特許第6109208号(P6109208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109208
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20170327BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   H02J3/38 130
   H02J7/35 K
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-12015(P2015-12015)
(22)【出願日】2015年1月26日
(65)【公開番号】特開2016-140124(P2016-140124A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2015年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−284586(JP,A)
【文献】 特開2010−288393(JP,A)
【文献】 特開2012−120419(JP,A)
【文献】 特開2012−139019(JP,A)
【文献】 特開2013−192351(JP,A)
【文献】 特開2014−53989(JP,A)
【文献】 特開2014−165952(JP,A)
【文献】 特開2016−140125(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0306534(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を商用電源へと売電可能な発電部と、
前記発電部で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を負荷の消費電力に応じて当該負荷へと放電可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置の充放電を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記発電部で発電された電力を前記商用電源へと売電するのを抑制する売電量抑制処理を実行可能であり、
前記売電量抑制処理を実行する場合には、前記蓄電装置に充電された電力を、所定の放電時間帯に前記負荷の消費電力を増加させることによって前記負荷へと放電し、
前記発電部で発電された電力に対して前記蓄電装置が充電可能な最大値を設定することにより、前記放電時間帯後の所定の充電時間帯に、当該発電部で発電された電力の少なくとも一部の電力を当該充電時間帯の間継続して前記蓄電装置に充電する、
電力供給システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記放電時間帯においては、前記蓄電装置に前記充電時間帯における充電可能な容量を確保するまで前記蓄電装置に充電された電力の放電を継続させる、
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記充電時間帯においては、前記容量を満たすまで前記蓄電装置の充電を継続させる、
請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記充電時間帯後に前記発電部で電力が発電され、且つ前記商用電源から買電された場合には、前記蓄電装置に充電された電力を前記負荷へと放電する、
請求項1から3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記制御部は、
現在の日付に関する情報を取得可能であって、前記現在の日付に関する情報に基づいて、前記売電量抑制処理を実行するか否かを判定する、
請求項1から4に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光を利用して発電可能であると共に当該発電された電力を商用電源へと売電可能な太陽光発電部と、前記太陽光発電部で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を負荷へと放電可能な蓄電装置と、を具備する電力供給システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
上述の如く構成された特許文献1に記載の技術においては、太陽光発電部で発電された電力が負荷の消費電力に対して余剰すると、当該余剰した分の電力を蓄電装置に充電させる。こうして、太陽光発電部で発電された電力をできるだけ売電せずに蓄電装置に充電し、必要に応じて当該充電した電力を住宅内で消費することができる。すなわち、特許文献1に記載の技術は、省エネ効果を得ることができる。
【0004】
しかしながら、例えば天候が晴天であれば、蓄電装置は午前の比較的早い時間帯から充電を行うため、午前中に満充電となることがある。このように、蓄電装置が午前中に満充電となると、午後(太陽光発電部の発電量が最も大きい時間帯)に発電された電力は商用電源へと売電されることになる。また、蓄電装置は、蓄電された電力を当日中に放電しなければ、翌日に太陽光発電部からの電力を蓄電することができない。
【0005】
