(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Bが、置換若しくは非置換オキシラニル環、置換若しくは非置換ピロリル環、置換若しくは非置換ピラゾリル環、置換若しくは非置換チエニル環、置換若しくは非置換ベンゾチエニル環、置換若しくは非置換フラン環、又は、置換若しくは非置換ベンゾフラン環を表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による好ましい化合物は、式中のAが以下のものからなるリストの中で選択される式(I)の化合物である:
* 式(A
1):
【化6】
【0019】
〔式中、
R
1〜R
3(ここで、該R
1〜R
3は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
2):
【化7】
【0020】
〔式中、
R
4〜R
6(ここで、該R
4〜R
6は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
3):
【化8】
【0021】
〔式中、
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表し;
R
8は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
4):
【化9】
【0022】
〔式中、
R
9〜R
11(ここで、該R
9〜R
11は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、アミノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルスルファニル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
5):
【化10】
【0023】
〔式中、
R
12及びR
13(ここで、該R
12及びR
13は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、アミノ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表し;
R
14は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、アミノ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
6):
【化11】
【0024】
〔式中、
R
15は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
16及びR
18(ここで、該R
16及びR
18は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシカルボニル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
17は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
7):
【化12】
【0025】
〔式中、
R
19は、水素原子又はC
1−C
5−アルキルを表し;
R
20〜R
22(ここで、該R
20〜R
22は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
8):
【化13】
【0026】
〔式中、
R
23は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
24は、水素原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
9):
【化14】
【0027】
〔式中、
R
25は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
26は、水素原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
10):
【化15】
【0028】
〔式中、
R
27は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
28は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、アミノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルアミノ、又は、置換若しくは非置換ジ(C
1−C
5−アルキル)アミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
11):
【化16】
【0029】
〔式中、
R
29は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
30は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、アミノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルアミノ、又は、置換若しくは非置換ジ(C
1−C
5−アルキル)アミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
12):
【化17】
【0030】
〔式中、
R
31は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表し;
R
32は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
33は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
13):
【化18】
【0031】
〔式中、
R
34は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
3−C
5−シクロアルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、置換若しくは非置換C
2−C
5−アルキニルオキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表し;
R
35は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、シアノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルスルファニル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、アミノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルアミノ、又は、置換若しくは非置換ジ(C
1−C
5−アルキル)アミノを表し;
R
36は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
14):
【化19】
【0032】
〔式中、
R
37及びR
38(ここで、該R
37及びR
38は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルスルファニルを表し;
R
39は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
