特許第6109241号(P6109241)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109241
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】鈍針安全薬剤送達システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20170327BHJP
   A61M 39/22 20060101ALI20170327BHJP
   A61M 5/165 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   A61M39/10 100
   A61M39/22
   A61M5/165 500B
【請求項の数】4
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-111690(P2015-111690)
(22)【出願日】2015年6月1日
(62)【分割の表示】特願2013-521889(P2013-521889)の分割
【原出願日】2011年7月26日
(65)【公開番号】特開2015-155020(P2015-155020A)
(43)【公開日】2015年8月27日
【審査請求日】2015年6月9日
(31)【優先権主張番号】12/844,546
(32)【優先日】2010年7月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー ヨンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ユン
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−525067(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0319422(US,A1)
【文献】 特開2003−126269(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0208160(US,A1)
【文献】 特表2002−517292(JP,A)
【文献】 特開2003−339876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10−39/22
A61M 5/14−5/165
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放遠位端と、前記開放遠位端と流体連通する内腔を有する鈍針と、第一のコネクタに取り付けられ、前記開放遠位端と流体連通する開放近位端を有するルアーコネクタと、を含む鈍針コンポーネントと、
前記鈍針をフィルタコンポーネントに取り付けるための入口部材を含み、
前記鈍針は、ルアーコネクタおよびIV作動機構の前記鈍針への取付けを防止し、前記入口部材と、出口と、前記入口部材と前記出口の一方または両方に取り付けられ、前記入口部材および前記出口と流体連通するフィルタの流体連通を許可および遮断する、非ルアー断面形状を有し、
前記第一のコネクタは、非ルアーコネクタを含み、前記フィルタコンポーネントは、ルアーコネクタ、IV作動機構、および、標準的な注射器外筒の前記入口部材への取付けを防止する第二の非ルアーコネクタを含むことを特徴とする薬剤送達器材。
【請求項2】
薬液をカテーテルに送達する方法において、
入口部材と、第一の非ルアーコネクタを係合するための前記入口部材に近接して一体的に結合された第二の非ルアーコネクタと、出口と、前記入口部材と前記出口の間に設置されるフィルタと、を含むフィルタコンポーネントをカテーテルに取り付けるステップと、
開放遠位端と、前記開放遠位端と流体連通する内腔を有する鈍針と、第二の非ルアー型コネクタに取り付けられ、前記開放遠位端と流体連通する開放近位端を含むルアーコネクタと、を含む鈍針コンポーネントを提供するステップと、
注射器外筒の先端を前記鈍針コンポーネントの前記開放近位端に取り付けるステップと、
前記注射器外筒に所定の量の薬液を充填するステップと、
前記鈍針コンポーネントを前記フィルタコンポーネントに取り付けるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
前記鈍針が、前記入口部材の中へと延びる長さと、前記フィルタコンポーネントと液密接続する断面形状を有することを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記入口部材が、標準的なルアーコネクタ、IV作動機構、および標準的な注射器外筒と液密接続できない断面形状を有することを特徴とする、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、誤った経路への薬剤の供給を防止する薬剤送達システムと、この薬剤送達システムの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤送達器材は通常、血管内、麻酔および腸内送達器材等の一般的なISO標準のルアー型接続手段とともに使用される。これらの経路の接続ミスが起こる可能性があり、それが投薬過誤の原因となる。このような過誤の結果は有害であり、致命的でさえありうる。
【0003】
薬剤送達における過誤を減少させるための過去の試みとしては、ラベルやカラーコードを付けた器材を使用することによって、特定のライン確保器材(カテーテルコネクタ等)や薬剤収容器材または薬剤を保持する容器(注射器外筒等)を区別する、というものがある。調査の結果、臨床医はこのようなラベルやカラーコードを無視する傾向があることがわかった。
【0004】
これに加えて、一部の薬剤送達システムの中の接続と切断が必要なコンポーネントの数が多く、時間がかかることがあり、取り違えおよび/または接続ミスを誘発する可能性がある。市販の持続麻酔用トレイは、接続と切断が必要なコンポーネントを含む薬剤送達システムの一例であり、麻酔薬が収容されたガラス製アンプル、薬剤を吸引するためのステンレススチール製の先端の尖った皮下注射針および/またはフィルタ針、硬膜外フィルタ、カテーテルコネクタを含んでいることがある。
【0005】
誤った経路による投薬過誤を排除するためのその他の試みでは、1つまたは複数のコンポーネントに逆止弁が組み込まれるが、逆止弁には複雑な作動機構が必要であることが多く、それによって機能的信頼性が低下する可能性がある。これに加えて、逆止弁を組み込んだ器材は、空気圧および/または液体圧により左右されるため、流量、部品の寸法、材料の寸法安定性または表面張力の変化が逆止弁の誤動作の原因となるかもしれない。これに加えて、逆止弁は通常、ゴムから作られ、これは機械加工が困難な場合があり、普通はプラスチックよりコストが高い。投薬器具用コネクタ内への逆止弁の組み込みは複雑であり、手作業での組立が必要となりうる。さらに、逆止弁を組み込んだ器材の複雑な構造では、大きな表面積、可動部品、異なる材料からなる部品の使用が細菌繁殖の原因となりうることから、感染を引き起こす可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、標準的な注射器やその他の薬剤収容器材を用いる各種の薬剤送達手技に使用するための、誤った経路による投薬過誤のあらゆる可能性を有効に排除できる薬剤送達コネクタが求められている。さらに、容器への薬剤の吸引や空気抜きのプライミングを通常通りに行え、その一方で、吸引された薬剤の漏れを防止する弁が設けられる薬剤送達コネクタが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書においては、器材の遠位端が患者に最も近い端であり、器材の近位端が患者から最も遠く、医療従事者に最も近い端であるという決まりに従う。
【0008】
本発明の第一の態様は、鈍針コンポーネントと、フィルタコンポーネントと、を有する薬剤送達器材に関する。鈍針コンポーネントは、開放遠位端と、開放遠位端から第一の非ルアー型コネクタまで延びる鈍針を含む。1つまたは複数の実施形態の鈍針の長さは0.1インチより長い。1つまたは複数の具体的な実施形態において、鈍針の長さは約0.5インチより長い。鈍針はまた、鈍針コンポーネントの遠位端と流体連通する内腔を含む。1つまたは複数の実施形態の鈍針コンポーネントは、第一の非ルアー型コネクタに取り付けられるルアーコネクタを含み、鈍針の開放遠位端と流体連通する開放近位端を含む。
【0009】
薬剤送達器材のフィルタコンポーネントは、鈍針を受けるための入口部材と、入口部材の付近に設置され、第一の非ルアー型コネクタと係合する第二の非ルアー型コネクタと、出口と、入口部材と出口の一方または両方に取り付けれ、入口部材および出口と流体連通するフィルタと、を含む。1つまたは複数の実施形態において、フィルタは、入口部材と出口の間に配置された筐体内に設置される。1つの変化形において、フィルタは、入口部材と出口の一方に取り付けられたフィルタプレートの中に設置される。フィルタプレートは、フィルタプレートをフィルタコンポーネントの出口に取り付けるための第一の開口部と、フィルタプレートをフィルタコンポーネントの入口部材に取り付けるための第二の開口部を有していてもよい。
【0010】
鈍針コンポーネントの第一の非ルアー型コネクタとフィルタコンポーネントの第二の非ルアー型コネクタは、標準的なルアーコネクタや静脈ライン確保器材と適合しない。1つまたは複数の具体的な実施形態において、フィルタコンポーネントの第二の非ルアー型コネクタは標準的な注射器外筒と適合しない。
【0011】
1つの変化形において、第一の非ルアー型コネクタはカラーを有し、このカラーは鈍針を取り囲み、内面を有し、その上には、第二の非ルアー型コネクタに設置された外側に延びるリブと係合するためのねじ山が形成されている。他の変化形において、第一の非ルアー型コネクタは外面を有し、その上に形成されたねじ山が、第二の非ルアー型コネクタの内面上に形成された対応するねじ山と係合する。1つまたは複数の実施形態において、第一の非ルアー型コネクタと第二の非ルアー型コネクタの内面および/または外面の断面幅を、標準的なルアーコネクタや静脈ライン確保器材の断面幅より小さくなるように変更できる。あるいは、第一の非ルアー型コネクタおよび第二の非ルアー型コネクタの内面および/または外面の断面幅を、標準的なルアーコネクタと静脈ライン確保器材の断面幅より大きくなるように変更できる。第一の非ルアー型コネクタおよび/または第二の非ルアー型コネクタの断面形状もまた、標準的なルアーコネクタや静脈ライン確保器材と接続できないように変更してもよい。1つの選択的な実施形態において、第一の非ルアー型コネクタと第二の非ルアー型コネクタの一方または両方の断面形状は円以外である。
【0012】
1つまたは複数の実施形態において、第一の非ルアー型コネクタおよび/または第二の非ルアー型コネクタにはまた、締り嵌め、スナップ式、ロッキング手段、およびこれら組み合わせから選択される接続方式を取り入れてもよい。1つの変化形において、第一の非ルアー型コネクタおよび/または第二の非ルアー型コネクタは、第一の非ルアー型コネクタを第二の非ルアー型コネクタに係合させた時にフィードバックが送られるような構造を有していてもよく、これには触覚によるフィードバック、音声によるフィードバック、またはその両方を含めることができる。
【0013】
1つまたは複数の実施形態において、第一の非ルアー型コネクタおよび/または第二の非ルアー型コネクタは鈍針の周囲で回転可能であってもよい。鈍針はまた、剛性でも、非剛性でもよい。
【0014】
鈍針コンポーネントのルアーコネクタは、随意選択により、注射器外筒の開放先端に永久的に取り付けるための永久的取付要素を有していてもよい。ルアーコネクタは、ルアースリップフィッティングまたはルアーロックフィッティングを有していてもよい。
【0015】
フィルタコンポーネントの出口は、フィルタコンポーネントをカテーテルポートに取り付けるためのフィッティングを有していてもよい。出口のフィッティングは、カテーテルポートに永久的に取り付けるための永久的取付要素を有していてもよい。出口はまた、回転可能であってもよい。
【0016】
本発明の第二の態様は、鈍針コンポーネントと、鈍針によって遠位方向に力を加えると開くように構成された弁を有するフィルタコンポーネントと、を含む薬剤送達器材に関する。1つまたは複数の実施形態において、鈍針コンポーネントは、開放遠位端を含み、開放遠位端から第一の非ルアー型コネクタへと延びる。鈍針は、長さが少なくとも0.5インチであり、また、開放遠位端と流体連通する内腔も含んでいてよい。1つまたは複数の具体的な実施形態において、鈍針の長さは約0.5インチ〜約1.5インチの範囲であってもよい。鈍針コンポーネントはまた、第一の非ルアー型コネクタに取り付けられるルアーコネクタを有していてもよく、開放遠位端と流体連通する開放近位端を有していてもよい。
【0017】
第二の態様による実施形態のフィルタコンポーネントは、鈍針を受けるための開口部と弁を有する入口部材を含む。入口部材に隣接して、第一の非ルアー型コネクタを受けるための第二の非ルアー型コネクタが設置される。フィルタコンポーネントはまた、出口と、入口部材と出口の一方または両方に取り付けられ、入口部材および出口と流体連通するフィルタを含む。1つまたは複数の実施形態の入口部材の断面形状は、鈍針の断面形状と適合するものであってもよい。1つの変化形において、入口部材と鈍針の断面形状は円以外である。