このように、特許文献1に記載の技術においては、所定の場合に太陽光発電部で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなって、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりする可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−165952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、電力が逆潮流するのを一定の期間だけ抑制することができる電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を商用電源へと売電可能な発電部と、前記発電部で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を負荷の消費電力に応じて当該負荷へと放電可能な蓄電装置と、前記蓄電装置の充放電を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記発電部で発電された電力を前記商用電源へと売電するのを抑制する売電量抑制処理を実行可能であり、前記売電量抑制処理を実行する場合には、前記蓄電装置に充電された電力を、所定の放電時間帯に前記負荷の消費電力を増加させることによって前記負荷へと放電し、前記発電部で発電された電力に対して前記蓄電装置が充電可能な最大値を設定することにより、前記放電時間帯後の所定の充電時間帯に、当該発電部で発電された電力の少なくとも一部の電力を当該充電時間帯の間継続して前記蓄電装置に充電するものである。
【0010】
請求項2においては、前記制御部は、前記放電時間帯においては、前記蓄電装置に前記充電時間帯における充電可能な容量を確保するまで前記蓄電装置に充電された電力の放電を継続させるものである。
【0011】
請求項3においては、前記制御部は、前記充電時間帯においては、前記容量を満たすまで前記蓄電装置の充電を継続させるものである。
【0012】
請求項4においては、前記制御部は、前記充電時間帯後に前記発電部で電力が発電され、且つ前記商用電源から買電された場合には、前記蓄電装置に充電された電力を前記負荷へと放電するものである。
【0013】
請求項5においては、前記制御部は、現在の日付に関する情報を取得可能であって、前記現在の日付に関する情報に基づいて、前記売電量抑制処理を実行するか否かを判定するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
すなわち、本発明においては、電力が逆潮流するのを一定の期間だけ抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システムの構成を示したブロック図。
図2】同じく、エコモードを実行する場合における制御部の処理を示したフローチャート。
図3】同じく、エコモードを実行する場合における制御部の処理のうち、売電量抑制処理を示したフローチャート。
図4】同じく、エコモードを実行する場合における、家庭内負荷の消費電力と、太陽光発電部で発電された電力と、売電された電力と、充電された電力との関係の一例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の構成について説明する。
【0018】
電力供給システム1は、住宅等に設けられ、商用電源60からの電力や、太陽光を利用して発電された電力を家庭内負荷50へと供給するものである。電力供給システム1は、主として分電盤10と、太陽光発電部20と、蓄電装置30と、センサ部40と、を具備する。
【0019】
分電盤10は、図示せぬ漏電遮断器、配線遮断器、及び制御ユニット等をまとめたものである。分電盤10は、所定の電力経路を介して商用電源60や、家庭内負荷50等と接続される。
【0020】
太陽光発電部20は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電部20は、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電部20は、例えば住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。太陽光発電部20は、商用電源60と分電盤10とを結ぶ電力経路の中途部に接続される。
【0021】
蓄電装置30は、商用電源60及び太陽光発電部20からの電力を充放電可能に構成される装置である。蓄電装置30は、電力を充放電可能なリチウムイオン電池やニッケル水素電池等からなる蓄電池や、供給されてくる交流電力を整流して前記蓄電池に充電させる充電器や、前記蓄電池からの直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ等を具備する。蓄電装置30は、所定の電力経路を介して分電盤10と接続される。蓄電装置30は、前記充電器や前記インバータ等を制御する制御部31を具備する。
【0022】
制御部31は、前記充電器や前記インバータ等を制御することにより、ひいては蓄電装置30の充放電を制御することができる。制御部31は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置、並びにI/O等の入出力装置等により構成される。制御部31は、蓄電装置30に内蔵されている。制御部31は、蓄電装置30に充放電される電力に関する情報を取得することができる。
【0023】
また、制御部31は、図示せぬ時計部を具備する。制御部31は、前記時計部を用いて現在の日時を計時することができる。また、制御部31は、後述するエコモードを実行するための種々の情報(プログラム等)を前記記憶装置に格納している。
【0024】
センサ部40は、電力を検出するものである。センサ部40は、主として第一センサ41と、第二センサ42と、第三センサ43と、を具備する。
【0025】
第一センサ41は、太陽光発電部20の供給側(太陽光発電部20からの電力を住宅へ供給する電力経路)に設けられる。第一センサ41は、太陽光発電部20からの電力を検出することができる。第一センサ41は、蓄電装置30(より詳細には、蓄電装置30の制御部31)と接続される。第一センサ41は、その検出結果に関する信号を制御部31に出力することができる。
【0026】
