(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6108625
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】キャリアグレードピアツーピア(P2P)ネットワークシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/02 20090101AFI20170327BHJP
H04W 4/24 20090101ALI20170327BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20170327BHJP
【FI】
H04W76/02
H04W4/24
H04W92/18
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-153725(P2014-153725)
(22)【出願日】2014年7月29日
(62)【分割の表示】特願2011-506482(P2011-506482)の分割
【原出願日】2009年4月24日
(65)【公開番号】特開2015-19379(P2015-19379A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2014年8月25日
(31)【優先権主張番号】61/048,023
(32)【優先日】2008年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】510279365
【氏名又は名称】ゼットティーイー (ユーエスエー) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マー, ラリー, シャオヤン
(72)【発明者】
【氏名】ズー, ウェイヨン
(72)【発明者】
【氏名】モー, リー
【審査官】
三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−135300(JP,A)
【文献】
特表2008−533564(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02045972(EP,A1)
【文献】
特表2008−510341(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/143900(WO,A1)
【文献】
特開2004−248193(JP,A)
【文献】
特開2005−136627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングネットワークであって、
コードを有する複数のピアコンピューティングデバイス(310、320)であり、前記コードが、ピアコンピューティングデバイス(310、320)によって実行されると、前記実行しているピアコンピューティングデバイスに対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つの他のピアコンピューティングデバイスと協働させる、複数のピアコンピューティングデバイスと、
コードを有する少なくとも1つのサーバであり、前記コードが、前記少なくとも1つのサーバによって実行されると、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つの位置を特定する、少なくとも1つのサーバと、
コードを有する少なくとも1つの仲介部(350)であり、前記コードが、前記少なくとも1つの仲介部によって実行されると、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのサービス提供ピアとサービス享受ピアとの両方から課金情報を収集してオフライン課金プラットフォームの形態をとる、少なくとも1つの仲介部(350)と、
少なくとも1つの他のIPベースネットワークに通信可能に連結され且つコードを有する少なくとも1つのIPインターワーキングゲートウェイ(60)であって、前記コードが、該少なくとも1つのIPインターワーキングゲートウェイ(60)によって実行されると、前記実行しているIPインターワーキングゲートウェイ(60)に対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つと協働させる、少なくとも1つのIPインターワーキングゲートウェイ(60)と、
を具備しており、
前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)、前記少なくとも1つのサーバ及び前記少なくとも1つの仲介部(350)が、少なくともキャリアグレードの通信ネットワークを介して通信可能に連結され、
前記少なくともキャリアグレードの通信ネットワークは、99.999%の可用性基準を満たすか又はそれを超え、冗長性により50ミリ秒未満の障害回復を提供し、
前記キャリアグレードの通信ネットワークが、選択的に、サービスクラスの変更の要求の後にはベストエフォートグレード通信を提供し、前記サービスクラスの変更の要求の前にはキャリアグレード通信を提供する、コンピューティングネットワーク。
【請求項2】
前記少なくとも1つの仲介部(350)がコードを有し、前記コードが、前記少なくとも1つの仲介部(350)によって実行されると、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの前記協働するピアコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つから課金情報を収集する、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項3】
前記少なくとも1つの仲介部が、前記収集された課金情報を示す情報を、前記キャリアグレードの通信ネットワークに対応する請求システムに提供する、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項4】
前記キャリアグレードの通信ネットワークが、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのいくつかの間に無線リンクを備える、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項5】
前記キャリアグレードの通信ネットワークがIPベースネットワークを備える、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項6】
前記IPインターワーキングゲートウェイ(60)が、前記キャリアグレードの通信ネットワークを介して前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)に通信可能に連結される、請求項5に記載のネットワーク。
【請求項7】
少なくとも1つの他の非IPベースネットワークに通信可能に連結され且つコードを有する少なくとも1つの非IPインターワーキングゲートウェイ(50)であって、前記コードが、前記少なくとも1つの非IPインターワーキングゲートウェイ(50)によって実行されると、前記実行している非IPインターワーキングゲートウェイ(50)に対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つと協働させる、少なくとも1つの非IPインターワーキングゲートウェイ(50)
をさらに具備し、
前記非IPインターワーキングゲートウェイ(50)が、前記キャリアグレードの通信ネットワークを介して前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)に通信可能に連結される、請求項5に記載のネットワーク。
【請求項8】
前記少なくとも1つの課金仲介部に通信可能に連結され且つコードを有するユーザ認証及び認可コンピューティングデバイスであって、前記コードが、前記認証及び認可コンピューティングデバイスによって実行されると、ピアコンピューティングデバイスを認可する、ユーザ認証及び認可コンピューティングデバイスをさらに具備する、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項9】
