(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させる工程、
重合性組成物の一部に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させる工程、ならびに
透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部の全面に光を照射することにより、部分的に重合された箇所を含む重合性組成物を重合する工程
を含む画像表示装置の製造方法であって、重合性組成物が、
(成分1)アクリロイル基を有する化合物およびメタクリロイル基を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物、および
(成分2)α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤、および
(成分4−1)25℃で液状である化合物であって、ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含み、かつ重合性組成物の25℃の粘度が500〜5000mPa・sであることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
重合性組成物の一部に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させる工程において、光の照射量が、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10〜1000mJ/cm2であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の従来技術の有する課題を鑑みてなされたものであり、貼り合せ機が、透光性の保護部または透光性のタッチセンサー部の全面と同等以上の透光性の部分を有していない場合でも、適応可能で、美しい画像を提供できる、新規の画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、この画像表示装置の製造方法により製造された画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させ、貼り合せ機越しに、透光性の保護部および/または透光性のタッチセンサー部の一部に、光を照射し、介在させた重合性組成物の光が照射された部分を重合(仮重合)し、その後、重合性組成物を介在させた重合前の試験サンプルを貼り合せ機から取り出し、露光機を用いて、透光性の保護部および/または透光性のタッチセンサー部の全面に光を照射して重合(本重合する)を行うことによって、貼り合せ機が、透光性の保護部または透光性のタッチセンサー部の全面と同等以上の透光性の部分を有していない場合でも、適応可能であり、さらに、前記光重合性組成物として、特定の化合物を含む光重合性組成物を用いることによって、本重合後の重合物において、仮重合が行われた箇所と仮重合が行われなかった箇所の境界の近傍に、境界線(屈折率差によって生ずる線)が発生することなく、その結果、美しい画像を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明(I)は
、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させる工程、
重合性組成物の一部に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させる工程、ならびに
透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部の全面に光を照射することにより、部分的に重合された箇所を含む重合性組成物を重合する工程
を含む画像表示装置の製造方法であって、重合性組成物が、
(成分1)アクリロイル基を有する化合物およびメタクリロイル基有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物、および
(成分2)α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤
を含み、かつ重合性組成物の25℃の粘度が500〜5000mPa・sであることを特徴とする画像表示装置の製造方法に関する。
本発明(II)は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造することが可能な画像表示装置に関する。
【0011】
さらに言えば、本発明は、以下の[1]〜[14]に関する。
[1] 画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させる工程、
重合性組成物の一部に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させる工程、ならびに
透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部の全面に光を照射することにより、部分的に重合された箇所を含む重合性組成物を重合する工程
を含む画像表示装置の製造方法であって、重合性組成物が、
(成分1)アクリロイル基を有する化合物およびメタクリロイル基を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物、および
(成分2)α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤
を含み、かつ重合性組成物の25℃の粘度が500〜5000mPa・sであることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
[2] 重合性組成物の一部に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させる工程において、光の照射量が、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10〜1000mJ/cm
2であることを特徴とする[1]に記載の画像表示装置の製造方法。
[3] 重合性組成物が、さらに、
(成分3)アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
を含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像表示装置の製造方法。
[4] 成分2と成分3の比率が質量比で50:50〜95:5であることを特徴とする[3]に記載の画像表示装置の製造方法。
[5] 成分1が、
数平均分子量が1000〜40000であるアクリロイル基含有高分子化合物および数平均分子量が1000〜40000であるメタクリロイル基含有高分子化合物からなる群より選択された少なくとも1種の高分子化合物、ならびに
分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[6] 成分1が、
ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリイソプレン系アクリレート、ポリイソプレン系メタクリレート、ポリブタジエン系アクリレート、ポリブタジエン系メタクリレート、水添ポリイソプレン系アクリレート、水添ポリイソプレン系メタクリレート、水添ポリブタジエン系アクリレートおよび水添ポリブタジエン系メタクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の高分子化合物、ならびに
分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[7] 分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物が、
炭素数8〜18の炭化水素基を有するアクリレート、炭素数8〜18の炭化水素基を有するメタクリレート、エーテル結合を有するアクリレートおよびエーテル結合を有するメタクリレートからなる群より選択された化合物、および
アクリルアミド系化合物、メタクリルアミド系化合物、アルコール性水酸基含有アクリレートおよびアルコール性水酸基含有メタクリレートからなる群より選択された化合物
を含むことを特徴とする[5]または[6]に記載の画像表示装置の製造方法。
[8] 重合性組成物が、さらに、
(成分4)アクリロイル基、メタクリロイル基、ラジカル重合を抑制する機能、ラジカル重合を禁止する機能および光重合開始機能のいずれも有しない炭素原子および水素原子で構成された化合物、ならびに、アクリロイル基、メタクリロイル基、ラジカル重合を抑制する機能、ラジカル重合を禁止する機能および光重合開始機能のいずれも有しない炭素原子、水素原子および酸素原子で構成された化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[9] 成分4が、
25℃で液状である化合物および25℃で固体である化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[8]に記載の画像表示装置の製造方法。
[10] 成分4が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[9]に記載の画像表示装置の製造方法。
[11] 成分4は、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[9]に記載の画像表示装置の製造方法。
[12] 成分4が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、液状ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[9]に記載の画像表示装置の製造方法。
[13] 成分4が、25℃で固体である化合物を含み、
前記25℃で固体である化合物は、水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂および水添ロジンエステルからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[9]に記載の画像表示装置の製造方法。
[14] [1]〜[13]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法によって製造することが可能な画像表示装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像表示装置の製造方法によれば、貼り合せ機越しに、透光性の保護部および/または透光性のタッチセンサー部の一部に、光を照射し、重合性組成物の光が照射された部分を重合(仮重合)し、その後、部分的に重合された重合性組成物を介在させた物品を貼り合せ機から取り出し、露光機を用いて、透光性の保護部または透光性のタッチセンサー部の全面に光を照射して重合(本重合)を行うと、本重合後の重合物において、仮重合が行われた箇所と仮重合が行われなかった箇所の境界の近傍に、境界線(屈折率差によって生ずる線)を発生することはなく、その結果、美しく、ムラのない画像表示装置をつくることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明の画像表示装置の製造方法の概要を、
図11を参照して説明する。ただし、本発明は
図11に記載のものに限定されない。
図11は、本発明に係る表示装置の製造工程の概略を示す図である。
まず、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させて、重合前の重合性組成物を介在させた物品11を作製する。重合前の重合性組成物を介在させた物品11に、透光性の部分13を有する貼り合せ機12を重ね合わせ、物品11を所定の厚みにする(工程b)。なお、12は、貼り合せ機を上方から見た図であり、貼り合せ機の貼り合せ部分の上面を意味する。次いで、貼り合せ機12越しに、透光性の保護部および/または透光性のタッチセンサー部の一部に、仮露光用ランプ15を用いて光を照射し、重合性組成物を部分的に重合(仮重合)させる(工程c)。貼り合せ機12を用いて所定の厚みにされ、かつ部分的に重合された箇所を含む重合性組成物が介在する物品11は、重ね合わせが解除され、貼り合せ機12から取り出される(工程d)。工程dに示された物品11において、点模様が付された部分は重合性組成物が重合した部分を示す。貼り合せ機12から取り出された物品11は、その後、コンベアタイプ等の大型露光機内のランプ14を用いて、物品11の透光性の保護部および/または透光性のタッチセンサー部の全面に光が照射される(工程e)。この光の照射により、重合性組成物の全面が重合し、重合物層が介在した画像表示装置1が得られる。
