特許第6109209号(P6109209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109209
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20170327BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   H02J3/38 130
   H02J7/35 K
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-12016(P2015-12016)
(22)【出願日】2015年1月26日
(65)【公開番号】特開2016-140125(P2016-140125A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−244852(JP,A)
【文献】 特開2005−245136(JP,A)
【文献】 特開2005−295707(JP,A)
【文献】 特開2011−109784(JP,A)
【文献】 特開2012−147524(JP,A)
【文献】 特開2013−51833(JP,A)
【文献】 特開2013−110944(JP,A)
【文献】 特開2013−132105(JP,A)
【文献】 特開2013−172495(JP,A)
【文献】 特開2014−158389(JP,A)
【文献】 特開2014−165952(JP,A)
【文献】 特開2016−140124(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0008737(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源と負荷との間に接続される第一のパワーコンディショナと、
自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を前記第一のパワーコンディショナを介して出力可能な第一の発電部と、
前記第一の発電部で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を前記第一のパワーコンディショナを介して前記負荷へと放電可能な蓄電池と、
前記第一のパワーコンディショナを制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記第一の発電部で発電された電力を前記商用電源へと売電するのを抑制する売電量抑制処理を実行可能であり、
前記売電量抑制処理を実行する場合、売電量抑制処理期間に亘って前記第一のパワーコンディショナにより前記第一の発電部で発電された電力を前記蓄電池に充電させると共に、前記第一のパワーコンディショナから出力される電力量が前記負荷の消費電力量よりも大きくならないように前記第一のパワーコンディショナから出力される電力量を制御する、
電力供給システム。
【請求項2】
前記制御部は、
現在の日付に関する情報を取得可能であって、前記現在の日付に関する情報に基づいて前記売電量抑制処理を実行するか否かを判定する、
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記商用電源と前記負荷との間であって前記第一のパワーコンディショナよりも前記商用電源側に配置される第二のパワーコンディショナと、
自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を前記第二のパワーコンディショナを介して出力可能な第二の発電部と、
を具備する、
請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第二のパワーコンディショナの動作を制御可能に構成され、
前記売電量抑制処理を実行する場合、前記第二のパワーコンディショナの動作を停止させる、
請求項3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記制御部は、
HEMS(Home Energy Management System)により構成されると共に、ネットワーク上で所定のサーバーと接続される、
請求項1から4に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光を利用して発電可能であると共に当該発電された電力を出力可能な太陽光発電部と、前記太陽光発電部で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を負荷へと放電可能な蓄電池と、を具備する電力供給システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
上述の如く構成された特許文献1に記載の技術においては、太陽光発電部で発電された電力が負荷の消費電力に対して余剰すると、当該余剰した分の電力を蓄電池に充電させる。こうして、太陽光発電部で発電された電力をできるだけ売電せずに蓄電池に充電し、必要に応じて当該充電した電力を住宅内で消費することができる。
【0004】
しかしながら、3月から6月、及び9月から11月のように、例えば空気調和装置のように消費電力量が比較的大きい電気機器の使用量が他の月よりも少ない場合には、蓄電池が満充電となると、太陽光発電部からの電力のほとんどが負荷で消費されず、商用電源へと逆潮流される。このような場合には、商用電源への売電量が比較的大きくなるという問題点が生じる。
【0005】
