特許第6109246号(P6109246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6109246物質を混合するためのニードルアッセンブリー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109246
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】物質を混合するためのニードルアッセンブリー
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20170327BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20170327BHJP
   A61M 5/34 20060101ALI20170327BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   A61M5/24 530
   A61M5/32 500
   A61M5/34 530
   A61M5/34 540
   A61M5/31 540
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-133787(P2015-133787)
(22)【出願日】2015年7月2日
(62)【分割の表示】特願2013-520694(P2013-520694)の分割
【原出願日】2010年7月22日
(65)【公開番号】特開2015-166026(P2015-166026A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2015年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランク マーティン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ.クラッグ
(72)【発明者】
【氏名】エム.イシャク ハイダー
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−526475(JP,A)
【文献】 米国特許第02778360(US,A)
【文献】 特表2004−512869(JP,A)
【文献】 特表2002−504403(JP,A)
【文献】 米国特許第04424057(US,A)
【文献】 実開昭60−052846(JP,U)
【文献】 特表2008−526300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/178− 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端と、末端と、それらの間に位置する流路とを有する本体であって、注入器に取り付けられるように構成された本体と、
前記本体に固定され、基端および末端を有する針であって、該末端が患者に挿入するように形成され、前記針の前記基端が前記流路に連通する針と、
前記流路における前記針の前記基端の基端方向に配された第1の破裂可能な膜と、前記流路における前記第1の破裂可能な膜の基端方向に配された第2の破裂可能な膜とを含み、前記第1の破裂可能な膜、および、第2の破裂可能な膜が、フィルムまたは箔であり、前記第2の破裂可能な膜は、前記第1の破裂可能な膜よりも容易に破裂するように構成されるニードルアッセンブリー。
【請求項2】
前記針の前記末端を覆うシールドをさらに含む請求項1に記載のニードルアッセンブリー。
【請求項3】
前記本体を注入器に取り外し可能に取り付けるための1以上の取付け用フィーチャをさらに含む請求項1に記載のニードルアッセンブリー。
【請求項4】
前記取付け用フィーチャは、ルアー装置、ねじ装置およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上のものを含む請求項に記載のニードルアッセンブリー。
【請求項5】
前記流路に配された少なくとも1つのフィルターをさらに含む請求項1に記載のニードルアッセンブリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用注射のための準備として少なくとも2つの物質を混合するためのニードルアッセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の薬剤または薬品(これらの用語は本明細書では同じ意味で使用される)は、好ましくは、粉末または乾燥品(凍結乾燥品など)で提供され、投与前に溶解を必要とする。凍結乾燥薬剤は、例えば、注射に適した形態へと物質を溶解するように希釈剤と混合する必要がある凍結乾燥品で、一般に供給される。また、薬品は、溶解を必要とする他の乾燥または粉末形態で提供することができる。
【0003】
さらに、薬剤は、投与前に混合を必要とする多部品システムとして提供することができる。例えば、1以上の液体(例えば、流動性(スラリーまたは液体))成分、および/または、乾燥(例えば、粉末または粒子)成分は、投与前に混合を必要とする薬剤容器即ち送出装置内に設けられる場合がある。その成分は、混合され、インスリンのような様々な投与可能な薬剤を形成するように、使用可能とされる。