15):
【化20】
【0033】
〔式中、
R
40及びR
41(ここで、該R
40及びR
41は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
16):
【化21】
【0034】
〔式中、
R
42及びR
43(ここで、該R
42及びR
43は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、又は、アミノを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
17):
【化22】
【0035】
〔式中、
R
44及びR
45(ここで、該R
44及びR
45は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
18):
【化23】
【0036】
〔式中、
R
47は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
46は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルスルファニルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
19):
【化24】
【0037】
〔式中、
R
49及びR
48(ここで、該R
49及びR
48は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
20):
【化25】
【0038】
〔式中、
R
50及びR
51(ここで、該R
50及びR
51は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
21):
【化26】
【0039】
〔式中、
R
52は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
22):
【化27】
【0040】
〔式中、
R
53は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
23):
【化28】
【0041】
〔式中、
R
54及びR
56(ここで、該R
54及びR
56は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
55は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
24):
【化29】
【0042】
〔式中、
R
57及びR
59(ここで、該R
57及びR
59は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
58は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
25):
【化30】
【0043】
〔式中、
R
60及びR
61(ここで、該R
60及びR
61は、同一であるか又は異なっていてもよい)は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し;
R
62は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環;
* 式(A
26):
【化31】
【0044】
〔式中、
R
65は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、置換若しくは非置換C
3−C
5−シクロアルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、置換若しくは非置換C
2−C
5−アルキニルオキシ、又は、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシを表し;
R
63は、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、シアノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルスルファニル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルコキシ、アミノ、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルアミノ、又は、ジ(C
1−C
5−アルキル)アミノを表し;
R
64は、水素原子、又は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕
で表されるヘテロ環。
【0045】
本発明によるさらに好ましい化合物は、式中のAが、本明細書中で定義されているA
2、A
5、A
6、A
10及びA
13からなるリストの中で選択される、式(I)の化合物である。
【0046】
本発明によるさらに一層好ましい化合物は、式中のAが、A
13〔ここで、R
34は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキル又は置換若しくは非置換C
1−C
5−アルコキシを表し、R
35は、水素原子又はハロゲン原子を表し、及び、R
36は、置換若しくは非置換C
1−C
5−アルキルを表す〕を表す、式(I)の化合物である。
【0047】
本発明によるさらに一層好ましい化合物は、式中のAが、A
13〔ここで、R
34は、C
1−C
5−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい3個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
5−ハロゲノアルキルを表し、R
35は、水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、及び、R
36は、メチルを表す〕を表す、式(I)の化合物である。
【0048】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のTがOを表す、式(I)の化合物である。
【0049】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のZ
1が置換又は非置換シクロプロピルを表す、式(I)の化合物である。
【0050】
本発明による別のさらに好ましい化合物は、式中のZ
1が非置換シクロプロピル又は2−C
1−C
5−アルキルシクロプロピルを表す、式(I)の化合物である。
【0051】
本発明による別のさらに一層好ましい化合物は、式中のZ
1が非置換シクロプロピルを表す、式(I)の化合物である。
【0052】
本発明による別のさらに一層好ましい化合物は、式中のZ
1が2−メチルシクロプロピルを表す、式(I)の化合物である。
【0053】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のZ
2及びZ
3が独立して水素原子又はメチルを表す、式(I)の化合物である。
【0054】
本発明によるさらに好ましい化合物は、式中のZ
2が水素原子を表し且つZ
3が水素原子又はメチルを表す、式(I)の化合物である。
【0055】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のnが0、1又は2を表す、式(I)の化合物である。