第二センサ42は、商用電源60の供給側(商用電源60からの電力を住宅へ供給する電力経路)に設けられる。第二センサ42は、商用電源60からの電力及び当該商用電源60へと逆潮流する電力を検出することができる。第二センサ42は、蓄電装置30(より詳細には、蓄電装置30の制御部31)と接続される。第二センサ42は、その検出結果に関する信号を制御部31に出力することができる。
【0027】
第三センサ43は、前記商用電源60と分電盤10とを結ぶ電力経路において、太陽光発電部20との接続部と当該分電盤10との間に設けられる。第三センサ43は、分電盤10(住宅内)に供給される電力を検出することができる。第三センサ43は、蓄電装置30(より詳細には、蓄電装置30の制御部31)と接続される。第三センサ43は、その検出結果に関する信号を制御部31に出力することができる。
【0028】
上述の如きセンサ部40の構成により、制御部31は、第一センサ41の検出結果により太陽光発電部20からの電力に関する情報を取得することができる。また、制御部31は、第二センサ42の検出結果により商用電源60から電力が供給されているか、又は商用電源60へと電力が逆潮流しているか(買電しているか、又は売電しているか)に関する情報を取得することができる。また、制御部31は、第三センサ43の検出結果等により住宅内(分電盤10)に供給される電力に関する情報を取得することができる。
【0029】
以下では、上述の如く構成された電力供給システム1における電力の供給態様の概略について説明する。
【0030】
なお、以下の説明における電力の流通方向の変更は、図示せぬホームサーバ等の制御手段により制御される構成とすることや、図示せぬスイッチ部やパワーコンディショナが有する制御部によりそれぞれ制御される構成とすることが可能であり、本発明はこれを限定するものではない。
【0031】
商用電源60及び太陽光発電部20からの電力は、分電盤10を介して家庭内負荷50に供給される。こうして、住宅の居住者は、太陽光発電部20及び商用電源60からの電力を用いて照明を点灯させたり、調理器具やエアコンを使用したりすることができる。
【0032】
この場合において、家庭内負荷50の消費電力が太陽光発電部20からの電力だけで賄える場合には、商用電源60からの電力を用いないことも可能である。このようにして商用電源60からの買電量を減少させ、電力料金を節約することができる。
【0033】
また、太陽光発電部20及び商用電源60からの電力は、適宜の時間帯に蓄電装置30に供給される。蓄電装置30に供給された電力は、当該蓄電装置30に充電される。蓄電装置30が充電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば前記時間帯を深夜に設定すれば、料金の安い深夜電力を蓄電装置30に充電することができる。また、前記時間帯を昼間の時間帯に設定すれば、太陽光発電部20からの電力を蓄電装置30に充電することができる。
【0034】
また、蓄電装置30に充電された電力は、分電盤10を介して家庭内負荷50に供給することもできる。具体的には、蓄電装置30を放電すると、当該放電された電力が分電盤10を介して家庭内負荷50に供給される。蓄電装置30が放電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば前記時間帯を深夜以外の時間帯に設定すれば、蓄電装置30に充電した料金の安い深夜電力を当該深夜以外の時間帯に用いることができる。こうして、深夜以外の時間帯に商用電源60からの電力量(買電量)を減少させ、電力料金を節約することができる。
【0035】
また、家庭内負荷50の消費電力が蓄電装置30からの電力だけで賄える場合には、太陽光発電部20及び商用電源60からの電力を当該家庭内負荷50へと供給しないことも可能である。
【0036】
なお、電力供給システム1においては、蓄電装置30の充放電に関して複数の制御方法(以下では、単に「モード」と称する)を有する。このような複数のモードは、種々の目的を達成するために設けられ、居住者が自分のライフスタイルに応じて任意に選択することができる。複数のモードに関する情報は、制御部31の記憶装置に格納されている。なお、本実施形態においては、複数のモードのうち一つとして、太陽光発電部20からの電力を極力住宅内で消費することにより省エネ効果を得ることを目的としたモード(以下では、「エコモード」と称する)が設けられる。
【0037】
以下では、エコモードの構成について説明する。
【0038】
エコモードが実行された場合、太陽光発電部20で発電が行われている場合には、当該太陽光発電部20からの電力が家庭内負荷50の消費電力に対して余剰すると、当該余剰電力が商用電源60へと逆潮流されずに蓄電装置30に充電される。また、エコモードが実行された場合、太陽光発電部20で発電が行われていない場合には、蓄電装置30が放電されて当該蓄電装置30からの電力が家庭内負荷50に供給される。
【0039】
以下では、図2のフローチャートを用いて、エコモードが実行された場合における制御部31の処理について説明する。
【0040】
まず、エコモードが実行された場合、ステップS101において、制御部31は、売電量抑制処理を行う。
売電量抑制処理とは、所定の条件を満たした場合に、太陽光発電部20からの電力を商用電源60へと売電するのを抑制するための処理である。なお、以下では便宜上、売電量抑制処理以外の処理をエコモードの実行の処理と称する。
なお、売電量抑制処理についての詳細な説明については後述する。
制御部31は、ステップS101の処理を行った後、ステップS102へ移行する。
【0041】
ステップS102において、制御部31は、太陽光発電部20で発電された電力量(発電量)が所定量(例えば、600W)以上であって、且つ蓄電装置30が満充電ではないか否かを判定する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が所定量以上であって、且つ蓄電装置30が満充電ではないと判定した場合には、ステップS103へ移行する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が所定量以上であって、且つ蓄電装置30が満充電ではない、ものでない(すなわち、太陽光発電部20の発電量が所定量未満である、又は蓄電装置30が満充電である)と判定した場合には、ステップS111へ移行する。
