特許第6109165号(P6109165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6109165ヘルペスウイルスワクチンおよび使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109165
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】ヘルペスウイルスワクチンおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/245 20060101AFI20170327BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20170327BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   A61K39/245ZNA
   A61K39/39ZMD
   A61P31/22
【請求項の数】11
【全頁数】118
(21)【出願番号】特願2014-519232(P2014-519232)
(86)(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公表番号】特表2014-523433(P2014-523433A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】US2012045290
(87)【国際公開番号】WO2013006569
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年7月1日
(31)【優先権主張番号】61/503,945
(32)【優先日】2011年7月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230111590
【弁護士】
【氏名又は名称】金本 恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100105991
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100114465
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100156915
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 奈月
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(72)【発明者】
【氏名】スペクター,デボラ,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】モレロ,クリストファー,エス.
(72)【発明者】
【氏名】クライニャク,キンバーリー,エー.
【審査官】 上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−520373(JP,A)
【文献】 特表2003−508495(JP,A)
【文献】 特開2005−015487(JP,A)
【文献】 特表2002−524532(JP,A)
【文献】 特表2002−506045(JP,A)
【文献】 Journal of Virology,2011年 4月,Vol.85, No.7,p.3461-3472
【文献】 Vaccine,2011年 6月15日,Vol.29, No.27,p.4453-4459
【文献】 Journal of Infectious Diseases,2009年,Vol.200, No.7,p.1088-1095
【文献】 New England Journal of Medicine,2002年,Vol.347, No.21,p.1652-1661
【文献】 Clinical Infectious Diseases,2005年,Vol.40, No.9,p.1271-1281
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/00−44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上のヘルペスウイルス(HV)ワクチンと説明書からなる、このような治療または予防を必要としている患者におけるHV感染の治療または予防における使用のためのキットであって、前記HVワクチンのそれぞれが
(i)不活性化HV;
(ii)リポ多糖(LPS)に由来するアジュバント;および
(iii)アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバント;を含み、 前記HVワクチンのそれぞれが容器中の単位剤型で提供され
前記リポ多糖に由来するアジュバントが、モノホスホリルリピドA(MPL)であり;
前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバント又はリン酸アルミニウムアジュバントであり;および、
前記使用が、治療有効量または予防的有効量のワクチンを投与することを含み、プライムHSV DNAワクチンの投与を含まない、キット。
【請求項2】
前記HVが、単純ヘルペスウイルス(HSV)である、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記HVが、HSV1であるか、または前記HVが、HSV2である、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記HVが、HSV1およびHSV2である、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
さらに、以下の少なくとも1以上を含む、請求項に記載のキット
前記不活性化HVが、複製を減少させるDNA変異を含む;
前記不活性化HVが、化学的不活性化HVである
前記不活性化HVが、放射線不活性化HVである;
前記不活性化HVが、HVの不活性化単一株である;
前記不活性化HVが、HSV1の不活性化単一株、またはHSV2の不活性化単一株である;
前記不活性化HVが、HVの2種以上の不活性化株の組合せである;
前記不活性化HVが、HSV1の2種以上の不活性化株の組合せ、またはHSV2の2種以上の不活性化株の組合せである;
前記不活性化HVが、HSV1の1種または複数の不活性化株およびHSV2の1種または複数の不活性化株の組合せである;
筋内投与用製剤である
皮内投与用製剤である
粘膜投与用製剤である
鼻腔内投与用製剤である
直腸内投与用製剤である
腟内投与用製剤である
局所投与用製剤である
経皮膚的投与用製剤である
皮下投与用製剤である;または
HV感染に対する前記ワクチンのレシピエントを、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、またはそれを超える年までワクチン接種する。
【請求項6】
さらに、以下の少なくとも1以上を含む、請求項4に記載のキット;
前記リポ多糖に由来するアジュバントが、リピドAアジュバントである;
前記リポ多糖に由来するアジュバントが、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである;
前記リポ多糖に由来するアジュバントが、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである;
前記リポ多糖に由来するアジュバントが、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである;
前記リポ多糖に由来するアジュバントが、合成MPL類似体アジュバントである;または
前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバントである。
【請求項7】
ヘルペスウイルス(HV)ワクチンを調製する方法であって、
(i)HV−細胞混合物と、硫酸化またはスルホン化多糖とを接触させるステップであって、前記HV−細胞混合物が、HV粒子、細胞および細胞のポーションを含むステップと、
(ii)前記HV粒子を前記細胞から分離し、それによって単離したHV粒子を形成するステップと、
(iii)前記単離したHV粒子を不活性化し、それによって不活性化HV粒子を形成するステップと、
(iv)前記不活性化HV粒子と、リポ多糖に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントとを合わせ、それによってHVワクチンを形成するステップと
を含み、
前記リポ多糖に由来するアジュバントが、モノホスホリルリピドA(MPL)であり;
前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバント又はリン酸アルミニウムアジュバントである方法。
【請求項8】
前記HVはHSVである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
さらに、以下の少なくとも1以上を含む、請求項に記載の方法;
前記HSVが、HSV1である;
前記HSVが、HSV2である;
前記HSVが、HSV1およびHSV2である;
前記硫酸化またはスルホン化多糖が、デキストラン硫酸、ヘパリン、およびヘパラン硫酸から選択される;
前記HV粒子を、10から1010(pfu/マイクログラムタンパク質)の濃度で単離する;
前記HVワクチンが、10から1010(pfu当量/マイクログラムタンパク質)の不活性化HVを含む;
前記分離するステップが、遠心分離、ポリエチレングリコール沈殿、濾過、ゲル濾過、限外濾過、タンジェンシャルフロー限外濾過、またはアフィニティークロマトグラフィーを含む
前記不活性化するステップが、前記HVと、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む;
前記不活性化するステップが、前記HVと化学剤とを接触させることを含み、前記化学剤が、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、またはβ−プロピオラクトンである;
前記不活性化するステップが、前記HVと放射線とを接触させることを含み、前記放射線が、紫外線、電子ビーム線、赤外線、またはγ線である;
前記不活性化するステップが、前記HVと架橋剤とを接触させることを含み、前記架橋剤が、アルデヒド架橋剤、ホルムアルデヒド、またはホルマリンである;
前記不活性化するステップが、前記HVと酸化剤とを接触させることを含み、前記酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウムまたは過酸化水素である;
前記不活性化するステップが、前記HVと還元剤とを接触させることを含み、前記還元剤が、aldrithiol−2である;
前記不活性化するステップが、前記HVと界面活性剤とを接触させることを含み、前記界面活性剤が、Triton−X−100、NP−40、またはTween−20である;
前記不活性化するステップが、前記HVと、紫外線およびフロクマリンを含む1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む;または
前記不活性化するステップが、前記HVと、紫外線ならびにソラレン、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレン、アンゲリシン、キサントトキシン、ベルガプテン、およびノダケネチンから選ばれるフロクマリンを含む1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む。
【請求項10】
前記HV感染が、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛から選択される疾患を引き起こす、請求項に記載のキット。
【請求項11】
以下の少なくとも1以上を含む、請求項に記載のキット
ウイルス排出の低減を含む;
病変の出現の頻度の低減を含む;
病変の出現の期間の低減を含む;
筋内投与を含む;
皮内投与を含む;
粘膜投与を含む;
鼻腔内投与を含む;
直腸内投与を含む;
腟内投与を含む;
局所投与を含む;
経皮膚的投与を含む;および
皮下投与を含
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照により本明細書中にその全体が全ての目的のために組み込まれている2011年7月1日に出願された米国仮特許出願第61/503,945号の利益を主張するものである。
【0002】
連邦政府の助成を受けた研究開発の下で行われた発明への権利についての記載
本発明は、米国国立衛生研究所により授与された1R21AI073585の下での政府支援により行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
コンパクトディスクで提出した「配列リスト」、表、またはコンピュータプログラムリストの添付への言及
ファイル88654−006710PC−844147_ST25.TXTに記載された配列リスト(2012年7月2日に作成、4,077バイト、機械フォーマットIBM−PC、MS−Windowsオペレーティングシステム)は、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0004】
米国において、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)は、成人の16.2%に影響を与えている最も一般の性感染症の1つである(Xu、F.ら、Seroprevalence of Herpes Simplex Virus Type 2 Among Persons Aged 14〜49 Years− United States、2005〜2008年、Centers for Disease Control and Prevention(2010年))。HSV−2感染は、新生児(Kimberlin、D.W.、Herpes、14:11〜16頁(2007年))および免疫機能が低下した宿主において(Dupuis、S.ら、Nat.Genet.、33:388〜391頁(2003年))有意な罹患率と死亡率をもたらし得る。さらに、HSV−2感染は生殖器病変の主要な原因であり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)獲得の危険性の増加と関連付けられてきた(Freeman、E.E.ら、AIDS、20:73〜83頁(2006年);Wald、A.およびK.Link、J. Infect.Dis.、185:45〜52頁(2002年))。HSV−2は生殖器上皮において複製され、それに続いて後根神経節への逆行性軸索輸送が起こり、ここにウイルスは留まり、周期的な再活性化を伴う生涯に亘る潜伏感染を確立し得る。しかし、顕著であることは、大部分のHSV−2感染が無症候性であり、それにも関わらずこれらの個体は高頻度でウイルスを排出することである。その結果、HSV−2は、生殖器病変の病歴を有さない個体から一般に伝染する(MertzG.J.、J.Infect.Dis.、198:1098〜1100頁(2008年))。HSV−1感染はまた、初感染性器ヘルペス疾患の重大な原因であり、その発生率は米国および欧州において増加してきた(Wald、A.、2006年、Genital HSV−1 infections.Sex Transm.Infect、82:189〜190頁)。とりわけ、Herpevacワクチン治験の陰性対照群において、HSV−1は、感染についてHSV−2より高い発病率を有した(それぞれ、3.2%対1.5%)(Belshe、R.B.ら、Efficacy results of a trial of a herpes simplex vaccine.The New England Journal of Medicine、2012年、366(1):34〜43頁)。
【0005】
いかなる理論に束縛されるものではないが、HSV−2に対する防御免疫の相関は未知であると考えられる。HSV−2/HIV−1の同時感染者における研究によって、CD4+T細胞の喪失が、HSV−2排出の増加と相関することが示されてきた(Schacker、T.ら、J.Infect.Dis.、178:1616〜1622頁(1998年))。さらに、中和抗体応答を誘発する予防ワクチンは、殺菌免疫をもたらさなかった(Corey、L.ら、J.Amer.Med.Assoc.、282:331〜340頁(1999年))。ヒト研究はまた、HSV−2の複製および排出の低減におけるCD8+細胞傷害性T細胞の役割を明らかにしてきた。一次感染の間、CD8+T細胞は、急性神経節感染を予防し得る(Koelle、D.M.およびL.Corey、Annu.Rev.Med.、59:381〜395頁(2008年))。さらに、CD8+T細胞は、生殖器病変に浸潤し(ウイルス排除と相関する)(Koelle、D.M.ら、J.Clin.nvest.、101:1500〜1508頁(1998年))、HSV−2再活性化の間に生殖器皮膚の神経終末において蓄積することが見出されてきた(Zhu、J.ら、J.Exp.Med.、204:595〜603頁(2007年))。一般に利用されるHSV−2マウスおよびモルモットモデルにおいて、細胞性免疫の役割はより明確でなく、またはデータがあいまいであった。マウスにおけるT細胞欠乏研究は、膣内(i.vag.)のHSV−2負荷に対する防御におけるCD4+およびCD8+Tの両方の役割を示唆した(Milligan、G.N.およびD.I.Bernstein、Virology、229:259〜268頁(1997年);Milligan、G. N.、D. I.BernsteinおよびN.Bourne、J.Immunol.、160:6093〜6100頁(1998年);Parr、M.B.およびE.L.Parr、J.Virol.、72:2677〜2685頁(1998年))。T細胞が媒介する粘膜からのウイルスの排除は、IFN−γによって大部分が決まり(Milligan、G.N.およびD.I.Bernstein、Virology、229:259〜268頁(1997年))、IFN−γの非存在下で活性化するT細胞はHSV−2感染に対して防御的ではない(Johnson、A.J.ら、J.Reprod.Immunol.、84:8〜15頁(2010年))。
【0006】
多くの戦略が試みられてきたが、本開示まで、成功したHSV−2ワクチンは開発されてこなかった(Koelle、D.M.およびL.Corey、Annu.Rev.Med.、59:381〜395頁(2008年))。中和抗体を生じさせるために、糖タンパク質gDおよびgBがワクチン抗原として広範に使用されてきた(Corey、L.ら、J.Amer.Med.Assoc.、282:331〜340頁(1999年);Straus、S.E.ら、J.Infect.Dis.、176:1129〜1134頁(1997年))。HSV−2について一致しないカップルにおける2つの臨床治験における試験によって、GlaxoSmithKline(GSK)により製造された最も有望なワクチンの候補は、MPLおよびalumと共に製剤された分泌型gDタンパク質からなった。しかし、これはHSV−1および−2血清陰性の女性においてのみ効果的であった(Stanberry、L.R.ら、N.Engl.J.Med.、347:1652〜1661頁(2002年))。8,323人のHSV−1および−2血清陰性の女性におけるその後の第3相研究(Herpevac治験)は、このコホートにおいてHSV−2に対する有意な防御を示すことができなかった。gD2の分泌型は、膜貫通ドメインの欠失の結果として切断されている(Higgins、T.J.ら、J.Infect.Dis.、182:1311〜1320頁(2000年))。Strasserらによる従前の研究は、gD2の完全長またはサイトゾルポーションと比較したときに、分泌型が、マウスおよびモルモットの両方において急性疾患からの最良の防御を実現したことを示した(Strasser、 J. E.ら、J.Infect.Dis.、182:1304〜1310頁(2000年))。
【0007】
HSV−2についての複製欠損ウイルスワクチンはまた動物モデルにおいて成功したため、臨床治験パイプラインにある。UL5(DNAヘリカーゼ)、UL29(一本鎖DNA結合タンパク質)は、HSV−2複製のために必要とされる多くのタンパク質の中に含まれる(Challberg、M.D.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83:9094〜9098頁(1986年);Knipe、D.M.、Virus Res.、37:85〜123頁(1989年))。UL5およびUL29を欠いている変異体ウイルスは、マウス(Da Costa、X.ら、J.Virol.、74:7963〜7971頁(2000年);Da Costa、X.J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、96:6994〜6998頁(1999年))およびモルモットモデル(Hoshino、Y.ら、J.Virol.、79:410〜418頁(2005年);Hoshino、Y.ら、J.Infect.Dis.、200:1088〜1095頁(2009年);Hoshino、Y.ら、Vaccine、26:4034〜4040頁(2008年))において有望な免疫原性およびそれに続く防御を示してきた。過去において、不活性化HSV−2ワクチンをまたヒトにおいて試験したが、正確なデータ解釈のために必要とされる対照を欠いていることによって、その後に中止された((Whitley、R.J.、Herpes Simplex Viruses、2461〜2509頁、In D.M.KnipeおよびP.M.Howley(編)、Fields Virology、第4版、第2巻、Lippincott WilliamsおよびWilkins、Philadelphia(2001年))において概説されている)。本明細書において提供するのは、当技術分野でのこれらおよび他の問題の解決である。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様において提供するのは、不活性化HV、リポ多糖(LPS)に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントを含むヘルペスウイルス(HV)ワクチンである。
【0009】
第2の態様において提供するのは、ヘルペスウイルス(HV)ワクチンを調製する方法であり、方法は、HV−細胞混合物と、硫酸化またはスルホン化多糖とを接触させるステップであって、HSV−細胞混合物が、HV粒子、細胞および細胞のポーションを含むステップと;HSV粒子を細胞から分離し、それによって単離したHV粒子を形成するステップと;単離したHV粒子を不活性化し、それによって不活性化HV粒子を形成するステップと;不活性化HV粒子と、リポ多糖に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントとを合わせ、それによってHVワクチンを形成するステップとを含む。
【0010】
第3の態様において提供するのは、治療または予防を必要とする患者においてHV感染を治療または予防する方法である。方法は、治療有効量または予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHVワクチンを投与することを含む。
【0011】
第4の態様において提供するのは、治療または予防を必要とする患者において疾患を治療または予防する方法である。方法は、治療有効量または予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHVワクチンを投与することを含む。
【0012】
第5の態様において提供するのは、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHVワクチン、および患者にHVワクチンを投与するための説明書を含むキットである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】プラスミドワクチンからのHSV−2ORFの発現、およびgD2tタンパク質の精製を示す図である。A.293FT細胞を、示したような各HSV−2ORFプラスミド、または空の親ベクター(pVAX)で一過性にトランスフェクトし、抗−FLAG M2モノクローナル抗体を使用したSDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析のために、トランスフェクションの48時間後に細胞を収集した。B.293FT細胞にgD2tプラスミドをトランスフェクトし、示したトランスフェクション後の日に細胞および培地を収集した。トランスフェクトしていない293FT細胞および培地を実験の2日目に収集した(293)。培地を抗−FLAG M2アフィニティークロマトグラフィーに供し、結合した材料をSDS−PAGE緩衝液に可溶化し、型共通の抗−gDモノクローナル抗体DL6を使用して相当する細胞ライセートと一緒に分析した。C.pc3Δneo−gD2tでトランスフェクトされた293FT細胞からの培地からのgD2tタンパク質を、抗−FLAG M2カラムによって精製し、3xFLAGペプチドと共に溶出し、gD2t含有画分を合わせ、示した容量をSDS−PAGEおよびクマシーブルー染色によって分析した。
図2A-C】gD2tプラスミドによる同時免疫化を伴うまたは伴わない、UL5および/またはUL30プラスミドによる免疫化の後のHSV−2に対するBALB/cマウスの防御を示す図である。A.実験1。25μgのpVAX DNA(−gD2t)またはgD2t DNA(+gD2t)と一緒に、示したHSV−2遺伝子(25μgのDNA)で免疫化され、次いで、10×LD50のHSV−2株Gの致死的なi.vag.負荷を与えられたマウス(n=8)の21日間の生存。B.i.vag.負荷後の免疫化されたマウスにおける疾患の重症度。レジェンドにおいて示されている記号は、材料および方法において記載する疾患の重症度スケールを使用した各ワクチン群についての群平均疾患スコアを示し、誤差棒は、平均値の標準誤差(SEM)を表す。C.i.vag.負荷に続く膣ウイルス排出。材料および方法において記載したように、示した負荷後の日において、各マウスの腟内を拭き取り、拭き取り検体を1mlのDNG中に置き、ベロ細胞上の標準的プラークアッセイまで冷凍した。記号は、群平均Log10PFUを表し、棒は、SEMを表し、点線は、アッセイの感受性限界を示す。プラークを生じないアッセイには、グラフ化および統計解析のために、検出限界の2分の1の力価(またはこの実験について拭き取り検体毎に5PFU)を割り当てた。明確にするために、gD2t DNAを伴い、または伴わずに同時免疫化された群について括弧で示す。
図2D-E】D.実験2:マウス(n=8)を、gD2t DNAを伴い、または伴わずに、UL5+UL30で同時免疫化した。マウスは、20μgのpVAXまたはgD2t DNAと一緒に、それぞれ20μgのUL5およびUL30を受けた。21日間のI.vag.負荷および生存を、Aにおけるように示す。E.Bにおけるような負荷に続く疾患の重症度。F.Cにおけるような負荷に続く膣ウイルス排出。
図3A】保存されている必須遺伝子によるDNA免疫化は、抗原特異的CD8+T細胞を誘発することを示す図である。A.2つの別々の実験において、脾細胞を、未処理(Naive)、収集の7日前に足蹠にHSV−2感染した(HSV−2)、またはpVAXでi.d.免疫化された(pVAX)、BALB/cマウスから単離した。ICP27プラスミドでトランスフェクトされたBALB SV40細胞(ICP27細胞;灰色の棒)または公知のH−2dCD8+T細胞エピトープのICP27ペプチド(ICP27ペプチド、黒色の棒)で脾細胞を刺激し、IFN−γを産生するCD8+T細胞を、細胞内サイトカイン染色によって分析した。
図3B-C】B、C.単独でまたは示された組合せのpVAX、UL5、またはUL30DNAプラスミドで免疫化された個々のBALB/cマウス(n=4)からの脾細胞を、2つの別々の実験において、UL5またはUL30プラスミドでトランスフェクトされたBALB SV40細胞で刺激した。収集の7日前に足蹠にHSV−2感染した1匹のマウスをまた分析した(HSV−2)。プロットしたのは、pcDNA3をトランスフェクトされたSV40BALB細胞による刺激からバックグラウンド染色値を減じた後の各マウスからの値である。ラインは、群平均を表し、塗り潰された記号は、個々のマウスについての値を示す。
図4】gD2tタンパク質と比較した、FI−HSV2による免疫化後のHSV−2に対する防御を示す図である。107PFU当量のFI−HSV2、および等しい容量のFI−Mockウイルス調製物、または5μgの精製したgD2tタンパク質で、マウス(n=8)を2回s.c.免疫化し、材料および方法において記載したようにそれぞれの免疫化はMPLおよびalumアジュバントと一緒であった。A.各ワクチン群の負荷後21日の生存。B.図2Bにおけるような負荷に続く疾患の重症度。C.図2Cにおけるような負荷に続く膣ウイルス排出。D.負荷後2日目の各マウスの膣ウイルス力価。各記号は、各マウスのLog10PFU力価を表し、水平のラインは、群平均を表し、点線は、アッセイ検出限界を示す(拭き取り検体毎に2PFUと等しい)。
図5A-B】プライム−ブースト免疫化の後のHSV−2に対する防御を示す図である。A.プライム−ブースト免疫化、負荷、および負荷後アウトカム測定のタイムライン。マウスを、示した週において、pVAX、gD2t DNA、またはUL5、UL30、およびgD2t DNAのカクテルでi.d.プライムした。各DNAプライム群からの8匹のマウスを、示した週において、107PFU当量のFI−HSV2、等しい容量のFI−Mockウイルス調製物、または5μgのgD2tタンパク質サブユニット(gD2t SU)と一緒にMPL/Alumで2回s.c.ブーストした。B.プライム−ブーストの組合せを与えたマウスの負荷後生存。UL5、UL30、gD2t DNA−gD2tタンパク質群における1匹のマウスは、重症の耳感染を発症し、負荷の日の前に屠殺した。
図5C-D】C.図2Bにおけるようなi.vag.負荷に続くプライム−ブースト免疫化されたマウスにおける疾患の重症度。各パネルは、Mock(FI−Mock)(左)、gD2tタンパク質(中央)、またはFI−HSV2(右)のブーストによる、同じブーストタイプを与えた免疫化群を示す。D.図2Cにおけるようなi.vag.負荷に続く膣ウイルス排出。免疫化群は、一緒に示した同じブーストタイプを与えられ、各パネルにおいて示したpVAX−FI−Mock群は比較の目的のためである。
図6A-B】MPLおよびAdju−Phos中のFI−HSV2およびDNAプラスミドの単一の製剤後のHSV−2排出に対する防御を示す図である。A、B.マウスの群を、107PFU当量のFI−HSV2、12.5μgのMPL、および54μgのAdju−Phos(AdP)で免疫化した。いくつかの群は、20μgまたは50μgのそれぞれのプラスミドUL5、UL30、およびgD2tを受けた。さらに、陰性対照群は、MPL、Adju−Phosと混合した60μgのpVAX DNA、および他の群において使用したFI−HSV2と等しい容量のFI−Mockを受けた。4週間後、マウスにさらなる免疫化を与え、3週間(A)または9週間(B)休み、次いで、上記のようにHSV−2でi.vag.負荷した。2日目および4日目に、マウスの膣のHSV−2排出のために拭き取ったが、データは図4Dのレジェンドにおけるように同様に(アッセイ感受性の限界は、拭き取り検体毎に4PFU(A)および2.22PFU(B)であったことを除いて)示す。
図6C-D】(C、D)免疫化されたマウスにおける負荷前のウイルス特異的抗体レベル。破線は、感受性のアッセイ限界を表し、アッセイ限界未満の個々の力価は、計算およびグラフ化の目的のためにアッセイ限界の2分の1の値を割り当てた。(C)短期間(左のパネル)または長期間(右のパネル)の負荷前の、デキストラン硫酸に由来するHSV−2(ウェル毎に2.35×106PFU)に対するELISAによって測定したIgG力価。エンドポイント力価は、血清の最も高いフィットスプライン内挿した相互希釈として定義したが、ここではビリオン−コーティングしたウェルのA405は等しい質量のベロ細胞ライセートでコーティングしたウェル中の同じ血清希釈のA405の2倍と等しかった。(D.)長期間の負荷前のウイルス中和抗体力価。エンドポイント中和力価を、上記のようにフィットスプライン内挿を使用したインプットPFU(50PFUのデキストラン硫酸に由来するHSV−2)の数における50%の低減をもたらした最も高い相互血清希釈として計算した。感受性限界未満の力価を表すデータポイントは、視感度の増加のためにずれていた。(*)P<0.05;(**)P<0.01;および(***)P<0.001の有意性スコアを、クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定によって決定した。
図7】MPLおよびAlhydrogelまたはAdju−Phos中のFI−HSV2による免疫化後の、HSV−2負荷および再負荷に対する防御を示す図である。マウスの群を、示したように、107PFU当量のFI−HSV2、12.5μgのMPL、および54μgのAlhydrogel(Alh)または450μgのAdju−Phos(AdP)でi.m.またはs.c.免疫化した。さらに、陰性対照群は、MPL、Adju−Phosと混合した60μgのpVAX DNA、および他の群において使用したFI−HSV2と等しい容量のFI−Mockを受けた。4週間後、マウスにさらなる免疫化を与え、3週間休み、次いで、上記のようにHSV−2でi.vag.負荷した。A.アッセイ感受性の限界は拭き取り検体毎に10PFUであったことを除いて、図4Cにおけるような、負荷後2日目(左のパネル)または4日目(右のパネル)の膣ウイルス排出。感受性限界(複数可)未満のデータポイントは、AおよびCの両方についてのパネルにおいて視感度の増加のためにずれていた。B、C.HSV−2負荷に対して生存したマウスを以前の通りメドロキシプロゲステロン処理し、負荷の17週間後に、これらのマウスを再負荷し、未処理群のマウスを10×LD50のHSV−2でi.vag.負荷した。マウスを、上記のように2日目および4日目に膣のHSV−2排出のために拭き取った。未処理群についての膣のHSV−2力価を示す(パネルB)。負荷および再負荷に続く各マウスにおける膣のHSV−2排出を、HSV−2負荷の2日目をx軸上に、および再負荷の2日目をy軸上に、膣のHSV−2力価としてプロットする(パネルC)。各FI−HSV2免疫化群を、明確にするために別々のパネルにおいて示し、両方のアッセイについての検出限界は、拭き取り検体毎に10PFUであった。各グラフ上のオーバーラップするデータポイントの数を示す。(*)P<0.05;(**)P<0.01;および(***)P<0.001の有意性スコアを、クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定によって決定した。
図8】MPL/Alhydrogel中で製剤されたFI−HSV2による免疫化は、HSV−2複製、疾患、およびDRGにおける潜在ウイルス量に対する防御のために必要とされることを示す図である。マウスの群(n=8)を、MPLおよびAlhydrogel(54μgのAlと等しい)またはDPBS中のデキストラン硫酸に由来するFI−HSV2(1μgのタンパク質)でs.c.またはi.m.免疫化した。さらに、陰性対照群は、MPLおよびAlhydrogel中の、他の群において使用されたFI−HSV2と等しい容量のFI−Mockを受けた。2回の注射は4週間の間隔を開けて与えられ、マウスに3週間後に負荷した。A.アッセイ感受性の限界は拭き取り検体毎に2.2PFUであったことを除いて、図6A、Bにおけるような負荷後2日目(左のパネル)または4日目(右のパネル)の膣ウイルス排出。B.負荷後1〜14日目の疾患スコア(図4に記載したスケールを使用)を、個々のマウスについて合計した(各記号は、1匹のマウスについての値を示す)。C.DRGにおけるHSV−2潜在DNA量に対する防御。負荷の4週間後、それぞれの生存しているマウスおよび4匹の未処理マウスからの腰仙部DRGを取り出し、プールし、冷凍し、各プールからのDRG DNAを抽出し、分光光度法によって定量化した。相互汚染セーフガード、試料の保存、DRG DNA抽出、ならびにgG2に特異的なプライマーおよびプローブを使用したTaqMan定量的PCR(Applied Biosystems、Inc.)によって決定したHSV−2のコピー数は従前に記載された通りであった[19]。各反応は300ngのDRG DNAを含有したが、各マウスについてのDNA量は、300ngのDRG DNA毎のHSV−2DNAコピー数として表す。ラインは、アッセイについての検出限界を表す(300ngのDRG DNA毎に2コピーのHSV−2DNA)。各テンプレートの均一性は、マウスアジプシン遺伝子(GenBankアクセッション番号X04673.1):センスプライマー(TGT GGC AAT GGC AAA AAG C)(配列番号:14)、アンチセンスプライマー(TGT TAC CAT TTG TGA TGT TTT CGA T)(配列番号:15)、およびプローブ(6−FAM−CGT CTA TAC−ZEN−CCG AGT GTC ATC CTA CCG GA−Iowa Black F Quencher)(配列番号:16)のTaqMan定量化によって確実にした。
図9】MPL/AlhydrogelまたはDPBS中のFI−HSV2でs.c.またはi.m.免疫化したマウスにおけるウイルス特異的抗体およびT細胞のレベルを示す図である。A、B.免疫化されたマウスにおけるウイルス特異的抗体レベル。A.HSV−2ビリオンに対するELISAを使用して、免疫化されたマウスの血清中の負荷前の総IgG(左のパネル)またはIgG1およびIgG2aアイソタイプ(右のパネル)を測定した。平均エンドポイント相互力価およびSDを、図6Cにおけるように、各免疫化群について示す。B.ウイルス中和抗体力価を、図6Dにおけるように、HSV−2ビリオンに対して測定した。C.IFN−γを産生するウイルス特異的CD4+T細胞(左のパネル)およびCD8+T細胞(右のパネル)の平均および標準誤差を、細胞内サイトカイン染色によって測定した。材料および方法において記載したように、免疫化され、次いでインビボで再刺激されマウス(n=4)からの脾細胞を集め、第2の注射の3週間後にアッセイした。
図10】免疫化群、およびHSV−2負荷または再負荷に対する防御有効性を評価するマウス実験についてのタイムラインを示す図である。アジュバントAdju−Phos(AdP)またはAlhydrogel(AlH)を、ホルマリン不活性化HSV−2(FI−HSV2)およびモノホスホリルリピドAを有する製剤においてそれぞれ試験した。ワクチンを、アジュバント中および示した経路で筋内(i.m.)または皮下(s.c.)経路によって投与した。シリンジは、ワクチン接種の週を示し、血液のドロップは、血液採取の週を示し、点線の矢印は、致死的なHSV−2負荷の週を示す。このように得られたデータを、図7によって表す。
図11】総ビリオン特異的IgG、および中和力価を示す図である。
図12】免疫化群、ならびにホルマリン不活性化HSV−2(FI−HSV2)と共に製剤されたときの、筋内(i.m.)または皮下(s.c.)免疫化のためにAlhydrogel Alum(AlH)と一緒にモノホスホリルリピドA(MPL)のアジュバントの作用を評価するマウス実験についてのタイムラインを示す図である。シリンジは、ワクチン接種の週を示し、血液のドロップは、血液採取の週を示し、青色の矢印は、細胞内サイトカイン染色(ICS)アッセイのためのインビボの再刺激(第6.5週)または収集(第7週)の週を示し、点線の矢印は、致死的なHSV−2負荷の週を示す。DPBS、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水。このように得られたデータを、図8および9によって表す。
図13】細胞内サイトカイン染色アッセイのための実験法を示す図である。示したデータは図9Cに相当し、図はまたバックグラウンド染色レベルを示す。
図14】免疫化群、およびHSV−2による負荷または再負荷に対する防御有効性を評価するモルモット実験についてのタイムラインを示す図である。ホルマリン不活性化(FI−)HSV−2またはMockビリオン(FI−Mock)を、モノホスホリルリピドAおよびAlhydrogelと共に製剤し、次いで筋内(i.m.)または皮下(s.c.)経路によって投与した。シリンジは、ワクチン接種の週を示し、血液のドロップは、血液採取の週を示し、点線の矢印は、亜致死性HSV−2負荷の週を示す。PFU equiv、PFU当量。
図15】一次(急性相)HSV−2感染の間の、免疫化されたモルモットの肛門生殖器疾患に対する防御を示す図である。各記号は、膣内の負荷後0〜14日目の個々(Indiv.)のモルモットの合計した疾患スコアを表し、棒は群平均を表す。1日に少なくとも1つの病変を示したモルモットの記号を括弧でくくる。クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定による統計的有意性をアスタリスクによって示し、有意レベルをレジェンドに示す。
図16】負荷後2日目および7日目の膣のHSV−2排出レベルを示す図である。膣内拭き取り検体を採取し、プラークアッセイによって感染性ウイルスの定量化のために保存した。各記号は、個々(Indiv.)のモルモットのLogPFU/拭き取り検体を表し、棒は群平均を表す。クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定による統計的有意性をアスタリスクによって示し、有意レベルをレジェンドに示す。点線は、アッセイ検出限界を示し、ボックスは、7日目のこの免疫化群におけるウイルスの殆ど完全な排除を示す。
図17】デキストラン硫酸洗浄に由来するHSV−2を使用したELISAによって測定したHSV−2ビリオン特異的IgGを示す図である。各記号は、群平均Log10エンドポイント力価を表し、棒は、SEMを示す。矢印は、免疫化の週(0週目および4週目)または負荷の週(7週目)を示す。
図18】HSV−2による再負荷に続く免疫化されたモルモットの肛門生殖器疾患に対する防御を示す図である。各記号は、膣内の再負荷(第1の負荷の18週間後に与える)後0〜14日目の個々(Indiv.)のモルモットの合計した疾患スコアを表し、棒は群平均を表す。1日に少なくとも1つの病変を示したモルモットの記号を示し(Les)、未処理群における動物の全てが病変を示す(All Les)。クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定による統計的有意性をアスタリスクによって示し、有意性レベルは下記の通りである。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;NS、有意差なし。
図19】再負荷後2日目および7日目の膣のHSV−2排出レベルを示す図である。膣内拭き取り検体を採取し、プラークアッセイによって感染性ウイルスの定量化のために保存した。各記号は、個々(Indiv.)のモルモットのLogPFU/拭き取り検体を表し、棒は群平均を表す。点線は、アッセイ検出限界を表す。クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定による統計的有意性をアスタリスクによって示し、有意性レベルは下記の通りである。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図20】負荷後2日目(x軸)および再負荷後2日目(y軸)の、個々(Indiv.)のモルモットについての膣のHSV−2排出のXYプロットを示す図である。値は拭き取り検体毎のLog10PFUとして計算する。点線は、感受性のアッセイ限界を示す。
図21】実験スキーム、ならびにU.Sから単離した相同(株G)または非相同(株186syn+−1および株89−390)HSV−2株に対して防御するホルマリン不活性化HSV−2(FI−HSV2)の有効性を試験するためのタイムラインを示す図である。シリンジは、ワクチン接種の週を示し、血液のドロップは、血液採取の週を示し、点線の矢印は、亜致死性HSV−2負荷(第7週)または繰返し負荷(第9週)の週を示す。繰返し負荷は、負荷後2日目に膣内の拭き取り検体からの検出可能なHSV−2を有さない動物においてのみ行ったことに留意されたい。PFU eq.、PFU当量;MPL、モノホスホリルリピドA;Alum、Alhydrogel;高い、5×105PFU負荷;低い、2.5×104PFU負荷;FI−Mock、ホルマリン不活性化mockビリオン調製物;s.c.、皮下。
図22】免疫化されたモルモットの肛門生殖器疾患に対する防御(負荷および繰返し負荷データを合わせる)を示す図である。各記号は、膣内の負荷後0〜14日目の個々(Indiv.)のモルモットの合計した疾患スコアを表し、棒は群平均を表す。疾患スコアリング判断基準をレジェンドに一覧表示する。1日に少なくとも1つの病変を示したモルモットの記号を括弧でくくる。クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定による統計的有意性をアスタリスクによって示し、有意レベルをレジェンドに示す。FI−HSV2により免疫化された動物は病変を発症しなかった。
図23】HSV−2の相同(株G)または非相同(186syn+−1および89−390)株による負荷後2日目および7日目の、膣のHSV−2排出レベルを示す図である。膣内拭き取り検体を採取し、プラークアッセイによる感染性ウイルスの定量化のために保存した。各記号は、個々(Indiv.)のモルモットのLogPFU/拭き取り検体を表し、棒は群平均を表す。点線は、アッセイ検出限界を表す。ボックスは、7日目までの殆ど完全なウイルス排除を示す。有意レベルを伴うクラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定による統計的有意性を、レジェンドに示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
I.定義
本明細書において使用される略語は、化学および生物学の技術分野におけるこれらの通常の意味を有する。本明細書において記載する化学構造および式は、化学の技術分野において公知の化学的価数の標準的ルールによって構築する。
【0015】
「a」または「an」という用語は、本明細書において使用される場合、1つまたは複数を意味する。さらに、「[n]で置換されている」というフレーズは、本明細書において使用する場合、特定の基を指名した置換基の任意または全ての1つまたは複数で置換し得ることを意味する。
【0016】
本発明の化合物の記載は、当業者には公知の化学結合の原理によって限定される。したがって、基がいくつかの置換基の1つまたは複数で置換し得る場合、化学結合の原理に従うように、かつ周囲条件、例えば、水性条件、中性条件、およびいくつかの公知の生理学的条件下で、固有に不安定でなく、および/または不安定でない可能性が高いと当業者には公知である化合物を与えるように、このような置換は選択される。
【0017】
「治療する」または「治療」という用語は、任意の客観的または主観的パラメーター、例えば、軽減;緩解;症状の減少、または傷害、病理もしくは状態を患者にとってより耐えられるものとすること;変性または減退の速度の遅延;変性の最終ポイントをより衰弱させるものでなくすること;患者の肉体的または精神的健康の改善を含めた、傷害、疾患、病理または状態の治療または寛解における成功の任意の表示を指す。症状の治療または寛解は、身体検査、神経精神の検査、および/または精神医学的評価の結果を含めた、客観的または主観的パラメーターに基づくことができる。例えば、本明細書において提示する特定の方法は、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染の発生率を減少させること、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染の1つまたは複数の症状を低減させること、あるいはHV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)の伝播を防止することによって、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染を首尾よく治療する。本明細書に記載されている組成物または方法のいくつかの実施形態において、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染を治療することは、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)の成長もしくは伝播の速度を遅延させること、または病変の出現を低減させることを含む。「治療すること」という用語、およびその活用は、傷害、病理、状態、または疾患の予防を含む。「予防すること」または「予防」という用語は、本明細書に記載のような予防的または防止的組成物の投与に続く、疾患もしくは状態の1つもしくは複数の症状の予防、または疾患もしくは状態の任意の症状の出現、重症度、もしくは期間の減少を含めた、対象または患者(例えば、疾患または状態を発症する危険性がある対象または患者)を疾患または状態(例えば、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染)を発症し、罹患し、または有することから防御することにおける成功の任意の表示を指す。
【0018】
「有効量」は、化合物が存在しないこと対して、化合物が記述される目的を達成するのに十分な量である(例えば、そのためにこれが投与される作用を達成する、疾患を治療する、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)の伝播を低減させる、疾患または状態の1つまたは複数の症状(例えば、病変、ウイルス産生、溶菌サイクル)を低減させる)。「有効量」の一例は、疾患の症状(複数可)の治療、予防、または低減の一因となるのに十分な量であり、これは「治療有効量」ともまた称することができる。症状(複数可)の「低減」(およびこのフレーズの文法的同等物)は、症状(複数可)の重症度もしくは頻度の減少、または症状(複数可)の消失を意味する。組成物(ワクチン)の「予防的有効量」は、対象に投与したときに、意図する予防効果(例えば、傷害、疾患(例えば、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染)、病理もしくは状態の開始(または再出現)を予防または遅延させ、あるいは傷害、疾患、病理、もしくは状態、またはこれらの症状の開始(または再出現)の可能性を低減させる)を有する組成物の量である。完全な予防効果は、1回の用量の投与によって必ずしも起こらず、一連の用量の投与(例えば、プライム−ブースト)の後のみに起こり得る。このように、予防的有効量は、1つまたは複数の投与で投与し得る。正確な量は治療の目的によって決まり、公知の技術を使用して当業者によって確認可能である(例えば、Lieberman、Pharmaceutical Dosage Forms(第1〜3巻、1992年);Lloyd、The Art、 Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999年);Pickar、Dosage Calculations(1999年);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、2003年、Gennaro(編)、Lippincott、WilliamsおよびWilkinsを参照されたい)。
【0019】
「対照」または「対照実験」は、その明白な通常の意味によって使用され、実験の手順、試薬、または変数の省略以外は、実験の対象または試薬を平行実験におけるように処理する実験を指す。いくつかの場合において、対照は、実験効果の評価における比較の標準として使用する。いくつかの実施形態において、対照は、本明細書(実施形態を含めた)に記載の組成物(例えば、ワクチン)の非存在下での、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染、あるいはHV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染の1つまたは複数の症状の尺度である。
【0020】