【0056】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のLが直接結合を表す、式(I)の化合物である。
【0057】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のLが酸素原子を表す、式(I)の化合物である。
【0058】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のLがメチレン基又はカルボニル基を表す、式(I)の化合物である。
【0059】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のBが置換若しくは非置換オキシラニル環、置換若しくは非置換ピロリル環、置換若しくは非置換ピラゾリル環、置換若しくは非置換チエニル環、置換若しくは非置換ベンゾチエニル環、置換若しくは非置換キノリニル環、置換若しくは非置換イソキノリニル環、置換若しくは非置換フラン環又は置換若しくは非置換ベンゾフラン環を表す、式(I)の化合物である。
【0060】
本発明による別のさらに好ましい化合物は、式中のBが置換又は非置換チエニル環を表す、式(I)の化合物である。
【0061】
本発明による別のさらに好ましい化合物は、式中のBが置換又は非置換ベンゾチエニル環を表す、式(I)の化合物である。
【0062】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のXが独立してハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
8−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
8−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
3−C
7−シクロアルキル、トリ(C
1−C
8−アルキル)シリル、置換若しくは非置換C
1−C
8−アルコキシ又は置換若しくは非置換C
1−C
8−アルキルスルファニルを表す、式(I)の化合物である。
【0063】
本発明による別の好ましい化合物は、式中のYが独立してハロゲン原子、置換若しくは非置換C
1−C
8−アルキル、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
8−ハロゲノアルキル、置換若しくは非置換C
1−C
8−アルコキシ、同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
8−ハロゲノアルコキシを表す、式(I)の化合物である。
【0064】
本発明による化合物の置換基に関して上記で挙げた好ましい態様は、さまざまに組み合わせることができる。好ましい態様についてのそのような組合せは、かくして、本発明による化合物のサブクラスを提供する。本発明による好ましい化合物のそのようなサブクラスの例は、以下のとおりである:
− Aの好ましい態様と、T、Z
1〜Z
3、n、X、L、B及びYの好ましい態様;
− Tの好ましい態様と、A、Z
1〜Z
3、n、X、L、B及びYの好ましい態様;
− Z
1の好ましい態様と、A、T、Z
2、Z
3、n、X、L、B及びYの好ましい態様;
− Z
2の好ましい態様と、A、T、Z
1、Z
3、n、X、L、B及びYの好ましい態様;
− Z
3の好ましい態様と、A、T、Z
1、Z
2、n、X、L、B及びYの好ましい態様;
− nの好ましい態様と、A、T、Z
1〜Z
3、X、L、B及びYの好ましい態様;
− Xの好ましい態様と、A、T、Z
1〜Z
3、n、L、B及びYの好ましい態様;
− Lの好ましい態様と、A、T、Z
1〜Z
3、n、X、B及びYの好ましい態様;
− Bの好ましい態様と、A、T、Z
1〜Z
3、n、X、L及びYの好ましい態様;
− Yの好ましい態様と、A、T、Z
1〜Z
3、n、X、L及びBの好ましい態様。
【0065】
本発明による化合物の置換基の好ましい態様についての上記組合せにおいて、当該好ましい態様を、A、T、Z
1〜Z
3、n、X、L、B及びYのそれぞれのさらに好ましい態様の中で選択して、本発明による化合物の最も好ましいサブクラスを構成させることもできる。
【0066】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物を調製する方法にも関する。
【0067】
かくして、本発明のさらなる態様により、本明細書中で定義されている式(I)〔式中、TはOを表す〕で表される化合物を調製するための調製方法P1が提供され、ここで、該調製方法は、式(II):
【化32】
【0068】
〔式中、Z
1、Z
2、Z
3、n、X、L及びBは、本明細書中で定義されているとおりである〕
で表されるアミン又はその塩のうちの1種類を、式(III):
【化33】
【0069】
〔式中、Aは、本明細書中で定義されているとおりであり、及び、U
1は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OR
a、−OC(=O)R
a(ここで、R
aは、置換若しくは非置換C
1−C
6−アルキル基、置換若しくは非置換C
1−C
6−ハロアルキル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基又はペンタフルオロフェニル基である)からなるリストの中で選択される脱離基を表すか、又は、式O−C(=O)Aで表される基を表す〕
で表されるカルボン酸誘導体と、必要な場合又は有用である場合には触媒の存在下で、及び、U
1がヒドロキシル基を表す場合には縮合剤の存在下で、及び、U
1がハロゲン原子を表す場合には酸結合剤の存在下で、反応させることを含む。
【0070】
式(II)で表されるN−置換アミン誘導体は、既知であるか、又は、アルデヒド若しくはケトンの還元的アミノ化(Bioorganics and Medicinal Chemistry Letters (2006), 16, 2014)又はイミンの還元(Tetrahedron (2005), 61, 11689)又はハロゲン、メシラート若しくはトシラートの求核置換反応(Journal of Medicinal Chemistry (2002), 45, 3887)などの既知調製方法によって調製することができる。
【0071】
式(III)で表されるカルボン酸誘導体は、既知であるか、又は、既知調製方法によって調製することができる。
【0072】
U
1がヒドロキシ基を表す場合、本発明による調製方法P1は縮合剤の存在下で実施する。適切な縮合剤は、以下のものからなる非限定的なリストの中で選択することができる:酸ハロゲン化物形成物質、例えば、ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、三塩化リン酸化物(phosphorous trichloride oxide)若しくは塩化チオニル;無水物形成物質、例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル若しくはメタンスルホニルクロリド;カルボジイミド類、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、又は、別の慣習的な縮合剤、例えば、五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/テトラクロロメタン、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート若しくは無水プロパンホスホン酸(T3P)。