【0015】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明(I)について説明する。
本発明(I)は、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させる工程、
重合性組成物の一部に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させる工程、ならびに
透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択される少なくとも1つの透光性の部の全面に光を照射することにより、部分的に重合された箇所を含む重合性組成物を重合する工程
を含む画像表示装置の製造方法であって、重合性組成物が、
(成分1)アクリロイル基を有する化合物およびメタクリロイル基有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物、および
(成分2)α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤
を含み、かつ重合性組成物の25℃の粘度が500〜5000mPa・sであることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
【0016】
まず、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させる工程について説明する。
なお、本明細書に記載の「画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間」とは、例えば、
図1、
図4、
図5の5b部や、
図6〜
図8の5a部を意味する。また、本明細書に記載の「画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間」とは、例えば、
図2や
図3の5b部を意味し、本明細書に記載の「透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間」とは、例えば、
図2や
図3の5a部を意味する。
【0017】
画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、および透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間の中から選択された少なくとも1箇所に重合性組成物を介在させる方法には、特に制限はない。
画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させる場合には、画像表示装置の画像表示部を有する基部上に、重合性組成物を塗布し、その後、画像表示装置の画像表示部を有する基部の重合性組成物塗布面と透光性の保護部の貼り合せ面とを重合性組成物を介して接触させても、透光性の保護部の貼り合せ面上に、重合性組成物を塗布し、その後、透光性の保護部の重合性組成物塗布面と画像表示装置の画像表示部を有する基部の貼り合せ面とを重合性組成物を介して接触させてもいっこうにかまわず、特に制限はない。
また、重合性組成物を介して、画像表示装置の画像表示部を有する基部の重合性組成物塗布面と透光性の保護部の貼り合せ面とを、または透光性の保護部の重合性組成物塗布面と画像表示装置の画像表示部を有する基部の貼り合せ面とを接触させる際に、重合性組成物を塗布した部を上面にして接触させても、重合性組成物を塗布した部を下面にして接触させてもいっこうにかまわず、特に制限はない。
さらに、接触させた後、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部の間にある重合性組成物を押し広げて、重合性組成物の厚みを所望の厚みに調整することが必要であるが、上面に配した部の自重のみで押し広げても、外部より圧力をかけて押し広げてもいっこうにかまわず、特に制限はない。
画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、あるいは透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させる場合においても、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させる場合と同様であり、特に制限はない。
また、これらの貼り合せには、貼り合せ機が使用されるのが一般的である。しかし、本発明において、貼り合せ機を使用することは必須ではなく、貼り合せ機を用いずに本工程を行ってもいっこうにかまわない。
【0018】
次に、重合性組成物の一部に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択される少なくとも1つの透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させる工程について説明する。
この工程で、使用されるランプについては、後述の成分2および重合性組成物が成分3を含む場合には、成分2および成分3が感光可能な光を発することのできるランプであれば特に制限はないが、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧UVランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ等を使用することができる。
【0019】
また、本工程では、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択される少なくとも1つの透光性の部越しに、重合性組成物の一部に光を照射することになる。ここでいう「一部」とは、充填された重合性組成物の全面積より少なくかつ本工程の後から後述の次の工程が開始するまでの時間、貼り合せた保護部、タッチセンサー部、画像表示装置の画像表示部を有する基部がずれない程度の面積であればよいことを意味する。本工程では、一般的には、充填された重合性組成物の全面積に対して3〜70%に光を照射することが好ましく、より好ましくは4〜65%、さらに好ましくは5〜60%である。充填された重合性組成物の全面積の3%未満にしか光を照射しない場合には、本工程の後から後述の次の工程が開始するまでの時間に貼り合せた保護部、タッチセンサー部、画像表示装置の画像表示部を有する基部がずれたり、光を照射しない部分の重合性組成物が流動して、貼り合せた面の端から流れ出てしまう可能性があり、好ましいこととはいえない。また、充填された重合性組成物の全面積に対して、70%以上に光を照射することは、貼り合せ面積が小さい場合には可能であるが、貼り合せの面積が大きくなると、貼り合せ機の設計上の大きな制約事項になるかあるいは貼り合せ機の蓋越しにそのような大面積を光照射することは、露光機も大がかりなものとならなければならず、実用的であるとはいえない。
【0020】
また、本工程で使用される光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10〜1000mJ/cm
2であることが好ましく、より好ましくは100〜900mJ/cm
2であり、さらに好ましくは130〜800mJ/cm
2である。本工程での光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10mJ/cm
2未満の場合には、必要とされるほど仮重合が進行しないことがあり好ましいこととは言えない。また、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、1000mJ/cm
2より多い場合には、重合性組成物の組成によっては、仮重合が行われた箇所と仮重合が行われなかった箇所の境界の近傍に、境界線(屈折率差によって生ずる線)が発生してしまう可能性があり好ましいこととは言えない。
なお、本明細書に記載の「365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値」とは、ウシオ電機株式会社製 紫外線積算光量計 UIT−250を用いて測定された積算光量の値である。
【0021】
また、本工程で使用される光の照度は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された照度の値で、10〜400mW/cm
2であることが好ましく、より好ましくは30〜300mW/cm
2であり、さらに好ましくは50〜200mW/cm
2である。10mW/cm
2未満の場合には、照度不足になり、重合性組成物の種類によっては、重合に必要な照度が不足してしまう可能性があり、好ましいこととはいえない。また、本工程で使用される光の照度は、365nmを検出する照度計を用いて観測されるエネルギーで、400mW/cm
2より大きい場合には、重合性組成物の種類によっては反応率が90%未満しか進まない場合があり、好ましいこととは言えない。
なお、本明細書に記載の「365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された照度の値」とは、ウシオ電機株式会社製 紫外線積算光量計 UIT−250を用いて測定された照度の値である。
【0022】
次に、透光性の保護部および透光性のタッチセンサー部から選択された少なくとも1つの透光性の部の全面に光を照射することにより、部分的に重合された箇所を含む重合性組成物を重合する工程について説明する。
この工程で、使用されるランプについては、後述の成分2および重合性組成物が成分3を含む場合には、成分2および成分3が感光可能な光を発することのできるランプであれば特に制限はないが、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧UVランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ等を使用することができる。また、ランプの照射面積が透光性の保護部や透光性のタッチセンサー部の片面全体よりも大きいか、あるいはコンベア方式の露光機等の、透光性の保護部や透光性のタッチセンサー部の片面全体を短時間で光照射可能な装置を用いることが好ましい。
【0023】
また、本工程での光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて観測されるエネルギーで、1000〜10000mJ/cm
2であることが好ましく、より好ましくは1500〜9000mJ/cm
2であり、さらに好ましくは2000〜8000mJ/cm
2である。このような365nmを検出する紫外線積算光量計としては、例えば、ウシオ電機株式会社製 紫外線積算光量計 UIT−250等を挙げることができる。
【0024】
次に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物について説明する。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の25℃の粘度が500〜5000mPa・sであり、好ましくは650〜4700mPa・sであり、より好ましくは800〜4500mPa・sである。25℃での重合性組成物の粘度が500mPa・s未満の場合には、保護部、タッチセンサー部あるいは画像表示部を有する基部の上面に、重合性組成物に塗布し、その塗布した面を反転させ、下面にして、貼り合せに使用するもう一方の部と貼り合せる手法をとる場合には、反転させた際に、液が塗布面から流れ落ちてしまうことがある。また、保護部、タッチセンサー部あるいは画像表示部を有する基部に、重合性組成物に塗布し、貼り合せに使用するもう1方の部を上から押し当てる場合には、塗布した重合性組成物が該重合性組成物の自重で流れてしまい、貼り合せに使用するもう1方の部を上から押し当てる際に、空気を巻き込み、貼り合せたものの中に気泡が残存したままになってしまう。25℃での重合性組成物の粘度が5000mPa・sより高い場合には、2つの貼り合せに使用する部を、重合性組成物を介して重ね合せた後の重合性性組成物の流動性が極端に小さくなり、特に、貼り合せ面積が大きい場合には、貼り合せ面の全面に重合性組成物を行き渡らせるのに長い時間が必要になってしまい、好ましくない。