このように、特許文献1に記載の技術においては、所定の場合に、商用電源への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなって、例えば電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−165952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、電力が逆潮流するのを一定の期間だけ抑制することができる電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、商用電源と負荷との間に接続される第一のパワーコンディショナと、自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を前記第一のパワーコンディショナを介して出力可能な第一の発電部と、前記第一の発電部で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を前記第一のパワーコンディショナを介して前記負荷へと放電可能な蓄電池と、前記第一のパワーコンディショナを制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記第一の発電部で発電された電力を前記商用電源へと売電するのを抑制する売電量抑制処理を実行可能であり、前記売電量抑制処理を実行する場合、売電量抑制処理期間に亘って前記第一のパワーコンディショナにより前記第一の発電部で発電された電力を前記蓄電池に充電させると共に、前記第一のパワーコンディショナから出力される電力量が前記負荷の消費電力量よりも大きくならないように前記第一のパワーコンディショナから出力される電力量を制御するものである。
【0010】
請求項2においては、前記制御部は、現在の日付に関する情報を取得可能であって、前記現在の日付に関する情報に基づいて前記売電量抑制処理を実行するか否かを判定するものである。
【0011】
請求項3においては、前記商用電源と前記負荷との間であって前記第一のパワーコンディショナよりも前記商用電源側に配置される第二のパワーコンディショナと、自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を前記第二のパワーコンディショナを介して出力可能な第二の発電部と、を具備するものである。
【0012】
請求項4においては、前記制御部は、前記第二のパワーコンディショナの動作を制御可能に構成され、前記売電量抑制処理を実行する場合、前記第二のパワーコンディショナの動作を停止させるものである。
【0013】
請求項5においては、前記制御部は、HEMS(Home Energy Management System)により構成されると共に、ネットワーク上で所定のサーバーと接続されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
すなわち、本発明においては、電力が逆潮流するのを一定の期間だけ抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一実施形態に係る電力供給システムの構成を示したブロック図。
図2】同じく、エコモードを実行する場合における制御部の処理を示したフローチャート。
図3】同じく、制御部による売電量抑制処理を示したフローチャート。
図4】同じく、エコモードが実行された場合における、家庭内負荷の消費電力と、第一太陽光発電部で発電された電力と、売電された電力と、充電された電力と、出力抑制された電力と、の関係の一例を示した図。
図5】本発明の第二実施形態に係る電力供給システムの構成を示したブロック図。
図6】同じく、制御部による売電量抑制処理を示したフローチャート。
図7】本発明の第三実施形態に係る電力供給システムの構成を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図1を用いて、本発明の第一実施形態に係る電力供給システム1の構成について説明する。
【0018】
電力供給システム1は、住宅等に設けられ、商用電源100からの電力や、太陽光を利用して発電された電力を負荷へと供給するものである。電力供給システム1は、主として分電盤10と、第一太陽光発電部40と、ハイブリッドパワコン50と、蓄電池60と、センサ部70と、制御部80と、を具備する。
【0019】
分電盤10は、図示せぬ漏電遮断器、配線遮断器、及び制御ユニット等をまとめたものである。分電盤10は、所定の電力経路(以下では、「第一電力経路L1」と称する)を介して商用電源100と接続される。また、分電盤10は、所定の電力経路を介して負荷(以下では「家庭内負荷90」と称する)と接続される。家庭内負荷90は、住宅内で電力が消費される電化製品等が接続される回路である。家庭内負荷90は、例えば部屋ごとや、大きな電力を消費する機器専用のコンセントごとに設けられる。
【0020】
第一太陽光発電部40は、太陽光を利用して発電する装置である。第一太陽光発電部40は、太陽電池パネル等により構成される。第一太陽光発電部40は、例えば住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。第一太陽光発電部40は、所定の電力経路(以下では、「第二電力経路L2」と称する)を介して、第一電力経路L1の接続部(以下では、「第一接続部P1」と称する)と接続される。
【0021】
ハイブリッドパワコン50は、電力を適宜変換するもの(ハイブリッドパワーコンディショナ)である。ハイブリッドパワコン50は、第一太陽光発電部40で発電された電力及び蓄電池60から放電された電力を分電盤10に出力可能であると共に、商用電源100からの電力を蓄電池60に出力可能に構成される。ハイブリッドパワコン50は、第二電力経路L2の中途部に接続される。ハイブリッドパワコン50には、後述する制御部80が設けられる。