【0073】
本発明による調製方法P1は、触媒の存在下で実施することができる。適切な触媒は、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はN,N−ジメチルホルムアミドからなるリストの中で選択することができる。
【0074】
U
1がハロゲン原子を表す場合、本発明による調製方法P1は酸結合剤の存在下で実施する。本発明による調製方法P1を実施するのに適した酸結合剤は、何れの場合にも、そのような反応に関して慣習的な全ての無機塩基及び有機塩基である。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、又は、アルカリ金属アルコキシド、例えば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシド、又は、別の水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロ−ノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)。
【0075】
付加的な縮合剤の非存在下で実施することも可能であり、或いは、過剰量の当該アミン成分を用いてそのアミン成分を同時に酸結合剤として作用させることも可能である。
【0076】
本発明による調製方法P1を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0077】
本発明による調製方法P1を実施する場合、式(II)で表されるアミン誘導体は、その塩として、例えば、塩酸塩又は別の任意の都合のよい塩として、使用することが可能である。
【0078】
本発明による調製方法P1を実施する場合、式(III)で表される試薬の1モル当たり、1モル又は過剰量の式(II)で表されるアミン誘導体及び1〜3モルの該酸結合剤を使用することができる。
【0079】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0080】
本発明のさらなる態様により、下記反応スキーム:
調製方法P2
【化34】
【0081】
〔ここで、A、T、Z
1、Z
2、Z
3、n、X及びBは、本明細書中で定義されているとおりであり、Lは、直接結合又はメチレン基を表し、U
2は、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はヨウ素)又はトリフラート基を表し、及び、W
1は、ホウ素誘導体(例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム誘導体)を表す〕
によって例証されている、式(I)〔式中、Lは、直接結合又はメチレン基を表す〕で表される化合物を調製するための2番目の調製方法P2が提供される。
【0082】
本発明は、従って、式(I)
【化35】
【0083】
〔式中、A、T、Z
1、Z
2、Z
3、n、X及びBは、請求項1〜14のいずれか1項において定義されているとおりであり、Lは、直接結合又はメチレン基を表す〕
で表される化合物を調製するための調製方法P2に関し、ここで、該調製方法は、式(IV)
【化36】
【0084】
〔式中、A、T、Z
1、Z
2、Z
3、n、Xは、上記で定義されているとおりであり、及び、U
2は、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はヨウ素)又はトリフラート基を表す〕
で表される化合物を、式(V)
【化37】
【0085】
〔式中、L及びBは、上記で定義されているとおりであり、W
1は、ホウ素誘導体(例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム誘導体)を表す〕
で表される化合物と反応させることを特徴とする。
【0086】
調製方法P2は、遷移金属触媒(例えば、パラジウム)の存在下、及び、適切な場合にはホスフィンリガンド又はN−ヘテロ環状カルベンリガンドの存在下、及び、塩基の存在下、及び、適切な場合には溶媒の存在下で、実施することができる。
【0087】
式(IV)で表される化合物は、既知調製方法(WO−2007/087906、及び、WO−2010/130767)で調製することが可能であり、及び、式(V)で表される化合物の調製は、よく知られている。
【0088】
本発明による調製方法P2は、触媒(例えば、金属塩又は錯体)の存在下で実施することができる。この目的のための適切な金属誘導体は、パラジウムなどの遷移金属触媒である。この目的のための適切な金属塩又は錯体は、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドなどである。
【0089】
パラジウム塩とリガンド又は塩〔例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、トリフェニル−ホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリス−2−(メトキシ−フェニル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)−エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン、(R)−(−)−1−[(S)−2−ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、トリス−(2,4−tert−ブチル−フェニル)ホスフィト、又は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド〕を該反応に別々に加えることによって、当該反応混合物の中でパラジウム錯体を生成させることも可能である。
【0090】
Strem Chemicalsによる“Metal Catalysts for Organic Synthesis”又はStrem Chemicalsによる“Phosphorous Ligands and Compounds”などの商業用カタログから適切な触媒及び/又はリガンドを選択することも有利である。
【0091】
本発明による調製方法P2を実施するのに適している塩基は、そのような反応に関して慣習的な無機塩基及び有機塩基であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、又は、別の水酸化アンモニウム誘導体;アルカリ土類金属、アルカリ金属又はアンモニウムのフッ化物、例えば、フッ化カリウム、フッ化セシウム又はフッ化テトラブチルアンモニウム;アルカリ土類金属又はアルカリ金属の炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム又は酢酸カルシウム;アルカリ金属アルコラート、例えば、カリウムter−ブトキシド又はナトリウムter−ブトキシド;アルカリ金属リン酸塩、例えば、リン酸三カリウム;第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU);及び、さらに、芳香族塩基、例えば、ピリジン、ピコリン類、ルチジン類又はコリジン類。
【0092】