なお、本明細書に記載の粘度は、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式:DV−II+Pro、スピンドルの型番:CPE−42)を用いて、回転数5rpmの条件で測定された粘度の値である。
【0025】
次に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の成分である成分1について説明する。
成分1は、アクリロイル基を有する化合物およびメタクリロイル基を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物である。
成分1は、アクリロイル基とメタクリロイル基のいずれか、あるいは、両方を分子内に有する化合物である。
ただし、前述のように成分1を含む重合性組成物の25℃での粘度は、500〜5000mPa・sでなければならない。従って、これらの条件を容易に満たすには、成分1は数平均分子量が1000〜40000であるアクリロイル基含有高分子化合物および数平均分子量が1000〜40000であるメタクリロイル基含有高分子化合物からなる群より選択された少なくとも1種の高分子化合物、ならびに分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物を併用して用いることが好ましい。
数平均分子量が1000〜40000であるアクリロイル基含有高分子化合物および数平均分子量が1000〜40000であるメタクリロイル基含有高分子化合物からなる群より選択された少なくとも1種の高分子化合物は、25℃での粘度は500mPa・sよりもずっと大きいことが多い。これらの高分子化合物と分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物を併用することにより、容易に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の25℃での粘度を500〜5000mPa・sに調整することができる。
【0026】
また、材料面からみると、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリイソプレン系アクリレート、ポリイソプレン系メタクリレート、ポリブタジエン系アクリレート、ポリブタジエン系メタクリレート、水添ポリイソプレン系アクリレート、水添ポリイソプレン系メタクリレート、水添ポリブタジエン系アクリレートおよび水添ポリブタジエン系メタクリレートからなる群より選択された少なくとも1種以上の高分子化合物、ならびに分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物を併用して用いることが好ましい。
【0027】
ウレタンアクリレートとは、1つ以上のウレタン結合を有しかつ1つ以上のアクリレート基を有する化合物である。
ウレタンアクリレートとしては、ポリエステルポリオール系ウレタンアクリレート、ポリイソプレン系ウレタンアクリレート、ポリブタジエン系ウレタンアクリレートおよび水添ポリイソプレン系ウレタンアクリレートが好ましい。
【0028】
ウレタンメタクリレートとは、1つ以上のウレタン結合を有しかつ1つ以上のメタクリレート基を有する化合物である。
ウレタンメタクリレートとしては、ポリエステルポリオール系ウレタンメタクリレート、ポリイソプレン系ウレタンメタクリレート、ポリブタジエン系ウレタンメタクリレートおよび水添ポリイソプレン系ウレタンメタクリレートが好ましく使用される。
【0029】
ポリイソプレン系アクリレートとは、分子中にポリイソプレン構造とアクリレート基を有する化合物である。
ポリイソプレン系アクリレートとしては、イソプレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシル基含有アクリレート付加物、ポリイソプレンポリオールとアクリル酸のエステル化物、ポリイソプレンポリオールとアクリル酸エステルとのエステル交換反応物等が好ましく使用される。
【0030】
ポリイソプレン系メタクリレートとは、分子中にポリイソプレン構造とメタクリレート基を有する化合物である。
ポリイソプレン系メタクリレートとしては、イソプレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシル基含有メタクリレート付加物、ポリイソプレンポリオールとメタクリル酸のエステル化物、ポリイソプレンポリオールとメタクリル酸エステルとのエステル交換反応物等が好ましく使用される。市販品では、ポリイソプレン構造単位を有するメタクリロイル基含有化合物であるクラプレンUC−102、UC−203(株式会社クラレ製)等を挙げることができる。
【0031】
ポリブタジエン系アクリレートとは、分子中にポリブタジエン構造とアクリレート基を有する化合物である。
ポリブタジエン系アクリレートとしては、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシル基含有アクリレート付加物、ポリブタジエンポリオールとアクリル酸のエステル化物、ポリブタジエンポリオールとアクリル酸エステルとのエステル交換反応物等が好ましく使用される。市販品では、ポリブタジエン構造単位を有するアクリレートであるNISSO−PB TEA−1000(日本曹達株式会社製)等を挙げることができる。
【0032】
ポリブタジエン系メタクリレートとは、分子中にポリブタジエン構造とメタクリレート基を有する化合物である。
ポリブタジエン系メタクリレートとしては、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシル基含有メタクリレート付加物、ポリブタジエンポリオールとメタクリル酸のエステル化物、ポリブタジエンポリオールとメタクリル酸エステルとのエステル交換反応物等が好ましく使用される。市販品では、ポリブタジエン構造単位を有するメタクリレートであるNISSO−PB TE−2000(日本曹達株式会社製)等を挙げることができる。
【0033】
水添ポリイソプレン系アクリレートとは、分子中に水添ポリイソプレン構造とアクリレート基を有する化合物である。
水添ポリイソプレンポリオールとアクリル酸のエステル化物、水添ポリイソプレンポリオールとアクリル酸エステルとのエステル交換反応物、水添ポリイソプレンポリオールとイソシアナト基含有アクリレートの付加物、水添ポリイソプレンポリオール、ポリイソシアネートおよびアルコール性水酸基含有アクリレートの付加物等が好ましく使用される。
【0034】
水添ポリイソプレン系メタクリレートとは、分子中に水添ポリイソプレン構造とメタクリレート基を有する化合物である。
水添ポリイソプレンポリオールとメタクリル酸のエステル化物、水添ポリイソプレンポリオールとメタクリル酸エステルとのエステル交換反応物、水添ポリイソプレンポリオールとイソシアナト基含有メタクリレートの付加物、水添ポリイソプレンポリオール、ポリイソシアネートおよびアルコール性水酸基含有メタクリレートの付加物等が好ましく使用される。
【0035】
水添ポリブタジエン系アクリレートとは、分子中に水添ポリブタジエン構造とアクリレート基を有する化合物である。
水添ポリブタジエンポリオールとアクリル酸のエステル化物、水添ポリブタジエンポリオールとアクリル酸エステルとのエステル交換反応物、水添ポリブタジエンポリオールとイソシアナト基含有アクリレートの付加物、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソシアネートおよびアルコール性水酸基含有アクリレートの付加物等が好ましく使用される。市販品では、ポリブタジエン構造単位を有するアクリレートであるNISSO−PB TEAI−1000(日本曹達株式会社製)等を挙げることができる。
【0036】
水添ポリブタジエン系メタクリレートとは、分子中に水添ポリブタジエン構造とメタクリレート基を有する化合物である。
水添ポリブタジエンポリオールとメタクリル酸のエステル化物、水添ポリブタジエンポリオールとメタクリル酸エステルとのエステル交換反応物、水添ポリブタジエンポリオールとイソシアナト基含有メタクリレートの付加物、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソシアネートおよびアルコール性水酸基含有メタクリレートの付加物等が好ましく使用される。
【0037】
分子量500以下のアクリロイル基含有化合物とは、1分子中にアクリロイル基を有する分子量500以下の化合物である。
分子量500以下のアクリロイル基含有化合物としては、例えば、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルエチルアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート等の環状脂肪族基を有するアクリレート、ヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソノニルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシルアクリレート、イソオクタデシルアクリレート、2−ヘプチルウンデシルアクリレート等の鎖状脂肪族基を有するアクリレート、メトキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチルアクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−2−イルメチルアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート等の分子中にエーテル結合を有するアクリレート、α−アクリロキシ−γ−ブチロラクトン等の環状エステルを有するアクリロイル基含有化合物、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルメタクリレート等のアルコール性水酸基含有アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモリホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド系化合物等を挙げることができる。
アクリロイル基含有化合物の分子量の下限は限定するものではないが、アクリロイル基含有化合物の分子量は好ましくは86以上である。
【0038】
分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物とは、1分子中にメタクリロイル基を有する分子量500以下の化合物であれる。
分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物としては、例えば、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンタニルエチルメタクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルメタクリレート等の環状脂肪族基を有するメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、2−プロピルヘプチルメタクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシルメタクリレート、イソオクタデシルメタクリレート、2−ヘプチルウンデシルメタクリレート等の鎖状脂肪族基を有するメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−2−イルメチルメタクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレート等の分子中にエーテル結合を有するメタクリレート、α−メタクリロキシ−γ−ブチロラクトン等の環状エステルを有するメタクリロイル基含有化合物、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルメタクリレート等のアルコール性水酸基含有メタクリレート、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルモリホリン、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−イソブトキシメチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド系化合物等を挙げることができる。