【0004】
先行の技術の装置は、湿性成分(例えば、液体)および乾燥成分(例えば、粉末)を共通容器の別個の室内にもたらすように開発され、容器は注射のための投与可能な溶液を準備するとき、湿性成分を乾燥成分に流れさせるように、それらを混合できるように構成されている。Vetterによる米国特許第4,874,381号明細書(特許文献1)は、混合用に構成された筒を有する注入器について述べられ、Ahlstrandらによる米国特許第4,968,299号明細書(特許文献2)は、混合用に構成された筒を有する薬剤カートリッジについて述べられる。VetterおよびAhlstrand双方は、装置の筒内にバイパス流路が形成される混合用の一般的な構成を開示する。したがって、その装置は、特に混合用に構成されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,874,381号明細書
【特許文献2】米国特許第4,968,299号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0226729号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一面では、基端と、末端と、それらの間に位置する流路とを有する本体であって、注入器に取り付けられるように構成される本体と、本体に固定され基端および末端を有する針であって、末端が本体の末端から末端方向に延びて患者に挿入するように形成され、針の前記基端が前記流路に連通する針と、針の基端における基端方向で前記流路に配されるフィルターと、を含むニードルアッセンブリーが提供される。有利には、連結される注入器を変更することなく、注射のための準備として少なくとも2つの物質を混合することができるニードルアッセンブリーが提供される。
【0007】
本発明の他の一面は、基端と、末端と、それらの間に位置する流路とを有する本体であって、注入器に取り付けられるように構成された本体と、本体に固定され、基端および末端を有する針であって、末端が患者に挿入するように形成され、針の基端が流路に連通する針と、流路における針の基端の基端方向に配された破裂可能な膜と、を含むニードルアッセンブリーを提供する。
【0008】
本明細書で使用される場合、「末端」という用語およびそれらの派生語は、使用中に患者に向かう方向のことをいい、「基端」という用語およびそれらの派生語は、使用中に患者から遠ざかる方向のことをいう。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の図面を検討することによって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】注射器に取り付けられる主題発明にしたがって形成されたニードルアッセンブリーの斜視図である。
図2】主題発明にしたがって形成されたニードルアッセンブリーの実施例の断面図である。
図3】主題発明にしたがって形成されたニードルアッセンブリーの第2の実施例の断面図である。
図4】主題発明にしたがって形成されたニードルアッセンブリーにおいて2つの物質の混合を概略的に示す。
図5】主題発明にしたがって形成されたニードルアッセンブリーの代替的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
複数の図を参照すると、本明細書中に、ニードルアッセンブリー10が、注射のための準備として少なくとも2つの物質を混合できるように形成され、もたらされる。ニードルアッセンブリー10は、注射器、即ち、ペン型注射器のような標準的な、変更されていない医用注射器に取り付け可能な単体の部品として形成される。図1および図2を参照すると、ニードルアッセンブリー10は、注射器からなる医用注入器Iと連結されて示されている。図3では、ニードルアッセンブリー10は、ペン型注入器からなる医用注入器Iと連結されて示されている。当業者には理解されるように、医用注入器Iはいずれかの既知の注入器からなるものとすることができる。
【0012】
複数の図を参照すると、ニードルアッセンブリー10は、概ね、本体12と、針14と、少なくとも1つのフィルター16とを含む。
【0013】
本体12は、基端18と、末端20と、それら相互間に位置する流路22と、を含む。
流路22は、本体12におけるいずれか途中の部分に位置されてもよく、好ましくは、本体12の基端18を貫通しそこから末端方向に延びる。本体12は、様々な材料から作られ得るが、好ましくは、以下で説明するように、中に収容される物質と適合した材料から作られる。本体12は、ガラス、熱可塑性物質、セラミック、金属およびそれらの組み合わせから作られ得る。
【0014】