前記ユーザ認証及び認可コンピューティングデバイス(120)がデジタルトークンを提供し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくともいくつかが、前記デジタルトークンの受信に応答して、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つが提供することができるサービスと、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つが属しているサービスグループとのうちの少なくとも1つを決定する、請求項8に記載のネットワーク。
【請求項10】
前記ピアコンピューティングデバイスのうちの前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つがコードを有し、前記コードが、前記少なくとも1つの協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)によって実行されると、前記少なくとも1つの協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)に対しサービスクラスの変更を要求させる、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項11】
前記要求している少なくとも1つの協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)に対し、前記キャリアグレードの通信ネットワークが、選択的に、前記サービスクラスの変更の要求の前にベストエフォート通信を提供し、前記サービスクラスの変更の要求の後にキャリアグレード通信を提供する、請求項10に記載のネットワーク。
【請求項12】
前記キャリアグレードの通信ネットワークに通信可能に連結され且つコードを有するサービス品質調整部(330、340)であって、前記コードが、前記少なくとも1つのサービス品質調整部(330、340)によって実行されると、前記少なくとも1つのサービス品質調整部(330、340)に対し、前記キャリアグレードの通信ネットワークが、選択的に、前記サービスクラスの変更の要求の前にはベストエフォートグレード通信を提供し、前記サービスクラスの変更の要求の後にはキャリアグレード通信を提供するようにさせる、サービス品質調整部をさらに具備する、請求項11に記載のネットワーク。
【請求項13】
前記少なくとも1つの仲介部のコードが収集した課金情報が、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのピアコンピューティングデバイスからのサービス要求に関連する、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項14】
前記少なくとも1つの仲介部のコードが収集した課金情報が、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのピアコンピューティングデバイスに提供されたサービスに関連する、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項15】
少なくとも1つのコンピュータ可読媒体中で有形に具現化され、且つ少なくともキャリアグレードの通信ネットワークで使用されるコンピューティングデバイス実行可能コードを有するコンピュータプログラムであって、前記少なくともキャリアグレードの通信ネットワークは、99.999%の可用性基準を満たすか又はそれを超え、冗長性により50ミリ秒未満の障害回復を提供するものであり、
前記コードが、
複数のピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくともいくつかに対し、前記キャリアグレードの通信ネットワークを介して互いに協働して、ピアツーピアプリケーションサポートを提供させるコードと、
少なくとも1つの仲介部(350)に対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのサービス提供ピアとサービス提供ピアとの両方から課金情報を収集させてオフライン課金プラットフォームの形態をとらせ、前記収集した課金情報の少なくとも一部を示すデータを、前記キャリアグレードの通信ネットワークに関連する請求システム(220)へ提供させるコードと、
少なくとも1つのサービス品質調整部(330、340)に対し、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つからサービス品質変更要求を受けさせるとともに、前記受けた要求に応答して、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つに関連するサービスクラスを変更させるコードと、
前記キャリアグレードの通信ネットワークに対し、前記協動するピアコンピューティングデバイス(310、320)間のベストエフォートグレードの通信を提供させるコードと、
前記キャリアグレードの通信ネットワークに対し、選択的に、前記サービスクラスの変更の要求の後にはベストエフォートグレード通信を提供させ、前記サービスクラスの変更の要求の前にはキャリアグレード通信を提供させるコードと、
を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[01]本発明は、概してネットワーキングに関し、より詳細には、キャリアグレードピアツーピア(P2P)ネットワーキングに関する。
【0002】
[02]ピアツーピア(P2P)ネットワークアーキテクチャの背後にある基本原理は、ネットワークが提供するアプリケーションサーバ機能が、通常、大量の自律分散ネットワークノードとピアと呼ばれるエンドノードとによって実装され、それらが互いに協働して指定されたタスクを達成する、というものである。P2Pベースのネットワークアーキテクチャでは、各ピアは、通常、システム内のクライアントであると同様にサーバのような機能及びサービスを提供する。このように、集中エンティティが提供するサービス又はリソースが、代りにシステムのピアから入手可能である。こうした構成は、従来のクライアント・サーバアーキテクチャ(たとえば、公衆交換電話網(public switched telephone network)(PSTN)又はIPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem)(IMS))とは対照的である。後者では、多数のクライアントが、指定されたタスクを実行する役割を担う、少数の集中した厳重に管理されたサーバのみと通信する。
【0003】
[03]P2Pアプリケーションは、通信事業者に対し、しばらくの間以下の点でますます困難になっている難題を課してきた。すなわち、少なくとも、P2Pアプリケーションは通信ネットワークに極めて大量のトラフィックをもたらす可能性があり、その結果、ネットワーク管理問題が発生し、設備投資及び運用経費の両方が増大する点、及びP2P事業者によって提供される無料又は略無料のインターネット音声サービス等、いくつかのP2Pアプリケーションによって収益の損失がもたらされるという点である。実際には、P2Pトラフィックは、総インターネットトラフィックの50〜90パーセントを占める可能性がある。したがって、バイラルP2Pアプリケーションにより、通信事業者に著しい収益の損失をもたらす可能性があり、帯域幅及び容量の必要を満足させるために、設備投資及び運用経費の両方の増大が必要となる可能性がある。
【0004】
[04]さらに、いわゆるウェブ2.0アプリケーションの使用が増大している。しかしながら、通信事業者は、概して、これらアプリケーションから著しい利益を得てはいない。これは、現通信ネットワークアーキテクチャが、一般にインターネットアプリケーション、特にP2Pアプリケーションに適していないためである可能性がある。
【0005】
[05]通信ネットワーク事業者は、通常、P2Pトラフィックを遮断するか又は遅延させる等により、P2Pアプリケーションに公平な扱いをしてこなかったか、又はこの問題に対処してこなかった。別の解決法が望まれる。
【発明の概要】
【0006】