【0042】
ステップS103において、制御部31は、蓄電装置30に充電指示を行う。
制御部31は、ステップS103の処理を行った後、ステップS104へ移行する。
【0043】
ステップS104において、制御部31は、商用電源60からの買電量が予め設定された所定量(以下では、「第一設定量」と称する)となるように、蓄電装置30の充電を開始する。こうして、制御部31は、太陽光発電部20からの電力を売電させないように蓄電装置30を動作させる。なお、本実施形態において、第一設定量は100Wである。なお、第一設定量は、100Wに限定するものではなく、任意の数値を設定することができる。
制御部31は、ステップS104の処理を行った後、ステップS105へ移行する。
【0044】
こうして、ステップS104において、商用電源60からの買電量を100W(第一設定量)としたことにより、買電量を抑制しつつ、商用電源60から買電している状態を確保している。
【0045】
ここで、太陽光発電部20の発電量は、当該太陽光発電部20の構成上、天候(曇りや雨等)に左右され易いという性質を有し、比較的不安定である(一定量以上が常にあるものではない)。しかしながら、エコモードにおいては、上述の如き買電量を抑制しつつ、商用電源60から買電している状態を確保しているため、例えば天候の変化に応じて太陽光発電部20の発電量が若干増加した場合であっても、当該太陽光発電部20からの電力が売電されるのを防止することができる。こうして、電力料金を抑制しながらも、売電と買電とが短期間に繰り返し切り替わるのを防止することができる。
【0046】
ステップS105において、制御部31は、商用電源60からの買電量が100W(第一設定量)よりも少ないか否かを判定する。
制御部31は、商用電源60からの買電量が100W(第一設定量)よりも少ないと判定した場合には、ステップS106へ移行する。
制御部31は、制御部31は、商用電源60からの買電量が100W(第一設定量)以上であると判定した場合には、ステップS107へ移行する。
【0047】
ステップS106において、制御部31は、蓄電装置30に充電させる電力量を増加させる。こうして、制御部31は、例えば天候の変化に応じて太陽光発電部20の発電量が増加した(太陽光発電部20で発電された余剰電力が増加した)場合であっても、太陽光発電部20からの電力を売電させないように蓄電装置30を動作させる。
制御部31は、ステップS106の処理を行った後、ステップS109へ移行する。
【0048】
ステップS105から移行したステップS107において、制御部31は、商用電源60からの買電量が予め設定された所定量(以下では、「第二設定量」と称する)以上であるか否かを判定する。なお、本実施形態において、第二設定量は2000Wである。
制御部31は、商用電源60からの買電量が2000W(第二設定量)以上であると判定した場合には、ステップS111へ移行する。
制御部31は、商用電源60からの買電量が2000W(第二設定量)未満であると判定した場合には、ステップS108へ移行する。
【0049】
なお、第二設定量とは、エコモードにおいて、商用電源60からの買電量が増加しすぎないように、当該買電量の上限値として設定されるものである。また、第二設定量は、2000Wに限定するものではなく、任意の数値を設定することができる。
【0050】
ステップS108において、制御部31は、蓄電装置30に充電させる電力量を減少させる。こうして、制御部31は、例えば家庭内負荷50の消費電力量が急に増加したことに伴って商用電源60からの買電量が増加した場合であっても、当該商用電源60からの買電量を減少させるように蓄電装置30を動作させる。
制御部31は、ステップS108の処理を行った後、ステップS109へ移行する。
【0051】
ステップS109において、制御部31は、蓄電装置30が満充電であるか、又は蓄電装置30に蓄電される電力量(充電電流)が0(ゼロ)であるか否かを判定する。
制御部31は、蓄電装置30が満充電であるか、又は蓄電装置30に蓄電される電力量が0(ゼロ)であると判定した場合には、ステップS110へ移行する。
制御部31は、蓄電装置30が満充電ではなく、且つ蓄電装置30に蓄電される電力量が0(ゼロ)ではないと判定した場合には、ステップS101へ移行する。
【0052】
ステップS110において、制御部31は、蓄電装置30に待機指示を行う。
制御部31は、ステップS110の処理を行った後、ステップS101へ移行する。
【0053】
こうして、蓄電装置30に待機指示が行われた場合、例えばステップS109からステップS110へ移行した場合においては、太陽光発電部20で発電された電力を住宅内で使用することができないため(太陽光発電部20で発電された電力が余剰するため)、当該余剰電力が売電されることになる。
【0054】
ステップS102及びステップS107から移行したステップS111において、制御部31は、蓄電装置30に蓄電された電力量(残容量)が規定値より小さいか否かを判定する。なお、前記規定値とは、蓄電装置30において放電可能な蓄電量の閾値(放電可能閾値)として設定される値である。また、本実施形態において、放電可能閾値は500Wである。また、放電可能閾値は、500Wに限定するものではなく、蓄電装置30の機能に応じて設定される。
制御部31は、蓄電装置30の残容量が規定値より小さいと判定した場合には、ステップS110へ移行する。
制御部31は、蓄電装置30の残容量が規定値以上であると判定した場合には、ステップS112へ移行する。
【0055】
