(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、複数の小売店や飲食店、サービスショップなどの店舗が集結して入居する、ショッピングモールやショッピングセンター、大型百貨店といった商業施設が多数運営されている。このような商業施設は、デベロッパーとよばれる運営会社によって商業施設全体の設備管理などが行われ、商業施設に入居するテナント(小売店や飲食店、サービスショップなどを運営する会社)は、デベロッパーにテナントの賃貸料や設備維持管理費用などの諸経費を支払っている。
【0003】
テナントがデベロッパーに定期的に支払う賃貸料や設備維持管理費用などの諸経費は、契約により定められた金額を支払うものであるが、費用の算出の方法として各テナントの集客数や売上金額などの割合に応じて諸経費の費用額を定める方式が取られる場合が多い。また、クレジットカード会社や電子マネー会社との利用契約を各テナントが個別に結ぶのではなくデベロッパーがクレジットカード会社や電子マネー会社と契約を行い、各テナントはデベロッパーを仲介してクレジットカードや電子マネーを利用できるようにしている場合や、商業施設独自の商品券やポイントシステムがある場合もある。
【0004】
そのため、デベロッパーは入居する各テナントの売上データの内訳を各テナントごとに把握しておく必要がある。各テナントの担当者は、デベロッパーに日々の売り上げデータを報告するために、テナントの一日の売上を収集し、現金売上、クレジットカード売上、クーポン売上等の売上内訳を作成している。その売上内訳の作成方法としては、例えばテナント管理部門の業務担当者が、テナントに設置されたPOS(point of sales)システムから出力される精算レシートや売上日報を見て、売上内訳を手作業で各テナントに設置された入力端末に入力してデベロッパーに報告する方法が用いられている。
【0005】
また、デベロッパーでは各テナントから入力端末に入力されて報告された売上データが正しいかどうかを検証するために、各テナントから
精算レシートや売上日報の提出を受け、入力された売上データの情報と
精算レシートや売上日報の情報が一致しているかどうかの検証作業を行っている。
【0006】
このような商業施設で行われる、テナントからの売上データの収集をデベロッパーが効率的に行うための方法として、特許文献1においては
精算レシートを画像入力装置で読み取り印字された文字や数字を認識することで売上データの情報を読み取る技術が開示されている。また、特許文献2や特許文献3においては、カメラ機能付きの携帯電話でレシートを撮影し、撮影したレシート画像からレシートに印字された買物情報を読み取って記録する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1にも記載されているように、ショッピングセンター等の各テナントから提供される精算レシートや売上日報を見て、売上データを入力する場合、デベロッパーのテナント管理部門の業務担当者は、入力後のチェック作業に相当の時間を費やしている。すなわち、各テナントで入力された売上内訳が正しいかどうか、
精算レシートや売上日報、クレジットギフト等の商品券類と入力されたデータが正しいかどうかを、
精算レシートや売上日報を見てチェックを行い、訂正入力にも相当な時間を費やしている。したがって、テナント管理部門の業務担当者は、これらの作業などの管理作業に日次業務の大半を費やしているのが現状である。
【0009】
このような問題を解決するために、特許文献1においては、
精算レシートをスキャナ装置のような画像入力装置によって読み取って、読み取ったレシート画像から
精算レシートに印字された項目名称と数字データを認識することによって
精算レシートから情報を読み取り、必要な売上データを抽出する方法が開示されている。
【0010】
しかし、特許文献1による方法では、デベロッパーが
精算レシートを各テナントから収集して、収集した
精算レシートをスキャナ装置で読み取らせる必要がある。特に、大規模のショッピングセンター等においては、100以上の多数の店舗が入っていることがあるため、スキャナ装置に読み取らせる
精算レシートも相当量の枚数になる。そのため、スキャナ装置の不調により