[06]コードを有する複数のピアコンピューティングデバイスであり、コードが、ピアコンピューティングデバイスによって実行されると、その実行しているピアコンピューティングデバイスに対し、ピアコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つの他のピアコンピューティングデバイスと協働させる、複数のピアコンピューティングデバイスと、コードを有する少なくとも1つのサーバであり、コードが、少なくとも1つのサーバによって実行されると、ピアコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つの位置を特定する、少なくとも1つのサーバと、コードを有する少なくとも1つの仲介部であり、コードが、少なくとも1つの仲介部によって実行されると、ピアコンピューティングデバイスのうちの少なくともいくつかから課金情報を収集する、少なくとも1つの仲介部とを有するコンピューティングネットワークであって、ピアコンピューティングデバイス、少なくとも1つのサーバ及び少なくとも1つの仲介部は、少なくともキャリアグレードの通信ネットワークを介して通信可能に連結され、少なくともキャリアグレードの通信ネットワークは、ピアコンピューティングデバイスのうちの協働するピアコンピューティングデバイス間のベストエフォート通信と比較して、ピアコンピューティングデバイスのうちの協働するピアコンピューティングデバイス間の協働を高度化することに適している。
【0007】
[07]添付図面と共に本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を考慮することにより、本発明の理解が容易になる。図面において、同様の数字は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態によるキャリアグレードピアツーピア(P2P)ネットワークの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による動的QoSプロセスに対応する選択メッセージングの概略図である。
【
図3】本発明の実施形態による動的QoSプロセスに対応する選択メッセージングの概略図である。
【0009】
[11]本発明の好ましい実施形態の図面及び説明は、本発明が明確に理解されるように関連する要素を例示するために簡略化しており、明確にする目的で、典型的なネットワーキング並びにP2Pネットワーク、システム及び方法において見られる他の多くの要素については述べていないことが理解されるべきである。こうした要素は本技術分野において周知であるため、且つそれらは本発明のよりよい理解を助けるものではないため、本明細書では説明しない。
【0010】
[12]
図1は、本発明の実施形態によるキャリアグレードピアツーピア(P2P)通信ネットワーク10の概略図を示す。限定しない説明の目的のために、キャリアグレードネットワークは、概して、非常に高水準の信頼性を示す「キャリアグレード」又は「キャリアクラス」要件を満足させる。キャリアグレードネットワークは、通常、「99.999%」の可用性基準を満たすか又はそれを超え、冗長性によって非常に高速な(およそ
50ミリ秒未満等)障害回復を提供することができる。これは、インターネット等のベストエフォート型の通信システムとは対照的である。後者の場合、個々のリンク又はレッグが類似したサービスを提供することができるが、エンドツーエンド通信が通常それほど保護されていない。
【0011】
[13]さらなる非限定的な説明として、通信ネットワークは、一般に通信リンク及びノードからなるネットワークである。それらは、メッセージを、ネットワークの一部分から別の部分に、複数のリンクにわたって且つ/又はさまざまなノードを通って渡すことができるように配置されている。通信ネットワーク要素は、通常、従来のP2Pネットワークでは利用されていない。代りに、従来のP2Pネットワークは、一般に、ベストエフォートサービスを提供するアドホックフォーマットでの分散ネットワークである。
【0012】
[14]本発明のいくつかの実施形態によれば、ピアノードは、少なくともキャリアグレードの通信ネットワーク手法に従うネットワークに導入され、以前から存在する通信要素等、これら手法を利用することによってサービス品質(キャリアグレード)が提供されるのを保証する。使用することができる既存の通信ネットワークの典型的な通信要素には、認可、認証及びアカウンティング(AAA)サーバ、課金ゲートウェイ及びリソース管理プラットフォームがあり得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、基本となるキャリアグレードの通信ネットワークを利用してP2Pネットワークサービスを提供することができる。そうしたネットワークは、キャリアグレードのリンクにわたってベストエフォートグレードの通信をサポートすることができ、その一方でベストエフォート型リンク自体は含まないでおくことができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、ベストエフォート型又はベストエフォートグレード並びにキャリアグレードP2Pサービスを、共通ネットワークに提供することができる。
【0013】
[15]さらに
図1を参照すると、図示する実施形態では、ネットワーク10は一般に以下を含む。すなわち、サービス品質(QoS)調整部20、ブートストラップサーバ30、課金仲介部40、非インターネットプロトコル(IP)インターワーキング(IW)ゲートウェイ50、IP−IWゲートウェイ60、ブートストラップピア70、サービス享受及び/又はサービス提供ピア80、別のブートストラップピア90、通信媒体100及び参加ピア110である。認可、認証及びオンラインアカウンティング(AAA)サーバ120、リソース管理部130及び請求仲介システム220が、ネットワーク10に通信可能に連結されている。図示する実施形態では、ネットワーク10はIPバックボーン190にも通信可能に連結されており、IPバックボーン190は、アクセスルータ140、コアルータ(複数可)150及びエッジルータ160を有している。図示する実施形態では、IPバックボーン190は、別のIPバックボーン200と通信可能に連結されており、別のIPバックボーン200は、エッジルータ170及びIPベースサービス提供ネットワーク180を有している。図示する実施形態では、IPベースサービス提供ネットワーク180は、IP−IWゲートウェイ60にさらに通信可能に連結されている。最後に、図示する実施形態では、非IP−IWゲートウェイ50が非IPベースサービス提供ネットワーク210に通信可能に連結されている。当業者には、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、含まれている特定の要素、並びに/又は提供される要素の組合せ及び/又は構成及び/又は数に対する変更及び変形を行うことができることが明らかとなろう。
【0014】
[16]さらなる非限定的な説明として、本発明のいくつかの実施形態では、提供される要素のうちの1つ又は複数は、コンピューティングデバイスの形態をとることができる。本明細書で使用する「コンピューティングデバイス」とは、プロセッサを含む汎用コンピューティングデバイスを指す。プロセッサは、一般に、マイクロプロセッサ等の中央処理装置(CPU)を含む。CPUは、一般に、算術演算及び論理演算を実行する算術論理演算装置(ALU)と、メモリ等のコンピュータ可読媒体から命令(たとえばコード)を抽出し、それらを復号して、必要な場合はALUを呼び出して実行する、制御装置とを有している。本明細書で使用する「メモリ」とは、概して、チップ又はドライブの形態等、データを格納することができる1つ又は複数のデバイス又は媒体を指す。メモリは、単にさらなる非限定的な例として、1つ又は複数のランダムアクセスメモリ(RAM)チップ、リードオンリメモリ(ROM)チップ、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)チップ、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)チップ又は電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)チップの形態をとることができる。メモリは、単にさらなる非限定的な例として、1つ又は複数のソリッドステートドライブ、光ベースのドライブ又は磁気ベースのドライブの形態をとることができる。メモリは、プロセッサを含む統合ユニットに対して内部であっても外部であってもよい。メモリは、コンピューティングデバイスに対して内部であっても外部であってもよい。メモリは、コンピュータプログラム、たとえばプロセッサによって動作可能な命令のコード又はシーケンスを格納することができる。本発明のいくつかの実施形態では、提供される要素のうちの1つ又は複数は、メモリに格納されているコンピュータデバイス実行可能プログラム又はアプリケーションの形態等、1つ又は複数のコンピューティングデバイスを用いて実行されるコードの形態をとることができる。
【0015】