メタクリロイル基含有化合物の分子量の下限は限定するものではないが、メタクリロイル基含有化合物の分子量は好ましくは100以上である。
【0039】
これらの分子量500以下のアクリロイル基含有化合物や分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物の中で好ましい組み合わせは、
(a)シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルエチルアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソノニルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシルアクリレート、イソオクタデシルアクリレート、2−ヘプチルウンデシルアクリレート等の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンタニルエチルメタクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、2−プロピルヘプチルメタクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシルメタクリレート、イソオクタデシルメタクリレート、2−ヘプチルウンデシルメタクリレート等の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチルアクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−2−イルメチルアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート等のエーテル結合を有するアクリレートおよびメトキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−2−イルメチルメタクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレート等のエーテル結合を有するメタクリレートからなる群より選択された化合物と、
(b)N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモリホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド系化合物、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルモリホリン、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−イソブトキシメチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド系化合物、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルメタクリレート等のアルコール性水酸基含有アクリレート、および2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルメタクリレート等のアルコール性水酸基含有メタクリレートからなる群より選択された化合物
を併用することが好ましい。
上記の化合物を組み合わせで用いることにより、後述の本発明(II)の画像表示装置中の重合物の高温条件下での着色を抑制できかつ後述の本発明(II)の画像表示装置中の重合物の高温多湿下での白化現象を抑制できる。
【0040】
前記の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するアクリレート、前記の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するメタクリレート、前記のエーテル結合を有するアクリレートおよび前記のエーテル結合を有するメタクリレートからなる群より選択された化合物と、前記アクリルアミド系化合物、前記メタクリルアミド系化合物、前記アルコール性水酸基含有アクリレートおよび前記アルコール性水酸基含有メタクリレートからなる群より選択された化合物の好ましい使用比率は、質量比で、40:60〜90:10であり、さらに好ましくは45:55〜85:15であり、特に好ましくは、50:50〜80:20である。前記の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するアクリレート、前記の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するメタクリレート、前記のエーテル結合を有するアクリレートおよび前記のエーテル結合を有するメタクリレートからなる群より選択された化合物と、前記アクリルアミド系化合物、前記メタクリルアミド系化合物、前記アルコール性水酸基含有アクリレートおよび前記アルコール性水酸基含有メタクリレートからなる群より選択された化合物の使用比率が、40:60より小さい場合には、重合物の耐水性が悪くなる場合が生じる。また、前記の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するアクリレート、前記の炭素数8〜炭素数18の炭化水素基を有するメタクリレート、前記のエーテル結合を有するアクリレートおよび前記のエーテル結合を有するメタクリレートからなる群より選択された化合物と、前記アクリルアミド系化合物、前記メタクリルアミド系化合物、前記アルコール性水酸基含有アクリレートおよび前記アルコール性水酸基含有メタクリレートからなる群より選択された化合物の使用比率が、90:10より大きい場合には、重合物の高温多湿下での白化現象が起きる可能性があり、好ましいこととは言えない。
【0041】
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分1の使用量は、成分1と後述の成分4を合わせた総量に対して25〜75質量%であることが好ましく、さらに好ましくは30〜70質量%であり、特に好ましくは35〜65質量%である。成分1の使用量が、成分1と後述の成分4を合わせた総量に対して25質量%未満の場合には、重合性組成物を重合して得られる重合物の塗膜強度が不足する場合があり、好ましいこととは言えない。また、成分1の使用量が、成分1と後述の成分4を合わせた総量に対して75質量%より多い場合には、重合時の体積収縮率が大きくなりすぎ、偏光板がひずむ場合、あるいは貼り合せられた部と重合物の界面に大きな応力が発生し、結果として、貼り合せられた部と重合物との密着強度が低下する場合があり、好ましいこととは言えない。
【0042】
また、成分1中の、数平均分子量が1000〜40000であるアクリロイル基含有高分子化合物および数平均分子量が1000〜40000であるメタクリロイル基含有高分子化合物からなる群より選択された高分子化合物と、分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された化合物の使用比率は、質量比で、45:55〜85:15であることが好ましく、さらに好ましくは、質量比で、50:50〜80:20である。数平均分子量が1000〜40000であるアクリロイル基含有高分子化合物および数平均分子量が1000〜40000であるメタクリロイル基含有高分子化合物からなる群より選択された高分子化合物と、分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された化合物の使用比率が、質量比で、45:55よりも小さい場合には、重合時体積収縮率が大きくなり過ぎる場合、あるいは重合物の塗膜強度が不足する場合があり好ましいこととは言えない。また、数平均分子量が1000〜40000であるアクリロイル基含有高分子化合物および数平均分子量が1000〜40000であるメタクリロイル基含有高分子化合物からなる群より選択された高分子化合物と、分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された化合物の使用比率が、質量比で、80:20よりも大きい場合には、重合性組成物の粘度が高くなり過ぎる場合があり、好ましいこととは言えない。
【0043】
さらに、成分1中の、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリイソプレン系アクリレート、ポリイソプレン系メタクリレート、ポリブタジエン系アクリレート、ポリブタジエン系メタクリレート、水添ポリイソプレン系アクリレート、水添ポリイソプレン系メタクリレート、水添ポリブタジエン系アクリレートおよび水添ポリブタジエン系メタクリレートからなる群より選択された高分子化合物と、分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された化合物の使用比率も同様に、質量比で、45:55〜85:15であることが好ましく、さらに好ましくは、質量比で、50:50〜80:20である。ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリイソプレン系アクリレート、ポリイソプレン系メタクリレート、ポリブタジエン系アクリレート、ポリブタジエン系メタクリレート、水添ポリイソプレン系アクリレート、水添ポリイソプレン系メタクリレート、水添ポリブタジエン系アクリレートおよび水添ポリブタジエン系メタクリレートからなる群より選択された高分子化合物と、分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された化合物の使用比率が、質量比で、45:55よりも小さい場合には、重合時体積収縮率が大きくなり過ぎる場合、あるいは重合物の塗膜強度が不足する場合があり好ましいこととは言えない。また、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリイソプレン系アクリレート、ポリイソプレン系メタクリレート、ポリブタジエン系アクリレート、ポリブタジエン系メタクリレート、水添ポリイソプレン系アクリレート、水添ポリイソプレン系メタクリレート、水添ポリブタジエン系アクリレートおよび水添ポリブタジエン系メタクリレートからなる群より選択された高分子化合物と、分子量500以下のアクリロイル基含有化合物および分子量500以下のメタクリロイル基含有化合物からなる群より選択された化合物の使用比率が、質量比で、80:20よりも大きい場合には、重合性組成物の粘度が高くなり過ぎる場合があり、好ましいこととは言えない。
【0044】
次に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の成分である成分2について説明する。
成分2は、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤である。
α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等を挙げることができる。これらの化合物を単独でもちいても、2種類以上を併用してもいっこうもかまわない。
【0045】
また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物には、下記成分3を使用することができかつ使用することが好ましい。
