(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下方係合部材(14)が、外向きに延びかつスリーブ(6)の下端(6b)の端部表面に接触する環状フランジを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の乳首カップ。
カートリッジが、乳首カップライナー(7)の上端部(7a)に設けられかつ乳首のための開口を規定するリップ(20)を形成するリップ部材(3)を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の乳首カップ。
【背景技術】
【0002】
今日使用される乳首カップは、一般的に二つの別個の主要部品(即ち外殻、及び外殻内に取り付けられた乳首カップライナー)からなる。乳首カップライナーは、摩耗にさらされる消耗物品であり、従って定期的に交換しなければならない。乳首カップライナーの交換は、外殻からの乳首カップライナーの取り外し、及び外殻内への新しい乳首カップライナーの取り付けを必要とする、時間のかかる困難な作業である。乳首カップライナーは、短いミルク導管と一緒の、または短いミルク導管から分離されている単一部品を形成することができる。
【0003】
米国特許第4459939号は、捨てられることができるカートリッジと外殻を含む乳首カップを開示する。このカートリッジは、上端及び下端を持つスリーブまたは内殻、及びスリーブ内に取り付けられた乳首カップライナーを含む。従って、カートリッジは、前記乳首を受けるための内部空間、及びスリーブの内側と乳首カップライナーの外側の間に設けられた脈動室を持つツーピースの乳首カップライナーを形成する。乳首カップライナーは、スリーブの上端に設けられた上端部、胴部、及びスリーブの下端の下端部を持つ。乳首カップライナーは、比較的高い弾性を持つ材料から作られる。乳首カップライナーは、下端部から離れてスリーブの下端を越えて延びる円筒状ニップルに解放可能に連結される。
【0004】
EP特許第511723号は、カートリッジを含む乳首カップを開示する。このカートリッジは、上端と下端を持つスリーブ、スリーブ内に取り付けられかつ前記乳首を受けるための内部空間を持つ乳首カップライナー、及びスリーブの内側と乳首カップライナーの外側の間に設けられた脈動室を持つツーピースの乳首カップライナーを含む。乳首カップライナーは、スリーブの上端に設けられた上端部、胴部、及びスリーブの下端を越えて延びる下端部を持つ。胴部及び下端部は、ともに比較的高い弾性を持つ材料から作られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、著しい摩耗にさらされる構成要素が容易にかつ確実に交換されることができる乳首カップを提供することである。特に、本発明の目的は、乳首カップライナーの取り外し及び交換を容易にし、従って乳首カップの衛生特性に悪影響を及ぼすことなく交換のために必要な時間を最少にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、下端部がスリーブの下端を越えて端部ノズルを形成すること、及び端部ノズルがミルクをカートリッジからミルク導管に輸送するためにミルク導管内に受け入れられるように構成された先細り外部形状を持つことを特徴とする冒頭に規定されたカートリッジによって達成される。
【0007】
かかるカートリッジは、容易に交換され、かつ先細り端部ノズルをミルク導管中に導入することによって容易に取り付けられることができる。かかる端部ノズルは、ミルク導管内に適切に受け入れられることができる。単に先細り端部ノズルをミルク導管の端部開口中に押圧することによって、確実で隙間のない連結が達成されるだろう。従って、ミルクは、搾乳時に乳首カップライナーからミルク導管中に信頼性ある態様で流れるだろう。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、端部ノズルは先細り内部形状を持つ。かかる内部形状のおかげで、搾乳時の乳首カップライナーからミルク導管中への滑らかで均一なミルク流が確保されることができる。