【0018】
1つまたは複数の実施形態において、弁は分離型隔壁および/または逆止弁を含み、これはボールバルブまたはディスクバルブの形態で提供されてもよい。ボールまたはディスクバルブは、随意選択により、バネ式であってもよい。弁はまた、入口部材内の、フィルタコンポーネントの開口部から少なくとも0.9インチの距離に設置してもよい。
【0019】
本発明の第三の態様は、鈍針コンポーネントと、入口部材および入口部材との流体連通を許可および遮断する手段を有するフィルタコンポーネントに鈍針を取り付けるための手段と、を含む薬剤送達器材に関する。1つまたは複数の実施形態において、鈍針コンポーネントは、開放遠位端と、開放遠位端と流体連通する内腔を有する鈍針と、を含む。鈍針コンポーネントはまた、第一のコネクタに取り付けられ、開放遠位端と流体連通する開放近位端を含むルアーコネクタを含んでいてもよい。この薬剤送達器材は、出口と、入口部材と出口の一方または両方に取り付けられ、入口部材および出口と流体連通するフィルタと、を有する。
【0020】
1つの実施形態において、流体連通を許可および遮断する手段は、フィルタコンポーネントに設置され、ルアーコネクタ、IV作動機構および標準的注射器外筒を入口部材に取り付けることができないようにする第二の非ルアー型コネクタを含む。このような実施形態において、第一のコネクタは非ルアー型コネクタを含んでいてもよい。代替的実施形態において、入口部材との流体連通を許可および遮断する手段は、ルアーコネクタとIV作動機構を鈍針コンポーネントに取り付けることができないような、非ルアー型の断面形状を有する鈍針を含む。
【0021】
本発明の第四の態様は、薬液をカテーテルに送達する方法に関する。1つまたは複数の実施形態において、この方法は、フィルタコンポーネントをカテーテルに取り付けるステップを含み、フィルタコンポーネントは入口部材と、出口と、入口部材と出口の間に設置されたフィルタと、を含む。この方法は、鈍針コンポーネントを提供するステップと、鈍針を注射器外筒の先端に取り付けるステップと、を含む。1つまたは複数の実施形態において、鈍針は開放遠位端と、開放遠位端と流体連通する内腔を有する鈍針と、第一の非ルアー型コネクタに取り付けられ、開放遠位端と流体連通する開放近位端を含むルアーコネクタと、を含む。1つまたは複数の実施形態において、この方法は特に、注射器外筒の先端を鈍針コンポーネントの開放近位端に取り付けるステッを含む。この方法はまた、注射器外筒に所定の量の薬液を充填するステップと、鈍針コンポーネントをフィルタコンポーネントに取り付けるステップと、を含む。
【0022】
1つまたは複数の実施形態において、鈍針は、入口部材まで延びる長さと、フィルタコンポーネントと液密に接続できる断面形状を有する。他の変化形において、フィルタコンポーネントの入口部材は、標準的なルアーコネクタ、IV作動機構および標準的な注射器外筒と液密に接続できないような断面形状を有する。
【0023】
本発明の第五の態様は、第一の非ルアー型フィッティングを含む第一のアダプタコネクタと、第二の非ルアー型フィッティングを含む第二のアダプタを含む薬剤送達器材に関し、第一の非ルアー型フィッティングと第二の非ルアー型フィッティングは、標準的なルアーフィッティングや静脈ライン確保器材と適合しない。1つまたは複数の実施形態において、第一のアダプタは、第一のルアーフィッティングを含む第一の開放端と、第一の非ルアー型フィッティングを含む第二の開放端と、第一の開放端から第二の開放端へと延び、第一の開放端および第二の開放端と流体連通する中空の内部を有する第一の本体と、を含む。1つまたは複数の実施形態の第二のアダプタは、第二のルアーフィッティングを含む第三の開放端と、第二の非ルアー型フィッティングを含む第四の開放端と、第三の開放端から第四の開放端へと延び、第三の開放端と第四の開放端と流体連通する中空の内部を有する第二の本体と、を含む。
【0024】
1つまたは複数の実施形態において、薬剤送達器材は、開放遠位端と、開放遠位端から第一のルアー接続部へと延びる鈍針と、を含む鈍針コンポーネントを含む。鈍針は、約1.0〜約1.5インチの範囲の長さと、開放遠位端と流体連通する内腔と、を有する。鈍針コンポーネントはまた、第一のルアー接続部に取り付けられ、開放遠位端と流体連通する開放近位端を含む第二のルアー接続部を含んでいてもよく、第一のルアー接続部は、第一のアダプタコネクタの第一のルアーフィッティングに取り付けられる。
【0025】
第五の態様による薬剤送達器材はまた、鈍針を受けるための入口部材を含むフィルタコンポーネントを含んでいてもよい。フィルタコンポーネントは、入口部材に隣接して設置され、第二のアダプタコネクタの第二のルアーフィッティングに取り付けられた第三のルアー接続部を含んでいてもよい。フィルタコンポーネントはまた、出口と、入口部材と出口の一方または両方に取り付けられ、入口部材および出口と流体連通するフィルタと、を含んでいてもよい。
【0026】
1つまたは複数の実施形態において、第一のアダプタコネクタの第一の本体は、鈍針を受けるための、鈍針によって力が遠位方向に加えられると開くように構成された弁を備える。弁は、分離型隔壁または逆止弁を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の1つまたは複数の実施形態による、注射器外筒に取り付けられた鈍針コンポーネントとフィルタコンポーネントの斜視図である。
図2図1に示される鈍針コンポーネント、フィルタコンポーネント、および注射器外筒の、線2−2で切断した部分断面図である。
図3図1に示される鈍針コンポーネント、フィルタコンポーネント、および注射器外筒の分解図である。
図4図1に示されるフィルタコンポーネントの斜視図である。
図5図4に示されるフィルタコンポーネントの、線5−5で切断した断面図である。
図6図1に示される鈍針コンポーネントの斜視図である。
図7図6に示される鈍針コンポーネントの、線7−7で切断した断面図である。
図8】本発明の1つまたは複数の代替的実施形態による鈍針コンポーネントの斜視図である。
図9図8に示される鈍針コンポーネントの、線9−9で切断した断面図である。
図10】1つまたは複数の実施形態によるフィルタコンポーネントの斜視図である。
図11】本発明の1つまたは複数の代替的実施形態による鈍針コンポーネントの斜視図である。
図12図11に示される鈍針コンポーネントの、線12−12で切断した断面図である。
図13】1つまたは複数の実施形態によるフィルタコンポーネントの斜視図である。
図14】1つまたは複数の実施形態による鈍針コンポーネントと非ルアー型コンポーネントの斜視図である。
図15図14に示される鈍針コンポーネントと非ルアー型コンポーネントの、線15−15で切断した断面図である。
図16図15に示される鈍針コンポーネントと非ルアー型コンポーネントの斜視図である。
図17】1つまたは複数の実施形態によるアダプタコンポーネントの斜視図である。
図18図17に示されるアダプタコンポーネントの、線18−18で切断した断面図である。
図19】1つまたは複数の実施形態による、図17のアダプタコンポーネントと鈍針コンポーネントの斜視図である。
図20図19に示されるアダプタコンポーネントと鈍針コンポーネントの、線20−20で切断した断面図である。
図21】1つまたは複数の実施形態による、ルアー型接続手段を含むフィルタコンポーネント、アダプタコンポーネント、および鈍針コンポーネントの分解断面図と注射器外筒の斜視図である。
図22】1つまたは複数の代替的実施形態によるアダプタコンポーネントと鈍針コンポーネントの斜視図である。
図23】1つまたは複数の実施形態によるアダプタコンポーネントと鈍針コンポーネントの斜視図である。
図24】1つまたは複数の実施形態による、一体コネクタを備えるフィルタコンポーネントの斜視図である。
図25図24のフィルタコンポーネントの、線25−25で切断した断面図である。
図26】鈍針コンポーネントと注射器外筒と組み立てた、図24のフィルタコンポーネントの斜視図である。
図27図26のフィルタコンポーネント、鈍針コンポーネント、および注射器外筒の分解図である。
図28図27のフィルタコンポーネントと鈍針コンポーネントの、線28−28で切断した断面図である。
図29図26のフィルタコンポーネント、鈍針コンポーネント、および注射器外筒の、線29−29で切断した部分断面図である。
図30】1対のアダプタコネクタの第一の部品と第二の部品を示す図である。
図31図30の第一の部品と第二の部品の、線31−31で切断した分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のいくつかの例示的実施形態を説明する前に、本発明は以下の説明文に記載されている構成または工程ステップの詳細に限定されない点を理解するべきである。本発明は、他の実施形態も可能であり、さまざまな方法で実施または実行できる。
【0029】
本発明の第一の態様は、第一の非ルアー型コネクタ120を備える鈍針コンポーネント(blunt needle component)110と、第二の非ルアー型コネクタ160を備えるフィルタコンポーネント140を含む薬剤送達器材に関し、第一の非ルアー型コネクタ120と第二の非ルアー型コネクタ160は、薬剤送達器材の誤ったライン確保器材への接続ミスを減少させる。本発明の第二の態様は、鈍針コンポーネント410とフィルタコンポーネント440を含む薬剤送達器材400に関し、フィルタコンポーネント440の第二の非ルアー型コネクタ460は、フィルタ筐体450から近位方向に延びる。本発明の第三の態様は、薬剤送達器材500と使用するための、ルアーコネクタを利用するアダプタ600に関する。本発明の第四の態様は、既存の薬剤送達器材のルアーコネクタに取り付けられ、接続ミスを低減させるような、薬剤送達器材との非ルアー型コネクタを提供する適応コネクタ900に関する。
【0030】
図1〜13は、本発明の第一の実施形態による鈍針コンポーネント110とフィルタコンポーネント140を含む薬剤送達器材100を示す。図1は、鈍針コンポーネント110に組み付けられ、注射器外筒190に取り付けられたフィルタコンポーネント140を示す。鈍針コンポーネント110は第一の非ルアー型コネクタ120を含み、フィルタコンポーネント140は第二の非ルアー型コネクタ160を含む。第一の非ルアー型コネクタ120と第二の非ルアー型コネクタ160は、鈍針コンポーネント110とフィルタコンポーネント140の間を液密に接続できるような形状であり、そのように係合するようになされている。
【0031】
図6〜9と11〜12は、本発明の1つまたは複数の実施形態による鈍針コンポーネント110の実施形態を示す。鈍針コンポーネント110は、開放遠位端111と、開放近位端119を有する。鈍針コンポーネント110はまた、開放遠位端111から第一の非ルアー型コネクタ120まで延びる鈍針112を含む。鈍針112は、長い形状を有し、遠位側開放端114と、第一の非ルアー型コネクタ120に取り付けられる近位側開放端116を含む。鈍針112は、近位側開放端116から遠位側開放端114へと延びる側壁118を有する。側壁118は、管状形状または、中央に内腔117を含むその他の長い形状を有していてもよい。鈍針112は、随意選択により、側壁118を貫通する穴(図示せず)を有していてもよい。
【0032】
鈍針112は、第一の非ルアー型コネクタ120と第二のコネクタ160の間の液密係合を十分に可能にする長さを有し、これについては後述する。1つまたは複数の実施形態において、鈍針112は、ガラス製アンプルまたはバイアルから液体を吸引するのに十分な長さを有する。鈍針112はまた、注射器外筒の標準的先端より長い、および/または鈍針112が容器に設置された弁を開きくことができる、および/またはバイアルまたはその他の容器の底部に到達できる長さを有していてもよい。
言い換えれば、鈍針112は、鈍針コンポーネントが、バイアルまたはアンプルから液体を注射器外筒190の中に吸引し、その後、フィルタコンポーネント140にその液体を供給または送達するために使用でき、別の針基またはその他のアダプタを取り付けなくてもよいような長さを有する。さらに、鈍針112の長さは、フィルタコンポーネント140に取り付けた時に、第一の非ルアー型コネクタ120と第二のコネクタ160の間の液密係合を可能にするのに十分でなければならない。
【0033】