「接触させること」とは、その明白な通常の意味によって使用され、少なくとも2つの別個の種(例えば、組成物、ワクチン、ウイルス、生体分子、または細胞)が、反応、相互作用または物理的に触れるように十分に近位となることを可能にする工程を指す。しかし、このように得られた反応生成物は、加えた試薬の間の反応から、または反応混合物中で生成することができる、加えた試薬の1つもしくは複数からの中間体から直接生成することができることを認識すべきである。いくつかの実施形態において、接触させることは、放射線(例えば、UV、γ)が、物体(例えば、ウイルス、ウイルス構成要素、ウイルスタンパク質、ウイルス核酸)と相互作用することを可能にすることを指す。
【0021】
「接触させること」という用語は、2つの種が反応、相互作用、または物理的に触れることを可能にすることを含んでもよく、2つの種は、本明細書に記載のような組成物(例えば、ワクチン)、および細胞、ウイルス、ウイルス粒子、タンパク質、酵素、または患者でよい。いくつかの実施形態において、接触させることは、本明細書に記載されている組成物が、シグナル経路に関与するタンパク質または酵素と相互作用することを可能とすることを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、本明細書に記載されている組成物が、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)と相互作用することを可能にすることを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、本明細書に記載されている作用剤が、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)と相互作用し、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)を不活性化することを可能にすることを含む。
【0022】
本明細書に定義されているように、「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などという用語は、タンパク質−阻害剤または相互作用に関して、タンパク質の活性または機能に悪影響を与える(例えば、減少させる)ことを意味する。いくつかの実施形態において、阻害とは、疾患または疾患の症状の低減を指す。いくつかの実施形態において、阻害は、ウイルス(例えば、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV))の成長、増殖、または伝播の低減を指す。いくつかの実施形態において、阻害は、ウイルス(例えば、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV))による対象の感染を予防することを指す。いくつかの実施形態において、阻害は、シグナル伝達経路またはシグナル経路の活性の低減を指す。このように、阻害は、少なくとも部分的に、刺激を部分的もしくは完全に遮断すること、活性化を減少させ、防止し、または遅延させること、あるいはシグナル経路もしくは酵素活性、またはタンパク質の量を不活性化させ、脱感作し、または下方制御することを含む。
【0023】
「モジュレーター」という用語は、標的(例えば、分子、細胞、ウイルス粒子、タンパク質)または標的の機能または標的の物理的状態のレベルを増加または減少させる組成物を指す。
【0024】
「モジュレートする」という用語は、その明白な通常の意味によって使用され、1つまたは複数の特性を変化または変動させる作用を指す。「モジュレーション」とは、1つまたは複数の特性を変化または変動させる工程を指す。例えば、標的に対するモジュレーターの作用に適用されるように、モジュレートするとは、標的の特性もしくは機能または標的の量を増加または減少させることによって変化させることを意味する。
【0025】
「患者」または「それを必要としている対象」とは、本明細書において提供するような医薬組成物の投与によって治療することができる疾患もしくは状態を患っている、または起こしやすい生物を指す。非限定的例には、ヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ、および他の哺乳動物ではない動物が含まれる。いくつかの実施形態において、患者は、ヒトである。いくつかの実施形態において、患者またはそれを必要としている対象またはそれを必要としている患者とは、疾患または状態(例えば、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染、またはHV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)と関連する疾患)を発症し、罹患し、または有する危険性がある生物(例えば、ヒト)を指す。
【0026】
「疾患」または「状態」とは、本明細書において提供する組成物(例えば、ワクチン)または方法で治療することができる、患者または対象の状態または健康状態を指す。いくつかの実施形態において、疾患は、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)に関連する(例えば、これらによって引き起こされる)疾患である。疾患、障害、または状態の例には、これらに限定されないが、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム(herpes rugbeiorum)、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、またはヘルペス後神経痛が含まれる。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8からなる群から選択されるHV)感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペス性歯肉口内炎を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、口唇ヘルペスを指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、陰部ヘルペスを指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペス性ひょう疽を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、剣状ヘルペスを指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペスウイルス脳炎を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペスウイルス髄膜炎を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペス性食道炎を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペス性角膜炎を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ベル麻痺を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、モラレー髄膜炎を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペスルグベイオルムを指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、疱疹性湿疹を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペス神経痛を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、ヘルペス後神経痛を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HSV1感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HSV2感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HSV1およびHSV2感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HHV−3感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HHV−4感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HHV−5感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HHV−6感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HHV−7感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HHV−8感染を指す。いくつかの場合において、「疾患」または「状態」とは、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)感染を指す。
【0027】
「薬学的に許容される添加剤」および「薬学的に許容される担体」とは、活性剤の投与および対象による吸収を助ける物質を指し、患者に対して有意な有害である毒性学的影響をもたらすことなしに、本発明の組成物に含めることができる。薬学的に許容される添加剤の非限定的例には、水、NaCl、生理食塩水溶液、乳酸加リンゲル、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング、甘味剤、フレーバー、塩類溶液(例えば、リンゲル液)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物(ラクトース、アミロースまたはデンプンなど)、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、および着色料などが含まれる。このような調製物は、無菌化し、必要に応じて、本発明の化合物と有害に反応しない助剤、例えば、滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝液、着色剤、および/または芳香族物質などと混合することができる。当業者は、他の医薬添加剤が本発明において有用であることを認識する。
【0028】
「調製物」という用語は、担体として封入材料を有する活性化合物の製剤を含むことを意図し、他の担体を有する、または有さない活性構成要素が、担体に囲まれているカプセル剤を提供する(このようにして担体は、活性構成要素と関連している)。同様に、カシェ剤およびロゼンジ剤が含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびロゼンジ剤は、経口投与に適した固体剤形として使用することができる。
【0029】
本明細書において使用する場合、「投与すること」という用語は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋内、病巣内、くも膜下腔内、鼻腔内、皮内、粘膜、直腸内、膣内、局所、経皮膚的(例えば、Combadiere、PLoS ONE5(5):e10818におけるように)、もしくは皮下投与、または徐放性装置、例えば、ミニ浸透圧ポンプの埋込みを意味する。投与は、非経口および経粘膜的(例えば、口腔内頬側、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、膣、直腸、または経皮的)を含めた任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内が含まれる。送達の他のモードには、これらに限定されないが、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮的パッチなどの使用が含まれる。「同時投与する」とは、本明細書に記載されている組成物が、1つまたは複数のさらなる治療、例えば、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)感染治療、例えば、抗ウイルス薬(例えば、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル)または異なるHV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチン(例えば、DNAワクチン、異なる遺伝子を含むDNAワクチン、単離したタンパク質ワクチン、異なる不活性化ウイルスワクチン)の投与と同時に、直前に、または直後に投与されることを意味する。本発明の組成物(例えば、ワクチン)は、患者に単独で投与することができ、または同時投与することができる。同時の投与は、個々にまたは組み合わせた化合物の同時または逐次投与を含むことを意味し(複数の組成物)、プライム−ブースト法におけるワクチン投与を含む。このように、調製物はまた、所望であるときに、他の活性物質と合わせることができる(例えば、代謝退化を低減し、免疫応答を増加させるため(例えば、アジュバント))。本発明の組成物は、アプリケータースティック、溶液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー、ペイント、散剤、およびエアゾールとして製剤して、経皮的に、局所経路によって、経皮膚的に送達することができる。
【0030】
「HVワクチンを投与する(または投与すること)」という用語は、対象においてHV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)感染を予防または治療する組成物を投与することを意味する。投与は、機構によって限定されることなく、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンが、対象において免疫応答を誘導し、あるいは疾患(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8感染)の1つまたは複数の症状を低減するための十分な時間を許容することを含み得る。
【0031】
出願を通してその選択肢は、マーカッシュ群(例えば、複数の可能性のあるアミノ酸を含有する各アミノ酸の位置)で記載されることに留意すべきである。マーカッシュ群の各メンバーは、別々に考慮すべきであり、それによって別の実施形態を含み、マーカッシュ群は、単一のユニットとして読まないことが特に意図される。
【0032】
「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書において互換的に使用し、アミノ酸残基のポリマーを指す。
【0033】
「ペプチジル」および「ペプチジル部分」という用語は、一価ペプチドを意味する。
【0034】
「アミノ酸」という用語は、天然および合成アミノ酸、ならびにアミノ酸類似体を指す。天然アミノ酸は、遺伝コードによってコードされたもの、ならびに後に修飾されるそれらのアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、およびO−ホスホセリンである。アミノ酸類似体とは、天然アミノ酸と同じ基礎的な化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合しているα−炭素を有する化合物(例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)を指す。このような類似体は、修飾したR基(例えば、ノルロイシン)または修飾したペプチド骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持する。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般化学構造と異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様の様式で機能する化合物を指す。アミノ酸模倣物を含むオリゴマーは、ペプチド模倣物である。ペプチド模倣物部分は、一価ペプチド模倣物である。
【0035】
アミノ酸は、本明細書において、これらの一般に公知の3文字記号によって、またはIUPAC−IUB生化学命名委員会によって推奨される1文字記号によって称し得る。ヌクレオチドは、同様に、これらの一般に受け入れられている単一文字のコードによって称し得る。
【0036】
アミノ酸またはヌクレオチド塩基の「位置」は、N−末端(または5’−末端)に対するその位置に基づいて、参照配列において各アミノ酸(またはヌクレオチド塩基)を逐次的に同定する番号によって表示する。最適なアライメントを決定するときに考慮しなければいけない欠失、挿入、切断、融合などによって、一般に、N−末端から単純にカウントすることによって決定される試験配列におけるアミノ酸残基の番号は、参照配列におけるその相当する位置の番号と必ずしも同じではない。例えば、バリアントが、整列した参照配列に対して欠失を有する場合、バリアントには、欠失の部位において参照配列における位置に相当するアミノ酸はない。整列した参照配列において挿入が存在する場合、その挿入は、参照配列における付番したアミノ酸の位置に相当しない。切断または融合の場合、参照配列または整列した配列において、相当する配列における任意のアミノ酸に相当しない一連のアミノ酸が存在し得る。
【0037】
「に関して付番した」または「に相当する」という用語は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の付番との関連において使用されるとき、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列を参照配列と比較するときの、特定の参照配列の残基の付番を指す。
【0038】
「保存的置換」とは、アミノ酸に関して使用するように、化学的に同様のアミノ酸によるアミノ酸の置換を指す。置換がなされているポリペプチドの構造特性および/または機能特性を保持することが多いアミノ酸置換は、当技術分野において公知であり、例えば、H.NeurathおよびR.L. Hill、1979年、「The Proteins」、Academic Press、New Yorkが記載している。最も一般に起こる交換は、イソロイシン/バリン、チロシン/フェニルアラニン、アスパラギン酸/グルタミン酸、リシン/アルギニン、メチオニン/ロイシン、アスパラギン酸/アスパラギン、グルタミン酸/グルタミン、ロイシン/イソロイシン、メチオニン/イソロイシン、トレオニン/セリン、トリプトファン/フェニルアラニン、チロシン/ヒスチジン、チロシン/トリプトファン、グルタミン/アルギニン、ヒスチジン/アスパラギン、ヒスチジン/グルタミン、リシン/アスパラギン、リシン/グルタミン、リシン/グルタミン酸、フェニルアラニン/ロイシン、フェニルアラニン/メチオニン、セリン/アラニン、セリン/アスパラギン、バリン/ロイシン、およびバリン/メチオニンである。下記の8つの群はそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する。1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リシン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、トレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton、Proteins(1984年)を参照されたい)。いくつかの実施形態において、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、または少なくとも40の保存的置換が存在し得る。いくつかの実施形態において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、または40の保存的置換が存在し得る。
【0039】
「アミノ酸置換セット」または「置換セット」という用語は、アミノ酸置換の群を指す。置換セットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ超のアミノ酸置換を有することができる。
【0040】
「単離された」という用語は、それが通常関連している構成要素(他のタンパク質、核酸、細胞など)から部分的または完全に分離した核酸、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、または他の構成要素を指す。いくつかの実施形態において、単離ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えポリペプチドまたはタンパク質である。
【0041】
核酸(例えば、ポリヌクレオチド)、ポリペプチド、または細胞は、人工もしくは遺伝子操作されており、または人工もしくは遺伝子操作されたタンパク質または核酸に由来しており、もしくはこれを含有するとき、「組換え」である(例えば、非天然または非野生型)。例えば、天然において見られるようなポリヌクレオチドに通常隣接するヌクレオチド配列と関連しないように、ベクターまたは任意の他の異種位置(例えば、組換え生物のゲノム)に挿入されるポリヌクレオチドは、組換えポリヌクレオチドである。組換えポリヌクレオチドからインビトロまたはインビボで発現するタンパク質は、組換えポリペプチドの一例である。同様に、天然では現れないポリヌクレオチド配列、例えば、天然の遺伝子のバリアントは、組換えである。
【0042】
「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」または本明細書において使用する文法的同等物は、少なくとも2つのヌクレオチドが一緒に共有結合していることを意味する。「核酸」という用語は、一本鎖、二本鎖、または複数鎖のDNA、RNAおよびその類似体(誘導体)を含む。オリゴヌクレオチドは典型的には、長さが約5、6、7、8、9、10、12、15、25、30、40、50またはそれ超のヌクレオチドから、長さが約100ヌクレオチドまでである。核酸およびポリヌクレオチドは、より長い長さ、例えば、200、300、500、1000、2000、3000、5000、7000、10,000などを含めた任意の長さのポリマーである。特定の実施形態において、本明細書における核酸は、ホスホジエステル結合を含有する。他の実施形態において、例えば、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、またはO−メチルホスホロアミジット連鎖(Eckstein、Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach、 Oxford University Pressを参照されたい);ならびにペプチド核酸骨格および連鎖を含む代わりの骨格を有し得る核酸類似体が含まれる。他の類似体核酸は、米国特許第5,235,033号および同第5,034,506号、ならびにASCシンポジウムシリーズ580、チャプター6および7、Carbohydrate Modifications in Antisense Research、SanghuiおよびCook(編)に記載されたものを含めた、陽性骨格;非イオン骨格、および非リボース骨格を有するものを含む。1つまたは複数の炭素環式糖を含有する核酸はまた、核酸の1つの定義内に含まれる。リボース−ホスフェート骨格の修飾は、種々の理由のために、例えば、生理的環境におけるこのような分子の安定性および半減期を増加させるために、またはバイオチップ上のプローブとして行い得る。天然の核酸および類似体の混合物を作製することができ、代わりに、異なる核酸類似体の混合物、ならびに天然の核酸および類似体の混合物を作製し得る。
【0043】
特定の核酸配列はまた、「スプライスバリアント」を包含する。同様に、核酸がコードする特定のタンパク質は、この核酸のスプライスバリアントがコードする任意のタンパク質を包含する。「スプライスバリアント」とは、名称が示唆するように、遺伝子の選択的スプライシングの産物である。転写の後、異なる(代わりの)核酸スプライス産物が異なるポリペプチドをコードするように、最初の核酸転写物をスプライスし得る。スプライスバリアントの産生のための機構は変化するが、エキソンの選択的スプライシングを含む。読み過し転写によって同じ核酸に由来する代わりのポリペプチドはまた、この定義に包含される。スプライス産物の組換え形態を含めたスプライシング反応の任意の産物は、この定義に含まれる。
【0044】
核酸は、別の核酸配列との機能的関係に置かれたときに「作動可能に連結」している。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与する前タンパク質として発現する場合は、ポリペプチドのためのDNAに作動可能に連結しており;プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を与える場合、コード配列に作動可能に連結しており;あるいはリボソーム結合部位は、翻訳を促進するために位置している場合、コード配列に作動可能に連結している。一般に、「作動可能に連結」しているとは、連結されているDNA配列が互いに近くにあり、分泌リーダーの場合は、隣接しており、読み取り相にあることを意味する。しかし、エンハンサーは、隣接している必要がない。連結は、都合のよい制限部位におけるライゲーションによって達成される。このような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが通常の実施に従って使用される。
【0045】
「同一性」または「同一性パーセント」は、2つ以上のポリペプチド配列との関連において、比較ウィンドウに亘って、または配列比較アルゴリズムを使用して、もしくは手作業アライメントおよび目視検査によって測定した指定した領域に亘って、最大の一致について比較および整列されるとき、同じであり、または参照配列に対して特定の領域に亘って同じである特定のパーセンテージのアミノ酸残基を有する(例えば、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約88%の同一性、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の同一性を共有する)2つ以上の配列またはサブ配列を指す。
【0046】
配列同一性の比較および決定のための配列の最適なアライメントは、配列比較アルゴリズムによって、または目視検査によって決定することができる(一般に、Ausubelら、下記を参照されたい)。目視検査によって配列を最適に整列させ、配列同一性を決定するとき、配列同一性パーセントは、参照配列と同一の試験配列の残基の数を非ギャップ位置の数で割り、100を乗じたものとして計算する。配列比較アルゴリズムを使用するとき、試験および参照配列をコンピュータに入力し、サブ配列座標および配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。次いで、配列比較アルゴリズムによって、参照配列に対する試験配列についての配列同一性パーセントを、当技術分野において公知のようなプログラムパラメーター、例えば、BLASTまたはBLAST2.0に基づいて計算する。例えば、Smithおよび Watermanの局所相同性アルゴリズム(1981年、Adv. Appl. Math.2:482)によって、NeedlemanおよびWunsch、1970年、J. Mol. Biol.48:443の相同性アライメントアルゴリズムによって、PearsonおよびLipman、1988年、Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 85:2444の類似法のための探索によって、またはこれらのアルゴリズムのコンピュータ化されたインプリメンテーション(Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージ、Genetics Computer Group、575Science Dr.、Madison、Wis.のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって、比較を行うことができる。このように、アライメントは、欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有する配列、ならびに天然、例えば、多形または対立遺伝子バリアント、および人造のバリアントについて行うことができる。
【0047】
「実質的な配列同一性」または「実質的な同一性」というフレーズは、2つのポリペプチド配列との関連において、参照配列に対して少なくとも70%の同一性を有する配列を指す。同一性パーセントは、70%〜100%の任意の整数でよい。100%の配列同一性を有する2つのポリペプチド配列は、「同一」と言われる。ポリペプチド配列は、本明細書に記載の方法、例えば、上記のような標準的パラメーターを使用したBLASTを使用して決定して、配列が、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%またはそれ超の配列同一性を有するとき、参照配列に対して「実質的な配列同一性」を有すると言われる。
【0048】
「発現」という用語は、これらに限定されないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、および分泌を含めた、ポリペプチドの産生に関与する任意のステップを含む。
【0049】
2つの配列が天然で関連していない場合、アミノ酸またはペプチドは、それが作動可能に連結している別の配列と「非相同」である。
【0050】
「用量」および「投与量」という用語は、本明細書において互換的に使用される。用量は、各投与において個体に与える活性成分の量を指す。本明細書において提供する本方法および組成物について、用量とは一般に、疾患(例えば、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)感染)治療の量を指してもよい。用量は、所与の治療のための通常の用量の範囲、投与の頻度;個体のサイズおよび耐性;状態の重症度;副作用のリスク;ならびに投与経路を含めたいくつかの要因によって変化する。当業者は、上記の要因によって、または治療的進展に基づいて用量を修正することができることを認識する。「剤形」という用語は、医薬品または医薬組成物の特定のフォーマットを指し、投与経路によって決まる。例えば、剤形は、噴霧のための液体形態(例えば、吸入剤のため)、例えば、経口送達のための錠剤もしくは液体、または例えば、注射のための食塩水中でよい。
【0051】
「ヘルペスウイルス」または「ヘルペス−ウイルス」または「HV」という用語は、ヒトヘルペスウイルスを指し、状況によって、ヒトヘルペスウイルス−1(HHV−1、単純ヘルペスウイルス−1、HSV1、HSV−1)、HHV−2(単純ヘルペスウイルス−2、HSV2、HSV−2)、HHV−3(水痘帯状疱疹ウイルス、VZV)、HHV−4(エプスタイン−バーウイルス、EBV)、HHV−5(サイトメガロウイルス、CMV、HCMV)、HHV−6、HHV−7、HHV−8(カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、KSHV)を含めたヒトヘルペスウイルスの1つ、それ超、または全てを指すために使用し得る。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−1である。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−2である。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−3である。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−4である。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−5である。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−6である。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−7である。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルスは、HHV−8である。いくつかの実施形態において、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8という用語のそれぞれは、それぞれのHHVの全ての株を指してもよい。いくつかの実施形態において、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8という用語のそれぞれは、そのHHVの単一の株を指してもよい。いくつかの実施形態において、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、およびHHV−8という用語のそれぞれは、その特定のHHVの変異体を含み得る。いくつかの実施形態において、HVは、HSV(HHV−1および/またはHHV−2)である。
【0052】
「単純ヘルペスウイルス」および「HSV」という用語は、それらの一般の意味で使用され、二本鎖DNAウイルスである単純ヘルペスウイルス1(HSV1、HSV−1、HHV−1)および単純ヘルペスウイルス2(HSV2、HSV−2、HHV−2)を指す。いくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2の全ての株を含む。いくつかの実施形態において、HSVは、HSV1またはHSV2の単一の株を指してもよい。いくつかの実施形態において、HSVは、HSV1および/またはHSV2の複数の株を含む。いくつかの実施形態において、HSVは、HSV1および/またはHSV2の変異体を含む。「HSV1」および「HSV2」という用語は、それらの明白な通常の意味で使用される。いくつかの実施形態において、HSV1は、HSV1の全ての株を含む。いくつかの実施形態において、HSV1は、HSV1の変異体を含む。いくつかの実施形態において、HSV2は、HSV2の全ての株を含む。いくつかの実施形態において、HSV2は、HSV2の変異体を含む。
【0053】
「不活性化する」、「不活性化すること」という用語、およびその他の動詞の形態は、ウイルス、またはウイルスを修飾する工程を記載するとき、ヒトにおいて存続可能な感染を確立し、複製し、第2のヒトを感染させることができるウイルス粒子を生じさせることができないウイルス、ならびにこのようなウイルスを生じさせる工程を指す。いくつかの実施形態において、不活性化ウイルスは、ウイルスが複製することを防止する変異を含む。いくつかの実施形態において、不活性化ウイルスは、ウイルスが対象(例えば、ヒト)に感染することを防止する変異を含む。いくつかの実施形態において、不活性化ウイルスは、ウイルスが細胞(例えば、ヒト細胞)に感染することを防止する変異を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、ウイルスがヒトにおいて存続可能な感染を確立して第2のヒトを感染することができるウイルス粒子を生じさせることができないようにする作用剤とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、架橋剤とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、酸化剤とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、還元剤とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、熱とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、放射線とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、界面活性剤とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、pH変更剤とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、化学剤とを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、フロクマリンとを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、アジリジンとを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、エチレンイミンとを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、バイナリーエチレンイミンとを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ウイルスを不活性化することは、ウイルスと、β−プロピオラクトンとを接触させることを含む。
【0054】
「リポ多糖に由来するアジュバント」および「LPSに由来するアジュバント」という用語は、ワクチン製剤の部分として一般に用いられるリポ多糖、またはリポ多糖に由来する分子を指す。LPSに由来するアジュバントは、リポ多糖分子の非存在に対して、ワクチンまたはワクチン接種の方法の構成要素として対象に投与されたときに対象の免疫応答を増加させるように設計し得る。いくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、LPSのポーションを含む。いくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、LPSを含む。いくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、LPSの修飾したポーションを含む。いくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、LPSのポーションである構成要素、およびLPSのポーションでない別の構成要素を含む。いくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、LPSのポーションに相当するが、化学的に合成された構成要素を含む。「リポ多糖」および「LPS」という用語は、生物学、生化学、および免疫学におけるそれらの明白な意味によって使用され、一緒に共有結合されている1種または複数の脂質および1種または複数の多糖を含む分子を指す。いくつかの実施形態において、LPSは、グラム−陰性菌の外膜の構成要素である。いくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、モノホスホリルリピドA(MPL)アジュバントである。
【0055】
「アジュバント」という用語は、免疫学におけるその明白な通常の意味によって使用され、ワクチンの構成要素として一般に使用される物質を指す。アジュバントは、ワクチンの部分として1種または複数の特異的抗原と共に対象に投与されたときに、対象において抗原特異的免疫応答を増加し得る。いくつかの実施形態において、アジュバントは、抗原への免疫応答を促進する。いくつかの実施形態において、アジュバントは、抗原への免疫応答を延長する。いくつかの実施形態において、アジュバントは、抗原への免疫応答を増強する。いくつかの実施形態において、アジュバントは、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバント、スクアレン、リポ多糖に由来するアジュバント、細菌細胞壁構成要素、分子ケージ、核酸、油、ビロソーム、QS21、およびMF59からなる群から選択される。
【0056】
「アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバント」という用語は、アルミニウムを含むアジュバントを指す。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムを含む。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバントである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、Alumである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、CAS番号21645−51−2である。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、CAS番号7784−30−7である。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、Imject Alumアジュバント(商標)ではない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化マグネシウムを有さない水酸化アルミニウムである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、Alhydrogel(商標)である。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、Adju−phos(商標)である。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、Adjuphos(商標)である。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、アモルファス水酸化アルミニウムであり、結晶性水酸化アルミニウムではない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、アモルファスアルミニウムを含み、結晶性アルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、結晶性水酸化アルミニウムであり、アモルファス水酸化アルミニウムでない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、結晶性アルミニウムを含み、アモルファスアルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、結晶性水酸化酸化アルミニウム(aluminum oxyhydroxide)を含む。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、結晶性水酸化酸化アルミニウムである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、アモルファスヒドロキシリン酸アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、アモルファスヒドロキシリン酸アルミニウムである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化酸化アルミニウムを含み、ヒドロキシ炭酸アルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化酸化アルミニウムであり、ヒドロキシ炭酸アルミニウムでない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化酸化アルミニウムを含み、水酸化マグネシウムを含まない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化酸化アルミニウムであり、水酸化マグネシウムでない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、いくつかのヒドロキシルが硫酸アニオンで置き換えられているアモルファス水酸化アルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、ベーマイト様パターンの水酸化酸化アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、ベーマイト様パターンの水酸化酸化アルミニウムである。上記のアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントのいくつかの実施形態において、記載は、ワクチンへ含まれる前のアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントについてである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、ヒトへの投与のためにFDAによって承認されているアルミニウム含有アジュバントである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、ヒトへの投与のためにFDAによって承認されている水酸化アルミニウムアジュバントである。いくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、ヒトへの投与についてFDAによって承認されているリン酸アルミニウムアジュバントである。
【0057】
「水酸化アルミニウムアジュバント」という用語は、本明細書において使用する場合、水酸化アルミニウムを含む水酸化アルミニウムアジュバントを指し、認可を受けたヒトワクチンにおいて現在使用されている。いくつかの実施形態において、「水酸化アルミニウムアジュバント」とは、本明細書において使用する場合、認可を受けたヒトワクチンにおいて現在使用されている水酸化アルミニウムアジュバントを指し、Hem S.L.、Vaccine 23(2007年)4985〜4986頁におけるこの用語の使用に従って使用される。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、CAS番号21645−51−2を含む。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、水酸化アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、水酸化アルミニウムを含み、水酸化マグネシウムを含まない。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、Alhydrogel(商標)である。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、結晶性アルミニウムを含み、アモルファスアルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、結晶性水酸化酸化アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムは、結晶性水酸化酸化アルミニウムである。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、水酸化酸化アルミニウムを含み、ヒドロキシ炭酸アルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、水酸化酸化アルミニウムであり、ヒドロキシ炭酸アルミニウムでない。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、いくつかのヒドロキシルが硫酸アニオンで置き換えられているアモルファス水酸化アルミニウムを含まない。いくつかの実施形態において、水酸化アルミニウムアジュバントは、ベーマイト様パターンの水酸化酸化アルミニウムを含む。上記の水酸化アルミニウムアジュバントのいくつかの実施形態において、記載は、ワクチンへ含まれる前の水酸化アルミニウムアジュバントについてである。
【0058】
「リン酸アルミニウムアジュバント」という用語は、本明細書において使用する場合、リン酸アルミニウムを含むリン酸アルミニウムアジュバントを指し、認可を受けたヒトワクチンにおいて現在使用されている。いくつかの実施形態において、「リン酸アルミニウムアジュバント」とは、本明細書において使用する場合、認可を受けたヒトワクチンにおいて現在使用されているリン酸アルミニウムアジュバントを指し、Hem S.L.、Vaccine 23(2007年) 4985〜4986頁におけるこの用語の使用に従って使用される。いくつかの実施形態において、リン酸アルミニウムアジュバントは、CAS番号7784−30−7を含む。いくつかの実施形態において、リン酸アルミニウムアジュバントは、リン酸アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、リン酸アルミニウムアジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルである。いくつかの実施形態において、リン酸アルミニウムアジュバントは、Adjuphos(商標)である。いくつかの実施形態において、リン酸アルミニウムアジュバントは、Adjuphos(商標)である。いくつかの実施形態において、リン酸アルミニウムアジュバントは、アモルファスヒドロキシリン酸アルミニウムを含む。上記のリン酸アルミニウムアジュバントのいくつかの実施形態において、記載は、ワクチンへ含まれる前のリン酸アルミニウムアジュバントについてである。
【0059】
「リピドAアジュバント」という用語は、リポ多糖分子の残部から単離されたリポ多糖のリピドAポーションを含むアジュバントを指す。リピドAアジュバントは、LPSに由来するアジュバントの一例である。いくつかの実施形態において、リピドAは、脂肪酸分子に共有結合している2つのグルコサミン分子を含み、各グルコサミン分子に共有結合している1つのホスフェート分子を含む。いくつかの実施形態において、リピドAは、6個の脂肪酸分子を含む。いくつかの実施形態において、リピドAは、それぞれが10〜16個の炭素原子を含む6個の脂肪酸分子を含む。
【0060】
「TLR4」および「トール様受容体4」という用語は、UniProt O00206、Entrez7099、RefSeq NM_003266.3、および/またはNP_003257.1と関連するヒト遺伝子、mRNA、および/またはタンパク質を指す。
【0061】
「結合する」、「結合した」、「結合すること」という用語、および他のその動詞の形態は、酵素学および生化学におけるそれらの明白な通常の意味によって使用され、任意選択で相互作用し得る2つの組成物の間の1つまたは複数の相互作用または接触の形成を指す。結合は、分子間または分子内でよい。
【0062】
「硫酸アルミニウムカリウムアジュバント」という用語は、硫酸アルミニウムカリウムを含むアジュバントを指す。
【0063】
「ワクチン」という用語は、医学および免疫学におけるその明白な通常の意味によって使用され、抗原構成要素への免疫応答を誘発する、対象(例えば、ヒト)への投与のための抗原構成要素を含む組成物を指す。いくつかの実施形態において、ワクチンは、治療的である。いくつかの実施形態において、ワクチンは、予防的である。いくつかの実施形態において、ワクチンは、1種または複数のアジュバントを含む。
【0064】
「複製を減少させるDNA変異」という用語は、ウイルスに適用されるように、複製を減少させるDNA変異を含まない同一のウイルスに対して、ウイルスの複製の減少をもたらすウイルスゲノムの変異を指す。いくつかの実施形態において、複製を減少させるDNA変異は、ウイルス複製を防止する。
【0065】
「化学的不活性化」という用語は、ウイルス(例えば、HV、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)の不活性化に適用されるように、ウイルスと、化学剤とを接触させることを含む、ウイルスを不活性化する方法(本明細書に定義されているような)を指し、接触させることは、ウイルスの不活性化をもたらす。
【0066】
「架橋剤」という用語は、化学および生化学におけるその明白な意味によって使用され、2種以上の化学種(例えば、タンパク質、核酸、糖、細胞、化合物、任意のこれらの組合せ)の間で共有結合(例えば、不可逆的、可逆的)が形成されることをもたらし、かつ2種以上の組成物を接続することができる作用剤(例えば、化学物質、生物学的作用物質)を指す。いくつかの実施形態において、2種以上の組成物は、共有結合によって直接接続している。いくつかの実施形態において、2種以上の組成物は、1つもしくは複数の架橋剤分子、または1つもしくは複数の架橋剤分子のポーションへの共有結合によって接続している。いくつかの実施形態において、組成物は、架橋剤または架橋剤のポーションではない中間体分子または原子に、共有結合によって接続している。
【0067】
「酸化剤」という用語は、化学におけるその明白な通常の意味によって使用され、酸化還元反応において第2の物質から電子を除去する物質を指す。
【0068】
「還元剤」という用語は、化学におけるその明白な通常の意味によって使用され、酸化還元反応において第2の物質に電子を供与する物質を指す。