精算レシートを重ねたまま読み込んでしまうなど、読み取りミスが発生する場合もあり、デベロッパーのテナント管理部門の業務担当者は、
精算レシートの読み取り作業が負担となっている。
【0011】
また、レシートの情報を効率的に読み取る方法としては、特許文献2や特許文献3において、カメラ機能付きの携帯電話でレシートを撮影し、撮影したレシート画像からレシートに印字された情報を読み取る技術が開示されている。しかし、開示されている方法では、多数のレシートを読み取る際には、レシートの撮影を繰り返し行う必要がある。そのため、多数のレシートを読み取る場合には、開示されている方法だけでは効率的ではない。また、特許文献2や特許文献3による方法は家庭において消費者が小売店等で物品等を購入した際に発行されるレシートの読み取りを前提とした技術であるため、ショッピングセンター等のデベロッパーやテナントの業務で用いられる
精算レシートとは、読み取った情報の取り扱いが異なり、特許文献2や特許文献3において開示されている方法を、先に述べたデベロッパーのテナント管理部門の業務担当者が行う業務に適用することは難しい。
【0012】
本願発明は、以上の点に鑑み、各テナントの情報機器などの現状のシステムを大幅に変えることなく、各テナントの店舗から売上データを正確かつ効率よく収集し、売上管理業務におけるスピード化、効率化を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するため、店舗ごとの売上データが印字されたレシートを撮影可能なカメラ機能を有する携帯端末装置と、ネットワークを介して店舗ごとの売上データが印字されたレシートのデータを収集する店舗別レシートデータ収集装置とからなる店舗別売上データ管理システムであって、前記携帯端末装置は、撮影されたレシートの画像と店舗識別情報とを前記店舗別レシートデータ収集装置に送信する機能を有し、前記店舗別レシートデータ収集装置は、前記携帯端末装置から送信されたレシートの画像と店舗識別情報を受信するレシート画像情報受信部と、前記店舗ごとの売上データと店舗識別情報とを受信する売上データ受信部と、前記店舗ごとに、前記店舗識別情報に対応するレシートの印字レイアウト情報とレシートに印字される項目名称とを含む店舗情報を記憶する店舗情報記憶部と、前記レシート画像情報受信部で受信した店舗識別情報から前記店舗情報記憶部に記憶されている店舗情報を特定し、店舗情報に含まれるレシートの印字レイアウト情報とレシートに印字される項目名称をもとに、前記レシート画像情報受信部で受信したレシートの画像を解析することにより、項目名称に対応して印字された文字または数字のデータを認識するレシート画像認識部と、前記レシート画像認識部で認識したレシートの情報を店舗別に記憶するレシート情報記憶部と、前記売上データ受信部で受信した店舗識別情報から前記レシート情報記憶部に記憶されているレシートの情報を特定し、レシートの情報に含まれる数字の情報と前記売上データ受信部で受信した売上データに含まれる数字の情報とが一致するかを検証する売上データ検証部とを備えることを特徴とする。
【0014】
これによって、店舗ごとに種々の異なる様式で作成されたレシートをカメラで撮影することによって、レシートの項目を自動的に読み取ることができ、読み取ったレシートの項目と売上データが一致するかを自動的に検証するため、レシートデータの収集および売上集計業務を効率的に、短時間で行うことができる。
【0015】
また、本発明は、さらに前記発明において、前記携帯端末装置は店舗別の売上データの入力を受付ける売上データ入力受付部と、前記売上データ入力受付部で入力された売上データを前記売上データ受信部に送信する売上データ送信部とをさらに備える携帯端末装置であることを特徴とする。
【0016】
これによって、従来は売上データ入力装置に入力していた店舗の売上データの入力を携帯端末装置に行うことが可能となり、入力された売上データの収集とカメラで撮影されたレシートデータに記載された売上データとが一致するかの検証処理を即時行う事が可能となる。
【0017】