好ましくは、ニードルアッセンブリー10は、医用注入器Iに取り外し可能に装着可能とされる。この要領で、ニードルアッセンブリー10は、特に、生物学的有害物質であると考えられている針14と一緒に使用後、廃棄可能である。取り外し可能に取り付け可能とされるので、医用注入器Iは、その後のニードルアッセンブリー10、または、異なるニードルアッセンブリーにより再利用され得る。これは、医用注入器Iがペン型注入器からなる場合、特に望ましい。取り外し可能に装着させるために、1つ以上の取付け用フィーチャ(mounting feature)24が、本体12に、特に、その基端18近傍に形成され得る。当技術分野で知られているように、取付け用フィーチャ24は、ルアー装置(図2)、および/または、ねじ装置(図3)から作られ得る。ニードルアッセンブリー10を医用注入器10に取り外し可能に取り付けられる状況において、取付け用フィーチャ24と協働するように構成された医用注入器Iに、協働するフィーチャ26が形成され得る。協働するフィーチャ(feature)26は、取付け用フィーチャ24と協働するように形成されたルアー、および/または、ねじ装置とすることができる。当技術分野で知られている取り外し可能に装着する他の協働の装着装置も、同様に使用することができる。代替的に、本体12は、溶着、接着、および/または、機械的連結などによって医用注入器Iにしっかり固定されてもよい。固定された状態で、ニードルアッセンブリー10は、使い捨て装置として医用注入器Iとともに廃棄される。
【0015】
針14は、如何なる標準型であってもよく、基端28と、患者に挿入するように形成された末端30とを含む。針14は、本体12の末端20から末端方向に延びている末端30により、本体12に固定される。基端28は、流路22に連通するように形成されている。
【0016】
流路22は、少なくとも1つの他の第2の物質と混合するようになっている少なくとも1つの物質32を収容するように形成される。物質32は、乾燥品(粉末または粒子)、
または、湿性品(液体またはスラリー)とすることができ、1つ以上の薬学的活性物質を含むことができる。物質32は、医用注入器Iに収容される1つ以上の第2の物質34と混合するようになっている。医用注入器Iの作動により、1つ以上の第2の物質34は、そこから、ニードルアッセンブリー10、特に、流路22へ強制的に入れられる。物質32、34の相互作用により、それらが以下で述べるように混合されることとなる。
【0017】
フィルター16は、多孔性であり、物質32と適合性があるいずれかの物質から作られ得る。フィルター16は、好ましくは、針14の基端28と物質32との間に配される。この配置により、フィルター16は、物質32の障壁をもたらし、針14の物質32への圧縮を回避する。また、フィルター16は、物質32を流路22内に維持する状態において障壁をもたらすように構成されることが好ましい。したがって、フィルター16の全体の多孔率は、物質32の中を通過させないように構成されるものとする。フィルター16の多孔率は、孔の大きさ、フィルターの長さ、孔の網の開閉度などを含む様々な変数に基づいて構成され得る。
【0018】
ニードルアッセンブリー10がどのように包装されているかによって、第2の多孔率フィルター36が、物質32の基端方向に位置する流路22内に設けられ得る。第2のフィルター36は、フィルター16に対し上述したような同様な考えで構成され得る。代替的に、以下で説明するように、物質32のための基端障壁をもたらすように、フィルムまたは他の障壁が、流路22の両端に付けられてもよい。
【0019】
フィルター16および第2のフィルター36は、物質32と適合性がある様々な物質から作られ得る。ニードルアッセンブリー10は、物質32が使用前に長期間、流路22内に維持される場合、保存容器としての役目をする。この構成によれば、フィルター16または第2のフィルター36と物質32との間で化学的相互作用が最小限であり、理想的にはないことが望ましい。フィルター16または第2のフィルター36は、熱可塑性物質、ガラス、セラミック、金属およびそれらの組み合わせを含むものに限定はされないが、様々な物質から作られ得る。非限定的な例の手段として、フィルター16および第2のフィルター36は、ポレックスポーラスフィルター(Porex porous filter)(例えば、カタログ番号X−5923、18から40ミクロンまで、標準、ピペットフィルター(pipette filter)PE)のような、多孔性プラスチックフィルターから作られ得る。
【0020】
上述のように、物質32は、医用注入器I内に位置する1以上の第2の物質34と混合する準備が整っているニードルアッセンブリー10内に維持される。1以上の第2の物質34は、湿性品(例えば、液体またはスラリー)であり、物質32の希釈剤として、および/または、多部品システムの一部として物質32と適合性がある構成要素として役目を果たすように選択される。ニードルアッセンブリー10が医用注入器Iに取り付けられた状態で、1以上の第2の物質34が、医用注入器Iから流路22へ強制的に入れられ得る。図2を参照すると、注射器タイプの医用注入器Iにより、1以上の第2の物質34が、注射器の先端38から流路22へ直接的に強制的に入れられ得る。好ましくは、第2のフィルター36は、物質32と注射器の先端38との間に配される。
【0021】
1以上の第2の物質34は、医用注入器Iによって引き起こされた圧力のもとで、流路22に押し込まれる。医用注入器Iは、当技術分野で知られているように、1以上の第2の物質34を投与する際、圧力を発生する。医用注入器Iによって引き起こされた圧力は、1以上の第2の物質34を針14の基端28に向けて付勢する。フィルター16、流路22、および、第2のフィルター36は、物質32との接触により投与前に確実に十分混合させるために1以上の第2の物質34に十分な静止時間をもたらすように構成されることが好ましい。静止時間が不十分である場合、混合が不十分な溶液が投与される場合がある。