成分3は、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤である。
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
【0046】
成分2であるα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤と成分3であるアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤の使用比率は、質量比で50:50〜95:5であることが好ましく、より好ましくは55:45〜93:7であり、さらに好ましくは58:42〜90:10である。成分2であるα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤と成分3であるアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤の使用比率が95:5よりも大きくなると、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤の添加効果が見られなくなる可能性がある。また、成分2であるα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤と成分3であるアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤の使用比率が50:50より小さくなると、本重合後の重合物において、仮重合が行われた箇所と仮重合が行われなかった箇所の境界の近傍に、境界線(屈折率差によって生ずる線)を発生することがあるので好ましいこととは言えない。
【0047】
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の光重合開始剤の使用量は、成分1と後述の成分4を合わせた総量100質量部に対して0.1〜10.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜7.0質量部であり、さらに好ましくは0.3〜5.0質量部である。光重合開始剤の使用量が、成分1と後述の成分4を合わせた総量100質量部に対して0.1質量部未満の場合には、光重合開始剤が不足し、重合が不十分にある可能性があり好ましいことではない。また、光重合開始剤の使用量が、成分1と後述の成分4を合わせた総量100質量部に対して10.0質量部より多い場合には、重合物の分子量が小さくなりすぎ、重合物の強度不足になる可能性があり好ましいことではない。
【0048】
また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中には、さらに、下記成分4を使用することができかつ使用することが好ましい。
成分4は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ラジカル重合を抑制する機能、ラジカル重合を禁止する機能、および光重合開始機能のいずれも有しない炭素原子および水素原子で構成された化合物、ならびに、アクリロイル基、メタクリロイル基、ラジカル重合を抑制する機能、ラジカル重合を禁止する機能、および光重合開始機能のいずれも有しない炭素原子、水素原子、および酸素原子で構成された化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物である。
重合時の体積収縮率を低く抑える目的で成分4を使用する。また、重合時の体積収縮率を抑制する他、ガラスやアクリル樹脂等の被着体への重合物の密着性を増加させる目的で使用される場合もある。
【0049】
成分4としては、25℃で液状である化合物、あるいは、25℃で固体である化合物を用いることができる。
【0050】
成分4として用いられる、25℃で液状である化合物としては、例えば、ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオール、液状水添ポリイソプレンポリオール、水添ダイマージオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
【0051】
ポリ(α−オレフィン)液状物とは、α−オレフィンの重合により製造される液状物であり、α−オレフィンとは炭素−炭素二重結合を分子末端に1つ有する炭化水素化合物であり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等を挙げることができる。
【0052】
エチレン−α−オレフィン共重合体液状物とは、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造される液状重合物である。α−オレフィンとは炭素−炭素二重結合を分子末端に1つ有する炭化水素化合物であり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等を挙げることができる。
【0053】
プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物とは、プロピレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造される液状重合物である。α−オレフィンとは炭素−炭素二重結合を分子末端に1つ有する炭化水素化合物であり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等を挙げることができる。
【0054】
液状ポリブテンとは、イソブテンの単独重合、n−ブテンの単独重合、イソブテンおよびn−ブテンの共重合等のイソブテンあるいはn−ブテンを(共)重合成分に含む液状重合物であり、末端の一方に炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である。液状ポリブテンの市販品としては、例えば、JX日鉱日石エネルギー株式会社製の日石ポリブテンLV−7、LV−50、LV−100、HV−15、HV−35、HV−50、HV−100、HV−300等を挙げることができる。
【0055】
液状水添ポリブテンとは、前記液状ポリブテンを、水素添加して得られる側鎖を有する液状物であり、例えば、日油株式会社製のパームリール4、パームリール6、パームリール18、パームリール24、パームリールEX等を挙げることができる。
【0056】
液状ポリブタジエンとは、常温で液状のブタジエン重合物であり、例えば、エボニックデグサ製のPOLYVEST110、POLYVEST130や日本曹達株式会社製のNISSO−PB B−1000、NISSO−PB B−2000、NISSO−PB B−3000等を挙げることができる。
【0057】
液状水添ポリプタジエンとは、ブタジエン重合物を還元水素化して得られる、常温で液状物であり、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB BI−2000、NISSO−PB B−3000等を挙げることができる。
【0058】
液状ポリイソプレンとは、常温で液状のイソプレン重合物であり、例えば、株式会社クラレ製のクラプレン LIR−30等を挙げることができる。
【0059】
液状水添ポリイソプレンとは、イソプレン重合物を還元水素化して得られる、常温で液状の化合物であり、株式会社クラレ製のLIR−200等を挙げることができる。
【0060】
液状ポリブタジエンポリオールとは、分子末端に水酸基を2つ以上有しかつポリブタジエン構造単位を有する、常温で液状の重合物であり、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB G−1000、NISSO−PB G−2000、NISSO−PB G−3000、出光興産株式会社製のPoly bd等を挙げることができる。
【0061】
液状水添ポリブタジエンポリオールとは、ポリブタジエンポリオールあるいはポリブタジエンポリカルボン酸を還元水素化して得られる構造を有する液状ポリオールであり、日本曹達株式会社製のNISSO−PB GI−1000、NISSO−PB GI−2000、NISSO−PB GI−3000等を挙げることができる。
【0062】
液状ポリイソプレンポリオールとは、分子末端に水酸基を2つ以上有しかつポリイソプレン構造単位を有する、常温で液状の重合物であり、例えば、出光興産株式会社製のPoly ip等を挙げることができる。
【0063】
液状水添ポリイソプレンポリオールとは、ポリイソプレンポリオールあるいはポリイソプレンポリカルボン酸を還元水素化して得られる構造を有する液状ポリオールであり、例えば、出光興産株式会社製のエポール等を挙げることができる。
【0064】
水添ダイマージオールとは、ダイマー酸、水添ダイマー酸およびその低級アルコールエステルの少なくとも1種を触媒存在下で還元して、ダイマー酸のカルボン酸或いはカルボキシレート部分をアルコールとし、原料に炭素−炭素二重結合を有する場合にはその二重結合を水素化したジオールを主成分としたものである。
例えば、水添ダイマー酸を還元して水添ダイマージオールを製造した場合には、水添ダイマージオールの主成分の構造は、以下の式(1)および式(2)で表される構造である。
【0066】
(式中、R
8およびR
9は何れもアルキル基であり、かつR
8およびR
9に含まれる各炭素数、eおよびfの合計は30(即ち、R
8に含まれる炭素数+R
9に含まれる炭素数+e+f=30)である。)
【0068】
(式中、R
10およびR
11は何れもアルキル基であり、かつR
10およびR
11に含まれる各炭素数、gおよびhの合計は34(即ち、R
10に含まれる炭素数+R
11に含まれる炭素数+g+h=34)である。)
水添ダイマージオールの市販品としては、例えば、PRIPOL(登録商標)2033等(クローダ社製)やSovermol(登録商標)908(BASF社製)を挙げることができる。
【0069】
ポリエーテルポリオールしては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、プロピレンオキシド−テトラヒドロフラン共重合体等を挙げることができる。
【0070】
ポリエステルポリオールとしては、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物あるは、ポリオールとポリカルボン酸のエステルのエステル交換反応物、ポリオールへの環状エステルの開環重合物等を挙げることができる。
【0071】
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリオールとホスゲンの重縮合物、あるいはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート等の有機炭酸エステル類とのポリオールのエステル交換反応物を挙げることができる。
【0072】
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物を重合して得られる重合物は、その使用箇所(即ち、5aの部位に使用するか、あるいは5bに部位に使用するか)により、求められる誘電率が異なる。例えば、
図2〜
図5の5bの部位に用いられる場合には、重合物の誘電率は低いことが好ましい。また、
図2、
図3および
図6〜
図8の5aの部位に用いられる場合には、重合物の誘電率が高いことが望ましい。
【0073】
重合物の誘電率を高くする場合には、その目的において、成分4として用いられる、25℃で液状である化合物として、好ましいものとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールであり、さらに好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールである。
ポリエーテルポリオールとして好ましいものは、ポリテトラメチレングリコールである。
【0074】
