特許第6108593号(P6108593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6108593
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】異物検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20170327BHJP
   G01N 21/898 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   G01N21/892 A
   G01N21/898 A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-236980(P2012-236980)
(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2014-85319(P2014-85319A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(72)【発明者】
【氏名】上野 孝太
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−216149(JP,A)
【文献】 特開平06−167458(JP,A)
【文献】 特開2012−090661(JP,A)
【文献】 特開2009−119022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 − G01N 21/958
G01B 11/00 − G01B 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が凹凸形状となっている、繊維材料を構成材料とする繊維シートを有する被検査物を走行させた状態下に、該シートの表面に存在する異物を検出する方法であって、
前記シートを有する被検査物の走行方向の上流側及び下流側の双方に投光器をそれぞれ設置して、各投光器から前記シートにおける検査対象面の同位置に向けて、走行方向と交差する方向に沿い且つ走行方向に所定の幅を有する線状の光を照射し、照射された光の拡散反射光を受光して、該拡散反射光の強度に基づき該検査対象面に異物が存在しているか否かを判断するステップを有し、
検査対象面に照射する光の入射方向を、該検査対象面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、
前記傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、検査対象面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする異物検出方法。
【請求項2】
検査対象面との直交方向上に受光器を配置して、拡散反射光のうち該直交方向を向く拡散反射光を受光する請求項1に記載の異物検出方法。
【請求項3】
前記シートにおいては、該シートの面内の少なくとも一方向に沿って凹部と凸部とが交互に配置されており、
前記一方向と交差する方向に沿って線状に光を照射する請求項1又は2に記載の異物検出方法。
【請求項4】
前記シートを有する被検査物の走行方向の上流側に設置された投光器からの光の入射角度と、下流側に設置された投光器からの光の入射角度とを同じにする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の異物検出方法。
【請求項5】
表面が凹凸形状となっている、繊維材料を構成材料とする繊維シートを、構成部材の一つとして有する吸収性物品の製造方法であって、
吸収性物品を製造する工程が、表面が凹凸形状となっている前記シートを走行させた状態下に、該シートの表面に異物が存在するか否かを検出する異物検出工程を有し、
前記異物検出工程は、前記シートの走行方向の上流側及び下流側の双方に投光器をそれぞれ設置して、各投光器から該シートにおける検査対象面の同位置に向けて、走行方向と交差する方向に沿い且つ走行方向に所定の幅を有する線状の光を照射し、照射された光の拡散反射光を受光して、該拡散反射光の強度に基づき該検査対象面に異物が存在しているか否かを判断するステップを有し、
検査対象面に照射する光の入射方向を、該検査対象面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、
前記傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、検査対象面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする、吸収性物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面が凹凸形状となっているシートを有する被検査物の表面に存在する異物を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シートの表面に存在する欠点を検出する方法として、投光器から発せられた光をシートに向けて照射し、その光の反射光を受光器で受け、反射光の強度に基づき欠点の存否を判断する方法が種々知られている。