【0022】
好ましい構成では、第2のフィルター36の多孔率は、フィルター16の多孔率より大であることが好ましい。図4を参照すると、第2のフィルター36がフィルター16より多孔率が大であれば、1以上の第2の物質34は、フィルター16よりも容易に第2のフィルター36を通過するよう付勢され得る。これにより、第2のフィルター36よりもフィルター16で、より制限されることになる。その制限の程度は、流路22内での1以上の第2の物質34の静止時間を設定するように使用可能とされる。したがって、矢印で示されるように、1以上の第2の物質34は、物質32との接触される間、いくらかの乱流に遭遇する。その乱流が、物質32と物質34とを混合させる。作動中、医用注入器Iからのさらなる圧力によって、混合された溶液40がフィルター16を通過せしめられ、投与のために針14の中をさらに通過せしめられる。物質32、物質34の混合特性(溶解度、粘度など)、ならびに、流路22およびフィルター16、36における物理的寸法および構成が、投与のために混合された溶液40の準備中、十分な混合が確実に達成され得るように、考慮されなければならない。
【0023】
静止時間は、上述したように、フィルター16と第2のフィルター36との間の流れに対する制限における変更により変更可能とされる。混合は、上述したように、流路22の中の流入で行われ得る。それに加えて、または、代替的に、1以上の第2の物質34の一部分が、流路22を十分に加圧することなく、医用注入器Iから流路22に強制的に入れられてもよい。このようにして、フィルター16の中に強制的に流れさせることなく、ある分量の1以上の第2の物質34が、流路22に配され得る。それから、ニードルアッセンブリー10は、物質32、34を混合させるために例えば、振動または回転によって攪拌されてもよい。それから、医用注入器Iは、流路22内の加圧で1以上の第2の物質34をさらに付勢しフィルター16の中に流れ込ませるように、なされてもよい。
【0024】
1以上の第2の物質34のすべてが医用注入器Iから連続した流れで送出せしめられる場合、物質32、物質34は、流入で混合され得る。物質32、34は流路22の内側で混合し、そして、混合された溶液40が、投与される。流入で混合するのであれば、その混合は、注射のために患者に挿入される針14で実施することが好ましい。したがって、使用のために、ニードルアッセンブリー10は、医用注入器Iに取り付けられる。針14は、患者に挿入され、医用注入器Iが、作動せしめられる。医用注入器Iの作動により、十分な混合および混合溶液40の投与させるために十分な量の1以上の第2の物質34が、十分な圧力のもとで医用注入器Iから力強く動かされるように、医用注入器Iは、構成されている。好都合なことには、ニードルアッセンブリー10は、標準的な変更されていない形の医用注入器Iにより使用可能とされ、溶解できることを含む混合を実現する。
【0025】
代替的に、混合溶液40は、医用注入器Iに取り付けられたニードルアッセンブリー10により注射する前、少なくとも部分的に、準備され得る。ここで、十分な量の1以上の第2の物質34が、医用注入器Iから流路22内に力強く動かされ得る。医用注入器Iに維持されたニードルアッセンブリー10の攪拌により、注射前、混合溶液40の十分な混合が、実現され得る。その後、針14が患者に挿入され、注射剤が投与される。
【0026】
特に混合に起因した流路22内に閉じ込められた気体に対する心配がある場合がある。注射中、閉じ込められたいかなる気体も流路22から放出することができるように、流入混合装置に、通気口が、設けられてもよい。事前の混合装置によれば、医用注入器Iが直立状態に保持され、注射前に通気し、針14の準備を実現するように、部分的に作動可能とされる。一旦、準備されたならば、注射剤が、投与され得る。
【0027】
流入混合、または、事前の混合は、物質32、物質34の混合特性に基づいて選択可能とされる。可溶性の高い物質32(例えば、ALP粉末)については、流入混合が、使用可能とされ、一方、可溶性が低い物質32では、事前の混合を使用可能とされる。ALP粉末は、参照によって本明細書の一部を構成する全体的な内容となる、米国特許出願公開第2008/0226729号明細書(特許文献3)に説明された方法によって形成することができる超軽量粉末である。凍結乾燥粉末のような他の粉末も、主題発明とともに使用可能とされる。
【0028】
注射器タイプの医用注入器Iに関し、第2のフィルター36が使用される必要がない。
取り外し可能なフィルム、箔またはプラグからなる取り外し可能な障壁41(図2に点線で示す)が、使用前、流路22の基端を封止するように使用可能とされる。使用のための準備において、取り外し可能な障壁41が、除去される。フィルター16は、流れに対し制限をもたらし、したがって、上述したように混合において乱流を生じさせる。
【0029】
図3を参照すると、ニードルアッセンブリー10は、ペン型注射器からなる医用注入器Iとともに使用されるように構成することができる。ここで、基端44および末端46を有する第2の針42が、設けられる。第2の針42は、末端46が流路22に連通する状態で本体12に固定されている。第2のフィルター36は、ペン型注入器構成のニードルアッセンブリー10で利用され、第2のフィルター36が、物質32と第2の針42の末端46との間に位置することが好ましい。このようにして、第2の針42における物質32へのコンパクション(compaction)が回避され得る。また、第2のフィルター36は、流路22内で物質32を維持するための基端の障壁として作用する。