1つまたは複数の実施形態において、鈍針112の長さは約0.1インチより長くよい。1つまたは複数の実施形態の鈍針112の長さは、約0.5インチより長い。鈍針112の長さはまた、0.55インチ、0.6インチ、0.75インチ、1.0インチ、1.25インチ、1.5インチ、1.75インチ、2.0インチ、2.25インチ、または2.5インチより大きくてもよい。1つの変化形において、鈍針112の長さは約0.1〜約2.5インチの範囲である。他の変化形において、鈍針112の長さは約0.5〜約2.5インチの範囲であってもよい。また別の変化形において、鈍針112の長さは約0.5インチ〜約1.5インチの範囲であってもよい。具体的な実施形態において、鈍針112の長さは約0.5インチ〜約1.25インチの範囲であってもよい。さらにより具体的な実施形態において、鈍針112の長さは約0.5〜約1.0インチの範囲であってもよい。1つまたは複数の実施形態において、鈍針の長さは約1.0インチである。鈍針112はプラスチック材料または金属で作製してもよい。適当なプラスチック材料の例としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、およびこれらの組み合わせがある。適当な金属の例としては、ステンレススチールがある。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、鈍針112は、内面113と、均一な断面幅、すなわち直径を有する外面115を含んでいてもよい。1つの変化形において、鈍針112の断面幅、すなわち直径は約0.05インチ〜約0.15インチの範囲であってもよい。1つまたは複数の代替的実施形態において、外面115は、第二のコネクタ160の中での液密接続を可能にする断面幅を有していてもよく、これについては以下により詳細に説明する。
【0035】
鈍針112と鈍針コンポーネント110は、ガラス製アンプルから薬剤を吸引するために使用してもよく、また、フィルタコンポーネント140の入口部材から、硬膜外フィルタまたはカテーテルコネクタに到達するために使用することができ、これについては以下に説明する。鈍針112はまた、使用中の針刺しを防止する。これに加えて、鈍針112を薬剤の吸引とカテーテルコネクタへの供給に使用できるため、接続ステップが少なくなる。たとえば、フィルタコンポーネントを組み込んだ従来の薬剤送達システムでは、液体を注射器外筒に吸引できるように、針カニューレが注射器外筒に取り付けられる。一般に、針カニューレを取り外してからでなければ、吸引された液体をフィルタコンポーネントに供給できない。本明細書で開示される実施形態において、鈍針コンポーネント110の鈍針112は、注射器外筒内への液体の吸引と吸引された液体のフィルタコンポーネントへの供給の両方に使用できる。液体の吸引と供給に1つの部品を使用することで、使いやすくなり、製造コストも削減される。これに加えて、薬品の吸引と供給に1つの部品を使用することにより、取り違えも低減し、新製品の導入にしばしば伴う訓練も少なくてすむ。
【0036】
1つまたは複数の代替的実施形態において、鈍針コンポーネント110は非ルアー部120(図示せず)を持たない。このような実施形態において、鈍針112は、鈍針112が、鈍針コンポーネント110をフィルタコンポーネント140および、特に第二のコネクタ160に取り付けるための非ルアー型コネクタとして機能できるような形状または寸法である。このような実施形態の一例について、以下により詳しく説明する。針基コネクタ130の形態のルアー部分は、第一の非ルアー型部分120に取り付けられ、これによって、鈍針コンポーネント110を、ルアーフィッティングを有する標準的な注射器外筒に取り付けることが可能となり、追加のアダプタや、取付を可能にするその他の手段が不要である。図1〜13に示される針基コネクタ130は、鈍針112の近位側開放端116の一部を形成する。針基コネクタ130は、図1〜3に示されるように、流体源または容器、たとえば注射器外筒に接続され、または取り付けられるような形状である。図6〜7に示される針基コネクタ130は、流体源または容器のルアーロックまたはルアースリップフィッティングに取り付けるための標準的なルアーコネクタを含む。当業界で公知のように、ルアーロックフィッティングは、雌ねじを有するカラーと同軸的関係の雄嵌合具を含む。ルアースリップフィッティングは、雄嵌合具を含み、雌ねじ付カラーがない。本明細書に記載する鈍針コンポーネントの針基コネクタによれば、ルアーフィッティングを利用する既存の注射器外筒またはその他の液体容器の設計変更や改造が不要となる。
【0037】
図6〜7に示される針基コネクタ130は、鈍針コンポーネント110の第一の非ルアー型コネクタ120の付近に設けられた開放遠位端131と、非ルアー型コネクタ120から鈍針コネクタ110の開放近位端119へと延びる側壁132を含む。側壁132は、ルアーロックまたはルアースリップフィッティングを受けるための針基空洞134を画定する内面133を有する。側壁132の内面133にはテーパが付けられ、その断面幅は第一の非ルアー型コネクタ120から近位端119へと増大する。側壁132がテーパ付の形状であることにより、針基コネクタの内面133はルアースリップフィッティングの雄嵌合具と係合できる。針基コネクタ130は、外面135と、外面135に設けられ、ルアーロックフィッティングの雌ねじ付カラーと係合する、半径方向に外側に延びる部分136を有する。半径方向に外側に延びる部分136は、図6〜9と11〜12に示されるように、1対のリブ137を有していてもよい。1つまたは複数の実施形態において、半径方向に外側に延びる部分136は1つのリブ(図示せず)を含んでいてもよく、あるいは1つまたは複数の具体的な実施形態において、半径方向に延びる部分136は針基コネクタ130の円周に沿って外面135に設置された周辺リップ(図示せず)を含んでいてもよい。たとえば、針基コネクタ130は、図1〜3においては、注射器外筒190に取り付けられているよう示されている。ルアーロックフィッティングまたはルアースリップフィッティングのいずれかを含む標準的なルアーフィッティングを含む他の流体容器を利用してもよく、これについては以下により詳細に説明する。
【0038】
1つまたは複数の実施形態において、永久的接続機構を針基コネクタ130の中に構築してもよく、それによって、鈍針コンポーネント110を注射器外筒190またはその他の容器に接続すると、接続が永久的となり、鈍針コンボーネント110と注射器外筒190またはその他の容器を分離することができない。永久的接続は、超音波溶接を含んでいてもよい溶接、接着剤、または、たとえば1つまたは複数のラチェット式コネクタ、特殊なねじ山または当業界で公知のその他の構造を取り入れること等、設計を通じて実現できる。
【0039】
第一の非ルアー型コネクタ120は、鈍針112の近位側開放端116に設置され、針基コネクタ130に取り付けられる。第一の非ルアー型コネクタ120は、鈍針112の周囲に同軸的に配置され、鈍針コンポーネント110の開放遠位端111に向かって延びる、遠位側延長壁125を含む。遠位側延長壁125は、遠位側延長壁125と鈍針112の間の環状空間124を画定する。1つまたは複数の実施形態において、環状空間124は、第二の非ルアー型コネクタ160を受けるような構成または形状とされる。1つまたは複数の代替的実施形態において、遠位側延長壁125は、第二の非ルアー型コネクタ160と係合するような形状または構成とされる。1つまたは複数の実施形態において、遠位側延長壁125は鈍針112の周囲で回転可能であり、それによって、注射器外筒190を回転させずに、鈍針コンポーネント110とフィルタコンポーネント140を容易に接続できる。第一の非ルアー型コネクタ120は、第一の非ルアー型コネクタ120の遠位側延長壁125および/または環状空間124を含め、鈍針コンポーネント110を意図されていない、または適合しないフィルタコンポーネントやその他の器材に取り付けることができないような形状とされる。このような器材の例としては標準的なIVライン確保器材があり、これには、これらに限定されないが、鈍針カニューレ分離型隔壁、ルアーアクセス機械弁、容積移送式ルアーアクセス機械弁、ルアーアクセス分離型隔壁等が含まれる。具体的には、第一の非ルアー型コネクタ120をいずれかの器材に液密係合させるためには、適合する開口部が必要である。後述のように、フィルタコンポーネント140の第二の非ルアー型コネクタ160はこのような適合する開口部を含む。
【0040】
図1〜13に示される実施形態において、遠位側延長壁125は内面126を有し、これは第二の非ルアー型コネクタ160の外面と液密係合するような形状である。1つまたは複数の実施形態において、第一の非ルアー型コネクタ120の内面126と第二の非ルアー型コネクタ160の外面には、摩擦嵌め式に係合するように、対応するテーパが付けられていてもよい。第一の非ルアー型コネクタ120は、第二の非ルアー型コネクタ160の内面と摩擦係合するようにテーパが付けられているかもしれない外面127を有していてもよい。1つまたは複数の代替的実施形態において、第一の非ルアー型コネクタ120の内面126は、第二の非ルアー型コネクタ160の外面に設置された対応する構造(図示せず)と係合するねじ切り面(図示せず)を含んでいてもよい。あるいは、ねじ切り面(図示せず)は第二の非ルアー型コネクタ160の外面に設けられて、第一の非ルアー型コネクタ120の内面126に設けられた対応する構造(図示せず)と係合してもよい。
【0041】
フィルタコンポーネント140は、図4〜5により明瞭に示されているように、遠位端141と、近位端142と、遠位端141から近位端142へと延びるフィルタ筐体150と、を含む。フィルタコンポーネント140は、近位端142に設置された入口部材143と、遠位端141に設置された出口144と、を含む。
【0042】
入口部材143は、フィルタ筐体150の内部に囲まれたフィルタ空洞146に続く開口部145を含み、それによって入口部材143とフィルタ空洞146は流体連通している。入口部材143は、遠位端147と近位端148を含み、鈍針コンポーネント110の鈍針112を受ける形状であってもよい。図1〜13に示される入口部材143は部分的に取り囲まれた管状本体170を含み、これは開口部145から延び、鈍針112を受ける長い形状を有する経路172を画定する内面171を有する。部分的に取り囲まれた管状本体170は第一の部分173を含み、これは入口部材143の遠位端147から第二の部分174へと延び、第一の部分173は完全に取り囲まれている。第二の部分174は、第一の部分173から入口部材143の近位端142へと延び、切欠き開口部175を有し、それによって入口部材143の開口部145とフィルタ空洞146が流体連通する。入口部材143の遠位端141は、湾曲形状を有する閉鎖端146を含む。1つまたは複数の代替的実施形態において、閉鎖端176は、直線的な端または、部分的に取り囲まれた管状本体170に関して垂直に配置される端を有するような形状とされていてもよい。
【0043】
図1〜13に示される実施形態において、入口部材143は、部分的に取り囲まれた管状本体170を含め、フィルタ筐体150に隣接して設置される。入口部材143の向きは、フィルタ筐体150と平行であり、入口部材の切欠き開口部175はフィルタ筐体150の中へと延びる。図4〜5に示される切欠き開口部175はフィルタ筐体150の中の、開口部145からある距離の地点に配置される。1つまたは複数の実施形態において、入口部材143は、フィルタ筐体150から0度〜90度の間の角度で設置されて、フィルタコンポーネント140がテープまたはその他によって患者の体に取り付けられた時に、接続と注入がしやすくなるようにしてもよい。
【0044】
管状本体170の内面171は、鈍針112の外面115と液密状態となるようにすることができる断面幅、すなわち直径を有していてもよい。1つまたは複数の実施形態において、内面171の断面幅、すなわち直径は、鈍針112の外面115の断面幅、すなわち直径の変化に対応して変化してもよく、それによって鈍針112と液密状態とすることができ、他の器材とはこのような状態にできない。
【0045】
フィルタコンポーネント140は、フィルタ筐体150の中に配置されたフィルタ149またはフィルタ膜を含む。フィルタ149は当業界で公知の濾材を含んでいてもよく、これは粒子、繊維、およびその組み合わせを含んでいてもよい。1つの変化形において、濾材はポリエーテルスルホンを含んでいてもよい。フィルタ149は、フィルタコンポーネント140の流体経路の中に設置される。1つまたは複数の具体的な実施形態において、フィルタ149は、入口部材143と出口144の一方または両方に取り付けられてもよく、それによって、フィルタ149は入口部材143と出口144と流体連通する。このような実施形態において、入口部材143に入り、出口144から出る流体は、フィルタ149を通過する。フィルタ149はまた、フィルタ筐体のフィルタ空洞146の中に設置されていてもよい。具体的な実施形態において、空洞154は、フィルタを支持し、空洞内に分散させるための複数のバリアを含んでいてもよい。1つまたは複数の実施形態において、空洞は複数のバリアと濾材の両方を含んでいてもよい。
【0046】
1つまたは複数の実施形態において、フィルタ149は入口部材143の中に、または具体的には、入口部材の部分的に取り囲まれた管状本体170の経路172の中に設置されてもよい。1つまたは複数の代替的実施形態において、フィルタ筐体150は入口部材143に取り付けられたフィルタプレートを含んでいてもよい。フィルタ筐体を入口部材143に取り付けるためのその他の手段と構造もまた、利用してよい。
【0047】