[17]本明細書で使用する「サーバ」とは、概して、ネットワークリソースを管理する、ネットワークに通信可能に連結されたコンピューティングデバイスを指す。サーバは、個別のコンピューティングデバイスを指してもよく、又はコンピューティングデバイス全体ではなくリソースを管理しているアプリケーションを指してもよい。本明細書で使用する「ネットワーク」とは、概して、互いに通信可能に接続された2つ以上のコンピューティングデバイスのグループを指す。本明細書で使用する「インターネット」とは、概して、コンピューティングデバイスの世界的な相互接続と、一般にそのように呼ばれるコンピューティングデバイスネットワークとを指す。
【0016】
[18]さらに
図1を参照すると、サービス品質(QoS)調整部20は、概して、IPバックボーン190等のネットワークにアクセスするためにQoS要求を検査し送出する役割を果たす。調整部20は、リソース受付制御サブシステム(Resource and Admission Control Sub−System)(RACS)又はポリシー及び課金制御(policy and charging control)(PCC)システムで定義されているアプリケーション機能(AF)の形態をとることができる。調整部20は、QoSサービス課金情報を、課金仲介部40を介して、請求仲介部サーバ220等の請求システムに報告することができる。リソース管理部130は、QoS調整部20の要求に対する応答を実行しその結果を報告し、QoS調整部20に命令を要求することができる。それは、また、ディープパケットインスペクション(Deep Packet Inspection)(DPI)等の適当な技法を利用することにより、基本となるIPトラフィックタイプを取得し、所定のIPトラフィックフローを遮断するか又は許可する等、適当な処置をとることができる。
【0017】
[19]ブートストラップサーバ30は、ピアコンピューティングデバイス(以降、「ピア」と呼ぶ)によって使用されるサーバの形態をとることができ、ピアは、P2Pブートストラップピアの位置を特定するため且つ/又はP2Pネットワークに参加する。ブートストラップサーバ30は、ドメインネームサービス(DNS)名を有する安定したホストの形態をとることができる。ブートストラップサーバ30を、それがたとえば予備の処理能力を有する場合、承認の効率の目的でブートストラップピアとしてそれ自体を選択することができるように構成することができる。
【0018】
[20]課金仲介部40は、P2Pピアから課金情報を収集し、請求データを、請求仲介部サーバ220等の請求システムに引き渡すことができる。課金仲介部40はP2P認識型(P2P−aware)であり得る。課金仲介部40はステートレスであり得る。課金仲介部40は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project)(3GPP)課金ゲートウェイ機能(charging gateway function)(CGF)及び/又は課金データ機能(charging data function)(CDF)といった機能を提供するサブシステム等、オフライン課金プラットフォームの形態をとることができる。
【0019】
[21]非インターネットプロトコル(IP)インターワーキング(IW)ゲートウェイ50は、他の非IPサービス提供ネットワークとのインターワーキングを実行することができる。ゲートウェイ50は、P2P認識ゲートウェイであり得る。IP−IWゲートウェイ60は、他のP2Pネットワーク又はIPベースサービス提供ネットワークとのインターワーキングを実行することができる。ゲートウェイ60は、P2P対応ゲートウェイの形態をとることができる。本発明のいくつかの実施形態では、ゲートウェイ機能をたとえばP2Pピアに組み込むことができる。
【0020】
[22]ブートストラップピア70、90は、参加ピア110等の参加ピアがP2Pネットワークに参加するのを支援することができる。ブートストラップピアは、たとえばP2Pセッション開始プロトコル(P2P Session Initiation Protocol)(P2PSIP)アプリケーションに対して提案されるもの等、許可ピアの機能を組み込むことができる。こうした手法により、たとえばネットワークアーキテクチャ全体を簡略化することができる。
【0021】
[23]キャリアグレードの通信ネットワークの上に重ねられるP2Pネットワークは、ピアノードを利用することができ、このピアノードは、ネットワーク上の他のピアノードに対して「クライアント」及び「サーバ」の両方として同時に機能する。本発明のいくつかの実施形態では、サービス享受/サービス提供ピア80及び/又は参加ピア110はこうしたノードであり得る。関連技術分野の当業者には理解されるように、このネットワーク配置モデルは、通信が通常中央サーバとの間でやりとりされるクライアント・サーバモデルとは異なる。本発明のいくつかの実施形態では、クライアント・サーバ構造をいくつかのタスク(たとえば検索、認可)に使用することができ、P2P構造を他のタスク(たとえばアプリケーション)に使用することができる。
【0022】
[24]通信媒体100は、要素を互いに通信可能に連結するデータ通信ネットワークの形態をとることができる。
図1の図示する実施形態では、媒体100は、サービス品質(QoS)調整部20、ブートストラップサーバ30、課金仲介部40、非インターネットプロトコル(IP)インターワーキング(IW)ゲートウェイ50、IP−IWゲートウェイ60、ブートストラップピア70、サービス享受及び/又はサービス提供ピア80、ブートストラップピア90及び参加ピア110を互いに通信可能に連結する。本発明のいくつかの実施形態では、媒体100は、キャリアグレードの通信ネットワークの形態をとることができる。本発明のいくつかの実施形態では、こうしたネットワークは、有線及び/又は無線通信リンク又はレッグを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、こうしたネットワークは、公衆及び/又は専用通信リンク又はレッグを含むことができる。
【0023】
[25]認可、認証及びオンラインアカウンティング(AAA)サーバ120は、従来のキャリアグレードの通信ネットワークで実行されている方法に類似した方法で、ユーザ認証、認可及びオンラインアカウンティングを実行することができる。
【0024】
[26]IPバックボーン190、200は、インターネット及び/又はその一部に通信可能に連結されたIPネットワーク等、IPネットワークの主ネットワーク接続の形態をとることができる。アクセスルータ140は、IPバックボーン190に対してアクセストラフィックを制御する役割を果たすことができる。アクセスルータ190は、QoS調整部20及びリソース管理部130に対し応答可能なようにQoS実施(enforcement)を実行することができる。コアルータ(複数可)150は、IPバックボーン190に対してIPパケットルーティングを実行する役割を果たすことができる。エッジルータ160、170は、セキュリティゲートウェイとして他のIPネットワークとインターワーキングを実行する役割を果たすことができる。エッジルータ160、170は、P2P認識なしにIP層要素の形態をとることができる。
【0025】
[27]図示する実施形態では、IPベースサービス提供ネットワーク180は、IP−IWゲートウェイ60に通信可能に連結される。IPサービス提供ネットワーク180は、たとえば次世代ネットワーク(NGN)、IMS及び/又はP2Pサービスを提供する(たとえば、ピア80アプリケーション用のデータソース及び/又はシンクとして作用する)IPベースネットワークの形態をとることができる。
【0026】
[28]図示する実施形態では、非IP−IWゲートウェイ50は、非IPベースサービス提供ネットワーク210と通信可能に連結される。非IPベースサービス提供ネットワーク180は、公衆交換電話網(PSTN)又は公衆陸上移動網(Public Land Mobile Network)(PLMN)等、たとえばサービスを提供する(たとえばP2Pアプリケーション用のデータソース又はシンクとして作用する)非IPベースネットワークの形態をとることができる。
【0027】
[29]請求仲介部サーバ220は、請求及び/又は支払情報を処理することができ、たとえば従来のキャリアグレードの通信ネットワーク請求システムの形態をとることができる。
【0028】
[30]さらに