【0069】
「放射線」という用語は、物理学におけるその明白な通常の意味によって使用され、電離および非電離放射線の両方を含む。放射線のいくつかの例には、これらに限定されないが、UV、赤外、α、β、γ、X線、可視、マイクロ波が含まれる。
【0070】
「アルデヒド架橋剤」という用語は、化学におけるその明白な通常の意味によって使用され、本明細書に定義されているような架橋剤を指し、共有結合の形成に関与している架橋剤部分の1つまたは複数は、アルデヒドである。いくつかの実施形態において、反応性部分の全て(例えば、2つ)は、アルデヒドである。いくつかの実施形態において、1つの反応性部分はアルデヒドであり、1つまたは複数の反応性部分はアルデヒドでない。
【0071】
「ホルマリン」という用語は、化学におけるその明白な通常の意味によって使用され、ホルムアルデヒド(例えば、37%、質量による)を含む水溶液を指す。ホルマリンの構成要素は典型的には、ウイルスを不活性化する十分の量で存在するように設計される。いくつかの実施形態において、ホルマリンは、メタノールを含み得る。いくつかの実施形態において、ホルマリンは、メタノールを含まない。
【0072】
「ウイルス排出」という用語は、医学およびウイルス学におけるその明白な通常の意味によって使用され、感染細胞からのウイルスの産生および放出を指す。いくつかの実施形態において、ウイルスは、対象の細胞から放出される。いくつかの実施形態において、ウイルスは、感染した対象から環境中に放出される。いくつかの実施形態において、ウイルスは、対象内の細胞から放出される。
【0073】
「病変」という用語は、医学におけるその明白な通常の意味によって使用され、対象の組織に対する異常または損傷を指す。
【0074】
「硫酸化多糖」という用語は、生化学および糖生物学におけるその明白な通常の意味によって使用され、2つ以上の共有結合した単糖類(窒素含有単糖類を含めた)を指し、単糖類の1つまたは複数は、硫酸化されている。いくつかの実施形態において、硫酸化多糖は、合成的に作製もしくは修飾された硫酸化多糖、または合成的に硫酸化された多糖でよい。例には、これらに限定されないが、ヘパリン、ヘパラン硫酸、およびデキストラン硫酸が含まれる。
【0075】
「スルホン化多糖」という用語は、生化学および糖生物学におけるその明白な通常の意味によって使用され、2つ以上の共有結合した単糖類(窒素含有単糖類を含めた)を指し、単糖類の1つまたは複数は、スルホン化されている。いくつかの実施形態において、スルホン化多糖は、合成的に作製もしくは修飾されたスルホン化多糖、または合成的にスルホン化された多糖でよい。
【0076】
「ウイルス粒子」という用語は、ウイルス学におけるその明白な通常の意味によって使用され、ウイルスゲノム(例えば、DNA、RNA、一本鎖、二本鎖)、ウイルスキャプシドおよび関連タンパク質を含むビリオンを指し、エンベロープウイルス(例えば、HV、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)の場合、エンベロープは、脂質および任意選択で宿主細胞膜の構成要素、および/またはウイルスタンパク質を含む。
【0077】
「プラーク形成単位」という用語は、ウイルス学におけるその明白な通常の意味によって使用され、試料の単位体積毎のプラークの数に基づいた測定単位を指す。いくつかの実施形態において、単位は、感受性細胞の単層を感染させるときに、形成することができるプラークの数に基づく。プラーク形成単位同等物は、不活性化ウイルスの測定単位である。いくつかの実施形態において、プラーク形成単位同等物は、不活性化の前の試料についてのプラーク形成単位に由来する。
【0078】
「プライム−ブースト」または「プライムブースト」という用語は、ワクチン投与の方法論に適用されるように、ウイルス学および免疫学におけるその明白な通常の意味によって使用され、ワクチンまたはワクチン構成要素の第1の用量を対象または患者に投与し、投与を開始し(プライム)、後の時間(例えば、数時間、数日、数週間、数カ月後)に、第2のワクチンを同じ患者または対象に投与する(ブースト)、ワクチン投与の方法を指す。第1および第2のワクチンは、同一でも異なってもよいが、同じ疾患または状態(例えば、HV、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8による感染)の治療または予防において有用な免疫応答を両方とも誘発することを意図する。いくつかの実施形態において、プライムは、1種もしくは複数のウイルス遺伝子またはそのポーションを含むDNAワクチンであり、ブーストは、1種もしくは複数のウイルス遺伝子またはそのポーション、1種もしくは複数のウイルスタンパク質またはそのポーション、あるいは1種もしくは複数の不活性化または弱毒性ウイルスを含むDNAワクチンである。いくつかの実施形態において、プライムは、1種もしくは複数の弱毒性または不活性化ウイルスであり、ブーストは、1種もしくは複数のウイルス遺伝子またはそのポーション、1種もしくは複数のウイルスタンパク質またはそのポーション、あるいは1種もしくは複数の不活性化または弱毒性ウイルスを含むDNAワクチンである。いくつかの実施形態において、プライムは、1種もしくは複数のウイルスタンパク質またはそのポーションであり、ブーストは、1種もしくは複数のウイルス遺伝子またはそのポーション、1種もしくは複数のウイルスタンパク質またはそのポーション、あるいは1種もしくは複数の不活性化または弱毒性ウイルスを含むDNAワクチンである。いくつかの実施形態において、プライムは、不活性化ウイルス(例えば、HV、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)を含むワクチンであり、ブーストは、プライムと同じワクチンの第2の用量である。
【0079】
「関連する」または「と関連する」という用語は、疾患(例えば、ウイルスが関連する疾患、HVが関連する疾患、HSVが関連する疾患、HHV−1が関連する疾患、HHV−2が関連する疾患、HHV−3が関連する疾患、HHV−4が関連する疾患、HHV−5が関連する疾患、HHV−6が関連する疾患、HHV−7が関連する疾患、またはHHV−8が関連する疾患)を記載するために本明細書において使用する場合、疾患が、または疾患の症状が、関連する疾患として記載されているもの、または疾患と関連すると記載されているものによって引き起こされることを意味する。例えば、HSV2またはHSV2感染と関連する疾患は、HSV2またはHSV2感染から(完全にまたは部分的に)もたらされる疾患であり得る。本明細書において使用する場合、疾患と関連しているとして記載されているものは、原因物質である場合、疾患の治療についての標的であり得る。例えば、HSV2またはHSV2感染と関連する疾患は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSV2ワクチンで治療し得る。例えば、HSV2と関連する疾患は、HSV2またはHSV2感染を有さない対象と比較して、HSV2またはHSV2感染を有する対象が発症するより高い危険性がある疾患でよい。
【0080】
「単離された核酸配列製剤」という用語は、タンパク質(例えば、ウイルスタンパク質)の非存在下で核酸を有する製剤を指す。極微量のタンパク質が単離された核酸配列製剤中に存在し得ることを当業者は理解する。いくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、WO2007106404に記載されている核酸である(例えば、pDNA)。いくつかの実施形態において、上記の記載は、ワクチンへの組込み前の単離された核酸配列の形成に適用する。
【0081】
「核酸ワクチン」という用語は、抗原構成要素が単離された核酸配列製剤であるワクチンを指す。「DNAワクチン」という用語は、抗原構成要素がDNA配列(「DNA抗原構成要素」)であるワクチンを指す。単離された核酸配列製剤の抗原構成要素(例えば、DNA抗原構成要素)が発現するとき、抗原タンパク質が産生されるように、単離された核酸配列製剤の抗原構成要素(例えば、DNA抗原構成要素)は、抗原タンパク質をコードする単離された核酸配列製剤(例えば、「DNA配列」)でよい。DNA抗原構成要素は、相当するタンパク質に翻訳することができるDNA配列(コード配列)を任意選択で含む、DNAプラスミド(例えば、pVAX)でよく、コード配列は、対象(例えば、ヒト)に投与されたときに、タンパク質に特異的な免疫応答をもたらすことができるタンパク質に翻訳される。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、ワクチンDNAプラスミドを含み、DNAプラスミドは、WO2007106404に記載されているコード配列を含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、コード配列にライゲーションされていないpVAXプラスミドである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、コード配列にライゲーションされているpVAXプラスミドである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、HSV2ゲノムからのコード配列にライゲーションされているpVAXプラスミドである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、HCMVゲノムからのコード配列にライゲーションされているpVAXプラスミドである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、HSV1ゲノムからのコード配列にライゲーションされているpVAXプラスミドである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、ヒトにおいて抗原を発現することができるプラスミドであり、抗原は、HSV2タンパク質のポーションである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、ヒトにおいて抗原を発現することができるプラスミドであり、抗原は、HSV1タンパク質のポーションである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、ヒトにおいて抗原を発現することができるプラスミドであり、抗原は、HSVタンパク質のポーションである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、ヒトにおいて抗原を発現することができるプラスミドであり、抗原は、HV(例えば、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)タンパク質のポーションである。
【0082】
「ワクチン接種する」という用語、またはさらなるその動詞の形態は、対象(例えば、ヒト)へのワクチンの投与、および抗原特異的免疫応答を誘発することを指し、抗原は、ワクチンに含まれている。「ワクチン接種する」という用語はまた、投与された抗原に対して抗原特異的免疫応答を誘発することを指し得る。いくつかの実施形態において、ワクチン接種することは、疾患または感染病原体(例えば、HV、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)に対する予防を実現する。
【0083】
「ポーション」という用語は、全体の一部を指し、これはまた全体でよい。いくつかの実施形態において、ポーションは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%である。いくつかの実施形態において、ポーションは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%である。他に示さない限り、「約」という用語は、数値との関連において、公称値±公称値の10%を示す。いくつかの実施形態において、「約」は、公称値でよい。
【0084】
II.組成物
第1の態様において提供するのは、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)、リポ多糖(LPS)に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントを含む、ヘルペスウイルス(HV)(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8))ワクチンである。
【0085】
HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、MPLであり、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウムアジュバントであり、ワクチンは、単離された核酸配列製剤を含まない。ワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、単純ヘルペスウイルス(HSV)である。ワクチンのいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1である。ワクチンのいくつかの実施形態において、HSVは、HSV2である。ワクチンのいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2である。ワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−1である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−2である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−3である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−4である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−5である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−6である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−7である。HVワクチンのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−8である。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタLPSに由来する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、R595LPSに由来する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、リピドAアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、モノホスホリルリピドAである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、TLR4タンパク質に結合することができる。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、合成MPL類似体アジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムまたはヒドロキシ炭酸アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含まない。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルを含む。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルを含む。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)は、複製を減少させるDNA変異を含む。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)は、化学的不活性化によって形成される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)と、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させることによって形成される。いくつかの実施形態において、化学剤は、アジリジンである。いくつかの実施形態において、化学剤は、エチレンイミンである。いくつかの実施形態において、化学剤は、バイナリーエチレンイミンである。いくつかの実施形態において、化学剤は、β−プロピオラクトンである。いくつかの実施形態において、放射線は、紫外線である。いくつかの実施形態において、放射線は、電子ビーム線である。いくつかの実施形態において、放射線は、赤外線である。いくつかの実施形態において、放射線は、γ線である。いくつかの実施形態において、架橋剤は、アルデヒド架橋剤である。いくつかの実施形態において、架橋剤は、ホルムアルデヒドである。いくつかの実施形態において、架橋剤は、ホルマリンである。いくつかの実施形態において、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、酸化剤は、過酸化水素である。いくつかの実施形態において、還元剤は、aldrithiol−2である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、Triton−X−100である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、NP−40である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、Tween−20である。いくつかの実施形態において、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)と、紫外線およびフロクマリンを含む1種または複数の作用剤とを接触させることによって形成される。いくつかの実施形態において、フロクマリンは、ソラレンである。いくつかの実施形態において、フロクマリンは、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである。いくつかの実施形態において、フロクマリンは、アンゲリシンである。いくつかの実施形態において、フロクマリンは、キサントトキシンである。いくつかの実施形態において、フロクマリンは、ベルガプテンである。いくつかの実施形態において、フロクマリンは、ノダケネチンである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)の不活性化単一株である。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)の2種以上の不活性化株の組合せである。いくつかの実施形態において、不活性化HVは、HSV1の不活性化単一株である。いくつかの実施形態において、不活性化HVは、HSV2の不活性化単一株である。いくつかの実施形態において、不活性化HVは、HSV1の2種以上の不活性化株の組合せである。いくつかの実施形態において、不活性化HVは、HSV2の2種以上の不活性化株の組合せである。いくつかの実施形態において、不活性化HVは、HSV1の1種または複数の不活性化株およびHSV2の1種または複数の不活性化株の組合せである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、筋内投与のために製剤される。HV(例えば、HS

V、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、皮内投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、粘膜投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、鼻腔投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、直腸投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、腟内投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、局所投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、皮下投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、経皮膚的投与のために製剤される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、DNAワクチンは、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)感染に対するワクチンのレシピエントを、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、またはそれを超える年までワクチン接種する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)の1種または複数の株に対するワクチンを投与された患者を防御する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)の1種または複数の株のためのワクチンを投与された患者を治療する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、ワクチンを投与された患者が、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)の1種または複数の株に感染し、罹患し、得ること、または有することを予防する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、ワクチンを投与された患者が、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)の複数の株に感染し、罹患し、得ること、または有することを予防する。いくつかの実施形態において、ヘルペスウイルス(HV)(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8))ワクチンは、不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)、リポ多糖(LPS)に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントを含み、LPSに由来するアジュバントは、MPLであり、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウムアジュバントであり、ワクチンは、単離された核酸配列製剤を含まない。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいくつかの実施形態において、DNAワクチンは、抗原性の単離された核酸配列製剤である。
【0086】
別の態様において提供するのは、不活性化HSV、リポ多糖(LPS)に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントを含む単純ヘルペスウイルス(HSV)ワクチンである。
【0087】
HSVワクチンのいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、HSVは、HSV2である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタLPSに由来する。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、R595LPSに由来する。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、リピドAアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を含まないリピドAアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、1−ホスフェート部分を含まないリピドAアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、モノホスホリルリピドA(MPL)である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、TLR4タンパク質に結合することができる。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、合成MPL類似体アジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、複製を減少させるDNA変異を含む。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、ウイルス複製を防止する、複製を減少させるDNA変異を含む。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、化学的不活性化によって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、アジリジンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、エチレンイミンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、バイナリーエチレンイミンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、β−プロピオラクトンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、電子ビーム線とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、赤外線とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、γ線とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、アルデヒド架橋剤とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、ホルムアルデヒドとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、ホルマリンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、過ヨウ素酸ナトリウムとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、過酸化水素とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、aldrithiol−2とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、Triton−X−100とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、NP−40とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、Tween−20とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線およびフロクマリンを含めた2種以上の作用剤とを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線およびソラレンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線および4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線およびアンゲリシンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線およびキサントトキシンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線およびベルガプテンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSVと、紫外線およびノダケネチンとを接触させることによって形成される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSV1の不活性化単一株である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSV2の不活性化単一株である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSV1の2種以上の不活性化株の組合せである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSV2の2種以上の不活性化株の組合せである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、不活性化HSVは、HSV1の1種または複数の不活性化株、およびHSV2の1種または複数の不活性化株の組合せである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、筋内投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、皮内投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、粘膜投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、鼻腔内投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、直腸内投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、腟内投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、局所投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、皮下投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、非経口投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、経口投与のために製剤される。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、経皮膚的投与のために製剤される。
【0088】
いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、アジリジンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、エチレンイミンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、バイナリーエチレンイミンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、β−プロピオラクトンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、紫外線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、電子ビーム線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、赤外線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、γ線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、アルデヒド架橋剤である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、ホルムアルデヒドである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、ホルマリンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための酸化剤は、過酸化水素である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための還元剤は、aldrithiol−2である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための界面活性剤は、Triton−X−100である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための界面活性剤は、NP−40である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための界面活性剤は、Tween−20である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、ソラレンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、アンゲリシンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、キサントトキシンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、ベルガプテンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、ノダケネチンである。
【0089】
HSVワクチンのいくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、MPLであり、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウムアジュバントであり、ワクチンは、単離された核酸配列製剤を含まない。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、DNAワクチンは、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HSVワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、HSV感染に対するワクチンのレシピエントを、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、またはそれを超える年までワクチン接種する。HSV1ワクチンのいくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、MPLであり、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウムアジュバントであり、ワクチンは、単離された核酸配列製剤を含まない。HSV1ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HSV1ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。HSV1ワクチンのいくつかの実施形態において、DNAワクチンは、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HSV1ワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、HSV1感染に対するワクチンのレシピエントを、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、またはそれを超える年までワクチン接種する。HSV2ワクチンのいくつかの実施形態において、LPSに由来するアジュバントは、MPLであり、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウムアジュバントであり、ワクチンは、単離された核酸配列製剤を含まない。HSV2ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HSV2ワクチンのいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。HSV2ワクチンのいくつかの実施形態において、DNAワクチンは、抗原性の単離された核酸配列製剤である。HSV2ワクチンのいくつかの実施形態において、ワクチンは、HSV2感染に対するワクチンのレシピエントを、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、またはそれを超える年までワクチン接種する。
【0090】
III.医薬組成物および方法
第2の態様において提供するのは、ヘルペスウイルス(HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8))ワクチンを調製する方法であり、方法は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)−細胞混合物と、硫酸化またはスルホン化多糖とを接触させるステップであって、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)−細胞混合物が、HV粒子、細胞および細胞のポーションを含むステップと;HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)粒子を細胞から分離し、それによって単離したHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)粒子を形成するステップと;単離したHV粒子を不活性化し、それによって不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)粒子を形成するステップと;不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)粒子と、リポ多糖に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントとを合わせ、それによってHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを形成するステップとを含む。
【0091】
HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HSVである。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV2である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−1である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−2である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−3である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−4である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−5である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−6である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−7である。HVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−8である。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、硫酸化またはスルホン化多糖は、デキストラン硫酸、ヘパリン、およびヘパラン硫酸から選択される。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)粒子を、107から1010(pfu/マイクログラムタンパク質)の濃度で単離する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンは、107から1010(pfu当量/マイクログラムタンパク質)の不活性化HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)を含む。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、分離するステップは、遠心分離、ポリエチレングリコール沈殿、濾過、ゲル濾過、限外濾過、タンジェンシャルフロー限外濾過、またはアフィニティークロマトグラフィーを含む。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタLPSに由来する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、R595LPSに由来する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、リピドAアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、1−ホスフェート部分(MPL)を有さないリピドAアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、モノホスホリルリピドA(MPL)アジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、合成MPL類似体アジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、TLR4タンパク質に結合することができる。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムまたはヒドロキシ炭酸アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含まない。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルを含む。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルを含む。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)と、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む。方法のいくつかの実施形態において、化学剤は、アジリジンである。方法のいくつかの実施形態において、化学剤は、エチレンイミンである。方法のいくつかの実施形態において、化学剤は、バイナリーエチレンイミンである。方法のいくつかの実施形態において、化学剤は、β−プロピオラクトンである。方法のいくつかの実施形態において、放射線は、紫外線である。方法のいくつかの実施形態において、放射線は、電子ビーム線である。方法のいくつかの実施形態において、放射線は、赤外線である。方法のいくつかの実施形態において、放射線は、γ線である。方法のいくつかの実施形態において、架橋剤は、アルデヒド架橋剤である。方法のいくつかの実施形態において、架橋剤は、ホルムアルデヒドである。方法のいくつかの実施形態において、架橋剤は、ホルマリンである。方法のいくつかの実施形態において、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。方法のいくつかの実施形態において、酸化剤は、過酸化水素である。方法のいくつかの実施形態において、還元剤は、aldrithiol−2である。方法のいくつかの実施形態において、界面活性剤は、Triton−X−100である。方法のいくつかの実施形態において、界面活性剤は、NP−40である。方法のいくつかの実施形態において、界面活性剤は、Tween−20である。方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)と、紫外線およびフロクマリンを含めた1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む。方法のいくつかの実施形態において、フロクマリンは、ソラレンである。方法のいくつかの実施形態において、フロクマリンは、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである。方法のいくつかの実施形態において、フロクマリンは、アンゲリシンである。方法のいくつかの実施形態において、フロクマリンは、キサントトキシンである。方法のいくつかの実施形態において、フロクマリンは、ベルガプテンである。方法のいくつかの実施形態において、フロクマリンは、ノダケネチンである。
【0092】
第3の態様において提供するのは、治療または予防を必要としている患者においてHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)感染を治療または予防する方法であり、方法は、治療有効量または予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載されているHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいずれか1つを投与することを含む。
【0093】
方法のいくつかの実施形態において、HVは、HSVである。方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1である。方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV2である。方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−1である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−2である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−3である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−4である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−5である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−6である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−7である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−8である。方法のいくつかの実施形態において、HV感染は、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛から選択される疾患を引き起こす。方法のいくつかの実施形態において、方法は、治療する方法である。方法のいくつかの実施形態において、方法は、予防する方法である。方法のいくつかの実施形態において、方法は、ウイルス排出の低減を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の頻度の低減を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の期間の低減を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、筋内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、皮内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、粘膜投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、鼻腔内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、直腸内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、腟内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、局所投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、経皮膚的投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、皮下投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、患者に投与されない。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNA配列である。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、核酸ワクチンである。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。方法のいくつかの実施形態において、方法は、プライムHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)DNAワクチンの投与を含まない。方法のいくつかの実施形態において、方法は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)DNAワクチンの投与を含まない。方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV UL30、UL5、gD2、gD2t、またはそのポーションから選択される遺伝子を含むDNAワクチンの投与を含まない。方法のいくつかの実施形態において、方法の投与は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンの単回投与からなる。方法のいくつかの実施形態において、方法の投与は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのプライム−ブースト投与からなる。方法のいくつかの実施形態において、方法の投与は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのプライム−ブースト−ブースト投与からなる。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を治療することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を予防することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を治療することである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を予防することである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、治療有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHVワクチンを投与することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHVワクチンを投与することを含む。
【0094】
第4の態様において提供するのは、治療または予防を必要としている患者において疾患を治療または予防する方法であり、方法は、治療有効量または予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載されているHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンのいずれか1つを投与することを含む。
【0095】