ステップS112において、制御部31は、蓄電装置30に放電指示を行う。こうして、制御部31は、商用電源60からの買電量が100W(第一設定量)となるように、蓄電装置30から適宜な電力量を放電する。
制御部31は、ステップS112の処理を行った後、ステップS101へ移行する。
【0056】
なお、ステップS112における蓄電装置30の放電指示は、例えば太陽光発電部20の発電量が所定量以上等である場合(ステップS102参照)であって、商用電源60からの買電量が2000W(第二設定量)以上である場合(ステップS107参照)等に行われる。ここで、2000W(第二設定量)は、蓄電装置30の放電可能閾値(500W)よりも大きい電力量として設定される。これにより、蓄電装置30はある程度の買電量が無ければ放電することができず、当該蓄電装置30の放電の開始と停止とが短期間に繰り返し切り替わるのを防止することができる。
【0057】
このような構成により、エコモードが実行された場合には、太陽光発電部20で発電された電力をできるだけ売電せずに蓄電装置30に充電し、必要に応じて(商用電源60からの電力ではなく)当該充電した電力を住宅内で消費することができる。こうして、電力供給システム1において、エコモードが実行された場合には、太陽光発電部20からの電力を極力住宅内で消費することにより省エネ効果を得ることができる。
【0058】
このように、太陽光発電部20の発電量に基づいて蓄電装置30の充電を行う場合(ステップS102、ステップS103等参照)、蓄電装置30は太陽光発電部20からの電力を売電させないように動作する。具体的には、蓄電装置30は、太陽光発電部20で発電された電力が家庭内負荷50の消費電力に対して余剰した場合に、当該余剰した分の電力を充電するように動作する。
【0059】
このような場合、例えば天候が晴天であれば、蓄電装置30は、午前の比較的早い時間帯から充電を行うため、午前中に満充電となることがある。このように、午前中に蓄電装置30が満充電なると、それ以降の太陽光発電部20の発電量が大きい時間帯に発電された電力(前記余剰した分の電力)が売電されることになる(ステップS110等参照)。また、蓄電装置30は、蓄電された電力を当日中に放電しなければ、翌日に太陽光発電部20からの電力を蓄電することができない。
【0060】
こうして、エコモードが実行された場合であっても、所定の場合に太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなって、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりする可能性がある。
【0061】
これに対して、制御部31は、上述の如き問題点を回避するため、エコモードを実行する場合にステップS101において売電量抑制処理を行って、電力が逆潮流するのを一定の期間だけ抑制する。
【0062】
以下では、図3のフローチャート及び図4を用いて、制御部31による売電量抑制処理について説明する。
なお、図4は、エコモードが実行された場合における、家庭内負荷50の消費電力と、太陽光発電部20で発電された電力と、売電された電力と、充電された電力との関係の一例を示している。ここで、図4は、後述する中間期(例えば6月)のある1日を例にあげたものとする。
【0063】
ステップS201において、制御部31は、今月が3月から6月、又は9月から11月までの何れかの月であるか否かを判定する。
【0064】
ここで、3月から6月、及び9月から11月は、例えば空気調和装置のように消費電力量が比較的大きい電気機器の使用量が、他の月(具体的には12月及び1月、並びに7月及び8月)よりも少ない月である。以下では、前記3月から6月、及び9月から11月を「中間期」と、前記他の月を「非中間期」と、それぞれ称する。なお、前記電気機器は家庭内負荷50に含まれる。また、中間期と非中間期との振り分けは、上述の如き振り分けに限定するものではない。
【0065】
ステップS201において、制御部31は、今月が中間期であると判定した場合には、ステップS202へ移行する。
また、制御部31は、今月が中間期ではない(非中間期である)と判定した場合には、売電量抑制処理を終了して、エコモードの実行の処理に戻る。
【0066】
ここで、今月が非中間期である場合、すなわち消費電力量が比較的大きい電気機器の使用量が大きい場合(家庭内負荷50の消費電力量が大きい場合)には、蓄電装置30から放電される電力量も大きいことが想定される。このように、非中間期である場合には、前記放電により蓄電装置30に充電可能な容量が確保されるため、太陽光発電部20で発電された前記余剰した分の電力を蓄電装置30に充電可能であることが想定される。したがって、制御部31は、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるという問題点は生じない(すなわち、省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりする可能性がない)として、売電量抑制処理を終了させる(エコモードの実行の処理に戻る)。
【0067】
これに対して、今月が中間期である場合、すなわち消費電力量が比較的大きい電気機器の使用量が小さい場合(家庭内負荷50の消費電力量が小さい場合)には、蓄電装置30から放電される電力量も小さいことが想定される。このように、中間期である場合には、放電により蓄電装置30に充電可能な容量が確保されないため、太陽光発電部20で発電された前記余剰した分の電力を蓄電装置30に充電不能であることが想定される。したがって、制御部31は、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるという問題点が生じる(すなわち、省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりする可能性がある)として、売電量抑制処理を継続させる。
【0068】