本発明による調製方法P2を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0093】
本発明による調製方法P2は、共溶媒(例えば、水、又は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノール若しくはt−ブタノール)を用いて実施することも、有利であり得る。
【0094】
本発明による調製方法P2を実施する場合、式(IV)で表される化合物の1モル当たり、1モル又は過剰量の式(V)で表される化合物及び1〜5モルの塩基及び0.01〜20モル%のパラジウム錯体を使用することができる。
【0095】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0096】
本発明のさらなる態様により、下記反応スキーム:
調製方法P3
【化38】
【0097】
〔ここで、A、T、Z
1、Z
2、Z
3、n、X及びBは、本明細書中で定義されているとおりであり、U
3は、ハロゲン原子を表し、及び、Lは、酸素原子、硫黄原子又は1置換若しくは非置換窒素原子を表す〕
によって例証されている、式(I)〔式中、Lは、ヘテロ原子を表す〕で表される化合物を調製するための3番目の調製方法P3が提供される。
【0098】
本発明による調製方法P3は、塩基の存在下で実施する。
【0099】
式(VI)で表される化合物は、 既知調製方法(WO−2007/087906、及び、WO−2010/130767)で調製することが可能であり、及び、式(VII)で表される化合物の調製は、よく知られている。
【0100】
本発明による調製方法P3を実施するのに適している塩基は、そのような反応に関して慣習的な無機塩基及び有機塩基であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、又は、別の水酸化アンモニウム誘導体;アルカリ土類金属、アルカリ金属又はアンモニウムのフッ化物、例えば、フッ化カリウム、フッ化セシウム又はフッ化テトラブチルアンモニウム;アルカリ土類金属又はアルカリ金属の炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム又は酢酸カルシウム;アルカリ金属アルコラート、例えば、カリウムter−ブトキシド又はナトリウムter−ブトキシド;アルカリ金属リン酸塩、例えば、リン酸三カリウム;第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU);及び、さらに、芳香族塩基、例えば、ピリジン、ピコリン類、ルチジン類又はコリジン類。
【0101】
本発明による調製方法P3を実施するのに適している別の塩基は、アミド類又は有機金属誘導体であり得る。好ましいのは、以下のものである:アルカリ金属アミド類、例えば、ナトリウムアミド又はカリウムアミド;有機アミド類、例えば、リチウムジイソプロピルアミン(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラザン(KHMDS)又はナトリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS);有機リチウム誘導体、例えば、メチルリチウム、フェニルリチウム、ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソ−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム。
【0102】
本発明による調製方法P3を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0103】
本発明による調製方法P3を実施する場合、式(VI)で表される化合物の1モル当たり、1モル又は過剰量の式(VII)で表される化合物及び1〜5モルの塩基を使用することができる。
【0104】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0105】
本発明のさらなる態様により、下記反応スキーム:
調製方法P4
【化39】
【0106】
〔ここで、A、Z
1、Z
2、Z
3、n、X、L及びBは、本明細書中で定義されているとおりであり、及び、W
2は、pが1である場合、ホウ素誘導体(例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム誘導体)を表し、又は、W
2は、pが3である場合、Biを表す〕
に従う、式(I)で表される化合物を調製するための4番目の調製方法P4が提供される。
【0107】
式(IX)で表される化合物は、既知調製方法で調製することができる。
【0108】
本発明による調製方法P4は、酢酸銅(II)の存在下で実施する。
【0109】
本発明による調製方法P4を実施するのに適している塩基は、そのような反応に関して慣習的な無機塩基及び有機塩基であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属又はアルカリ金属の炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム;アルカリ金属リン酸塩、例えば、リン酸三カリウム;第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン;及び、さらに、芳香族塩基、例えば、ピリジン、ピコリン類、ルチジン類又はコリジン類。
【0110】
本発明による調製方法P4を実施するのに適している別の塩基は、そのような反応に関して慣習的な有機塩基であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:有機アミド類、例えば、リチウムジイソプロピルアミン(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラザン(KHMDS)又はナトリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS)。
【0111】
本発明による調製方法P4を実施するのに適しているリガンドは、そのような反応に関して慣習的な有機塩基であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:芳香族塩基、例えば、ピリジン、ピコリン類、ルチジン類、コリジン類、2,2’−ビピリジン又は1,10−フェナントロリン;及び、さらに、第3級アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン。
【0112】
本発明による調製方法P4を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0113】
本発明による調製方法P4を実施する場合、式(VIII)で表される化合物の1モル当たり、1モル又は過剰量の式(IX)で表される化合物を使用することができる。
【0114】
本発明による調製方法P4を実施する場合、式(VIII)で表される化合物の1モル当たり、1〜3モル又は過剰量の塩基を使用することができる。適切な場合には、さまざまな比率の塩基の組合せを使用することも可能である。
【0115】
本発明による調製方法P4を実施する場合、リガンドを使用しなくてもよいか、又は、式(VIII)で表される化合物の1モル当たり、0.1〜1モルのリガンドを使用することができる。
【0116】