【0022】
蓄電池60は、電力を充電可能に構成されるものである。蓄電池60は、リチウムイオン電池により構成される。蓄電池60は、所定の電力経路を介してハイブリッドパワコン50と接続される。
【0023】
このように、蓄電池60及び第一太陽光発電部40は、ハイブリッドパワコン50を介して分電盤10に接続される。
【0024】
センサ部70は、電力を検出するものである。センサ部70は、主として第一センサ71と、第二センサ72と、を具備する。
【0025】
第一センサ71は、第一電力経路L1において商用電源100と第一接続部P1との間に設けられる。第一センサ71は、商用電源100から供給された電力の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。第一センサ71は、ハイブリッドパワコン50(より詳細には、ハイブリッドパワコン50の制御部80)と接続され、検出結果に関する信号を当該制御部80へ出力可能に構成される。
【0026】
第二センサ72は、第二電力経路L2においてハイブリッドパワコン50と第一太陽光発電部40との間に設けられる。第二センサ72は、第一太陽光発電部40で発電された電力の電圧(発電電圧)及び電流(発電電流)を検出する。第二センサ72は、ハイブリッドパワコン50(より詳細には、ハイブリッドパワコン50の制御部80)と接続され、検出結果に関する信号を当該制御部80へ出力可能に構成される。
【0027】
制御部80は、ハイブリッドパワコン50に設けられる。制御部80は、ハイブリッドパワコン50内の情報を管理すると共に、当該ハイブリッドパワコン50の動作を制御するものである。制御部80は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置、並びにI/O等の入出力装置等により構成される。制御部80は、ハイブリッドパワコン50の動作を制御することによって、第一太陽光発電部40で発電された電力の出力や、蓄電池60の充放電を制御することができる。
【0028】
制御部80は、図示せぬ時計部を具備する。制御部80は、前記時計部を用いて現在の日時を計時することができる。また、制御部80は、後述するエコモードを実行するための種々の情報(プログラム等)を前記記憶装置に格納している。
【0029】
制御部80は、センサ部70(第一センサ71及び第二センサ72)に接続される。制御部80は、センサ部70から出力された信号により、当該センサ部70の検出結果に関する情報を取得することができる。
【0030】
なお、制御部80は、蓄電池60の放電が行われている場合にセンサ部70(より詳細には、第一センサ71)から出力された信号に基づいて、商用電源100から常に買電することによって商用電源100へと電力が逆潮流されるのを防止する機能(プログラム)を有する。以下では、前記機能を「逆潮流防止機能」と称する。なお、電力供給システム1においては、逆潮流防止機能は、(蓄電池60の放電ではなく)蓄電池60の充電が行われている場合であっても、商用電源100への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるという問題が生じるのを回避するため、後述する売電量抑制処理において実行される。
【0031】
以下では、上述の如く構成された電力供給システム1における電力の供給態様の概略について説明する。
【0032】
商用電源100や、第一太陽光発電部40からの電力は、分電盤10を介して家庭内負荷90に供給される。こうして、住宅の居住者は、商用電源100や、第一太陽光発電部40からの電力を用いて照明を点灯させたり、調理器具やエアコンを使用したりすることができる。
【0033】
この場合において、家庭内負荷90の消費電力が第一太陽光発電部40からの電力だけで賄える場合には、商用電源100からの電力を用いないことも可能である。このようにして商用電源100からの買電量を減少させ、電力料金を節約することができる。
【0034】
また、商用電源100や、第一太陽光発電部40からの電力は、適宜の時間帯に蓄電池60に供給される。蓄電池60に供給された電力は、当該蓄電池60に充電される。蓄電池60が充電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば前記時間帯を深夜に設定すれば、料金の安い深夜電力を蓄電池60に充電することができる。また、前記時間帯を昼間の時間帯に設定すれば、第一太陽光発電部40からの電力を蓄電池60に充電することができる。
【0035】
また、蓄電池60に充電された電力は、分電盤10を介して家庭内負荷90に供給することができる。具体的には、蓄電池60を放電すると、当該放電された電力が分電盤10を介して家庭内負荷90に供給される。蓄電池60が放電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば前記時間帯を深夜以外の時間帯に設定すれば、蓄電池60に充電した料金の安い深夜電力を当該深夜以外の時間帯に用いることができる。こうして、深夜以外の時間帯に商用電源100からの電力量(買電量)を減少させ、電力料金を節約することができる。
【0036】
このように、本実施形態においては、(後述する第二実施形態とは異なり)1つの太陽光発電部(第一太陽光発電部40)を有するものである。第一太陽光発電部40からの電力は、商用電源100に売電されるか、蓄電池60に充電されるか、又は家庭内負荷90に供給される電力として用いられる。
【0037】