また、本発明は、さらに前記発明において、前記店舗情報記憶部は、さらに、店舗情報として各店舗のレシートデータから共通に抽出する基本項目と各店舗別のレシート項目との対応情報が設定された項目対応情報を記憶し、前記売上データ検証部は、前記店舗情報記憶部に記憶されている項目対応情報を用いて、前記レシート情報記憶部に記憶されているレシートの情報に含まれる数字の情報と、前記売上データ受信部で受信した売上データに含まれる数字の情報とを基本項目に集計し、集計した基本項目の数字の情報が一致するかを検証する売上データ検証部であることを特徴とする。
【0018】
これによって、レシートの項目が異なる各店舗のレシートデータから、データの管理部門が必要とする基本的なデータを統一的に収集することが可能となり、送信された売上データとレシートの項目から算出した売上データが一致するかの検証作業を、より厳密に行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果は以下のとおりである。
(1)各店舗の様々な種類のレシートは携帯端末で撮影するだけで、データの管理部門が収集することが可能となり、自動的に売上情報が読み取られるため、レシートデータの収集作業の省力化および効率化、スピード化が達成できる。
(2)収集されたレシートデータから読みとった売上データと、各店舗で入力された売上データとが一致するかを検証することによって、データの管理部門における売上データの集計作業の正確性が向上する。また、店舗での売上データの入力ミスを即座に把握することが可能となり、売上データの再入力や、レシートデータの再送信を即座に行えるようになる。
(3)携帯端末で撮影されたレシート画像は、レシートの店舗識別情報や携帯端末の店舗識別情報によって、発行元の店舗が特定され、予め店舗ごとに登録、設定された店舗情報によって、どのような種類のレシートであるか、どのような項目名称を有するレシートであるか、などの情報を画像の解析に利用することができ、文字認識などを含めて読み取りの精度を高めることができる。
(4)また、レシートの項目が異なる各店舗のレシートデータから、データの管理部門が必要とする基本的なデータを統一的に収集し、売上データベースなどに保存し、売上データの正確性を検証することができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、主に店舗売上を集計する装置の例について説明するが、本発明は売上集計に限られるわけではなく、仕入集計データやその他の伝票などに印字された実績データを集計するために同様に適用することができる。
【0022】
図1は、本発明における店舗別売上データ管理システムを例えばショッピングセンターにおいて適用した場合の構成例を示したものである。
図1においては、ショッピングセンター内の複数のテナント(店舗)それぞれに、売上データ
入力装置300および携帯端末
装置100が設置される。それぞれの売上データ入力装置300はショッピングセンターLANに接続され、売上データ入力装置300に入力されたデータはショッピングセンターLANを経由して店舗別
レシートデータ収集装置200に送信される。
【0023】
また、それぞれのテナントにはレシートを撮影するための携帯端末装置100が設置される。それぞれの携帯端末装置100は携帯通信網に接続され、携帯端末装置100から送信される各種データは携帯通信網からインターネット網を経由して店舗別レシートデータ収集装置200に送信される。なお、携帯端末装置100は必ずしもテナント専用の装置である必要はなく、1台の端末を複数のテナントで共有利用するようにしてもよいし、他の用途で利用されている携帯端末装置で本発明における機能を実現するためのプログラムを実行するようにしてもよい。
【0024】
図2は、本発明の概要を説明するためのシステム構成例を示す。
図2において、本発明における店舗別売上データ管理システムは、携帯端末装置100、店舗別レシートデータ収集装置200、売上データ入力装置300から構成される。それぞれの装置の接続関係は
図1に示したとおりである。
【0025】
図2において、各装置はCPUおよびハードディスクやメモリ等の記憶装置等から構成される。まず、携帯端末装置100について説明する。携帯端末装置100は、カメラ装置101、画像データ記憶部102、画像データ送信部103、売上データ入力