【0009】
本発明のさらなる実施態様によれば、胴部は、比較的高い弾性を持つ第一材料から作られ、下端部は、胴部の第一材料の比較的高い弾性と比べて比較的低い弾性を持つ第二材料から作られる。有利には、第一材料は、第二材料とは異なり、または言い換えれば第二材料と異なる組成を持つことができる。下端部、従って端部ノズルを胴部より弾性の低い材料、すなわちより硬い材料で作ることによって、端部ノズルは、ミルク導管内に隙間なくかつ確実に受け入れられることができる。
【0010】
これに代えて、胴部、下端部、及び上端部は、同じ材料から、例えば単一片で、好ましくは射出成形を通して、作られる。
【0011】
本発明のさらなる実施態様によれば、胴部は、永久結合によって下端部に取り付けられる。有利には、永久結合は、第一材料及び第二材料のうちの少なくとも一つを永久結合で溶融することによって形成されることができる。かかる溶融または溶接は、胴部と下端部の間の信頼性がある永久結合を確保する。
【0012】
本発明のさらなる実施態様によれば、下端部は、乳首カップライナーの胴部がスリーブ内に延伸された状態で維持されるようにスリーブと係合する下方係合部材を含む。延伸された状態では、乳首カップライナーは、外殻内に取り付けられていないいかなる外力にもさらされていない休止状態と比べて、延ばされている。
【0013】
本発明のさらなる実施態様によれば、下方係合部材は、外向きに延びかつスリーブの下端の端部表面に接触する下方環状フランジを含むか、またはかかる下方環状フランジによって形成される。好ましくは、下方環状フランジは、スリーブの下端の内径より大きな直径を持つ。
【0014】
本発明のさらなる実施態様によれば、上端部は、スリーブの上端の係合を可能にする上方係合部材を含む。有利には、上方係合部材は、スリーブの上端の端部表面の内径を越えて外向きに延びる上方環状フランジを含む。好ましくは、上方環状フランジは、スリーブの上端の内径より大きな直径を持つ。さらに、上方環状フランジの直径は、下方環状フランジの直径より大きくすることができる。
【0015】
本発明のさらなる実施態様によれば、上端部は、胴部の第一材料の比較的高い弾性と比べて比較的低い弾性を持つ第三材料から作られる。有利には、第二材料及び第三材料は、同じ材料であり、従って同じ組成を持つことができる。
【0016】
本発明のさらなる実施態様によれば、スリーブは、スリーブの外部表面の周りに延びる封止リング、及びスリーブを通る穴を含み、この穴は、脈動減圧が脈動室内に付与されることを可能にするように構成されており、この穴は、封止リングとスリーブの下端の間に設けられる。
【0017】
本発明のさらなる実施態様によれば、カートリッジは、乳首カップライナーの上端部に設けられかつ乳首のための開口を規定するリップを形成するリップ部材を含む。有利には、リップ部材は、乳首カップライナーに、またはおそらくスリーブに、スナップ連結によって取り外し可能に取り付けられることができる。かかるスナップ連結は、リップ部材の容易な取り外し及び交換を可能にする。
【0018】
この目的はまた、前記ミルク導管をさらに含む冒頭に規定された乳首カップによって達成され、そこではミルク導管は、第一端部、導管部及び第二端部、及び第一端部、導管部及び第二端部を通して延びるミルク通路を含み、さらに端部ノズルは、第一端部のミルク通路内に導入されかつ保持される。
【0019】
本発明のさらなる実施態様によれば、上端部のミルク通路は、第一端から導管部のミルク通路に向けて内部先細り形状を持つ。
【0020】
本発明のさらなる実施態様によれば、乳首カップは、カートリッジをミルク導管に連結する連結器を含む。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、搾乳される動物の乳首に取り付けられる乳首カップを開示する。乳首カップは、カートリッジ1及び連結器2を含む。乳首カップはまた、リップ部材3を含むことができる。加えて、乳首カップは、短いミルク導管のようなミルク導管4を含むことができるか、またはそれに連結されることができる。さらに、乳首カップは、脈動導管5を含むか、またはそれに連結されることができる。