なお、電力供給システム1においては、電力の供給態様に関して複数の制御方法(以下では、単に「モード」と称する)を有する。このような複数のモードは、種々の目的を達成するために設けられ、居住者が自分のライフスタイルに応じて任意に選択することができる。複数のモードに関する情報は、制御部80の記憶装置に格納されている。なお、本実施形態においては、複数のモードのうち1つとして、第一太陽光発電部40からの電力を極力住宅内で消費することにより省エネ効果を得ることを目的としたモード(以下では、「エコモード」と称する)が設けられる。
【0038】
以下では、図2のフローチャートを用いて、エコモードが実行された場合における制御部80の処理について説明する。
なお、制御部80の処理は、概ね1分間間隔で繰り返し行われるものとする。
【0039】
ステップS101において、制御部80は、商用電源100の供給電流が0A(アンペア)よりも小さいか否かを判定する。
制御部80は、商用電源100の供給電流が0A(アンペア)よりも小さいと判定した場合には、ステップS102へ移行する。
制御部80は、商用電源100の供給電流が0A(アンペア)よりも小さくないと判定した場合には、ステップS103へ移行する。
【0040】
なお、商用電源100の供給電流が0A(アンペア)よりも小さい場合には、商用電源100へと電力が逆潮流している(売電されている)ことを示している。一方、商用電源100の供給電流が0A(アンペア)よりも大きい場合には、商用電源100から電力が供給されている(買電されている)ことを示している。
【0041】
ステップS102において、制御部80は、商用電源100への売電量分の電力を蓄電池60に充電する。すなわち、第一太陽光発電部40からの電力が家庭内負荷90の消費電力に対して余剰が生じた場合に、当該余剰した電力量分の電力を第一太陽光発電部40から蓄電池60に充電する。
制御部80は、ステップS102の処理の後、ステップS104へ移行する。
【0042】
ステップS103において、制御部80は、商用電源100からの買電量分の電力を蓄電池60から放電する。すなわち、第一太陽光発電部40からの電力だけでは家庭内負荷90の消費電力に対して不足が生じた場合に、当該不足した電力量分の電力を商用電源100から買電するのではなく、蓄電池60から放電する。
制御部80は、ステップS103の処理の後、ステップS104へ移行する。
【0043】
ステップS104において、制御部80は、第一太陽光発電部40の発電電流が1A(アンペア)よりも小さいか否かを判定する。
制御部80は、第一太陽光発電部40の発電電流が1A(アンペア)よりも小さいと判定した場合には、ステップS106へ移行する。
制御部80は、第一太陽光発電部40の発電電流が1A(アンペア)よりも小さくないと判定した場合には、ステップS105へ移行する。
【0044】
なお、本実施形態においては、第一太陽光発電部40の発電電流が1A(アンペア)よりも小さい場合には、第一太陽光発電部40が安定して発電し難い環境(例えば、天候が雨天)であることを想定している。
【0045】
なお、本実施形態において前記1A(アンペア)は、第一太陽光発電部40で安定して発電し難い環境(例えば、天候が雨天)であるか否かの基準となる値である。当該基準となる値は、1A(アンペア)に限定するものではなく、第一太陽光発電部40の発電性能等に応じて任意に設定することができる。
【0046】
ステップS105において、制御部80は、5分間で3回以上蓄電池60の充電と放電とが切り替えられたか否かを判定する。
制御部80は、5分間で3回以上蓄電池60の充電と放電とが切り替えられたと判定した場合には、ステップS106へ移行する。
制御部80は、5分間で3回以上蓄電池60の充電と放電とが切り替えられていないと判定した場合には、再びステップS101へ移行する。
【0047】
なお、本実施形態においては、5分間で3回以上蓄電池60の充電と放電とが切り替えられた場合には、第一太陽光発電部40が安定して発電し難い環境(例えば、天候が曇天)であることを想定している。具体的には、例えば天候が曇天である場合は、太陽が雲に遮られたり、太陽が雲から露出したりを交互に繰り返し、第一太陽光発電部40が安定して発電し難くなる。このような場合、蓄電池60の充電と放電とが交互に繰り返し行われる(いわゆるチャタリングが発生する)おそれがある。
【0048】
なお、本実施形態において前記「5分間で3回以上蓄電池60の充電と放電とが切り替えられるか否か」は、第一太陽光発電部40が安定して発電し難い環境(例えば、天候が曇天)であるか否かの基準である。当該基準は、これに限定するものではなく、第一太陽光発電部40の発電性能等に応じて任意に設定することができる。
【0049】
ステップS106において、制御部80は、第一太陽光発電部40で発電された電力を蓄電池60に充電すると共に、蓄電池60から放電された電力を家庭内負荷90へと供給する。すなわち、第一太陽光発電部40が安定して発電し難い環境(天候が雨天や曇天)である場合には、蓄電池60において充電と放電とが同時に行われる。
制御部80は、ステップS106の処理の後、ステップS107へ移行する。
【0050】
ステップS107において、制御部80は、第一太陽光発電部40の発電電流が5A(アンペア)よりも大きいか否かを判定する。
制御部80は、第一太陽光発電部40の発電電流が5A(アンペア)よりも大きいと判定した場合には、ステップS108へ移行する。
制御部80は、第一太陽光発電部40の発電電流が5A(アンペア)よりも大きくないと判定した場合には、再びステップS107へ移行する。
【0051】
なお、本実施形態においては、第一太陽光発電部40の発電電流が5A(アンペア)よりも大きい場合には、第一太陽光発電部40が安定して発電し易い環境(例えば、天候が晴天)であることが想定される。具体的には、例えば天候が晴天である(空が雲で覆われていない)場合は、太陽が雲に遮られることなく、第一太陽光発電部40が安定して発電することができる。
