特許第6108907号(P6108907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000002
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000003
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000004
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000005
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000006
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000007
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000008
  • 特許6108907-飲料供給装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6108907
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20170327BHJP
   G07F 13/10 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   B67D1/08 Z
   G07F13/10 Z
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-70767(P2013-70767)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-193734(P2014-193734A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2015年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若木 誠司
(72)【発明者】
【氏名】今和泉 誠
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−108015(JP,A)
【文献】 実公昭39−004710(JP,Y1)
【文献】 特開2004−303182(JP,A)
【文献】 特開2010−224882(JP,A)
【文献】 実開昭60−187991(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3001835(JP,U)
【文献】 実開昭52−077798(JP,U)
【文献】 特開平09−259349(JP,A)
【文献】 特開平09−027078(JP,A)
【文献】 実開昭56−113986(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00− 1/16
G07F 13/00−15/02
A47J 31/00−31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の原料等を収容する本体部と、
前記本体部の前面に開閉自在に取り付けられた前面扉と、
利用者が飲料の提供を受ける際に飲料容器を置く容器受け部とを備え、
前記容器受け部に置かれた前記飲料容器に飲料を供給する飲料供給装置であって、
前記飲料容器を収納可能な収納空間部前記前面扉の外部側に設けられ
前記収納空間部を開閉自在で閉時は前記収納空間部を覆い隠す収納扉をさらに備える
ことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
前記前面扉の中央部に位置し、利用者が飲料の選択操作を行う操作部を備え、
前記収納空間部は、前記前面扉の左端部および右端部の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
前記収納扉は、それぞれ前記前面扉の中央から外側に開くように取り付けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記収納扉は、一部または全部が透光性を有する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記収納空間部に、前記飲料容器を保持する容器保持部材が配設されている
ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の飲料供給装置。
【請求項6】
前記容器保持部材は上面部を有し、前記飲料容器を、その開口部を下にした姿勢で前記上面部に積み重ねることにより前記飲料容器を保持する
ことを特徴とする請求項に記載の飲料供給装置。
【請求項7】
前記容器保持部材は、前記収納空間部に臨む側壁に着脱自在であり、前記収納空間部の任意の高さに配設可能である
ことを特徴とする請求項またはに記載の飲料供給装置。