受付部105、売上データ送信部106から構成される。カメラ装置101はレシート画像等を撮影し画像データとするためのカメラ機能を有する処理部である。カメラ装置101で撮影されたレシート等の画像は画像データ記憶部102に記憶される。画像データ記憶部102に記憶された画像データは画像データ送信部103によって店舗別レシートデータ収集装置200に送信される。ここで、画像データと併せて、画像撮影の位置情報や携帯端末装置の所有者情報、レシートに印字された文字列から認識した店舗名などを店舗識別情報として送信する。
【0026】
また、売上データ入力受付部105は、テナントの売上データの入力を受け付け、売上データ入力受付部105に入力された売上データは売上データ送信部106によって店舗別レシートデータ収集装置200に送信される。
【0027】
次に、売上データ入力装置300について説明する。売上データ入力装置300は、売上データ入力受付部301、売上データ送信部302から構成される。売上データ入力受付部301は、テナントの売上データの入力を受け付け、売上データ入力受付部301に入力された売上データは売上データ送信部302によって店舗別レシートデータ収集装置200に送信される。
【0028】
次に、店舗別レシートデータ収集装置200について説明する。店舗別レシートデータ収集装置200は、画像データ受信部201、画像データ記憶部202、レシート画像認識部203、店舗情報記憶部204、レシート情報記憶部206、売上データ検証部205、売上データ記憶部207、売上データ受信部208とから構成される。
【0029】
画像データ受信部201は、携帯端末装置100から送信されるレシート画像データを受信し、画像データ記憶部202に記憶する。画像データ記憶部
202に記憶されたレシート画像データは、レシート画像認識部203に読み込まれる。レシート画像認識部203では読み込んだレシート画像データと併せて送られてきた店舗識別情報に基づいて店舗情報記憶部204からレシートの印字情報や項目名称などを読み込む。そして、レシート画像データから項目名称および対応する文字または数字の認識を行い、認識したレシート情報をレシート情報記憶部206に記録する。ここで、店舗識別情報は、レシート画像データから抽出するようにしてもよい。
【0030】
売上データ受信部208は、携帯端末装置100や売上データ入力装置300から送信されてくる売上データを受信し、受信した売上データを売上データ記憶部207に記録する。売上データ検証部205は、レシート情報記憶部206からレシートの項目データを、売上データ記憶部207から売上データを、それぞれ読み込み、読み込んだレシートの項目データと売上データが一致するかどうかを検証する。
【0031】
次に、これら各部の機能を処理フローチャートおよびデータ構造図を用いて詳述する。初めに、携帯端末装置100でレシート画像を撮影して店舗別レシートデータ収集装置200に送信する処理フローについて詳述する。
【0032】
図3は、携帯端末装置100でレシート画像を撮影して店舗別レシートデータ収集装置200に送信する処理フロー図である。まず、各店舗の担当者は携帯端末装置100に備えられているカメラ装置101を利用して、店舗のPOS装置などから出力される1日の店舗の売上情報が印字された精算レシートを撮影する(S301)。カメラ装置101は、精算レシートを撮影して画像データを保存する機能を有するカメラであればどのようなカメラ装置であってもよい。例えば出願時点において市場に多く流通しているスマートフォンに備えられているCMOSカメラなどが利用できる。
【0033】
図4は、カメラ装置101で撮影する精算レシートのイメージ図である。撮影する精算レシートは、精算レシート全体レシート全体が画像内に収まっており、印字されている文字列が既存のOCRエンジンで認識可能な程度の解像度で画像イメージデータ化されるのであれば、撮影する画像の解像度や色素数などの撮影条件は問わない。すなわち、背景イメージとして、精算レシート以外のイメージが写りこんでいたとしても、精算レシートに印字された文字さえOCRエンジンで認識可能であればよい。
【0034】