本発明による調製方法P4を実施する場合、式(VIII)で表される化合物の1モル当たり、0.1〜2.5モル又は過剰量の酢酸銅(II)を使用することができる。
【0117】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0118】
式(III)で表される第2級アミドは、例えば、以下の反応スキーム:
【化40】
【0119】
〔ここで、A、T、Z
1、Z
2、Z
3、n、X及びBは、本明細書中で定義されているとおりであり;及び、
・ Lは、U
2がハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はヨウ素)又はトリフラート基を表し且つW
1がホウ素誘導体(例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム誘導体)を表す場合、直接結合又はメチレン基を表し(段階a);又は、
・ Lは、U
3がハロゲン原子を表す場合、酸素原子、硫黄原子又は1置換若しくは非置換窒素原子を表す(段階b)〕
に従って、調製することができる。
【0120】
式(IV)で表される第3級アミドは、例えば、以下の反応スキーム:
【化41】
【0121】
〔ここで、A、T、Z
1、Z
2、Z
3、n及びXは、本明細書中で定義されているとおりであり、U
2は、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はヨウ素)又はトリフラート基を表し;及び、
・ W
2は、pが1である場合、ホウ素誘導体(例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム誘導体)を表し;又は、
・ W
2は、pが3である場合、Biを表す〕
に従って、調製することができる。
【0122】
式(X)又は式(XI)で表される誘導体は、既知であるか、又は、既知調製方法(WO−2012/052490)に従って調製することができる。
【0123】
段階aは、調製方法P2に従って実施することが可能であり、段階bは、調製方法P3に従って実施することが可能であり、及び、段階cは、調製方法P4に従って実施することが可能である。
【0124】
本発明のさらなる態様により、下記反応スキーム:
調製方法P5
【化42】
【0125】
〔ここで、A、Z
1、Z
2、Z
3、n、X、L及びBは、本明細書中で定義されているとおりである〕
によって例証されている、式(I)〔式中、TはOを表す〕で表される化合物から出発して、式(I)〔式中、TはSを表す〕で表される化合物を調製するための4番目の調製方法P5が提供される。
【0126】
本発明による調製方法P5は、チオン化剤(thionating agent)の存在下で実施する。
【0127】
式(I)〔式中、TはOを表す〕で表される出発アミド誘導体は、調製方法P1、調製方法P2、調製方法P3及び調製方法P4に従って調製することができる。
【0128】
本発明による調製方法P5を実施するのに適しているチオン化剤は、場合により触媒量又は化学量論的量又は過剰量の塩基(例えば、無機塩基及び有機塩基)の存在下における、硫黄(S)、メルカプト酸(sulfhydric acid)(H
2S)、硫化ナトリウム(Na
2S)、水硫化ナトリウム(NaHS)、三硫化ホウ素(B
2S
3)、ビス(ジエチルアルミニウム)スルフィド((AlEt
2)
2S)、硫化アンモニウム((NH
4)
2S)、五硫化リン(phosphorous pentasulfide)(P
2S
5)、ローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,2,3,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)又はポリマー担持チオン化試薬(例えば、「Journal of the Chemical Society, Perkin 1 (2001), 358」に記載されているポリマー担持チオン化試薬)であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム;ヘテロ環式芳香族塩基、例えば、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン;及び、さらに、第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン又はN−メチル−ピペリジン。
【0129】
本発明による調製方法P5を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン又は1,2−ジエトキシエタン;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;硫黄含有溶媒、例えば、スルホラン又は二硫化炭素。
【0130】
本発明による調製方法P5を実施する場合、アミド反応体(I)の1モル当たり、1モル又は過剰量の硫黄当量(sulfur equivalent)のチオン化剤及び1〜3モルの塩基を使用することができる。
【0131】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0132】
本発明による調製方法P1、調製方法P2、調製方法P3、調製方法P4及び調製方法P5は、一般に、大気圧下で実施する。高圧下又は減圧下で実施することも可能である。
【0133】
本発明による調製方法P1、調製方法P2、調製方法P3、調製方法P4及び調製方法P5を実施する場合、その反応温度は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、これらの調製方法は、−75℃〜200℃の温度で、好ましくは、10℃〜150℃の温度で実施する。本発明による調製方法に関してその温度を制御する方法は、マイクロ波技術を使用することである。
【0134】
一般に、当該反応混合物を減圧下で濃縮する。残った残渣から、依然として存在している可能性のある不純物を、クロマトグラフィー又は結晶化などの既知方法によって除去することができる。
【0135】
後処理は、慣習的な方法で実施する。一般に、当該反応混合物を水で処理し、その有機相を分離し、脱水後、減圧下で濃縮する。適切な場合には、残った残渣から、依然として存在している可能性のある不純物を、クロマトグラフィー、結晶化又は蒸留などの慣習的な方法によって除去することができる。
【0136】
本発明による化合物は、上記で記載した一般的な調製方法に準じて調製することができる。それにもかかわらず、当業者が、自分の一般的な知識及び利用可能な刊行物に基づいて、合成することが望まれる本発明化合物のそれぞれの特性に応じて該調製方法を適合させることができるということは理解されるであろう。
【0137】
さらなる態様において、本発明は、本発明による調製方法に関する中間体化合物又は中間体物質として有用な、式(II)で表される化合物に関する。
【0138】
本発明は、かくして、式(IIa):
【化43】
【0139】
〔式中、Z
2、Z
3、n及びXは、本明細書中で定義されているとおりであり、並びに、Lは、直接結合であり、及び、B
1は、置換若しくは非置換オキシラニル環、置換若しくは非置換チエニル環、置換若しくは非置換ベンゾチエニル環、置換若しくは非置換フラン環又は置換若しくは非置換ベンゾフラン環である〕
