(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データベースは、前記生産設備が前記対象製品を正常に生産したことを示す正常情報または異常が発生したことを示す異常情報のいずれかをそれぞれ登録する複数の生産結果フィールドを含み、かつ前記対象製品ごとに情報を登録するテーブル状のデータ構造を有し、
前記設備管理装置は、
前記生産設備から受信した前記対象製品の生産完了信号に含まれる前記正常情報または前記異常情報を前記生産結果フィールドに登録し、
上流工程の前記生産設備の前記生産結果フィールドに前記正常情報を登録した前記対象製品の生産開始信号を前記符号の順番で下流工程の前記生産設備に送信するとともに、上流工程の前記生産設備の前記生産結果フィールドに前記異常情報を登録した前記対象製品の下流工程の前記生産設備における生産をスキップする
ことを特徴とする請求項1記載の生産システム。
前記設備管理装置は、対応する前記生産設備とそれぞれ接続し、かつそれぞれ独立して前記データベースを照査するとともに前記データベースに情報を登録する複数のソフトウェアモジュールを備えたことを特徴とする請求項1記載の生産システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る生産システムの構成を示す構成図である。実施の形態1に係る生産システムは、上位システムからの指図情報を入力する工程管理装置1と、生産システムに関する各種情報を登録するデータベース21を記憶した記憶装置2と、データベース21の情報を読み書きする設備管理装置3と、生産ライン上の各工程に設置した複数の生産設備4とを備える。
また、
図2は、記憶装置2が記憶したデータベース21と、設備管理装置3が備えた設備モジュール31と、生産設備4が備えたコントローラ41の詳細な構成を示す構成図である。
【0011】
工程管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)を実装した半導体集積回路またはワンチップマイコンなどを備えたコンピュータで構成され、記憶装置2と有線または無線の通信回線で接続される。工程管理装置1は、図示しない操作入力部を備え、上位システムまたは生産管理者が入力した指図情報を記憶装置2に送信し、データベース21に登録する。
ここで、指図情報は、生産する対象製品のシリアル番号や型番コードなどの製品情報と、各生産設備4に対して各対象製品を生産する順番を指示する連続番号などの符号と、生産設備4を一個流し生産方式で稼働させるかロット生産方式で稼働させるかを選択する選択信号とを含む。
【0012】
記憶装置2は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの記憶媒体を備え、設備管理装置1および工程管理装置3と有線または無線の通信回線で接続される。記憶装置2は、工程管理装置1から受信した指図情報と、後述する設備管理装置3から受信した情報とを登録するデータベース21を記憶している。
図3に、データベース21のデータ構造の具体例を示す。データベース21は、対象製品の製品情報をまとめて登録するフィールドと、各生産設備4の生産状況に関する情報をそれぞれまとめて登録するフィールドとを有する。また、各レコードにそれぞれ対応する対象製品の情報を登録する、テーブル状のデータ構造を有する。
【0013】
設備管理装置3は、CPUを実装した半導体集積回路またはワンチップマイコンなどを備えたコンピュータで構成され、記憶装置2および生産設備4と有線または無線の通信回線で接続される。また、対応する生産設備4のコントローラ41とそれぞれ通信を行うとともに、データベース21の対応する生産設備4のフィールドの情報を読み書きするそれぞれ独立したソフトウェアモジュールである複数の設備モジュール31を備える。
設備モジュール31は、データベース21に登録した製品情報および対応する生産設備4の生産指示フラグを照査する。また、生産指示フラグに連続番号が登録されていた場合、対応する生産設備4のコントローラ41に対して対象製品の生産開始信号を送信する。
また、対象製品の生産開始信号を送信した場合、データベース21の対応する生産設備4の指示済みフラグに「済」を登録する。また、対応するコントローラ41から生産完了信号を受信した場合、データベース21の対応する生産設備4の生産結果フラグに、生産結果が正常であればOKを登録し、異常が発生した場合はNGを登録する。
なお、異常が発生した場合の具体例として、工程内で対象製品に不良が発生しラインアウトさせた場合などが挙げられる。