撮影されたレシート画像のイメージデータは、携帯端末装置100の画像データ記憶部102に画像データとして保存される(S302)。この際、画像データが撮影された位置情報や、撮影された携帯端末装置の所有者情報などの撮影付加情報が画像データと紐付けて保存される。レシートの画像データの保存が行われると、次に、画像データ送信部103では、保存されたレシートの画像データに紐付けられた撮影付加情報に基づいて店舗識別情報の取得を行う(S303)。
【0035】
例えば、撮影付加情報として位置情報が紐付けられている場合には、撮影された店舗位置情報を店舗識別情報として取得する。または、撮影付加情報として携帯端末情報の所有者情報が紐付けられている場合には、当該所有者情報を店舗担当者店であるとし、店舗識別情報として取得するようにしてもよい。または、保存されている画像データをOCRエンジンにより文字列を認識させ、取得される文字列から店舗名と思われる文字列を抽出し、抽出された店舗識別文字列を店舗識別情報としてを取得するようにしてもよい。または、レシートと併せてQRコード(登録商標)のような識別コードを撮影し、撮影された店舗識別コードを店舗識別情報として取得するようにしてもよいし、撮影後に店舗コードを携帯端末装置から入力させるようにしてもよい。
【0036】
店舗識別情報が取得できたら、画像データと店舗識別情報を店舗別レシートデータ収集装置200に送信する。画像データと店舗識別情報の送信は、
図1に示すように携帯通信網からインターネット網を経由して店舗別レシートデータ収集装置200に送信するようにしてもよいし、ショッピングセンターLANが無線LAN設備を有するのであれば、無線LANを利用して携帯端末装置100と店舗別レシートデータ収集装置200とを接続して画像データと店舗識別情報を送信するようにしてもよい。
【0037】
店舗別レシートデータ収集装置200に送信された画像データと店舗識別情報は店舗別レシートデータ収集装置200の画像データ受信部201によって受信され、店舗コードと画像データとが紐付けられて画像データ記憶部202に保存される。
【0038】
以上が、携帯端末装置100でレシート画像を撮影して店舗別レシートデータ収集装置200に送信する処理の詳細となる。次に、画像データと店舗識別情報を受信した、店舗別レシートデータ収集装置200が行う、レシート画像の認識処理フローについて詳述する。
【0039】
図5は、店舗別レシートデータ収集装置200のレシート画像認識部
203におけるレシート画像の認識処理の処理フローである。まず、レシート画像認識部
203では、画像データ記憶部202から画像データと店舗識別情報を取得する(S601)。そして、取得した店舗識別情報を基に、店舗情報記憶部204に記憶されている店舗情報から店舗コードを特定する(S602)。
図6は、店舗情報記憶部204に記憶される店舗情報の一例を示した図である。
【0040】
例えば、店舗識別情報として、位置情報が“35.65641,139.699477”が取得された場合や、店舗担当者として“A氏”が取得された場合や、店舗識別文字列として“あああ店”が取得された場合や、店舗識別コードとして“ABCVDGF”が取得された場合は、店舗コードとして“1111”が特定される。ここで、店舗識別情報として店舗コードが直接送られてきた場合には、送られたきた店舗コードを利用する。
【0041】
店舗コードが特定できたら、次に、読み込んだレシート画像から文字領域の認識を行う(S603)。レシート画像から文字領域の認識は既知のOCRエンジン機能を利用して行われる。
図9はOCRエンジンによって認識されたレシート画像の文字領域の認識イメージを示した図である。一般的なOCRエンジンでは、認識した文字領域が略矩形で囲まれ位置情報と共に認識される。そして、認識された文字領域を位置情報に基づいて、行に整列する(S604)。
【0042】
文字領域の文字列を行に整列する方法の一例としては、認識された略短形領域のいずれかの頂点のY座標が小さい領域から昇順に整列し、Y座標が近似する略短形領域の文字列は同一行であると判断するといった方法で行われる。
【0043】
例えば、
図9の図面を参考に説明を行うと、