【0052】
なお、本実施形態において前記5A(アンペア)は、第一太陽光発電部40が安定して発電し易い環境(例えば、天候が晴天)であるか否かの基準となる値である。当該基準となる値は、5A(アンペア)に限定するものではなく、第一太陽光発電部40の発電性能等に応じて任意に設定することができる。
【0053】
ステップS108において、制御部80は、第一太陽光発電部40で発電された電力を優先して家庭内負荷90に供給し、蓄電池60における充電及び放電を停止する。こうして、蓄電池60において充電と放電とが同時に行われる状態が解消される。なお、第一太陽光発電部40で発電された電力だけでは家庭内負荷90の消費電力に対して不足が生じた場合には、当該不足した電力量分の電力を蓄電池60から放電する。
制御部80は、ステップS108の処理の後、再びステップS101へ移行する。
【0054】
このような構成により、エコモードが実行された場合には、第一太陽光発電部40で発電された電力をできるだけ売電せずに蓄電池60に充電し、必要に応じて(商用電源100からの電力ではなく)当該充電した電力を住宅内で消費することができる。こうして、電力供給システム1において、エコモードが実行された場合には、第一太陽光発電部40からの電力を極力住宅内で消費することにより省エネ効果を得ることができる。
【0055】
ここで、前述したように、蓄電池60は、第一太陽光発電部40からの電力が家庭内負荷90の消費電力に対して余剰が生じた場合に、当該余剰した電力量分の電力を第一太陽光発電部40から蓄電池60に充電する(ステップS102参照)。
【0056】
このような場合、例えば天候が晴天であれば、蓄電池60は、午前の比較的早い時間帯から充電を行うため、午前中に満充電となることがある。このように、午前中に蓄電池60が満充電となると、それ以降の第一太陽光発電部40の発電量が大きい時間帯に発電された電力(前記余剰した分の電力)が売電されることになる。また、蓄電池60は、蓄電された電力を当日中に放電しなければ、翌日に第一太陽光発電部40で発電された電力を蓄電することができない。
【0057】
こうして、エコモードが実行された場合であっても、所定の場合に、商用電源100への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなって、例えば電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限される可能性がある。
【0058】
これに対して、制御部80は、上述の如き問題点を回避するため、売電量抑制処理を行って、電力が逆潮流するのを一定の期間だけ抑制する。
【0059】
以下では、図3のフローチャート及び図4を用いて、(第一実施形態に係る)電力供給システム1における制御部80による売電量抑制処理について説明する。
【0060】
なお、図4は、エコモードが実行された場合における、家庭内負荷90の消費電力と、第一太陽光発電部40で発電された電力と、売電された電力と、充電された電力と、出力抑制された電力と、の関係の一例を示している。ここで、図4は、後述する中間期(例えば6月)のある1日を例にあげたものとする。
【0061】
なお、本実施形態において、制御部80による売電量抑制処理は、エコモードの実行の処理と同時に行われるものとする。
【0062】
ステップS201において、制御部80は、今月が3月から6月、又は9月から11月までの何れかの月であるか否かを判定する。
【0063】
ここで、3月から6月、及び9月から11月は、例えば空気調和装置のように消費電力量が比較的大きい電気機器の使用量が、他の月(具体的には12月及び1月、並びに7月及び8月)よりも少ない月である。以下では、前記3月から6月、及び9月から11月を「中間期」と、前記他の月を「非中間期」と、それぞれ称する。なお、前記電気機器は家庭内負荷90に含まれる。また、中間期と非中間期との振り分けは、上述の如き振り分けに限定するものではない。
【0064】
ステップS201において、制御部80は、今月が中間期であると判定した場合には、ステップS202へ移行する。
また、制御部80は、今月が中間期ではない(非中間期である)と判定した場合には、再びステップS201へ移行する。
【0065】
ここで、今月が非中間期である場合、すなわち消費電力量が比較的大きい電気機器の使用量が大きい場合(家庭内負荷90の消費電力量が大きい場合)には、第一太陽光発電部40からの電力(より詳細には、ハイブリッドパワコン50から出力された電力)のほとんどが家庭内負荷90に供給されると想定される。すなわち、第一太陽光発電部40からの電力(より詳細には、ハイブリッドパワコン50から出力された電力)のうち商用電源100へと逆潮流される電力量は比較的小さいと想定される。このように、今月が非中間期である場合には、商用電源100への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるという問題が生じない(すなわち、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限される可能性がない)と判断する。
【0066】
これに対して、今月が中間期である場合、すなわち消費電力量が比較的大きい電気機器の使用量が小さい場合(家庭内負荷90の消費電力量が小さい場合)には、第一太陽光発電部40からの電力(より詳細には、ハイブリッドパワコン50から出力された電力)のほとんどが商用電源100へと逆潮流されると想定される。すなわち、第一太陽光発電部40からの電力(より詳細には、ハイブリッドパワコン50から出力された電力)のうち商用電源100へと逆潮流される電力量は比較的大きいと想定される。このように、今月が中間期である場合には、商用電源100への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるという問題が生じる(すなわち、電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限される可能性がある)と判断する。