フィルタコンポーネント140を鈍針コンポーネント110の第一の非ルアー型コネクタ120に取り付けるために、第二の非ルアー型コネクタ160が入口部材143に隣接して設置される。第二の非ルアー型コネクタ160は近位側延長壁164を含み、これは入口部材143から近位方向に延び、入口空間166を画定する内面165を有する。1つまたは複数の実施形態において、入口空間166は鈍針コンポーネント110の一部を受け、フィルタコンポーネント140をそこに確実に取り付ける。図の実施形態において、入口空間166は鈍針コンポーネント110の第一の非ルアー型コネクタ120を受けてもよい。1つまたは複数の代替的実施形態において、近位側延長壁164は、第一の非ルアー型コネクタ120の内面126と係合する外面163を含んでいてもよい。近位側延長壁164は、随意選択により、回転可能であってもよく、それによって、これが取付中に鈍針112の周囲で回転し、フィルタコンポーネント140を回転させずに、第一の非ルアー型コネクタ120と第二の非ルアー型コネクタ160の間を接続させやすくなる。近位側延長壁164をこのように回転させることによって、カテーテルのよじれも防止されるであろう。第二の非ルアー型コネクタ160の近位側延長壁164は、フィルタコンポーネント140を意図されていない、または不適合の流体源または容器に取り付けることができないような形状とされる。たとえば、第二の非ルアー型コネクタ160の壁は、標準的なルアーフィッティングを含む標準的な注射器とは適合せず、これに接続することができない。図1〜13に示される実施形態において、フィルタコンポーネント140の第二の非ルアー型コネクタ160は第一の非ルアー型コネクタ120と係合するような形状とされる。
【0048】
図1〜13に示されるフィルタ筐体150はディスク形状を有するが、フィルタ筐体150の形状は円筒形またはその他のどのような形状であってもよい。フィルタ筐体150は、相互に連結された2枚のプレート151、152を含んでいてもよい。プレートは、ポリカーボネート等のポリマ材料から形成されて、フィルタ空洞146を形成してもよい。具体的な実施形態において、プレート151、152は、たとえば当業界で公知の超音波溶接によって相互に溶接され、および/または当業界で公知の方法を使って相互に糊付けされる。図1〜5に示される実施形態において、プレート151、152は同一であり、周辺端部156を含む。プレート151、152は凹んだ形状であってもよく、また平坦であってもよい。1つまたは複数の実施形態において、プレート151、152の一方または両方は、異なる形状および/または大きさを有していてもよい。図1に示される実施形態において、プレート151、152の各々はまた、周辺端部156から、プレート151、152に関して約90度の角度で延びる縁壁158を含んでいてもよい。図の実施形態において、縁壁158は、プレート151、152を越えて垂直に延びる。1つまたは複数の実施形態において、縁壁158は、プレート151、152の周辺端部156から垂直に、外側に延びる。具体的な実施形態において、各プレートに関する縁壁158の角度は約45度〜180度の範囲内である。より具体的な実施形態において、プレートに関する縁壁158の角度は約45度〜約135度の範囲内である。筐体を形成するために、プレート151、152の縁壁158は連結されて、ディスク形状のフィルタ空洞146を形成する。
【0049】
具体的な実施形態において、プレート151、152の一方は縁壁158を含んでいてもよく、その一方で、プレート151、152のもう一方は縁壁158を持たない。このような実施形態において、筐体150を形成するために、プレート151、152の一方の縁壁158は、プレート151、152のもう一方の周辺端部156に連結される。より具体的な実施形態において、プレート151、152のどちらにも縁壁158がなく、第一の周縁(図示せず)と第二の周縁(図示せず)を有する別の縁壁158のコンポーネントを使ってプレート151、152が連結される。このような実施形態においては、第一の周縁(図示せず)がプレート151、152の一方の周辺端部156に溶接され、縁壁158の第二の周縁(図示せず)がプレート151、152のもう一方の周辺端部156に溶接される。
【0050】
1つまたは複数の実施形態において、入口部材143の第一の部分173は、フィルタ筐体150の縁壁158に取り付けられる。連結部157が、第一の部分173をフィルタ筐体150の縁壁158に架橋し、または接続してもよい。図の実施形態において、縁壁158は、第一の部分173を収容する切欠き部159を含む。1つまたは複数の他の実施形態において、プレート151、152の一方は、部分的に取り囲まれた管状本体170を収容するための凹み部分(図示せず)を含んでいてもよい。1つまたは複数の実施形態において、プレート151、152の一方は穴(図示せず)を含み、部分的に取り囲まれた管状本体170の切欠き開口部がその穴(図示せず)に取り付けられ、それによって、部分的に取り囲まれた管状本体170の切欠き開口部175がフィルタ筐体150のフィルタ空洞146と流体連通する。
【0051】
1つまたは複数の他の実施形態において、フィルタ筐体は、円筒形(図示せず)で、中空の円筒形本体(図示せず)を有していてもよい。中空の円筒形本体(図示せず)は、部分的に取り囲まれた管状本体170をフィルタ筐体150に取り付けるための溝(図示図)と開口部(図示せず)を有していてもよい。
【0052】
フィルタコンポーネント140の出口144は、フィルタコンポーネント140の、入口部材143と反対の端に設けられていてもよい。1つまたは複数の実施形態において、出口はプレート151、152の一方に配置されていてもよく(図示せず)、または入口部材143に隣接して配置されていてもよい(図示せず)。図5に示されるように、出口144は、雌ねじ付カラー179と同軸関係にある雄嵌合具178を含むルアーロックフィッティング177を含む。1つまたは複数の代替的実施形態において、出口144は、カラー(図示せず)を持たない雄嵌合具を含むルアースリップフィッティング(図示せず)を含んでいてもよい。1つまたは複数の具体的な実施形態において、出口は、本明細書で説明するように、非ルアー型フィッティングを含んでいてもよい。図1〜13のルアーロックフィッティング177は、対応し、適合するルアー構造を有するカテーテルコネクタまたはカテーテルポートと容易に嵌合できる。1つまたは複数の実施形態において、ルアーロックフィッティング177は回転可能であり、フィルタコンポーネント140および/またはカテーテル(図示せず)を回転させずに、カテーテル(図示せず)と出口144を容易に接続できる。ルアーロックフィッティング177のこのような回転により、カテーテルのよじれが防止されるであろう。
【0053】
1つまたは複数の実施形態において、出口144は、カテーテルコネクタに事前に組み付けられていてもよく、および/またはこのような接続から取り外し可能であってもよい。永久的接続機構も出口144に構築してよく、それによって、出口144をカテーテルコネクタ(図示せず)またはその他の薬剤送達部位に接続すると、接続が永久的となり、フィルタコンポーネント140とカテーテルコネクタ(図示せず)は分離できなくなる。永久的接続の目的は、フィルタコンポーネント140とカテーテルコネクタまたはその他の薬剤送達部位の間の外れを防止することであり、フィルタコンポーネント140と鈍針コンポーネント110の間の連結部だけが取り外し可能となる。永久的接続は、超音波溶接を含んでいてもよい溶接、接着剤または、たとえば、1つまたは複数のラチェット式コネクタ、特殊なねじおよび当業界で公知のその他の構造を組み込む等の設計を通じて実現できる。1つまたは複数の実施形態において、フィルタコンポーネント140はカテーテルコネクタと一体に形成されても、またはそこに統合されてもよい。
【0054】
図6〜7に示される実施形態において、フィルタコンポーネント140の第一の非ルアー型コネクタ120は、楕円形の断面を有する遠位側延長壁125と、遠位側延長壁125と針基コネクタ130の間の接続部128を含む。遠位側延長壁の楕円形の断面は、円形の開口部を有し、円錐形状であり、および/またはISO 594パート1と2の定義に適合するルアーコネクタと適合せず、またはそれに取り付けることができない。図1〜5に示される実施形態において、第二の非ルアー型コネクタ160は、これに対応する楕円形の断面を有し、これは円形の開口部を有し、円錐形状であり、および/またはISO 594パート1と2の定義に適合するルアーコネクタと適合せず、またはそれに取り付けることができないが、第一の非ルアー型コネクタ120とは適合する。第一の非ルアー型コネクタの他の例は、図6〜9と11〜12に示されている。
【0055】
遠位端211と、近位端219と、第一の非ルアー型コネクタ220を有する、代替的実施形態の鈍針コンポーネント210が図6〜7に示されている。第一の非ルアー型コネクタ220は正方形の断面を有し、第一の非ルアー型コネクタ220を鈍針コンポーネントに接続する架橋部224を含む。第一の非ルアー型コネクタ220は、4つの壁221、222、223、224を有し、各々がそれぞれ2つの側辺225を有し、4つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺225によって相互に連結され、鈍針212を取り囲む、4つの面を有する中空の正方形の形状を形成し、架橋部224がその第五の面の一部を形成する。針基コネクタ230は、第一の非ルアー型コネクタ220から鈍針コンポーネントの近位端219へと延びる。図の針基コネクタ230は、ルアースリップまたはルアーロックフィッティングに接続可能なルアーフィッティングを含む。図10に示されるフィルタコンポーネント240は、対応する連結部267を有する、対応する正方形の断面の第二の非ルアー型コネクタ260を含む。第二の非ルアー型コネクタ260は、4つの壁261、262、263、264を有し、各々が側辺265を有し、4つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺265によって相互に連結され、4つの面を有する中空の正方形の形状を形成し、これが正方形の断面を有する入口空間266を形成し、連結部267がその第五の面の一部を形成する。
【0056】
図11〜12は、遠位端311と、三角形の断面を有する第一の非ルアー型コネクタ330を持つ近位端319と、を有する。他の実施形態の鈍針コンポーネント310を示す。第一の非ルアー型コネクタ320は、3つの壁321、322、323を有し、その各々がそれぞれ2つの側辺324を各々有し、3つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺225によって相互に連結され、鈍針312を取り囲む、3つの面を有する中空の三角形の形状を形成し、架橋部325がその第四の面の一部を形成する。針基コネクタ330は、第一の非ルアー型コネクタ320から鈍針コンポーネントの近位端319へと延びる。図の針基コネクタ330は、ルアースリップまたはルアーロックフィッティングに接続可能なルアーフィッティングを含む。図13は、三角形の断面を有する第二の非ルアー型コネクタ360を持つフィルタコンポーネント340を示す。第二の非ルアー型コネクタ360は、3つの壁361、362、363を有し、各々がそれぞれ2つの側辺364を有し、3つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺264によって相互に連結され、3つの側面を有する中空の三角形の形状を形成し、これが三角形の断面を有する入口空間366を形成し、連結部(図示せず)がその第四の面の一部を形成する。
【0057】
1つまたは複数の実施形態において、第一の非ルアー型コネクタは内側に延びるタブを有していてもよく、第二の非ルアー型コネクタはタブと係合する開口部を含んでいてもよく、第一と第二の非ルアー型コネクタが液密係合する。他の構成は、標準的なルアーコネクタより断面幅が大きい、または小さい第一の非ルアー型コネクタおよび/または第二の非ルアー型コネクタを含んでいてもよい。1つまたは複数の実施形態において、第一の非ルアー型コネクタおよび/または第二の非ルアー型コネクタの間の係合部分はねじ部(図示せず)を含んでいてもよく、ねじ部の方向は時計回りから反時計回りに逆転させてもよい。1つまたは複数の代替的実施形態において、第一の非ルアー型コネクタと第二の非ルアー型コネクタは、逆転させた雄および雌接続手段を有していてもよい。たとえば、雌ねじ部は、雌フィッティングを有する第一と第二の接続手段の一方に設け、雌フィッティングの雌ねじと係合可能な雄ねじまたはタブを、雄フィッティングを、有する第一と第二の接続手段のもう一方の外面に設けてもよい。
【0058】
1つまたは複数の代替的実施形態では、本明細書に記載の第一と第二の非ルアー型コネクタを連結するための、異なる接続機構を取り入れてもよい。たとえば、第一と第二の非ルアー型コネクタの内面および/または外面は、第一と第二の非ルアー型コネクタのもう一方の、これに対応する内面または外面とのみ、締り嵌めによる接続が可能な形状とされてもよい。あるいは、第一と第二の非ルアー型コネクタは、スナップ式に接続できる構造を含んでいてもよく、または、ロックまたはラッチ式機構を含んでいてもよい。1つまたは複数の実施形態では、第一と第二の非ルアー型コネクタとが適正に接続されたことを示す聴覚または触覚によるフィードバックを特徴とする接続手段を取り入れてもよい。