【0023】
長手方向中心軸xは、乳首カップを通してかつ乳首カップ(すなわちカートリッジ1、連結器2及びリップ部材3)に沿って延びる。長手方向中心軸xはまた、ミルク導管が
図1に開示されたような休止状態にあるときにミルク導管4を通してかつそれに沿って延びる。
【0024】
カートリッジ1(
図2も参照されたい)は、上端6a及び下端6bを持つスリーブ6、及びスリーブ6に取り付けられた乳首カップライナー7を含む。
図1及び2では、カートリッジは、取り付けられた状態で(すなわち乳首カップライナー7がスリーブ6内に取り付けられている状態で)示されている。乳首カップライナー7は、乳首を受けるための内部空間8を持つか、またはそれを形成する。脈動室9は、スリーブ6の内部側と乳首カップライナー7の外部側の間に設けられるか、またはそこに形成されている。
【0025】
乳首カップライナー7は、スリーブ6の上端6aに設けられた上端部7a、胴部7c、及びスリーブ6の下端に設けられた下端部7bを含む。胴部7cは、上端部7aと下端部7bの間に設けられかつそれらに隣接する中間管状部である。胴部7cは、乳首カップライナー7の主要部であり、かつ搾乳中の動物の乳首と接触状態にある。
【0026】
下端部7bは、スリーブ6の下端6bから離れるようにかつそれを越えてスリーブ6内の位置から延びる。下端部7bは、端部ノズル10を形成する。端部ノズル10は、スリーブ6の下端6bを越えて延びる下端7bの一部である。端部ノズル10は、内部空間8からの出口を形成する。
【0027】
端部ノズル10は、ミルクを内部空間8からミルク導管4に輸送するためのミルク導管4内に受け入れられるように構成された先細り外部形状を持つ。端部ノズル10はまた、乳首カップライナー7の内部空間8からのミルクのための先細り出口を形成する先細り内部形状を持つ。
【0028】
乳首カップライナー7の胴部7cは、比較的高い弾性を持つ第一材料から作られる。乳首カップライナー7の下端部7bは、第一材料とは異なりかつ第一材料とは異なる組成を持つ第二材料から作られる。第二材料は、胴部7cの第一材料の比較的高い弾性と比較して比較的低い弾性を持つ。
【0029】
第一材料は、ゴム、黒色ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーのような弾性ポリマー、TPE、または他の好適ないかなる弾性材料からもなることができるか、またはそれらを含むことができる。
【0030】
第二材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の低い弾性を持つ好適なポリマーからなることができるか、またはそれらを含むことができる。
【0031】
上端部7aは、胴部7cの第一材料の比較的高い弾性と比べて比較的低い弾性を持つ第三材料から作られる。第三材料は、下端部7bの第二材料と同様のまたはそれと同じ組成及び/または特性を持つ材料であることができる。
【0032】
胴部7cは、下方の永久結合11によって下端部7bに取り付けられる。かかる永久結合11は、第一材料と第二材料の間の溶融結合、溶接結合、または化学結合によって形成されることができる。
【0033】
胴部7cはまた、上方の永久結合12によって上端部7aに取り付けられる。かかる永久結合12は、第一材料と第三材料の間の溶融結合、溶接結合、または化学結合によって形成されることができる。
【0034】
下方及び/または上方の永久結合11,12は、永久結合での第一材料及び第二材料の少なくとも一つの溶融によって形成されることができる。下方及び/または上方の永久結合11,12はまた、加硫を通して得られることができる。
【0035】
これに代えて、胴部7c及び下端部7b及び/または上端部7aは、同じ材料から作られ、例えば単一片で、好ましくは射出成形によって作られる。
【0036】
スリーブ6は、比較的低い弾性を持つ第四材料から作られる。第四材料は、第二材料と同じ材料と同様のまたは同じ組成及び/または特性を持つ材料であることができる。
