特許第6108669号(P6108669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6108669ベルマウスの取付構造およびレンジフード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6108669
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】ベルマウスの取付構造およびレンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
   F24F7/06 101Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-45958(P2012-45958)
(22)【出願日】2012年3月1日
(65)【公開番号】特開2013-181706(P2013-181706A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2015年2月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤口 剛
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇
(72)【発明者】
【氏名】瀧脇 眞
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−180445(JP,A)
【文献】 特開2008−267651(JP,A)
【文献】 実開昭63−129129(JP,U)
【文献】 実開平02−030833(JP,U)
【文献】 実開昭57−061426(JP,U)
【文献】 米国特許第05622058(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気装置のファンケーシングを備える送風機の吸込口に設けられるベルマウスを前記吸込口に取り付ける取付構造であって、
前記ベルマウスを前記吸込口側へ押し付けることにより取り付けられ、逆方向へ引き抜くことにより取り外される取付構造であって、
前記ベルマウスは、ベルマウス形状を有する内周部と、前記内周部と連続して立ち上がって高さを有するように形成され、前記内周部側へ凹んだ溝からなる係合部を有する外周部と、から少なくとも構成され、
径方向に弾性を有し、前記係合部と係合する係合片を備え、
前記ベルマウスを前記吸込口に取り付けた際に、前記内周部の端部は前記吸込口の縁部より内周側に位置し、前記外周部の端部は前記吸込口の縁部より外周側に位置すると共に、前記内周部と前記外周部とで形成される上向き開口を有する凹状の部位は、前記吸込口の縁部と下方に対向した位置に設けられることを特徴とする取付構造。
【請求項2】
前記吸込口の縁部は、前記内周部の平坦に形成された油受け部の方向へ屈曲していることを特徴とする請求項1に記載の取付構造。
【請求項3】
前記外周部は円筒形をなし、係合部である溝は円筒の側面を一周して形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の取付構造。
【請求項4】
前記係合片は、前記ベルマウスを前記吸込口から取り外した際に、前記吸込口の縁部より外周側に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の取付構造。
【請求項5】
前記係合部の溝における最も内周側にある頂部は、前記ベルマウスを前記吸込口に取り付けた際に、前記吸込口の縁部より外周側に位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の取付構造。
【請求項6】
前記外周部の下端が、前記ベルマウスを前記吸込口に取り付けた際に、フード内面に突出しないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の取付構造。
【請求項7】
前記内周部の端部および/または前記外周部の端部は、ヘミング加工されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の取付構造。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の取付構造を備えるレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置のファンケーシングを備える送風機の吸込口に設けられるベルマウスの取付構造およびその取付構造を有するレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理により発生する油煙などを捕集し排気または浄化するレンジフードなどの換気装置において、シロッコファンやターボファンといった遠心送風機が多く使用されている。そして、これらの遠心送風機の吸込口にはベルマウスと呼ばれる部品をファンケーシングの吸込部に取り付けて、吸込口を形成している。レンジフードなどの換気装置をしばらく使用すると遠心送風機の羽根車にも油分が付着するので、清掃やメンテナンスなどのためにファンケーシング内に取り付けられている羽根車を取り外す際には、このベルマウスを着脱する必要がある。