例えば特許文献1には、 凹み部や突出部等の欠点を有するシート状物の表面に光を照射する投光器と、前記シート状物の表面からの反射光を受光し、欠点情報を画像信号として出力する受光器と、前記受光器からの画像信号を処理する画像処理装置とを備えたシート状物の欠点検出装置を用いた欠点検出方法が記載されている。この欠点検出方法においては、前記シート状物表面に対する照射光の照射角が所定の傾斜角で傾斜しており、かつ照射光の照射点が欠点位置から所定距離だけオフセットされた位置を照射する位置に、投光器が設けられている。また、欠点からの反射光の反射角が、前記シート状物表面に対して70〜150度の範囲となる位置に受光器が設けられている。この方法によれば、シート状物に形成されている欠点の種類やその形状的特徴をより際立たせた反射光を生成することができ、かつ欠点の特徴を反射光によって的確に精度よく補捉できると、同文献には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−152416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1に記載の欠点検出方法は、対象物であるシート状物の表面が平坦面であることを前提としており、該平坦面に存在する凹部や該平坦面に付着した異物を検出することを目的としている。表面が元々凹凸形状になっている対象物の表面に存在する異物を、同文献に記載の検出方法で検出することは、照明の照射角度が原因で凸部による影が凹部にできることを意味し、すなわち凹凸シートが本来有している検出する必要のない凹部にできる影を、欠点として検出してしまうことになる。また、凹部にできる影を欠点として検出しないように閾値を設定することができるとしても、その検出精度を高くすることは容易でない。
【0005】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る異物検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表面が凹凸形状となっているシートを有する被検査物における該シートの表面に存在する異物を検出する方法であって、
前記シートにおける検査対象面に光を照射し、照射された光の反射光を受光して、該反射光の強度に基づき該検査対象面に異物が存在しているか否かを判断するステップを有し、
検査対象面に照射する光の入射方向を、該検査対象面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、
前記傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、検査対象面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする異物検出方法を提供するものである。
【0007】
また本発明は、表面が凹凸形状となっているシートを、構成部材の一つとして有する吸収性物品の製造方法であって、
吸収性物品を製造する工程が、表面が凹凸形状となっている前記シートの表面に異物が存在するか否かを検出する異物検出工程を有し、
前記異物検出工程は、前記シートにおける検査対象面に光を照射し、照射された光の反射光を受光して、該反射光の強度に基づき該検査対象面に異物が存在しているか否かを判断するステップを有し、
検査対象面に照射する光の入射方向を、該検査対象面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、
前記傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、検査対象面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする、吸収性物品の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表面が凹凸形状となっているシートを有する被検査物の表面に存在する異物を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、本発明の検査対象となるシートの一例を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すシートの断面図である。
図2図2は、本発明の検査対象となるシートの他の例を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の検査対象となるシートの更に他の例を示す斜視図である。
図4図4(a)及び(b)は、本発明の検査対象となるシートの更に他の例を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の検査対象となるシートの更に他の例を示す斜視図である。
図6図6(a)は、本発明に従い異物を検出する方法を示す概略図であり、図6(b)は、本発明の範囲外となる異物検出方法を示す概略図である。
図7図7は、投光器を2個用いて本発明に従い異物を検出する方法を示す概略図である。
図8図8は、ライン照明からなる投光器を2個用いて本発明に従い異物を検出する方法を示す概略図である。
図9図9は、図8に示す装置を含む異物検査システムを示す概略図である。