方法のいくつかの実施形態において、疾患は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)に関連する疾患である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HSVである。方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1である。方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV2である。方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−1である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−2である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−3である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−4である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−5である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−6である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−7である。方法のいくつかの実施形態において、HVは、HHV−8である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛からなる群から選択される。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性歯肉口内炎である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、口唇ヘルペスである。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、陰部ヘルペスである。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性ひょう疽である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、剣状ヘルペスである。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペスウイルス脳炎である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペスウイルス髄膜炎である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性食道炎である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性角膜炎である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ベル麻痺である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、モラレー髄膜炎である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペスルグベイオルムである。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、疱疹性湿疹である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス神経痛である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス後神経痛である。方法のいくつかの実施形態において、疾患は、アルツハイマー病である。方法のいくつかの実施形態において、方法は、治療する方法である。方法のいくつかの実施形態において、方法は、予防する方法である。方法のいくつかの実施形態において、方法は、ウイルス排出の低減を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の頻度の低減を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の期間の低減を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、筋内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、皮内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、粘膜投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、鼻腔内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、直腸内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、腟内投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、局所投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、経皮膚的投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、方法は、皮下投与を含む。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、患者に投与されない。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNA配列である。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、核酸ワクチンである。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。方法のいくつかの実施形態において、方法は、プライムHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)DNAワクチンの投与を含まない。方法のいくつかの実施形態において、方法は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)DNAワクチンの投与を含まない。方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV UL30、UL5、gD2、gD2t、またはそのポーションから選択される遺伝子を含むDNAワクチンの投与を含まない。方法のいくつかの実施形態において、方法の投与は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンの単回投与からなる。方法のいくつかの実施形態において、方法の投与は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのプライム−ブースト投与からなる。方法のいくつかの実施形態において、方法の投与は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのプライム−ブースト−ブースト投与からなる。方法のいくつかの実施形態において、患者は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンの投与に続いて、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)の1種または複数の株に対して防御される。方法のいくつかの実施形態において、患者は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンの投与に続いて、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)の1種または複数の株に感染し、罹患し、有し、または得ることを予防する。方法のいくつかの実施形態において、患者は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンの投与に続いて、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)の複数の株に感染し、罹患し、有し、または得ることを予防する。方法のいくつかの実施形態において、患者は、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンの投与に続いて、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)の1種または複数の株の治療を受ける。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を治療することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を予防することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を治療することである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を予防することである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、治療有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHVワクチンを投与することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHVワクチンを投与することを含む。
【0096】
第5の態様において提供するのは、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンのいずれか1つ、および患者にHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを投与するための説明書を含むキットである。キットのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)ワクチンを、プライム−ブースト投与において投与する。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−1である。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−2である。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−3である。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−4である。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−5である。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−6である。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−7である。キットのいくつかの実施形態において、HVは、HHV−8である。キットのいくつかの実施形態において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチンは、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)の1種または複数の株について、患者を治療する。HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、またはHHV−8)
【0097】
別の態様において提供するのは、治療または予防を必要としている患者においてHSV感染を治療または予防する方法である。方法は、治療有効量または予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載されているHSVワクチンを投与することを含む。
【0098】
HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1である。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV2である。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2である。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、HSV感染は、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛からなる群から選択される疾患を引き起こす。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV感染を治療することを含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV感染を予防することを含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV感染を治療することである。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV感染を予防することである。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、治療有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンを投与することを含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンを投与することを含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、ウイルス排出の低減を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の頻度の低減を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の期間の低減を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの筋内投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの皮内投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの粘膜投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの鼻腔内投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの直腸内投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの腟内投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの局所投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの皮下投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの経皮膚的投与を含む。
【0099】
HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、プライムHSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL30遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL5遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2t遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSVタンパク質ワクチン(例えば、HSV1タンパク質ワクチン、HSV2タンパク質ワクチン、HSV1およびHSV2タンパク質ワクチン)の投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2tタンパク質を含むHSVタンパク質ワクチンの投与を含む。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含まない。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、プライムHSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含まない。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL30遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL5遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2t遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSVタンパク質ワクチン(例えば、HSV1タンパク質ワクチン、HSV2タンパク質ワクチン、HSV1およびHSV2タンパク質ワクチン)の投与を含まない。HSV感染を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2tタンパク質を含むHSVタンパク質ワクチンの投与を含まない。DNAワクチンまたは核酸配列を含まない組成物または方法を記載するとき、このような組成物または方法は、除外されている、または欠いていると記載された核酸組成物(例えば、DNAワクチン、核酸ワクチン、抗原性の核酸、核酸配列、または他の核酸組成物)を含む組成物の意図的な添加を含まないことが意図されることを当業者は理解する。いくつかの実施形態において、核酸組成物を含まない組成物または方法は、微量の核酸組成物を含んでもよく、または組成物の別の構成要素中に含まれ、微量の核酸は、核酸への、または核酸からもしくは核酸によって発現するタンパク質への抗原特異的免疫応答を誘発するのに必要な量より少ない量である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、約12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、ワクチンの用量毎に約12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、i.m.投与されるワクチンの用量毎に約12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、ワクチンの用量毎に12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、i.m.投与されるワクチンの用量毎に12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、1マイクログラムである。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、0.5マイクログラムである。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、WO2007106404におけるDNAワクチンに記載される量未満の量であり、またはWO2007106404における免疫応答を誘発するために投与される。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、患者に投与されない。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNA配列である。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、核酸ワクチンである。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。
【0100】
別の態様において提供するのは、単純ヘルペスウイルス(HSV)ワクチンを調製する方法であり、方法は、HSV−細胞混合物と、硫酸化またはスルホン化多糖とを接触させるステップであって、HSV−細胞混合物が、HSV粒子、細胞および細胞のポーションを含むステップと;HSV粒子を細胞から分離し、それによって単離したHSV粒子を形成するステップと;単離したHSV粒子を不活性化し、それによって不活性化HSV粒子を形成するステップと;不活性化HSV粒子と、リポ多糖に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントとを合わせ、それによってHSVワクチンを形成するステップとを含む。
【0101】
HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1である。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV2である。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSVは、HSV1およびHSV2である。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、硫酸化またはスルホン化多糖は、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸からなる群から選択される。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSV粒子を、107〜1010(pfu/マイクログラムタンパク質)の濃度で単離する。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、HSVワクチンは、107〜1010(pfu当量/マイクログラムタンパク質)の不活性化HSVを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、分離するステップは、遠心分離、ポリエチレングリコール沈殿、濾過、ゲル濾過、限外濾過、タンジェンシャルフロー限外濾過、またはアフィニティークロマトグラフィーからなる群から選択される。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタLPSに由来する。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、R595LPSに由来する。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、リピドAアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を含まないリピドAアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、1−ホスフェート部分を含まないリピドAアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、モノホスホリルリピドA(MPL)である。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、合成MPL類似体アジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、リポ多糖に由来するアジュバントは、TLR4タンパク質に結合することができる。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバントを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムまたはヒドロキシ炭酸アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含まない。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントは、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤からなる群から選択される1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、アジリジンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、エチレンイミンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、バイナリーエチレンイミンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、β−プロピオラクトンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、電子ビーム線とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、赤外線とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、γ線とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、アルデヒド架橋剤とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、ホルムアルデヒドとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、ホルマリンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、過ヨウ素酸ナトリウムとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、過酸化水素とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、aldrithiol−2とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、Triton−X−100とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、NP−40とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、Tween−20とを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびフロクマリンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびソラレンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線および4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびアンゲリシンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびキサントトキシンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびベルガプテンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびノダケネチンとを接触させるステップを含む。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、アジリジンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、エチレンイミンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、バイナリーエチレンイミンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、β−プロピオラクトンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、電子ビーム線とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、赤外線とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、γ線とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、アルデヒド架橋剤とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、ホルムアルデヒドとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、ホルマリンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、過ヨウ素酸ナトリウムとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、過酸化水素とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、aldrithiol−2とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形

態において、不活性化するステップは、HSVと、Triton−X−100とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、NP−40とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、Tween−20とを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびフロクマリンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびソラレンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線および4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびアンゲリシンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびキサントトキシンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびベルガプテンとを接触させるステップである。HSVワクチンを調製する方法のいくつかの実施形態において、不活性化するステップは、HSVと、紫外線およびノダケネチンとを接触させるステップである。
【0102】
いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、アジリジンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、エチレンイミンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、バイナリーエチレンイミンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための化学剤は、β−プロピオラクトンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、紫外線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、電子ビーム線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、赤外線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための放射線は、γ線である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、アルデヒド架橋剤である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、ホルムアルデヒドである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、ホルマリンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための架橋剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための酸化剤は、過酸化水素である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための還元剤は、aldrithiol−2である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための界面活性剤は、Triton−X−100である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための界面活性剤は、NP−40である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するための界面活性剤は、Tween−20である。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、ソラレンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、アンゲリシンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、キサントトキシンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、ベルガプテンである。いくつかの実施形態において、HSVを不活性化するためのフロクマリンは、ノダケネチンである。
【0103】
別の態様において提供するのは、治療または予防を必要とする患者において疾患を治療または予防する方法である。方法は、治療有効量または予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンを投与することを含む。いくつかの実施形態において、疾患の予防を必要としている患者は、疾患を発症し、罹患し、得る、または有する危険性のある患者である。
【0104】
疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、HSV1と関連する。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、HSV1によって引き起こされる。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、HSV2と関連する。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、HSV2によって引き起こされる。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛からなる群から選択される。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性歯肉口内炎である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、口唇ヘルペスである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、陰部ヘルペスである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性ひょう疽である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、剣状ヘルペスである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペスウイルス脳炎である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペスウイルス髄膜炎である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性食道炎である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス性角膜炎である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ベル麻痺である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、モラレー髄膜炎である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペスルグベイオルムである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、疱疹性湿疹である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス神経痛である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、ヘルペス後神経痛である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、疾患は、アルツハイマー病である。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を治療することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を予防することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を治療することである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、疾患を予防することである。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、治療有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンを投与することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、予防的有効量の本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンを投与することを含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、ウイルス排出の低減を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の頻度の低減を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、病変の出現の期間の低減を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの筋内投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの皮内投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの粘膜投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの鼻腔内投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの直腸内投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの腟内投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの局所投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの皮下投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、本明細書(実施形態を含めた)に記載のHSVワクチンの経皮膚的投与を含む。
【0105】
疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、プライムHSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL30遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL5遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2t遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSVタンパク質ワクチン(例えば、HSV1タンパク質ワクチン、HSV2タンパク質ワクチン、HSV1およびHSV2タンパク質ワクチン)の投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2tタンパク質を含むHSVタンパク質ワクチンの投与を含む。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含まない。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、プライムHSV DNAワクチン(例えば、HSV1DNAワクチン、HSV2DNAワクチン、HSV1およびHSV2DNAワクチン)の投与を含まない。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL30遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、UL5遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2t遺伝子またはこの遺伝子のポーションを含むHSV DNAワクチンの投与を含まない。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、HSVタンパク質ワクチン(例えば、HSV1タンパク質ワクチン、HSV2タンパク質ワクチン、HSV1およびHSV2タンパク質ワクチン)の投与を含まない。疾患を治療または予防する方法のいくつかの実施形態において、方法は、gD2tタンパク質を含むHSVタンパク質ワクチンの投与を含まない。DNAワクチンまたは核酸配列を含まない組成物または方法を記載するとき、このような組成物または方法は、除外されている、または欠いていると記載された核酸組成物(例えば、DNAワクチン、核酸ワクチン、抗原性の核酸、核酸配列、または他の核酸組成物)を含む組成物の意図的な添加を含まないことが意図されることを当業者は理解する。いくつかの実施形態において、核酸組成物を含まない組成物または方法は、微量の核酸組成物を含んでもよく、または組成物の別の構成要素中に含まれ、微量の核酸は、核酸への、または核酸からもしくは核酸によって発現するタンパク質への抗原特異的免疫応答を誘発するのに必要な量より少ない量である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、約12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、ワクチンの用量毎に約12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、i.m.投与されるワクチンの用量毎に約12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、ワクチンの用量毎に12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、i.m.投与されるワクチンの用量毎に12.5、10、9、8.5、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001マイクログラム未満の核酸である。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、1マイクログラムである。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、0.5マイクログラムである。いくつかの実施形態において、微量の核酸は、WO2007106404におけるDNAワクチンに記載される量未満の量であり、またはWO2007106404における免疫応答を誘発するために投与される。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、患者に投与されない。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNA配列である。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、核酸ワクチンである。方法のいくつかの実施形態において、単離された核酸配列製剤は、DNAワクチンである。
【0106】
別の態様において提供するのは、薬学的に許容される添加剤、および本明細書(実施形態を含めた)に記載されている組成物(例えば、ワクチン)のいずれかを含む医薬組成物である。
【0107】
本明細書(実施形態および実施例を含めた)に記載されている組成物は、患者に単独で投与することができ、または同時投与することができる。同時の投与とは、個々にまたは組み合わせた(複数の組成物)、組成物の同時または逐次投与を含むことを意味する。このように、調製物はまた、所望であるとき、他の活性物質と合わせることができる(例えば、代謝退化を低減させ、免疫応答を増加させるため(例えば、アジュバント))。ワクチン組成物の同時の投与の一例は、プライム−ブースト投与方法である。
【0108】
本発明の組成物は、多種多様の経口、非経口および局所剤形で調製および投与することができる。経口調製物には、患者による摂取に適した錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤などが含まれる。本発明の組成物はまた、注射によって、すなわち、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、または腹腔内に投与することができる。また、本明細書に記載されている組成物は、吸入によって、例えば、鼻腔内に投与することができる。さらに、本発明の組成物は、経皮的に投与することができる。複数の投与経路(例えば、筋内、経口、経皮的、粘膜、鼻腔内、直腸内、膣内、皮下、経皮膚的、局所、皮内)を使用して、本発明の組成物を投与することができることがまた認識される。したがって、本発明はまた、薬学的に許容される添加剤、および本明細書(実施形態を含めた)に記載されている1種または複数の組成物を含む医薬組成物を提供する。
【0109】
本発明の組成物から医薬組成物を調製するために、薬学的に許容される担体は、固体または液体でよい。固形調製物には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、賦形剤、香味剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、または封入材料としてまた作用し得る1種または複数の物質でよい。
【0110】
散剤において、担体は、微粉化した活性構成要素(例えば、本明細書において提供する組成物)を有する混合物中の微粉化した固体である。錠剤において、活性構成要素を、適切な割合の必要な結合特性を有する担体と混合し、所望の形状およびサイズに圧縮する。散剤および錠剤は好ましくは、5%〜70%の活性化合物を含有する。
【0111】
適切な固体添加剤には、これらに限定されないが、炭酸マグネシウム;ステアリン酸マグネシウム;タルク;ペクチン;デキストリン;デンプン;トラガカント;低融点ワックス;カカオバター;炭水化物;これらに限定されないが、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含めた糖、トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモ、または他の植物からのデンプン;セルロース、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、またはカルボキシルメチルセルロースナトリウム;ならびにアラビアゴムおよびトラガカントを含めたゴム;ならびにこれらに限定されないが、ゼラチンおよびコラーゲンを含めたタンパク質が含まれる。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を加えてもよい。
【0112】
糖衣錠コアは、また、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、carbopolゲル、ポリエチレングリコール、および/もしくは二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有し得る、適切なコーティング、例えば、濃縮糖液と共に提供される。染料または顔料を、製品の同定のために、または活性組成物の量(すなわち、投与量)を特徴付けるために錠剤または糖衣錠コーティングに加えてもよい。本発明の医薬調製物はまた、例えば、ゼラチンでできた押込嵌めカプセル剤、ならびにゼラチンおよびコーティング、例えば、グリセロールまたはソルビトールでできたソフト密閉カプセル剤を使用して、経口的に使用することができる。
【0113】
坐剤を調製するために、低融点ワックス、例えば、脂肪酸グリセリドまたはカカオバターの混合物を最初に融解し、撹拌することによるなどして活性組成物をその中に均一的に分散させる。次いで、融解した均一な混合物を便利なサイズのモールド中に注ぎ、冷却し、それによって凝固させる。
【0114】
液体調製物には、溶液剤、懸濁剤、および乳剤、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液が含まれる。非経口注射のために、液体調製物は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液中で製剤することができる。
【0115】
非経口用途が必要または所望であるとき、本発明の化合物のための特に適切な混合物は、注射剤、無菌溶液剤(好ましくは油性溶液または水溶液)、および懸濁剤、乳剤、またはインプラント(坐剤を含めた)である。特に、非経口投与のための担体には、デキストロースの水溶液、食塩水、純水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、落花生油、ゴマ油、ポリオキシエチレン−ブロックポリマーなどが含まれる。アンプル剤は、便利な単位投与量である。本発明の組成物はまた、リポソーム中に組込み、または経皮的なポンプもしくはパッチによって投与することができる。本発明における使用に適した医薬混合物は当業者には周知であり、例えば、Pharmaceutical Sciences(第17版、Mack Pub. Co.、Easton、PA)およびWO96/05309(これらの両方の教示は、参照により本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0116】
経口使用に適した水溶液は、活性構成要素(例えば、実施形態、実施例を含めて本明細書に記載されている組成物)を水に溶解し、適切な着色料、フレーバー、安定剤、および増粘剤を所望の通り加えることによって調製することができる。経口使用に適した水性懸濁剤は、粘稠材料、例えば、天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴム、ならびに分散化剤または湿潤剤、例えば、天然のホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、酸化エチレンと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、酸化エチレンと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、または酸化エチレンと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)と共に、微粉化した活性構成要素を水に分散させることによって作製することができる。水性懸濁剤はまた、1種もしくは複数の保存剤、例えば、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1種もしくは複数の着色剤、1種もしくは複数の香味剤および1種もしくは複数の甘味剤、例えば、スクロース、アスパルテームまたはサッカリンを含有することができる。製剤は、モル浸透圧濃度について調節することができる。
【0117】
また含まれるのは、使用の直前に、経口投与のための液体調製物に変換されることを意図した固形調製物である。このような液体形態には、溶液剤、懸濁剤、および乳剤が含まれる。これらの調製物は、活性構成要素に加えて、着色料、フレーバー、安定剤、緩衝液、人工および天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有し得る。