図1を参照すると、こうした手法は、キャリアグレード通信アーキテクチャ及びP2Pネットワークアーキテクチャの両方の利点を有利に活用することができる。こうした手法により、キャリアグレード通信事業者は、現通信収益を失うことなく、P2Pアプリケーション収益を獲得することができる可能性がある。こうした手法は、通信ネットワークアーキテクチャ及びサービスに対してほとんど影響なしに、IPベースネットワークにキャリアグレードP2Pサービスを有利に提供することができる。セッション制御機能及びサービスアプリケーションの多く或いは大部分を、ピアノード間に分散させることができる。本発明のいくつかの実施形態では、ネットワーク運用で重大であり得る、認証、QoS制御、アカウンティング及びサービスプロビジョニングを提供するもの等、いくつかのネットワーク要素のみがネットワークのキャリア側に維持される。
【0029】
[31]こうしたアーキテクチャ又は手法のいくつかの利点には以下のような点があり得る。すなわち、高いスケーラビリティを提供しながら、必要な専用ネットワーク要素は最小限であること、世界中に届くことができる統合顧客データ管理を提供すること、顧客が複数の場所から同じサービス体験を享受する仮想ホーム環境(virtual home environment)を提供すること、信頼性のある通信事業者により安全な通信環境を提供すること、エンドユーザに対するサービスとしてサービス品質(QoS)を提供すること、及びIPベースのベアラネットワークに対する不可知な影響が最小限のアクセス技術を提供することである。
【0030】
[32]本発明のいくつかの実施形態では、提供されるネットワーク要素のうちのいくつかを、キャリアグレード通信事業者が所有し且つ/又は運用することができる。たとえば、本発明のいくつかの実施形態では、QoS調整部20、ブートストラップサーバ30、課金仲介部40、ゲートウェイ50、60、AAAサーバ120、リソース管理部130及び請求仲介部サーバ220を、キャリアグレード通信事業者が所有し且つ/又は運用してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、提供されるネットワーク要素のうちのいくつかを、キャリアグレード通信事業者が所有し且つ/又は運用しなくてもよい。たとえば、本発明のいくつかの実施形態では、ブートストラップピア70、90及びサービス享受/サービス提供ピア80を、キャリアグレード通信事業者が所有せず且つ/又は運用しなくてもよい。こうした手法では、P2Pネットワークは、概して、必要な新たな機器は最小限で、基本となるIPネットワーク要素を利用するP2Pアプリケーションを提供するオーバーレイネットワークの形態をとることができる。
【0031】
[33]こうした手法は、クライアントが課金に関与する等、複数の追加の利点を提供することができる。課金機能は、従来、端末又はクライアントが課金情報を提供することができないという仮定に基づいていた。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態では、「コール」又は他のアプリケーションセッション等、サービスプロビジョンに関与するピア(たとえばサービス享受ピア及びサービス提供ピアの両方)に対し、サービス又は課金に関する幾分かの情報を提供するよう要求することができる。この情報を、たとえば検証のために課金仲介部40に提供することができる。
【0032】
[34]こうした手法は、クライアントによるQoS開始を提供することができる。従来のアーキテクチャにおけるQoSは、ネットワークの責任であり、従来は、事業者が事前設定するか又はユーザが事前に登録する場合がある。本発明のいくつかの実施形態では、P2Pアプリケーションユーザは、ユーザのコンピューティングデバイス上で実行しているウェブページ又はアプリケーション等、クライアントユーザインタフェースを介してQoS変更を動的に開始することができる。ブロードバンドリモートアクセスサーバ(Broadband Remote Access Server)(BRAS)並びにルータ140及びリソース管理部130及び調整部20等の提供されるネットワーク機器が、ユーザ又はユーザの端末或いはコンピューティングデバイスによって要求されたQoS変更を実施することができる。
【0033】
[35]こうした手法は、すでにキャリアグレードの通信ネットワーク(たとえば120)に存在する可能性のある、従来のキャリアグレードの通信ネットワークAAAサーバを使用して実行されるユーザ認可及び認証を提供することができる。こうした手法は、2つの利点を提供することができる。第1に、かなりの新たな投資を必要とすることなくAAA機器又はネットワークソリューションを活用することができ、第2に、現ネットワークユーザがP2Pサービスにアクセスするために同じ信用証明書情報を使用するのを可能にすることができる。
【0034】
[36]こうした手法は、非定住型(nomadic)サポートを提供することができる。非定住型サポートを、従来のインターネットアクセスに類似する方法(ユーザが、自身が所有するインターネット信用証明書情報を使用してネットワークにアクセスすることによる等)で提供することができる。こうした手法は、たとえば基本となる通信ネットワーク無線アクセス技術を使用して移動性サポート(mobility support)を提供することができる。
【0035】
[37]従来のP2Pサービス及びキャリアグレード通信サービスと比較すると、こうした手法は、両方の最善のものを提供する、すなわち、安全且つ信頼性の高い通信環境でキャリアグレードピアツーピアサービスを提供する役割を果たすことができる。こうしたアーキテクチャ及び手法は、キャリアグレード通信事業者のサービスをインターネットサービス領域まで拡張し、事業者に、P2P事業者及びサービスと競争する「ツール」を提供する。
【0036】
[38]さらに
図1を参照すると、P2Pオーバーレイネットワークへの参加ピア110のピア承認を、たとえば従来の方法では、ブートストラップサーバ30、ブートストラップピア90及び参加ピア110の間の調整を介して達成する場合がある。利用される手法は、たとえば、主にIETF P2PSIP提案書に従う可能性がある。
【0037】
[39]本発明のいくつかの実施形態では、参加ピア110は、ブートストラップサーバ30にコンタクトして、適当なブートストラップピア(たとえばブートストラップピア90)のコンタクト情報を取得することができる。参加ピア110が、ブートストラップピア(たとえばそれが使用した最後のブートストラップピア)について知っている場合、そのブートストラップピアに最初にコンタクトしてもよい。その後、参加ピア110は、適切なブートストラップピア(たとえばブートストラップピア90)と共に機能して、参加プロセスを完了する。参加プロセス中、参加ピア110、ブートストラップサーバ30/ブートストラップピア90及びAAAサーバ120は、協働して、参加ピア110の信用証明書情報と共に他の情報(たとえばピアの位置及び機能等)を検証することができる。たとえば、認証が成功した後、他のP2Pネットワーク構成情報を提供することができる。
【0038】
[40]本発明のいくつかの実施形態では、ピア認証を、ブートストラップサーバ30を介して参加ピア110とAAAシステム120との間で行うことができる。本発明のいくつかの実施形態では、認証は相互認証でなければならない。認証の成功の後、AAAシステム120が署名した認可トークンを、参加ピア110に渡し、「参加(JOIN)」シグナリングでブートストラップピア(たとえば70、80、90)に伝送することができる。トークンに封印された情報には、たとえば、ランダムに割り当てられたピアID、ユーザ名からマップされたユーザID、参加ピアノード110が提供することができるサービスを識別するサービスID、適用可能なオフライン又はオンライン課金モデル、QoSプロファイル及びタイムスタンプ情報があり得る。これらの情報項目に加えて又はそれらの代りに他の情報を含めることができる。その情報は、P2Pネットワークによって使用され、P2Pネットワークは、たとえば、参加ピア110が主張した身元、それが属しているサービスグループ、及び/又はそれが使用するのが認可されるQoSレベルを検証する。
【0039】
[41]課金処理は、従来は、ネットワークの責任であり、それは、こうしたネットワークアーキテクチャにレガシー端末があるという基本的な前提があるためである。しかしながら、P2Pネットワークは、端末が、課金及び請求の目的で使用することができる情報〔たとえばサービスのタイプ(たとえば、音声、データ又はマルチメディア)、サービスの持続時間(たとえば開始タイムスタンプ及び終了タイムスタンプを含む)及びサービスに対するQoSのレベル等〕を記録することができるコンピューティングデイバスであるという期待に基づいている。本発明のいくつかの実施形態では、課金情報は、通常、サービス享受ピア等、唯一のピアによって提供されるサービス情報のみに頼ることはできない。