【0059】
第一の態様による本発明の1つまたは複数の実施形態は、鈍針コンポーネント110および/またはフィルタコンポーネント140への誤った接続を防止するためのその他の手段を含んでいてもよい。1つまたは複数の実施形態において、フィルタコンポーネント140の入口部材143は弁(図示せず)を含んでいてもよい。弁は、弁を開け、フィルタコンポーネントに到達できるようにするためには、弁に遠位方向の力を加える必要のある一方向弁または逆止弁であってもよい。具体的には、このような弁はボールバルブ、フラップバルブ、または当業界で知られているその他の公知の一方向弁を含んでいてもよい。弁はバネ式(図示せず)であってもよい。フィルタコンポーネント140とカテーテルコネクタ(図示せず)に到達するために、鈍針112を入口部材143の中に挿入し、弁に遠位方向の力を加えて、弁を開く必要があるであろう。弁を開くと、鈍針コンポーネント110は、鈍針コンポーネント110に取り付けられた注射器やその他の流体容器とフィルタコンポーネント140の間を液密係合させ、それらの間を流体連通させる。このような実施形態において、弁(図示せず)は部分的に取り囲まれた管状本体170の経路172の中に設置され、それによって、本明細書に記載されているように、十分な長さの鈍針112でなければ開くことができない。このような実施形態において、一般に0.4インチの長さの標準的なルアースリップの先端は、弁を開けられる十分な長さではない。
【0060】
1つまたは複数の実施形態において、弁は分離型隔壁(図示せず)を含んでいてもよい。分離型隔壁は、入口部材の近位端148に取り付けられてもよい。分離型隔壁は消毒可能であってもよく、微生物やその他の汚染物質に対するバリアとなる。フィルタコンポーネント140とカテーテルコネクタ(図示せず)に到達するためには、鈍針112を入口部材143の中に挿入し、分離型隔壁に遠位方向に力を加え、分離型隔壁を開く必要があるであろう。分離型隔壁の開放によって、鈍針コンポーネント110は、鈍針コンポーネント110に取り付けられた注射器やその他の流体容器とフィルタコンポーネント140の間を液密係合させ、それらの間を流体連通させる。
【0061】
鈍針が静脈ライン確保に再使用されるのを防止するための手段もまた含めてよい。たとえば、鈍針112は非剛性であってもよい。このような実施形態では、鈍針112の全体または鈍針112の一部、たとえば遠位側開放端114に隣接する部分を軟質プラスチック材料から作製してもよく、それによって、鈍針112を使って弁を作動させ、または他の器材の分離型隔壁を分離させようとすると、鈍針が曲り、静脈ラインを確保できない。1つまたは複数の実施形態において、鈍針112の全体または鈍針112の一部、たとえば遠位側開放端114に隣接する部分は、外径が小さくてもよく、および/または薄い壁を有していてもよく、それによって、鈍針112を使って弁を作動させ、または他の器材の分離型隔壁を分離させようとすると、鈍針が曲り、静脈ラインを確保できない。1つまたは複数の代替的実施形態において、鈍針112の全体または鈍針112の一部、たとえば遠位側開放端114に隣接する部分は、外径が大きくてもよく、それによって、鈍針112を静脈ライン確保器材に嵌合できず、またはそれと液密係合できない。
【0062】
1つまたは複数の他の実施形態において、カラーコード、ラべル、刻印ラベル等を鈍針コンポーネント110および/またはフィルタコンポーネントに取り入れて、接続ミスを低減させてもよい。たとえば、鈍針コンポーネント110とフィルタコンポーネント140には、「硬膜外専用」というラベルを付けて、医療従事者に対し、その鈍針コンポーネント110とフィルタコンポーネント140が硬膜外用であり、静脈ライン確保器材とは使用するべきでないことを知らせてもよい。
【0063】
薬剤送達器材100を組み立て、薬剤をカテーテルコネクタ(図示せず)に供給するために、鈍針コンポーネント110は、図3に示されるように、フィルタコンポーネント140と注射器外筒(190)(またはその他の流体容器)の間に設置される。フィルタコンポーネント140の出口144はカテーテルコネクタ(図示せず)に取り付けてもよく、それによって、フィルタコンポーネント140の入口部材143が鈍針コンポーネント110を受けやすくなる。1つまたは複数の実施形態において、鈍針コンポーネント110をフィルタコンポーネント140に取り付ける前に、注射器外筒190またはその他の流体容器に、フィルタコンポーネントと140とカテーテルコネクタ(図示せず)を通じて投与されるべき所定の量の薬剤が充填される。注射器外筒190は空のまま提供されてもよいが、1つまたは複数の代替的実施形態において、注射器外筒は事前充填した状態で提供されてもよい。
【0064】
1つまたは複数の実施形態において、薬剤は、鈍針コンポーネント110の針基コネクタ130を注射器外筒またはその他の流体容器に取り付けることによって、注射器外筒190の中に吸引される。たとえば、図1〜3は、遠位端191と、開放近位端192と、端壁193と、を有する注射器外筒190を示す。側壁194は、遠位端191から開放近位端192へと延びてもよく、液体を保持するための空間196を画定する内面195を含んでいてもよい。注射器外筒190の遠位端191はまた、空間196と流体連通する開口部197を有していてもよい。図1〜3に示される実施形態において、注射器外筒の遠位端191はルアーロックフィッティング180を有していてもよく、これは開口部197を取り囲む雄フィッティングを形成する長い先端182と、先端182の周囲に同軸的に配置されたカラー184を含み、長い先端182とカラー184の間に環状経路188が形成される。カラー184は内面185を含み、ねじ山186が内面185に設けられている。
【0065】
鈍針コンポーネント110を注射器外筒190に組み付けるためには、注射器外筒190の長い先端182が鈍針コンポーネント110の開放近位端119に挿入され、針基空洞134の中に入り、それによって針基コネクタの側壁132が注射器外筒190の環状経路188に入る。針基コネクタ130の1対のリブ137が、カラー184の内面185に配置されたねじ山186と係合する。注射器外筒190または鈍針コンポーネント110が回転され、それによってねじ山186は1対のリブ137と係合したままとなり、最終的に注釈器外筒190と鈍針コンポーネント110が係合し、図2においてより明瞭に示されるように、注射器外筒190の開口部197と針基コネクタの開放遠位端131の間が液密状態となる。
【0066】
当然のことながら、ルアースリップ構成(図示せず)を有する注射器外筒も利用してよい。ルアースリップフィッティング(図示せず)を有する注射器外筒を針基コネクタ130に接続するには、ルアースリップフィッティングを有する注射器外筒の長い先端を針基空洞134の中に、長い先端の外面が針基内腔の内面133と係合するまで挿入する。
【0067】
注射器外筒190を鈍針コンポーネント110に取り付けた後、鈍針112の遠位側開放端114をガラス製アンプル(図示せず)に挿入することによって、所定の量の薬剤を注射器外筒の空洞196に吸引する。薬剤を空洞196に吸引するために、押子(図示せず)を使用してもよい。所望の量の薬剤が注射器外筒190の空洞196の中に吸引された後、鈍針112がフィルタコンポーネント140の入口部材143の中に挿入され、それによって、鈍針112は形172に入る。図の実施形態において、第二の非ルアー型コネクタ160の近位側延長壁164は第一の非ルアー型コネクタ120の環状空間124に入り、その一方で、第一の非ルアー型コネクタ120の遠位側延長壁125は第二の非ルアー型コネクタ160の近位側延長壁164の外面163の周囲で摺動する。近位側延長壁164と遠位側延長壁125の形状は、図2に示されるように、第一の非ルアー型コネクタ120と第二の非ルアー型コネクタ160とが液密係合するように構成される。1つまたは複数の代替的実施形態においては、遠位側延長壁125が近位側延長壁164の周囲で摺動するような形状である。
【0068】
1つまたは複数の実施形態において、鈍針コンポーネントは非ルアー型コネクタを持たない。このような実施形態では、鈍針は、フィルタコンポーネントの第二の非ルアー型コネクタと液密接続するような形状である。換言すれば、鈍針が、不適合の、または意図されないフィルタコンポーネントまたは注射器外筒との流体連通を許可および遮断する手段を提供してもよい。たとえば、1つまたは複数の実施形態において、鈍針の形状または寸法は、非ルアー型の形状または寸法として特徴付けることができるものであってもよい。具体的には、鈍針の外径、すなわち外側断面幅は、テーパが付けられ、鈍針を標準的なルアーコネクタに取り付けることができないようになっていてもよい。このような実施形態においては、第二の非ルアー型コネクタの内径、すなわち断面幅は、図14〜16に示されるように、鈍針とフィルタコンポーネントとが液密接続できるように、対応するテーパまたは形状を有していてもよい。
【0069】
1つまたは複数の実施形態において、鈍針は、図4〜5に示されるように、楕円形の断面を有し、楕円形の断面を有する第二の非ルアー型コネクタを有するフィルタコンポーネントと液密接続してもよい。これに加えて、鈍針は、図10に示されるように、正方形の断面を有するような形状とされ、正方形の断面を有する第二の非ルアー型コネクタを有するフィルタコンポーネントと液密接続してもよい。あるいは、鈍針の形状は三角形の断面を有し、三角形の断面を有する第二の非ルアー型コネクタを有するフィルタコンポーネントと液密接続してもよい。このような実施形態において、鈍針の直径は、フィルタコンポーネントの第二の非ルアー型コネクタの内面と液密に密着することができる大きさである。
【0070】
図14において、非ルアー形状または寸法を有する鈍針コンポーネント370が、フィルタコンポーネントと(図示せず)とは別の部品として示される第二の非ルアー型コネクタ390とともに示されている。鈍針コンポーネント370は、非ルアー型コネクタを持たず、その代わりに第一のルアーコネクタ380を含む。図14〜16に示される鈍針コンポーネント370は、開放遠位端371と、開放近位端379と、を有する。鈍針コンポーネント370はまた、開放遠位端371から第一のルアーコネクタ380へと延びる鈍針372を含む。鈍針372は長い形状を有し、遠位側開放端374と、第一のルアーコネクタ380に取り付けられる近位側開放端376と、を有する。鈍針372は、近位側開放端376から遠位側開放端374へと延びる側壁378を有する。側壁378は、中央に内腔377を含む長い管形状またはその他の長い形状を有していてもよい。鈍針372は、随意選択により、側壁378を貫通する穴(図示せず)を有していてもよい。
【0071】
側壁378は、内面373と外面375を含む。外面375は、テーパのついた断面幅を有し、これは鈍針372の遠位側開放端374から近位側開放端376へと増大する。1つの変化形において、鈍針372の外面375の断面幅、すなわち直径は、遠位側開放端374またはその付近の約0.05インチから、近位側開放端376またはその付近の約0.15インチへと増大してもよい。遠位側開放端374の外面375の断面幅は、約0.05インチ〜約0.7インチの範囲であってもよい。近位側開放端376の外面3765の断面幅は、約0.12インチ〜約0.15インチの範囲であってもよい。1つまたは複数の代替的実施形態において、外面375は、第二の非ルアー型コネクタ390の中に液密接続できるような断面幅を有し、これについて以下により詳しく後述する。鈍針372の内面373は、断面幅が一定であるように示されているが、随意選択による実施形態においては、内面373の断面幅は、鈍針372の長さに沿って変化しても、すなわち増減してもよい。
【0072】
図1〜13に関して上述したように、鈍針372は、第一のルアーコネクタ380と第二の非ルアー型コネクタ390とが液密係合できるようにするのに十分な長さを有していてもよい。1つまたは複数の実施形態において、鈍針372はガラス製アンプルから液体を吸引するのに十分な長さを有する。たとえば、鈍針372の長さは、本明細書の他の箇所で説明するように、約0.1〜約1.5インチの範囲であってもよい。1つまたは複数の具体的な実施形態において、鈍針の長さは約0.5インチ〜約1.5インチの範囲である。より具体的な実施形態によれば、鈍針372の長さは約0.5インチ〜約1.0インチの範囲である。1つまたは複数の実施形態において、鈍針の長さは約1.0インチである。鈍針372は、プラスチック材料または金属から作製してもよい。適当なプラスチック材料の例としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、およびこれらの組み合わせがある。適当な金属の例としては、ステンレススチールがある。
【0073】