【請求項8】
前記収納空間部に、包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を入れる副資材収容部材が配設されている
ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の飲料供給装置。
【請求項9】
前記副資材収容部材は、前記収納空間部に臨む側壁に着脱自在であり、前記収納空間部の任意の高さに配設可能である
ことを特徴とする請求項に記載の飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原料を希釈水で希釈したり、抽出したりして、飲料を紙コップ等の飲料容器に供給する飲料供給装置は既に知られている。このような飲料供給装置において、利用者が飲料の提供を受けるためには飲料容器が必要である。これに対応して、飲料供給装置に、飲料容器を収納するカップホルダが配設されているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1の飲料供給装置では、図8に示すように、飲料容器であるカップ22を高さ方向に積層して保持するカップホルダ23が、飲料供給装置21の側面から突出するように配設されている。このカップホルダ23は、上方が開口された箱状の収納部24と、この収納部24の開口を開閉自在とする蓋体25などから形成されており、蓋体25を開けてカップ22を収納した後に、収納部24の開口を蓋体25で閉じた状態で配設される。
【0004】
また、このカップホルダ23の下面には、カップ22を底部側から挿通可能な貫通孔(図示せず)が形成されている。さらに、この貫通孔の縁近傍には、カップ22の開口部を係止する係止部(図示せず)が形成され、カップ22の底部が貫通孔から下方に露出した状態で保持され、利用者がカップ22の底部を下方に引っ張ることにより、カップホルダ23からカップ22を1つずつ取り出せるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、カップホルダ23は通常オプション部品として販売されているため、飲料供給装置21の需要者は、飲料容器22を飲料供給装置21に保持するためには、カップホルダ23を別途購入しなければならない。また、カップホルダ23は飲料供給装置21の側面から突出するように配設されるため、飲料供給装置21の側方にカップホルダ23のためのスペースを確保する必要がある。したがって、例えば、飲料供給装置21を購入して設置した後に、カップホルダ23を取り付けようとした場合でも、飲料供給装置21の側方にカップホルダ23のためのスペースを確保することが困難である場合もある。さらに、カップホルダ23が飲料供給装置21の側面から突出して配設されているため見映えが悪くなり、飲料供給装置21のデザイン性に影響を与えることがある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するもので、飲料容器を良好に保持しつつ、実質的に安価となり、省スペース化でき、さらに見映えもよい飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の飲料供給装置は、飲料の原料等を収容する本体部と、前記本体部の前面に開閉自在に取り付けられた前面扉と、利用者が飲料の提供を受ける際に飲料容器を置く容器受け部とを備え、前記容器受け部に置かれた前記飲料容器に飲料を供給する飲料供給装置であって、前記飲料容器を収納可能な収納空間部前記前面扉の外部側に設けられ、前記収納空間部を開閉自在で閉時は前記収納空間部を覆い隠す収納扉をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の飲料供給装置は、前記前面扉の中央部に位置し、利用者が飲料の選択操作を行う操作部を備え、前記収納空間部が、前記前面扉の左端部および右端部の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の飲料供給装置は、前記収納扉がそれぞれ前記前面扉の中央から外側に開くように取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の飲料供給装置は、前記収納扉が、一部または全部が透光性を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の飲料供給装置は、前記収納空間部に、前記飲料容器を保持する容器保持部材が配設されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の飲料供給装置は、前記容器保持部材が上面部を有し、前記飲料容器を、その開口部を下にした姿勢で前記上面部に積み重ねることにより前記飲料容器を保持することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の飲料供給装置は、前記容器保持部材が、前記収納空間部に臨む側壁に着脱自