図10図10は、平坦なシートを加工して吸収性物品等の物品を製造する工程の中で該シートに凹凸形状を付与した後、付与された凹凸形状の部位に存在する異物を検出する方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の異物検出方法は、少なくとも一方の表面が凹凸形状となっているシート(以下「凹凸シート」とも言う。)を有する被検査物を検査の対象としている。被検査物は凹凸シートそのものであってもよく、あるいは凹凸シートを有する物品であってもよい。後者の場合には、凹凸シートは、物品の外面をなすように該物品に配置されている。いずれの場合であっても本発明の異物検出方法は、凹凸シートにおける隣り合う凸部の頂部間に主として存在する異物を検出するために用いられる。
【0011】
凹凸シートとしては、表面が凹凸形状になっているシート状物であればその種類に特に制限はない。凹凸シートは、繊維を構成材料とする繊維シートであってもよく、あるいはフィルムであってもよい。また凹凸シートは、2種以上の繊維シートの積層体や、2種以上のフィルムの積層体や、1種以上の繊維シートと1種以上のフィルムとの積層体であってもよい。
【0012】
凹凸シートは、一般にシート面内の少なくとも一方向に沿って凹部と凸部とが交互に規則的に又は不規則に配置された形態をしている。凹凸シートは、その一方の面にのみ凹凸形状を有していてもよく、あるいは両面に凹凸形状を有していてもよい。凹凸シートがその両面に凹凸形状を有する場合、一方の面における凹凸形状は、他方の面における凹凸形状と相補形状となっていてもよく、あるいはそうでなくてもよい。凹凸シートにおける凸部の内部はシートの構成材料で満たされた中実構造になっていてもよく、あるいは中空構造になっていてもよい。凹凸シートはその全域が凹凸形状になっていてもよく、あるいは一部に平坦面を有する凹凸形状のものであってもよい。後者の場合、本発明の異物検出方法の対象となる部位は凹凸形状を有する部位である。しかしこのことは、凹凸形状を有する部位に存在する異物に加えて、平坦面に存在する異物の検出を、本発明によって行うことを妨げるものではない。
【0013】
本発明で検出対象となる異物とは、凹凸シートの経済的価値を低める望ましくない物のことであり、例えば意図せず不可避的に凹凸シートに付着した固形の外来物や、凹凸シートから生じた不要な固形物をいう。より具体的には、ホットメルト接着剤や紙粉等の樹脂が炭化した黒色あるいは褐色の異物などが考えられる。この異物の大きさは、一般に0.1mm角以上、特に1mm角以上であり、10mm角以下、特に5mm角以下である。
【0014】
図1ないし図5には、本発明の異物検出方法の対象となる凹凸シートの例が示されている。言うまでもないが、本発明の異物検出方法の対象となる凹凸シートは、これらの図に示されるものに限られない。図1(a)及び(b)に示す凹凸シート10Aは、繊維シートからなる2層構造のものである。凹凸シート10Aは、第1繊維層と11と第2繊維層12との積層体から構成されている。第1繊維層11と第2繊維層12との間は、複数の接合部13によって接合されている。凹凸シート10Aは、第1繊維層11の側が略平坦面になっている一方、第2繊維層12の側が凹凸形状になっている。第2繊維層12の側においては、接合部13の位置が凹部101Aになっており、かつ複数の接合部13で取り囲まれた部位が凸部102Aになっている。第1繊維層11及び第2繊維層12の構成繊維は、その交点において接合されているか、又は接合されていない状態になっている。交点において繊維どうしが接合されている場合、その接合様式としては、例えばエアスルー法による熱融着や、接着剤による接着などが挙げられる。
【0015】
凸部102Aは、凹凸シート10Aの平面視において略円形をしている。凹部101Aも平面視において略円形をしている。凹部101Aと凸部102Aとは、凹凸シート10Aの平面内の一方向Xに沿って交互に配置されている。また凹部101Aと凸部102Aとは、平面内においてX方向と直交する方向であるY方向に沿っても交互に配置されている。凸部102A内は、主として第2繊維層12を構成する繊維で満たされている。
【0016】
図2に示す凹凸シート10Bは、第1シート16及び第2シート17からなる2層構造のものである。凹凸シート10Bは、第2シート17の立体賦形によって、実質的に平坦な第1シート16上に、第2シート17からなる複数の凸部102Bを有する。これとともに、凸部102B間に凹部101Bを有している。したがって凹凸シート10Bにおける第2シート17の側は凹凸形状になっている。凹部101Bにおいて、第1シート16と第2シート17とは接合されている。凸部102B及び凹部101Bは、凹凸シート10Bの平面内の一方向Xに沿って交互に配置されているとともに、平面内においてX方向と直交するY方向にも交互に配置されている。各凸部102Bの内部は中空になっている。各凸部102Bは、稜線が丸みを帯びた略直方体状をしている。凹部101Bは平面視において矩形をしている。第1シート16及び第2シート17は、それぞれ独立に繊維シートから構成されているか、又はフィルムから構成されている。
【0017】