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリオールとしては、具体的には、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1.8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。これらの中で、好ましいものとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールであり、さらに好ましいものとしては、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等であり、最も好ましいものは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールである。
【0075】
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリカルボン酸の例としては、具体的には、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸等を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。これらの中で好ましいものとしては、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2−シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸であり、さらに好ましくは、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸である。特に好ましくは、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸である。
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリカルボン酸のエステルとしては、前記のポリカルボン酸の低級アルキルエステルが一般的に使用される。
【0076】
また、ポリエスポリオールとして、環状エステルの開環重合物を使用してもよい。環状エステルの開環重合物を使用する場合には、γ−ブチロラクトンやε−カプロラクトン等を挙げることができるが、ε−カプロラクトンの開環重合物であるポリエステルポリオールが好ましい。
【0077】
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1.8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。これらの中で、好ましいものとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールであり、さらに好ましいものとしては、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等であり、最も好ましいものは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールである。
【0078】
重合物の誘電率を低くする場合には、ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールが好ましく使用され、さらに、耐熱性を考慮する場合には、液状ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールが好ましい。
【0079】
また、成分4として、25℃で固体である化合物を使用することもできる。
成分4として用いられる、25℃で固体である化合物としては、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有さない化合物であることが好ましい。
このような化合物としては、25℃で固体のエポキシ樹脂、25℃で固体のポリエステル樹脂、25℃で固体のポリオール樹脂や、25℃で固体の水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂、水添ロジンエステル等を挙げることができる。
高誘電率の重合物を目的とした重合性組成物に用いられる場合、これらの中で、特に好ましいものとしては、水添ロジンエステルである。
低誘電率の重合物を目的とした重合性組成物に用いられる場合、これらの中で、特に好ましいものとしては、水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂である。
【0080】
水添石油樹脂とは、石油系樹脂を水素還元して得られる樹脂である。水添石油樹脂の原料である石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族−芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂およびこれらの水添物等の変性物が挙げられる。合成石油樹脂は、C5系でも、C9系でもよい。
【0081】
テルペン系水添樹脂とは、テルペン系樹脂を還元水素化して得られる樹脂である。テルペン系水添樹脂の原料であるテルペン系樹脂としては、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂、β−リモネン樹脂、α−リモネン樹脂、ピネン−リモネン共重合樹脂、ピネン−リモネン−スチレン共重合樹脂、テルペン−フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。これらのテルペン系樹脂の多くは、極性基を有しない樹脂である。
【0082】
水添ロジンエステルとは、ロジン系樹脂を水添して得られる水添ロジンをエステル化あるいはロジンをエステル化して得られるロジンエステルを水素還元して得られた樹脂である。ロジン系樹脂粘着付与剤としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンなどの変性ロジンなどが挙げられる。
なお、本明細書においては、多価アルコールの一部のアルコール性水酸基が水添ロジンでエステル化された化合物も、多価アルコールのすべてのアルコール性水酸基が水添ロジンでエステル化された化合物もともに、水添ロジンエステルに含まれると定義する。
【0083】
また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物と粘度や重合物の被着体への密着性のバランスをとるために、成分4の化合物としては、25℃で液状である化合物と、25℃で固体である化合物を併用することができかつ好ましい。
成分4において、25℃で液状である化合物と、25℃で固体である化合物を併用する場合の好ましい併用割合は、質量比で、90:10〜10:90であり、さらに好ましくは、80:20〜20:80である。
【0084】
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分4の使用量は、成分1と成分4を合わせた総量に対して25〜75質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、30〜70質量%であり、特に好ましくは、35〜65質量%である。本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分4の使用量が、成分1と成分4を合わせた総量に対して25質量%未満であると、成分4を添加した効果(即ち、重合時の体積収縮率の低減効果)が得られなくなる場合があり、好ましいこととは言えない。また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分4の使用量が、成分1と成分4を合わせた総量に対して75質量%より多くなると、重合性組成物を重合して得られる重合物の塗膜強度が低くなりすぎる場合があり、好ましいこととは言えない。
【0085】
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、酸化防止剤、改質剤などを任意に添加することができる。
【0086】
重合禁止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノチアジン、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、トルキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−アシロキシ−p−ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、ジ−t−ブチル・パラクレゾールヒドロキノンモノメチルエーテル、アルファナフトール、アセトアミジンアセテート、アセトアミジンサルフェート、フェニルヒドラジン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムオキザレート、ジ(トリメチルベンジルアンモニウム)オキザレート、トリメチルベンジルアンモニウムマレート、トリメチルベンジルアンモニウムタータレート、トリメチルベンジルアンモニウムグリコレート、フェニル−β−ナフチルアミン、パラベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸、シクロヘキサノンオキシム、ピロガロール、タンニン酸、レゾルシン、トリエチルアミン塩酸塩、ジメチルアニリン塩酸塩およびジブチルアミン塩酸塩等が挙げられる。
これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−アシロキシ−p−ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、ジ−t−ブチル・パラクレゾールヒドロキノンモノメチルエーテルおよびフェノチアジンが好適に用いられる。
通常、重合禁止剤は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になるよう調整することができる。ただし、重合禁止剤の量は、成分1に予め含まれている重合禁止剤を加味した値である。即ち、一般には、成分1に予め重合禁止剤が含まれているが、この重合禁止剤と新たに添加する重合禁止剤の総量を併せた量が、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になることを意味する。
【0087】
酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸の炭素数7〜9のアルキルエステル、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、N,N′,N″−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等を挙げることができる。これらの中で、好ましいものは、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートであり、最も好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
通常、酸化防止剤は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になるよう調整することができる。ただし、重合禁止剤の量は、成分4等の他の成分に予め含まれている酸化防止剤を加味した値である。即ち、一般には、成分4等に予め酸化防止剤が含まれている場合があるが、この酸化防止剤と新たに添加する酸化防止剤の総量を併せた量が、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になることを意味する。
【0088】
改質剤としては、例えば、レベリング性を向上させる為のレベリング剤等が挙げられる。レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物、アラルキル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物、アクリルエステル共重合物等が使用できる。これらは、単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対して0.01〜5質量%添加することができる。0.01質量%未満の場合には、レベリング剤の添加効果が発現しない可能性がある。また、5質量%より多い場合には、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物に濁度が生じる場合があり、好ましいこととは言えない。