例えば、特許文献1では、レンジフードにおいて、ファンやモータ等の点検、交換、補修やファンケーシングの清掃等の前作業、後作業が簡単でコスト的にも低廉なファンケーシングにおけるベルマウスの取付構造を提供することを目的として、ベルマウスの着脱作業を容易にするために位置決め用の掛合部と、ネジ止めを行う螺合部よりなるベルマウスの着脱構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3015656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のベルマウスの着脱構造では、ベルマウスの位置合わせをした後に螺合部においてネジ止めを行うため、レンジフードなどの換気装置の送風機は高所に設置されており、作業性が悪いので、取り扱いが大変であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、レンジフードなどの換気装置の送風機といった高所に設置された作業性の悪い環境下でも、より容易に作業を行うことができるように、作業性を向上させたベルマウスの取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、換気装置のファンケーシングを備える送風機の吸込口に設けられるベルマウスを吸込口に取り付ける取付構造であって、ベルマウスを吸込口側へ押し付けることにより取り付けられ、逆方向へ引き抜くことにより取り外される取付構造であって、ベルマウスは、ベルマウス形状を有する内周部と、内周部と連続して立ち上がって高さを有するように形成され、内周部側へ凹んだ溝からなる係合部を有する外周部と、から少なくとも構成され、径方向に弾性を有し、係合部と係合する係合片を備え、ベルマウスを吸込口に取り付けた際に、内周部の端部は吸込口の縁部より内周側に位置し、外周部の端部は吸込口の縁部より外周側に位置すると共に、内周部と外周部とで形成される上向き開口を有する凹状の部位は、吸込口の縁部と下方に対向した位置に設けられることを特徴とする取付構造が提供される。
これによれば、簡単な操作でベルマウスを着脱できるので、換気装置の送風機といった高所に設置された作業性の悪い環境下でも容易に作業を行うことができ、作業性を向上させたベルマウスの取付構造を提供でき、ベルマウス側の取付構造として可動部などの複雑な機構を有さず、溝のみを有するので、取り外して清掃が容易になり、また、吸込口の縁部から滴下する油を受けることができ、油受けを兼ねたベルマウスを提供することができる。
【0007】
さらに、吸込口の縁部は、内周部の平坦に形成された油受け部の方向へ屈曲していることを特徴としてもよい。
これによれば、吸込口の縁部から滴下する油を受けることができ、油受けを兼ねたベルマウスを提供することができる。
【0008】
さらに、外周部は円筒形をなし、係合部である溝は円筒の側面を一周して形成されることを特徴としてもよい。
これによれば、ベルマウスの取り付けに当たり方向性がないので、取り付ける際にベルマウスの方向合わせが不要となる。
【0009】
さらに、係合片は、ベルマウスを吸込口から取り外した際に、吸込口の縁部より外周側に位置することを特徴としてもよい。
これによれば、送風機のファンを取り外す際に係合片が障害になることがない。
【0010】
さらに、係合部の溝における最も内周側にある頂部は、ベルマウスを吸込口に取り付けた際に、吸込口の縁部より外周側に位置することを特徴としてもよい。
これによれば、係合部の溝における最も内周側にある頂部を、吸込口の縁部より外周側に位置させることとなり、吸込口の縁部から滴下する油が外周部に付着することがない。
【0012】
さらに、外周部の下端が、ベルマウスを吸込口に取り付けた際に、フード内面に突出しないことを特徴としてもよい。
これによれば、フードの内面において空気の流路に突出する部分がないので、油分などの吸い込みの障害となるものがなく、円滑な油煙等の吸い込みが可能となる。
【0013】
さらに、内周部の端部および/または外周部の端部は、ヘミング加工されていることを特徴としてもよい。
これによれば、ベルマウスは、取り外す際直接手で触れて引き抜くように力が加えられるので、端面をヘミング加工することにより手が傷つくのを防止できる。
【0014】
上記課題を解決するために、上記の取付構造を備えるレンジフードが提供される。
これによれば、レンジフードの送風機を清掃等する際簡単な操作でベルマウスを着脱できるので、作業性を向上させたレンジフードを提供できる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、レンジフードの送風機といった高所に設置された作業性の悪い環境下でも容易に作業を行うことができるようになり、作業性を向上させたベルマウスの取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る第一実施例におけるレンジフードの六面図。(A)正面図、(B)左側面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)平面図、(F)底面図、(G)整流板を取り外した底面図。
図2】本発明に係る第一実施例におけるレンジフードを左下から見た斜視図。(A)整流板を取り付けた場合、(B)整流板を取り外した場合。
図3】本発明に係る第一実施例におけるレンジフードを下から見た部分拡大斜視図。(A)ベルマウスを取り外した状態、(B)ベルマウスを取り付けた状態。
図4】本発明に係る第一実施例におけるベルマウスの、(A)平面図、(B)正面図、(C)底面図。