図3に示す凹凸シート10Cは単層構造又は多層構造のものである。凹凸シート10Cは、繊維シートから構成されているか、フィルムから構成されているか、又は繊維シートとフィルムとの積層体から構成されている。凹凸シート10Cには、一方向に延びる直線状の複数条の第1凹部101Caが互いに平行に形成されている。更に凹凸シート10Cには、第1凹部101Caの延びる方向と異なる方向に延びる直線状の複数条の第2凹部101Cbが互いに平行に形成されている。第1凹部101Ca及び第2凹部101Cbは、これらが交差することで格子状の連続した凹部101Cを形成している。そして第1凹部101Ca及び第2凹部101Cbによって取り囲まれた領域が凸部102Cになっている。凸部102Cは、平面視して略矩形になっている。凹部101C及び凸部102Cは、凹凸シート10Cの少なくとも一方の面に形成されている。また凹部101C及び凸部102Cは、凹凸シート10Cの平面内における一方向Xに沿って交互にかつ規則的に配置されている。また、凹部101C及び凸部102Cは、平面内におけるX方向と直交する方向であるY方向に沿っても交互にかつ規則的に配置されている。
【0018】
図4(a)に示す凹凸シート10Dは、これまで説明してきたものと異なり、一方向に長い凸部102Dと、同様に一方向に長い凹部101Dとが交互に配置されている。凸部102Dの延びる方向と凹部101Dの延びる方向とは同じになっている。凹凸シート10Dは、第1シート23及び第2シート24の2層構造からなり、第2シート24側の面が平坦面になっているとともに、第1シート23側の面が凹凸形状になっている。第2シート24は平坦なシートであり、第1シート23は波形形状をしている。そして、波形をしている第1シート23は、その底部の位置において第1シート24と接合している。凹凸シート10Dは、図4(a)中、凸部102D及び凹部101Dの延びる方向と直交する方向であるX方向に沿って凸部102Dと凹部101Dとが交互に配置されている。凸部102Dにおける第1シート23と第2シート24との間は中空になっている。第1シート23及び第2シート24としては、それぞれ独立に繊維シート又はフィルムが用いられる。
【0019】
図4(b)は、図4(b)に示す凹凸シート10Dの変形例を表すものである。図4(b)に示す凹凸シート10Eにおいては、凸部102Eにおける第1シート23と第2シート24との間が中実構造になっている。第1シート23と第2シート24との間には、繊維材料やその他の材料(例えば粉体等)が充?されている。なお、図4(b)及び先に述べた図4(a)においては、凹部101Eの位置に、該凹部101Eの延びる方向に沿って間欠的に複数の開孔が設けられていてもよい。
【0020】
図5に示す凹凸シート10Fは、1枚の波形シートから構成されている。凹凸シート10Fには、一方向に長い凸部102Fと、同様に一方向に長い凹部101Fとが交互に配置されている。凸部102Fの延びる方向と凹部101Fの延びる方向とは同じになっている。凹凸シート10Fは、図5中、凸部102F及び凹部101Fの延びる方向と直交する方向であるX方向に沿って凸部102Fと凹部101Fとが交互に配置されている。
【0021】
図6(a)には、以上の各凹凸シートを有する被検査物について、異物の存在の有無を検出する方法の概略図が示されている。本発明の異物検出方法においては、凹凸シート100を平面状に広げた状態において、該凹凸シート100の検査対象面100aに投光器31から発せられた光を照射し、照射光Iの反射光Rを受光器32によって受光して、反射光Rの強度に基づき検査対象面100aに異物(図示せず)が存在しているか否かを判断する。反射光Rを受光する受光器32は、凹凸シート100の検査対象面100aとの直交方向上に配置することが、拡散反射光を効率良く受光できる観点から好ましいが、検査対象面100aとの直交方向に対して±20度の範囲で傾斜していてもよい。なお、検査対象面100aとの直交方向とは、凹凸シート100を平面状に広げて巨視的に見たときの該シート100の平面に対して直交する線のことであり、検査対象面100aを微視的に見たときの凹凸の法線ではないことに留意すべきである。
【0022】
異物は隣り合う凸部102の頂部間に存在していることが多い。例えば隣り合う凸部102の頂部間に位置する凹部101の最低部に異物が存在していることがある。隣り合う凸部102の頂部間に異物が存在している場合には、反射光Rが異物によって散乱される結果、異物が存在していない場合に比較して反射光Rの強度が変化する。具体的には、異物が存在している箇所は、異物が存在していない箇所に比べて反射光の強度は低くなる。したがって例えば、反射光Rの強度に予め閾値を設けておき、反射光Rの強度が閾値を超えたか否かで、異物の存在の有無を判断することができる。具体的には、反射光Rの強度が閾値を下回った場合、異物が存在すると判断することができる。そこで本発明の異物検出方法では、表面が凹凸形状となっているシートを有する被検査物における該シートの表面に存在する異物を検出する工程中に、該シートにおける検査対象面に光を照射し、照射された光の反射光を受光して、該反射光の強度に基づき該検査対象面に異物が存在しているか否かを判断するステップを有している。この方法においては、検査対象面に照射する光の入射方向を、該検査対象面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、該傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、検査対象面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする。以下、この異物検出方法の詳細を説明する。
【0023】