【0037】
乳首カップライナー7の下端部7bは下方の係合部材14を含み、それは乳首カップライナー7の胴部7cがスリーブ6内で延伸した状態で維持されるような態様でスリーブ6と係合する。下方の係合材料14は、少なくともスリーブ6の下端6bの端部表面の内径を越えて外向きに延びる環状フランジを含むか、またはかかる環状フランジとして形成される。下端部7bの環状フランジは、長手方向中心軸xに対して半径方向または実質的に半径方向に外向きに延びることができる。下端部7bの環状フランジは、スリーブ6の下端6bの端部表面を越えて延び、かつ端部表面と接触する。
【0038】
乳首カップライナー7の上端部7aは上方の係合部材15を含み、それはスリーブ6の上端6aでスリーブ6と係合する。上方の係合部材15は、少なくともスリーブ6の上端6aの端部表面の内径を越えて外向きに延びる上方の環状フランジを含むか、またはかかる上方の環状フランジとして形成される。上方の係合部材15の環状フランジは、長手方向中心軸xに対して半径方向にまたは実質的に半径方向に外向きに延びることができる。実施態様では、上端部7aの上方の係合部材15の環状フランジが胴部7cの第一材料の外向きに曲がった部分と接触すること、それが次にスリーブ6の上端6aの端部表面と接触することを開示する。
【0039】
スリーブ6は、スリーブ6の外部表面の周りに延びる封止リング17を含む。封止リング17は、以下に述べられるように、連結器2の表面、特に端部表面と係合するように構成される。
【0040】
さらに、スリーブ6は、スリーブ6を通るかまたはスリーブ6の壁を通る穴18を含む。穴18は、脈動室9内に脈動減圧が付与されることを可能にする。穴18は、封止リング17とスリーブ6の下端6bの間に設けられる。
【0041】
リップ部材3は、開示された実施態様では、
図1及び2に見ることができるように、乳首カップライナー7の上端部7aに取り付けられる。リップ部材3は、スナップ連結19によってカートリッジ1に取り外し可能に取り付けられることが好ましい。
図2では、リップ部材3は、乳首カップライナー7及びカートリッジ1に対して取り外した状態で示されている。これに代えて、リップ部材3は、スリーブ6に取り外し可能に取り付けられることができる。
【0042】
リップ部材3は、リップ20を含むか、またはそれを形成し、このリップ20は、内部空間8への乳首のための開口21を包囲し、かつそれを規定する。リップ20はまた、比較的弾性の材料、おそらく胴部7cの第一材料と同様のまたは同じ組成及び/または特性を持つ材料から作られる。
【0043】
代替としてリップ部材またはリップ20が、好ましくは上端部7aに永久的に結合されることによって、または上端7aともしくは乳首カップライナー7と単一片で製造されることによって、乳首カップライナー7の一体化部分を形成することができることは注目されるべきである。
【0044】
連結器2(
図4も参照)はケーシング24を含み、それは底壁25、及び内部表面を持つ周壁26を持つ。ケーシング24は連結空間27を規定する。底壁25は、平坦または実質的に平坦である。
【0045】
連結器2またはケーシング24は、連結空間27へのカートリッジ1のための入口開口28、及びミルク導管4のための出口開口29を含む。出口開口29は、底壁25を通して延び、かつミルク導管4を受けかつ保持するように構成されている。開示された実施態様では、長手方向中心軸xは、ケーシング24を通して、及び入口開口28及び出口開口29を通して同心的に延び、さらに底壁25は、長手方向中心軸xに対して垂直に、または実質的に垂直に延びる。
【0046】
連結器2は、固定手段によってカートリッジ1に連結される。固定手段は、周囲壁26の内部表面上に設けられる。対応する固定手段は、スリーブ6の外側に設けられる。対応する固定手段は、封止リング17とスリーブ6の下端6bの間に設けられる。固定手段は、ケーシング24の内部表面上に一つ以上の外部差込みカップリング部31を含むことができる。対応する固定手段は、カートリッジ1のスリーブ6の外部表面上に一つ以上の内部差込みカップリング部32を含むことができる。外部差込みカップリング部31と内部差込みカップリング部32は、連結器2内のカートリッジ1のしっかりした固定を可能にする差込みカップリングを形成する。