【0089】
25℃における、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物を重合して得られる重合物の屈折率は、1.48〜1.52が好ましい。25℃における屈折率が、1.48未満或いは1.52より大きくなる場合、保護部の材質である光学ガラスやポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂の屈折率に比べて屈折差が大きくなりすぎるので、表示部から保護部に至る間の界面における屈折率差がやや大きくなり、表示部から映像光の散乱および減衰がやや大きくなり、好ましいこととは言えない。
【0090】
最後に、本発明(II)について説明する。
本発明(II)は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造することが可能な画像表示装置である。
本発明(II)の画像表示装置は、表示装置の本体が光学ガラスから形成されている場合、一般的にその屈折率(n
D)は、1.49〜1.52となる。なお、屈折率(n
D)が、1.55程度の強化ガラスも存在する。
例えば、
図1の場合、保護部3は、表示部2と同程度の大きさの板状、シート状またはフィルム状の透光性部材から形成されている。この透光性部材としては、例えば、光学ガラスやプラスチック(ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂等)を好適に用いることができる。保護部3の表面もしくは裏面には、反射防止膜、遮光膜、視野角制御膜等の光学層を形成してもよい。
保護部3がアクリル樹脂から形成されている場合には、一般的にその屈折率(n
D)は1.49〜1.51となる。
保護部3は、表示部2の周縁部に設けられたスペーサ4を介して表示部2上に設けられている。このスペーサ4の厚さは0.05〜1.5mm程度であり、これにより画像表示部2と保護部3との表面間距離が1mm程度に保持される。
また、保護部3の周縁部には、輝度およびコントラストを向上させるため、図示しない枠状の遮光部が設けられている。
また、例えば、
図2や
図3の場合、表示部2と保護部3との間には、重合物層5a、5bが介在している。本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置の場合には、この重合物層5aや重合物層5bには、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物を重合して得られる重合物が介在するため、可視光領域の透過率が90%以上になる。ここで、重合物層5aや重合物層5bの厚みは10〜500μmとなるようにすることが好ましい。より好ましくは10〜350μmであり、さらに好ましくは10〜300μmである。また、重合物層5aや重合物層5bには、前記重合物が介在するため、25℃における屈折率(n
D)は、1.45〜1.55、好ましくは、1.48〜1.52になるので、表示部2や保護部3の屈折率とほぼ同等になるので好ましい。これにより、画像表示部2からの映像光の輝度やコントラストを高め、視認性を向上させることができる。
【0091】
本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって画像表示装置を製造する場合、重合物層5aや重合物層5bには、前記重合物が介在するため、23℃における引張弾性率を、1×10
7Pa以下、好ましくは、1×10
3〜1×10
6Paになる。従って、表示部および保護部に対して、重合性組成物の重合時に体積収縮に起因する応力の影響による歪みの発生を防止することができる。
【0092】
本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって画像表示装置を製造する場合、重合物層5aや重合物層5bには、前記重合物が介在するため、重合性組成物の重合時の体積収縮率が、4.0%以下、好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは2.7%以下になる。これにより、重合性組成物が重合する際に重合物層に蓄積される内部応力を低減させることができ、重合物層5aとタッチパネル7または保護部3との界面や、重合物層5bとタッチパネル7、表示部2あるいは保護部3との界面に歪みができることを防止できる。したがって、重合性組成物を、タッチセンサー7と保護部3との間、タッチセンサー7と表示部2との間、あるいは表示部2と保護部3との間に介在させ、その重合性組成物を重合させた場合に、重合物層5aあるいは5bと、表示部2、保護部3、タッチパネル7との界面で生じる光の散乱を低減させることができ、表示画像の輝度を高めると共に、視認性を向上させることができる。
【0093】
また、前記重合物を重合物層5bに用いる場合には、これらの重合物の誘電率が低いので、重合物層5bの厚みを薄くすることができる。
【0094】
本発明(II)の画像表示装置に使用される光学ガラス板としては、液晶セルの液晶を挟持するガラス板や液晶セルの保護板として使用されているものを好ましく使用できる。また、使用されるアクリル樹脂板としては、液晶セルの保護板として使用されているものを好ましく使用できる。これらの光学ガラス板やアクリル樹脂板の平均表面粗度は、通常、1.0nm以下である。
【0095】
また、本発明(II)の画像表示装置は、表示部2と保護部3との間に、前記重合物がからなる重合物層5aや5bが充填されているので、衝撃に強い。
加えて、表示部2と保護部3との間に空隙を設けていた従来例に比して薄型に形成することができる。
【0096】
また、本発明(II)の画像表示装置は種々の態様をとることができる。例えば、
図3図5、
図8に示すように、スペーサ4を省略して画像表示装置1を製造してもよい。
図3の重合物層5bの場合には、例えば、表示部2上の偏光板6a上に、重合性組成物を塗布し、その上にタッチセンサー7を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
また、
図5の重合物層5bの場合には、例えば、表示部2上の偏光板6a上に、重合性組成物を塗布し、その上にタッチセンサー一体型保護部3を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
さらに、
図8の重合物層5aの場合には、例えば、重合性組成物を塗布し、その上に保護部3を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
【0097】
また、本発明は、上述した液晶表示装置のみならず、例えば、有機EL、プラズマディスプレイ装置等の種々のパネルディスプレイに適用することができる。
【実施例】
【0098】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ制限されるものではない。
【0099】
<粘度の測定>
粘度は以下の方法により測定した。
試料1mLを使用して、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式:DV−II+Pro、スピンドルの型番:CPE−42)を用いて、温度25.0℃、回転数5rpmの条件で粘度がほぼ一定になったときの値を測定した。
【0100】
<水酸基価の測定>
JIS K 0070に準拠して測定した。
【0101】
<数平均分子量>
数平均分子量は下記条件でGPCにより測定したポリスチレン換算の値である。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製 RI−2031Plus
温度:40.0℃
試料量:サンプルループ 100μL
試料濃度:0.5質量%前後に調製
【0102】
<紫外線積算光量>
紫外線積算光量計「UIT−250」(ウシオ電機株式会社製)を使用して測定された積算光量の値である。
【0103】
<照度>
紫外線積算光量計「UIT−250」(ウシオ電機株式会社製)を使用して測定された照度の値である。
【0104】
(実施合成例1)
攪拌装置および蒸留装置を備えた500mLの反応容器中にPripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)322.2g、セバシン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)87.5g、ジオクチル錫オキシド(商品名:DOTO、北興化学工業株式会社製)0.18gを仕込み、約170℃、常圧下から始めてメタノールを流出させながら減圧しつつエステル交換反応を行った。メタノールの総留出量は24.4gであった。水酸基価58.1mgKOH/gであるポリエステルポリオール(以下、ポリエステルポリオールAと記す。)を得た。
【0105】
(実施合成例2)
攪拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを備えた100mLの反応容器に、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの混合物(商品名:VESTANAT(登録商標)TMDI、エボニックデグサ製)21.89g、ジオクチル錫ジラウレート12mgおよびp−メトキシフェノール24mgを反応容器に投入し、4−ヒドロキシブチルアクリレート15.16gを、滴下ロートを用いて滴下投入した。滴下中、反応容器内の温度は70℃以下になるようにした。滴下終了後、2時間、反応器内の温度を65〜70℃に維持したまま、撹拌を継続して反応生成物(以下、反応生成物αと記す。)を得た。
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを備えた300mLの反応容器に、前述のポリエステルポリオールA 178.9g、Pripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)1.1gおよびジオクチル錫ジラウレート12mgを投入し、撹拌を開始した。その後、60℃に温度を維持した反応生成物α 33.7gを数回に分けて反応容器内に投入した。その間、反応器内の温度は、70℃より高くならないようにした。その後、反応器内の温度を65〜70℃に維持して撹拌を継続した。IRでイソシアナト基のC=O伸縮振動の吸収がなくなったことを確認して反応を終了し、数平均分子量2300であるウレタンアクリレート(以下、「ウレタンアクリレート1」と記す。)を得た。
【0106】
(実施合成例3)
撹拌機および蒸留装置のついた1リットル四口フラスコに、水添ポリブタジエンポリオール(日本曹達株式会社製、商品名:NISSO−PB GI−3000、水酸基価31.9mgKOH/g)540.0g、アクリル酸n−ブチル162.0g、ジオクチル錫ジラウレート0.81gおよびペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製、商品名:IRGANOX1010)3.51gを投入し、空気気流下で、130℃に加熱して生成してくるn−ブタノールおよびアクリル酸n−ブチルの混合液を還流しながら、10時間程度かけて徐々に反応系外に留去した。n−ブタノールおよびアクリル酸n−ブチルが出なくなった後、真空ポンプを用いて、反応系内を10kPaまで減圧にし、再度n−ブタノールとアクリル酸n−ブチルを系外に留去した。1.5時間程度50Pa保持した後、反応器を冷却して、数平均分子量3625である水添ポリブタジエンアクリレート(以下、「水添ポリブタジエンアクリレート1」と記す。)を得た。
【0107】
(実施合成例4)