【0118】
油懸濁剤は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。甘味剤を加えて、口当たりがよい経口調製物を提供することができる(例えば、グリセロール、ソルビトールまたはスクロース)。これらの製剤は、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸を添加することによって貯蔵することができる。注射可能な油ビヒクルの一例として、Minto、 J. Pharmacol. Exp. Ther. 281:93〜102頁、1997年を参照されたい。本発明の医薬製剤はまた、水中油型乳剤の形態でよい。油性相は、上記の植物性油もしくは鉱油、またはこれらの混合物でよい。適切な乳化剤には、天然ゴム、例えば、アラビアゴムおよびトラガカントガム、天然のホスファチド、例えば、ダイズレシチン、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、およびこれらの部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが含まれる。乳剤はまた、シロップ剤およびエリキシル剤の製剤におけるように、甘味剤および香味剤を含有することができる。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、または着色剤を含有することができる。
【0119】
医薬調製物は、好ましくは単位剤形である。このような形態において、調製物を、適当な量の活性構成要素を含有する単位用量に再分割する。単位剤形は、パッケージ化された調製物でよく、パッケージは、分離した量の調製物、例えば、パック入り錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤を含有する。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはロゼンジ剤自体でよく、あるいはパッケージ化された形態の適当な数のこれらのいずれかでよい。
【0120】
いくつかの組成物は、水中で限定された溶解度を有してもよく、したがって、組成物において表面活性物質または他の適当な共溶媒を必要とし得る。このような共溶媒には、ポリソルベート20、60および80;プルロニックF−68、F−84およびP−103;シクロデキストリン;ポリオキシル35ヒマシ油;または当業者には公知の他の薬剤が含まれる。このような共溶媒は典型的には、約0.01重量%から約2重量%の間のレベルで用いられる。
【0121】
単純な水溶液の粘度より大きな粘度は、製剤を分注することにおいて可変性を減少させ、製剤の懸濁剤もしくは乳剤の構成要素の物理的分離を減少させ、かつ/またはその他の点で製剤を改善するのに望ましくてもよい。このような粘度上昇剤には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、上記の組合せ、ならびに当業者には公知の他の薬剤が含まれる。このような薬剤は典型的には、約0.01重量%から約2重量%の間のレベルで用いられる。上記のアジュバントのいずれかの許容される量の決定は、当業者によって容易に確認される。
【0122】
本発明の組成物は、持続放出および/または快適性を実現する構成要素をさらに含み得る。このような構成要素には、高分子量のアニオン性粘液模倣物(mucomimetic)ポリマー、ゲル化多糖および微粉化した薬物担体基質が含まれる。これらの構成要素は、米国特許第4,911,920号;同第5,403,841号;同第5,212,162号;および同第4,861,760号においてより詳細に考察されている。これらの特許の全内容は、全ての目的のために全内容が参照により本明細書中に組み込まれている。
【0123】
本発明により提供される医薬組成物は、活性成分(例えば、実施形態を含めて本明細書に記載されている組成物)を、治療有効量または予防的有効量で、すなわち、その意図する目的を達成するのに有効な量で含有する組成物を含む。特定の用途について有効な実際の量は、とりわけ、治療を受ける状態によって決まる。疾患を治療する方法において投与されるとき、このような組成物は、所望の結果、例えば、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)感染の予防、HSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)感染の予防、ならびに/あるいは病徴(例えば、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)感染、HSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)感染)の低減、排除、または進行の遅延を達成するのに有効な量の活性成分を含有する。本発明の組成物の治療有効量または予防的有効量の決定は、特に、本明細書における詳細な開示に照らして、当業者の能力が十分に対応できる範囲にある。
【0124】
哺乳動物に投与される投与量および頻度(単回または多回用量)は、種々の要因、例えば、哺乳動物が別の疾患を患っているかどうか、およびその投与経路;レシピエントのサイズ、年齢、性別、健康、体重、肥満度指数、および食事;治療を受ける疾患(例えば、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)感染、HSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)感染)の症状の性質および程度、併用療法の種類、治療を受けている疾患からの合併症または他の健康が関連する問題によって変化させることができる。他の治療的投与計画または薬剤を、出願人等の発明の方法および組成物と併せて使用することができる。確立した投与量(例えば、頻度および期間)の調節および操作は、当業者の能力が十分に対応できる範囲にある。
【0125】
本明細書に記載されている任意の組成物について、治療有効量は、細胞培養アッセイから最初に決定することができる。標的濃度は、本明細書に記載の方法または当技術分野において公知の方法を使用して測定した、本明細書に記載の方法を達成することができる活性組成物(複数可)のそれらの濃度である。
【0126】
当技術分野で周知のように、ヒトにおいて使用するための治療有効量または予防的有効量はまた、動物モデルから決定することができる。例えば、ヒトについての用量を製剤して、動物において有効であると見出されてきた濃度を達成することができる。ヒトにおける投与量は、上記のように、組成物の有効性をモニターし、投与量を上方または下方に調節することによって調節することができる。上記の方法および他の方法に基づいて、ヒトにおける最大有効性を達成するための用量を調節することは、当業者の能力が十分に対応できる範囲にある。
【0127】
投与量は、患者の要求および用いられる組成物によって変化し得る。患者に投与される用量は、本発明の状況において、患者において有益な治療的または予防的反応を時間と共にもたらすのに十分であるべきである。用量のサイズはまた、任意の有害な副作用の存在、性質、および程度によって決定される。特定の状況についての適正な投与量の決定は、専門家の技能の範囲内である。一般に、治療は、化合物の適量より低いより小さな投与量から開始する。この状況下でその後、最適な作用に到達するまで、投与量を少しずつ増加させる。
【0128】
投与量および間隔は、個別に調節して、治療または予防される特定の臨床適応症に有効な投与する組成物のレベルを実現することができる。これによって、個体の病態の重症度と釣り合った治療的または予防的投与計画が実現される。
【0129】
本明細書において提供する教示を利用して、実質的な毒性をもたらさず、かつそれにも関わらず特定の患者が示す臨床症状の治療に有効な、有効な予防的または治療的処置の投与計画を計画することができる。この計画は、要因、例えば、組成物の効力、相対的バイオアベイラビリティー、患者の体重、不利な副作用の存在および重症度、選択した薬剤の好ましい投与方法ならびに毒性プロファイルを考慮することによる、活性組成物の注意深い選択が伴うべきである。
【0130】
特定の組成物についての毒性と治療効果との間の比率は、その治療係数であり、LD50(集団の50%において致死的な組成物の量)とED50(集団の50%において有効な組成物の量)との間の比率として表すことができる。高い治療係数を示す組成物が好ましい。細胞培養アッセイおよび/または動物試験から得た治療係数データは、ヒトにおける使用のための投与量範囲の製剤において使用することができる。このような組成物の投与量は好ましくは、毒性を殆ど伴わない、または毒性を伴わないED50を含む一連の血漿濃度範囲内にある。投与量は、用いる剤形および利用する投与経路によって、この範囲内で変化し得る。例えば、Finglら、THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS、Ch.1、l頁、1975年を参照されたい。正確な製剤、投与経路および投与量は、患者の状態、および組成物が使用される特定の方法に照らして、個々の医師が選択することができる。
【0131】
IV.投与
本発明の組成物は、アプリケータースティック、溶液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー、ペイント、散剤、およびエアゾールとして製剤して、経皮的に、局所経路によって、経皮膚的に送達することができる。「本発明の組成物」、「本明細書(実施形態を含めた)に記載の組成物」、「本明細書(実施形態を含めた)に記載されている組成物」、「本明細書において提供する組成物」などという用語は、互換的に使用される。
【0132】
本発明の医薬組成物は、塩として提供することができ、これらに限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などを含めた多くの酸と共に形成することができる。本明細書に記載されている医薬組成物は、本明細書に記載されている組成物上で見出される特定の置換基によって、相対的に無毒性の酸もしくは塩基で調製される化合物の塩または組成物でよい。本発明の組成物が相対的に酸性の官能性を含有するとき、このような組成物の中性形態と、十分な量の所望の塩基(無溶媒または適切な不活性溶媒中)とを接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩、または同様の塩が含まれる。本発明の組成物が相対的に塩基性の官能性を含有するとき、このような組成物の中性形態と、十分な量の所望の酸(無溶媒または適切な不活性溶媒中)とを接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例には、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などに由来するもの、および比較的無毒性の有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などに由来する塩が含まれる。また含まれるのは、アミノ酸の塩、例えば、アルギン酸塩など、および有機酸、例えば、グルクロン酸またはガラクツロン酸などの塩である(例えば、Bergeら、Journal of Pharmaceutical Science 66:1〜19頁(1977年)を参照されたい)。本発明の特定の組成物は、組成物が塩基付加塩または酸付加塩に変換されることを可能とする、塩基性および酸性の官能性の両方を含有する。当業者には公知の他の薬学的に許容される担体は、本発明に適している。塩は、相当する遊離塩基の形態である水性溶媒または他のプロトン性溶媒中でより可溶性である傾向がある。
【0133】
組成物の中性形態は、通常の様式で、塩と塩基または酸とを接触させ、親組成物を単離することによって再生し得る。組成物の親形態は、特定の物理的性質、例えば、極性溶媒中の溶解度において様々な塩の形態と異なるが、その他の点では、本発明の目的のために塩は組成物の親形態と等しい。
【0134】
別の実施形態において、本発明の組成物は、非経口投与、例えば、静脈内(IV)投与または体腔もしくは臓器の内腔中への投与に有用である。投与のための製剤は一般に、薬学的に許容される担体に溶解した本発明の組成物の溶液を含む。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水およびリンゲル液、等張塩化ナトリウムがある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として通常に用いることができる。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを含めて任意の無刺激性不揮発性油を用いることができる。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸は、注射剤の調製において同様に使用することができる。これらの溶液は無菌であり、一般に望ましくない物体を含まない。これらの製剤は、通常の周知の滅菌法によって無菌化し得る。製剤は、生理学的条件に近づける必要に応じて薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、毒性調節剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有し得る。これらの製剤における本発明の組成物の濃度は、選択した特定の投与方法および患者のニーズに従って、広範に変化することができ、液量、粘度、体重などに主に基づいて選択される。IV投与のために、製剤は、無菌の注射可能な調製物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁剤でよい。この懸濁剤は、それらの適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知技術によって製剤することができる。
【0135】
本明細書に記載されている組成物は、互いに、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)またはHSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)感染と関連する疾患の治療において有用であると公知である他の活性剤と組み合わせて、あるいは単独では有効ではなくてもよいが、活性剤(例えば、LPSに由来するアジュバント、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバント)の有効性に寄与し得る補助剤と組み合わせて使用することができる。
【0136】
いくつかの実施形態において、同時の投与は、第2の活性剤の0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、または24時間以内に、1種の活性剤を投与することを含む。同時の投与は、2種の活性剤を、同時に、概ね同時に(例えば、互いに、約1分、5分、10分、15分、20分、もしくは30分以内)、または任意の順序で逐次的に投与することを含む。いくつかの実施形態において、同時の投与は、同時製剤、すなわち、両方の活性剤を含む単一の医薬組成物を調製することによって達成することができる。他の実施形態において、活性剤は、別々に製剤することができる。別の実施形態において、活性剤および/または補助剤は、互いに連結または結合し得る。いくつかの実施形態において、同時の投与は、互いに、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、もしくは12週間以内に、または互いに、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12カ月以内に、プライム−ブースト法においてワクチンを投与することを含む。いくつかの実施形態において、プライム−ブースト投与は、4週間の間隔を開ける。
【0137】
非限定的例として、本明細書に記載されている組成物は、これらに限定されないが、HSV DNAワクチン(HSV DNAワクチンは、HSV(例えば、HSV1またはHSV2)遺伝子(例えば、UL1、UL2、UL3、UL4、UL5、UL6、UL7、UL8、UL9、UL10、UL11、UL12、UL13、UL14、UL15、UL16、UL17、UL18、UL19、UL20、UL21、UL22、UL23、UL24、UL25、UL26、UL27、UL28、UL29、UL30、UL31、UL32、UL33、UL34、UL35、UL36、UL37、UL38、UL39、UL40、UL41、UL42、UL43、UL44、UL45、UL46、UL47、UL48、UL49、UL50、UL51、UL52、UL53、UL54、UL55、UL56、US1、US2、US3、US4、US5、US6、US7、US8、US9、US10、US11、US12、RS1、ICP0、LRP1、LRP2、RL1、またはLAT)の1つまたは複数の1つまたは複数のポーションを含む)、HSVタンパク質ワクチン(HSVタンパク質ワクチンは、HSV(例えば、HSV1またはHSV2)タンパク質(例えば、HSV遺伝子UL1、UL2、UL3、UL4、UL5、UL6、UL7、UL8、UL9、UL10、UL11、UL12、UL13、UL14、UL15、UL16、UL17、UL18、UL19、UL20、UL21、UL22、UL23、UL24、UL25、UL26、UL27、UL28、UL29、UL30、UL31、UL32、UL33、UL34、UL35、UL36、UL37、UL38、UL39、UL40、UL41、UL42、UL43、UL44、UL45、UL46、UL47、UL48、UL49、UL50、UL51、UL52、UL53、UL54、UL55、UL56、US1、US2、US3、US4、US5、US6、US7、US8、US9、US10、US11、US12、RS1、ICP0、LRP1、LRP2、RL1、またはLATから発現されるタンパク質)の1つまたは複数の1つまたは複数のポーションを含む)、不活性化HSVなどを含めた、別のHSVワクチンと同時投与(例えば、プライム−ブースト)することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、HSV DNAワクチン(HSV DNAワクチンは、HSV(例えば、HSV1またはHSV2)遺伝子(例えば、UL1、UL2、UL3、UL4、UL5、UL6、UL7、UL8、UL9、UL10、UL11、UL12、UL13、UL14、UL15、UL16、UL17、UL18、UL19、UL20、UL21、UL22、UL23、UL24、UL25、UL26、UL27、UL28、UL29、UL30、UL31、UL32、UL33、UL34、UL35、UL36、UL37、UL38、UL39、UL40、UL41、UL42、UL43、UL44、UL45、UL46、UL47、UL48、UL49、UL50、UL51、UL52、UL53、UL54、UL55、UL56、US1、US2、US3、US4、US5、US6、US7、US8、US9、US10、US11、US12、RS1、ICP0、LRP1、LRP2、RL1、またはLAT)の1つまたは複数の1つまたは複数のポーションを含む)、HSVタンパク質ワクチン(HSVタンパク質ワクチンは、HSV(例えば、HSV1またはHSV2)タンパク質(例えば、HSV遺伝子UL1、UL2、UL3、UL4、UL5、UL6、UL7、UL8、UL9、UL10、UL11、UL12、UL13、UL14、UL15、UL16、UL17、UL18、UL19、UL20、UL21、UL22、UL23、UL24、UL25、UL26、UL27、UL28、UL29、UL30、UL31、UL32、UL33、UL34、UL35、UL36、UL37、UL38、UL39、UL40、UL41、UL42、UL43、UL44、UL45、UL46、UL47、UL48、UL49、UL50、UL51、UL52、UL53、UL54、UL55、UL56、US1、US2、US3、US4、US5、US6、US7、US8、US9、US10、US11、US12、RS1、ICP0、LRP1、LRP2、RL1、またはLATから発現されるタンパク質)の1つまたは複数の1つまたは複数のポーションを含む)、不活性化HSVなどからなる群から選択される別のHSVワクチンと同時投与(例えば、プライム−ブースト)されない。
【0138】
本発明の医薬組成物は、通常の周知の滅菌法によって無菌化してもよく、または無菌状態下にて生成してもよい。水溶液は、使用のためにパッケージ化することができ、または無菌状態下にて濾過し、凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物は、投与前に無菌水溶液と合わせる。組成物は、生理学的条件に近づけるのに必要とされるような薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、張性調整剤、湿潤剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モノラウリン酸ソルビタン、およびオレイン酸トリエタノールアミンを含有することができる。
【0139】
経口投与に適した製剤は、(a)溶液剤、例えば、賦形剤、例えば、水、食塩水、またはPEG400に懸濁した有効量のパッケージ化された化合物または薬物;(b)カプセル剤、サシェ剤、または錠剤(それぞれが、液体、固体、顆粒またはゼラチンとして所定の量のHSV(例えば、HSV1および/またはHSV2)ワクチン組成物を含有する);(c)適当な液体中の懸濁剤;ならびに(d)適切な乳剤を含むことができる。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微結晶性セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、および他の添加剤、着色料、充填剤、結合剤、賦形剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、香味剤、色素、崩壊剤、および医薬的に適合性の担体の1つまたは複数を含むことができる。ロゼンジ剤形態は、フレーバー、例えば、スクロース中のHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物、またはHSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)ワクチン組成物を含むことができ、香錠は、不活性な基剤、例えば、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア中の、例えば、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物、またはHSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)ワクチン組成物を含み、乳剤、ゲル剤などは、例えば、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物、またはHSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)ワクチン組成物に加えて、当技術分野において公知の担体を含有する。
【0140】
単独または他の適切な構成要素と組み合わせた一般に好まれる組成物は、エアゾール製剤に作製することができ(すなわち、これらは「噴霧」することができ)、吸入によって投与することができる。エアゾール製剤は、加圧式の許容される噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など中に置くことができる。
【0141】
直腸投与のための適切な製剤は、坐剤基剤と共に、例えば、有効量のパッケージ化されたHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物、またはHSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)ワクチン組成物を含む坐剤を含む。適切な坐剤基剤は、天然または合成のトリグリセリドまたはパラフィン炭化水素を含む。さらに、例えば、一般に好まれるHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物、またはHSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)ワクチン組成物と、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、およびパラフィン炭化水素を含めた基剤との組合せを含有するゼラチン製直腸カプセル剤を使用することがまた可能である。
【0142】
例えば、関節内(関節における)、膣内、直腸内、静脈内、筋内、腫瘍内、皮内、腹腔内、および皮下経路による非経口投与に適切な製剤は、水性および非水性の等張性無菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有することができる)、ならびに水性および非水性の無菌懸濁剤(懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および保存剤を含むことができる)を含む。注射液および懸濁剤はまた、無菌の散剤、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。本発明の実施において、組成物は、例えば、静脈内注入により、経口的、局所的、腹腔内、膀胱内、またはくも膜下腔内に投与することができる。非経口投与、経鼻投与、経口投与、および静脈内投与は、投与の好ましい方法である。組成物の製剤は、単位用量または複数用量のシール容器、例えば、アンプルおよびバイアル中に提示することができる。
【0143】
医薬調製物は好ましくは、単位剤形である。このような形態において、調製物は、適当な量の活性構成要素、例えば、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物、またはHSV(例えば、HSV1および/もしくはHSV2)ワクチン組成物を含有する単位用量に再分割される。単位剤形は、パッケージ化された調製物でよく、パッケージは、分離した量の調製物、例えば、パック入り錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤を含有する。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはロゼンジ剤自体でよく、あるいはパッケージ化された形態の適当な数のこれらのいずれかでよい。組成物は、必要に応じてまた、他の適合性の治療剤を含有することができる。
【0144】
HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)感染、またはHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)感染と関連する疾患の治療のための治療上の使用において、HV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物は、患者の必要性、治療を受ける状態の重症度、および用いられるHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)ワクチン組成物によって変化し得る。例えば、投与量は、特定の患者において診断されたHV(例えば、HSV、HHV−1、HHV−2、HHV−3、HHV−4、HHV−5、HHV−6、HHV−7、もしくはHHV−8)に関連する疾患のタイプおよびステージを考慮して経験的に決定することができる。患者に投与する用量は、本発明の状況において、時間と共に患者において有益な治療的または予防的反応に影響を及ぼすのに十分であるべきである。用量のサイズはまた、特定の患者における組成物の投与に伴う任意の有害な副作用の存在、性質、および程度によって決定される。特定の状況についての適正な投与量の決定は、専門家の技能の範囲内である。一般に、治療は、組成物の適量より少ないより小さな投与量から開始する。その後、この状況下で最適な作用に到達するまで、投与量を少しずつ増加させる。便宜のため、1日総投与量を分割し、必要に応じて日中にポーションで投与し得る。
【0145】
いくつかの実施形態において、対象において単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)感染を予防または治療する方法を提供する。方法は、それを必要としている対象にDNAワクチンを投与することを含み、DNAワクチンは、ウイルス複製に必要とされる少なくとも1つの保存されているHSV−2遺伝子のポーションをコードするDNA配列を含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、モノホスホリルリピドA(MPL)アジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、alumアジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、不活性化全HSV−2を含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、ホルマリン−不活性化HSV−2(FI−HSV−2)を含む。いくつかの実施形態において、DNA配列は、HSV−2からのDNAポリメラーゼの少なくともポーションをコードする。いくつかの実施形態において、DNAポリメラーゼは、HSV−2UL30DNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、HSV−2分泌型糖タンパク質D2(gD2t)の少なくともポーションをコードするDNA分子を含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、HSV−2分泌型糖タンパク質D2(gD2t)の少なくともポーションをコードするDNA分子をさらに含む。いくつかの実施形態において、DNA配列は、HSV−2からのヘリカーゼの少なくともポーションをコードする。いくつかの実施形態において、ヘリカーゼは、HSV−2UL5ヘリカーゼである。いくつかの実施形態において、方法の投与ステップは、プライム−ブースト免疫化である。
【0147】
別の実施形態において、ウイルス複製に必要とされる少なくとも1つの保存されているHSV−2遺伝子のポーションをコードするDNA配列を含むDNAワクチンを提供する。
【0148】
いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、モノホスホリルリピドA(MPL)アジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、alumアジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、不活性化全HSV−2を含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、ホルマリン−不活性化HSV−2(FI−HSV−2)を含む。いくつかの実施形態において、DNA配列は、HSV−2からのDNAポリメラーゼの少なくともポーションをコードする。いくつかの実施形態において、DNAポリマーは、HSV−2UL 30DNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、HSV−2分泌型糖タンパク質D2(gD2t)の少なくともポーションをコードするDNA分子を含む。いくつかの実施形態において、DNAワクチンは、HSV−2分泌型糖タンパク質D2(gD2t)の少なくともポーションをコードするDNA分子をさらに含む。いくつかの実施形態において、DNA配列は、HSV−2からのヘリカーゼの少なくともポーションをコードする。いくつかの実施形態において、ヘリカーゼは、HSV−2 UL5ヘリカーゼである。
【0149】
したがって、本明細書に記載されている方法およびワクチンのいくつかの実施形態において、アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバント(alhydrogelまたはadju−phos)およびモノホスホリルリピドA(MPL)と混合したホルマリン−不活性化ヘルペスウイルスを、防御免疫応答を生じさせるワクチンとして提供する。
【0150】
いくつかの実施形態において、デキストラン硫酸を用いて、感染細胞から高力価のヘルペスウイルスを放出させ、調製物における細胞材料の量を非常に低減させた。このように得られたウイルスをそれに続いて精製し、ホルムアルデヒドで不活性化する。
【0151】
本発明者らは、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)に対するいくつかのワクチンの組合せを、生殖器疾患のマウスおよびモルモットモデルの両方において開発および試験してきた。これらのワクチンにおいて含まれるのは、アジュバントモノホスホリルリピドA(MPL)およびAlumの様々な製剤であった。本発明者らは、MPL/Alumと一緒にFI−HSV2からなる多価ワクチンが、gD2タンパク質サブユニット/MPL/Alumワクチン接種より防御的であることができるかについて問うた。
【0152】
したがって、本発明者らは、生殖器疾患のマウスモデルにおいて、gD2tタンパク質による免疫化と比較して、FI−HSV2/MPL/Alumによる免疫化が、疾患およびウイルス排出の両方に対して有意により高いレベルの防御を実現したことを見出した。実際は、1つの実験において、FI−HSV−2のみで免疫化された8匹のマウスのうち2匹は、負荷後の任意の日において検出可能なウイルスを排出しなかった。初期の実験の全てはPierceからのImject Alumで行ったが、これは、結晶性およびアモルファスのアルミニウム相の両方からなり、臨床応用に適したalumの詳細に明らかにされた形態ではない。したがって、本発明者らは、MPLおよび水酸化アルミニウム(Alhydrogel)またはリン酸アルミニウム(Adju−Phos)アジュバント(これらの両方は、臨床ワクチンにおける使用について認可を受けた)と共に製剤したワクチンの防御有効性を試験した。本発明者らはまた、免疫化の様々な経路を試験した。試験免疫化群は、1)FI−HSV2/MPL/Alhydrogel(皮下に与える);2)FI−HSV2/MPL/Alhydrogel(筋肉内に与える);および3)FI−HSV2/MPL/Adju−Phos(筋肉内に与える)であった。
【0153】
HSV−2による膣内の負荷に続いて、FI−HSV2を受けている群における平均力価は、3Logだけ低減した。さらに、各FI−HSV2群における8匹のマウスの半分以上は、検出限界以下のレベルにウイルス排出が低減した。まとめると、アルミニウム含有アジュバントAlhydrogelまたはAdju−Phosと一緒のFI−HSV2およびMPLによる免疫化は、少なくともImject alumによってもたらされるものと同じぐらいロバストであった、HSV−2疾患および排出に対する防御をもたらした。この実験において、各群においてFI−HSV2により免疫化されたマウスの数匹は、試験した任意の日において検出可能な排出がなかった(<10PFU)。
【0154】
理論に束縛されるものではないが、FI−HSV2/MPL/Alumによって実現された負荷に対する高レベルの防御がまた、長期間の再負荷に対して有効であるかについて問うことは重要であると考えられる。この目的のために、FI−HSV2により免疫化されたマウスを、第1の負荷の17週間後に同じ10×LD50用量のHSV−2で再負荷した。際立って、FI−HSV2群における再負荷したマウスのうち2匹のみは、検出可能な低レベルのウイルスを有し、2日目に検出可能なウイルスを示したFI−HSV2/Alhydrogel群(s.c.)におけるマウスは、後に21日目に死亡した。FI−HSV2/Alhydrogel群(i.m.)において、8匹のマウスのうち5匹は、負荷後または再負荷後2日目に検出可能なウイルスを有さず、この群において2匹のさらなるマウスは負荷後に非常に低レベルの排出を有し(101〜101.5PFU)、再負荷後に検出可能なウイルスを有さなかったことは特に注目すべきである。
【0155】
まとめると、本発明者らは、MPLおよびアルミニウム含有アジュバントと共に製剤したFI−HSV2による免疫化が、HSV−2疾患に対して殆ど完全な防御を誘発することを見出した。さらに、これらのワクチンは、膣のHSV−2排出に対して強力および持続性のある防御を実現し、数匹の動物は負荷または長期間の再負荷に続いて殺菌免疫を示した。
【0156】
本発明者らはまた、急性および再発性のHSV−2生殖器疾患のモルモットモデルにおけるホルマリン−不活性化−HSV−2(FI−HSV2)/MPL/Alhydrogelワクチンを評価し、これを、MPL/Alum中のgD2tサブユニットタンパク質ワクチンと比較した。負荷の後、両方の群は、mock−免疫化された動物と比較して、急性ウイルス性疾患およびウイルス排出に対する高度に有意な防御を示した。FI−HSV2/MPL/Alhydrogelで免疫化された10匹のモルモットのうち1匹のみが、急性相病変および負荷後9日目まで持続したウイルス排出を有した。この動物のみが、100日の期間に亘り再発性病変を発症し、一方では、gD2tサブユニットタンパク質/MPL/Alhydrogelにおける10匹の動物のうちの3匹は、再発性病変を発症した。再発性病変または膣のHSV−2疾患に対する防御が、DRGにおける潜在ウイルスゲノムの数、または再活性化後の免疫における差異と関連しているかどうかを決定するために、それぞれの生存しているモルモットからの腰仙部DRGを収集した。HSV−2DNAのレベルを、リアルタイム定量的PCRによって定量化した。急性および再発性病変の両方を有したFI−HSV2/MPL/Alhydrogelで免疫化された単一のモルモットのみが、検出可能なHSV−2DNA(84コピー)を有した。対照的に、10匹のgD2tサブユニットMPL/Alhydrogelで免疫化されたモルモットのうち4匹は、検出可能なHSV−2DNAレベルを有した。まとめると、これらの研究は、FI−HSV2/MPL alhydrogelワクチンをモルモットに与えたとき、群中の1匹の「ノンレスポンダー」動物を例外として、急性および再発性両方の病変の発生に対する完全な防御、DRGにおける検出不可能なレベルのHSV−2DNA、より低い累積的急性疾患スコア、およびより低い数の再発性疾患を有する日が存在したことを示した(Morello、 C. S.ら、2011年、Virol.、85:3461〜3472頁)。
【0157】
V.選択した実施形態
実施形態1.不活性化HSV、リポ多糖(LPS)に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントを含む、単純ヘルペスウイルス(HSV)ワクチン。
実施形態2.前記LPSに由来するアジュバントが、MPLであり、前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウムアジュバントであり、前記ワクチンが、単離された核酸配列製剤を含まない、実施形態1に記載のワクチン。
実施形態3.前記HSVが、HSV1である、実施形態1〜2のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態4.前記HSVが、HSV2である、実施形態1〜2のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態5.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態1〜2のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態6.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタLPSに由来する、実施形態1〜2のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態7.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する、実施形態1〜2のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態8.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、R595LPSに由来する、実施形態1〜8のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態9.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、リピドAアジュバントである、実施形態1〜8のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態10.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態1〜8のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態11.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態1〜8および10のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態12.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、モノホスホリルリピドA(MPL)である、実施形態1〜8および10〜11のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態13.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである、実施形態1〜8および10〜11のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態14.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、TLR4タンパク質に結合することができる、実施形態1から〜13のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態15.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、合成MPL類似体アジュバントである、実施形態1〜14のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態16.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバントである、実施形態1〜15のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態17.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、リン酸アルミニウムアジュバントである、実施形態1〜15のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態18.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムまたはヒドロキシ炭酸アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含まない、実施形態1から〜15のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態19.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルを含む、実施形態1〜15のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態20.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルを含む、実施形態1〜15のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態21.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである、実施形態1〜15のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態22.前記不活性化HSVが、複製を減少させるDNA変異を含む、実施形態1〜21のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態23.前記不活性化HSVが、化学的不活性化によって形成される、実施形態1〜21のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態24.前記不活性化HSVが、前記HSVと、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させることによって形成される、実施形態1〜21のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態25.前記化学剤が、アジリジンである、実施形態24に記載のワクチン。
実施形態26.前記化学剤が、エチレンイミンである、実施形態24に記載のワクチン。
実施形態27.前記化学剤が、バイナリーエチレンイミンである、実施形態24に記載のワクチン。
実施形態28.前記化学剤が、β−プロピオラクトンである、実施形態24に記載のワクチン。
実施形態29.前記放射線が、紫外線である、実施形態24〜28のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態30.前記放射線が、電子ビーム線である、実施形態24〜28のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態31.前記放射線が、赤外線である、実施形態24〜28のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態32.前記放射線が、γ線である、実施形態24〜28のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態33.前記架橋剤が、アルデヒド架橋剤である、実施形態24〜32のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態34.前記架橋剤が、ホルムアルデヒドである、実施形態24〜32のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態35.前記架橋剤が、ホルマリンである、実施形態24〜32のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態36.前記酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウムである、実施形態24〜35のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態37.前記酸化剤が、過酸化水素である、実施形態24〜35のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態38.前記還元剤が、aldrithiol−2である、実施形態24〜37のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態39.前記界面活性剤が、Triton−X−100である、実施形態24〜38のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態40.前記界面活性剤が、NP−40である、実施形態24〜38のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態41.前記界面活性剤が、Tween−20である、実施形態24〜38のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態42.前記不活性化HSVが、前記HSVと、紫外線およびフロクマリンを含む1種または複数の作用剤とを接触させることによって形成される、実施形態1〜41のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態43.前記フロクマリンが、ソラレンである、実施形態1〜42のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態44.前記フロクマリンが、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである、実施形態1〜42のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態45.前記フロクマリンが、アンゲリシンである、実施形態1〜42のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態46.前記フロクマリンが、キサントトキシンである、実施形態1〜42のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態47.前記フロクマリンが、ベルガプテンである、実施形態1〜42のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態48.前記フロクマリンが、ノダケネチンである、実施形態1〜42のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態49.前記不活性化HSVが、HSV1の不活性化単一株である、実施形態1〜48のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態50.前記不活性化HSVが、HSV2の不活性化単一株である、実施形態1〜48のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態51.前記不活性化HSVが、HSV1の2種以上の不活性化株の組合せである、実施形態1〜48のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態52.前記不活性化HSVが、HSV2の2種以上の不活性化株の組合せである、実施形態1〜48のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態53.前記不活性化HSVが、HSV1の1種または複数の不活性化株およびHSV2の1種または複数の不活性化株の組合せである、実施形態1〜48のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態54.筋内投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態55.皮内投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態56.粘膜投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態57.鼻腔内投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態58.直腸内投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態59.腟内投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態60.局所投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態61.経皮膚的投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態62.皮下投与のために製剤される、実施形態1〜53のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態63.前記単離された核酸配列製剤が、抗原性の単離された核酸配列製剤である、実施形態2〜62のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態64.前記単離された核酸配列製剤が、DNAワクチンである、実施形態2〜62のいずれか一つに記載のHSVワクチン。