ステップS202において、制御部31は、売電量抑制処理における種々の設定を行う。具体的には、制御部31は、蓄電装置30が充電する時間(以下では「充電可能時間帯」と称する)として、11時から14時までの時間帯を設定する。また、制御部31は、蓄電装置30が充電される場合において、当該蓄電装置30の最大の充電量が予め設定された所定量(以下では、「第三設定量」と称する)となるように設定する。
制御部31は、ステップS202の処理を行った後、ステップS203へ移行する。
【0069】
なお、充電可能時間帯は、11時から14時までの時間帯に限定するものではなく、任意の時間帯を設定することができる。また、本実施形態において、第三設定量は500Wである。なお、第三設定量は、500Wに限定するものではなく、任意の数値を設定することができる。
【0070】
ステップS203において、制御部31は、現在の時刻が8時を過ぎているか否かを判定する。
制御部31は、現在の時刻が8時を過ぎていると判定した場合には、ステップS204へ移行する。
制御部31は、現在の時刻が8時を過ぎていない(8時前である)と判定した場合には、ステップS206へ移行する。
【0071】
ステップS204において、制御部31は、蓄電装置30に蓄電された電力量(残容量)が予め設定された所定量(以下では、「第四設定量」と称する)以上であるか否かを判定する。なお、本実施形態において、第四設定量は、蓄電装置30の蓄電容量の半分の値である。
制御部31は、蓄電装置30の残容量が、当該蓄電装置30の蓄電容量の半分以上であると判定した場合には、ステップS205へ移行する。
制御部31は、蓄電装置30の残容量が、当該蓄電装置30の蓄電容量の半分未満であると判定した場合には、ステップS206へ移行する。
【0072】
なお、第四設定量は、蓄電装置30の蓄電容量の半分の値に限定するものではなく、任意の数値を設定することができる。
【0073】
ステップS205において、制御部31は、蓄電装置30の残容量が蓄電容量の半分以下になるまで当該蓄電装置30を放電する。
制御部31は、ステップS205の処理を行った後、ステップS206へ移行する。
【0074】
ステップS206において、制御部31は、現在の時刻が11時を過ぎているか否かを判定する。
制御部31は、現在の時刻が11時を過ぎていると判定した場合には、ステップS207へ移行する。
制御部31は、現在の時刻が11時を過ぎていない(8時から11時までの時間帯である)と判定した場合には、再びステップS206へ移行する。
【0075】
ステップS207において、制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)よりも大きいか否かを判定する。すなわち、制御部31は、11時を過ぎた後、太陽光発電部20で発電が行われているか否かを判定する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)よりも大きいと判定した場合には、ステップS208へ移行する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)以下であると判定した場合には、ステップS209へ移行する。
【0076】
ステップS209において、制御部31は、蓄電装置30を待機させる。
制御部31は、ステップS209の処理を行った後、ステップS210へ移行する。
【0077】
ステップS210において、制御部31は、現在の時刻が14時を過ぎているか否かを判定する。
制御部31は、現在の時刻が14時を過ぎていると判定した場合には、ステップS214へ移行する。
制御部31は、現在の時刻が14時を過ぎていない(11時から14時までの時間帯である)と判定した場合には、再びステップS207へ移行する。
【0078】
ステップS207から移行したS208において、制御部31は、充電量が500W(第三設定量)となるように、蓄電装置30の充電を開始する。
制御部31は、ステップS208の処理を行った後、ステップS213へ移行する。
【0079】
このように、売電量抑制処理においては、現在の時刻が8時になると、蓄電装置30の残容量を確認する。そして、仮に蓄電装置30の残容量が蓄電容量の半分以上であれば、蓄電装置30が充電を開始する11時までに、当該残容量が蓄電容量の半分以下になるまで、当該蓄電装置30の放電を行う(ステップS203、S204、S205及びS206等参照)。こうして、蓄電装置30においては、充電を開始する11時までに、充電可能時間帯に少なくとも当該蓄電装置30の蓄電容量の半分の電力量を充電可能となるような動作(放電)が行われる。
【0080】
なお、上述の如き蓄電装置30の放電は、住宅に設けられる各種の電気機器を制御し、家庭内負荷50の消費電力量を一時的に増加させることによって行われる。このような場合、例えば前記電気機器として、家庭内負荷50の消費電力量を増加させることを主目的とした電気機器を、住宅に設けてもよい。
【0081】
ステップS213において、制御部31は、現在の時刻が14時を過ぎているか否かを判定する。
制御部31は、現在の時刻が14時を過ぎていると判定した場合には、ステップS214へ移行する。
制御部31は、現在の時刻が14時を過ぎていない(11時から14時までの時間帯である)と判定した場合には、再びステップS213へ移行する(すなわち、現在の時刻が14時を過ぎるまで、ステップS213の処理を繰り返す)。
【0082】
ステップS214において、制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)よりも大きく、また商用電源60からの買電量が0(ゼロ)よりも大きいか否かを判定する。すなわち、制御部31は、14時を過ぎた後、日が暮れてきて太陽光発電部20の発電量が減少してきたか否かを判定する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)よりも大きく、また商用電源60からの買電量が0(ゼロ)よりも大きいと判定した場合には、ステップS217へ移行する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)以下である、又は商用電源60からの買電量が0(ゼロ)以下であると判定した場合には、ステップS215へ移行する。