で表される化合物及びそれらの許容される塩を提供するが、但し、(IIa)は、以下のものは表さない:
・ N−[2−(2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−(2−フリル)−4,5−ジメトキシベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−(3−ブロモ−2−フリル)−4,5−ジメトキシベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−(3−ブロモ−2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−(3−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[4,5−ジメトキシ−2−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン。
【0140】
本発明は、かくして、式(IIb):
【化44】
【0141】
〔式中、Z
2、Z
3、n及びXは、本明細書中で定義されているとおりであり、並びに、Lは、直接結合であり、及び、B
1は、置換若しくは非置換オキシラニル環、置換若しくは非置換チエニル環、置換若しくは非置換ベンゾチエニル環、置換若しくは非置換フラン環又は置換若しくは非置換ベンゾフラン環である〕
で表される化合物及びそれらの許容される塩を提供するが、但し、(IIb)は、以下のものは表さない:
・ N−[3−(2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[5−(2−フリル)−2−メトキシベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[4−フルオロ−3−(2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−フルオロ−5−(2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−フルオロ−5−(3−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[3−(3−ブロモ−2−フリル)−4−フルオロベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[3−(3−ブロモ−2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[5−(3−ブロモ−2−フリル)−2−フルオロベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[5−(3−ブロモ−2−フリル)−2−メトキシベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[3−(3−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[3−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[4−フルオロ−3−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−フルオロ−5−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−メトキシ−5−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ 5−{5−[(シクロプロピルアミノ)メチル]−2−フルオロフェニル}チオフェン−2−カルボニトリル。
【0142】
式(IIa)又は式(IIb)で表されるN−シクロプロピル誘導体は、既知方法に準じて調製することができる。
【0143】
本発明による式(IIa)で表される好ましい化合物は、以下のものである:
・ N−[5−クロロ−2−(2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[5−クロロ−2−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−(3−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−{1−[2−(3−チエニル)フェニル]エチル}シクロプロパンアミン
・ N−[5−クロロ−2−(3−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−(5−クロロ−2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[5−クロロ−2−(5−クロロ−2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン。
【0144】
本発明による式(IIb)で表される好ましい化合物は、以下のものである:
・ N−[2−クロロ−5−(2−フリル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−クロロ−5−(2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−クロロ−5−(3−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン
・ N−[2−クロロ−5−(5−クロロ−2−チエニル)ベンジル]シクロプロパンアミン。
【0145】
さらなる態様において、本発明は、本発明による調製方法に関する中間体化合物又は中間体物質として有用な、式(X)で表される化合物に関する。
【0146】
本発明は、かくして、式(Xa):
【化45】
【0147】
〔式中、Z
2及びZ
3は、本明細書中で定義されているとおりであり、Aは、A
13を表し、X
a1は、ハロゲン原子;置換若しくは非置換C
1−C
8−アルキル;同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
8−ハロゲノアルキル;置換若しくは非置換C
3−C
7−シクロアルキル;トリ(C
1−C
8−アルキル)シリル;置換若しくは非置換C
1−C
8−アルコキシ;又は、置換若しくは非置換C
1−C
8−アルキルスルファニルを表し、X
a2は、水素又はX
a1を表し、及び、U
2は、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はヨウ素)又はトリフラート基を表す〕
で表される化合物を提供するが、但し、(Xa)は、以下のものは表さない:
