運転を開始すると、設定時間経過(たとえば5秒)後、第2操作位置ランプLbが点滅する」構成にすることで、籾摺選別作業を迅速に開始するようにしている。
【0076】
あるいは、
図12の制御フローチャートにおけるステップS31乃至S35を「運転/停止スイッチSW1をONにし運転を開始すると、設定時間経過(たとえば5秒)後第1表示灯L1が点灯される」ように構成する。
【0077】
本実施の形態による他の作用効果について説明する。
【0078】
操作表示部44には操作レバー32が第1操作位置32b又は第2操作位置32c又は第3操作位置32dいずれに位置しているかを表示する第1操作位置〜第3操作位置の操作位置表示手段(La,Lb,Lc)をそれぞれ設け、操作位置表示手段(La,Lb,Lc)には現在操作位置を示す現在操作状態表示と、操作レバー32の次工程操作位置を示す次工程操作表示をすることで、籾摺選別作業の進行状態に沿って操作レバー32の現在操作位置と次工程操作位置が明確になり、籾摺選別作業を円滑に進めることができる。
【0079】
また、運転スイッチSW1のON後において操作レバー32が第1操作位置にあるときには前記第1操作位置表示手段Laを現在操作状態表示にし、籾摺部1が適正籾摺状態になると、第2操作位置表示手段Lbを次工程操作状態表示にし、操作レバー32が第1操作位置32bから第2操作位置32cに操作されると、第2操作位置表示手段Lbを現在操作状態表示にし、混合米選別部3の混合米タンク24に所定量以上の穀粒が溜まると、第3操作位置表示手段Lcを次工程操作状態表示にし、操作レバー32が第2操作位置32cから第3操作位置32dに操作されると、第3操作位置表示手段Lcを現在操作状態表示にすることで、籾摺選別作業の開始から混合米選別部3の揺動選別板15の選別状態が適正化し仕上げ玄米の機外排出までの操作レバー32の操作タイミングを作業者に知らせることができ、籾摺作業能率を高めることができる。
【0080】
また、操作レバー32が第3操作位置32dに操作されている状態で、前記混合米タンク24の穀粒量が所定量以下の穀粒量になると、第2操作位置表示手段Lbを次工程操作状態表示にし、前記操作レバー32が第3操作位置32dから第2操作位置32cに操作されると、第2操作位置表示手段Lbを現在操作状態表示にすることで、籾摺選別作業において籾摺穀粒が少なくなる作業終了近くになると、残留穀粒処理工程に移行するタイミングを作業者に知らせ、残留穀粒処理工程に円滑に移行することができる。
【0081】
また、操作表示部44には操作レバー32の操作方向を表示する第1と第2レバー操作方向表示手段(L1,L2)をそれぞれ設け、第1レバー操作方向表示手段L1を前記第1操作位置32bから第2レバー操作位置32cに向かって方向指示をするように構成し、第2レバー操作方向表示手段L2を第2操作位置32cから第3レバー操作位置32dに向かって方向指示をするように構成し、籾摺選別作業の進行に伴って第1レバー操作方向表示手段L1、第2レバー操作方向表示手段L2の順序にしたがっていずれかの操作方向表示手段を次工程操作状態表示にすることで、籾摺選別作業の進行状態に沿って操作レバー32の現在操作位置と次工程操作位置が明確になり、籾摺選別作業を円滑に進めることができる。
【0082】
また、運転スイッチSW1のON後において操作レバー32が第1操作位置にあって、籾摺部1が適正籾摺状態になると前記第1レバー操作方向表示手段L1が次工程操作状態を表示し、前記操作レバー32が第1操作位置32bから第2操作位置32cに操作された後、前記混合米選別部3の混合米タンク24に所定量以上の穀粒が溜まると、第2レバー操作方向表示手段L2を次工程操作状態表示にすることで、籾摺選別作業の開始から混合米選別部3の揺動選別板15の選別状態が適正化し仕上げ玄米の機外排出までの操作レバー32の操作タイミングを作業者に知らせることができ、籾摺作業能率を高めることができる。