【0047】
さらに、連結器2は、ケーシング24の入口開口28を越えて延びる外殻34を含む。外殻34は、管状であり、かつケーシング24の端部24aに取り付けられる。外殻34の目的は、カートリッジ1を保護することである。外殻34は、例えばプラスチックスまたはステンレス鋼のような金属のような比較的硬い材料から作られることができる。
【0048】
ケーシング24はまた、ケーシング24を通して連結空間27中に延びる開口35を含む。さらに、連結器2またはケーシング24は、脈動減圧を連結空間27に及び脈動室9に連通するために穴18を介して開口35及び脈動室9と流動連通状態で脈動導管5を保持するように構成された保持部材36を含む。保持部材は保持空間を規定し、それは側壁37及び底壁38によって部分的に規定されている。開口39は底壁38を通して延びる。
【0049】
ミルク導管4または短いミルク導管(
図3も参照)は、管状であり、かつ第一端を規定する第一端部4a、第二端を規定する第二端部4b、及び第一端部4aと第二端部4bの間の導管部4cを含む。ミルク導管4は、第一端部4a、導管部4c、及び第二端部4bを通して延びるミルク通路40を規定する。
【0050】
ミルク導管4の第一端は、平坦なまたは実質的に平坦な端部表面により規定または形成されることができ、それからミルク通路40が延びる。
【0051】
ミルク導管4の第一端部4aは、第一端から導管部4cまで外部先細り形状を持つ。従って、ミルク導管4は、導管部4cの外径に比べて第一端でより大きな外径を持つ。
【0052】
第一端部4aは、乳首カップの連結器2の底壁25を通して延びる出口開口29内に受け入れられるように構成される。第一端部4aは、底壁25と係合するように構成された第一周囲溝41を含む(
図1参照)。第一周囲溝41は、第一端から離れて、かつ導管部4cから離れて置かれる。
【0053】
第一端部4aのミルク通路40は、第一端から導管部4cのミルク通路40に向けて内部先細り形状を持つ。
【0054】
第二端部4bは第二周囲溝42を含み、それは、つめ(開示せず)のようないかなる好適なミルク受け部材またはミルク収集部材にも受け入れられるように構成される。第二周囲溝42は、第二端から離れて、かつ導管部4cから離れて置かれる。また、第二端部4bは、第二端から導管部4cまで外部先細り形状を持つ。
【0055】
ミルク導管4は、胴部の第一材料の弾性の等級の比較的高い弾性を持つホース材料から作られる。例えば、ミルク導管4は、天然ゴム、黒色ゴム、シリコーンゴムまたは熱可塑性エラストマー、TPEから製造されることができる。導管部4cは、ミルク導管4の曲げのための予め定められた領域を提供するために局部的に減少した外径、従って局部的に増加した弾性を持つ曲がり領域43を含む。
【0056】
また、脈動導管5(
図5も参照)は、比較的高い弾性を持つホース材料、おそらくミルク導管4の材料と同じホース材料、から作られることができる。脈動導管5は、保持部材36によって係合される取り付け端部5aを持つ。脈動導管5は、脈動導管5に沿って取り付け端部5aを通して延びる脈動通路51を規定するかまたは包囲する。取り付け端部5aは脈動通路51の開口52を規定する。脈動導管5が保持部材36によって係合されるとき、開口52はケーシング24を通して開口35に対向して置かれる。
【0057】
取り付け端部5aは、保持部材36の底壁38を通して延びる開口内に受け入れられるように構成される。取り付け端部51は、脈動導管5が連結器2内に取り付けられるとき、底壁38に接触するように構成された底面53を持つ(
図1参照)。
【0058】