【0067】
ステップS202において、制御部80は、売電量抑制処理における種々の設定を行う。具体的には、制御部80は、第一太陽光発電部40からの電力が商用電源100へと逆潮流されるのを防止する制御を行う時間帯(以下では「逆潮流防止時間帯」と称する)として、11時から14時までの時間帯を設定する。
制御部80は、ステップS202の処理を行った後、ステップS203へ移行する。
【0068】
なお、逆潮流防止時間帯は、11時から14時までの時間帯に限定するものではなく、任意の時間帯を設定することができる。
【0069】
ステップS203において、制御部80は、現在の時刻が11時を過ぎているか否か(すなわち、逆潮流防止時間帯となったか否か)を判定する。
制御部80は、現在の時刻が11時を過ぎていると判定した場合には、ステップS204へ移行する。
制御部80は、現在の時刻が11時を過ぎていないと判定した場合には、再びステップS203へ移行する。
【0070】
ステップS204において、制御部80は、第一太陽光発電部40からの電力が商用電源100へと逆潮流されるのを防止する制御を行う。すなわち、制御部80は、前記逆潮流防止機能の実行を開始する。
【0071】
こうして、逆潮流防止機能が実行されると、制御部80は、第一太陽光発電部40から出力される電力量が、家庭内負荷90の消費電力量よりも大きくならないように、ハイブリッドパワコン50により第一太陽光発電部40から出力される電力量を制御する。
【0072】
具体的には、制御部80は、センサ部70の第一センサ71から出力された信号により商用電源100の供給電流に関する情報を取得する。制御部80は、商用電源100の供給電流が0A(アンペア)よりも常に大きくなるように、すなわち商用電源100から常に買電されるように、ハイブリッドパワコン50により第一太陽光発電部40から出力される電力量を制御する。このような制御により、第一太陽光発電部40からの電力によって蓄電池60を充電させると共に家庭内負荷90の消費電力を概ね賄うことができる。また、第一太陽光発電部40から出力される電力量を制御(抑制)し、当該第一太陽光発電部40からの電力が商用電源100へと売電されるのを防止することができる。なお、商用電源100から買電される電力の値は、光熱費の増加を抑制するため、比較的小さく設定される。
制御部80は、ステップS204の処理を行った後、ステップS205へ移行する。
【0073】
ステップS205において、制御部80は、現在の時刻が14時を過ぎたか否か(すなわち、逆潮流防止時間帯を経過したか否か)を判定する。
制御部80は、現在の時刻が14時を過ぎたと判定した場合には、ステップS206へ移行する。
制御部80は、現在の時刻が14時を過ていないと判定した場合には、再びステップS205へ移行する。
【0074】
ステップS206において、制御部80は、第一太陽光発電部40からの電力が商用電源100へと逆潮流されるのを防止する制御を終了させる。すなわち、制御部80は、前記逆潮流防止機能の実行を停止する。
制御部80は、ステップS206の処理を行った後、再びステップS201へ移行する。
【0075】
このように、売電量抑制処理においては、図4に示すように、逆潮流防止時間帯(11時から14時まで)の間は、第一太陽光発電部40で発電された電力の一部は、蓄電池60に蓄電されると共に、家庭内負荷90に供給される。そして、第一太陽光発電部40で発電された電力の残りは、ハイブリッドパワコン50から出力されない(出力抑制される)。すなわち、逆潮流防止時間帯(11時から14時まで)の間は、第一太陽光発電部40で発電された電力は、商用電源100へと逆潮流されない(ステップS204参照)。こうして、今月が中間期のある1日であったとしても、当該ある1日全体として電力が逆潮流するのを抑制することができる。すなわち、商用電源100への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができるため、例えば電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されるのを抑制することができる。
【0076】
以下では、図5を用いて、本発明の第二実施形態に係る電力供給システム201の構成について説明する。
【0077】
なお、以下では第二実施形態に係る電力供給システム201の構成のうち、第一実施形態に係る電力供給システム1の構成と異なる点について説明する。
【0078】
第二実施形態に係る電力供給システム201の構成のうち、第一実施形態に係る電力供給システム1の構成と異なる点は、図5に示すように、第二太陽光発電部20と、パワコン30と、センサ部70の第三センサ73と、を具備する点である。
【0079】
第二太陽光発電部20は、太陽光を利用して発電する装置である。第二太陽光発電部20は、太陽電池パネル等により構成される。第二太陽光発電部20は、例えば住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。第二太陽光発電部20は、所定の電力経路(以下では、「第三電力経路L3」と称する)を介して、第一電力経路L1の接続部(以下では、「第二接続部P2」と称する)と接続される。第二接続部P2は、第一接続部P1よりも商用電源100側に配置される。