在であり、前記収納空間部の任意の高さに配設可能であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の飲料供給装置は、前記収納空間部に、包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を入れる副資材収容部材が配設されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の飲料供給装置は、前記副資材収容部材が、前記収納空間部に臨む側壁に着脱自在であり、前記収納空間部の任意の高さに配設可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の飲料供給装置によると、飲料供給装置の内部に飲料容器を収納可能な収納空間部を有するため、飲料容器を飲料供給装置に保持させることにより、オプション部品としてカップホルダを購入する必要がない。そのため飲料供給装置がオプション部品購入時と比較して安価となる。また、飲料供給装置の側面にカップホルダを配設しないため、省スペース化できる。特に、装置の前面以外を壁などで囲まれた場合など、飲料供給装置の側方にカップホルダのためのスペースを確保することが困難である場合でも支障なく配設できる。さらに、飲料供給装置の側面から突出したカップホルダを用いないため、見映えがよく、デザイン性が損なわれることもない。
【0020】
また、収納空間部が前面扉に設けられていることにより、飲料供給装置の利用者は前面扉を開放することなく容易に飲料容器を取り出すことができる。さらに、飲料供給装置の本体部には飲料の原料を収容する原料収容部等を備えるが、原料を補充する際等に前面扉を開放した状態にしても、前面扉の開放に伴って収納空間部も移動するため、収納空間部に収納された飲料容器等が原料の補充作業等を邪魔することがなく、良好な利便性が保たれる。
【0021】
また、収納空間部が前面扉の左端部および右端部の少なくとも一方に設けられていることにより、利用者が供給飲料の選択操作を行う操作部等のためのスペースを前面扉の中央部に確保しつつ、数多くの飲料容器を積み上げることができ、飲料容器等を良好に収納することができる。
【0022】
また、収納空間部を開閉自在とする収納扉を備えることにより、収納空間部が露出している場合と比較して、飲料供給装置全体のデザイン性が保たれる。さらに、収納空間部に収納された飲料容器等を直射日光による紫外線劣化やほこりの付着などから保護することができ、飲料容器等の品質劣化や汚染などを防止することができる。
【0023】
また、収納扉がそれぞれ前面扉の中央から外側に開くことによって、収納扉を開放した状態であっても、収納扉が前面扉の中央部に位置する操作部等の邪魔をせず、また、収納空間部に収納された飲料容器を手に取って容器受け部まで移動させる動作の邪魔をせず、利用者の良好な利便性が保たれる。
【0024】
また、収納扉の一部または全部が透光性を有することにより、利用者が飲料容器の存在を視認することができる。すなわち、収納空間部が収納扉によって開閉自在とすると、収納扉が閉鎖した状態の場合、利用者が飲料容器の存在に気付かないおそれがあるが、収納扉の一部または全部が透光性を有することで、収納扉を閉鎖した状態であっても、利用者は飲料容器を視認できるため、飲料容器の存在を把握することができる。
【0025】
また、収納空間部に飲料容器を保持する容器保持部材が配設されていることにより、収納空間部から飲料容器が脱落することを防止できるとともに、収納扉が開放された際のデザイン性を損なうことなく、飲料容器を収納空間部に効率的に収納することができる。
【0026】
また、飲料容器は開口部を下にした姿勢で保持されるため、飲料容器の中へのほこりの侵入を防止できる。さらに、従来のカップホルダは飲料容器の開口部を係止するため、飲料容器のサイズごとにカップホルダの係止部を調整しなければならないが、本発明の容器保持部材は、飲料容器の開口部を係止しないため、飲料容器のサイズごとに調整することなく飲料容器を保持することができる。
【0027】
また、容器保持部材が収納空間部に臨む側壁に着脱自在であり、収納空間部の任意の高さに配設可能であることにより、管理者は収納空間部に収納する飲料容器の収納容量を任意に設定することができる。
【0028】
また、収納空間部に、包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を入れる副資材収容部材が配設されていることにより、さらに省スペース化させることができる。例えば、供給飲料がコーヒーや紅茶である場合、包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を提供することが望まれるが、通常このような副資材は飲料供給装置には保持されず、その近傍のテーブル等に設置される。本発明の構成により、管理者は別途テーブルを用意することなく副資材を提供することができるため、省スペース化できる。
【0029】