第一のルアーコネクタ380は、鈍針コンポーネント30に取り付けられる。第一のルアーコネクタ380は、近位端379に針基コネクタ382の形態のルアー部を含んでいてもよく、それによって、鈍針コンポーネント370を、ルアーフィッティングを含む標準的な注射器外筒に取り付けることができ、取付を可能にするための追加のアダプタやその他の手段は不要である。図14〜16に示される針基コネクタ382は、鈍針372の近位側開放端376の一部を形成する。図1〜3に示されるように、針基コネクタ382は、流体源または容器、たとえば注射器外筒に接続され、または取り付けられるような形状である。図6〜7に示される針基コネクタ382は、流体源または容器のルアーロックまたはルアースリップフィッティングに取り付けるための標準的なルアーコネクタを含む。当業界では当然のことながら、ルアーロックフィッティングは、雌ねじ付カラーと同軸の関係にある雄嵌合具を含む。ルアースリップフィッティングは雄嵌合具を含み、雌ねじカラーがない。本明細書に記載の鈍針コンポーネントの針基コネクタによれば、ルアーフィッティングを利用する既存の注射器外筒またはその他の流体容器の設計変更または改造は不要である。1つまたは複数の実施形態において、永久的接続機構を針基コネクタ382の中に構築してもよく、それによって、鈍針コンポーネント370を注射器外筒またはその他の容器に取り付けると、接続は永久的となり、鈍針コンポーネント370と注射器外筒またはその他の容器を分離することができない。永久的接続は、超音波溶接を含んでもよい接、接着剤、または、たとえば1つまたは複数のラチェット式コネクタ、特殊なねじ山および当業界で公知のその他の構造を組み込むことによる設計により実現できる。
【0074】
第一のルアーコネクタ380は、鈍針372の近位側開放端376に配置され、針基コネクタ382に取り付けられる。第一のルアーコネクタ380は、鈍針372の周囲に同軸的に配置され、鈍針コンポーネント370の開放遠位端381に向かって延びる遠位側延長壁383を含む。遠位側延長壁383は、遠位側延長壁383と鈍針372の間に環状の空間384を画定する。連結部387が針基コネクタ382から遠位側延長壁383へと延びる。
【0075】
1つまたはそれ以上の実施形態において、環状の空間384は、第二の非ルアー型コネクタ390を受けるような構成または形状である。1つまたは複数の代替的実施形態において、遠位側延長壁383は第二の非ルアー型コネクタ390と係合する形状または構成である。1つまたは複数の実施形態において、遠位側延長壁383は、鈍針372の周囲で回転可能であり、針基コネクタ382に取り付けられた注射器外筒またはその他の容器を回転させることなく、鈍針コンポーネント370と第二の非ルアー型コネクタ390およびそれに取り付けられたその他のコンポーネントとを接続しやすい。遠位側延長壁383は、その上に配置されたねじ切り部386またはねじ切り内面385を含む。ねじ切り部386は、第二の非ルアー型コネクタ390の対応する面と係合する。1つまたは複数の実施形態において、遠位側延長壁の内面385は一切の構造を持たず、第二の非ルアー型コネクタ390の内面と係合するような形状であってもよく、これは、第一のルアーコネクタ380との摩擦嵌めにより係合するような、対応するテーパまたは形状を有していてもよい。他の変化形において、遠位側延長壁383の外面387は、第二の非ルアー型コネクタの内面上のねじ切り部(図示せず)と係合するための、外側に延びるリブ(図示せず)を含んでいてもよい。遠位側延長壁383は標準的なルアー寸法および/または構造を有するが、鈍針372の非ルアー型の形状と寸法によって、鈍針コンポーネント370が意図されない、または不適合のフィルタコンポーネントまたはその他の器材に接続されることが防止される。
【0076】
第二の非ルアー型コネクタ390は、遠位端391と近位端399を含む近位側延長壁392を含む。近位側延長壁はまた、入口部材393を画定し、入口空間395を画定する内面394を含む。1つまたは複数の実施形態において、入口空間395は鈍針コンポーネント370の一部を受け、そこに第二の非ルアー型コネクタ390を確実に取り付ける。図の実施形態において、入口空間395は鈍針372を受けてもよい。図の実施形態の近位側延長壁392は、第一のルアーコネクタ380の内面385と係合する外面396を有する。具体的には、外面396は外側に延びる突起397を有し、これが第一のルアーコネクタ380のねじ切り部385と係合する。近位側延長壁392は、随意選択により、回転可能であってもよく、それによって、これは取付中に鈍針372の周囲で回転して、第一のルアーコネクタ380と第二の非ルアー型コネクタ390とが接続しやすくなり、第二の非ルアー型コネクタ390に取り付けられるかもしれないフィルタコンポーネント(図示せず)を回転させなくてよい。近位側延長壁392をこのように回転させることによって、カテーテルのよじれも防止されるであろう。第二の非ルアー型コネクタ390の近位側延長壁392は、フィルタコンポーネント(図示せず)を意図されない、または不適合の液体源または容器に取り付けることができない形状とされる。たとえば、第二の非ルアー型コネクタ390の近位側延長壁392は、標準的なルアーフィッティングを含む標準的な注射器とは不適合であり、これに接続できず、これは、その内面394が、鈍針372の外面385と接続できるような、対応する断面幅を有するからである。具体的には、第二の非ルアー型コネクタの内面394の断面幅は、遠位端391から近位端399へと増大する。
【0077】
第二の非ルアー型コネクタは、近位側延長壁392の遠位端391に取り付けられ、フィルタ(図示せず)を第二の非ルアー型コネクタに接続し、または取り付けるための標準的コネクタ398を含む。標準的コネクタ398はルアーフィッティングを含んでいてもよく、これはルアースリップまたはルアーロック構成を含んでいてもよい。図14〜16に示される実施形態において、標準的コネクタ398は、入口部材393から遠位方向に延びる導管367を含み、鈍針372と、標準的コネクタ398に取り付けられるかもしれないフィルタ(図示せず)の間を流体連通させる。標準的コネクタ398は、導管367を取り囲む同軸壁368を含み、導管367と同軸壁367の間に空間が画定される。架橋部369が近位側延長壁392の遠位端391から同軸壁368へと延びる。同軸壁368は、フィルタ(図示せず)上の対応する構造と係合するための、ねじ切り部(図示せず)を含む内面を有していてもよい。図の実施形態において、導管387は、ルアースリップ式にフィルタ(図示せず)上の対応する構造の内面と係合するテーパのついた外面を有する。
【0078】
非ルアー型コネクタがなく、非ルアー型コネクタとして鈍針を利用する鈍針コンポーネントをフィルタコンポーネントに組み付けるために、鈍針を第二の非ルアー型コネクタ390の入口空間395に挿入する。回転力が第一のルアーコネクタ380に加わり、近位側延長壁392の外側に延びる突出部397と第一のルアーコネクタ380のねじ切り部386が係合し、最終的に鈍針372の外面385が第二の非ルアー型コネクタ390の内面394と液密接続する。
【0079】
本発明の第二の態様は、代替的実施形態の薬剤送達器材400に関する。図17〜22は、近位方向に延びる第二の非ルアー型コネクタ460を含むフィルタコンポーネント440を示す。図19は、上述のようにルアーロックフィッティング180を有する注射器外筒190に組み付けられた薬剤送達器材400を示す。薬剤送達器材400は鈍針コンポーネント410を含み、これは第二の非ルアー型コネクタ460と係合するために、ねじ切り内面426を持つ遠位側延長壁425を含む第一の非ルアー型コネクタ420を有する。遠位側延長壁425は鈍針412の周囲に同軸的に配置され、遠位側延長壁425と鈍針412の間に環状空間424が形成される。鈍針コンポーネント410は針基コネクタ430を含み、これは第一の非ルアー型コネクタ20に取り付けられ、ルアーロックまたはルアースリップフィッティングを受けるための針基空洞を画定する内面を有する側壁432によって形成されるルアーフィッティングを含む。遠位側延長壁425は、接続部4258によって針基コネクタ430に取り付けられる。
【0080】
図20〜21により明瞭に示されているように、フィルタコンポーネント440は、遠位端441と、近位端442と、遠位端441から近位端442へと延びるフィルタ筐体450と、を含む。フィルタコンポーネント440はまた、近位端442に配置された入口部材443と、遠位端441に配置された出口444を含む。出口444は、本発明の第一の態様による実施形態に関して前述したように、ルアーフィッティング477を有していてもよい。
【0081】
入口部材443は、フィルタ空洞446へと続く開口部445を含み、入口部材443とフィルタ空洞446とが流体連通している。遠位端447は開口部449を含み、これによって入口部材443とフィルタ空洞446の間の流体連通が可能となる。入口部材443は、フィルタコンポーネント440の近位端442の付近に配置された遠位端447と、近位端448と、を有する。具体的には、入口部材の遠位端447は、フィルタ筐体450の切欠き部459において、フィルタ筐体450に取り付けられる。
【0082】
入口部材443は、鈍針412を受ける形状である。図17〜18に示される入口部材443は、鈍針412を受けるための長い管状の形状を有し、フィルタ筐体450から近位方向に延びる。具体的には、入口部材443は、経路472を画定する内面471を有する、取り囲まれた管状本体470を含む。開口部445が入口部材443の遠位端441に配置される。
【0083】
図20〜22に示される実施形態において、入口部材443は、取り囲まれた管状本体470を含み、フィルタ筐体450から近位方向に延びる。入口部材443は、図の実施形態では、フィルタ筐体450と同じ平面に沿って配置される。1つまたは複数の嫉視形態において、入口部材443はフィルタ筐体450から0度〜90度の角度で配置されてもよく、それによってフィルタコンポーネント440が患者の体にテープまたはその他の手段で取り付けられた時に、接続と注入が容易となる。
【0084】
取り囲まれた管状本体470の内面471は、鈍針412の外面415と液密に密着できる断面幅、すなわち直径を有していてもよい。1つまたは複数の実施形態において、内面471は、鈍針412の外面415の可変的な断面幅、すなわち直径に対応して変化する断面幅、すなわち直径を有していてもよい。開口部445が取り囲まれた管状本体470の一端に設けられ、その一方で、取り囲まれた管状本体470のもう一方の端は閉鎖端474によって閉じられている。
【0085】
入口部材443の少なくとも一部は、第二の非ルアー型コネクタ460を含む。第二の非ルアー型コネクタ460は、入口部材443の近位端448に設置されてもよい。具体的には、取り囲まれた管状本体470の一部には高低が付けられていてもよく、それによってフィルタコンポーネント440を、円形の開口部を有し、円錐形であり、および/またはISO 594パート1と2に適合するルアーコネクタに接続することができない。たとえば、図17〜22に示される実施形態において、取り囲まれた管状本体470の断面幅は、ルアーコネクタの断面幅より小さい、または少ない。図の実施形態において、入口部材の近位端452は、第一の非ルアー型コネクタ420を固定するための係合部462を有していてもよい。係合部462の一例は、図17〜22において、半径方向に延びる1対のタブ464として示されており、これは第一の非ルアー型コネクタ420のねじ切り内面426と係合する。入口部材の近位端448に隣接する経路472は、鈍針コンポーネント410の一部を受けて、フィルタコンポーネント440をこれに確実に取り付けられるような形状であってもよい。
【0086】
取り囲まれた管状本体470の、第二の非ルアー型コンポーネント460を形成する部分は、その外面または内面に配置されたねじ山(図示せず)を有していてもよい。取り囲まれた管状本体470のその部分は、随意選択により、回転可能であってもよく、それによって、これは取付中に鈍針412の周囲で回転し、フィルタコンポーネント440を回転させずに第一の非ルアー型コネクタ420と第二の非ルアー型コネクタ460を容易に接続できる。取り囲まれた管状本体470をこのように回転させることにより、カテーテルのよじれも防止されるであろう。図1〜13に示される第二の非ルアー型コネクタ160とは異なり、入口部材443の開口部445はフィルタ筐体450の中まで延びない。
【0087】
本発明の第一の態様に関して上述したように、第一の非ルアー型コネクタ420と第二の非ルアー型コネクタ460は、楕円、正方形、三角形または、接続ミスを低減させるためのその他の形状の断面を有していてもよい。第一の態様に関して上述したルアーフィッティングを用いた注射器外筒、ライン確保器材等との接続ミスや意図されない接続を低減させるためのその他の構造的特徴もまた、本発明の第二の態様の第一の非ルアー型コネクタ420と第二の非ルアー型コネクタ460に取り入れてよい。これに加えて、本明細書に記載の鈍針412の再使用を防止する手段もまた、本発明の第二の態様による実施形態に取り入れてよい。
【0088】