乳首カップの組み立てを説明する。一つの組み立て工程は、カートリッジ1を作ることであり、そこでは乳首カップライナー7がスリーブ6内に取り付けられる。この取り付けは、乳首カップの製造と関連して前もってなされることができる。乳首カップライナー7は、次いでスリーブ6を通して引っ張られ、そこでは下端部7bは、スリーブの上端6aに導入され、かつ下方係合部材14がスリーブ6の下端6bの端部表面に対して隣接するように外向きにスナップするまで下端部7bが下端6bを通過するように下向きに押されかつ引っ張られる。上方係合部材15のおかげで、上端部7aは、スリーブ6の上端6aを通過しないだろうが、係合部材14及び15は、乳首カップライナー7及びその胴部7cがスリーブ6内に延伸された状態で保持されることを確保する。延伸された状態では、乳首カップライナー7は、休止状態と比べて長くなり、そこでは乳首カップライナー7は、乳首カップライナー7が外殻6内に取り付けられる前にいかなる外力も受けない。
【0059】
その後、リップ部材3はカートリッジ1に取り付けられることができ、そこではリップ部材3は、スナップ連結19がリップ部材3を取り外し可能な態様でカートリッジ1上に固定するようにスリーブ6の上端6a上に押圧される。
【0060】
カートリッジ1は、リップ21の摩耗に依存して、リップ部材3と一緒の、またはリップ部材3なしの、交換可能な要素である。カートリッジ1及びリップ部材3は、著しい摩耗にさらされる乳首カップの構成要素である。
【0061】
さらなる組み立て工程は、連結器2の組み立てである。外殻34は、ミルク導管4及び脈動導管5の取り付け前または後にケーシング24に取り付けられることができる。ミルク導管4は、入口開口28を通して、次いで出口開口29を通して第二端部4bを導入することにより連結器2に取り付けられる。ミルク導管4は、次いでケーシング24の下方壁25が第一周囲溝41中にスナップするまで連結器2を通して引っ張られる。第一端部4aの先細り形状は、ミルク導管4のスナップ係合への引っ張りを容易にする。
【0062】
同様な態様で、脈動導管5は、底表面53が底壁38に対して接触することとなるまで保持部材36を通して引っ張られることによって連結器2に取り付けられ、そこでは脈動通路51の開口52は、ケーシング24を通る開口35に対向している。
【0063】
乳首カップは、そのとき二つの主要構成要素(すなわちリップ部材3と一緒のカートリッジ1、及びミルク導管4及び脈動導管5と一緒の連結器2)として存在する。ミルク導管4及び脈動導管5は、残りの搾乳器具のそれらのそれぞれの要素にいずれかの好適な態様で取り付けられることができる。ミルク導管4は、例えば第二周囲溝42の係合によって取り付けられることができる。
【0064】
最後に、これらの二つの主要構成要素は互いに連結される。リップ部材3を持つまたは持たないカートリッジ1は、次いで端部ノズル10が第一端部41のミルク通路40に貫入し、かつミルク通路40の壁に隙間なく接触するまで連結器2の連結空間27中に導入される。端部ノズル19の形状、及びミルク導管4の比較的高い弾性と組み合わせての端部ノズル10の比較的低い弾性のおかげで、隙間のない連結が達成される。
【0065】
連結器2と向かい合ったカートリッジ1のこの位置では、ケーシング24の端部表面は、スリーブ6とケーシング24の間に形成された空間が隙間なく封止され、それにより脈動減圧の適切な連通を可能にするように封止リング17に接触するだろう。封止リング17は、これに代えて連結器2上に、特にケーシング24上に設けられることができることに注意されるべきである。
【0066】
カートリッジ1がミルク導管に向かい合ったこの位置に到達したとき、カートリッジは、差込みカップリング(すなわち外部差込みカップリング部31と内部差込みカップリング部32の結合)によって連結器2内で固定される。この結合は、連結器2に対するカートリッジ1の回転を通して達成されることができる。連結器2に対するカートリッジ1の結合及び固定はまた、他の固定手段、例えばねじ連結によって達成されることができることは注意されるべきである。
【0067】
本発明は、開示された実施態様に限定されないが、以下の請求項の範囲内で変更されかつ修正されることができる。
【0068】
明細書及び請求項で使用される用語「上方(上)」及び「下方(下)」は、乳首カップが動物の乳首に取り付けられるときの図面に開示された方向及びその類似方向を示す。