図9において左上頂点のY座標が最も小さい略短形領域は“○○店”の文字列を囲んでいる“○○店”の文字列は1行目となる。次に左上頂点のY座標が小さい略短形領域は“売上日:2010年7月7日”の文字列を囲んでいる略短形領域であるので、“売上日:2010年7月7日”の文字列は2行目となる。そして、次に左上頂点のY座標が小さい略短形領域は“日報上売上金額”の文字列を囲んでいる略短形領域領域であるが、左上頂点のY座標が近似する略短形領域として“148,467”の文字列を囲んだ略短形領域もあるため、3行目の文字列は“日報上売上金額”と“148,467”の文字列となる。このように文字領域の行を整列していく。
【0044】
文字領域の行を整列したら、店舗情報記憶部204からレシートレイアウト情報701を読み込み、読み取り開始行と読み込む行数の特定を行う(S606)。レシートレイアウト情報701は店舗コードに紐付けられて店舗情報として、店舗情報記憶部204に記憶されている。したがって、レシートレイアウト情報701はS603で特定された店舗コードに対応するレシートレイアウト情報701が取得される。
【0045】
図7は店舗情報記憶部204に記憶されているレシートレイアウト情報701の一例を示したデータ構造図である。
図7の例の場合、レシートデータの文字列を読み込む読込開始行は“3”であり、読み込む行数は“27”と設定されている。この設定の場合は、S604で整列した文字領域の行データから、読み取り開始行の3行目から27行分読みとる事が設定されていることになる。レシートレイアウト情報701の定義を読み込んだら、定義に従って、読み取り開始行から行単位で行に含まれる文字領域の情報を切り出す(S608)。
【0046】
行に含まれる文字領域を切り出したら、切り出し文字領域を文字単位でさらに切り出しを行い、一時的に行単位で切り出した文字を記録していく(S609)。
図10は切り出した文字を一時的に保存したデータの一例を示したものである。例えば、行番号が“5”の行には、文字列として、“内税”、“7,423”の文字列が記載されていることを表している。
【0047】
このようにしてS608とS609を繰り返し処理し、行ごとに文字を切り出していく。そして、定義されている読み取り行数分の処理を行い、最終行の処理を終了したら(S607:YES)データの正規化処理を行う(S610)。
【0048】
データの正規化処理では、まず、S609で切り出しを行った文字を文字項目と対応する数値項目に分類する。文字項目と数値項目の対応は、同一行で認識された文字列の第1文字列が文字項目、第2文字列が対応する数値項目であるとして固定で読み取ってもよいし、同一行で認識された文字のうち、何番目の文字列が文字項目で、何番目の文字列が数字項目であるかを、予め定義ファイルに定義して読み取らせるようにしてもよい。
【0049】
読み取った、文字項目と数字項目のデータは、S602で特定された店舗コードおよび精算レシートが集計対象とする日付と紐付けられて、レシート情報記憶部に記録される。
図11は、レシート情報記憶部に記録されるレシート情報の一例を示したものである。例えば、
図11の1行目のレコードは、店舗コード“111"の店舗で、日付が“2013/3/13”のレシートに記載された、文字項目“日報上売上金額”の数字は“148,467”と認識されたことを表している。このようにS609において切り出した文字列を行ごとに全て、店舗コードおよび日付を紐付けを行い、正規化がされたら、正規化されたレシート情報データをレシート情報記憶部206に格納して(S611)処理を終了する。
【0050】
ここまでに、携帯端末装置100で撮影された精算レシートの画像を店舗別レシートデータ収集装置200に送信して、精算レシートの画像から文字項目とそれに対応する数字項目を取得し、装置内に記憶する処理について説明した。次に店舗で入力される売上データの入力処理について説明する。
【0051】
売上データの入力は、各店舗に設置された売上データ入力装置300または携帯端末装置100から行われる。売上データ入力装置300としては、ショッピングセンターLANに接続されたCAT端末(Credit Authorization Terminal)やパーソナルコンピュータ装置などが利用される。売上データ入力装置300には売上データ入力受付部301と売上データ送信部302が備えられてる。