図17〜22に示されるフィルタコンポーネント440を組み立てるために、鈍針412をフィルタコンポーネント440の入口部材443に挿入し、それによって鈍針412は経路472の中に入る。第一の非ルアー型コネクタ420のねじ切り内面426は、半径方向に外側に延びる1対のタブ464と係合し、その一方で、第二の非ルアー型コネクタ460の取り囲まれた管状本体470は、鈍針412と遠位側延長壁425の間の環状空間424の中へと摺動する。管状本体470または遠位側延長壁425を相互に関して回転させ、それによって半径方向に外側に延びる1対のタブ464が第一の非ルアー型コネクタ420のねじ切り内面426と係合して、図22に示されるように、第一の非ルアー型コネクタ220と第二の非ルアー型コネクタ460の間を液密係合させる。1つまたは複数の実施形態において、入口部材443の内面は、鈍針412(図示せず)の外面の上の、対応する構造と係合するねじ切り面(図示せず)を有していてもよい。
【0089】
本発明の第三の態様による薬剤送達器材500が図23〜27に示されている。第三の態様による実施形態には、薬剤送達器材500の、ルアーコネクタと非ルアー型コネクタを有するフィルタコンポーネント540および鈍針コンポーネント510とともに使用するアダプタ600が取り入れられる。このような実施形態では、既存の器材を変更する必要がなく、薬剤送達器材500の既存のコンポーネントともに、このようなコンポーネントを交換せずに使用できる。1つまたは複数の実施形態において、2つのアダプタ600を利用して、薬剤送達器材500に2つの対応する非ルアー型フィッティングを形成してもよい。具体的には、1つのアダプタを注射器外筒(図示せず)に取り付けることができ、第二のアダプタをフィルタコンポーネント540に取り付けて、フィルタコンポーネント540と注射器外筒(図示せず)の両方が非ルアー型フィッティングを有して、意図されない、または不適合の器材をフィルタコンポーネント540または注射器外筒(図示せず)のいずれかに接続してしまう事故が防止される。
【0090】
説明のために、アダプタ600が、第一の非ルアー型コネクタ520を有する鈍針512を含む鈍針コンポーネント510とともに示されている。図23〜27に示されるフィルタコンポーネント540は、第二のルアーコネクタ560を有する入口部材543を含む。鈍針コンポーネント510は、本明細書の他の箇所に記載されているように、鈍針コンポーネント510をルアーフィッティングに取り付けるための針基コネクタ530を含む。図23〜27の実施形態に示される第二のコネクタ560は、ルアーフィッティング562を含む。
【0091】
当然のことながら、鈍針コンポーネントがルアーフィッティングを含んでいてもよく、その一方で、フィルタコンポーネントは非ルアー型フィッティングを含み、アダプタのルアー部を鈍針コンポーネントのルアーフィッティングに取り付けてもよく、アダプタの非ルアー部をフィルタコンポーネントの非ルアー型フィッティングに取り付けてもよい。
【0092】
図24により明瞭に示されているように、アダプタ600は、開放遠位端601と開放近位端602を含む。遠位端601と近位端602の一方はルアー部610を含み、その一方で、遠位端601と近位端602のもう一方は非ルアー部630を含む。本体部分640はルアー部610と非ルアー部630の間に延び、遠位端641と近位端642を含む。本体部分640は、遠位端41から近位端642へと延びる中空の管644を含む。中空の管644は、アダプタ600の開放遠位端601とおよび開放近位端602と流体連通する中空の内部648を画定する内面646を有する。
【0093】
図23〜27に示されるルアー部610は、外側に延びる雄嵌合具612と、雄嵌合具612の周囲に同軸的に配置されたねじ切りカラー614を有するルアーロックフィッティングを含む。ねじ切りカラー614は、その上にねじ山618が設けられている内面616を含む。ルアーロックまたはルアースリップフィッティングとの針基コネクタの取付もまた、ルアー部610に組み込んでよい。
【0094】
図に示される実施形態の非ルアー部630は延長壁632を含み、これは、本体部分640に垂直に配置され、そこから半径方向に外側に延びる連結壁638によって本体部分640に接続される。延長壁632は、アダプタ600の向きに応じて、本体部分640から遠位方向または近位方向に向かって延びる。延長壁632は、非ルアー型空洞636を画定する内面634を含む。図23〜27に示される実施形態において、非ルアー型空洞636は、鈍針コンポーネント510の第一の非ルアー型コネクタ520を受け、鈍針コンポーネント510をフィルタコンポーネント540に確実に取り付け、これについては以下により詳細に説明する。アダプタ600のルアー部610がフィルタコンポーネント540のルアーフィッティング562に取り付けられると、非ルアー部630は、フィルタコンポーネント540を、意図されない、または不適合の流体源または容器に取り付けることができないような形状である。たとえば、延長壁632の形状、大きさまたは構成は、標準的なルアーフィッティングを含む標準的な注射器またはライン確保器材と不適合であり、これに接続できない。図20〜23に示される実施形態において、非ルアー部630の延長壁632は楕円形状を有し、フィルタコンポーネント540の対応する楕円形と係合する。
【0095】
使用時に、アダプタは、フィルタコンポーネント540または鈍針コンポーネント510の一方に取り付けられ、それによって、非ルアー部620は空き、いずれの部分とも係合しない。その後、フィルタコンポーネント540と鈍針コンポーネント510のうち、非ルアーフィッティングを有するもう一方が非ルアー部620に取り付けられるであろう。
【0096】
非ルアー部の代替的実施形態が、図28と29に示されている。図28において、アダプタ700の非ルアー部730は正方形の断面を有し、非ルアー部730を鈍針コンポーネントに接続する架橋部734を含む。非ルアー部730は4つの壁731、732、733、734を有し、各々がそれぞれ少なくとも2つの側辺735を有し、4つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺735によって相互に連結されて、鈍針712を取り囲む、4つの面を有する中空の正方形の形状を形成し、架橋部736がその第五の面の一部を形成する。図28に示される鈍針コンポーネント710は、対応する連結部724に対応する正方形の断面を有する第一の非ルアー型コネクタ720を含む。第二の非ルアー型コネクタ720は、4つの壁721、722、723(図示せず)、724(図示せず)を含み、各々が側辺725を有し、4つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺725により相互に連結されて、中空の正方形の断面を形成する、4つの面を有する中空の正方形の構成を形成し、連結部727がその第五の面の一部を形成する。
【0097】
図29は、三角形の断面を有し、連結部834を含む、アダプタ800のノンルアー部830の他の実施形態を示す。ノンルアー部830は、3つの壁831、832、833を有し、各々がそれぞれ少なくとも2つの側辺835を有し、3つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺835によって相互に連結されて、鈍針812を取り囲む、3つの面を有する中空の三角形の形状を形成し、架橋部(図示せず)がその第四の面の一部を形成する。図29はまた、対応する三角形の断面を有する非ルアー部822を有する第一の非ルアー型コネクタ820を持つ鈍針コンポーネント810を示す。第二の非ルアー部820は、3つの壁821、822、823(図示せず)を含み、各々が側辺824を有し、3つの壁のすべてが少なくとも2つの側辺825によって相互に連結されて、中空の三角形の断面を形成する、3つの面を持つ中空の三角形の形状を形成し、連結部827がその第四の面の一部を形成する。
【0098】
アダプタの他の実施形態は、接続ミスを防止するため、および鈍針の再使用を防止するための、フィルタコンポーネントと鈍針コンポーネントに関して上述した構造的特徴を含んでいてもよい。
【0099】
1つまたは複数の実施形態において、アダプタ600は弁(図示せず)を有していてもよい。弁は、弁を開き、フィルタコンポーネントに到達できるようにするために、弁に遠位方向の力を加える必要のある一方向または逆止弁であってもよい。具体的には、このような弁はボールバルブ、フラップバルブまたは、当業界で知られているその他の公知の一方向弁であってもよい。弁はバネ式(図示せず)であってもよい。フィルタコンポーネント540とカテーテルコネクタ(図示せず)に到達できるようにするためには、鈍針112をアダプタ600に挿入し、弁に遠位方向の力を加えて、弁を開く必要があるであろう。弁の開放によって、鈍針510が、鈍針コンポーネント510とフィルタコンポーネント640に取り付けられた注射器またはその他の流体容器と液密係合し、それらの間の流体連通を可能にする。このような実施形態において、弁(図示せず)は本体部分640の中またはアダプタの中に配置され、それによって、本明細書に記載したように、十分な長さを有する鈍針512によってのみ開くことができる。このような実施形態において、一般的に長さ0.4インチの標準的ルアースリップの先端では、弁を開くことができない。
【0100】
1つまたは複数の代替的実施形態において、弁(図示せず)は分離型隔壁(図示せず)を含んでいてもよい。分離型隔壁は、アダプタ600の近位端602に取り付けてもよい。分離型隔壁は消毒可能であってもよく、微生物およびその他の汚染物質に対するバリアとなる。フィルタコンポーネント540とカテーテルコネクタ(図示せず)に到達できるようにするために、鈍針512をアダプタ600に挿入し、分離型隔壁に遠位方向の力を加えて、分離型隔壁を開く必要があるであろう。分離型隔壁の開放によって、鈍針コンポーネント510は、鈍針コンポーネント510に取り付けられた注射器またはその他の流体容器とフィルタコンポーネント510と液密係合し、これらの間を流体連通させることができる。
【0101】
本発明の第四の態様は、鈍針コンポーネント、フィルタコンポーネント、注射器外筒およびその他の薬剤送達器材のルアーフィッティングに取り付けて、接続ミスを低減させるような非ルアー型フィッティングを形成することのできる、1対の適応コネクタ900に関する。図30と31に示されるように、適応コネクタ900は、第一の部品910と第二の部品940を含み、これらは相互に接続されるように形成される。第一の部品910と第二の部品940の各々は、非ルアー型フィッティングとルアーフィッティングを有し、これらを本明細書に記載されたフィルタコンポーネント、鈍針コンポーネント、および注射器外筒に取り付けてもよい。
【0102】
図30と31に示される第一の部品910は、第一の開放端911と第二の開放端912を有する。第一の部品910はまた、第一の開放端911に設置された第一の部分914と、第一の部分914に隣接して設置された本体916と、本体916から第二の開放端912へと延びる第二の部分918を有する。第一の部品910の第一の部分914は、標準的なルアーフィッティング920を含む。図30〜31に示される実施形態において、標準的なルアーフィッティング920は、第一の開放端911を取り囲む雄嵌合具922と、内面926およびその上に配置されたねじ山926を有するカラー924によるルアーロックフィッティングを含む。第一の部分は、随意選択により、ルアースリップフィッティング(図示せず)を含んでいてもよい。第二の部分918は、本体916から延び、第二の開放端912を取り囲む延長壁932を含む非ルアー型フィッティング930を含む。延長壁932は、空洞936を画定する内面934と、外面935と、を含む。1つまたは複数の実施形態において、内面934および/または外面935は、第二の部品940の一部と係合し、第一の部品910と第二の部品940とそれらに取り付けられるコンポーネントを確実に取り付けることができ、これについては以下により詳細に説明する。延長壁932は、内面934、外面035、または内面934と外面935の両方に付けられたねじ山を有していてもよい。延長壁932は、随意選択により、回転可能であってもよく、それにより、取付中にこれが第二の部品940の周囲で回転し、接続しやすくなる。
【0103】
第二の部分918の延長壁932は、フィルタコンポーネントまたは鈍針コンポーネントを意図されない、または不適合の流体源または容器に取り付けることができないような形状である。たとえば、延長壁932は、標準的なルアーフィッティングを含む標準的な注射器またはライン確保器材と不適合になるような形状であり、またはそのような構造的特徴を有する。図30〜31に示される実施形態において、延長壁932は楕円形の断面を有し、これは、円形の開口部を有し、円錐形であり、および/またはISO 594パート1と2に適合するルアーコネクタと不適合であり、またはこれらに取り付けることができない。当然のことながら、延長壁の形状と構成には、接続ミスを低減させるための、本明細書に記載されたその他の構造的特徴を取り入れてもよい。
【0104】