撹拌機および蒸留装置のついた1リットル四口フラスコに、水添ポリイソプレンポリオール(出光興産株式会社製、商品名:エポール、水酸基価49.9)540.0g、アクリル酸n−ブチル162.0g、ジオクチル錫ジラウレート0.81gおよびペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製、商品名:IRGANOX(登録商標)1010)3.51gを投入し、空気気流下で、130℃に加熱して生成してくるn−ブタノールおよびアクリル酸n−ブチルの混合液を還流しながら、10時間程度かけて徐々に反応系外に留去した。n−ブタノールおよびアクリル酸n−ブチルが出なくなった後、真空ポンプを用いて、反応系内を10kPaまで減圧にし、再度n−ブタノールとアクリル酸n−ブチルを系外に留去した。1.5時間程度50Pa保持した後、反応器を冷却して、数平均分子量2357である水添ポリイソプレンアクリレート(以下、「水添ポリイソプレンアクリレート1」と記す。)を得た。
【0108】
(実施合成例5)
コンデンサー、滴下ロート、温度計および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、ポリブタジエンポリオール(水酸基価47.1mgKOH/g、商品名:NISSO−PB G−2000、日本曹達株式会社製)180gおよびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI、昭和電工株式会社製)22.86gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量2560であるポリブタジエンウレタンメタクリレート(以下、「ウレタンメタクリレート1」)を得た。
【0109】
(実施合成例6)
攪拌装置および蒸留装置を備えた5Lの反応容器中にPripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)3200g、Pripol(登録商標)1009(クローダ製水添ダイマー酸、酸価194mgKOH/g)1018g、常圧下に窒素を通じつつ200℃に加熱して、反応により生成する水を留去しながら縮合反応させた。生成物の酸価が20以下になった時点でテトライソプロピルチタネート0.08gを添加して、真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を行って、数平均分子量1055のポリエステルポリオール(以下、ポリエステルポリオールBと記す。)を得た。
【0110】
(実施合成例7)
コンデンサー、滴下ロート、温度計及および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、ポリエステルポリオールB 180g及およびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルアクリレート(商品名;:カレンズAOI、 昭和電工株式会社製)24gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量1196であるポリウレタンアクリレート(以下、「ウレタンアクリレート2」)を得た。
【0111】
(実施配合例1)
ラウリルアクリレート(商品名:ブレンマーLA、日油株式会社製)14.5質量部、テルペン系水添樹脂(商品名:CLEARON(登録商標)K100、ヤスハラケミカル株式会社製)24.0質量部、コンデンサー、温度計および攪拌機付き200mL四口セパラブル丸底フラスコの中に入れ、撹拌しながら、オイルバスを用いて、200mL四口セパラブル丸底フラスコ内の温度を90℃に昇温した。テルペン系水添樹脂がラウリルアクリレートに完全に溶解したのを確認して、温度を50℃以下まで冷却した。
その後、前記水添ポリイソプレンアクリレート1 20.0質量部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(株式会社日本触媒製)3.5質量部、水添ポリブタジエンポリオール(商品名:NISSO−PB GI−1000、日本曹達株式会社製)20質量部、水添ダイマージオール(商品名:Pripol2033、クローダ社製)17.0質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX(登録商標)1010、BASF社製)1.0質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Irgacure(登録商標)184、BASF社製)0.8質量部および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(商品名:SpeedCure TPO、Lambson製)0.4質量部を、前記200mL四口丸底フラスコの中に入れ、撹拌しながら、オイルバスを用いて、73℃に昇温し、溶液が均一になるまで、撹拌を継続し、25℃での粘度が3500mPa・sの微黄色均一溶液を得た。
【0112】
(実施配合例2〜実施配合例14および比較配合例1〜比較配合例5)
実施配合例1と同様の方法によって、表1および表2に示す配合組成に従って配合した。実施配合例2〜実施配合例14で調製した配合物を、それぞれ重合性組成物A2〜重合性組成物A14とし、比較配合例1〜比較配合例5で調製した配合物を、それぞれ、重合性組成物B1〜重合性組成物B5とした。
なお、表1および表2の数字は、特にことわりのない限り、「質量部」を意味する。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
※1 クラプレン(登録商標)UC−203 (ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物、株式会社クラレ製、数平均分子量2.5万)
※2 Ebecryl(登録商標)230 (ウレタンアクリレート、ダイセルサイテック株式会社、数平均分子量5000)
※3 ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート (商品名:FA−512M、日立化成工業株式会社製、分子量262.35)
※4 ラウリルアクリレート (商品名:ブレンマーLA、日油株式会社製、分子量240.38)
※5 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート (株式会社日本触媒製、分子量144.17)
※6 2−ヒドロキシブチルメタクリレート (商品名:ライトエステルHOB(N)、共栄社化学株式会社製、分子量158.20)
※7 4−ヒドロキシブチルアクリレート (商品名:4HBA、大阪有機化学工業株式会社製、分子量144.17)
※8 N−アクリロイルモルホリン (商品名:ACMO、株式会社興人製、分子量141.17)
※9 トリシクロ[5,2,1,0
2,6]デカンジメタノールジアクリレート (商品名:DCP−A、共栄社化学株式会社製、分子量304.39)
※10 テルペン系水添樹脂 CLEARON(登録商標)P85 (ヤスハラケミカル株式会社製)
※11 テルペン系水添樹脂 CLEARON(登録商標)K100 (ヤスハラケミカル株式会社製)
※12 水添ポリブタジエンポリオール NISSO−PB GI−1000 (日本曹達株式会社製)
※13 水添ポリブタジエンポリオール NISSO−PB GI−2000 (日本曹達株式会社製)
※14 ポリ(α−オレフィン)液状物 Spectrasyn40 (エクソンモービル株式会社製)
※15 水添ダイマージオール (商品名:Pripol2033、クローダ社製)
※16 液状ポリブタジエン POLYVEST 110 (エボニックデグサ製)
※17 IRGANOX(登録商標)1010 (化合物名:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF製)
※18 光重合開始剤 SpeedCure TPO (化合物名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、Lambson製)
※19 光重合開始剤 IRGACURE 184 (化合物名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF製)
【0116】
<屈折率測定用の重合物膜の作製方法>
2枚のシリコーンでコートされたPETフィルムを用いて、その間に、重合性組成物A1〜重合性組成物A14、重合性組成物B1〜重合性組成物B5を、膜厚が1.2mmになるように挟み込み、メタルハライドランプを用いたコンベア式紫外線照射装置(株式会社ジーエス・ユアサライティング製、商品名:GSN2−40)を用い、シリコーンでコートされたPETフィルム越しに、照射強度190mW/cm
2(365nmの値)、照射量5000mJ/cm
2(365nmの値)の条件で紫外線を照射して重合させ、シリコーンでコートされたPETフィルムに挟まれた膜厚が約1.2mmの評価試験用の重合物膜を得た。
なお、重合性組成物A1〜重合性組成物A14、重合性組成物B1〜重合性組成物B5から得られた重合物膜を、それぞれ重合物膜A1〜重合物膜A14、重合物膜B1〜重合物膜B5とする。
【0117】
<重合物膜の屈折率の測定>
前記の膜厚が約1.2mmの重合物膜A1〜重合物膜A14、重合物膜B1〜重合物膜B5を使用して、JIS K 7105に準拠して25℃での屈折率を測定した。その結果を表3に記す。
【0118】
<重合時の体積収縮率の測定>
重合性組成物A1〜重合性組成物A14、重合性組成物B1〜重合性組成物B5と、前記<屈折率測定用の重合物膜の作製方法>の項で記載したのと同様の方法で、膜厚のみを2mmに代えた、膜厚約2mmの重合物膜A1〜重合物膜A14、重合物膜B1〜重合物膜B5の密度を、自動比重計(型式:DMA−220H、新光電子株式会社製)を用いて、23℃の温度条件で測定し、下記の式から重合時の体積収縮率を求めた。
重合時の体積収縮率(%)=(重合物膜の密度−重合性組成物の密度)/(重合物の密度)×100
その結果を表3に記す。
【0119】
<引張弾性率の測定>
前記方法で製造した膜厚約1.2mmの重合物膜A1〜重合性組成物A14、重合物膜B1〜重合物膜B5を引張り試験機(島津製作所社製、EZ Test/CE)に固定し、23℃において、引っ張り速度500mm/minで試験を行い、引張弾性率を求めた。その結果を表3に記す。
【0120】
<境界線の有無の確認用の重合物膜の作製方法と重合物膜の境界線の有無に関する評価>
前記重合性組成物A1〜重合性組成物A14、重合性組成物B1〜重合性組成物B5を、それぞれ、ディスペンサー(型番:ML−5000XII、武蔵エンジニアリング株式会社製)を用いてガラス板(10mm×10mm×0.7mm、ガラスの種類 商品名:EAGLE XG(登録商標)、CORNING製)上に塗布し、半自動式貼合装置(型番:JE1010B−D4、常陽工学株式会社製)を用い、もう一枚の同種同形のガラス板で挟みこみ、重合性組成物の膜厚が200μmとなるように調整した(
図11参照)。その後、このガラスで挟まれた膜厚が200μmの重合性樹脂組成物の一部を、メタルハライドスポットランプ(型番:RIGHTINGCURE LC5、浜松ホトニクス株式会社製)15を用い、前記半自動式貼合装置12の透明板およびガラス板越しに、照度190mW/cm
2(365nmの照度)、照射量500mJ/cm
2(365nmの積算光量)の条件で紫外線を照射して重合性組成物の一部を重合(仮重合)させた。その後、部分的に重合された重合性組成物が挟み込まれた2枚のガラス板を、半自動式貼合装置(型番:JE1010B−D4、常陽工学株式会社製)12をから取り出し、メタルハライドランプ14を搭載したコンベア式紫外線照射装置(株式会社ジーエス・ユアサライティング製、商品名:GSN2−40)を用い、ガラス板越しに、照射強度190mW/cm
2(365nmの照度)、照射量3000mJ/cm
2(365nmの積算光量)の条件で紫外線をガラスの全面に照射し、重合(本重合)させ、ガラス板に挟まれた膜厚約200μmの重合物膜を得た。
これらのガラス板に挟まれた膜厚約200μmの重合物膜の仮重合した部分と、仮重合をせずに本重合のみをした部分との界面付近に線が発生しているか否かについて、目視にて観察した。
その結果を表3に記す。
○:重合物膜の仮重合した部分と、仮重合をせずに本重合のみをした部分との界面付近に(境界)線は発生しない。
×:重合物膜の仮重合した部分と、仮重合をせずに本重合のみをした部分との界面付近に(境界)線が発生する。
【0121】
【表3】