また、副資材収容部材が収納空間部に臨む側壁に着脱自在であり、収納空間部の任意の高さに配設可能であることにより、管理者は収納空間部に収納する副資材の収納容量を任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施の形態に係る飲料供給装置の斜視図である。
図2】同飲料供給装置において、前面扉を開放した状態を示す斜視図である。
図3】同飲料供給装置において、収納扉を開放した状態を示す斜視図である。
図4】同飲料供給装置において、収納扉が閉鎖された状態の、前面扉の左端部に配設された収納空間部の周辺を示す平面断面図である。
図5】同飲料供給装置において、収納扉が開放された状態の、前面扉の左端部に配設された収納空間部の周辺を示す平面断面図である。
図6】それぞれ本発明の実施の形態に係る飲料供給装置の容器保持部材を示す図で、(a)は斜め上方から見た斜視図、(b)は斜め下方から見た斜視図である。
図7】それぞれ本発明の実施の形態に係る飲料供給装置の副資材収容部材を示す図で、(a)は斜め下方から見た斜視図、(b)は斜め上方から見た斜視図である。
図8】従来の飲料供給装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置を、図面に基づき説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0032】
図1図3は本実施の形態に係る飲料供給装置を示す斜視図である。飲料供給装置1は、図1及び図2に示すように、本体部2と、この本体部2の前面に丁番部Tを介して回動自在に支持された前面扉3とを有しており、本体部2は前面扉3によって開閉自在とされている。前面扉3の中央部には、飲料供給装置1の利用者に供給飲料の種類を表示する表示部4と、利用者が供給飲料の選択操作を行う操作部5と、容器受け窓6とを有している。
【0033】
また、本体部2の内部には、飲料の原料を収容する原料収容部7と、原料の希釈水等を収容する給水タンク8と、利用者が飲料の提供を受ける際に飲料容器Aを置く容器受け部9と、排水を収容する排水タンク10などが備えられている。容器受け部9は、前面扉3を閉鎖した状態であっても、前面扉3の容器受け窓6を通して外部に露出している。
【0034】
利用者が表示部4に表示された飲料から1種類を選択して、選択した飲料に対応する操作部5を操作すると、飲料供給装置1に飲料供給の指示がなされる。飲料供給の指示があると、給水タンク8の希釈水と原料収容部7の原料とが混ぜ合わされて飲料となり、その飲料が容器受け部9に置かれた飲料容器Aに供給されるよう構成されている。なお、排水タンク10は容器受け部9の下方のホースと接続されており、このホースを通して容器受け部9にこぼれたり、飛散したりする排水を一時的に収容するものである。
【0035】
飲料供給装置1の管理者は、原料収容部7へ原料を補充する作業や、給水タンク8へ希釈水を補充する作業、排水タンク10の排水を外部へ排出するなどの作業を前面扉3を開放して行う。なお、給水タンク8や排水タンク10を設けずに、飲料供給装置1と上水道とを接続したり、排水を直接外部に排出するよう構成してもよい。この場合は、希釈水の補充や排水の排出の作業は不要となる。
【0036】
また、図3に示すように、前面扉3の上部の左端部及び右端部には、飲料容器Aを収納可能な収納空間部12および収納空間部12を開閉自在とする収納扉13が配設されている。さらに、図4及び図5に示すように、収納扉13の内側には、当該収納扉13を開閉自在に支持させるためのヒンジ取付け部13bと、ラッチ部13aとが設けられている。
【0037】
収納扉13のヒンジ取付け部13bは、高さ方向に延びる棒状のヒンジ部材14と接合されており、ヒンジ部材14は、収納空間部12の上端及び下端に配設された一対のヒンジ受け部材15によって支えられている。具体的には、ヒンジ部材14はその上端及び下端に、上方及び下方に突出する板状の凸部(図示せず)を有し、ヒンジ部材14の凸部がヒンジ受け部材15の丸孔15aに挿入されることによって回転自在な状態で支えられている。そして、ヒンジ部材14が取り付けられた収納扉13は、ヒンジ受け部材15の丸孔15aの中心を軸として回転することによって開閉自在となるよう構成されている。
【0038】
また、前面扉3の容器受け窓6の縁には窪み部6aが設けられており、容器受け窓6における窪み部6aの近傍には、弾性変形自在の板バネ部材16が当接されている。本実施の形態に係る飲料供給装置1では、収納扉13のラッチ部13aと板バネ部材16とが係合するように構成されており、これらが係合することによって収納扉13が勝手に開放しないよう構成されている。
【0039】
一方、利用者は、容器受け窓6の窪み部6aに指を入れて、ヒンジ受け部材15の丸孔15aの中心を軸として、前面扉3の中央から外側へ収納扉13を回転させることで、収納扉13のラッチ部13aと板バネ部材16との係合がはずれて収納扉13を開放することができるよう構成されている。
【0040】