【0083】
ステップS215において、制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)未満であるか否かを判定する。すなわち、制御部31は、14時を過ぎた後、完全に日が落ちたか否かを判定する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)未満であると判定した場合には、ステップS217へ移行する。
制御部31は、太陽光発電部20の発電量が0(ゼロ)以上であると判定した場合には、ステップS216へ移行する。
【0084】
ステップS216において、制御部31は、蓄電装置30を待機させる。
制御部31は、ステップS216の処理を行った後、ステップS214へ移行する。
【0085】
ステップS214及びステップS215から移行したステップS217において、制御部31は、蓄電装置30の放電を開始する。
制御部31は、ステップS217の処理を行った後、ステップS218へ移行する。
【0086】
ステップS218において、制御部31は、現在の時刻が20時を過ぎているか否かを判定する。
制御部31は、現在の時刻が20時を過ぎていると判定した場合には、売電量抑制処理を終了して、エコモードの実行の処理に戻る。
制御部31は、現在の時刻が20時を過ぎていない(14時から20時までの時間帯である)と判定した場合には、ステップS214へ移行する。
【0087】
このように、売電量抑制処理においては、図4に示すように、少なくとも充電可能時間帯(11時から14時まで)の間は、蓄電装置30の充電を継続する。すなわち、充電可能時間帯においては、太陽光発電部20で発電された前記余剰した分の電力(図4に示す斜線部分)の一部(図4に示す色付き部分)を蓄電装置30に充電する。こうして、太陽光発電部20で発電された前記余剰した分の電力の全てを商用電源60へと売電しないため、当該太陽光発電部20で発電された電力の売電量が比較的大きくなるのを抑制することができる(ステップS206、S207及びS208等参照)。
【0088】
また、売電量抑制処理においては、充電可能時間帯が経過した後(14時経過後)、家庭内負荷50の消費電力を太陽光発電部20からの電力が賄えなくなった場合(図4においては、16時経過後)には、蓄電装置30から放電された電力を当該家庭内負荷50に供給し、当該蓄電装置30の残容量を減少させる。こうして、1日が終わる時間(24時)が近づくに従って蓄電装置30の残容量を減少させるため、翌日に太陽光発電部20からの電力を蓄電装置30に充電可能とすることができる(ステップS214、S215、S217及びS218等参照)。
【0089】
以上のように、電力供給システム1においては、
太陽光(自然エネルギー)を利用して発電可能であると共に当該発電された電力を商用電源60へと売電可能な太陽光発電部20(発電部)と、
太陽光発電部20(発電部)で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を家庭内負荷50の消費電力に応じて当該家庭内負荷50へと放電可能な蓄電装置30と、
前記蓄電装置30の充放電を制御する制御部31と、
を具備し、
前記制御部31は、
太陽光発電部20(発電部)で発電された電力を前記商用電源60へと売電するのを抑制するエコモードの売電量抑制処理を実行可能であり、
前記売電量抑制処理を実行する場合には、
前記蓄電装置30に充電された電力を、所定の放電時間帯(8時から11時まで)に前記家庭内負荷50の消費電力を増加させることによって前記家庭内負荷50へと放電し、
前記放電時間帯後の所定の充電可能時間帯(11時から14時まで)に、太陽光発電部20(発電部)で発電された電力を前記蓄電装置30に充電するものである。
【0090】
このような構成により、放電時間帯(8時から11時まで)に蓄電装置30を強制的に放電させるため、充電可能時間帯(11時から14時まで)の間に太陽光発電部20で発電された電力を蓄電装置30に充電することができる。すなわち、電力供給システム1においては、電力が逆潮流するのを一定の期間(中間期)だけ抑制することができ、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができる。こうして、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりするのを抑制することができる。なお、前記強制的な放電とは、太陽光発電部20の発電電力量が家庭内負荷50の消費電力量よりも大きい場合であっても、制御部31により家庭内負荷50の消費電力量が増加されることによって行われる蓄電装置30の放電を含むものである。前記強制的な放電は、太陽光発電電力量が0(ゼロ)の場合に行われるように設定してもよい。
【0091】
また、電力供給システム1においては、
前記制御部31は、
前記放電時間帯においては、前記蓄電装置30に前記充電時間帯における充電可能な容量を確保するまで前記蓄電装置30に充電された電力の放電を継続させるものである。
【0092】
このような構成により、放電時間帯(8時から11時まで)の蓄電装置30の放電によって、蓄電装置30に充電可能時間帯(11時から14時まで)の充電可能な電力の容量を確保することができる。すなわち、電力供給システム1においては、電力が逆潮流するのを一定の期間(中間期)だけ抑制することができ、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができる。こうして、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりするのを抑制することができる。