実施形態65.前記DNAワクチンが、抗原性の単離された核酸配列製剤である、実施形態64に記載のHSVワクチン。
実施形態66.HSV感染に対する前記ワクチンのレシピエントを、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、またはそれを超える年までワクチン接種する、実施形態1〜65のいずれか一つに記載のHSVワクチン。
実施形態67.治療有効量または予防的有効量の実施形態1〜66のいずれか一つに記載のHSVワクチンを投与することを含む、このような治療または予防を必要としている患者においてHSV感染を治療または予防する方法。
実施形態68.前記HSVが、HSV1である、実施形態67に記載の方法。
実施形態69.前記HSVが、HSV2である、実施形態67に記載の方法。
実施形態70.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態67に記載の方法。
実施形態71.前記HSV感染が、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛から選択される疾患を引き起こす、実施形態67〜70のいずれか一つに記載の方法。
実施形態72.治療有効量を含む、実施形態67〜71のいずれか一つに記載の方法。
実施形態73.予防的有効量を含む、実施形態67〜71のいずれか一つに記載の方法。
実施形態74.前記疾患を治療することを含む、実施形態67〜73のいずれか一つに記載の方法。
実施形態75.前記疾患を予防することを含む、実施形態67〜73のいずれか一つに記載の方法。
実施形態76.ウイルス排出の低減を含む、実施形態67〜75のいずれか一つに記載の方法。
実施形態77.病変の出現の頻度の低減を含む、実施形態67〜76のいずれか一つに記載の方法。
実施形態78.病変の出現の期間の低減を含む、実施形態67〜77のいずれか一つに記載の方法。
実施形態79.筋内投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態80.皮内投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態81.粘膜投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態82.鼻腔内投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態83.直腸内投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態84.腟内投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態85.局所投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態86.経皮膚的投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態87.皮下投与を含む、実施形態67〜78のいずれか一つに記載の方法。
実施形態88.単純ヘルペスウイルス(HSV)ワクチンを調製する方法であって、
HSV−細胞混合物と、硫酸化またはスルホン化多糖とを接触させるステップであって、前記HSV−細胞混合物が、HSV粒子、細胞および細胞のポーションを含むステップと、
前記HSV粒子を前記細胞から分離し、それによって単離したHSV粒子を形成するステップと、
前記単離したHSV粒子を不活性化し、それによって不活性化HSV粒子を形成するステップと、
前記不活性化HSV粒子と、リポ多糖に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントとを合わせ、それによってHSVワクチンを形成するステップとを含む方法。
実施形態89.前記HSVが、HSV1である、実施形態88に記載の方法。
実施形態90.前記HSVが、HSV2である、実施形態88に記載の方法。
実施形態91.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態88に記載の方法。
実施形態92.前記硫酸化またはスルホン化多糖が、デキストラン硫酸、ヘパリン、およびヘパラン硫酸から選択される、実施形態88〜91のいずれか一つに記載の方法。
実施形態93.前記HSV粒子を、107から1010(pfu/マイクログラムタンパク質)の濃度で単離される、実施形態88〜92のいずれか一つに記載の方法。
実施形態94.前記HSVワクチンが、107から1010(pfu当量/マイクログラムタンパク質)の不活性化HVを含む、実施形態88〜93のいずれか一つに記載の方法。
実施形態95.前記分離するステップが、遠心分離、ポリエチレングリコール沈殿、濾過、ゲル濾過、限外濾過、タンジェンシャルフロー限外濾過、またはアフィニティークロマトグラフィーを含む、実施形態88〜94のいずれか一つに記載の方法。
実施形態96.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタLPSに由来する、実施形態88〜95のいずれか一つに記載の方法。
実施形態97.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する、実施形態88〜95のいずれか一つに記載の方法。
実施形態98.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、R595LPSに由来する、実施形態88〜95のいずれか一つに記載の方法。
実施形態99.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、リピドAアジュバントである、実施形態88〜98のいずれか一つに記載の方法。
実施形態100.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態88〜98のいずれか一つに記載の方法。
実施形態101.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、モノホスホリルリピドAである、実施形態88〜98および100のいずれか一つに記載の方法。
実施形態102.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態88〜98および100のいずれか一つに記載の方法。
実施形態103.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである、実施形態88〜98、100および102のいずれか一つに記載の方法。
実施形態104.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、合成MPL類似体アジュバントである、実施形態88〜98および100〜103のいずれか一つに記載の方法。
実施形態105.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、TLR4タンパク質に結合することができる、実施形態88〜104のいずれか一つに記載の方法。
実施形態106.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバントである、実施形態88〜105のいずれか一つに記載の方法。
実施形態107.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、リン酸アルミニウムアジュバントである、実施形態88〜105のいずれか一つに記載の方法。
実施形態108.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムまたはヒドロキシ炭酸アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含まない、実施形態88〜105のいずれか一つに記載の方法。
実施形態109.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルを含む、実施形態88〜105のいずれか一つに記載の方法。
実施形態110.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルを含む、実施形態88〜105のいずれか一つに記載の方法。
実施形態111.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである、実施形態88〜105のいずれか一つに記載の方法。
実施形態112.前記不活性化するステップが、前記HSVと、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む、実施形態88〜111のいずれか一つに記載の方法。
実施形態113.前記化学剤が、アジリジンである、実施形態112に記載の方法。
実施形態114.前記化学剤が、エチレンイミンである、実施形態112に記載の方法。
実施形態115.前記化学剤が、バイナリーエチレンイミンである、実施形態112に記載の方法。
実施形態116.前記化学剤が、β−プロピオラクトンである、実施形態112に記載の方法。
実施形態117.前記放射線が、紫外線である、実施形態112〜116のいずれか一つに記載の方法。
実施形態118.前記放射線が、電子ビーム線である、実施形態112〜116のいずれか一つに記載の方法。
実施形態119.前記放射線が、赤外線である、実施形態112〜116のいずれか一つに記載の方法。
実施形態120.前記放射線が、γ線である、実施形態112〜116のいずれか一つに記載の方法。
実施形態121.前記架橋剤が、アルデヒド架橋剤である、実施形態112〜120のいずれか一つに記載の方法。
実施形態122.前記架橋剤が、ホルムアルデヒドである、実施形態112〜120のいずれか一つに記載の方法。
実施形態123.前記架橋剤が、ホルマリンである、実施形態112〜120のいずれか一つに記載の方法。
実施形態124.前記酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウムである、実施形態112〜123のいずれか一つに記載の方法。
実施形態125.前記酸化剤が、過酸化水素である、実施形態112〜123のいずれか一つに記載の方法。
実施形態126.前記還元剤が、aldrithiol−2である、実施形態112〜125のいずれか一つに記載の方法。
実施形態127.前記界面活性剤が、Triton−X−100である、実施形態112〜126のいずれか一つに記載の方法。
実施形態128.前記界面活性剤が、NP−40である、実施形態112〜126のいずれか一つに記載の方法。
実施形態129.前記界面活性剤が、Tween−20である、実施形態112〜126のいずれか一つに記載の方法。
実施形態130.前記不活性化するステップが、前記HSVと、紫外線およびフロクマリンを含む1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む、実施形態112〜129のいずれか一つに記載の方法。
実施形態131.前記フロクマリンが、ソラレンである、実施形態112〜130のいずれか一つに記載の方法。
実施形態132.前記フロクマリンが、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである、実施形態112〜130のいずれか一つに記載の方法。
実施形態133.前記フロクマリンが、アンゲリシンである、実施形態112〜130のいずれか一つに記載の方法。
実施形態134.前記フロクマリンが、キサントトキシンである、実施形態112〜130のいずれか一つに記載の方法。
実施形態135.前記フロクマリンが、ベルガプテンである、実施形態112〜130のいずれか一つに記載の方法。
実施形態136.前記フロクマリンが、ノダケネチンである、実施形態112〜130のいずれか一つに記載の方法。
実施形態137.それを必要としている対象に、DNAワクチンを投与することを含み、前記DNAワクチンが、ウイルス複製に必要とされる少なくとも1つの保存されているHSV遺伝子のポーションをコードするDNA配列を含む、対象において単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を予防または治療する方法。
実施形態138.前記HSVが、HSV1である、実施形態137に記載の方法。
実施形態139.前記HSVが、HSV2である、実施形態137に記載の方法。
実施形態140.前記DNAワクチンが、モノホスホリルリピドA(MPL)アジュバントをさらに含む、実施形態137〜139のいずれか一つに記載の方法。
実施形態141.前記DNAワクチンが、alumアジュバントをさらに含む、実施形態137〜140のいずれか一つに記載の方法。
実施形態142.前記DNAワクチンが、不活性化全HSV−2を含む、実施形態137〜141のいずれか一つに記載の方法。
実施形態143.前記DNAワクチンが、ホルマリン−不活性化HSV−2(FI−HSV−2)を含む、実施形態137〜141のいずれか一つに記載の方法。
実施形態144.前記DNA配列が、HSV−2からのDNAポリメラーゼの少なくともポーションをコードする、実施形態137〜141のいずれか一つに記載の方法。
実施形態145.前記DNAポリメラーゼが、HSV−2 UL30DNAポリメラーゼである、実施形態144に記載の方法。
実施形態146.前記DNAワクチンが、HSV−2分泌型糖タンパク質D2(gD2t)の少なくともポーションをコードするDNA分子をさらに含む、実施形態144に記載の方法。
実施形態147.前記DNA配列が、HSV−2からのヘリカーゼの少なくともポーションをコードする、実施形態137〜146のいずれか一つに記載の方法。
実施形態148.前記ヘリカーゼが、HSV−2 UL5ヘリカーゼである、実施形態147に記載の方法。
実施形態149.前記投与が、プライム−ブースト免疫化である、実施形態137〜148のいずれか一つに記載の方法。
実施形態150.ウイルス複製に必要とされる少なくとも1つの保存されているHSV遺伝子のポーションをコードするDNA配列を含むDNAワクチン。
実施形態151.前記HSVが、HSV1である、実施形態150に記載のDNAワクチン。
実施形態152.前記HSVが、HSV2である、実施形態150に記載のDNAワクチン。
実施形態153.モノホスホリルリピドA(MPL)アジュバントをさらに含む、実施形態150〜152のいずれか一つに記載のDNAワクチン。
実施形態154.alumアジュバントをさらに含む、実施形態150〜153のいずれか一つに記載のDNAワクチン。
実施形態155.不活性化全HSV−2を含む、実施形態150〜154のいずれか一つに記載のDNAワクチン。
実施形態156.ホルマリン−不活性化HSV−2(FI−HSV−2)を含む、実施形態150〜154のいずれか一つに記載のDNAワクチン。
実施形態157.前記DNA配列が、HSV−2からのDNAポリメラーゼの少なくともポーションをコードする、実施形態150〜154のいずれか一つに記載のDNAワクチン。
実施形態158.前記DNA配列が、HSV−2UL30DNAポリメラーゼである、実施形態157に記載のDNAワクチン。
実施形態159.前記DNAワクチンが、HSV−2分泌型糖タンパク質D2(gD2t)の少なくともポーションをコードするDNA分子をさらに含む、実施形態157に記載のDNAワクチン。
実施形態160.前記DNA配列が、HSV−2からのヘリカーゼの少なくともポーションをコードする、実施形態150〜159のいずれか一つに記載のDNAワクチン。
実施形態161.前記ヘリカーゼが、HSV−2UL5ヘリカーゼである、実施形態160に記載のDNAワクチン。
実施形態162.治療有効量または予防的有効量の実施形態1〜66のいずれか一つに記載のHSVワクチンを投与することを含む、このような治療または予防を必要としている患者において疾患を治療または予防する方法。
実施形態163.前記HSVが、HSV1である、実施形態162に記載の方法。
実施形態164.前記HSVが、HSV2である、実施形態162に記載の方法。
実施形態165.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態162に記載の方法。
実施形態166.前記疾患が、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛からなる群から選択される、実施形態162〜165のいずれか一つに記載の方法。
実施形態167.前記疾患が、ヘルペス性歯肉口内炎である、請求項166に記載の方法。
実施形態168.前記疾患が、口唇ヘルペスである、請求項166に記載の方法。
実施形態169.前記疾患が、陰部ヘルペスである、請求項166に記載の方法。
実施形態170.前記疾患が、ヘルペス性ひょう疽である、請求項166に記載の方法。
実施形態171.前記疾患が、剣状ヘルペスである、請求項166に記載の方法。
実施形態172.前記疾患が、ヘルペスウイルス脳炎である、請求項166に記載の方法。
実施形態173.前記疾患が、ヘルペスウイルス髄膜炎である、請求項166に記載の方法。
実施形態174.前記疾患が、ヘルペス性食道炎である、請求項166に記載の方法。
実施形態175.前記疾患が、ヘルペス性角膜炎である、請求項166に記載の方法。
実施形態176.前記疾患が、ベル麻痺である、請求項166に記載の方法。
実施形態177.前記疾患が、モラレー髄膜炎である、請求項166に記載の方法。
実施形態178.前記疾患が、ヘルペスルグベイオルムである、請求項166に記載の方法。
実施形態179.前記疾患が、疱疹性湿疹である、請求項166に記載の方法。
実施形態180.前記疾患が、ヘルペス神経痛である、請求項166に記載の方法。
実施形態181.前記疾患が、ヘルペス後神経痛である、請求項166に記載の方法。
実施形態182.前記疾患が、アルツハイマー病である、請求項166に記載の方法。
実施形態183.治療有効量のHSVワクチンを含む、実施形態162〜182のいずれか一つに記載の方法。
実施形態184.予防的有効量のHSVワクチンを含む、実施形態162〜182のいずれか一つに記載の方法。
実施形態185.前記疾患を治療することを含む、実施形態162〜183のいずれか一つに記載の方法。
実施形態186.前記疾患を予防することを含む、実施形態162〜184のいずれか一つに記載の方法。
実施形態187.ウイルス排出の低減を含む、実施形態162〜186のいずれか一つに記載の方法。
実施形態188.病変の出現の頻度の低減を含む、実施形態162〜187のいずれか一つに記載の方法。
実施形態189.病変の出現の期間の低減を含む、実施形態162〜188のいずれか一つに記載の方法。
実施形態190.筋内投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態191.皮内投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態192.粘膜投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態193.鼻腔内投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態194.直腸内投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態195.腟内投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態196.局所投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態197.経皮膚的投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態198.皮下投与を含む、実施形態162〜189のいずれか一つに記載の方法。
実施形態199.プライムHSV DNAワクチンの投与を含まない、実施形態162〜198のいずれか一つに記載の方法。
実施形態200.HSV DNAワクチンの投与を含まない、実施形態162〜199のいずれか一つに記載の方法。
実施形態201.UL30、UL5、D2、gD2t、またはそのポーションから選択される遺伝子を含むDNAワクチンの投与を含まない、実施形態162〜198のいずれか一つに記載の方法。
実施形態202.不活性化HV、リポ多糖(LPS)に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントを含むヘルペスウイルス(HV)ワクチン。
実施形態203.前記LPSに由来するアジュバントが、MPLであり、
前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウムアジュバントであり、
前記ワクチンが、単離された核酸配列製剤を含まない、実施形態202に記載のワクチン。
実施形態204.前記HVが、HHV−3である、実施形態202〜203のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態205.前記HVが、HHV−4である、実施形態202〜203のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態206.前記HVが、HHV−5である、実施形態202〜203のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態207.前記HVが、HHV−6である、実施形態202〜203のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態208.前記HVが、HHV−7である、実施形態202〜203のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態209.前記HVが、HHV−8である、実施形態202〜203のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態210.前記HVが、単純ヘルペスウイルス(HSV)である、実施形態202〜203のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態211.前記HSVが、HSV1である、実施形態210に記載のワクチン。
実施形態212.前記HSVが、HSV2である、実施形態210に記載のワクチン。
実施形態213.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態210に記載のワクチン。
実施形態214.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタLPSに由来する、実施形態202〜213のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態215.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する、実施形態202〜213のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態216.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、R595LPSに由来する、実施形態202〜213のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態217.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、リピドAアジュバントである、実施形態202〜216のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態218.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態202〜216のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態219.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、モノホスホリルリピドAである、実施形態202〜216のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態220.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態202〜216および218のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態221.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである、実施形態202〜216および218〜220のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態222.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、TLR4タンパク質に結合することができる、実施形態202〜221のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態223.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、合成MPL類似体アジュバントである、実施形態202〜222のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態224.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバントである、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態225.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、リン酸アルミニウムアジュバントである、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態226.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、adju−phosである、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態227.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、alhydrogelである、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態228.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態229.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムまたはヒドロキシ炭酸アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含まない、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態230.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルを含む、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態231.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルを含む、実施形態202〜223のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態232.前記不活性化HVが、複製を減少させるDNA変異を含む、実施形態202〜231のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態233.前記不活性化HVが、化学的不活性化によって形成される、実施形態202〜231のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態234.前記不活性化HVが、前記HVと、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させることによって形成される、実施形態202〜231のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態235.前記化学剤が、アジリジンである、実施形態234に記載のワクチン。
実施形態236.前記化学剤が、エチレンイミンである、実施形態234に記載のワクチン。
実施形態237.前記化学剤が、バイナリーエチレンイミンである、実施形態234に記載のワクチン。
実施形態238.前記化学剤が、β−プロピオラクトンである、実施形態234に記載のワクチン。
実施形態239.前記放射線が、紫外線である、実施形態234〜238のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態240.前記放射線が、電子ビーム線である、実施形態234〜238のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態241.前記放射線が、赤外線である、実施形態234〜238のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態242.前記放射線が、γ線である、実施形態234〜238のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態243.前記架橋剤が、アルデヒド架橋剤である、実施形態234〜242のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態244.前記架橋剤が、ホルムアルデヒドである、実施形態234〜242のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態245.前記架橋剤が、ホルマリンである、実施形態234〜242のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態246.前記酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウムである、実施形態234〜245のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態247.前記酸化剤が、過酸化水素である、実施形態234〜245のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態248.前記還元剤が、aldrithiol−2である、実施形態234〜245のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態249.前記界面活性剤が、Triton−X−100である、実施形態234〜246のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態250.前記界面活性剤が、NP−40である、実施形態234〜246のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態251.前記界面活性剤が、Tween−20である、実施形態234〜246のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態252.前記不活性化HVが、前記HVと、紫外線およびフロクマリンを含む1種または複数の作用剤とを接触させることによって形成される、実施形態234〜251のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態253.前記フロクマリンが、ソラレンである、実施形態234〜252のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態254.前記フロクマリンが、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである、実施形態234〜252のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態255.前記フロクマリンが、アンゲリシンである、実施形態234〜252のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態256.前記フロクマリンが、キサントトキシンである、実施形態234〜252のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態257.前記フロクマリンが、ベルガプテンである、実施形態234〜252のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態258.前記フロクマリンが、ノダケネチンである、実施形態234〜252のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態259.前記不活性化HVが、HVの不活性化単一株である、実施形態202〜258のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態260.前記不活性化HVが、HVの2種以上の不活性化株の組合せである、実施形態202〜258のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態261.前記不活性化HVが、HSV1の不活性化単一株である、実施形態259に記載のワクチン。
実施形態262.前記不活性化HVが、HSV2の不活性化単一株である、実施形態259に記載のワクチン。
実施形態263.前記不活性化HVが、HSV1の2種以上の不活性化株の組合せである、実施形態260に記載のワクチン。
実施形態264.前記不活性化HVが、HSV2の2種以上の不活性化株の組合せである、実施形態260に記載のワクチン。
実施形態265.前記不活性化HVが、HSV1の1種または複数の不活性化株およびHSV2の1種または複数の不活性化株の組合せである、実施形態202〜258のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態266.筋内投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態267.皮内投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態268.粘膜投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態269.鼻腔内投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態270.直腸内投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態271.腟内投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態272.局所投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態273.経皮膚的投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態274.皮下投与のために製剤される、実施形態202〜265のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態275.前記単離された核酸配列製剤が、抗原性の単離された核酸配列製剤である、実施形態202〜274のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態276.前記単離された核酸配列製剤が、DNAワクチンである、実施形態203〜275のいずれか一つに記載のHVワクチン。
実施形態277.前記DNAワクチンが、抗原性の単離された核酸配列製剤である、実施形態276に記載のHVワクチン。
実施形態278.HV感染に対する前記ワクチンのレシピエントを、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、またはそれを超える年までワクチン接種する、実施形態202〜277のいずれか一つに記載のHVワクチン。
実施形態279.ヘルペスウイルス(HV)ワクチンを調製する方法であって、
HV−細胞混合物と、硫酸化またはスルホン化多糖とを接触させるステップであって、前記HV−細胞混合物が、HV粒子、細胞および細胞のポーションを含むステップと、
前記HV粒子を前記細胞から分離し、それによって単離したHV粒子を形成するステップと、
前記単離したHV粒子を不活性化し、それによって不活性化HV粒子を形成するステップと、
前記不活性化HV粒子と、リポ多糖に由来するアジュバントおよびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントとを合わせ、それによってHVワクチンを形成するステップと
を含む方法。
実施形態280.前記HVが、HHV−1である、実施形態279に記載の方法。
実施形態281.前記HVが、HHV−2である、実施形態279に記載の方法。
実施形態282.前記HVが、HHV−3である、実施形態279に記載の方法。
実施形態283.前記HVが、HHV−4である、実施形態279に記載の方法。
実施形態284.前記HVが、HHV−5である、実施形態279に記載の方法。
実施形態285.前記HVが、HHV−6である、実施形態279に記載の方法。
実施形態286.前記HVが、HHV−7である、実施形態279に記載の方法。
実施形態287.前記HVが、HHV−8である、実施形態279に記載の方法。
実施形態288.前記HVが、HSVである、実施形態279に記載の方法。
実施形態289.前記HSVが、HSV1である、実施形態288に記載の方法。
実施形態290.前記HSVが、HSV2である、実施形態288に記載の方法。
実施形態291.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態288に記載の方法。
実施形態292.前記硫酸化またはスルホン化多糖が、デキストラン硫酸、ヘパリン、およびヘパラン硫酸から選択される、実施形態279〜291のいずれか一つに記載の方法。
実施形態293.前記HV粒子を、107から1010(pfu/マイクログラムタンパク質)の濃度で単離する、実施形態279〜292のいずれか一つに記載の方法。
実施形態294.前記HVワクチンが、107から1010(pfu当量/マイクログラムタンパク質)の不活性化HVを含む、実施形態279〜293のいずれか一つに記載の方法。
実施形態295.前記分離するステップが、遠心分離、ポリエチレングリコール沈殿、濾過、ゲル濾過、限外濾過、タンジェンシャルフロー限外濾過、またはアフィニティークロマトグラフィーを含む、実施形態279〜294のいずれか一つに記載の方法。
実施形態296.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタLPSに由来する、実施形態279〜295のいずれか一つに記載の方法。
実施形態297.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、サルモネラミネソタRe595LPSに由来する、実施形態279〜295のいずれか一つに記載の方法。
実施形態298.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、R595LPSに由来する、実施形態279〜295のいずれか一つに記載の方法。
実施形態299.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、リピドAアジュバントである、実施形態279〜298のいずれか一つに記載の方法。
実施形態300.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態279〜298のいずれか一つに記載の方法。
実施形態301.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、モノホスホリルリピドAである、実施形態279〜298および300のいずれか一つに記載の方法。
実施形態302.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、1−ホスフェート部分を有さないリピドAアジュバントである、実施形態279〜298および300のいずれか一つに記載の方法。
実施形態303.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAである、実施形態279〜298および300〜302のいずれか一つに記載の方法。
実施形態304.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、合成MPL類似体アジュバントである、実施形態279〜298および300〜303のいずれか一つに記載の方法。
実施形態305.前記リポ多糖に由来するアジュバントが、TLR4タンパク質に結合することができる、実施形態279〜304のいずれか一つに記載の方法。
実施形態306.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、水酸化アルミニウムアジュバントである、実施形態279〜305のいずれか一つに記載の方法。
実施形態307.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、リン酸アルミニウムアジュバントである、実施形態279〜305のいずれか一つに記載の方法。
実施形態308.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、結晶性水酸化アルミニウムを含み、アモルファス水酸化アルミニウムまたはヒドロキシ炭酸アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含まない、実施形態279〜305のいずれか一つに記載の方法。
実施形態309.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態のリン酸アルミニウムゲルを含む、実施形態279〜305のいずれか一つに記載の方法。
実施形態310.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、白色のゼラチン状沈殿物の形態の水酸化アルミニウムゲルを含む、実施形態279〜305のいずれか一つに記載の方法。
実施形態311.前記アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントが、硫酸アルミニウムカリウムアジュバントである、実施形態279〜305のいずれか一つに記載の方法。
実施形態312.前記不活性化するステップが、前記HVと、架橋剤、酸化剤、還元剤、熱、放射線、界面活性剤、pH変更剤、ならびにフロクマリン、アジリジン、エチレンイミン、バイナリーエチレンイミン、およびβ−プロピオラクトンから選択される化学剤から選択される1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む、実施形態279〜311のいずれか一つに記載の方法。
実施形態313.前記化学剤が、アジリジンである、実施形態312に記載の方法。
実施形態314.前記化学剤が、エチレンイミンである、実施形態312に記載の方法。
実施形態315.前記化学剤が、バイナリーエチレンイミンである、実施形態312に記載の方法。
実施形態316.前記化学剤が、β−プロピオラクトンである、実施形態312に記載の方法。
実施形態317.前記放射線が、紫外線である、実施形態312〜316のいずれか一つに記載の方法。
実施形態318.前記放射線が、電子ビーム線である、実施形態312〜316のいずれか一つに記載の方法。
実施形態319.前記放射線が、赤外線である、実施形態312〜316のいずれか一つに記載の方法。
実施形態320.前記放射線が、γ線である、実施形態312〜316のいずれか一つに記載の方法。
実施形態321.前記架橋剤が、アルデヒド架橋剤である、実施形態312〜320のいずれか一つに記載の方法。
実施形態322.前記架橋剤が、ホルムアルデヒドである、実施形態312〜320のいずれか一つに記載の方法。
実施形態323.前記架橋剤が、ホルマリンである、実施形態312〜320のいずれか一つに記載の方法。
実施形態324.前記酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウムである、実施形態312〜323のいずれか一つに記載の方法。
実施形態325.前記酸化剤が、過酸化水素である、実施形態312〜323のいずれか一つに記載の方法。
実施形態326.前記還元剤が、aldrithiol−2である、実施形態312〜325のいずれか一つに記載の方法。
実施形態327.前記界面活性剤が、Triton−X−100である、実施形態312〜326のいずれか一つに記載の方法。
実施形態328.前記界面活性剤が、NP−40である、実施形態312〜326のいずれか一つに記載の方法。
実施形態329.前記界面活性剤が、Tween−20である、実施形態312〜326のいずれか一つに記載の方法。
実施形態330.前記不活性化するステップが、前記HVと、紫外線およびフロクマリンを含む1種または複数の作用剤とを接触させるステップを含む、実施形態312〜329のいずれか一つに記載の方法。
実施形態331.前記フロクマリンが、ソラレンである、実施形態312〜330のいずれか一つに記載の方法。
実施形態332.前記フロクマリンが、4’−アミノメチル−4,5’,8−トリメチルソラレンである、実施形態312〜330のいずれか一つに記載のワクチン。
実施形態333.前記フロクマリンが、アンゲリシンである、実施形態312〜330のいずれか一つに記載の方法。
実施形態334.前記フロクマリンが、キサントトキシンである、実施形態312〜330のいずれか一つに記載の方法。
実施形態335.前記フロクマリンが、ベルガプテンである、実施形態312〜330のいずれか一つに記載の方法。
実施形態336.前記フロクマリンが、ノダケネチンである、実施形態312〜330のいずれか一つに記載の方法。
実施形態337.治療有効量または予防的有効量の実施形態202〜278のいずれか一つに記載のHVワクチンを投与することを含む、このような治療または予防を必要とする患者においてHV感染を治療または予防する方法。
実施形態338.前記HVが、HHV−1である、実施形態337に記載の方法。
実施形態339.前記HVが、HHV−2である、実施形態337に記載の方法。
実施形態340.前記HVが、HHV−3である、実施形態337に記載の方法。
実施形態341.前記HVが、HHV−4である、実施形態337に記載の方法。
実施形態342.前記HVが、HHV−5である、実施形態337に記載の方法。
実施形態343.前記HVが、HHV−6である、実施形態337に記載の方法。
実施形態344.前記HVが、HHV−7である、実施形態337に記載の方法。
実施形態345.前記HVが、HHV−8である、実施形態337に記載の方法。
実施形態346.前記HVが、HSVである、実施形態337に記載の方法。
実施形態347.前記HSVが、HSV1である、実施形態346に記載の方法。
実施形態348.前記HSVが、HSV2である、実施形態346に記載の方法。
実施形態349.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態346に記載の方法。
実施形態350.前記HV感染が、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛から選択される疾患を引き起こす、実施形態337〜349のいずれか一つに記載の方法。
実施形態351.治療有効量または予防的有効量の実施形態202〜278のいずれか一つに記載のHVワクチンを投与することを含む、このような治療または予防を必要としている患者において疾患を治療または予防する方法。
実施形態352.前記疾患が、HVが関連する疾患である、実施形態351に記載の方法。
実施形態353.前記HVが、HSVである、実施形態351〜352のいずれか一つに記載の方法。
実施形態354.前記HSVが、HSV1である、実施形態353に記載の方法。
実施形態355.前記HSVが、HSV2である、実施形態353に記載の方法。
実施形態356.前記HSVが、HSV1およびHSV2である、実施形態353に記載の方法。
実施形態357.前記疾患が、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、ヘルペスウイルス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、ヘルペス性食道炎、ヘルペス性角膜炎、ベル麻痺、モラレー髄膜炎、ヘルペスルグベイオルム、疱疹性湿疹、ヘルペス神経痛、およびヘルペス後神経痛からなる群から選択される、実施形態351〜356のいずれか一つに記載の方法。
実施形態358.前記疾患が、ヘルペス性歯肉口内炎である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態359.前記疾患が、口唇ヘルペスである、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態360.前記疾患が、陰部ヘルペスである、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態361.前記疾患が、ヘルペス性ひょう疽である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態362.前記疾患が、剣状ヘルペスである、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態363.前記疾患が、ヘルペスウイルス脳炎である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態364.前記疾患が、ヘルペスウイルス髄膜炎である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態365.前記疾患が、ヘルペス性食道炎である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態366.前記疾患が、ヘルペス性角膜炎である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態367.前記疾患が、ベル麻痺である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態368.前記疾患が、モラレー髄膜炎である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態369.前記疾患が、ヘルペスルグベイオルムである、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態370.前記疾患が、疱疹性湿疹である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態371.前記疾患が、ヘルペス神経痛である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態372.前記疾患が、ヘルペス後神経痛である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態373.前記疾患が、アルツハイマー病である、実施形態350または357のいずれか一つに記載の方法。
実施形態374.治療方法である、実施形態337〜373のいずれか一つに記載の方法。
実施形態375.予防方法である、実施形態337〜373のいずれか一つに記載の方法。
実施形態376.治療有効量のHVワクチンを含む、実施形態337〜375のいずれか一つに記載の方法。
実施形態377.予防的有効量のHVワクチンを含む、実施形態337〜375のいずれか一つに記載の方法。
実施形態378.ウイルス排出の低減を含む、実施形態337〜377のいずれか一つに記載の方法。
実施形態379.病変の出現の頻度の低減を含む、実施形態337〜378のいずれか一つに記載の方法。
実施形態380.病変の出現の期間の低減を含む、実施形態337〜379のいずれか一つに記載の方法。