本発明の方法が、従来の異物検出方法、すなわち平坦な表面を有するシートに存在する異物を検出する方法と異なる点の一つとして、照射光Iの入射方向及び入射角度が挙げられる。本発明においては、検出対象面が凹凸形状になっているので、シート面に対する照射光Iの入射角度が小さい場合には、図6(b)に示すとおり、照射光Iが凸部102によって遮られてしまう。その結果、異物が存在しない場合であっても、照射光Iが遮られることに起因して反射光Rの強度が低くなり、異物が存在していると誤判断されてしまう。そこで本発明においては、図6(a)に示すとおり、検査対象面100aに照射する照射光Iの入射方向を、検査対象面100aとの直交方向Hに対して所定角度傾斜させる。そしてこの傾斜角度を、1つの凹部101の中心点からその最近傍に位置する凸部102へ引いた接線Sと、検査対象面100aとの直交方向Hとがなす角度θよりも小さくする。このように照射光Iを入射させることで、照射光Iが凸部102によって遮られることが効果的に防止されるので、凹部101に存在する異物の有無を誤判断することなく正確に判断することができる。この観点から、入射角度はθの90%以下、特に70%以下とすることが好ましい。入射角度の下限値は、θの5%以上、特に10%以上とすることが好ましい。例えば入射角度を、θの5%以上90%以下、特にθの10%以上70%以下とすることができる。この範囲の入射角度を採用することで、投光器31と受光器32との設置スペースを十分に確保した上で、異物の存在を正確に判断することができる。
【0024】
投光器31から発せられる照射光Iは線状が好ましい。線状の照射光Iを入射させる場合には、線状の該照射光Iの延びる方向を、凹凸シート100における凹部101と凸部102とが、該シート100の面内の一方向に沿って交互に配置されている該一方向と交差させることが好ましい。特に、線状の照射光Iの延びる方向を、凹部101と凸部102とが交互に配置されている方向と直交させることが好ましい。例えば先に説明した図1ないし図3に示す凹凸シート10A,10B,10Cにおいては、線状の照射光Iの延びる方向を、X方向又はY方向と直交させることが好ましい。図4及び図5に示す凹凸シート10D,10Eにおいては、線状の照射光Iの延びる方向を、X方向と直交させることが好ましい。
【0025】
線状の照射光Iは、図6(a)及び(b)におけるX方向に所定の幅を有するものである。したがって照射光Iの反射光もX方向に所定の幅を有するものになる。これらの図において照射光I及び反射光Rを表す線は、それらの光の中心位置を示している。
【0026】
線状の照射光Iの照射範囲は、凹凸シート100の検査すべき幅方向(Y方向)の領域を、十分照射できるように設定することが好ましい。凹凸シート100の検査すべき幅方向の長さが200mmである場合には、線状の照射光Iの照射範囲を200mm以上とすればよい。なお本発明においては、線状の照射光Iに代えてスポット状の照射光Iを入射させることもできる。その場合には、受光器32は、スポット状の反射光Rを受光する。スポット状の照射光Iの照射範囲は、凹凸シート100の検査すべき幅方向の領域を、十分照射できるように設定することが好ましい。必要な場合、スポット状の光源を、凹凸シート100の検査すべき幅方向(Y方向)に沿って列状に複数配置してもよい。
【0027】
本発明の異物検出方法においては、凹凸シート100を平面状に広げて静止させた状態で、異物の検出を行うことができる。あるいは、凹凸シート100を一方向に向けて走行させた状態下に、異物の検出を行うことができる。いずれの場合であっても、凹凸シート100は毎葉のものであってもよく、あるいは長尺帯状のものであってもよい。凹凸シート100を走行させつつ異物の検出を行う場合には、凹凸シート100における凹部101と凸部102とが交互に配置される方向と同方向に、凹凸シート100を走行させることが好ましい。線状の照射光Iを入射させる場合には、凹凸シート100の走行方向と、線状の照射光Iの延びる方向とを交差させることが好ましく、該走行方向と該照射光Iの延びる方向とを直交させることが更に好ましい。
【0028】
本発明の異物検出方法においては、投光器を1個又は2個以上用いることができる。2個以上の投光器を用いる場合には、例えば凹凸シート100を走行させつつ異物を検出するときに、図7に示すとおり、走行方向Cの上流側及び下流側の双方に投光器31A,31Bをそれぞれ設置して、各投光器31A,31Bから検査対象面100aの同位置に向けて光を照射することができる。この場合、走行方向Cの上流側に設置された投光器31Aから発せられる照射光Iと、検査対象面100aとの直交方向Hとがなす角度θ1は、上述したθよりも小さく設定される。同様に、走行方向Cの下流側に設置された投光器31Bから発せられる照射光Iと、検査対象面100aとの直交方向Hとがなす角度θ2も、上述したθよりも小さく設定される。θ1とθ2とは同じに設定してもよく、あるいは異なる角度に設定してもよい。
【0029】
図8には、線状の照射光Iの照射が可能な投光器を2個用い、凹凸シート100を走行させつつ異物を検出するための装置の概略図が示されている。同図においては、長尺帯状の凹凸シート100を矢印Cで示す方向に走行させている。凹凸シート100は、平面状に広げられた状態で走行する。凹凸シート100の一方の面である検出対象面100a(この面は凹凸形状になっている)に対向して、受光器32が設置されている。受光器32は、検出対象面100aから所定距離を隔てて該検出対象面100aの直上に位置している。そして、受光器32は、検出対象面100aにおいて反射された光のうち、該検出対象面100aと直交する方向を向く反射光(拡散反射光)を受光するようになされている。