【0093】
また、電力供給システム1においては、
前記制御部31は、
前記充電可能時間帯においては、前記容量を満たすまで前記蓄電装置30の充電を継続させるものである。
【0094】
このような構成により、充電時間帯(11時から14時まで)においては、蓄電装置30が予め設定された電力量だけ太陽光発電部20で発電された電力を蓄電装置30に充電させることができる。すなわち、電力供給システム1においては、電力が逆潮流するのを一定の期間(中間期)だけ抑制することができ、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができる。こうして、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりするのを抑制することができる。
【0095】
また、電力供給システム1においては、
前記制御部31は、
前記充電時間帯後に前記太陽光発電部20(発電部)で電力が発電され、且つ前記商用電源60から買電された場合には、前記蓄電装置30に充電された電力を前記家庭内負荷50へと放電するものである。
【0096】
このような構成により、1日が終わる時間(24時)が近づくに従って蓄電装置30の残容量を減少させるため、翌日に太陽光発電部20からの電力を蓄電装置30に充電可能とすることができる。すなわち、電力供給システム1においては、電力が逆潮流するのを一定の期間(中間期)だけ抑制することができ、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができる。こうして、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりするのを抑制することができる。
【0097】
また、電力供給システム1においては、
前記制御部31は、
現在の日付に関する情報を取得可能であって、
前記現在の日付に関する情報に基づいて、前記売電量抑制処理を実行するか否かを判定するものである。
【0098】
このような構成により、(例えば居住者の操作を必要とせずに)制御部31の判断により中間期にだけ売電量抑制処理を実行することができる。こうして、今月が中間期である場合に、自動的に売電量抑制処理を実行することができる。すなわち、電力供給システム1においては、電力が逆潮流するのを一定の期間(中間期)だけ抑制することができ、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができる。こうして、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりするのを抑制することができる。
【0099】
なお、本実施形態に係る太陽光発電部20は、本発明に係る発電部の一実施形態である。
また、本実施形態に係る家庭内負荷50は、本発明に係る負荷の一実施形態である。
また、本実施形態に係る蓄電装置30は、本発明に係る蓄電装置の一実施形態である。
また、本実施形態に係る蓄電装置30の制御部31は、本発明に係る制御部の一実施形態である。
【0100】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0101】
例えば、本発明に係る電力供給システムは、ガス等の燃料を用いて発電を行う燃料電池(固体酸化物形燃料電池(SOFC等))を有する構成であってもよい。
【0102】
また、本実施形態において、本発明に係る発電部は、自然エネルギーとして太陽光を利用する構成としたが、これに限定するものではない。本発明に係る発電部は、自然エネルギーとして、例えば水力、風力、潮力等を利用する構成であっても良い。
【0103】
また、本実施形態において、本発明に係る電力供給システムは、家庭内負荷50(住宅)へ電力を供給する構成としたが、これに限定するものではない。本発明に係る電力供給システムは、オフィス等へ電力を供給する構成であっても良い。
【0104】
また、本実施形態において、本発明に係る制御部は、蓄電装置30の制御部31からなる構成としたが、これに限定するものではない。本発明に係る制御部は、例えば住宅に設けられたHEMS(Home Energy Management System)からなる構成であっても良い。
【0105】
なお、本発明に係る制御部をHEMSからなる構成とした場合には、本発明に係る電力供給システムを以下に示す構成とすることができる。すなわち、HEMSは、太陽光発電部20の発電量や、家庭内負荷50の消費電力量、蓄電装置30の残容量、当日の天候に関する情報を取得可能であると共に、当該情報を蓄積可能に構成される。HEMSは、前記蓄積された情報に基づいて、充電可能時間帯にどれだけの電力量の電力を蓄電装置30に充電させる必要があるかを、予め演算可能に構成される。
【0106】
このように、本発明に係る制御部をHEMSからなる構成とした場合には、予め演算された結果に基づいて、放電時間帯に蓄電装置30の放電を行い、充電可能時間帯に蓄電装置30の充電を行うことができる。すなわち、電力が逆潮流するのを一定の期間(中間期)だけ抑制することができ、太陽光発電部20で発電された電力の売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのをより効率的に抑制することができる。こうして、例えば省エネ効果を得ることができなかったり、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されたりするのをより効率的に抑制することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 電力供給システム
20 太陽光発電部
30 蓄電装置
50 家庭内負荷
60 商用電源
図1
図2
図3
図4