【0014】
生産設備4は、生産ライン上の各工程に設置した工作機械などであり、設備管理装置3と有線または無線の通信回線で接続される。また、PLC(Programmable Logic Controller)やロボットコントローラからなるコントローラ41を備える。
コントローラ41は、対応する設備モジュール31から対象製品の生産開始信号を受信すると、対象製品の生産を開始するように生産設備4を制御する。また、対象製品の生産が完了すると、正常に生産されたか否かの情報を含む生産完了信号を対応する設備モジュール31に送信し、対象製品を自身の直後の工程(下流工程)の生産設備4に引き渡す。
また、生産した対象製品を下流工程に引き渡して新たな対象製品の生産が可能な状態になると、コントローラ41は対応する設備モジュール31に指示受付可能信号を送信する。
【0015】
なお、
図1〜3では、2個の生産設備4a,4bを備えた例を示したが、生産設備の数は2個に限らず、いくつでもよい。生産設備がn個(nは2以上の自然数)ある場合、設備管理装置3はそれぞれに対応するn個の設備モジュール31を備え、またデータベース21はそれぞれに対応するn個のフィールドを有するものとする。
【0016】
次に、
図4,5を用いて、実施の形態1に係る設備モジュール31の動作について説明する。
図4は、設備モジュール31がコントローラ41に対して生産開始を指示する動作を示すフローチャートである。
【0017】
工程管理装置1に指図情報が入力されるか、または特定の時刻になるなど所定条件を満たすと、各設備モジュール31は、データベース21の対応する生産設備4の生産指示フラグを照査し、最も若い番号が登録されたレコードを確認する(ステップST11)。
次いで、生産ライン上に、自身の直前の工程(上流工程)があるか否かを判定する(ステップST12)。
【0018】
ST12において、「上流工程がある(Yes)」と判定した場合、上流工程にて対象製品が正常に生産されたか否かを判定する(ステップST13)。すなわち、データベース21に登録された、上流工程の生産設備4の生産結果フラグを照査し、対象製品のレコードがOKであるかNGであるかを確認する。
なお、ST12において「上流工程がない(No)」と判定した場合、ST13をスキップする。
【0019】
ST13において、上流工程における対象製品のレコードがOKであった場合、当該製品の生産指示がすでになされているか否かを判定する(ステップST14)。すなわち、データベース21の対応する生産設備4の指示済みフラグを照査し、「済」が登録されているか否かを判定する。
【0020】
ST14において、「対象製品の生産開始指示がまだなされていない(Yes)」と判定した場合、対応するコントローラ41へ生産開始信号を送信する。また、データベース21の対応する生産設備4の指示済みフラグに「済」を登録する(ステップST15)。
次いで、対応するコントローラ41から指示受付可能信号を受信したか否かを判定する(ステップST16)。指示受付可能信号を受信した場合、設備モジュール31はST11の処理に戻り、再び対応する生産設備4の生産指示フラグを照査し、次に若い番号が登録されたレコードを確認する。
【0021】
なお、ST13において上流工程の生産結果がOKでなかった場合、次いでNGであるか否かを判定する(ステップST17)。ST17においてNGであった場合(すなわち、上流工程において異常が発生した場合)、対象製品のレコードをスキップすることで、当該対象製品を生産対象から除外する(ステップST18)。
また、ST14において、「対象製品の生産開始指示をすでに出している(No)」と判定した場合も、同様に対象製品のレコードをスキップすることで、当該対象製品の生産開始信号を2重送信することを防ぐ(ST18)。
【0022】
図5は、設備モジュール31がデータベース21に各生産設備4の生産結果を登録する動作を示すフローチャートである。
設備モジュール31は、対応するコントローラ41に対象製品の生産開始信号を送信した後(すなわち、
図4のST15の後)、コントローラ41から対象製品の生産完了信号を受信したか否かを判定する(ステップST21)。
また、ST21において「生産完了信号を受信した(Yes)」と判定した場合、生産結果が正常であったか否かを特定し、データベース21の対応する生産設備4の生産結果フラグにOKまたはNGを登録する(ステップST22)。
【0023】
次に、
図6,7を用いて、実施の形態1に係る生産システムをロット生産方式に対応させた場合の動作について説明する。