実施形態381.筋内投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態382.皮内投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態383.粘膜投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態384.鼻腔内投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態385.直腸内投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態386.腟内投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態387.局所投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態388.経皮膚的投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態389.皮下投与を含む、実施形態337〜380のいずれか一つに記載の方法。
実施形態390.単離された核酸配列製剤が、前記患者に投与されない、実施形態337〜389のいずれか一つに記載の方法。
実施形態391.前記単離された核酸配列製剤が、DNA配列である、実施形態390に記載の方法。
実施形態392.前記単離された核酸配列製剤が、核酸ワクチンである、実施形態390に記載の方法。
実施形態393.前記単離された核酸配列製剤が、DNAワクチンである、実施形態390に記載の方法。
実施形態394.プライムHV DNAワクチンの投与を含まない、実施形態337〜389のいずれか一つに記載の方法。
実施形態395.HV DNAワクチンの投与を含まない、実施形態337〜389のいずれか一つに記載の方法。
実施形態396.HSV UL30、UL5、gD2、gD2t、またはそのポーションから選択される遺伝子を含むDNAワクチンの投与を含まない、実施形態337〜389のいずれか一つに記載の方法。
実施形態397.前記HVワクチンの単回投与からなる、実施形態337〜396のいずれか一つに記載の方法。
実施形態398.前記HVワクチンのプライム−ブースト投与からなる、実施形態337〜396のいずれか一つに記載の方法。
実施形態399.前記HVワクチンのプライム−ブースト−ブースト投与からなる、実施形態337〜396のいずれか一つに記載の方法。
実施形態400.実施形態202〜278のいずれか一つに記載のHVワクチン、および患者に前記HVワクチンを投与するための説明書を含むキット。
実施形態401.前記HVワクチンを、プライム−ブースト投与において投与する、実施形態400に記載のキット。
実施形態402.前記HVワクチンが、前記HVワクチンを投与された対象を前記HVの複数の株から防御する、実施形態1〜66、150〜161、および202〜278のいずれか一つに記載のHVワクチン。
実施形態403.前記HVワクチンが、前記HVの複数の株からの前記HVワクチンを投与された対象をワクチン接種する、実施形態1〜66、150〜161、および202〜278のいずれか一つに記載のHVワクチン。
実施形態404.前記HVワクチンが、前記HVの複数の株のための前記HVワクチンを投与された対象を治療する、実施形態1〜66、150〜161、および202〜278のいずれか一つに記載のHVワクチン。
実施形態405.前記患者が、前記投与に続いて前記HVの1種または複数の株に対してワクチン接種される、実施形態67〜87、137〜149、162〜201、および337〜399のいずれか一つに記載の方法。
実施形態406.前記患者が、前記投与に続いて前記HVの1種または複数の株に対して防御される、実施形態67〜87、137〜149、162〜201、および337〜399のいずれか一つに記載の方法。
実施形態407.前記患者が、前記投与に続いて前記HVの1種または複数の株について治療される、実施形態67〜87、137〜149、162〜201、および337〜399のいずれか一つに記載の方法。
実施形態408.前記HVワクチンが、前記HVの複数の株からの前記HVワクチンを投与された対象をワクチン接種する、実施形態400〜401のいずれか一つに記載のキット。
実施形態409.前記HVワクチンが、前記HVの複数の株からの前記HVワクチンを投与された対象を防御する、実施形態400〜401のいずれか一つに記載のキット。
実施形態410.前記HVワクチンが、前記HVの複数の株のための前記HVワクチンを投与された対象を治療する、実施形態400〜401のいずれか一つに記載のキット。
【実施例】
【0158】
とりわけ、ウイルス複製に必要とされる保存されているHSV−2遺伝子をコードするDNAワクチン、ならびにモノホスホリルリピドA(MPL)およびアルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバントと一緒に不活性化全HSV−2からなるワクチンを使用する方法を提供する。HSV−2のDNAポリメラーゼ(UL30)またはヘリカーゼ(UL5)遺伝子による免疫化は、CD8+T細胞応答を誘発することが見出され、分泌型糖タンパク質D2(gD2t)をコードするDNAとのUL30の同時免疫化は、gD2t DNA単独による免疫化と比較したとき、致死的な膣内(i.vag.)負荷の後に疾患に対する僅かに増加した防御をもたらした。疾患、死亡、およびウイルス排出に対する防御は、gD2tタンパク質サブユニットワクチンと比較したときに、ホルマリン−不活性化全HSV−2(FI−HSV2)で免疫化されたマウスにおいてより大きかった。UL5、UL30、gD2t DNAおよびFI−HSV2によるプライム−ブースト免疫化は、膣疾患に対する殆ど完全な防御をもたらした。リン酸アルミニウム(Adju−Phos)アジュバント中のDNAワクチン、FI−HSV2、およびMPLによる単一製剤による免疫化は、FI−HSV2/MPL/Adju−Phos単独に対して防御の増強を与えなかった。最も際立って、MPLおよびAlhydrogelアジュバントと一緒のFI−HSV2による筋内の免疫化は、負荷およびそれに続く長期間(17週間)の再負荷の両方の後に、マウスの大部分において検出不可能なレベルのHSV−2排出をもたらした(<10PFU)。
【0159】
理論に束縛されるものではないが、ウイルス複製のために必須であり、進化的に保存されているウイルスの生活環の初期に発現される遺伝子は、細胞性免疫応答のための有益なワクチン標的であり得ると考えられている。別のヘルペスウイルス負荷モデルであるマウスサイトメガロウイルス(MCMV)を使用して、本発明者らは、保存されている必須遺伝子であるDNAポリメラーゼおよびヘリカーゼをコードするDNAワクチンに対して生じたCD8+T細胞応答が防御的であったことを示した(Morello、 C. S.ら、J. Virol.、81:7766〜7775頁(2007年))。DNA免疫化を不活性化ウイルスおよびアジュバントブーストと合わせたときに、マウスは、全身的負荷に続いて標的器官におけるウイルス複製に対して完全に防御された(Morello、 C. S.ら、J. Virol.、79:159〜175頁(2005年);Morello、 C. S.、M. Ye.、およびD. H. Spector.、J. Virol.、76:4822〜4835頁(2002年))。重要なことに、マウスは、全身的プライム−ブースト免疫化の後で粘膜の負荷に対して殆ど完全に防御された(Morello、 C. S.ら、J. Virol.、79:159〜175頁(2005年))。
【0160】
上記の研究に基づいて、本発明者らは、相同HSV−2ワクチン標的および同様のプライム−ブースト戦略が、マウスにおけるi.vag.のHSV−2負荷に対して効果的であり得るかについて試験した。ウイルスDNA複製に必要とされる遺伝子であるUL30(HSV−2DNAポリメラーゼ)およびUL5(ヘリカーゼ)をコードするDNAワクチンを、単独で、または切断型糖タンパク質D2(gD2t)プラスミドと一緒に試験した。DNAでプライムした動物を、続いてMPL/Alumを伴うgD2tタンパク質、またはMPL/Alumと一緒のホルマリン不活性化HSV−2(FI−HSV2)でブーストした。比較のために、さらなる群は、GSK治験において投与されたもの(MPL/alum単独と共に製剤された精製したgD2tタンパク質)のワクチンと同様のワクチンを受けた。本発明者らはまた、DNAの存在下または非存在下で、アジュバントおよびFI−HSV2からなる単一の製剤ワクチンを試験した。i.vag.のHSV−2負荷に続いて、ワクチンの防御的有効性を、急性疾患およびウイルス排出のアウトカム、ならびにそれに続く負荷に対する防御に関して比較した。
【0161】
本発明者らの結果によって、下記について明らかになった。1)HSV−2遺伝子をコードするDNAをワクチンとして単独で使用したとき、ミックス中にgD2tプラスミドを含むことは、致死性および疾患に対する防御、ならびにHSV−2負荷からもたらされるウイルス排出の低減を実現するために決定的であった。2)MPL/alumを伴うgD2tタンパク質で免疫化されたマウスは、FI−HSV−2およびMPL/alumを受けたマウスと比較して、より多くの死亡、より高い疾患スコア、およびウイルス排出のレベルの増加を有した。3)マウスがgD2t、UL5およびUL30DNAを含有するDNAワクチンで最初に免疫化されたとき、MPL/Alum中のFI−HSV−2のブーストは、MPL/alum中のgD2tタンパク質のブーストよりも、i.vag.のHSV−2負荷に続く疾患およびウイルス排出に対してより大きな防御を実現した。4)MPL/Alum中のFI−HSV−2のみを含有する最適化されたワクチンは、致死的な粘膜(i.vag.)の短期間の負荷および長期間の再負荷後に、HSV−2ウイルス排出に対して殆ど完全な防御を実現した。5)MPL/Alum中のFI−HSV−2への空ベクターDNA、またはHSV−2遺伝子をコードするDNAの添加は、単一の製剤ワクチンの有効性を低減させた。
【0162】
最初の研究は、マウスモデルを使用したサイトメガロウイルスに対するワクチンの開発に焦点を合わせた。本発明者らは、マウスサイトメガロウイルス(MCMV)複製に対する防御の増加が、強力なアジュバント、例えば、Alum中の死滅全ウイルス(ホルマリン−不活性化)を含んだワクチンによって、CD8+−T−細胞が媒介する免疫応答、および複数のエピトープに対する防御的抗体応答を拡大することによって達成できるかについての可能性を探究し始めた。本発明者らの結果は、alum中のホルマリン−不活性化マウスサイトメガロウイルス(FI−MCMV)による従前のワクチン接種が、マウスが高用量の毒性ウイルスで負荷されたとき、MCMV遺伝子をコードする様々なDNAによる比較上のワクチン接種より、脾臓および特に唾液腺においてウイルスの力価のより大きな低減を実現したことを示した(Morelloら、2002年;Morelloら、2005年)。
【0163】
単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)感染は、生涯に亘り再発性の生殖器疾患、無症候性ウイルス排出、および伝染をもたらし得る。今日までにワクチンによる臨床的に有意な防御は示されてこなかった。ここで、本発明者らは、生殖器HSV−2感染のマウスモデルを使用して、モノホスホリルリピドA(MPL)およびalumアジュバントと共に製剤したホルマリン−不活性化全HSV−2(FI−HSV2)からなるワクチンの有効性を試験した。ワクチン構成要素を、単独で、あるいは切断型糖タンパク質D2(gD2t)をコードするDNAワクチン、ならびにウイルス複製に必要とされる2つの保存されているHSV−2遺伝子であるUL5(DNAヘリカーゼ)およびUL30(DNAポリメラーゼ)と一緒にプライム−ブースト免疫化として投与した。本発明者らの結果を、下記を示す。1)mock免疫化された対照と比較して、FI−HSV2およびMPL/Alumで免疫化されたマウスは、疾患負担および総ウイルス排出に対する防御を一貫して示し、一方、MPL/alumを伴うgD2tタンパク質で免疫化されたマウスはそうではなかった;2)生殖器疾患およびウイルス複製に対する防御は、プライム−ブースト免疫化におけるブーストのタイプと相関し、DNAプライムにより利点はあまりもたらされなかった;3)MPL/Alhydrogelアジュバント中のFI−HSV2による筋内(i.m.)免疫化は、致死的な膣内(i.vag.)の短期間の負荷および長期間の再負荷後に、膣のHSV−2排出に対する殆ど完全な防御を実現した;4)リン酸アルミニウム(Adju−Phos)アジュバント中のDNAワクチン、FI−HSV2、およびMPLによる単一製剤による免疫化は、FI−HSV2/MPL/Adju−Phos単独に対して防御を増加させなかった;5)FI−HSV2へのMPL/Alumの添加は、疾患、ウイルス複製、および後根神経節(DRG)における潜在ウイルス量に対する最適な防御のために必要とされた。最もとりわけ、FI−HSV2 MPL/Alhydrogelの最適化されたワクチン製剤(i.m.に与える)は、動物の大部分における検出可能な膣のHSV−2排出、および全ての動物のDRGにおけるHSV−2潜在DNAに対して完全に防御した。
【0164】
A.材料および方法
細胞およびウイルス。ベロ細胞(ATCC CLL−81)は、ATCCから購入し、5%熱−不活性化ウシ胎仔血清(HI−FBS)、5%熱−不活性化子ウシ血清(HI−NCS)、100Uペニシリンおよび100μgのストレプトマイシン(1ml毎)、ならびに2mMのさらなるL−グルタミンを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。293FT細胞(Invitrogen)を、上記のような10%HI−FBS、1xMEM非必須アミノ酸、ペニシリン、ストレプトマイシン、およびさらなるグルタミンで補充したDMEM(1リットル毎に4.5gのグルコース)中で増殖させた。血清および補充物は、Invitrogen Life Technologiesからであった。
【0165】
HSV−2株G(Ejercito、 P. M.ら、J. Gen. Virol.、2:357〜364頁(1968年))はDavid M.Knipeからの寄贈であり、上記のように0.1のMOIでのコンフルエントなベロ単層の感染によって増殖させ、33℃にて72時間インキュベートし、次いで、細胞内ウイルスを収集した(Dudek、 T.ら、Virology、372:165〜175頁(2008年))。このHSV−2ストックは、酢酸メドロキシプロゲステロン処理された(下記を参照されたい)BALB/cマウスにおいて、i.vag.感染に続いて、ベロ細胞上で2.08×108PFUの力価(1ml毎)および概ね5×103PFUのLD50を有した。
【0166】
細胞に結合した細胞外ウイルスから調製されたFI−HSV2を、0.05〜0.1のMOIでのコンフルエントなベロ細胞単層の感染、および33℃での3日間のインキュベーションに続いて得た。細胞をフラスコから取り出し、ペレット化し、7分の1の容量の感染した培地に再懸濁させ、Misonixカップホーン超音波処理器中で超音波処理した。超音波処理物を、500×gでの5分間の遠心分離によって清澄化した。このように得られたペレットを、トリス−緩衝生理食塩水(TBS)に再懸濁し、Tenbroeckホモジナイザーでホモジナイズした。ホモジネートを上記のように遠心分離によって清澄化し、このように得られた上清を第1の上清と合わせた。合わせた上清を、4000×gで15分間再び清澄化し、上清中のウイルスを、SW−27ローターにおいて25,000RPMにて1時間、トリス−緩衝生理食塩水(TBS)中の25%(w/v)ソルビトールのクッションを通した超遠心分離によって濃縮した。ペレットをTBSに一晩再懸濁させ、ウイルスを上記のように超遠心分離によって再ペレット化し、ペレットをTBSに再懸濁させた。このように得られた調製物を、ベロ細胞上のプラークアッセイによって感染性ウイルスについて、およびBSA(Pierce)標準物質を伴うBradfordタンパク質アッセイ(Bio−Rad)によってタンパク質含有量について分析した。不活性化のために、37%(w/v)ホルムアルデヒドストック溶液を、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS、Invitrogen)に2000倍に希釈し、等しい容量をウイルスに加えた(1:4000または0.009%の最終ホルムアルデヒド希釈)。転倒型ミクシングによる37℃での72時間のインキュベーションの後に、等モルの亜硫酸水素ナトリウムを加えて、残留ホルムアルデヒドをクエンチし、0.1mlのホルマリンで処理したウイルスを使用して、ベロ細胞を感染させ、検出可能な感染性が存在しないことを確認した。不活性化ウイルスを、アリコートにして−80℃にて保存した。調製物は、1ml毎に7×107PFU当量の力価、および1μgのタンパク質毎に4×104PFUの事前不活性化タンパク質含有量を有した。FI−Mockを、上記のようなmock感染したベロ細胞および培地から並行して調製した。
【0167】
培地を感染後5日目に収集したこと以外は、上記のFI−HSV2に関する限りは、感染し、インキュベートしたベロ細胞のウイルス含有培地からFI−HSV2を調製した。培地を遠心分離(最初、500×gで5分間、続いて4000×gで15分間)によって2回清澄化した。結果として生じた上清中のウイルスを、DPBS中の25%(w/v)スクロースのクッションを通すこと以外は上記のように超遠心分離によって濃縮した。ウイルスペレットを、氷上で一晩DPBSに再懸濁させ、合わせたウイルスを力価測定し、タンパク質含有量について分析し、不活性化し、クエンチし、感染性が存在しないことを確認し、上記のようにアリコートにして保存した。細胞外FI−HSV2は、1ml毎に3×108PFU当量の最終力価、および不活性化の前に、1μgのタンパク質毎に105PFUのタンパク質含有量を有した。FI−Mockを、上記のようなmock感染したベロ細胞の培地から並行して調製した。
【0168】
上記のように、ベロ細胞をデキストラン硫酸で洗浄することによって感染したベロ細胞からウイルスを放出させ、洗浄液を低速遠心分離によって清澄化し、超遠心分離によってクッションを通してウイルスをペレット化することによってFI−HSV2をまた調製した(Morello、 C. S.ら、2011、Id.)。
【0169】
プラスミドの構築および発現。ゲノムDNAを、DNeasy BloodおよびTissue Kit(Qiagen)を使用してHSV−2株G感染したベロ細胞から調製し、KOD Hot−Start DNAポリメラーゼ(Novagen/CN Biosciences)を使用してPCR反応におけるテンプレートとして使用した。下記のORFを増幅した。DNAポリメラーゼ(UL30)、ヘリカーゼ−プライマーゼ(UL5)、US6遺伝子の細胞外ポーションに相当する切断型gD2(gD2t)(aa1〜327)、およびICP27(UL54)(完全な一覧については表1を参照されたい)。HSV−2特異的プライマーは、株HG52ゲノム配列(Genbankアクセッション番号Z86099.2)に基づいて設計し、センスプライマーは開始AUGの近位にKozakコンセンサス配列(GCC ACC)を導入するように設計した(研究において使用した全てのプライマーの配列については表2を参照されたい)。
【0170】
【表1】
【0171】
【表2】
【0172】
FDAガイドラインに従ってDNAワクチン開発のために設計されたpVAX1プラスミドベクターは、Invitrogenから購入した。これにおけるORFの発現は、強力な構成性HCMV主要IEプロモーター/エンハンサーによって推進される。このベクターは、2ステップのQuikChange突然変異生成技術(Stratagene)によって修飾された。第1に、点変異を生じさせ、ベクターにおける単一のHincII制限部位を除去した(中間ベクターpVAX1.1を生じさせる)。第2に、マルチクローニング部位を、独特のHincII部位、それに続くFLAGタグコード配列および3つのインフレーム終止コドンを含有するように修飾した(使用した突然変異生成プライマー配列については表2を参照されたい)。最終的なベクター(pVAX1.2と命名し、下記でpVAXと省略する)は、カルボキシ末端FLAG−タグをつけたHSV−2ORFのクローニングおよび発現のための基礎であった。
【0173】
PCR産物をHincII−消化pVAX1.2ベクターにライゲーションし、このように得られたクローンを、HSV−2ORF(Eton Biosciences、San Diego、CA)の制限酵素消化および配列決定によってスクリーニングした。gD2タンパク質サブユニットワクチンの精製のために、gD2t−FLAG ORFを、pcDNA3をベースとするベクターpc3Δneo中にサブクローン化した(Ye、 M.、C. S. MorelloおよびD. H. Spector.、J. Virol.、76:2100〜2112頁(2002年))。UL5、UL30、およびICP27ORFをまた、下記のセルベースCD8+T細胞アッセイにおいて使用するためのpc3Δneo中にサブクローン化した。
【0174】
HSV−2HG52参照配列と比較して、株Gからのクローン化UL5(ヘリカーゼ−プライマーゼ)は、3つのサイレント変異を含有し、クローン化gD2tは、単一のサイレント変異を含有した。クローン化UL30配列は、結果として生じた推定上のアミノ酸の変化(G25−A(Ala−Thr)、C43−A(Pro−Ser)、およびT179−C(Leu−Pro))を伴って、参照株との3塩基の差異を含有した。HSV−2株多型とPCRクローニング人為産物を識別するために、1.4kbのUL30ORFの5’末端を、HSV−2株Gに感染したベロ細胞DNAから増幅し、PCR産物を直接配列決定した。UL30クローンにおける3つの差異全ては、株G PCR産物において見出されたが、これはこれらがHSV−2株Gにおいて存在することを示す。ICP27クローンは、1つの株差異、A492−C(Lys−Asn)を含有した。
【0175】
プラスミドは、Qiagen Endo−Free MegaまたはGiga陰イオン交換カラムによって精製した。DNAを、1mlの内毒素非含有Tris−HCl(pH8)毎に約2.5〜3mgまで再懸濁させ、アリコートにして−20℃にて保存した。注射の直前に、DNAを解凍し、内毒素非含有トリス−緩衝生理食塩水(pH8)に希釈した。
【0176】
完全長ORF−FLAG融合タンパク質の発現を、Lipofectamine2000(Invitrogen)を使用した293FT細胞(Invitrogen)中への一過性トランスフェクション、それに続くウエスタンブロットによって確認した。ブロットを、各HSV−2ORF上に融合したカルボキシ−末端FLAGタグに対する抗−FLAGマウスモノクローナル抗体(M2、Sigma)でプローブした。pVAX1.2−gD2tをトランスフェクトされた細胞からのライセート、または培地を含有するブロットを、抗−FLAGまたは抗−gDマウスモノクローナル抗体DL6(Santa Cruz Biotechnology、Inc.)でプローブした。DL6は、HSV−1/2共通のgDの保存されている線状エピトープ(aa272〜279)に結合する。図1Aは、各HSV−2ORFについての結果として生じた特異的タンパク質バンドが予想された位置に移動したことを示す(下記のような予想された分子量:UL5、99kDa;UL30、137kDa;gD2t、45kDa;およびICP27、55.9kDaを伴う)。
【0177】
gD2タンパク質の調製。10cmの組織培養皿中の293FT細胞を、上記のように一過性にトランスフェクトした。翌日、細胞に0.4%(v/v)の哺乳動物プロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma P1860)を含有する培地を供給し、トランスフェクションの3日後に培地を集め、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma P8340)を1%最終濃度まで加え、培地を遠心分離によって清澄化した。gD2t ORFの分泌効率性を特性決定するために、pVAX−gD2tベクターの発現の時間経過を実施し、全細胞ライセートおよび抗−FLAGイムノアフィニティー精製された培地の両方を、ウエスタンブロット分析に供した(図1B)。gD−特異的モノクローナル抗体DL6を使用して、本発明者らは、早くもトランスフェクション後2日目にgD2tタンパク質が培地において検出可能であったことを見出したが、培地におけるピークレベルは2日後に起こった。
【0178】
gD2tタンパク質サブユニットワクチンの調製のために、本発明者らは、引き続いてSV40ori−含有ベクターpc3Δneo−gD2tによる293FT細胞の大規模なトランスフェクションを行い、次いで、gD2t含有培地を抗−FLAGイムノアフィニティークロマトグラフィーに供した。分泌された切断型gD2を含有する培地の清澄化の後に、抗−FLAG M2スラリーのカラムへの充填の前に、下記の濃度を得るように結合緩衝液を加えた。50mMのTris−HCl(pH7.4)、150mMのNaCl、および0.1%(v/v)Triton X−100。次いで、カラムを50mMのトリス−緩衝生理食塩水+0.1%Triton X−100、次いで、50mMのトリス−緩衝生理食塩水で洗浄し、その後、メーカーのガイドラインに従って、1mlのトリス−緩衝生理食塩水(50mM)毎に100μgの3xFLAGペプチド(Sigma)と共に溶出させた。切断型gD2タンパク質を含有する画分を、SDS−PAGEおよび一晩のクマシーブルー染色(GelCode Blue、Pierce)によって同定した。氷上での一晩の保存の後、gD2タンパク質を含有する画分を混合し、アリコートにして−80℃にて保存した。純度およびgD2タンパク質濃度を、定量化の目的のために同じゲル上で移動するウシ血清アルブミン標準を伴う上記のようなSDS−PAGEおよび染色によって決定した。図1Cは、gD2t−含有溶出液および定量化の目的のために使用したBSA標準の、代表的なクマシーブルー染色したSDS−PAGEゲルを示す。Image−Jソフトウェア(NIH)を使用して、BSA濃度の標準曲線を光学密度によって生じさせ、gD2タンパク質濃度を内挿した。タンパク質収量は、1mlの培地毎に概ね5μgのgD2tであった。興味深いことに、分泌型gD2tタンパク質の大部分がカルボキシ−末端フラグメントを切断されていたことを本発明者らはまた見出した。このように得られたタンパク質はFLAGタグを喪失していたが、ゲル上の移動におけるシフトを示さなかった。これらの知見は、HSV−2が感染したHep2細胞(しかし、ベロ細胞ではない)の培地が、分泌型ではあるが完全にグリコシル化された形態のgD2を含有したことを示したMurataらの知見と同様であった(Murata、 T.ら、J. Gen. Virol.、83:2791〜2795頁(2002年))。本発明者らのgD2tタンパク質をベースとする免疫化のために、切断されていないFLAG−タグ精製タンパク質のみを使用した。
【0179】
マウスの免疫化および負荷。特定の病原菌を有さないヘリコバクター属の種PCR陰性BALB/c雌性マウスは、3〜5週齢でCharles River Laboratoriesから購入し、マイクロ隔離飼育器のケージに収容した。マウスは免疫化または感染の前に、少なくとも2週間順応させた。
【0180】
DNAをベースとする免疫化のために、内毒素非含有TBS中の30μlのDNAをマウスの尾に2週間に3回皮内(i.d.)に注射した(DNA用量について結果を参照されたい)。プラスミドとの同時免疫化のために、注射の前にプラスミドDNAを一緒に混合した。
【0181】
タンパク質をベースとするワクチン接種のために、サルモネラミネソタRe595(サルモネラミネソタRe595)からのMPL(MPL)は、Sigmaから購入し、1mlの0.5%トリエタノールアミン毎に1mgまで再懸濁し、従前に記載(Baldridge、 J. R.、およびR.、T.Crane、Methods、19:103〜107頁(1999年))されたように超音波処理によって乳化し、使用するまで4℃にて保存した。FI−HSV2または精製したgD2サブユニットストックを解凍し、DPBS(タンパク質ワクチンのみの実験)または内毒素非含有ddH2O(DNAプライム−タンパク質ワクチンブースト実験)に希釈し、MPLを加えた。Imject alum(Pierce)を混合しながら滴下で添加し、次いで注射前に室温で30分さらに混合した。
【0182】
タンパク質をベースとするワクチンのみの実験のために、マウスは、概ね中背部において3週間の間隔をおいて2回の1)107PFU当量の細胞内および細胞外FI−HSV2(概ね250μgのタンパク質)、2)等しい容量のFI−Mock、または3)5μgのgD2サブユニットの皮下(s.c.)注射を受けた。各用量はまた、12.5μgのMPLおよびImject alum(Pierce)(725μgのAlと等しい)を含有した。最後のタンパク質をベースとするワクチン接種の4週間後にマウスを負荷した。
【0183】
DNAプライム−タンパク質ベースワクチンブースト実験のために、マウスを3回の尾へのi.d.注射(2週間の間隔を開ける)によって、1)50μgのpVAX、2)50μgのgD2t DNA、または3)それぞれ20μgのUL5、UL30、およびgD2t DNAのカクテルでプライムした。最後のDNA注射の5週間後に、各DNAプライム群からのマウスを、1)107PFU当量の細胞外FI−HSV2(8.3μgのタンパク質を含有)、2)等しい容量のFI−Mock、または3)5μgのgD2サブユニットでs.c.ブーストした。各用量はまた、12.5μgのMPLおよびImject alum(125μgのAl(OH)3および43.3μgのAlと等しい)を含有した。マウスは、第1のブーストの3週間後に第2のブーストを受け、次いで、4週間後に負荷した。
【0184】
DNAワクチンをAdju−Phosアジュバント中のFI−HSV2と合わせた実験のために、マウスに下記のようなMPL/Adju−Phosアジュバント中のデキストラン硫酸洗浄に由来するFI−HSV2(またはデキストラン硫酸洗浄に由来するFI−Mock)による各四頭筋中への40μlの両側性筋肉内(i.m.)注射を与えた。それぞれの免疫化は、全部で12.5μgのMPL、Adju−Phos(Accurate Chemical & Scientific、Westbury、NY)(90μgのAlと等しい)、および1)107PFU当量のFI−HSV2(0.34μgのタンパク質)、2)60μgのpVAX DNAおよび上記のFI−HSV2の容量と等しい容量のFI−Mock、3)60μgのpVAX DNAおよび107PFU当量のFI−HSV2、4)それぞれ20μgのUL5、UL30、およびgD2t DNAならびに107PFU当量のFI−HSV2、または5)それぞれ50μgのUL5、UL30、およびgD2t DNAならびに107PFU当量のFI−HSV2を含有した。Adju−Phosを最初に、500×gで5分間遠心分離することによって2倍に濃縮し、それに続いて総容量の2分の1と等しい緩衝液上清を除去した。MPLおよび(加える場合)DNA(複数可)を添加する前に、FI−HSV2またはFI−Mockを、混合しながら濃縮されたAdju−Phosに1時間吸着させた。4週間後にマウスにさらなる注射を与えた。上記の群1、2、および5からのマウスへの短期間のi.vag.負荷を第2の注射の3週間後に与え、残りのマウスに、第2の注射の9週間後に長期間のi.vag.負荷を与えた。
【0185】
AlhydrogelまたはAdju−Phosアジュバント、注射経路、ならびに負荷および再負荷に対する防御を比較する実験のために、107PFU当量(それぞれ、第1または第2の免疫化のために、9.5μgまたは13.5μgのタンパク質)の細胞外FI−HSV2(またはFI−Mock)および12.5μgのMPLを与えた。上記のように、FI−HSV2またはFI−Mockを、MPLおよびDNA(使用する場合)の添加の前に、それぞれ、54μgまたは450μgのAlと等しいAlhydrogel(Accurate Chemical & Scientific、Westbury、NY)または2倍に濃縮したAdju−Phosに最初に吸着させた。マウスの群を、下記の構成要素および免疫化経路によって免疫化した。1)Adju−Phos中の60μgのpVAX DNAおよびFI−Mock(i.m.に与える)、2)Alhydrogel中のFI−HSV2(s.c.に与える)、3)Alhydrogel中のFI−HSV2(i.m.に与える)、または4)Adju−Phos中のFI−HSV2(i.m.に与える)。マウスは4週間後に同一の免疫化を受け、次いで3週間後にi.vag.負荷された。HSV−2負荷から生き残ったマウスをメドロキシプロゲステロン処理し、上記のように第1の負荷の17週間後に再負荷した。8匹の未処理マウスの群を同時に負荷して、再負荷ウイルスの感染性を示した。
【0186】
膣内ウイルス負荷、疾患スコアリング、およびウイルス排出の定量化。負荷に対して−7日目および−1日目に、マウスの発情周期を同期化させ、膣HSV感染への感受性を増加させるために、3mgの酢酸メドロキシプロゲステロン(Depo−Provera、Sigma M1629)の皮下注射を受けた(Parr、M. B.ら、Lab. Invest.、70:369〜380頁(1994年))。マイクロピペットによる5×104PFUのHSV−2株G(約10LD50用量)によるi.vag.負荷の前に、マウスからDPBSで湿らせたポリエステル先端で拭き取り検体を取った(MicroPur 1001D、PurFybr Solon、Rhinelander、WI)。マウスを膣の炎症の重症度について、0(膣炎なし)、1(軽度の膨れまたは発赤のみ)、2(中等度の膨れもしくはびらん)、3(重症の生殖器の軟化(genital maceration))、または4(中枢神経系の合併症もしくは死亡)で21日間毎日スコア化し、半分のスコアを中間の疾患レベルに与えた。後肢麻痺が発見されたマウスには、4のスコアを与え、直ちに屠殺した。
【0187】
膣ウイルス排出を測定するために、DPBS+1%HI−NCS+0.1%(w/v)グルコース(DNG)で事前に湿らせたポリエステル先端の拭き取り検体(上記)を使用して、負荷後1〜5(または6)日目に膣内拭き取り検体試料を集めた。拭き取り検体を、プラークアッセイによるベロ細胞単層上の滴定まで1mlのDNG中に−80℃にて保存した。
【0188】
プラークアッセイのために、拭き取り検体を37℃の水浴中で素早く解凍し、DNG中の段階希釈の前に30秒間フルスピードでボルテックス混合した。24ウェルプレート中のベロ細胞のコンフルエントな単層を、50〜60RPMのオービットシェーカー上で37℃にてウェル毎に0.25mlのDNGの感染容量で1時間感染させた。吸着後、接種材料を除去し、単層を1%HI−NCSおよび0.35%無菌アガロースを有する0.5mlのDMEMで覆った。37℃および7%CO2での第2のインキュベーション後、DPBS中のホルマリンを、4%ホルマリンの最終濃度に加え、プレートを25℃で少なくとも3時間固定した。アガロースの覆いを吸引し、単層をクリスタルバイオレットで染色した。各アッセイの感受性のアッセイ限界を下記に表し、プラークを生じないアッセイに、グラフ化および計算の目的のために検出限界の2分の1の力価を割り当てた。
【0189】
細胞内サイトカイン染色。最終の注射の2週間後に、DNA免疫化によって誘発された抗原特異的CD8+T細胞のレベルを、上記のように測定した(Morello、C.S.ら、J.Virol.、81:7766〜7775(2007年))。BALB SV40(H−2d)細胞を、96ウェルプレートにおいて80%コンフルエントまで増殖させ、ウェル毎に0.5μgのプラスミドDNAおよび1.25μlのFugene6(Roche)でトランスフェクトした。
【0190】
トランスフェクション後48時間で、免疫化されたマウスからの脾細胞を収集し、赤血球を溶解した(BD Pharm Lyse)。8×105個の脾細胞を、ブレフェルジンA(GolgiPlug;BD)の存在下でトランスフェクトされた細胞の2連ウェルに加え、37℃および7%CO2で8時間刺激した。陽性対照として、2×106個の脾細胞を、1ml毎に50ngのPMAおよび1μgのイオノマイシンで刺激した。2×106個の脾細胞の2連ウェルをまた、0.1μMの以前に公表されたICP27のH−2dCD8+T細胞エピトープで刺激した(HGPSLYRTF(配列番号:13);GenScript、NJ(Haynes、J.R.ら、Vaccine、24:5016〜5026頁(2006年))。
【0191】
染色のために、2連ウェルを96ウェル丸底プレートの1つのウェル中に合わせ、PBSで1回洗浄した。死細胞に対して生細胞を鑑別するために、生存性確認色素(viability dye)(ウェル毎に50μl)を、10分間37℃で細胞に加えた(LIVE/DEAD fixable violet;Molecular Probes、Invitrogen)。Fcブロック(CD16/32;BD)を加え(ウェル毎に2μg)、脾細胞を10分間4℃でインキュベートし、Fc受容体への非特異的結合を防止した。脾細胞を表面マーカーであるCD8−Ax488(クローン53−6.7;BD)およびCD4−Ax647(クローンRM4−5;BD)のために4℃にて30分間染色し、次いで、透過処理し、BD Cytofix/Cytopermキットを使用して固定した。CD3−PE−Cy5(クローン145−2C11;BD)およびIFN−γ−PE(クローンXMG1.2;BD)を、細胞内染色中に4℃で45分間含めた。San Diego Center for AIDS ResearchおよびVeterans Medical Research FoundationおよびVA San Diego Healthcare System、La Jolla、CAのResearch Flow Cytometry Core Facilityにおいて、50,000個のCD3+T生細胞からのデータを、BD FACSCantoフローサイトメーターで集め、BD FACSDivaソフトウェアで分析した。
【0192】
B.gD2t DNAと一緒の、保存されている必須HSV−2遺伝子によるDNA免疫化は、致死的な膣内(i.vag.)負荷に対して防御的である。
MCMVモデルを使用した本発明者らの従前のDNA免疫化研究によって、ヘルペスウイルスの中に保存されている2つの必須遺伝子であるDNAポリメラーゼ(MCMV M54)およびヘリカーゼ/プライマーゼサブユニット(MCMV M105)を発現するプラスミドによるワクチン接種は、脾臓におけるウイルス複製に対する防御を誘発したことが示された。この防御は、免疫優性遺伝子IE1−pp89によってもたらされるものと同じほど高かった(Morello、C.S.ら、J.Virol.、81:7766〜7775頁(2007年))。これらの2つのMCMV遺伝子によるDNA免疫化はまた、MCMV感染によって誘発されるものより高い一次および負荷後のCD8+T細胞レベルをもたらした(Morello、C.S.ら、J.Virol.、81:7766〜7775頁(2007年))。MCMV糖タンパク質Bおよび2つの非構造タンパク質をコードするプラスミドの混合物で免疫化され、続いてalum中のホルマリン−不活性化MCMVによるブーストされたマウスは、MCMVによる全身的負荷に対する長期間の完全な防御、および粘膜の負荷に対する殆ど完全な防御を示したことを本発明者らはまた示した(Morello、C.S.ら、J.Virol.、79:159〜175頁(2005年))。
【0193】
マウスおよびモルモットモデルの両方における防御的作用が切断型の分泌型gD2DNAについて記載されてきたため(Bernstein、D.I.ら、Vaccine、17:1964〜1969頁(1999年);Fotouhi、F.ら、Fems Immunol. Med. Microbiol.、54:18〜26頁(2008年);Higgins、T.J.ら、J.Infect.Dis.、182:1311〜1320頁(2000年);Hoshino、Y.ら、J. Virol.、79:410〜418頁(2005年);Strasser、J.E.ら、J.Infect.Dis.、182:1304〜1310頁(2000年))、本発明者らは、保存されている必須HSV−2遺伝子をgD2t DNAと一緒に使用して、防御のレベルを増大させることができるかを決定することに興味があった。今日までのヒトの治験におけるDNAのみのワクチンの限定された成功を考慮して、本発明者らは、DNA免疫化が、MPLおよびalumアジュバントと一緒に死滅全HSV−2ワクチンにより誘発される防御および免疫応答を増大させることができるかについてアセスメントすることをさらに探究した。
【0194】
本発明者らの最初の実験において、本発明者らは、切断型HSV−2糖タンパク質D(gD2t)をコードするDNAの存在下および非存在下での、DNAポリメラーゼ(UL30)およびヘリカーゼ/プライマーゼ(UL5)についての相当する保存されているHSV−2遺伝子の防御有効性を調査した。1群毎に8匹のマウスを、50μgのpVAX(pVAX群)、それぞれ25μgのpVAXおよびgD2t DNA(gD2t群)、25μgのpVAXおよび25μgのUL5またはUL30DNA(それぞれ、UL5もしくはUL30群)、あるいは25μgのUL5またはUL30DNAおよび25μgのgD2t DNA(それぞれ、UL5+gD2tおよびUL30+gD2t群)でi.d.免疫化した。マウスを酢酸メドロキシプロゲステロンで処理し、i.vag.のHSV−2感染に対する感受性を増加させ、最後のDNA免疫化の3週間後に、マウスに5×104PFU(概ね10×LD50)のHSV−2株Gの致死的なi.vag.負荷を与えた。マウスを負荷の21日後まで生存についてモニターし、負荷後12日まで材料および方法において記載したような上記の重症度スケールを使用して疾患の重症度についてスコア化した。膣内拭き取り検体を負荷後1〜6日目に集め、HSV−2排出を測定した。
【0195】
UL5またはUL30DNA単独による免疫化は、pVAX対照に対して21日間の生存を増加させなかったが、gD2t DNAと一緒のこれらのDNAは、生存によって測定して、gD2t DNA単独によって生じたものと同様の防御をもたらしたことを本発明者らは見出した(図2A)。同様に、UL5またはUL30単独で免疫化されたマウスにおける肛門生殖器疾患の重症度は、pVAX群におけるものと同様であった(図2B)。gD2t DNAを受けている群における平均疾患の重症度は、pVAX対照に対して低減し、疾患の重症度は、負荷後4日目または5日目に1.2〜1.7でピークとなり、次いで11日目に減少した。11日目に、gD2t群において、およびUL5+gD2t群において、1匹のマウスが死亡した(図2B)。全てのワクチン群のうち、UL30+gD2t DNAによる免疫化は、12日を通した最も低いピーク疾患(平均1.2)および総疾患負担をもたらし、死亡をもたらさなかった。
【0196】
膣のHSV−2排出を、ベロ細胞単層上のプラークアッセイによって測定した。負荷後1日目に、pVAX、UL5、またはUL30で免疫化したマウスは、拭き取り検体毎に104.4PFUの平均HSV−2力価を有し、一方、gD2t DNA免疫化群における平均力価は1から1.4Logだけ低減した(図2C)。力価は、免疫化群の全てにおいて負荷後2日目にピークとなり、pVAX免疫化群は、105.5PFUを排出し、他の免疫化群は、0.5から1.5logの力価の低減を有した。UL30+gD2t群は、1日目および2日目の両方において最も低い力価を有した。負荷後3日目までに、pVAX対照を含めた全ての群は、104PFUの同様の力価を有した。この後に、gD2t DNAを受けている群の全てにおける排出は、gD2tを受けていない群に対してクリアランス速度の増加を示した。まとめると、UL30+gD2t DNAによる免疫化は、感染の初期において最も低い疾患および最も低い排出レベルの両方をもたらしたが、3〜6日目の排出は、gD2t DNAのみを受けているマウスにおけるものと同一であった。
【0197】
第2の免疫化実験を行い、疾患またはウイルス排出に対する増強された防御がUL5およびUL30DNAによる同時免疫化によって達成できるかを試験した。8匹のマウスの群を、50μgのpVAX(pVAX群)または25μgのgD2t+25μgのpVAX DNA(gD2t群)で免疫化した。UL5+UL30群について、それぞれ20μgのUL5およびUL30DNAを、20μgのpVAX(UL5+UL30群)または20μgのgD2t DNA(UL5+UL30+gD2t群)で免疫化した。免疫化されたマウスを酢酸メドロキシプロゲステロンで処理し、上記のように最後の免疫化の3週間後にi.vag.負荷した。死亡、疾患、および膣のHSV−2排出をアセスメントした。
【0198】
図2Dは、pVAXで免疫化されたマウスのどれもが負荷後21日目を通して生存しなかったことを示する。gD2t DNAを加えることなしに、ワクチン中でUL5およびUL30DNAを合わせることはまた、pVAX、UL5、またはUL30DNA単独で免疫化された群において観察されたものに対して、死亡(図2D)、疾患(図2E)に対する防御を増加させず、またはHSV−2排出(図2F)を低減しなかった。gD2t DNAをUL5およびUL30ワクチンに加えたとき、結果として生じたウイルス力価は、gD2t DNA単独で免疫化された群のものと同様であった(図2F)。
【0199】
C.保存されている必須遺伝子によるDNA免疫化は、抗原特異的CD8+T細胞を誘発する。
gD2t DNAの非存在下でUL5およびUL30DNAによって誘発される防御が存在しないことを考慮して、ワクチン接種がCD8+T細胞を誘発したかを決定することは重要であった。マウスをUL5またはUL30プラスミドで2週間に3回免疫化した。最終の免疫化の2週間後に、マウスを屠殺し、それらの脾臓を収集した。脾細胞を、それぞれ、抗原をコードするプラスミドまたは空pcDNA3プラスミドで一過性にトランスフェクトしたBALB SV40刺激細胞の存在下で8時間刺激し、細胞内サイトカイン染色アッセイを行った。
【0200】
本発明者らは、最初に2つの独立した実験を行い、抗原を発現しているBALB SV40トランスフェクタントの使用を検証し、CD8+T細胞を刺激してIFN−γを産生させた。これらの研究のために、本発明者らは、BALB/cマウスの足蹠において2×106PFUのHSV−2株Gで感染させ、7日後に感染したマウスおよび対照未処理マウスから脾細胞を単離した。別の対照として、皮内に骨格ベクターDNA(pVAX)で免疫化したマウスから脾細胞を集めた。BALB/cマウスにおいて、pcDNA3−ICP27でトランスフェクトされたBALB SV40細胞(ICP27細胞)、または公知のCD8+T細胞エピトープに相当するICP27ペプチドで脾細胞を刺激した(Haynes、J.R.ら、Vaccine、24:5016〜5026頁(2006年))。図3Aは、ICP27ペプチドで刺激されたときのCD8+T細胞の平均1.0%と比較して、ICP27細胞で刺激されたときに、HSV−2に感染したマウスからのCD8+T細胞の平均0.6%がIFN−γ陽性であったことを示した。バックグラウンドレベルのIFN−γ陽性CD8+T細胞のみが、刺激のタイプに関わらず、対照未処理マウスまたはpVAX DNA免疫化されたマウスからの脾細胞において検出された。
【0201】
次の実験において、2群のマウス(n=4)に60μgの総プラスミドDNA:pVAX、UL5、またはUL30の皮内注射を与えた。図3Bは、UL5またはUL30で免疫化されたマウスが、UL5(平均=0.875%)またはUL30(平均=0.825%)に対して変化するレベルのCD8+T細胞応答を有したことを示す。HSV−2に感染したマウスからの脾細胞は、ICP27細胞で刺激されたときに、ICP27ペプチドで刺激されるより、より低い頻度のICP27特異的CD8+T細胞が検出されたため、これらの数は過小評価である可能性がある(図3A)。それにも関わらず、HSV−2に感染したマウスにおいていずれかのタンパク質に特異的なIFN−γ+CD8+T細胞はまた観察されなかったため、UL5およびUL30は、新規なワクチン標的抗原を表す。
【0202】
繰返し実験において、それぞれ60μgのUL5およびUL30による組合せ群を含めた(図3C)。UL5またはUL30単独で免疫化されたマウスにおけるCD8+T細胞応答は、第1の実験より低かった(それぞれ、平均=0.600%および0.325%)。第3の実験が、それぞれ、0.875%および0.750%の平均UL5およびUL30の応答をもたらしたため、実験の間の可変性はトランスフェクトされた刺激細胞の一貫性のない性質によるものである可能性がある。マウスがUL5およびUL3DNAにより同時免疫化されたとき、UL5およびUL30両方へのCD8+T細胞応答が検出可能であった(それぞれ、平均=0.375%および0.425%)。要約すれば、保存されている必須HSV−2遺伝子プラスミドUL5およびUL30は、IFN−γ産生によって測定すると、中程度のCD8+T細胞応答を誘発する。
【0203】
D.MPL/Alumと一緒のFI−HSV2による免疫化は、HSV−2疾患および排出に対して高度に防御的である。
MPL/Alumアジュバントを含有するGSK gD2ワクチンを含めた、HSV−2エンベロープ糖タンパク質によるサブユニットワクチン接種は、臨床治験において一貫したレベルの防御を示してこなかったため、本発明者らは、MPL/Alumと一緒のFI−HSV2からなる多価ワクチンが、gD2タンパク質サブユニット/MPL/Alumワクチン接種より防御的であり得るかどうかを問うた。FI−HSV2ワクチンのために、材料および方法において記載したように、HSV−2を感染したベロ細胞および細胞外上清から収集し、ソルビトールクッションを通してペレット化し、DPBSで洗浄し、ホルマリンで不活性化した。さらに、FI−Mockビリオン調製物を、mock−感染したベロ細胞を使用して並行して作製した。分泌型gD2tタンパク質を、pc3Δneo−gD2tベクターで一過性にトランスフェクトした293FT細胞の細胞外上清上で抗−FLAGイムノアフィニティークロマトグラフィーを使用して調製した。
【0204】
マウス(n=8)を皮下(s.c.)免疫化し、次いで3週間後に下記の1つでブーストした。107PFU当量のFI−HSV2、上記のFI−HSV2と等しい容量のFI−Mock、または5μgのgD2tタンパク質(各ワクチンは、MPL/Alumを含む)。マウスを最後のワクチン接種の4週間後に上記のように負荷した。
【0205】
本発明者らは、FI−Mockにより免疫化されたマウスの8匹全てが負荷後21日目までに死亡し、一方、FI−HSV2により免疫化されたマウスの8匹全てが生存していることを見出した(図4A)。gD2tタンパク質免疫化された群において、5匹のマウスが生存していた。gD2tタンパク質で免疫化されたマウスにおけるピーク平均疾患スコアは、負荷後12日目まで概ね1.0であり、次いで僅かに上昇した(図4B)。対照的に、FI−HSV2により免疫化された群におけるピーク平均疾患スコアは、負荷後5日目に0.5であり、さらに2日のみで0.3〜0.4の平均スコアがあった。この群における個々のマウスについての最大疾患スコアは、1.0のスコアを有する1匹のマウスについての1日のみを除いて、0.5であった。このように、致死的なHSV−2負荷後の、肛門生殖器領域における一過性の低レベルの炎症のみが、FI−HSV2免疫化動物において起こった。
【0206】
負荷後1日目〜6日目の膣ウイルス排出のレベルを図4Cに示す。ピーク平均ウイルス力価が、FI−Mock群について負荷後2日目に、およびgD2tタンパク質群について3日目に観察された。FI−HSV2群における平均ウイルス力価は、FI−Mock群と比較して、2.1から3.7Logだけ低減した。負荷後1日目に、gD2tタンパク質群は、負荷後3日目までにFI−Mock群に対して27分の1の平均力価の低減を有したが、これらの群は、同様のレベルのウイルス排出を示した(図4C)。
【0207】
それぞれ、FI−Mock群およびgD2tタンパク質群において観察された105.7および105PFUのピーク平均ウイルス力価と比較して、FI−HSV2により免疫化されたマウスにおける平均力価は、観察期間に亘り101.5から102.2PFUの間の範囲であった。負荷後2日目に、FI−HSV2により免疫化されたマウスにおけるウイルス排出の平均レベルは、FI−Mock群におけるものより3600分の1低かった。しかし、図4Dにおいて示すように、gD2tタンパク質およびFI−HSV2群における個々のマウスにおける膣のHSV−2排出に対する防御は、かなりの可変性を示した。個々のFI−HSV2により免疫化されたマウスにおけるウイルス力価は、概ね104PFUからアッセイ防御の限界(拭き取り検体毎に2PFU)未満の範囲であった。FI−HSV2により免疫化されたマウスの2匹は、負荷後3日目から6日目の間に低レベルの炎症(0.5の重症度スコア)を示したが、負荷後6日目までを通して任意に日に検出可能なウイルスを有さなかった。まとめると、FI−HSV2/MPL/Alumによる免疫化は、gD2tタンパク質による免疫化と比較して、疾患およびウイルス排出の両方に対して高レベルの防御を実現した。