【0030】
2個の投光器31A,31Bとしてはライン照明が用いられている。ライン照明は、線状の光の照射が可能な構造をしている。投光器31A,31Bから発せられた線状の照射光は、凹凸シート100の検出対象面100aの同位置に向けて照射される。各投光器31A,31Bから発せられた線状の照射光の延びる方向は、凹凸シート100の走行方向Cと直交している。各投光器31A,31Bから発せられた線状の照射光は、検出対象面100a上において互いに重なり合い、検出対象面100を線状に照らす。線状に照らされた検出対象面100aにおいて反射した反射光のうち、該検出対象面100aと直交する方向を向く反射光(拡散反射光)は、受光器32によって受光される。受光器32は、線状の反射光を一度に受光できる構造になっている。そのような構造の受光器32としては、例えばラインスキャンカメラと呼ばれるCCDカメラが挙げられるが、これに制限されるものではない。図8に示すように2つの投光器31A,31Bを用いることで、凹凸シート100における凹部及び凸部の高さや大きさ等にばらつきがあった場合であっても、精度よく異物の有無を検出することができるという利点がある。なお、図7及び図8において照射する線状の照射光Iは、先に述べたとおり、走行方向Cに沿って所定の幅を有するものである。したがって照射光Iの反射光も走行方向Cに所定の幅を有するものになる。これらの図において照射光I及び反射光Rを表す線は、それらの光の中心位置を示している。
【0031】
図9には、図8に示す装置を含む異物検査システムの概略図が示されている。長尺帯状の凹凸シート100は、無端コンベアベルト40からなる搬送手段によって矢印Cで示される方向に搬送される。コンベアベルト40にはエンコーダ41が取り付けられており、該エンコーダ41によって凹凸シート100の走行速度に応じた速度信号が発生する。速度信号は画像処理手段42に送られる。速度信号は、後述する受光器32によって取得された一次元の画像信号に基づき二次元の画像を生成させるために用いられる。
【0032】
ライン照明からなる2個の投光器31A,31Bは、照明コントローラ43に接続されており、該コントローラ43によって該投光器31A,31Bの制御、例えば点灯の制御や照射光の照度の制御等がなされる。投光器31A,31Bの光源に特に制限はない。光源としては例えば発光ダイオード、蛍光灯及びハロゲンランプなどを用いることができる。
【0033】
ラインカメラからなる受光器32によって受光された拡散反射光は、該受光器32において画像信号に変換され、上述した画像処理手段42に送られる。画像処理手段42においては、一次元の画像信号を、エンコーダ41によって取得された速度信号に基づき時系列的に蓄積して二次元画像を得る画像処理が行われる。次いで画像処理によって得られた二次元画像に基づき、異物の存在の有無が判断される。判断結果に基づいて良否信号が発生し、該良否信号は制御装置44へ送られる。異物が存在すると判断された場合には、良否信号のデータ中に、異物の存在位置のデータを含むこともできる。
【0034】
以上の処理を行っている間、凹凸シート100は加工装置45に搬送されて、該凹凸シート100に所定の加工が施される。例えば凹凸シート100を表面シートとして用いた吸収性物品が製造される。加工装置45によって加工されて得られた物品46は、選別装置47に搬送される。選別装置47は、制御装置44から発せられた排出信号を受信する。制御装置44は、画像処理装置42から受信された良否信号に基づき、物品46のうち、異物を含んだ部位が選別装置47に到達したら、該物品46を不良品48として排出する排出信号を選別装置47に送信する。排出信号を受信した選別装置47は、異物を含む物品を不良品48として加工ライン外へ排出する。このようにして良品49のみが得られる。
【0035】
以上の説明は、凹凸シート100を単独の状態で検査したものであったが、先に述べたとおり、本発明の異物検査方法は、凹凸シートを有する物品を検査対象としてもよい。例えば、図9に示す検査システムにおいて、加工装置45によって得られた物品46を検査対象として、該物品46の外表面に位置する凹凸シート100を検査対象物として用い、該凹凸シート100の表面に存在する異物を検出することもできる。
【0036】
また本発明の異物検査方法においては、加工前は凹凸形状を有さないシートを加工して吸収性物品等の物品を製造する工程の中で該シートに凹凸形状を付与した後、付与された凹凸形状の部位に存在する異物を検出することもできる。例えば図10に示す生理用ナプキン50等の吸収性物品の製造において、表面シート51として用いられる平坦なシート(不織布や穿孔フィルム等)を圧搾加工して、同図に示す凹凸形状を有する圧搾溝52を該シートに形成した後、該圧搾溝52内に存在する異物(図示せず)を検出することができる。圧搾溝52は、高圧搾部52aと低圧搾部52bとが、該圧搾溝52の延びる方向に沿って交互に配置された構造を有している。高圧搾部52aは低圧搾部52bよりも強く圧搾されており、それに起因して低圧搾部52bよりも表面シート51の平坦面51aから低い位置にある。その結果、表面シート51は高圧搾部52aを凹部とし、かつ低圧搾部52bを凸部とする凹凸形状を有している。