【0080】
パワコン30は、電力を適宜変換するもの(パワーコンディショナ)である。パワコン30には、インバータ回路等が設けられる。パワコン30は、第二太陽光発電部20で発電された直流電力を交流電力に変換して出力することができる。パワコン30は、第三電力経路L3の中途部に接続される。パワコン30は、ハイブリッドパワコン50と接続される。こうして、パワコン30とハイブリッドパワコン50とは、相互通信を行うことにより互いに制御可能に構成される。
【0081】
センサ部70の第三センサ73は、第三電力経路L3においてパワコン30と第二接続部P2との間に設けられる。第三センサ73は、第二太陽光発電部20からの電力を検出する。第三センサ73は、ハイブリッドパワコン50(より詳細には、ハイブリッドパワコン50の制御部80)と接続され、検出結果に関する信号を当該制御部80へ出力可能に構成される。
【0082】
また、制御部80は、センサ部70(より詳細には、第二センサ72及び第三センサ73)から出力された信号により、第二太陽光発電部20及び第一太陽光発電部40からの合計の電力量、より詳細にはパワコン30から出力された第二太陽光発電部20からの電力量とハイブリッドパワコン50から出力される電力量との合計の電力量を算出することができる。
【0083】
このような電力供給システム201の構成においては、2つの太陽光発電部(第二太陽光発電部20及び第一太陽光発電部40)を有するものであり、第二太陽光発電部20からの電力は、商用電源100に売電されるか、又は家庭内負荷90に供給される電力として用いられる。また、第一太陽光発電部40からの電力は、商用電源100に売電されるか、蓄電池60に充電されるか、又は家庭内負荷90に供給される電力として用いられる。
【0084】
以下では、図6のフローチャートを用いて、第二実施形態に係る電力供給システム201における制御部80による売電量抑制処理について説明する。
【0085】
第二実施形態に係る電力供給システム201における制御部80による売電量抑制処理のうち、第一実施形態に係る電力供給システム1における制御部80による売電量抑制処理のと異なる点は、図3のステップS204及びS206が図6のステップS304及びS306へと変更された点である。
【0086】
すなわち、図6に示すように、ステップS203において、制御部80は、現在の時刻が11時を過ぎていると判定した場合には、ステップS304へ移行する。
【0087】
ステップS304において、制御部80は、第一太陽光発電部40及び第二太陽光発電部20からの電力が商用電源100へと逆潮流されるのを防止する制御を行う。すなわち、制御部80は、パワコン30の動作を停止させると共に、前記逆潮流防止機能の実行を開始する。
制御部80は、ステップS304の処理を行った後、ステップS205へ移行する。
【0088】
また、図6に示すように、ステップS205において、制御部80は、現在の時刻が14時を過ぎたと判定した場合には、ステップS306へ移行する。
【0089】
ステップS306において、制御部80は、前記逆潮流防止機能の実行を停止すると共に、パワコン30の動作が停止した状態を解除させる。
制御部80は、ステップS306の処理を行った後、再びステップS201へ移行する。
【0090】
このように、ステップS304において、パワコン30の動作が停止されると、第二太陽光発電部20で発電された電力がパワコン30から出力されない。こうして、第二太陽光発電部20からの電力が商用電源100へと逆潮流されない状態としたうえで、商用電源100の供給電流が0A(アンペア)よりも常に大きくなるように、すなわち商用電源100から常に買電されるように、ハイブリッドパワコン50により第一太陽光発電部40から出力される電力量を制御する。すなわち、ステップS304においては、第一実施形態に係る電力供給システム1と同様に、第一太陽光発電部40からの電力が商用電源100へと逆潮流するのを防止するのに加えて、第二太陽光発電部20からの電力が商用電源100へと逆潮流するのを防止することができる。こうして、今月が中間期のある1日であったとしても、当該ある1日全体として電力が逆潮流するのを抑制することができる。すなわち、商用電源100への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができるため、例えば電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されるのを抑制することができる。
【0091】
以下では、図7を用いて、本発明の第三実施形態に係る電力供給システム301の構成について説明する。
【0092】
なお、以下では第三実施形態に係る電力供給システム301の構成のうち、第二実施形態に係る電力供給システム201の構成と異なる点について説明する。
【0093】
第三実施形態に係る電力供給システム301の構成のうち、第二実施形態に係る電力供給システム201の構成と異なる点は、図7に示すように、HEMS(Home Energy Management System)110が設けられ、当該HEMS110により当該電力供給システム301の制御が行われる点である。この場合、HEMS110は、電力供給システム301を構成する各機器と接続され、当該各機器に関する情報を取得可能に構成される。
【0094】
また、HEMS110は、ネットワーク上で各種のサーバー(本実施形態においては、クラウドサーバー120)と各種の信号の送受信が可能に構成される。こうして、例えば、クラウドサーバー120からの要請に基づいて、HEMS110が制御を行い、予め設定された日時に関係なく売電量抑制処理を実行することもできる。なお、各種のサーバーは、プロバイダーサーバーや、インターネットサーバー等が想定され、特に限定するものではない。