【0208】
E.UL5、UL30、およびgD2t DNA−FI−HSV2によるプライム−ブースト免疫化は、HSV−2生殖器疾患に対して殆ど完全な防御を実現する。
本発明者らは、負荷後に標的器官において検出不可能なレベルのウイルスを伴う、マウスにおける全身的または粘膜のMCMV負荷に対するDNAプライム−不活性化全ウイルスブースト戦略を首尾よく使用してきた(Morello、C.、S.ら、J.Virol.、79:159〜175頁(2005年);MorelloC.S.、M.YeおよびD. H. Spector.、J. Virol.、76:4822〜4835頁(2002年))。したがって、本発明者らは、この戦略がまた高レベルの防御を実現するかどうかを試験し、単独もしくは組み合わせた、DNA、タンパク質サブユニット、またはFI−HSV2による免疫化の様々な有効性を比較することを進めた。
【0209】
マウス(n=8)を、下記の1つでDNAプライムした。図5Aに示されるスケジュールを使用して、1)50μgのpVAX、2)50μgのgD2t DNA、または3)それぞれ20μgのUL5、UL30、およびgD2t DNAのカクテル。最後のDNA注射の5週間後、各DNAプライム群からのマウスを、MPL/Alumと共に製剤した下記の1つでs.c.ブーストした。1)107PFU当量のFI−HSV2、2)等しい容量のFI−Mock、または3)5μgのgD2サブユニット。マウスは、第1のブーストの3週間後に第2のブーストを受け、次いで、上記のように4週間後に致死的にi.vag.負荷を受けた。
【0210】
負荷後21日間の生存を、図5Bに要約する。pVAXでプライムしたマウスにおいて、FI−Mock調製物によるブーストは、死亡に対する防御を与えなかった。FI−Mockでブーストしたマウスにおいて、gD2t DNAによる以前の免疫化によって、8匹のマウスのうち5匹の生存がもたらされ、gD2t DNAプライムにUL5およびUL30DNAを加えることによって、生存動物はより少なかった(8匹のうち3匹)。gD2tタンパク質によるブーストは、pVAXおよびgD2t DNAでプライムした群において死亡に対して完全に防御的であった。gD2tタンパク質でブーストし、UL5、UL30、gD2t DNAでプライムした群における1匹のマウスは、負荷後に死亡し(および1匹が負荷前に耳感染で死亡)、6匹の生存動物のみが残った。FI−HSV2によるブーストは、gD2tタンパク質と比較したときに、死亡に対する同様の防御を与え、pVAXおよびUL5、UL30、およびgD2t DNA群のそれぞれにおいて1匹のマウスが負荷に屈した。
【0211】
各プライム−ブーストの組合せによるマウスにおける疾患の重症度を、負荷後12日目までを通してスコア化した(図5C)。FI−Mockでブーストしたマウスのうち、pVAXでプライムしたマウスの全ては負荷後11日目までに死亡し、一方、gD2t DNA、またはUL5、UL30、およびgD2t DNAの組合せによるプライムは、負荷後7日目に0.9〜1の同様のピーク平均疾患スコアを与え、次いで10日目までに平均0.25〜0.5未満へと概ね回復した(図5C、左)。しかし、gD2t DNA(3匹のマウス)およびUL5、UL30、およびgD2t DNA(5匹のマウス)における後期の死亡は、示した平均スコアの増加をもたらした。
【0212】
gD2tタンパク質でブーストしたマウスにおけるピーク平均疾患スコアは、gD2t DNAでプライムしたマウスにおいて最も低く(0.3)、このレベルの疾患は負荷後3から7日目の間に続いた(図5C、中央)。pVAX、またはUL5、UL30、およびgD2t DNAの組合せでプライムし、次いでgD2tタンパク質でブーストした群におけるピーク疾患は、0.9および0.7の同様のレベルを有した。
【0213】
FI−HSV2でブーストした群は全て、負荷後4日目に疾患におけるピークを示し、UL5、UL30、gD2t DNA−FI−HSV2群において0.3の最も低いピークを示した(図5C、右)。この後者の群におけるマウスにおいて観察された疾患の最も高いレベルは、1日間の1のスコアであった。残りのマウスは、負荷後8日目までに疾患から完全に回復するまで0または0.5の疾患スコアを有した。しかし、この群における、負荷後2日目の単一の0.5スコアを除いて観察可能な膣疾患を有さなかった1匹のマウスは、20日目に死亡した。
【0214】
一般に、膣疾患に対する防御は、ブーストのタイプに最も密接に関連しているようであった。gD2tタンパク質でブーストした群は、HSV−2DNAおよびFI−Mockブーストを受けた群より防御を示し、FI−HSV−2ブーストを受けている群は、最も高いレベルの防御を示した。gD2t DNA−gD2tタンパク質またはUL5、UL30、gD2t DNA−FI−HSV2を与えられたプライムブースト群において最良の防御がもたらされ、疾患のピークレベルは同様であったが、後者の群においてより低い総疾患負担があった。
【0215】
膣のHSV−2排出を、プラークアッセイによって負荷後1〜10日目に膣内拭き取り検体から測定した。pVAXでプライムし、Mockでブーストした群におけるウイルス排出は、負荷後2日目に105.5PFUでピークとなり、ウイルスは、これらのマウスの全てにおいて負荷後7日目にまだ検出可能であった(図5D、左)。gD2t DNA、またはUL5、UL30、およびgD2t DNAの組合せでプライムし、Mockでブーストしたマウスは、負荷後1日目に概ね10分の1低い力価を最初に有したが、後者の群のみが2日目にこの減少を示した。pVAXでプライムしたマウスに対する膣ウイルス排出の減少は、負荷後5日目までにより明らかであり、7日目までに、gD2t DNAでプライムしたマウスの1匹のみにおいてウイルスは検出可能であり、UL5、UL30、gD2t DNAでプライムしたマウスにおいては検出可能でなかった。
【0216】
gD2tタンパク質によるブーストは、pVAX−FI−Mock群に対して、HSV−2排出における1.5から2Logのより大きな最初の減少をもたらした一方、gD2t DNA−gD2tタンパク質群のみは、負荷後3から5日目を通じて減少したレベルのウイルス排出を維持した。後者の群において、ウイルス感染はより急速に排除され、負荷後6日目までに8匹のマウスのうち7匹においてウイルスレベルは検出限界以下であった(図5D、中央)。注目すべきは、この群における8匹のマウスのうち2匹は、拭き取り検体のいずれにおいても検出可能なウイルスを有さなかった(拭き取り検体毎に<10PFU)。
【0217】
FI−HSV2によるブーストは、pVAX−FI−Mock対照に対して、DNAでプライムした群のそれぞれにおいて、負荷後1日目に2から2.25Logのウイルス排出の最も大きな最初の減少をもたらすことが見出された(図5D、右)。負荷後2日目に、pVAX−FI−HSV2群における平均HSV−2排出レベルは、対照より概ね3.5Logより低く、この群において6日目までにウイルスは検出限界において平均レベルまで急速に排除された。ピークのHSV−2排出は、gD2t DNA−FI−HSV2群において同様であったが、ピークは感染における早期に起こり、ウイルス排出はさらに1日持続性であった。しかし、gD2t DNA−FI−HSV2群における8匹のマウスのうち3匹は、全時間経過を通して検出可能な排出を有さなかった。最終的に、UL5、UL30、gD2t DNA−FI−HSV2群における3日目の103.6PFUのピーク力価は、他のFI−HSV2群におけるより僅かに高かく、この群におけるウイルスは、負荷後6〜7日目まで概ね102PFUのレベルで持続した。
【0218】
F.単一の製剤としてのAdju−Phos中のプラスミドDNAおよびFI−HSV2による同時免疫化は、Adju−Phos中のFI−HSV2単独より有効でない。
プライム−ブースト戦略は高度に防御的であると判明した一方、単一の製剤におけるDNAおよびFI−HSV2の同時注射は、ワクチンの製造および臨床適用の両方について高度に有利である。さらに、2つのプラットフォームの組合せは、ワクチン構成要素に対する協同的な防御的応答をもたらし得る。Adju−Phosは、B型肝炎ウイルス抗原をコードするプラスミドDNAおよびタンパク質と一緒に送達されたときに、それぞれ、DNAおよびタンパク質に対してTh1およびTh2タイプの免疫応答の両方を誘発した、臨床的に承認されたリン酸アルミニウムアジュバントである(Kwissa、M.ら、J.Mol.Med.、81:502〜510頁(2003年))。したがって、マウスの群(n=8)に、UL5、UL30、およびgD2tをコードする107PFU当量のFI−HSV2+/−DNAプラスミド(それぞれ50μg)と共に製剤したMPL/Adju−Phosの筋肉内注射を与えた。陰性対照群は、MPL/Adju−Phosで製剤されたpVAXおよびFI−Mockを受けた。マウスに第1の注射の4週間後に第2の注射を与え、次いで、メドロキシプロゲステロン処理し、上記のように負荷した。
【0219】
負荷後2日目に、対照マウス(pVAX+FI−Mock)の全てはHSV−2を排出し、平均力価は104.2PFUであった(図6A、左のパネル)。FI−HSV2を受けたマウスの群は、有意に低減した平均力価を有した(概ね3Log、P<0.001およびP<0.01、クラスカル−ワリス、およびダンの多重比較検定)。さらに、FI−HSV2(DNAなし)を受けている群におけるマウスの半分は、検出限界未満であったHSV−2排出のレベルを有した。4日目まで、8匹のこれらの動物のうち7匹、およびUL5、UL30、gD2t+FI−HSV2により免疫化された群の半分は、検出限界以下であった排出のレベルを有した(図6A、右のパネル)。対照的に、pVAX+FI−Mockにより免疫化された動物の平均力価は、103.8PFUで上昇したままであった。UL5、UL30、gD2t DNAおよびFI−HSV2MPL/Adju−Phosによる免疫化は、FI−HSV2MPL/Adju−Phos単独より有意に良好ではなかった。
【0220】
別の実験において、単一の製剤によって誘発された免疫応答の持続性を、第2の免疫化の後、負荷の前に9週間待つことによって調査した。短期間の負荷に含まれる従前の3つの群(pVAX+FI−Mock、FI−HSV2、およびFI−HSV2+50μgの各UL5、UL30、gD2t)に加えて、MPL/Adju−Phosにおいて製剤した2つのさらなる群を加えた。1)先行するDNA実験において使用される用量を試験するためのFI−HSV2+20μgの各UL5、UL30、gD2t DNAプラスミド、ならびに2)対照としての役割を果たすFI−HSV2+60μgのpVAX DNAプラスミド。負荷後2日で、pVAX+FI−Mock群は、104.7PFUの平均力価を有し、一方、FI−HSV2単独(DNAなし)を受けた群は、力価の殆ど4Logの低減を有した(100.96PFU)(図6B、左のパネル)。陰性対照動物と比較して、UL5、UL30、gD2t DNA(20μgまたは50μg)を受けた群は、同様の概ね3Logの低減を有した(それぞれ、101.7および102.0)。4日目までに、FI−HSV2のみの群において8匹のマウスのうち6匹は、検出限界未満のウイルス力価を有し、一方、それぞれ、20μgおよび50μgのUL5、UL30、gD2t DNA+FI−HSV2群において8匹の動物のうち1匹または2匹のみが、検出限界未満のウイルスを排出した(図6B、右のパネル)。抗原性のDNA+FI−HSV2を受けた群のそれぞれについて、2日目および4日目のウイルス排出の低減は、pVAX FI−Mock群と比較して統計的に有意であった(P<0.001からP<0.05、クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定)。しかし、pVAX+FI−HSV2を受けた群は、いずれの日においてもウイルス排出において統計的に有意な低減を有さなかった(それぞれ、102.7および102.3の平均力価)。
【0221】
まとめると、これらのデータは、MPL/Adju−Phosを伴う単一の製剤中のFI−HSV2およびプラスミドDNAの組合せが、FI−HSV2単独ほどHSV−2排出の防止において効果的ではないことを示唆する。これらの結果はまた、同じタイプの免疫化および長期間の負荷を受けた動物においてHSV−2疾患スコアに観察された。非常により重要には、FI−HSV2により免疫化された動物は、短期間および長期間の負荷の両方においてウイルス排出および疾患の両方に対して最良の防御を有したが、これはFI−HSV2が、持続性があり高度に防御的な免疫応答を誘発することを示唆する。
【0222】
G.AlhydrogelまたはAdju−Phosアジュバント中のFI−HSV2による免疫化は、負荷および再負荷に続いて、HSV−2複製に対して高度に防御的である。
上記の実験において、本発明者らは、試験したウイルス排出に対する最良の防御がFI−HSV2単独による免疫化によって実現したことを見出した。本発明者らは次に、これらの結果を確認し、FI−HSV2による免疫化を改善できるかを決定することを模索した。第1の考察の1つは、Imject alumが、結晶性およびアモルファスのアルミニウム相の両方からなり、臨床応用に適したalumの詳細に明らかにされた形態ではないことであった。水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムアジュバントの両方は、ワクチンにおける使用のために認可を受けているため、Imject alumの不明確な態様が防御の一因となった可能性を排除するために、より臨床的に関連性のある形態のalum、例えば、AlhydrogelまたはAdju−Phosを試験することが重要であった。本発明者らはまた、免疫化の経路が結果として生じた防御に影響を与えることができるかを試験することを模索した。
【0223】
この目的のために、alumのタイプおよび注射経路は下記の通りであったことを除いては、上記のように107PFU当量のFI−HSV2およびMPLで8匹のマウスの群を免疫化した。1)FI−HSV2/MPL/Alhydrogel(s.c.に与える);2)FI−HSV2/MPL/Alhydrogel(i.m.に与える);または3)FI−HSV2/MPL/Adju−Phos(i.m.に与える)。対照群は、FI−Mock/MPL/Adju−Phos(i.m.に与える)を受けた。マウスは第1の注射の4週間後に第2の注射を与えられ、次いで、メドロキシプロゲステロン処理され、上記のように負荷された。
【0224】
pVAX FI−Mock群における2匹のマウスは負荷の前に死亡し、負荷後12日目までにこの群における残りのマウスは、HSV−2疾患に罹患した。FI−HSV2免疫化された群のいずれにおいても死亡はなかった。この群において感染の徴候を示した数匹の動物について、軽度の紅斑または膨れのみが観察された。FI−HSV2群における平均疾患スコアは負荷後7日目に0.2〜0.25の同様のレベルでピークとなり、疾患の完全な回復が、11日目までに各群における8匹のマウスのうち7匹において観察された。
【0225】
負荷後2日目に、pVAX FI−Mock対照群における平均HSV−2力価は、104.3PFUであり、FI−HSV2を受けている群における平均力価は、3Logだけ低減した(図7A、左のパネル)。さらに、各FI−HSV2群におけるマウスの半分以上は、検出限界以下のレベルまでにウイルス排出が低減した。pVAX FI−Mock対照群におけるHSV−2力価は負荷後4日目に104PFUレベルに留まった一方、FI−HSV2免疫化されたマウスのいずれにおいても、ウイルスは検出されず、または非常に低レベルのウイルスのみが検出可能であった(図7A、右のパネル)。FI−HSV2群のそれぞれについてのウイルス排出の低減は、pVAX FI−Mock群に対して、負荷後毎日において統計的に有意であった(P<0.05からP<0.001、クラスカル−ワリスおよびダンの多重比較検定)。しかし、防御された群の間で有意差は見られなかった(図7A)。まとめると、アルミニウム含有アジュバントAlhydrogelまたはAdju−Phosと一緒のFI−HSV2およびMPLによる免疫化は、少なくともImject alumによってもたらされるものと同じぐらいロバストであった、HSV−2疾患および排出に対する防御をもたらした。
【0226】
この実験において、各群におけるFI−HSV2により免疫化されたマウスの数匹は、試験したいずれの日においても検出可能な排出(<10PFU)を有さなかった。重要な疑問は、FI−HSV2/MPL/Alumによって提供される負荷に対する高レベルの防御がまた長期間の再負荷に対して有効であるかどうかであった。この目的のために、これまでのようにFI−HSV2により免疫化されたマウスをメドロキシプロゲステロンで処理し、次いで、同じ10×LD50用量のHSV−2による第1の負荷の17週間後に再負荷した。再負荷のための対照として、8匹のマウスの未処理群を、マウスの残りと同じHSV−2接種材料で同時に感染させた。
【0227】
第1のメドロキシプロゲステロン処理の後、FI−HSV2/Alhydrogel/s.c.マウスの1匹が死亡し、次いで、この群において再負荷のために7匹のマウスが残った。負荷後14日目までに未処理マウスの全てが死亡し、再負荷後21日目に、FI−HSV2/Alhydrogel/s.c.マウスの7匹のマウスのうち1匹が死亡した。他のマウスのいずれも、負荷後21日を通して軽度の紅斑または膨れを超えたHSV−2疾患を示さなかった。
【0228】
未処理群に与えたHSV−2の再負荷用量によって、負荷後2日目および4日目の両方において、概ね104PFUのウイルス排出レベルがもたらされ(図7B)、負荷後のそれぞれの日においてpVAX FI−Mock群におけるものと同様であった(図7A、左および右)。際立って、FI−HSV2群(n=23)における再負荷されたマウスの2匹のみは、検出可能な低レベルのウイルスを有した。21日目に死亡したFI−HSV2/Alhydrogel/s.c.群におけるマウスは、2日目に検出可能なウイルスを有した(例えば、図7Cを参照されたい)。FI−HSV2/Alhydrogel/i.m.群において、8匹のマウスのうち5匹は、負荷後または再負荷後2日目に検出可能なウイルスを有さず、この群における2匹のさらなるマウスは、負荷後に非常に低レベルの排出を有し(101〜101.5PFU)、再負荷後に検出可能なウイルスを有さなかった(図7C、中央)ことに特に注目すべきである。再負荷後4日目に、FI−HSV2群のいずれにおいてもウイルスは検出可能ではなかった。まとめると、本発明者らは、MPL、および種々のalumアジュバントのいずれかと共に製剤したFI−HSV2による免疫化は、HSV−2疾患に対する殆ど完全な防御を誘発することを見出した。さらに、これらのワクチンは、膣のHSV−2排出に対して強力で持続性のある防御を実現し、数匹の動物は、負荷または長期間の再負荷に続いて殺菌免疫を示す。
【0229】
H.分析
この研究において、本発明者らは、各構成要素が単独でまたはプライム−ブーストワクチンとして与えられたときの、HSV−2生殖器感染に対する2つのワクチン構成要素の防御特性を試験した。プライム構成要素は、マウスおよびモルモットモデルの両方において防御的作用を実現することが示されてきた、免疫原性gD2tタンパク質をコードするDNAからなった(Bourne、N.ら、Vaccine、14:1230〜1234頁(1996年);Bourne、N.ら、J.Infect.Dis.、173:800〜807頁(1996年);Higgins、T.J.ら、J.Infect.Dis.、182:1311〜1320頁(2000年);Strasser、J.E.ら、J.Infect.Dis.、182:1304〜1310頁(2000年))。従前の研究は、MCMVがコードするこれらのカウンターパートが、マウスにおけるMCMVの全身的負荷に対して個々に防御的であったことを示してきたため、本発明者らはまた、保存されている必須タンパク質であるHSV−2DNAポリメラーゼ(UL30)およびヘリカーゼ/プライマーゼ(UL5)をコードするDNAを試験した(Morello、C.S.ら、J.Virol.、81:7766〜7775頁(2007年))。ブースト構成要素は、いくつかのalum化合物の1つおよびMPLと製剤したホルマリン不活性化HSV−2(FI−HSV−2)、またはgD2tタンパク質およびMPLおよびalumを含有した。
【0230】
UL5およびUL30遺伝子の両方によるDNA免疫化は、IFN−γ産生によって測定されるようにCD8+T細胞応答を誘発したが、どちらの遺伝子も、gD2tをコードするDNAがまた含まれない限りは、疾患またはウイルス排出に対して防御的でなかった。本発明者らおよびその他の者は、gD2t DNA免疫化がgD2に特異的な高レベルの中和抗体を生じさせることを示してきたため(Flo、J.、Vaccine,21:1239〜1245頁(2003年);Hoshino、Y.ら、J.Virol.、79:410〜418頁(2005年))、この抗体は、生殖器の負荷に対して、UL5またはUL30に対するCD8T細胞より少なくとも局所的により防御的であり得た。しかし、gD2t DNA単独またはgD2tおよびUL5で免疫化されたマウスに対して、gD2t DNAおよびUL30で免疫化された群は、12日を通して最も低いピーク疾患(平均1.2)および疾患負担、ならびに1日目および2日目にウイルス排出の最も大きな低減を有した。UL5およびUL30DNAの組合せは、プラスミド単独により誘発される、またはgD2t DNAの同時の投与を伴って、もしくは伴わずに与えられたときに誘発される防御をさらに増大しないようであった。
【0231】
プライム−ブースト免疫化を受けているマウスにおいて、HSV−2膣疾患に対する防御は、ブーストのタイプと最も密接に関連し、FI−HSV−2/MPL/Alumブーストを受けている群は、MPL/Alum中のgD2tタンパク質を受けた群より高いレベルの防御を示し、両方のブーストは、HSV−2DNA単独による免疫化より防御を実現した。FI−HSV−2/MPL/Alumによるブーストはまた、ピークウイルス排出の最も大きな減少を実現した。FI−HSV2群における平均ウイルス力価は、負荷後1週間目の間、mock群より3.5〜4.2Logだけ低く、gD2tタンパク質免疫化されたマウスより2.8〜3.5Logだけ低かった。本発明者らがDNAプライムと、FI−HSV2またはgD2tタンパク質ブーストとを合わせたとき、本発明者らは、UL5、UL30、gD2t DNAプライムおよびFI−HSV2ブーストの組合せが、HSV−2生殖器疾患に対する殆ど完全な防御を与えたことを見出した。
【0232】
空ベクターでプライムし、次いでFI−HSV−2/MPL/Alumでブーストした群において高レベルの防御が観察されたため、不活性化ウイルスワクチンの組成物を修飾することによって単一のワクチンとしてのその有効性を改善できるかを決定するように本発明者らは促された。プライム−ブースト研究の完了後、Imject alumが結晶性およびアモルファスのアルミニウム相の両方からなり、臨床応用に適したalumの詳細に明らかにされた形態ではないことを本発明者らは学んだ(Hem、S.L.ら、Vaccine、25:4985〜4986頁(2007年))。これによって、Imject alumの不明確な態様が防御の一因となったという懸念が生じ、これによって臨床ワクチンにおいて使用されるより詳細に明らかにされたalumアジュバントであるAlhydrogelおよびAdju−Phosを本発明者らが試験することは必須であった。
【0233】
両方のワクチン構成要素に対して免疫応答が誘発されたという点で、Adju−Phosは、DNAプラスミドおよびタンパク質抗原の同時送達のための成功した製剤であることが従前示されてきた(Kwissa、M.ら、J.Mol.Med.、81:502〜510頁(2003年))。本発明者らが単一の注射においてUL5、UL30、およびgD2tをコードするプラスミドDNAとAdju−Phos中のFI−HSV2とを合わせたとき、またはAdju−Phos中でFI−HSV2単独を与えたとき、マウスは、短期間の負荷後にHSV−2排出から有意に防御された(最後の免疫化に続いて3週間)ことを本発明者らは見出した。DNAの添加は、FI−HSV単独によって誘発されたものに対して防御をさらに増強せず、驚いたことに、防御を減少し得た。DNAが空ベクターまたはコードされたウイルス抗原であるに関わらず、長期間の負荷の後にこの作用はより明らかであった(ブースト後9週間)。B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)を発現するプラスミドDNAと共に製剤されたリン酸アルミニウムアジュバントは、HBsAg−特異的IFN−γ分泌細胞および細胞傷害性CD8+T細胞の両方を誘発することができるが、この製剤と2種の異種タンパク質のいずれかとの同時の投与が、IFN−γ陽性細胞のレベルに影響を与えることなくCD8+T細胞溶解活性を抑止したことをKwissaらは示した(Kwissa、M.ら、J.Mol.Med.、81:502〜510頁(2003年))。FI−HSV2/MPL/Adju−PhosワクチンへのpVAX DNAの添加が、防御有効性の減少をもたらした一方、総IgG、IgG1、およびIgG2aレベルは影響されなかった。FI−HSV2によって誘発される異なる防御の免疫相関は、pVAX DNA添加によって減少し得、HSV−2抗原を発現するプラスミド(UL5、UL30、およびgD2t)の同時の投与が防御の低下を部分的に償い得たことが可能であることをこれは示唆する。いずれにしても、FI−HSV2MPL/Adju−Phos製剤単独は、印象的なレベルの防御を実現し、2日目に8匹の動物のうち4匹、および4日目に8匹の動物のうち6匹が、検出限界以下のウイルスを排出した。
【0234】
したがって、本発明者らは、筋肉内に与えられたMPLおよびAdju−Phosと共に製剤したFI−HSV2を含有するワクチンの有効性を、筋肉内または皮下に与えられたMPLおよびAlhydrogelと共に製剤したFI−HSV−2と比較した。HSV−2による負荷に続いて、FI−HSV2群のいずれにおいても死亡は起こらず、生殖器疾患は最小であった。実際は、各群におけるマウスの半分以上について、ウイルス排出が検出限界以下のレベルへ低減したが、これはこれらの動物が殺菌免疫を有し得ることを示唆するため、数匹のマウスにおいて見られる軽度の紅斑および膨れは、炎症反応によるものであり得た。防御は持続性があり、かつマウスが第2の負荷に耐性であるかを決定するために、第1の負荷の17週間後に、第1の負荷のために与えた同じ10×LD50用量のHSV−2でマウスを再負荷した。FI−HSV2群において再負荷されたマウスの内2匹のみが検出可能な低レベルのウイルスを有したことは特に注目すべきであった。全体的に、最良の防御はFI−HSV2/Alhydrogel/i.m.群において見られ、8匹のマウスのうち5匹が、第1の負荷の後または4カ月後に亘って与えられた再負荷後に検出可能なウイルスを有さず、この群における2匹のさらなるマウスは、第1の負荷後に非常に低レベルの排出を有し、再負荷後に検出可能なウイルスを有さなかった。これらの結果はまた、gD2t DNAまたはタンパク質で免疫化されたマウスにおける本発明者らの結果(第1の負荷の後にウイルス排出から最も防御されたマウスは、それに続く再負荷後に最も高い排出レベルを示した)と著しく対照的である。これらの刺激的な結果によって、適当なアジュバントと共に製剤される不活性化ウイルスワクチンについてさらなる考察を行うことを余儀なくされる。
【0235】
最近、本発明者らは、実験の結果を報告したが、ここでは本発明者らは、急性および再発性疾患の両方を研究することができるモデルであるモルモットにおいて、i.vag.のHSV−2負荷に対するその防御有効性について同様のプライム−ブースト戦略を評価した(Morello、C.S.ら、J.Virol.、85:3461〜3472頁(2011年))。モルモットを、3種のプラスミドDNA:gD2t DNAおよびUL5およびUL30、またはHSV−2の2つのさらなる保存されている必須遺伝子(UL29およびUL52)でプライムした。これらの群の両方を、続いてMPL/Alhydrogel中のホルマリン−不活性化HSV−2(FI−HSV2)でブーストした。防御に対するFI−HSV2/MPL/alum単独の寄与のための対照として、第3の群をプラスミド骨格DNA(pVAX)でプライムし、FI−HSV−2でブーストした。比較の目的のために、第4のワクチン群は、精製したgD2tタンパク質およびMPL/Alhydrogelを受けた。UL5、UL30、gD2t DNA−FI−HSV2群は、mock対照と比較して、再発性病変を有する日の97%の低減を示した。他の免疫化された群に対して、この群はまた、再発性疾患を有する日の最も高い低減を有し、後根神経節において最も低い平均HSV−2DNA量を含有した。しかし、FI−HSV2−MPL−AlhydrogelワクチンをpVAXでプライムしたモルモットに与えたときに、群における1匹の「ノンレスポンダー」動物を除いて、急性および再発性の病変の両方の発症に対して完全に防御されたことを本発明者らは留意した。この群はまた、UL5、UL30、gD2t DNA−FI−HSV2群についてのものと匹敵する、DRG中の検出不可能なレベルのHSV−2DNA、より低い累積的急性疾患スコア、およびより少ない再発性疾患を有する日数を有した。負荷および長期間の再負荷後のマウスにおけるウイルス排出に対する、ならびにモルモットにおける急性および再発性の疾患に対する防御における、FI−HSV2/MPL/Alhydrogelの成功に基づいて、このワクチン接種戦略は、動物モデルにおいて弱毒性または複製欠損HSV−2ワクチンによって生じるものと少なくとも同じぐらい有効である、HSV−2に対する広範で持続性のある免疫を実現することが可能である。不活性化HSV−2の使用はまた、潜伏感染の確立または野生型ウイルスとの組換えの可能性を有する弱毒性ウイルスワクチンの安全上の懸念を排除する。
【0236】
本発明者らは、DNAプライム−不活性化ウイルスブースト戦略を、急性および再発性疾患の両方を研究するためのモデルであるモルモットにおいて、膣内(i.vag.)のHSV−2負荷に対するその有効性について最近評価した[19]。モルモットをgD2t、UL5、およびUL30をコードするプラスミドでプライムし、次いで、MPL/Alhydrogel中のホルマリン−不活性化HSV−2(FI−HSV2)でブーストした。i.vag.負荷の後、この群は、mock対照と比較して再発性病変を有する日の97%の低減を示し、再発性疾患を伴う日の最も高い低減を有し、後根神経節において最も低い平均HSV−2DNA量を含有した。しかし、FI−HSV2/MPL/Alhydrogel構成要素単独(pVAX空ベクターDNA−FI−HSV2群)は、1匹の「ノンレスポンダー」動物を例外として、急性および再発性両方の病変ならびにDRGにおける検出可能なHSV−2DNAに対して完全な防御を誘発した。累積的急性疾患スコア、および再発性疾患を有する日の数をまた、UL5、UL30、gD2t DNA−FI−HSV2群と匹敵した。
【0237】
本明細書において開示されているのは、DNA、FI−HSV2、およびアジュバントによって与えられる免疫および防御をさらに特性決定するためのマウスモデルの使用である。本発明者らはまた、投与を単純化および促進し、かつ防御的反応を増加させるための単一の製剤ワクチンを試験した。
【0238】
I.材料および方法
ワクチン
FI−HSV2およびホルマリン不活性化mock調製物(FI−Mock)は、それぞれ、HSV−2感染または非感染細胞から調製した。細胞外ウイルスを精製し、上記のように不活性化し[19]、ELISA抗原のために上記のようにデキストラン硫酸洗浄に由来するウイルスを精製し[19]、次いでホルマリン不活性化した。細胞内ウイルスを、ウイルス含有細胞外培地中で超音波処理したHSV−2に感染したベロ細胞の清澄化した上清から得た。上記のように、ウイルスをそれに続いてペレット化し、不活性化した[19]。任意の調製物の不活性化の後に、感染性ウイルスは検出されなかった。各実験のために使用した調製物を、各図のレジェンドにおいて表す。全てのFI−HSV2免疫化は、107PFU当量および12.5μgのMPL(Sigma L6895)を含有した。Alumは、Thermo Pierce(Imject alum)またはAccurate Chemical & Scientific(Adju−PhosおよびAlhydrogel)から購入したが、Al用量は図のレジェンドに記載する。HSV−2株G UL5、UL30、およびgD2t(aa1〜327)を発現するプラスミド、ならびにgD2tタンパク質サブユニットワクチンを、上記のように構築および調製した[19]。
【0239】
マウスおよび倫理に関する記述
雌性BALB/cマウスは、Charles River Laboratoriesから購入し、マイクロ隔離飼育器のケージに収容し、使用する前に少なくとも2週間順応させた。研究は米国国立衛生研究所のGuide for the Care and Use of Laboratory Animalsにおける推奨に厳密に従って行った。脊椎動物の使用の全ては、カリフォルニア大学動物実験委員会(San Diego)によって承認された。
【0240】
膣内のHSV−2負荷モデル
マウスを酢酸メドロキシプロゲステロン(Depo−Provera、Sigma M1629)で処理し[20]、マイクロピペットによる5×104PFUのHSV−2株G(約10LD50用量)の滴下の直前に、DPBSで湿らせたポリエステル先端の拭き取り検体(MicroPur 1001D、PurFybr Solon、Rhinelander、WI)でi.vag.の拭き取りを行った。負荷のために使用したHSV−2調製物は、上記に記載した[19]。
【0241】
肛門生殖器疾患を、図4のレジェンドに記載したようにスコア化した。感染性ウイルスの膣ウイルス排出を、プラークアッセイによって測定した[19]が、各アッセイの感受性の限界を、各図において表す。
【0242】
抗体の定量化:HSV−2ビリオン特異的IgG
ELISAは、IgG(Sigma)、IgG1またはIgG2aに特異的なアルカリホスファターゼヤギ抗マウスコンジュゲート(SouthernBiotech)を使用したこと以外は上記の通りであり[19]、エンドポイント力価をフィットスプライン内挿した(GraphPad Prism5.0d)。
【0243】
中和抗体アッセイ
補体−依存性HSV−2中和抗体を、従前に記載したようにプラーク低減アッセイによって測定した[21]。
【0244】
細胞内サイトカイン染色
第2の注射の11日後に、足蹠におけるHSV−2注射によってマウスをインビボで再刺激した。4日後、脾細胞を細胞毎に10PFUのHSV−2(または、等容量のmock調製物)でインビトロにて2時間刺激した。ブレフェルジンAをさらに8時間加えた。
【0245】
染色のために、生存性確認色素(LIVE/DEAD fixable violet;Molecular Probes、Invitrogen)およびFcブロック(CD16/32;BD)を、4℃で30分間加えた。表面マーカーCD8−Ax488(クローン53〜6.7;BD)およびCD4−Ax647(クローンRM4〜5;BD)を、4℃で30分間加え、次いで細胞を透過処理し、BD Cytofix/Cytopermキットを使用して固定した。CD3−PE−Cy5(クローン145〜2C11;BD)およびIFN−γ−PE(クローンXMG1.2;BD)を、4℃で45分間の細胞内染色中に含めた。San Diego Center for AIDS ResearchおよびVeterans Medical Research FoundationおよびVA San Diego Healthcare System、La Jolla、CAのResearch Flow Cytometry Core Facilityにおいて、50,000〜100,000個のCD3+T生細胞からのデータを、BD FACSCantoフローサイトメーターで集め、BD FACSDivaソフトウェアで分析した。
【0246】
統計解析
クラスカル−ワリス分析によって全てのデータ群についての統計的有意性を決定し、ダンの多重比較検定(GraphPad Prism5.0d)によってワクチン群の全ての対を比較した。有意性スコア、(*)P<0.05;(**)P<0.01;(***)P<0.001;および(ns)、有意差なし。
【0247】
J.FI−HSV2は、gD2サブユニットよりHSV−2生殖器疾患および排出に対してより一貫した防御を実現する
タンパク質をベースとする「ブースト」ワクチン構成要素の防御有効性を調査するために、マウスを、FI−HSV2、FI−Mock、またはgD2tタンパク質(それぞれ、MPL/Imject Alumを加える)で2回免疫化し、i.vag.負荷した。FI−HSV2は、死亡に対して完全に防御的であり(図4A)、肛門生殖器疾患(図4B)膣ウイルス排出(図4C)の両方はFI−Mock対照より下へと有意に低減した(P<0.001)。2日目に、FI−HSV2マウスにおける膣ウイルス力価の低減は、FI−Mockと比較して3.6Logだけ低減した(P<0.001)が、FI−HSV2およびgD2tが媒介する防御は可変性であった(図4C)。
【0248】
次に、本発明者らは、DNAプライム(gD2t DNA単独、またはUL5およびUL30DNAを伴う)、それに続くMPL/Alum中の上記のブーストタイプの防御有効性を調査した(タイムラインについて図5Aを参照されたい)。gD2tまたはFI−HSV2によるブーストは、死亡に対して同様の防御を与え(図5B)、pVAX−FI−Mockと比較して、FI−HSV2でブーストした群の3つ全ては、総疾患負担(pVAXでプライムした群についてP<0.01、および他についてP<0.001)(図5C)、ならびに総ウイルス排出(pVAXについてP<0.001、gD2t DNAについてP<0.01、ならびにUL5、UL30、およびgD2t DNAについてP<0.05)(図5D)において有意な低減を有した。gD2t DNA−gD2tタンパク質群はまた、有意に低減した疾患負担および総ウイルス排出(P<0.001)を示した。総排出は、gD2tタンパク質と比較してFI−HSV2でブーストしたマウスにおいてより低かったが、差異は統計的に有意でなかった。
【0249】
K.単一の製剤としての試験したプラスミドDNAおよびMPL/Adju−Phos中のFI−HSV2による同時免疫化は、FI−HSV2が媒介する防御を増強しなかった。
リン酸アルミニウム(Adju−Phos)中での同時送達に続いてプラスミドDNAおよびタンパク質の両方に対して免疫応答が誘発されたことが示されたため、本発明者らは、ワクチン構成要素を単一の製剤中に合わせることができるかを次に試験した[22]。マウスに、UL5、UL30、およびgD2t DNAを伴い、または伴わずに、FI−HSV2およびMPL/Adju−Phosを注射した。短期間の負荷の2日後、両方のワクチン接種された群は、陰性対照群と比較して有意に低減した力価を有した(それぞれ、P<0.01およびP<0.001)(図6A、左)。FI−HSV2単独群において、2日目に4匹の動物において、および4日目に6匹の動物においてウイルスは検出されなかった(図6A、右)。
【0250】
本発明者らは次に、反応の持続性を試験し、長期間の負荷の2日後に、FI−HSV2単独群は、力価においてMockに対して有意な4Logの低減を有し(P<0.001)、検出不可能なウイルスの割合は、短期間の負荷後のものと同様であった(図6B)。4日目に、pVAX FI−HSV2マウスの全ては、検出可能なウイルスを有した。
【0251】
短期間の負荷前のHSV−2特異的IgGのレベルは、両方のワクチン接種された群において同様に高く、長期間負荷された動物において1.5〜2.5分の1に減少した(図6C左対右)。驚いたことに、長期間の負荷前の中和抗体力価は、抗原性のDNAを受けた動物において有意にMockを超えたのみであった(pVAX FI−Mockと比較してP<0.001)(図6C)。
【0252】
L.AlhydrogelまたはAdju−Phosアジュバント中のFI−HSV2による免疫化は、負荷および再負荷に続いてHSV−2複製に対して高度に防御的である。
ウイルス排出に対する最良の防御が、FI−HSV2MPL/Adju−Phos免疫化されたマウスにおいて観察された。本発明者らは、次に2つの免疫化経路(筋内(i.m.)および皮下(s.c.))を比較し、アジュバントAdju−PhosおよびAlhydrogel(Imjectと比較した詳細に明らかにされた水酸化アルミニウム)に加えて、第2の負荷に対するそれに続く防御をアセスメントした。
【0253】
負荷後2日目に、全てのFI−HSV2群におけるウイルス排出は、mock対照と比較して3Logだけ有意に低減した(P<0.01またはP<0.05)(図7A、左)。各FI−HSV2群におけるマウスの半分以上は、検出限界以下の排出レベルを有した。負荷後4日目まで、FI−HSV2免疫化されたマウスのいずれにおいても、非常に低レベルのウイルスが検出可能であり、または検出可能でなかった(図7A、右)。
【0254】
AlhydrogelまたはAdju−Phos中のFI−HSV2でi.m.免疫化されたマウスは、Mockより統計的に高い、同様の高レベルのウイルス特異的IgGを有した(それぞれ、P<0.001およびP<0.01)(図11、左)。Alhydrogel中のFI−HSV2(i.m.)は、s.c.と比較して有意により高いIgGを誘発した(P<0.05)。全ての群は排出に対して有意に防御されたが、s.c.ではなくi.m.で与えられたFI−HSV2は、有意な中和抗体力価を誘発した(P<0.01)(図11、右)。
【0255】
FI−HSV2を受けている動物の殆ど半分は、検出可能な排出を有さなかった。そのため本発明者らは、この高レベルの防御がまた再負荷に対して有効であるかを次に試験した。長期間の再負荷後、FI−HSV2で免疫化された23匹のマウスの2匹のみが、検出可能な膣ウイルスを有し(図7C、y軸)、これは未処理対照と比較して低いレベルであった(図7B)。際立って、8匹のFI−HSV2/Alhydrogel/i.m.マウスのうち5匹は、負荷後または再負荷後2日目に検出可能なウイルスを有さなかった(図7C、中央)。
【0256】
M.FI−HSV2ワクチンへのLPSに由来するアジュバント/アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバント(例えば、MPL/Alhydrogel)の添加は、HSV−2複製、疾患、およびDRGにおける潜在ウイルス量に対する防御のために必要とされる。
本発明者らは、MPL/Alhydrogel中のFI−HSV2の製剤が最適な防御のために必要であるかを次に決定し、防御に対する免疫化経路の上記の作用を確認した。負荷後2日目に、MPL/Alhydrogel中のFI−HSV2で免疫化したマウスは、Mockに対して平均ウイルス力価において統計的に有意な約4Logの低減を有し(P<0.001)、それぞれ、i.m.またはs.c.免疫化された8匹の動物のうち5匹または2匹は、検出可能なウイルスを有さなかった(図8A、左)。対照的に、DPBS中のFI−HSV2による免疫化に続く排出レベルは、Mockより有意差があるとは言えなかった。i.m.注射群において、MPL/Alhydrogelは、DPBSより有意により低いウイルスレベルを実現した(P<0.05)。4日目に、FI−HSV2MPL/Alhydrogel群は、非常に同様の平均力価を有し、それぞれの8匹の動物の6匹は検出可能なウイルスを有さなかった(図8A、右)。
【0257】
FI−HSV2MPL/Alhydrogelでi.m.免疫化したマウスは、非常に僅かな紅斑を超える任意の疾患に対して完全に防御されていた(P<0.001)(図8B)。FI−HSV2MPL/Alhydrogel(s.c.)およびDPBS(i.m.)群はまた、対照に対して疾患から有意に防御された(P<0.01)一方で、DPBS(s.c.)群はそうではなかった。DPBS群のそれぞれにおいて2匹のマウスが死亡した。
【0258】
負荷後4週間目に、生存しているマウスおよび4匹の未処理マウスからのDRGを収集し、リアルタイムqPCRによって潜在HSV−2DNAレベルを定量化した(図8C)。興味深いことに、MPL/Alhydrogel中のFI−HSV2により免疫化(i.m.)した動物は、検出可能なHSV−2DNAを有さなかった。FI−HSV2MPL/Alhydrogel(s.c.)群からの2匹のマウスのみが、検出可能なHSV−2DNAを有し、14ゲノムコピーを有するマウスは2日目に最も高い力価を有し、18コピーを有するマウスは、ウイルスは検出可能でなかった。
【0259】
FI−HSV2MPL/Alhydrogelによるi.m.免疫化は、ウイルス特異的総IgG(図9A、左)および中和抗体(図9B)の最も高い力価を誘発し、IgG力価はFI−HSV2/DPBS(i.m.)群におけるより概ね10倍高かった(図9A、左)。s.c.ではなくi.m.で与えられたFI−HSV2DPBSは、対照に対して有意なIgGレベルを誘発した(P<0.05)。FI−HSV2(s.c.)免疫化へのMPL/Alhydrogelの添加は、IgGレベルを7.6倍増加させ、Mockを超えて有意なレベルに増加させた(P<0.01)。本発明者らは、注射経路またはMPL/Alhydrogelの添加が、HSV−2特異的抗体応答をTh1(IgG2a)またはTh2(IgG1)応答に向けて偏らせたかどうかを試験した。FI−HSV2群へのMPL/Alhydrogelの添加は、それらのそれぞれのDPBS群と比較して有意に増加したIgG1応答を与えた(i.m.:P<0.01およびs.c.:P<0.05)が、これはTh2バイアスを示唆する(図9A、右)。
【0260】
図9Bは、最も高いレベルの中和抗体力価が、FI−HSV2によるi.m.ワクチン接種からもたらされたことを示す(FI−Mockと比較してP<0.001)。MPL/Alhydrogel(i.m.)の添加は、DPBS(i.m.)群と比較して中和力価の2.4倍の増加(有意差なし)を与え、いずれのs.c.群もFI−Mockと統計的に異ならなかった。
【0261】
最終的に、ICSアッセイを行い、不活性化ウイルスに対するIFN−γ+T細胞応答を分析した(図9C)。対照群(ネット平均=0.05%)と比較して、低レベルのHSV−2特異的CD4+IFN−γ+T細胞が、ワクチン接種されてインビボで再刺激されたマウスの脾細胞において検出された(0.15から0.43%のネット平均範囲)。しかし、CD8+T細胞応答はバックグラウンドを超えて検出可能ではなかった。gD2をスパンするオーバーラップペプチドのプールによる脾細胞の刺激は、バックグラウンドを超えたいかなるCD4+またはCD8+T細胞応答をもたらさなかった。
【0262】
N.分析
この研究において、HSV−2疾患および排出に対する最良の防御は、不活性化HSV2/LPSに由来するアジュバント/アルミニウムをベースとする鉱物塩アジュバント(例えば、FI−HSV2/MPL/Alhydrogel)のi.m.注射によって得られたことが決定された。このワクチンは、軽度の炎症以外のHSV−2疾患を予防し、ウイルス排出を3〜4Logだけ低減し、2回の負荷後でさえ動物の大部分を検出可能な膣ウイルスから防御し、DRGにおけるHSV−2DNAに対する完全な防御を実現した。これらの実験における高レベルの有効性は、MPL/AlhydrogelまたはMPL/Adju−Phosを有する製剤に依存した。FI−HSV2/MPL/Adju−Phosによる長期間の負荷実験は、同様の高レベルの防御がブースト後3週間目および9週間目において観察されたため、反応は持続性があったことを示した。
【0263】
異なる経路でのFI−HSV2/MPL/Alhydrogelによる免疫化は、免疫応答に影響を与えたが、このように得られた高レベルの防御に影響を与えなかった(図7〜9、11)。2つの独立した実験において、i.m.免疫化は、s.c.およびmock群と比較して、有意により高いレベルのウイルス中和抗体を誘発した(図11および9B)。インフルエンザ[23]、ジフテリアおよび破傷風(DT)[24]、ならびにその他[25、26]についてのワクチンの臨床試験は、i.m.対s.c.投与を比較してきた。一般に、いずれかの経路で同様のレベルの抗体力価が達成されたが、i.m.注射に続いて全体的により少ない有害事象(局所および/または全身的)が観察された。
【0264】
HSV−2サブユニットワクチンを比較する最近の研究と同様に[27]、本発明者らは、中和抗体、総IgG、IgGサブタイプ、またはT細胞応答を含めて、免疫の単一の尺度が、防御と相関しないことを見出した。本発明者らは、FI−HSV2/MPL/Alhydrogel(i.m.)が、同様のアッセイによって測定されるように、複製欠損HSV−2ワクチンで免疫化されたBALB/cマウスにおいて観察されたものと同様のレベルのウイルス特異的CD4+IFN−γ+T細胞を誘発したことを見出した[21、28]。一般に、FI−HSV2/MPL/Alhydrogelによる免疫化は、ピークウイルス複製における約4Logの低減(複製欠損ウイルスワクチン[28]、実験的アジュバントを伴うサブユニットワクチン[29]、および弱毒性生ワクチン[30、31]で免疫化されたマウスにおけるものと同様の低減)を一貫してもたらした。最もとりわけ、FI−HSV2/MPL/Alhydrogel(i.m.)免疫化されたマウスの大部分は、検出可能なウイルス排出を有さなかったが、これらのマウスが殺菌免疫を有し得たことをこれは示唆する。
【0265】
単一の糖タンパク質サブユニットと比較して、全ウイルスワクチンの潜在的な利点は、ウイルス粒子との関連において、抗体標的の広範な多様性を提供することである。本発明者らは、FI−HSV2が媒介する防御が大部分はFI−HSV2に由来するgD2に対する応答のためであったという可能性を考えた。しかし、図4において使用された細胞内FI−HSV2は、gD2tタンパク質群における5μgと比較して2.9μgのgD2を含有したが、これはgD2が防御へのカギではなかったことを示す。それに続くデキストラン硫酸洗浄に由来するFI−HSV2調製物は、用量毎に20ngのみのgD2を含有し、最も高い防御を誘発した。このように、FI−HSV2からの最適な防御は、ナノグラム量のgD2タンパク質によって可能性が低かった(しかしむしろ、ビリオンが関連する抗原に対する総応答)。
【0266】
FI−HSV2/MPL/Alhydrogelが、負荷および長期間の再負荷後のウイルス排出に対してマウスを、および急性および再発性疾患に対してモルモットを防御することを本発明者らは今や示した[19]。動物モデルにおける防御は、潜伏感染の確立または野生型ウイルスとの組換えの可能性を有する戦略である、弱毒性または複製欠損HSV−2ワクチンによって生じるものと少なくとも同じ高さであるようである。不活性化ウイルスによるワクチン接種は多くの安全上の懸念を排除する一方、第一世代の不活性化HSV−2ワクチンの主要な批評は、誘発された応答の耐久性が乏しいことであった。しかし、本発明者らは、アジュバント、例えば、MPL/Alhydrogelを有する製剤がこの定説に挑戦することを示す。これらの刺激的な結果は、現代の臨床的に承認されたアジュバントと共に製剤された不活性化HSV−2ワクチンをさらに考察することを要求する。
【0267】
O.参考文献
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【0268】
本明細書に記載されている実施例および実施形態は、例示のために過ぎず、それを考慮した様々な改変または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および権限ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。本明細書において引用した全ての公開資料、特許、および特許出願は、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
図1
図2A-C】
図2D-E】
図3A
図3B-C】
図4
図5A-B】
図5C-D】
図6A-B】
図6C-D】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]