【0037】
このように、本発明は、表面が凹凸形状となっているシートを、構成部材の一つとして有する吸収性物品の製造方法であって、吸収性物品を製造する工程が、表面が凹凸形状となっている前記シートの表面に光を照射し、照射された光の反射光を受光して、該反射光の強度に基づき該表面に異物が存在するか否かを判断するステップを有する異物検出工程を備えた製造方法にも適用することができる。この製造方法においては、上述したとおり、前記表面に照射する光の入射方向を、該表面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、該傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、該表面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする。
【0038】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、受光器32を、検査対象面との直交方向上に受光器を配置して、反射光のうち該法線の方向を向く反射光を受光するようにしたが、該直交方向以外の方向を向く反射光を受光するようにしてもよい。
【0039】
また前記実施形態は、凹凸シートを用いて吸収性物品を製造する過程において、本発明の異物検査方法を適用した例であるが、本発明の異物検査方法は、吸収性物品の構成部材として用いられる凹凸シート以外の凹凸シートにも適用することができる。
【0040】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の異物検出方法及び吸収性物品の製造方法を開示する。
<1> 表面が凹凸形状となっているシートを有する被検査物における該シートの表面に存在する異物を検出する方法であって、
前記シートにおける検査対象面に光を照射し、照射された光の反射光を受光して、該反射光の強度に基づき該検査対象面に異物が存在しているか否かを判断するステップを有し、
検査対象面に照射する光の入射方向を、該検査対象面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、
前記傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、検査対象面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする異物検出方法。
【0041】
<2> 前記シートを平面状に広げた状態において、該シートの検査対象面に投光器から発せられた光を照射し、照射光の反射光を受光器によって受光して、反射光の強度に基づき検査対象面に異物が存在しているか否かを判断する前記<1>に記載の異物検出方法。
<3> 受光器が、検査対象面との直交方向に対して±20度の範囲に配置されている前記<1>又は<2>に記載の異物検出方法。
<4> 検査対象面との直交方向上に受光器を配置して、反射光のうち該直交方向を向く反射光を受光する前記<1>又は<2>に記載の異物検出方法。
<5> 反射光の強度に予め閾値を設けておき、反射光の強度が閾値を超えたか否かで異物の存在の有無を判断する前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の異物検出方法。
【0042】
<6> 1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線Sと、検査対象面との直交方向Hとがなす角度をθとしたとき、入射光の入射角度をθの90%以下、特に70%以下とすることが好ましく、θの5%以上、特に10%以上とすることが好ましく、入射角度をθの5%以上90%以下、特にθの10%以上70%以下とする前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<7> 前記シートが毎葉のものであるか、又は長尺帯状のものである前記<1>ないし<6>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<8> 前記シートが、シート面内の少なくとも一方向に沿って凹部と凸部とが交互に規則的に又は不規則に配置された形態をしている前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<9> 凸部は、前記シートの平面視において略円形をしており、凹部も平面視において略円形をしている前記<8>に記載の異物検出方法。
【0043】
<10> 凸部及び凹部は、前記シートの平面内の一方向Xに沿って交互に配置されているとともに、平面内においてX方向と直交するY方向にも交互に配置されている前記<8>又は<9>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<11> 前記シートの凸部の内部が中空になっている前記<1>ないし<10>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<12> 前記シートが、第1シート及び第2シートからなる2層構造のものである前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<13> 前記シートが、繊維シートから構成されているか、フィルムから構成されているか、又は繊維シートとフィルムとの積層体から構成されている前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<14> 前記シートにおいては、該シートの面内の少なくとも一方向に沿って凹部と凸部とが交互に配置されており、