図6は、データベース21の遷移を示す説明図であり、
図7は、生産設備4a,4bの動作および対象製品の流れを示す説明図である。
図6において、データベース21中の点線で囲んだフィールドは、工程管理装置1が情報を登録したフィールドを示し、一点鎖線で囲んだフィールドは、設備管理モジュール31が情報を登録したフィールドを示す。また、
図7において、実線で囲んだシリアル番号は各生産設備4で生産が完了した対象製品を示し、破線で囲んだシリアル番号は各生産設備4で生産途中の対象製品を示す。
図6,7に示すとおり、ここでは2つの生産設備4a,4bを用いて、2種類の型番の対象製品を2つずつ、合計4つの対象製品を生産する例を示す。4つの対象製品には、それぞれシリアル番号10001〜10004を付与する。また、生産設備4aが生産設備4bの上流工程に設置されているものとする。
なお、各図を処理の時系列順に並べると、
図6(a)、
図7(a)、
図7(b)、
図6(b)、
図6(c)、
図7(c)、
図7(d)、
図6(d)の順番となっている。
【0024】
ロット生産方式を選択すると、まず、
図6(a)に示すように、工程管理装置1はデータベース21に対象製品10001〜10004の製品情報を登録する。また、最初に対象製品を生産する生産設備4aの生産指示フラグに連続番号を登録する。
【0025】
次いで、各設備モジュール31a,31bは、それぞれ対応する生産設備4a,4bの生産指示フラグを照査する。このうち、生産指示フラグに連続番号が登録されている設備モジュール31aのみが、コントローラ41aに対して、最も若い番号を登録した対象製品10001の生産開始信号を送信する。また、対象製品10001の生産指示済みフラグに「済」を登録する。
コントローラ41aは、
図7(a)に示すように、設備モジュール31aから生産開始信号を受信し、対象製品10001の生産を開始する。また、対象製品10001の生産が完了すると、生産完了信号を設備モジュール31aに送信する。
設備モジュール31aは、生産完了信号に含まれる生産結果の情報を参照し、正常に生産されたことを示すOKを生産結果フラグに登録する。
【0026】
以下、同様に、生産設備4aは対象製品10002,10003を順番に生産する。そして最後に、
図7(b)に示すように対象製品10004を生産する。
生産設備4aによってすべての対象製品が正常に生産された場合、
図6(b)に示すように、生産設備4aの生産指示済みフラグはすべてのレコードに「済」が登録され、生産結果フラグはすべてのレコードにOKが登録された状態になる。
【0027】
次いで、
図6(c)に示すように、工程管理装置1は下流工程の生産設備4bの生産指示フラグに連続番号を登録する。
生産設備4bは、
図7(c)に示すように、生産設備4aから対象製品10001〜10004を受け渡され、対象製品10001から順番に生産を開始する。そして、対象製品10001,10002,10003と順番に生産していき、最後に、
図7(d)に示すように製品10004を生産する。
生産設備4bによってすべての対象製品が正常に生産された場合、
図6(d)に示すように、生産設備4bの生産指示済みフラグはすべてのレコードに「済」が登録され、生産結果フラグはすべてのレコードにOKが登録された状態になる。
【0028】
以上のように、工程管理装置1が、まず、上流工程の生産設備4aの生産指示フラグに連続番号を登録し、生産設備4aの生産結果フラグに最後の対象製品10004の生産結果が登録された後に、下流工程の生産設備4bの生産指示フラグに連続番号を登録することで、各工程の生産設備4a,4bが複数の対象製品10001〜10004をそれぞれまとめて生産して次工程に受け渡すロット生産方式に対応させることができる。
【0029】
次に、
図8,9を用いて、実施の形態1に係る生産システムを一個流し生産方式に対応させた場合の動作について説明する。
図8は、データベース21の遷移を示す説明図であり、
図9は、生産設備4a,4bの動作および対象製品の流れを示す説明図である。
図8において、データベース21中の点線で囲んだフィールドは、工程管理装置1が情報を登録したフィールドを示し、一点鎖線で囲んだフィールドは、設備管理モジュール31が情報を登録したフィールドを示す。また、
図9において、実線で囲んだシリアル番号は各生産設備4で生産が完了した対象製品を示し、破線で囲んだシリアル番号は各生産設備4で生産途中の対象製品を示す。