【0030】
第2の針42は、基端44が、ニードルアッセンブリー10が医用注入器Iに取り付けられた状態で、医用注入器I内に1以上の第2の物質34を閉鎖するいかなるセプタム48を、完全に貫通するための十分な長さを有するように構成されている。
【0031】
ペン型注入器として使用される医用注入器Iに関し、1以上の第2の物質34は、使用中、第2の針42を通じて流路22へ強制的に入れられる。物質32、物質34は、上述したように、同様の方法で混合する。医用注入器Iは、いずれかの標準的な変更されていない形であってもよく、ニードルアッセンブリー10とともに実行可能とされる。
【0032】
ニードルアッセンブリー10の準備を容易にするために、本体12は、少なくとも2つの本体部品12A、12Bのモジュールからなることが好ましい。好ましくは、本体部品12A、12Bは、流路22の基端後半部分に位置する接合部50で接合される。このようにして、流路22の末端部分を収容する前方本体部品12Aは、フィルター16および物質32とともに準備され得る。その後、使用される場合、第2のフィルター36は、前方本体部品12A内の流路22、または、後方本体部品12Bの流路22に配されてもよい。前方および後方本体部品12A、12Bは、溶着、接着、および/または、機械的連結のようないずれかの既知の技術を使用して、接合部50で接合される。接合部50は少なくとも液密であることが好ましい。針14および第2の針42は、いずれかの順序で、いずれかの既知の技術で本体部品12A、12Bに固定可能とされる。代替的に、物質32は、前方本体部品12Aが取り付けられた状態で、後方の本体部品12Bにおける流路22内に配設可能とされる。本体12は、接合部50Bで前方の本体部品12Aと接合される第3の本体部品12C(図2)のようなさらなる本体部品へと分割されてもよいことにさらに留意されたい。第3の本体部品12Cは、そこに固定された針14を有することができる。そのように、針14は、前方の本体部品12Aおよび後方の本体部品12B内の物質32から分離して準備し、組み立て得る。
【0033】
図5を参照すると、1以上の破裂可能な膜52が、フィルター16および第2のフィルター36の代わりに、またはそれに加えて、流路22内に利用可能とされる。物質32が湿性品(液体またはスラリー)である場合、破裂可能な膜52が、利用可能とされる。
【0034】
破裂可能な膜52は、1以上の第2の物質34の流れからの圧力のもとで破裂するように構成され得る。膜52は、上述したように、第2のフィルター36があろうとなかろうと、フィルター16によって引き起こされる乱流によって容易に破裂するように構成され得る。代替的に、膜52は、各膜52の破裂の閾値が、フィルター16および第2のフィルター36と同様の方法で、流れに同等の抵抗をもたらすように構成されるように、フィルター16、および/または、第2のフィルター36の代わりに使用可能とされる。例えば、第1の膜52Aが、流路22内で、流路22内で高められた所定圧力で破裂するように設定されたフィルター16の位置で、単独で利用されてもよい。この高められた圧力よって物質32、物質34を混合することができる。第2の膜52Bに関し、第2の膜52Bは、第1の膜52Aより容易に破裂するように構成され得る。これにより、フィルター16よりも多孔率が高い第2のフィルター36と同等の構成がもたらされる。膜52が、フィルター16と、随意的に第2のフィルター36と併せて使用される場合、膜52が、流路22の中の流れに対し最小抵抗をもたらすことが好ましい。この構成に関し、膜52は、容易に破裂し、第1のフィルター16および第2のフィルター36が使用される場合、複数の物質を混合させるとき、第1のフィルター16および第2のフィルター36が乱流を作ることができる。
【0035】
膜52は、液体不浸透性であり、フィルム、および/または、箔のような様々な破裂可能な材料から作られてもよい。膜52は、ニードルアッセンブリー10内に物質32を収容するように利用可能とされる。これは、物質32が湿性品である場合、特に有用である。
【0036】
ニードルアッセンブリー10は、使用しない場合、針14の末端30を覆うように形成されたニードルシードル54を含んでもよい。ニードルシードル54は、針14の使用前、および/または、使用後、末端30を覆うことができる。ニードルシードル54は、任意の既知の構成で形成することができ、本体12、および/または、針14に取り外し可能に保持するための取り外し可能な取付け用フィーチャを有することができる。例えば、ニードルシードル54は、ニードルシードル54が周りに取り付けられた状態で、針14が埋め込まれたエラストマーインナーライナーを含んでもよい。それに加えて、または、代替的に、ニードルシードル54は、本体12にスナップ取付けで嵌合させる突起または溝のような取付け用フィーチャを含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5