図30〜31に示される第二の部品940は、第一の開放端941と第二の開放端942を含む。第二の部品940はまた、第一の開放端941に隣接して設置された第一の部分944と、第一の部分944に隣接して設置された本体946と、本体946から第二の開放端942へと延びる第二の部分948と、を含む。第二の部品940の第一の部分944は、標準的なルアーフィッティング50を含む。図30〜31に示される実施形態において、標準的なルアーフィッティング950は、第一の部品910に設置されたルアーロックまたはルアースリップフィッティングに取り付けるための針基コネクタ952を含む。針基コネクタ952は、第二の開放端42から本体946へと延びる側壁953を含む。側壁953は、ルアーロックまたはルアーロックフィッティングを受けるための、針基空洞955を画定する内面954を有する。側壁953の内面954にはテーパを付け、その断面幅が第二の開放端942から本体946へと増大するようにしてもよい。側壁953のテーパの付いた形状によって、針基コネクタの内面954が、ルアースリップフィッティングの雄嵌合具と係合できる。針基コネクタ952は、外面956と、外面956に設置され、ルアーロックフィッティングの雌ねじ付カラーと係合する、半径方向に外側に延びる部分957と、を含む。半径方向に外側延びる部分957は、図30〜31に示されるように、1対のリブ959を含んでいてもよい。1つまたは複数の実施形態において、半径方向に外側に延びる部分957は、1つのリブ(図示せず)を有していてもよく、または、1つまたは複数の具体的な実施形態においては、半径方向に延びる部分957は、針基コネクタ952の円周に沿って、外面956に配置される円周リップ(図示せず)を含んでいてもよい。第二の部分は、随意選択により、ルアースリップフィッティング(図示せず)を含んでいてもよい。
【0105】
第二の部品940は非ルアー型フィッティング960を含み、これは、本体946から延び、空洞966を画定する内面964を有する延長壁962を含む。1つまたは複数の実施形態において、空洞966は第一の部品910の一部と係合して、第一の部品と第二の部品およびそこに取り付けられたコンポーネントを確実に固定でき、これについては以下により詳しく説明する。延長壁962は、随意選択により、回転可能であってもよく、それによって、取付中にこれが第一の部品の周囲で回転し、接続しやすくなる。第二の部品940の延長壁962は、第二の部品と、そこに取り付けられるかもしれないフィルタコンポーネントまたは鈍針コンポーネントを、意図されない、または不適合の流体源、容器またはライン確保器材に取り付けることができないような形状である。たとえば、延長壁962は、標準的なルアーフィッティングを含む標準的な注射器またはライン確保器材と不適合になるような形状であるか、そのような構造的特徴を有する。図30〜31に示される実施形態において、第一の部品と第二の部品の延長壁は、円形の開口部を有し、円錐形であり、および/またはISO 594パート1と2の定義に適合するルアーコネクタと不適合か、またはそれらと取り付けられないような楕円形の断面を有する。当然のことながら、延長壁の形状と構成は、接続ミスを低減させるための、本明細書に記載した他の構造的特徴を含んでいてもよい。
【0106】
1つまたは複数の実施形態において、アダプタコネクタの一方または両方は、本明細書の他の箇所に記載したように、弁(図示せず)を含んでいてもよい。弁は、分離型隔壁弁を含んでいてもよく、一方または両方のアダプタコネクタの中に設置してもよく、それによって、本明細書に記載したように、十分な長さの鈍針でなければ開くことができない。このような実施形態において、一般的に長さが0.4インチの標準的なルアースリップ先端では、弁を開けないであろう。
【0107】
本明細書に記載した薬剤送達器材とアダプタの実施形態は、持続的、間欠的、または1回投与、すなわち単回量の薬剤送達に使用してもよい。持続的麻酔薬送達応用の例としては、持続的硬膜外麻酔、脊髄くも膜下硬膜外併用法、および末梢神経ブロック法がある。1回投与麻酔薬送達応用の例としては、骨髄方式、1回投与硬膜外方式、脊髄硬膜外方式、末梢神経ブロック方式がある。1回投与麻酔薬送達応用はまた、フィルタコンポーネントを脊髄麻酔針またはその他の麻酔針に取り付ける応用を含んでいてもよい。本発明の第一の態様による実施形態はまた、持続的または1回投与静脈内送達応用において利用してもよい。
【0108】
本明細書に記載の実施形態により、意図されない経路との接続が低減されるが、これは、たとえば鈍針コンポーネントが薬剤を含む注射器外筒またはその他の流体容器に取り付けられた時に、鈍針と第一の非ルアー型コネクタの非ルアー部分の存在によって、薬剤が意図されない経路に供給されることが起こりえないからである。アダプタコネクタを利用する実施形態においては、鈍針コンポーネントに取り付けられた第一と第二のアダプタコネクタの一方の非ルアー型接続フィッティングによって、意図されない経路への供給がさらに防止されるであろう。これに加えて、フィルタコンポーネントがライン確保器材に取り付けられた場合、他の薬剤収容器材からの薬剤は、フィルタコンポーネントの第二の非ルアー型コネクタによって、ルアー開口部を有する薬剤収容器材とフィルタコンポーネントの間を接続することができないため、そのライン確保器材には容易に供給されない。アダプタ600を利用する実施形態において、フィルタコンポーネントに取り付けられた非ルアー部630により、ルアー開口部を利用する薬剤収容器材とフィルタコンポーネントとの間を接続することができない。これに加えて、アダプタコネクタを利用する実施形態において、第一または第二のアダプタコネクタの一方の非ルアー部もまた、ルアー開口部を使用する薬剤収容器材とフィルタコンポーネントの間を接続できなくする。
【0109】
不適当な薬剤収容器材と不適当な経路の間の接続を防止するためのこれらの手段はさらに、微生物に対するバリアとなり、それに伴う感染を防止できる。さらに、第一の非ルアー型コネクタ120を第二の非ルアー型コネクタ160に取り付けること、またはそれぞれの非ルアー型接続手段を相互に取り付けることにより、注射器外筒またはその他の流体容器の中の薬剤が確実に正しい経路に供給される。さらに、フィルタコンポーネントをカテーテルコネクタに取り付け、フィルタコンポーネントに非ルアー型フィッティングを提供することにより、必然的にフィルタが使用され、その結果、ガラスの破片、微生物またはその他の異物の患者の体内への侵入を防止できる。
【0110】
シリンジポンプまたは輸液ポンプを必要とするいくつかの用途、たとえば、カテーテルコネクタを注射器や輸液ポンプに接続するために延長チューブが一般的に使用される持続的送達応用において、鈍針コンポーネントを延長チューブの遠位端に取り付けてもよく、フィルタコンポーネント140を延長チューブの近位端に取り付けてもよい。
【0111】
本発明の第五の態様は、薬液をカテーテルに送達する方法に関する。1つまたは複数の実施形態において、この方法は、入口部材と、出口と、入口部材と出口の間に配置されたフィルタと、を含むフィルタコンポーネントをカテーテルに取り付けるステップと、開放遠位端と、開放遠位端と流体連通する内腔を有する鈍針と、開放遠位端と流体連通する開放近位端を含む第一の非ルアー型コネクタに取り付けられたルアーコネクタと、を含む鈍針コンポーネントを提供するステップと、注射器外筒の先端を鈍針コンポーネントの開放近位端に取り付けるステップと、を含む。この方法はさらに、注射器外筒に所定の量の薬液を充填するステップと、鈍針コンポーネントをフィルタコンポーネントに取り付けるステップと、を含む。1つまたは複数の具体的な実施形態において、この方法は、入口部材の中に延びる長さと、フィルタコンポーネントと液密接続する断面形状を有する鈍針を利用する。この方法はまた、標準的なルアーコネクタ、IV作動機構および標準的な注射器外筒との液密接続を防止する断面形状を有する入口部材を持つフィルタコンポーネントを利用してもよい。
【0112】
本発明の第六の態様は、薬液をカテーテルに送達する代替的な方法に関する。1つまたは複数の実施形態において、この方法は、開放遠位端と、開放遠位端から第一のルアー部へと延び、長さが約0.1〜約1.5インチの範囲で、開放遠位端と流体連通する内腔を有する鈍針と、第一のルアー部に取り付けられ、開放遠位端と流体連通する開放近位端を含む第二のルアー部と、を含む鈍針コンポーネントを提供するステップを含む。この方法はまた、長い針を受けるための入口部材と、入口部材に隣接して設置された第三のルアー部と、出口と、入口部材と出口の一方または両方に取り付けられ、入口部材と出口と流体連通するフィルタと、を含むフィルタコンポーネントを提供するステップを含む。この方法はさらに、鈍針コンポーネントの第一のルアー接続部と、フィルタコンポーネントの第三のルアー接続部を適合させて、標準的なルアーフィッティングを利用する注射器外筒、液体容器およびライン確保器材と接続できないようにするステップを含む。
【0113】
1つまたは複数の実施形態において、この方法は、鈍針コンポーネントを、送達されるべき量の薬剤を収容した流体容器に取り付けるステップを含む。このような実施形態において、この方法は、流体容器のルアー開口部を鈍針コンポーネントの第二のルアー接続部に取り付けるステップを含む。この方法はまた、フィルタコンポーネントをカテーテル接続手段に取り付けるステップを含む。このような実施形態において、この方法は、フィルタコンポーネントの出口をカテーテル接続手段に取り付けるステップを含む。
【0114】
鈍針コンポーネントの第一のルアー接続部を標準的なルアーフィッティングを利用する注射器外筒、流体容器、およびライン確保器材に接続できないようにするステップは、鈍針コンポーネントに第一のアダプタコネクタを取り付けるステップを含み、第一のアダプタコネクタは、第一のルアーフィッティングを含む第一の開放端と、第一の非ルアー型フィッティングを含む第二の開放端と、を含む。このような実施形態において、この方法は具体的には、第一のアダプタコネクタの第一のルアーフィッティングを鈍針コンポーネントの第一のルアー接続部に取り付けるステップを含む。組み立てた時、第一のアダプタコネクタの第一の非ルアー型フィッティングは、鈍針コンポーネントから遠位方向に延び、何も取り付けられない。本明細書に記載されているように、第一の非ルアー型フィッティングは、第一のアダプタコネクタと鈍針コンポーネントを、標準的なルアー接続手段またはフィッティングを取り入れた注射器外筒、流体容器またはその他のライン確保器材に接続できないようにするための手段を含んでいてもよい。
【0115】
方法の1つまたは複数の実施形態において、フィルタコンポーネントの第三のルアー接続部を、標準的なルアーフィッティングを利用する注射器外筒、流体容器およびライン確保器材に接続できないようにするステップは、第二のアダプタコネクタをフィルタコンポーネントに取り付けるステップを含み、第二のアダプタコネクタは第二のルアーフィッティングを含む第三の開放端と、第二の非ルアー型フィッティングを含む第四の開放端と、を含む。1つまたは複数の実施形態において、この方法は具体的には、第二のアダプタコネクタの第二のルアーフィッティングをフィルタコンポーネントの第三のルアー接続部に取り付けるステップを含む。組み立てた時、第二のアダプタコネクタの第二の非ルアー型フィッティングは、フィルタコンポーネントから遠位方向に延び、何も取り付けられない。本明細書に記載されているように、第二の非ルアー型フィッティングは、第一のアダプタコネクタと鈍針コンポーネントを、標準的なルアー接続手段またはフィッティングを取り入れた注射器外筒、流体容器またはその他のライン確保器材に接続できないようにするための手段を含んでいてもよい。
【0116】
薬剤を投与する場合、この方法は、鈍針コンポーネントの第一の非ルアー型フィッティングをフィルタコンポーネントの第二の非ルアー型フィッティングに取り付けるステップと、所定の量の薬剤を流体容器から鈍針コンポーネント、フィルタコンポーネント、およびカテーテルコネクタへと押し出すステップと、を含む。
【0117】
本明細書全体を通じて、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「ある実施形態」という文言は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、材料または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、「1つまたは複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」、または「ある実施形態において」、等の語句が本明細書の異なる箇所で使用された場合、必ずしも本発明の同じ実施形態を指すとはかぎらない。さらに、特定の特徴、構造、材料または特性は、1つまたは複数の実施形態の中で、どのような適当な方法で組み合わせてもよい。
【0118】
本明細書の中の発明は特定の実施形態に関連して説明されているが、当然のことながら、これらの実施形態は、本初の原理と応用を説明するためのものにすぎない。当業者にとっては当然のことながら、本発明の主旨と範囲から逸脱することなく、本発明の方法や装置には、各種の改良や変更を加えることができる。それゆえ、本発明は、付属の特許請求の範囲およびその均等物の範囲に含まれる改良と変更を包含するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31