【0095】
以上のように、本発明の第一実施形態に係る電力供給システム1においては、
商用電源100と家庭内負荷90との間に接続されるハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)と、
自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を前記ハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)を介して出力可能な第一太陽光発電部40(第一の発電部)と、
前記第一太陽光発電部40(第一の発電部)で発電された電力を充電可能であると共に当該充電された電力を前記ハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)を介して前記家庭内負荷90へと放電可能な蓄電池60と、
前記ハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)を制御する制御部80と、
を具備し、
前記制御部80は、
前記第一太陽光発電部40(第一の発電部)で発電された電力を前記商用電源100へと売電するのを抑制する売電量抑制処理を実行可能であり、
前記売電量抑制処理を実行する場合、前記ハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)により前記第一太陽光発電部40(第一の発電部)で発電された電力を前記蓄電池60に充電させると共に、前記ハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)から出力される電力量が前記家庭内負荷90の消費電力量よりも大きくならないように前記ハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)から出力される電力量を制御するものである。
【0096】
また、本発明の第一実施形態に係る電力供給システム1においては、
前記制御部80は、
現在の日付に関する情報を取得可能であって、前記現在の日付に関する情報に基づいて前記売電量抑制処理を実行するか否かを判定するものである。
【0097】
また、本発明の第一実施形態に係る電力供給システム1においては、
前記商用電源100と前記家庭内負荷90との間であって前記ハイブリッドパワコン50(第一のパワーコンディショナ)よりも前記商用電源100側に配置されるパワコン30(第二のパワーコンディショナ)と、
自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を前記パワコン30(第二のパワーコンディショナ)を介して出力可能な第二太陽光発電部20(第二の発電部)と、
を具備するものである。
【0098】
また、本発明の第二実施形態に係る電力供給システム201においては、
前記制御部80は、
前記パワコン30(第二のパワーコンディショナ)の動作を制御可能に構成され、
前記売電量抑制処理を実行する場合、前記パワコン30(第二のパワーコンディショナ)の動作を停止させるものである。
【0099】
また、本発明の第三実施形態に係る電力供給システム301においては、
前記制御部80は、
HEMS110(Home Energy Management System)により構成されると共に、ネットワーク上でクラウドサーバー120と接続されるものである。
【0100】
このような構成により、電力が逆潮流するのを一定の期間(中間期)だけ抑制することができ、商用電源100への売電量(逆潮流される電力量)が比較的大きくなるのを抑制することができる。こうして、例えば電力会社管内の電力需要と電力供給とのバランスが崩れ、ひいては当該電力会社による電力の買い取りが制限されるのを抑制することができる。
【0101】
なお、本実施形態に係る第二太陽光発電部20は、本発明に係る第二の発電部の一実施形態である。
なお、本実施形態に係る第一太陽光発電部40は、本発明に係る第一の発電部の一実施形態である。
また、本実施形態に係る家庭内負荷90は、本発明に係る負荷の一実施形態である。
また、本実施形態に係るパワコン30は、本発明に係る第二のパワーコンディショナの一実施形態である。
また、本実施形態に係るハイブリッドパワコン50は、本発明に係る第一のパワーコンディショナの一実施形態である。
また、本実施形態に係るハイブリッドパワコン50の制御部80は、本発明に係る制御部の一実施形態である。
【0102】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0103】
例えば、本発明に係る電力供給システムは、ガス等の燃料を用いて発電を行う燃料電池(固体酸化物形燃料電池(SOFC等))を有する構成であってもよい。
【0104】
また、本実施形態において、本発明に係る発電部は、自然エネルギーとして太陽光を利用する構成としたが、これに限定するものではない。本発明に係る発電部は、自然エネルギーとして、例えば水力、風力、潮力等を利用する構成であっても良い。
【0105】
また、本実施形態において、本発明に係る電力供給システムは、家庭内負荷90(住宅)へ電力を供給する構成としたが、これに限定するものではない。本発明に係る電力供給システムは、オフィス等へ電力を供給する構成であっても良い。
【符号の説明】
【0106】
1 電力供給システム
40 第一太陽光発電部
50 ハイブリッドパワコン
60 蓄電池
90 家庭内負荷
100 商用電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7