【0052】
売上データ入力受付部301は数字や文字が入力可能なキーボード入力装置やテンキー入力装置などであり、売上データとして送信する売上項目とそれに対応する数字情報が入力可能であれば、どのような入力デバイスであってもよい。売上データ送信部302で入力された売上データは入力された売上データの店舗コードおよび日付と共に、売上データ送信部302によって店舗別レシートデータ収集装置200に送信される。
【0053】
同様に、売上データの入力を携帯端末装置100から行う場合は、携帯端末装置100に備えられた売上データ入力受付部105に売上データの入力が行われ、売上データ入力受付部105に入力された売上データは入力された売上データの店舗コードおよび日付と共に、売上データ送信部106によって、店舗別レシートデータ収集装置200
に送信される。売上データ入力受付部105は携帯端末装置100が有するテンキーボードやソフトウェアキーボードなどが用いられる。
【0054】
店舗別レシートデータ収集装置200に送信された売上データは店舗別レシートデータ収集装置200内の売上データ受信部208で受信され、売上データ受信部208が受信した売上データは売上データ記憶部207に格納される。
図13は売上データ受信部208で受信され、売上データ記憶部207に格納された売上データの一例を示した図である。例えば、1行目のレコードは、店舗コード“111"の店舗で、日付が“2013/3/13”に、精算項目“日報上売上金額”として金額に“148,467”が登録された事を表している。
【0055】
ここまでで説明した処理が行われることによって、レシート情報記憶部206には店舗ごとに精算レシートの画像イメージから読み取った文字項目と対応する数字項目が記録され、売上データデータ記憶部には各店舗で入力された店舗ごとの売上データとして、精算項目と金額項目が記録される。
【0056】
次に、各店舗で入力された店舗ごとの売上データが正しいかどうかを、レシート情報記憶部206に記録された精算レシートの情報にもとづいて検証を行う処理について説明する。
【0057】
図12は、売上データ検証部205で行われる売上データ検証処理の処理フローである。売上データ検証部205では、まず、売上データの検証を行う店舗コードと日付に対応するレシート情報データをレシート情報記憶部
206から取得する(S1201)。例えば、店舗コードが“1111”で日付が“2013/3/13”の場合は、
図11に示されるようなレシート情報のデータが取得される。
【0058】
レシート情報データを取得したら次に、売上データ記憶部207から、店舗コードと日付に対応する売上データの取得を行う。例えば、店舗コードが“1111”で日付が“2013/3/13”の場合は、
図13に示されるような売上データが取得される。
【0059】
売上データを取得したら次に、店舗情報記憶部204から、店舗コードに対応する項目対応情報801の読込を行う(S1203)。
図8に項目対応情報801の一例を示す。例えば、
図8において、演算項目Noが“001”のレコードは、精算項目“現金売上”はレシート項目“日報上現金有高”と“感謝カード”の項目とを合計したものに対応し、演算項目Noが“002”のレコードは精算項目“掛売上”はレシート項目“日報上掛売上”の項目に対応することを表す。他のレコードについても同様に精算項目とレシート項目との対応関係が表されている。
【0060】
項目対応情報801の読込みを行ったら、読み込んだ項目対応情報801それぞれについて繰り返し処理を行い、項目対応情報801に基づいて売上データが正しいかどうかを検証していく。まず、項目対応情報801の精算項目の項目名に対応する売上データの情報をS1202で取得した売上データ情報から取得し、精算項目に対応する金額を取得する(S1205)。この金額がレシート項目の金額となる。
【0061】
次に、項目対応情報801のレシート項目に含まれる項目名に対応する文字項目の情報をS1201で取得したレシート情報から取得する。そして取得した情報から数字項目を取得し、項目対応情報801のレシート項目に定義されている演算式にしたがって演算を行う(S1206)。この演算の結果がレシート項目に対応する金額となる。