図5】本発明に係る第一実施例におけるベルマウスの、(A)上方から見た斜視図、(B)下方から見た斜視図。
図6】本発明に係る第一実施例におけるレンジフードの、係合片付近を拡大した断面図(図1におけるS−S断面における断面)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る実施例について説明する。
<第一実施例>
図1は、本発明に係る第一実施例におけるレンジフード1の正六面図を、図2は、レンジフード1を左下から見た斜視図を示す。レンジフード1は、調理器の上方に設けられ、調理により発生する油煙や水蒸気などを含む空気を捕獲するための、薄型扁平のフード2をレンジフード1の下部に備える。フード2には、フード2の内周縁と隙間を形成するようにして整流板5が備えられる。フード2の上部にはファンケーシング(図示せず)を備えた送風機21が設けられ、その送風機21の吸込口22が、フード2の上面の開口部と一致して設けられる。
【0018】
そうすると、フード2により捕獲される空気は、送風機21が発生させる下方から上方への空気の流れに乗って、フード2と整流板5との間の隙間から吸い込まれ、吸い込まれた空気は、整流板5とフード内面30との間の空間を通り、吸込口22の周りに形成されている煙道31に導かれ、吸込口22から送風機21の方へ向かう。送風機21の方へ向かった空気は、フィルターなどで油煙などを除去した後、送風機ボックス4に設けられる排気口3に接続される図示しない排気ダクトによって室外などへ放出される。
なお、フード2は薄型扁平な形状に限定されず、大きな捕獲空間を備え縦方向に厚みのあるフードであってもよいし、整流板5が存在することには限定されず、なくてもよい。
【0019】
さらに、吸込口22には、空気を低い抵抗でスムースに吸込むようにガイドするため、空気の流れに接する部分にベルマウス形状を有するベルマウス10を備える。
【0020】
図3は、ベルマウス10が着脱可能に備えられることを示すため、ベルマウス10が吸込口22から取り外した状態と取り付けた状態を示す。なお、本図では、フード内面30を形成するオイルパネルは省略して表示している。吸込口22において空気をスムースに吸込むようにガイドするためのベルマウス10は、ベルマウス10および送風機21が油煙など含む空気の通り道となるため油分が付着することが多いので、ベルマウス10や送風機21のファンを取り外して洗浄するため、着脱可能に備えられる。送風機21の内部に空気を確実に送り込むため、ベルマウス10の吸込口22側の内径は、送風機21のファンの内径よりも小さく形成し、かつ吸込口22の径はファンの外径より大きく形成されている。そのため、送風機21のファンを取り外す場合は、ベルマウス10を取り外すことで、吸込口22から送風機21のファンを取り外すことができる。なお、図示する送風機21のファンは、高静圧の遠心送風ファンであるが、特にこれに限定されず、軸流ファンであってもよい。
【0021】
吸込口22の周囲には、数か所(本実施例では3か所)に係合片40が設けられ、係合片40は、後述するように径方向であって吸込口22の中心方向に付勢されているので、ベルマウス10を周囲から保持することができる。かかる構造は、レンジフード1などの換気装置においては、ベルマウス10を吸込口22の側へ、即ち、奥にある送風機21の方へ押し付けることにより取り付けることができ、また、逆方向へ、即ち、下方にある調理器の方や使用者にとって手前の方へ、吸込口22から引き抜くことにより取り外すことができる取付構造である。この取付構造によれば、簡単な操作でベルマウスを着脱できるので、換気装置の送風機といった高所に設置された作業性の悪い環境下でも容易に作業を行うことができ、作業性を向上させたベルマウスの取付構造を提供できる。
【0022】
なお、換気装置とは、レンジフードを始めとして、食卓の上方に備えられ換気機能と照明機能とを備えた装置、浴室換気扇、浴室換気乾燥機、天井換気扇などの装置、その他の換気機能を有する換気装置を含むものである。
【0023】
図4および図5は、本発明に係る第一実施例におけるベルマウス10を示す。ベルマウス10は、ベルマウス形状を有する内周部11と、内周部11と連続して形成され、径方向に弾性を有し係合片40と係合する、内周部11側へ凹んだ溝からなる係合部13を有する外周部12とから少なくとも構成される。内周部11は、吸込口22に取り付けた際下方に広く上方に狭くなるようにベルマウス形状を有することにより、空気をスムースに吸込むようにガイドすることができる。ベルマウスの形状は、図示する形状に限定されず、吸込口や送風機の関係に基づき適宜定められる。なお、内周部11の、外周部12の下端14に近い辺りは、平坦に形成されており、この部分は吸込口の縁部から滴下する油を受けるための油受け部15として使用される。
【0024】
外周部12は、着脱の際邪魔にならないように、吸込口22の吸込み面に対して垂直をなすように形成された円筒の側面の形状を有する。なお、これに限定されず、着脱の際邪魔にならない程度に垂直からいずれに傾いていてもよいし、また、吸込口の形状に合わせた形状であれば、円筒形でなく例えば角柱形であってもよい。また、円筒形を有する外周部12の側面は、いずれにおいても同じ高さを有するが、これに限定されず、一部が他の部分より高く(又は低く)形成されてもよい。外周部12は、内周部11とは連続して形成され、典型的には金属を一体成型により作製されるが、これに限定されず、例えば、外周部と内周部を個別に作成し連続して接続することにより作製してもよい。