前記一方向と交差する方向に沿って線状に光を照射する前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の異物検出方法。
【0044】
<15> 凹部と凸部とが交互に配置されている方向と同方向に前記シートを有する被検査物を走行させた状態下に、走行方向と交差する方向に沿う線状の光を照射する前記<14>に記載の異物検出方法。
<16> 前記シートを一方向に向けて走行させた状態下に異物の検出を行い、
照射光として線状の照射光を用い、
前記シートの走行方向と照射光の延びる方向とを直交させる前記<15>に記載の異物検出方法。
<17> 照射光を照射する投光器を1個又は2個以上用いる前記<1>ないし<16>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<18> 前記シートを有する被検査物の走行方向の上流側及び下流側の双方に投光器をそれぞれ設置して、各投光器から検査対象面の同位置に向けて光を照射する前記<17>に記載の異物検出方法。
<19> 前記シートを有する被検査物の走行方向の上流側に設置された投光器からの光の入射角度θ1と、下流側に設置された投光器からの光の入射角度θ2とを同じにする前記<18>に記載の異物検出方法。
<20> 前記シートを有する被検査物の走行方向の上流側に設置された投光器からの光の入射角度θ1と、下流側に設置された投光器からの光の入射角度θ2とを異ならせる前記<19>に記載の異物検出方法。
【0045】
<21> 各投光器から発せられた線状の照射光が、検出対象面上において互いに重なり合い、検出対象面を線状に照らすように各照射光を照射する前記<18>ないし<20>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<22> 照射光として、線状の照射光を用い、
受光器として、線状の反射光を一度に受光できる構造になっているものを用いる前記<1>ないし<21>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<23> 受光器としてCCDカメラを用いる前記<22>に記載の異物検出方法。
<24> 長尺帯状の前記シートを一方向に搬送させ、該シートの搬送中に、該シートの走行速度に応じた速度信号を発生させ、該速度信号を、受光器によって取得された一次元の画像信号に基づき二次元画像を生成させるために用いる前記<1>ないし<23>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<25> ラインカメラからなる受光器によって拡散反射光を受光し、受光された拡散反射光を一次元の画像信号に変換し、該画像信号を前記速度信号に基づき時系列的に蓄積して二次元画像を得る前記<24>に記載の異物検出方法。
【0046】
<26> 投光器を照明コントローラに接続しておき、該コントローラによって該投光器を制御する前記<24>又は<25>に記載の異物検出方法。
<27> 前記二次元画像に基づいて異物の有無の良否信号を発生させ、該良否信号に基づき、物品のうち異物を含んだ部位が選別装置に到達したら、該物品を不良品として加工ライン外へ排出する前記<24>ないし<26>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<28> 凹凸シートを有する物品を検査対象とする前記<1>ないし<27>のいずれか1に記載の異物検出方法。
<29> 加工前は凹凸形状を有さないシートを、物品を製造する工程の中で加工して該シートに凹凸形状を付与した後、付与された凹凸形状の部位に存在する異物を検出する前記<1>ないし<28>のいずれか1に記載の異物検出方法。
【0047】
<30> 表面が凹凸形状となっているシートを、構成部材の一つとして有する吸収性物品の製造方法であって、
吸収性物品を製造する工程が、表面が凹凸形状となっている前記シートの表面に異物が存在するか否かを検出する異物検出工程を有し、
前記異物検出工程は、前記シートにおける検査対象面に光を照射し、照射された光の反射光を受光して、該反射光の強度に基づき該検査対象面に異物が存在しているか否かを判断するステップを有し、
検査対象面に照射する光の入射方向を、該検査対象面との直交方向に対して所定角度傾斜させ、
前記傾斜角度を、前記凹凸形状をなす凹凸における1つの凹部の中心点からその最近傍に位置する凸部へ引いた接線と、検査対象面との直交方向とがなす角度θよりも小さくする、吸収性物品の製造方法。
【符号の説明】
【0048】
10A,10B,10C,10D,10E,100 凹凸シート
100a 検出対象面
31,31A,31B 投光器
32 受光器
101 凹部
102 凸部
I 照射光
R 反射光
H 法線
S 接線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10