【0062】
ここで、レシート項目に演算式が定義されていない場合は、レシート項目に記載されている項目名に対応する文字項目の情報をS1201で取得したレシート情報から取得し、そこに含まれる数字項目が、レシート項目に対応する金額となる。
【0063】
精算項目に対応する金額およびレシート項目に対応する金額が取得できたら、それぞれの金額が等しいがどうかを検証する(S1207)。検証の結果、金額が等しかった場合は(S1207:YES)、突合結果は正しいと判断する(S1208)。金額が等しくなかった場合は突合結果は正しくないと判断する(S1209)。
【0064】
突合による検証を行ったら、S1204に戻り、S1203で読み込んだ項目対応情報に記載された精算項目の全てについて処理を行ったかを判断し、未処理の精算項目がある場合は(S1204:NO)、次の精算項目について、S1205からS1207の処理を繰り返し行う。全ての精算項目を処理している場合は(S1204)、検証処理を終了する。
【0065】
ここで、S1205からS1207の処理についてデータ例を用いて具体的に記載する。例えば、S1201で取得したレシート情報データが
図11に示されるようなデータであり、S1202で取得した売上データが
図13に示されるようなデータであり、処理を行う精算項目が、
図8に示す項目対応情報の1行目に示されているような、演算項目No“001”、演算項目“現金売上”、レシート項目“19:日報上現金有高+7:感謝カード”である場合について説明する。
【0066】
まず、演算項目が“現金売上”であるので、売上データより精算項目“現金売上”に対応する金額を取得する。
図13の売上データでは、精算項目“現金売上”に対応する金額は“148,467”であるので、精算項目の金額として、148,467が取得される。次に、レシート項目には“19:日報上現金有高+7:感謝カード”と定義されているため、
図11のレシート情報データから、“日報上現金有高”と“感謝カード”の文字項目に対応する数字項目“148,467”と“2,500”をそれぞれ取得する。
【0067】
そして定義されている演算式にしたがって、取得した数値項目を加算し、150,967がレシート項目の金額として取得される。そして、取得した精算項目の金額とレシート項目の金額を比較すると、148,467≠150,967であるため、突合の検証結果は正しくないと判断される。
【0068】
以上が売上データ検証部205で行われる売上データ検証処理の処理フローの詳細となる。なお、売上データ検証部205での検証の結果は、店舗別レシートデータ収集装置200に接続されたモニタ装置に表示するようにしてもよいし、帳票データとして出力してもよい。
【0069】
または、携帯端末装置100や売上データ入力装置300で入力された売上データを売上データ受信部208が受信し、売上データ記憶部207に記憶したら、即座に売上データ検証処理を行い、検証結果を携帯端末装置100や売上データ入力装置300に返却するようにしてもよい。こうすることによって、携帯端末
装置100や売上データ入力装置300で売上データの入力ミスがあった場合であっても、即座に入力ミスを知ることができるようになる。
【0070】
以上、店舗別売上データ管理システムを用いた、精算レシートデータの収集と売上データの検証処理の詳細について説明をした。このシステムを用いることにより、店舗の担当者は精算レシート画像を携帯端末装置で撮影して、売上データを入力するだけで、入力した売上データが正しかったかどうかを容易に検証することが可能となる。
【0071】
さらには、テナント管理部門の業務担当者は、自動的に店舗ごとの売上データを検証することができるため、店舗の売上管理業務を効率よく、スピーディに行うことができるようになる。また、各店舗においては、市場において広く流通している携帯端末装置を利用してテナント管理部門への売上データの報告業務が行えるため、余計な設備投資を抑えることができる。
【0072】
以上の店舗別売上データ管理システムが行う処理は、コンピュータとソフトウェアプログラムとによって実現することができ、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。