【0040】
[42]本発明のいくつかの実施形態では、オフライン課金を提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、オフライン課金の場合、サービス提供ピアとサービス享受ピアとの両方を、課金仲介部40に課金情報を提供することに関与させることができる。それにより、課金仲介部40は、請求の目的でその情報を検証し統合する(且つたとえば適当な情報を請求仲介部サーバ220に転送する)。
【0041】
[43]本発明のいくつかの実施形態では、オンライン課金を提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、オンライン課金の場合、サービス提供ピア(たとえば80)は、サービスにアクセスしてサービス享受ピアからクレジットユニット(credit unit)を収集するために、サービス享受ピア(たとえば80)に対していくつかのクレジットを渡すように要求することができる。オンライン課金システムは、サービス享受ピアに対してクレジットユニットを発行し、サービス提供ピアから発行されたクレジットユニットを収集し検証することができる。本発明のいくつかの実施形態では、ブートストラップサーバ30及び/又は課金仲介部40が、こうしたオンライン課金システムに対するプロキシとしての役割を果たし、P2P課金シグナリングを従来のキャリアグレード通信システム課金シグナリングに適合させ且つその逆を行うことができる。
【0042】
[44]本発明のいくつかの実施形態では、加入者又はユーザは、任意の特定のセッションに対する加入者又はユーザのデバイスの発信及び/又は着信のいずれかのトラフィックに対して、QoSを変更することができる。ここで
図2を参照すると、本発明の実施形態による動的QoSプロセスに対応する選択メッセージングの概略図が示されている。
図2の実施形態は、ピア80(
図1)と類似していてもよいサービス提供ピア310と、ピア80(
図1)と類似していてもよいサービス享受ピア320と、第1のQoS調整部330及び第2のQoS調整部340であって各々がQoS調整部20(
図1)と類似していてもよい第1のQoS調整部330及び第2のQoS調整部340と、課金仲介部40(
図1)と類似していてもよい課金仲介部350と、第1のリソース管理部360及び第2のリソース管理部370であって各々がリソース管理部130(
図1)と類似していてもよい第1のリソース管理部360及び第2のリソース管理部370と、IPバックボーン190又は200(
図1)と類似していてもよいIPバックボーン380と、を有している。IPバックボーン380は、第1のアクセスルータ382及び第2のアクセスルータ384であって各々がアクセスルータ140(
図1)と類似していてもよい第1のアクセスルータ382及び第2のアクセスルータ384と、コアルータ(複数可)150(
図1)と類似していてもよいコアルータ(複数可)386と、を有している。
【0043】
[45]サービス享受ピア320のユーザは、たとえば、サービス品質を、デフォルト又はその時に提供されているものより優れたものにしたい場合、改善がサポートされているか否かを決定するため等、メッセージング1を交換することにより、サービス提供ピア310にこうした変更を要求することができる。改善がサポートされている場合、サービス享受ピア320及びサービス提供ピア310は、メッセージング2を交換することにより、クライアントインタフェースを介して要求を適切なQoS調整部330、340に送信することができる。クライアントの課金機能は、ユーザに対し、より優れたサービスに対する新たに適用する(new−to−apply)課金ポリシーを勧告することができる。顧客が課金ポリシーに同意すると、端末は、続くトラフィックに対しより優れたQoSマーキングを送信する。RACS又はPCRFシステムの形態をとることができるリソース管理部360、370及びルータ382、384は、新たなQoSマーキングを実施することができ、その後、サービスに対するQoSが改善されることになる。本発明のいくつかの実施形態では、QoS調整部330、340は、認可/通知メッセージを課金仲介部350と交換して(メッセージング3)、変更の承認の要求及び/又はその変更の仲介部350への通知を行うことができる。
【0044】
[46]本発明のいくつかの実施形態では、アクセスネットワークにおいて第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ポリシーの課金及び制御(PCC)アーキテクチャを使用して、課金機能を提供することができる。こうした構成により、P2Pサービス提供ピアからQoS要求を処理するために対応するAFを提供することができ、特別なサービスとしてQoSに対して課金することができる。
【0045】
[47]ここで
図3を参照すると、本発明の実施形態による動的QoSプロセスに対応する選択メッセージングの概略図も示されている。
図3は、P2Pベースネットワークにおける動的サービスクラス(CoS)プロセスの実施形態の高レベルメッセージフロー図を示す。P2Pベースの次世代ネットワークは、金銭的な影響を伴う動的サービスクラス(CoS)機能を提供する。たとえば、呼出側又は被呼出側は、接続に関する手数料が高い(又は低い)差別化サービスコードポイント(differentiated services code point)(DSCP)を動的に調整することができる。ユーザは、要求を開始することができ、その要求は、後に、CoSの盗難を防止するために、ネットワーク側で実施される。
【0046】
[48]本発明のいくつかの実施形態では、加入者は、任意の特定のセッションに対して加入者側で発生するトラフィック及び終端するトラフィックの両方に対してCoSを変更することができ得る。ユーザは、サービスをより優れたものにしたい場合、より優れたサービスを要求する。そして、ネットワークは、ユーザに対し、より優れたサービスに対する新たな課金ポリシーを勧告する。別法として、ユーザのコンピューティングデバイスが、直接ユーザのより高いCoSに対する要求に対応するコストデータを有していてもよい。顧客がより優れたCoSのコストに同意すると、顧客に提供されるサービス品質(CoS)が改善される。ユーザのコンピューティングデバイスは、請求の目的で、通信品質のアップグレードに関するデータ(たとえばセッション開始時刻及び停止時刻並びにアップグレードされたクラス等)を収集することができる。動的CoSをサポートするために、加入者又はユーザのコンピューティングデバイスは、異なる請求マーキングと新たなセッション又は通信を確立することができる。ネットワークは、事業者のポリシー及び課金モデルに従って、それらメッセージ(SIPメッセージ等)をスヌープするか又はプロキシして、マーキングを変更することができる。こうした手法は、米国特許出願公開第2009/0019156号として公開された、本発明の譲受人に譲渡され且つ係属中の米国特許出願第12/062,404号に記載されているものに類似していてもよく、その開示内容はすべて、本明細書に完全に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
[49]再び
図3を参照すると、図示する実施形態では、ユーザAは、キャリアグレードネットワークにDIAL Bメッセージを送信することにより、ユーザBと協働してP2Pネットワークアプリケーションを開始するように選択する。次いで、キャリアグレードの通信ネットワークは、ユーザBに対し、CALL FROM Aメッセージによって、要求された協働を通知する。ユーザBは、キャリアグレードネットワークに対してCONNECTメッセージに対するokを送信することにより協働要求を受け入れる。その後、キャリアグレードネットワークは、ユーザAに対して同様のCONNECTメッセージを送信する。そして、たとえばベストエフォート型ポリシーを用いて、要求された協働セッションに入る。ダウングレードも同様に達成することができる。
【0048】
[50]その後、ユーザは、ベストエフォート型サービスからキャリアグレード型サービスに改善するように選択した場合、所望の改善を示すIMPROVEメッセージをキャリアグレードの通信ネットワークに通信することができる。そして、確認CONFIRMメッセージを、選択ユーザとキャリアグレードの通信ネットワークとの間で交換することができる。別法として、確認を、ユーザのデバイスを用いて、IMPROVEメッセージングの前に行ってもよい。そして、たとえばキャリアグレード型ポリシーを用いて、要求された協働セッションに入る。