また、ロット生産方式の説明と同様、2つの生産設備4a,4bを用いて、2種類の型番の対象製品を2つずつ、合計4つの対象製品を生産する例を示す。4つの対象製品には、それぞれシリアル番号10001〜10004を付与する。また、生産設備4aが生産設備4bの上流工程に設置されているものとする。
【0030】
一個流し生産方式を選択すると、まず、
図8(a)に示すように、工程管理装置1はデータベース21に対象製品10001〜10004の製品情報を登録する。また、対象製品を生産するすべての生産設備4a,4bの生産指示フラグに、それぞれ連続番号を登録する。
【0031】
次いで、各設備モジュール31a,31bは、対応する生産設備4a、4bの生産指示フラグをそれぞれ照査する。
上流工程に対応する設備モジュール31aは、
図9(a)に示すように、コントローラ41a対して、最も若い番号を登録した対象製品10001の生産開始信号を送信する。また、対象製品10001の生産指示済みフラグに「済」を登録する。
コントローラ41aは、
図9(a)に示すように、設備モジュール31aから生産開始信号を受信し、対象製品10001の生産を開始する。また、対象製品10001の生産が完了すると、生産完了信号を設備モジュール31aに送信する。
設備モジュール31aは、生産完了信号に含まれる生産結果の情報を参照し、正常に生産されたことを示すOKを生産結果フラグに登録する。
以下、
図8(b)および
図9(b)に示すように、生産設備4aは対象製品10002,10003,10004を順番に生産していく。
【0032】
一方、下流工程に対応する設備モジュール31bは、
図8(a)に示すように、最初に生産指示フラグを照査した時点では、最も若い番号を登録した対象製品10001の上流工程における生産結果フラグがNULLとなっていることから、
図9(a)に示すように、生産指示信号を送信しない。
その後、生産設備4aが対象製品10001を生産し、設備モジュール31aが生産結果フラグにOKを登録したことを確認すると、設備モジュール31bは、コントローラ41b対して対象製品10001の生産開始信号を送信する。また、対象製品10001の生産指示済みフラグに「済」を登録する。
生産設備4bは、設備モジュール31bから生産開始信号を受信すると、生産設備4aから受け渡された対象製品10001の生産を開始する。
その後、生産設備4aが対象製品10002を生産し、設備モジュール31aが生産結果フラグにOKを登録したことを確認すると、設備モジュール31bはコントローラ41b対して対象製品10002の生産開始信号を送信する。また、対象製品10002の生産指示済みフラグに「済」を登録する。
以下、
図8(b)および
図9(b)に示すように、生産設備4aの生産結果フラグにOKが登録されたことを確認し次第、生産設備4bは生産設備4aから引き渡された対象製品10002〜10004を順次生産していく。
【0033】
以上のように、工程管理装置1が、生産開始時に予めすべての生産設備4a,4bの生産指示フラグにそれぞれ連続番号を登録することで、各工程の生産設備4a,4bが複数の対象製品10001〜10004を1個ずつ生産して次工程に受け渡す一個流し生産方式に対応させることができる。
【0034】
次に、
図10,11を用いて、実施の形態1に係る生産システムにおいて対象製品をラインアウトさせた場合の動作について説明する。
図10は、データベース21の遷移を示す説明図であり、
図11は、生産設備4a,4bの動作および対象製品の流れを示す説明図である。
図10,11は、一個流し生産方式で4つの対象製品10001〜10004を生産している途中、上流工程の生産設備4aにおいて、対象製品10002をラインアウトさせた状態を示している。
【0035】
生産設備4aにおいて対象製品10002をラインアウトさせると、コントローラ41aは、対象製品10002が正常に生産されなかったことを示す生産完了信号を設備モジュール31aに送信する。設備モジュール31aは、
図10に示すように、データベース21の対応する生産結果フラグにNGを登録する。
【0036】
一方、設備モジュール31bは、対象製品10001の生産が完了し、次いで対象製品10002の生産を開始する際、データベース21に登録された上流工程の生産結果フラグを照査する。この際、上流工程の対象製品10002のレコードにNGが登録されていることを確認すると、
図10に示すように、対象製品10002の生産をスキップして対象製品10003の生産を開始する。
【0037】