【0025】
また、外周部12は、内周部11側へ、即ち円筒側面から内側へ凹んだ溝を備える。この溝を、径方向に弾性を有し係合片40と係合する係合部13と称する。係合部13は、外周部の下端14および上端から等距離の位置に形成されているが、これに限定されず、外周部12の円筒の側面上いずれの位置にあってもよい。係合部13の溝は、径方向に弾性を有する、即ち、吸込口22の中心の方へ付勢された係合片40の凸形状と係合するように凹形状として適宜形成される。
【0026】
かかる取付構造によれば、ベルマウス10側の取付構造として可動部などの複雑な機構を有さず、溝のみを有するので、取り外して清掃が容易になる。
【0027】
また、係合部13の溝は、外周部12の円筒の側面において一周して形成される。これにより、ベルマウス10の取り付けに当たり方向性がないので、取り付ける際にベルマウス10の方向合わせが不要となる。なお、一周して形成されることに限定されず、部分的に形成されてもよいことは言うまでもない。
【0028】
図6は、レンジフード1の、係合片40が係合部13と係合するところを拡大した、図1におけるS−S断面における断面図である。ベルマウス10は、吸込口22の周囲に配され、内周部11のベルマウス形状が空気をスムースに吸込むようにガイドする。内周部11の端部16は、ベルマウス10を吸込口22に取り付けた際に、吸込口22の縁部23、即ちファンケーシング20の吸込口側の端部23より内周側、即ち吸込口22の中心よりに位置する。また、ベルマウス10の内周部11の端部16における径は、送風機21のファンの内径よりも小さい。これにより、送風機21の内部に空気を確実に送り込むことができるとともに、吸込口22の縁部23から滴下する油を受けることができ、油受けを兼ねたベルマウス10を提供することができる。
【0029】
ファンケーシング20の吸込口側の端部23の内径は、底面視円形の送風機21のファンの外径より、大きい。また、係合片40は、ベルマウス10を吸込口22から取り外した際に、吸込口22の縁部23より外周側に位置する。これによれば、吸込口22から送風機21のファンを取り外す際、係合片40が障害になることがなく、吸込口22から送風機21を容易に取り外して、清掃することができる。
【0030】
係合片40は、板ばねを変形して本図に示すように成形され、吸込口22の径方向であって中心側方向に付勢するように、ファンケーシングまたは煙道に取り付けられる。係合片40の、係合部13と係合する突部は、係合部13の溝に適合するような形状を有し、ベルマウス10が取り付けられた時には、この溝に嵌り込む。係合片40の突部を形成し、係合片40の最もベルマウス側に突出した部分より下側の面は、最も内周側に突出した部分より上側の面よりも、ベルマウス10の外周部12の面に対して緩やかな傾斜をなしており、反対に、最も内周側に突出した部分より上側の面は、ベルマウス10の外周部12の面に対して、垂直に近い角度をなしている。なお、本実施例では、ベルマウス10は煙道31の開口部に設けられているが、これに限定されるものではなく、煙道を伴わずに、フード内面を形成するオイルパネルの開口部に設けられてもよい。
【0031】
これにより、ベルマウス10を取り付ける時には、比較的小さい力で送風機21側に押し付けることにより取り付けることができ、逆に、ベルマウス10を取り外す際には、比較的大きな力が必要ではあるが、力を加えずに自然にベルマウスが落下してしまうようなことを防止できる。なお、係合片40は、図示する形状に限定されず、径方向に弾性を有し、吸込口22の中心方向に付勢し、係合部13と係合する限り、いかなる形状であってもよい。係合片40の個数は限定されないが、吸込口の中心から互いに120度をなすように3個の係合片を設けることが好ましい。
【0032】
また、係合部13の溝における最も内周側にある頂部18は、ベルマウス10を吸込口22に取り付けた際に、吸込口22の縁部23より外周側に位置する。これによれば、外周部12に吸込口22の縁部23から滴下する油が付着することがない。また、外周部12の下端14が、ベルマウス10を吸込口22に取り付けた際に、フード内面30や煙道31に対して突出しておらず、煙道31を形成する面と、外周部12の下端14から内周部11に連続して形成された面(油受け部15の下面)とが、ほぼ同一な面をなしている。これによれば、フード2の内面において空気の流路に突出する部分がないので、油分などの吸い込みの障害となるものがなく、円滑な油煙の吸い込みが可能となる。
【0033】
なお、内周部11の端部16や外周部12の端部17は、ヘミング加工されることが好ましい。これによれば、ベルマウス10は、取り外す際直接手で触れて引き抜くように力を加えるので、端部をヘミング加工することにより手が傷つくのを防止でき、また、端部の強度も向上する。
【0034】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0035】
1 レンジフード
2 フード
3 排気口
4 送風機ボックス
5 整流板
10 ベルマウス
11 内周部
12 外周部
13 係合部(溝)
14 外周部の下端
15 油受け部
16 内周部の端部
17 外周部の端部
18 頂部
20 ファンケーシング
21 送風機
22 吸込口
23 吸込口の縁部(ファンケーシングの端部)
30 フード内面
31 煙道
40 係合片
図1
図2
図3
図4
図5
図6