【0049】
[51]従来、公衆交換電話網(PSTN)又はIPマルチメディアサブシステム(IMS)網は、いわゆる加入者モデルを介してサービスを提供する。すなわち、ユーザは、事業者が提案する1つ又は複数のサービスに加入し、事業者は、それが提供するサービスに対して加入者から料金を徴収する。
【0050】
[52]こうした手法に加えて又はその代りに、本発明のいくつかの実施形態は、P2Pアプリケーションに対してサービスブローカーモデル(Service Broker Model)(SBM)を使用することができる。このモデルでは、ユーザは、自身が望む1つ又は複数のあるサービスに対してネットワークに要求を投入することができる。ブローカーとして作用するネットワークは、ネットワーク内で要求されたサービス(複数可)を(サービス(複数可)を提供する他のピアから)見つけ、そのサービス(複数可)をユーザに提供する。ネットワークが提供するサービスを補償する課金方法を、事業者が規定することができる。
【0051】
[53]SBMにはいくつかの変形があり得る。1つは、ネットワークがユーザに対してサービス提供者のコンタクト情報を通知するというものである。この場合、ネットワークは、ある種の「イエローページ」として作用する。事業者は、こうした「イエローページ」を、たとえば、静的に又は検索エンジンサービスを通して提供するように選択することができる。このモデルは、コンテンツ共有及びメディア(たとえば音楽又は映画)ダウンロード等、いくつかのインターネットアプリケーションに対して特に適している可能性がある。別のモデルは、事業者自体が、サービス提供者の代りにサービスを提供するプロキシとして作用するというものである。これは、たとえば音声/ビデオ呼及び/又は音声/ビデオ会議等、いくつかの通信アプリケーションに対して有利であり得る。
【0052】
[54]サービスを、事業者がアプリケーションサーバ(AS)を介して提供しなければならずユーザがホーム加入者サーバ(home subscriber server)(HSS)でサービスに事前加入しなければならないIMSサービスブローカーモデル(SCIM)とは基本的に異なり、これらSBMモデルのいずれかのユーザは、提供されるサービスに事前加入する必要はない。サービスブローカーモデルにより、サービスを、ネットワーキング機器にほとんど関係なく、追加し又は除去することができる。たとえば、広告、コンテンツ共有又は配布、共同作業、音楽及びビデオダウンロード等の多くのインターネットサービスを、この手法によって提供することができる。サービス提供者は、アクセスネットワークプロバイダ、コアネットワークプロバイダ又はピア等の第三者と同じであり得る。これにより、キャリアグレード通信システム事業者に対し、革新的なサービスを提供する優れた柔軟性が与えられる。
【0053】
[55]通信ネットワークは、通信及びインターネットの統合(convergence)の優れた機会を提供する、全IPベースネットワークに向かって移行している。埋込み音声、多くのオンラインショッピングサイト内でのインスタントメッセージング(IM)機能、並びにインターネット顧客関係管理(Internet Customer Relations Management)(CRM)及びボイスオーバIP(Voice over IP)(VoIP)によるロジスティックプロセスの統合に対する関心の増大が、こうした統合の証拠である。統合を、P2Pアプリケーションにより、従来の通信手法を用いて行うことができるものよりはるかに少ない労力で実施することができる可能性がある。実際に、通信事業者は、キャリアグレードP2Pサービス等の統合されたサービスを提供するように一意に位置付けされる。事業者は、顧客によって信用されたブランド名を有し、P2Pサービスをより従来型の通信サービスと容易にまとめることができ、通信サービスとP2Pサービスとの両方に対し認証を統合することができる。P2P競争業者に対して失った収益の返還を要求するのではなく、P2Pサービスを提供することは、事業者が、コンテンツ配信及び広告市場シェアを活用する優れた開始点でもある。
【0054】
[56]本明細書に記載した手法は、キャリアグレード通信ネットワーク事業者が、その現通信ユーザにサービスを提供し続けながら、最小限の投資でP2Pサービスを配備する実際的な方法であると考えられる。この手法はまた、通信ネットワークとP2Pネットワークとのより優れた統合をもたらすことができる。
【0055】
[57]本発明のいくつかの実施形態では、P2Pデバイスを既存のIPネットワークインフラストラクチャと結合することにより、P2Pサービス及び通信サービスを提供するネットワークアーキテクチャを提供することができる。P2Pサービス及び既存のサービスは、同じIPネットワーク上に共存することができる。既存のネットワーク要素を、P2Pネットワークが共有することができる。ピア認可及び認証機構を、参加ピア、ブートストラップサーバ、及びAAAサーバ等の認可及び認証(AA)サーバによって連帯して実行することができる。デジタルセキュアトークンを使用して、認可及び認証を示すことができる。トークンは、たとえば、ランダムに割り当てられたピアID、ユーザ名からマップされたユーザID、この参加ピアノードが提供することができるサービスを識別するサービスID、ピアが属しているサービスグループ、オフライン又はオンライン課金モデル、QoSプロファイル及びタイムスタンプを含むことができる。オフライン及びオンライン課金を使用して、3GPP、3GPP2及び/又はTISPAN標準規格に準拠する課金デバイスを使用することができる。課金仲介部を用いて、P2P課金シグナリングを従来の課金シグナリングに変換することができ、且つその逆も可能である。ブートストラップサーバは、こうした仲介部としての役割を果たすことができる。P2Pサービスに対して課金詐欺を防止するために、サービス提供ピアとサービス享受ピアとが共に、課金仲介部に課金情報を提供することに関与することができ、課金仲介部は、課金及び請求の目的でその情報を検証し統合する。サービス提供ピアがサービス享受ピアに対し、サービスにアクセスするために所定のクレジットを渡すように要求し、サービス享受ピアからクレジットユニットを収集する、P2Pサービスに対するオンライン課金又はクレジット機構を提供することができる。既存の又は新たなオンライン課金システムは、サービス享受ピアにクレジットユニットを発行し、サービス提供ピアからの発行されたクレジットユニットを収集し検証することができる。
【0056】
[58]当業者には、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく本発明の装置及びプロセスにおいて変更及び変形を行うことができることが明らかとなろう。本発明は、本発明の変更及び変形が添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあるならば、それらの変更及び変形を包含することが意図されている。
[発明の項目]
[項目1]
コンピューティングネットワークであって、
コードを有する複数のピアコンピューティングデバイス(310、320)であり、前記コードが、ピアコンピューティングデバイス(310、320)によって実行されると、前記実行しているピアコンピューティングデバイスに対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つの他のピアコンピューティングデバイスと協働させる、複数のピアコンピューティングデバイスと、
コードを有する少なくとも1つのサーバであり、前記コードが、前記少なくとも1つのサーバによって実行されると、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つの位置を特定する、少なくとも1つのサーバと、
コードを有する少なくとも1つの仲介部(350)であり、前記コードが、前記少なくとも1つの仲介部によって実行されると、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくともいくつかから課金情報を収集する、少なくとも1つの仲介部(350)と、
を具備しており、
前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)、前記少なくとも1つのサーバ及び前記少なくとも1つの仲介部(350)が、キャリアグレードの通信ネットワークを介して通信可能に連結され、前記キャリアグレードの通信ネットワークが、前記協働するピアコンピューティングデバイス(310、320)間のベストエフォートグレードの通信を前記ピアコンピューティングデバイスの一つの要求後に提供する、コンピューティングネットワーク。