以上のように、上流工程の生産設備4aで対象製品10002をラインアウトさせた場合であっても、下流工程の生産設備4bは対象製品10002の生産のみをスキップし、残りの対象製品10003,10004の生産を正常に続けることができる。
【0038】
なお、ロット生産方式において、上流工程の生産設備4aで対象製品10002をラインアウトさせた場合も、同様に下流工程の生産設備4bは対象製品10002の生産のみをスキップし、残りの対象製品10003,10004の生産を正常に続けることができる。
【0039】
以上のように、実施の形態1に係る生産システムは、生産ライン上に設置した複数の生産設備4a,4bと、生産設備4a,4bが対象製品を生産する順番を示す連続番号をそれぞれ登録する複数の生産指示フラグを含むデータベース21を記憶した記憶装置2と、対象製品の生産開始信号を連続番号の順番で生産設備4a,4bに送信する設備管理装置3と、入力した連続番号を生産指示フラグに登録する工程管理装置1とを備え、工程管理装置1による連続番号の登録状況に応じて、一個流し生産方式か、またはロット生産方式のいずれかに切り替わるように構成した。
そのため、一個流し生産方式とロット生産方式との両方に対応した生産システムを得ることができる。
【0040】
また、データベース21は、対象製品ごとに情報を登録するテーブル状のデータ構造を有し、工程管理装置1は、連続番号と一個流し生産方式またはロット生産方式のいずれかを選択する選択信号とを含む指図情報を入力する操作入力部を有し、一個流し生産方式を選択した場合、予め複数の生産設備4a,4bの生産指示フラグに連続番号を登録し、ロット生産方式を選択した場合、上流工程の生産設備4aが最後の対象製品を生産した後に下流工程の生産設備4bの生産指示フラグに連続番号を登録するように構成した。
そのため、各装置の制御プログラムの書き換えなどを行うことなく、簡易な操作で一個流し生産方式とロット生産方式とを切り替えることができる。
【0041】
また、データベース21は、生産設備4a,4bが対象製品を正常に生産したことを示すOKまたは異常が発生したことを示すNGのいずれかをそれぞれ登録する複数の生産結果フラグを含み、かつ対象製品ごとに情報を登録するテーブル状のデータ構造を有し、設備管理装置3は、生産設備4a,4bから受信した対象製品の生産完了信号に含まれるOKまたはNGを生産結果フラグに登録し、上流工程の生産設備4aの生産結果フラグにOKを登録した対象製品の生産開始信号を連続番号の順番で下流工程の生産設備4bに送信するとともに、上流工程の生産設備4aの生産結果フラグにNGを登録した対象製品の下流工程の生産設備4bにおける生産をスキップするように構成した。
そのため、上流工程で対象製品をラインアウトさせた場合であっても、工程間で対象製品を引き渡した際に対象製品と製品情報との紐付けが損なわれることを防ぎ、残りの対象製品の生産を継続することができる。
【0042】
また、設備管理装置3は、対応する生産設備4a,4bとそれぞれ接続し、かつそれぞれ独立してデータベース21を照査するとともにデータベース21に情報を登録する複数の設備モジュール31a,31bを備えるように構成した。
そのため、生産設備4の数や配置を変更した場合であっても、設備管理装置3のハードウェア構成を変更することなく、容易に対応することができる。
【0043】
なお、実施の形態1では、工程管理装置1、記憶装置2、設備管理装置3をそれぞれ独立したハードウェアで構成した例を示したが、これらを1台のコンピュータで実現した生産管理装置の構成としてもよい。
この場合、生産管理装置は、CPUを実装した半導体集積回路またはワンチップマイコンなどの演算ユニットと、HDDやSSDなどの記憶媒体とを備える。また、工程管理装置1および設備管理装置3の処理内容を記述した生産管理プログラムと、データベース21とを記憶媒体に記憶させるとともに、演算ユニットが記憶媒体から生産管理プログラムおよびデータベース21を読み出して各処理を実行する。
【0044】
また、データベース21の具体的なデータ構造は、
図3,6,8,10に示した例に限らない。例えば、各フィールドの並び順は、工程管理装置1の操作入力部のインターフェイスなどに合わせて任意に入れ替えてよい。また、レコードとフィールドとを入れ替えてもよい。
【0045】
また、
図1,2では、複数の生産設備4がそれぞれ1つのコントローラ41を備える構成を示したが、1つのコントローラ41が複数の生産設備4を制御する構成であってもよい。
【0046】
その他、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。