また、本実施の形態に係る飲料供給装置1には、図3に示すように、収納空間部12に飲料容器Aを保持する容器保持部材17と、包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を入れる副資材収容部材18とが配設されている。前面扉3の収納空間部12に臨む側壁12aには、角穴12b(図4図5参照)が高さ方向に複数形成され、飲料供給装置1の管理者は適切な高さの角穴12bを選んで、容器保持部材17や副資材収容部材18を配設することができる。
【0041】
なお、図3において、前面扉3の左端部の収納空間部12に、容器保持部材17は2つ、副資材収容部材18は1つ配設されており、一方の容器保持部材17は飲料容器Aを保持した状態を示し、他方の容器保持部材17は飲料容器を保持しない状態を示している。このように、例えば、収納空間部12の上部及び中央部に容器保持部材17、下部に副資材収容部材18を配設することができる。
【0042】
図6は容器保持部材17を示す斜視図である。容器保持部材17は円盤状の上面部17aと、高さ方向に並んだ2つのフック部17bと、上面部17aの下方で、水平断面で十字状に形成された側面部17cと、側面部17cの下方で、フック部17bが取り付けられている支持部17dとを有している。
【0043】
そして容器保持部材17は、飲料容器Aの開口部を下にした姿勢で、上面部17aと飲料容器Aの底面とを当接させて、飲料容器Aを積み重ねることによって保持するよう構成されている。この構成により、飲料容器Aがどの方向にも倒れ難いように確実に保持するとともに、荷重の集中を避け、飲料容器Aの変形を防止することができる。
【0044】
また、容器保持部材17は、2つのフック部17bが収納空間部12に臨む側壁12aの角穴12bに係合するよう構成されており、これによって、容器保持部材17は着脱自在な状態で前面扉3に配設されている。
【0045】
利用者は収納扉13を開放して、積み上げられた飲料容器Aを上方へ持ち上げることで、容易に飲料容器Aを取り出すことができる。容器保持部材17はフック部17bを2つ有するため、角穴12bに確実に取り付けられ、利用者が飲料容器Aを取り出す際などに、容器保持部材17が誤って角穴12bから外れて飲料容器Aが散乱するようなことを防止できる。
【0046】
また、容器保持部材17は左右対称形状であり、前面扉3の左端部の収納空間部12と右端部の収納空間部12とで共通の容器保持部材17を配設することができるよう構成されている。そのため、飲料供給装置1の管理者にとっては利便性を保つことができ、飲料供給装置1の提供者にとっては金型費などの費用を抑制することができる。
【0047】
図7は副資材収容部材18を示す斜視図である。副資材収容部材18は、上面を開口するカップ状に形成されており、その中に包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を入れることができるよう構成されている。具体的には、副資材収容部材18は、互いに直角をなす2つの側面部18aと、それぞれの側面部18aの上端に取り付けられた2つのフック部18bと、側面部18aとで副資材収容部材18の側面を形成する湾曲部18cと、複数の孔部18eが形成された底面部18dとを有しており、底面部18dの孔部18eによって、副資材収容部材18の中にほこりが堆積しないように構成されている。
【0048】
また、副資材収容部材18は、2つのフック部18bが収納空間部12に臨む側壁12aの角穴12bに係合するよう構成されており、これによって、副資材収容部材18は着脱自在な状態で前面扉3に配設されている。副資材収容部材18はフック部18bを2つ有するため、角穴12bに確実に取り付けられ、副資材収容部材18が運用上誤って角穴12bから外れて副資材が散乱するようなことを防止できる。
【0049】
また、副資材収容部材18は左右対称形状であり、前面扉3の左端部の収納空間部12と右端部の収納空間部12とで共通の副資材収容部材18を配設することができるよう構成されている。そのため、飲料供給装置1の管理者にとっては利便性を保つことができ、飲料供給装置1の提供者にとっては金型費などの費用を抑制することができる。
【0050】
本実施の形態に係る飲料供給装置1によれば、飲料供給装置1の内部に飲料容器Aを収納可能な収納空間部12を有するため、需要者は飲料容器Aを飲料供給装置1に保持するために、オプション部品としてカップホルダを購入する必要がない。そのため飲料供給装置1は、オプション部品購入時と比較して安価となる。また、飲料供給装置1の側面にカップホルダを配設しないため、省スペース化できる。特に、飲料供給装置1の前面以外が壁やその他の配設物で囲まれた場合など、飲料供給装置1の側方にカップホルダ用のスペースを確保することが困難である場合でも支障なく配設できる。さらに、飲料供給装置1の側面から突出したカップホルダを用いないため、見映えがよく、デザイン性が損なわれることもない。
【0051】