[項目2]
前記少なくとも1つの仲介部(350)がコードを有し、前記コードが、前記少なくとも1つの仲介部(350)によって実行されると、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの前記協働するピアコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つから課金情報を収集する、項目1に記載のネットワーク。
[項目3]
前記少なくとも1つの仲介部が、前記収集された課金情報を示す情報を、前記キャリアグレードの通信ネットワークに対応する請求システムに提供する、項目1に記載のネットワーク。
[項目4]
前記キャリアグレードの通信ネットワークが、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのいくつかの間に無線リンクを備える、項目1に記載のネットワーク。
[項目5]
前記キャリアグレードの通信ネットワークがIPベースネットワークを備える、項目1に記載のネットワーク。
[項目6]
少なくとも1つの他のIPベースネットワークに通信可能に連結され且つコードを有する少なくとも1つのIPインターワーキングゲートウェイ(60)であって、前記コードが、前記少なくとも1つのIPインターワーキングゲートウェイ(60)によって実行されると、前記実行しているIPインターワーキングゲートウェイ(60)に対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つと協働させる、少なくとも1つのIPインターワーキングゲートウェイ(60)
をさらに具備し、
前記IPインターワーキングゲートウェイ(60)が、前記キャリアグレードの通信ネットワークを介して前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)に通信可能に連結される、項目5に記載のネットワーク。
[項目7]
少なくとも1つの他の非IPベースネットワークに通信可能に連結され且つコードを有する少なくとも1つの非IPインターワーキングゲートウェイ(50)であって、前記コードが、前記少なくとも1つの非IPインターワーキングゲートウェイ(50)によって実行されると、前記実行している非IPインターワーキングゲートウェイ(50)に対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つと協働させる、少なくとも1つの非IPインターワーキングゲートウェイ(50)
をさらに具備し、
前記非IPインターワーキングゲートウェイ(50)が、前記キャリアグレードの通信ネットワークを介して前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)に通信可能に連結される、項目5に記載のネットワーク。
[項目8]
前記少なくとも1つの課金仲介部に通信可能に連結され且つコードを有するユーザ認証及び認可コンピューティングデバイスであって、前記コードが、前記認証及び認可コンピューティングデバイスによって実行されると、ピアコンピューティングデバイスを認可する、ユーザ認証及び認可コンピューティングデバイスをさらに具備する、項目1に記載のネットワーク。
[項目9]
前記ユーザ認証及び認可コンピューティングデバイス(120)がデジタルトークンを提供し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくともいくつかが、前記デジタルトークンの受信に応答して、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つが提供することができるサービスと、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つが属しているサービスグループとのうちの少なくとも1つを決定する、項目8に記載のネットワーク。
[項目10]
前記ピアコンピューティングデバイスのうちの前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つがコードを有し、前記コードが、前記少なくとも1つの協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)によって実行されると、前記少なくとも1つの協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)に対しサービスクラスの変更を要求させる、項目1に記載のネットワーク。
[項目11]
前記要求している少なくとも1つの協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)に対し、前記キャリアグレードの通信ネットワークが、選択的に、前記サービスクラス変更要求の前にベストエフォート通信を提供し、前記サービスクラス変更要求の後にキャリアグレード通信を提供する、項目10に記載のネットワーク。
[項目12]
前記キャリアグレードの通信ネットワークに通信可能に連結され且つコードを有するサービス品質調整部(330、340)であって、前記コードが、前記少なくとも1つのサービス品質調整部(330、340)によって実行されると、前記少なくとも1つのサービス品質調整部(330、340)に対し、前記キャリアグレードの通信ネットワークが、選択的に、前記サービスクラス変更要求の前にはベストエフォートグレード通信を提供し、前記サービスクラス変更要求の後にはキャリアグレード通信を提供するようにさせる、サービス品質調整部をさらに具備する、項目11に記載のネットワーク。
[項目13]
前記少なくとも1つの仲介部のコードが収集した課金情報が、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのピアコンピューティングデバイスからのサービス要求に関連する、項目1に記載のネットワーク。
[項目14]
前記少なくとも1つの仲介部のコードが収集した課金情報が、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちのピアコンピューティングデバイスに提供されたサービスに関連する、項目1に記載のネットワーク。
[項目15]
少なくとも1つのコンピュータ可読媒体中で有形に具現化され、且つキャリアグレードの通信ネットワークで使用されるコンピューティングデバイス実行可能コードを有するコンピュータプログラムであって、
前記コードが、
複数のピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくともいくつかに対し、前記キャリアグレードの通信ネットワークを介して互いに協働して、ピアツーピアプリケーションサポートを提供させるコードと、
少なくとも1つの仲介部(350)に対し、前記ピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの前記協働しているピアコンピューティングデバイスのうちの少なくともいくつかから課金情報を収集させ、前記収集した課金情報の少なくとも一部を示すデータを、前記キャリアグレードの通信ネットワークに関連する請求システム(220)へ提供させるコードと、
少なくとも1つのサービス品質調整部(330、340)に対し、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つからサービス品質変更要求を受けさせるとともに、前記受けた要求に応答して、前記協働しているピアコンピューティングデバイス(310、320)のうちの少なくとも1つに関連するサービスクラスを変更させるコードと、
前記キャリアグレードの通信ネットワークに対し、前記協動するピアコンピューティングデバイス(310、320)間のベストエフォートグレードの通信を提供させるコードと
を含む、コンピュータプログラム。
[項目16]
前記コードが、
前記キャリアグレードの通信ネットワークに対し、選択的に、前記サービスクラス変更要求の前にはベストエフォートグレード通信を提供させ、前記サービスクラス変更要求の後にはキャリアグレード通信を提供させるコード
をさらに含む、項目15に記載のコンピュータプログラム。
[項目17]
前記コードが、
前記キャリアグレードの通信ネットワークに対し、選択的に、前記サービスクラス変更要求の後にはベストエフォートグレード通信を提供させ、前記サービスクラス変更要求の前にはキャリアグレード通信を提供させるコード
をさらに含む、項目15に記載のコンピュータプログラム。