また、収納空間部12が前面扉3に設けられていることにより、利用者は前面扉3を開放することなく容易に飲料容器Aを取り出すことができる。さらに、飲料供給装置1の本体部2には原料収容部7などを備えるが、原料を補充する際等に前面扉3を開放した状態にしても、前面扉3の開放に伴って収納空間部12も移動するため、収納空間部12に収納された飲料容器Aや副資材が、原料の補充等の作業を邪魔することがなく、良好な利便性が保たれる。
【0052】
収納空間部12は操作部5の上部や容器受け窓6の下部に設けてあってもよいが、収納空間部12を前面扉3の左端部及び右端部に設けることで、前面扉3の中央部に、表示部4や操作部5のためのスペースを確保しつつ、飲料容器Aを積み上げることで数多くの飲料容器Aを収納することができる。
【0053】
また、収納空間部12は収納扉13で開閉自在となっているため、収納空間部12が露出している場合と比較して、飲料供給装置1のデザイン性が保たれる。さらに、収納空間部12に収納された飲料容器A及び副資材を直射日光による紫外線劣化やほこりの付着などから保護することができ、飲料容器A及び副資材の品質劣化や汚染などを防止することができる。
【0054】
さらに、収納扉13はそれぞれ前面扉3の中央から外側に開くため、収納扉13を開放した状態であっても、収納扉13が前面扉3の中央部に位置する表示部4を隠したり、操作部5の操作の邪魔をしたりすることがない。さらに、収納空間部12と容器受け部6との間に収納扉13が位置しないので、収納扉13は、利用者が収納空間部12に収納された飲料容器Aを手に取って容器受け部6まで移動させる動作の邪魔にはならないため、良好な利便性が保たれる。
【0055】
また、収納空間部12に、飲料容器Aを保持する容器保持部材17が配設されていることにより、収納扉13を開放した状態であっても収納空間部12から飲料容器Aが脱落することを防止できるとともに、そのデザイン性を損なうことなく、飲料容器Aを収納空間部12に効率的に収納することができる。さらに、容器保持部材17は飲料容器Aを、その開口部を下にした姿勢で保持するため、飲料容器Aの中へのほこりの侵入を防止できる。
【0056】
また、従来のカップホルダは飲料容器Aの開口部を係止するため、飲料容器Aのサイズごとにカップホルダの係止部を調整しなければならないが、本実施の形態における容器保持部材17は、飲料容器Aの開口部を係止しないため、飲料容器Aのサイズごとに調整することなく飲料容器Aを保持することができる。
【0057】
また、収納空間部12に、包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を入れる副資材収容部材18が配設されていることにより、さらに省スペース化させることができる。例えば、飲料がコーヒーや紅茶である場合、包装された砂糖やミルク、マドラー等の副資材を提供することが望まれるが、通常このような副資材は飲料供給装置には保持されず、その近傍のテーブル等に設置される。本発明の構成を有することにより、管理者は別途テーブルを用意することなく副資材を利用者に提供することができるため、省スペース化できる。
【0058】
さらに、容器保持部材17と副資材収容部材18とは前面扉3の角穴12bに対して着脱可能であるため、必要に応じて容器保持部材17と副資材収容部材18を配設する個数を変えることができる。例えば、供給する飲料がお茶である場合等、副資材を必要としない場合は副資材収容部材18を配設せず、代わりに容器保持部材17を多く配設することができる。
【0059】
この場合には、副資材収容部材18を配設した場合よりも多くの飲料容器Aを保持することができるので、管理者がそれを補充する作業において、一回の補充作業でより多くの飲料容器Aを補充することができるため、作業の効率化が可能となる。
【0060】
また、容器保持部材17と係合させる角穴12bの高さを変更することによっても、飲料容器Aを保持できる数を設定することができる。例えば、容器保持部材17を一つだけ用いて、それを収納空間部12の下端の角穴12bに係合させた場合、飲料容器Aを積み重ねることができるスペースが最も広くなるため、最も多くの飲料容器Aを保持することができる。
【0061】
なお、収納扉13はその一部又は全部が透光性を有するように構成していてもよい。例えば、収納扉13として半透明のものを用いたり、この代わりに収納扉13の中央にスリット状の孔を設け、そこに透明樹脂を充填させるように構成したりする。この場合には、利用者は収納空間部12に収納された飲料容器Aを視認することができ、その存在を把握することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 飲料供給装置
2 本体部
3 前面扉
4 表示部
5 操作部
6 容器受け窓
6a 窪み部
7 原料収容部
9 容器受け部
12 収納空間部
12a 側壁
12b 角穴
13 収納扉
17 容器保持部材
18 副資材収容部材
A 飲料容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8