・ N−(2,5−ジクロロベンジル)−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−[1−(2,5−ジクロロフェニル)エチル]−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−[2−(2,5−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−[1−(2,5−ジクロロフェニル)シクロプロピル]−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ 5−クロロ−N−[1−(2,5−ジクロロフェニル)エチル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ 5−クロロ−N−[2−(2,5−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ 5−クロロ−N−[1−(2,5−ジクロロフェニル)シクロプロピル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ 5−クロロ−N−(2,5−ジクロロベンジル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−(5−ブロモ−2−フルオロベンジル)−1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−(5−ブロモ−2−フルオロベンジル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ 1−メチル−N−[1−(2,4,5−トリクロロフェニル)エチル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ 3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[1−(2,4,5−トリクロロフェニル)エチル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−(5−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−メチル−5−プロポキシ−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−(2,5−ジクロロベンジル)−1−メチル−5−プロポキシ−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド。
【0148】
本発明による式(Xa)で表される好ましい化合物は、以下のものである:
・ N−(5−クロロ−2−エチルベンジル)−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−[5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
・ N−[3−クロロ−2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド。
【0149】
本発明による式(Xa)で表される最も好ましい化合物は、以下のものである:
・ N−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド。
【0150】
さらなる態様において、本発明は、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の式(I)で表される活性化合物を含んでいる殺菌剤組成物にも関する。
【0151】
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量」という表現は、作物上に存在しているか又はおそらく出現するであろう菌類を防除又は駆除するのに充分で、且つ、該作物について植物毒性の感知可能などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。そのような量は、防除対象の菌類、作物の種類、気候条件、及び、本発明の殺菌剤組成物に含まれている化合物に応じて、広い範囲で変動し得る。そのような量は、当業者が実行可能な範囲内にある体系的な圃場試験により決定することが可能である。
【0152】
かくして、本発明により、活性成分としての有効量の本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物及び農業上許容される支持体、担体又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物が提供される。
【0153】
本発明によれば、用語「支持体(support)」は、式(I)の活性化合物と組み合わせて又は関連させて、特に植物の一部分に対して、より容易に施用できるようにする、天然又は合成の有機化合物又は無機化合物を意味する。このような支持体は、従って、一般に不活性であり、また、農業上許容されるものであるべきである。支持体は、固体であることができるし、又は、液体であることもできる。適切な支持体の例としては、クレー、天然又は合成のシリケート、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール(特に、ブタノール)、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体などを挙げることができる。このような支持体の混合物を使用することもできる。
【0154】
本発明の組成物には、さらにまた、付加的な成分も含有させることができる。特に、該組成物には、さらに、界面活性剤を含有させることができる。該界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性のタイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であることが可能であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物であることが可能である。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸官能基、スルホン酸官能基及びリン酸官能基を含んでいる上記化合物の誘導体。該活性化合物及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、並びに、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることが必要である。好ましくは、界面活性剤の含有量は、該組成物の5重量%〜40重量%であり得る。
【0155】
場合により、さらなる成分、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤などを含ませることもできる。さらに一般的には、該活性化合物は、通常の製剤技術に従う固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0156】
一般に、本発明の組成物には、0.05〜99重量%の活性化合物、好ましくは、10〜70重量%の活性化合物を含有させることができる。
【0157】
本発明の組成物は、エーロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold fogging concentrate)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、粒剤、温煙霧濃厚剤(hot fogging concentrate)、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、ペースト剤、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用粉剤、農薬粉衣種子、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、可溶性粉剤、種子処理用溶液剤、懸濁製剤(フロアブル剤)、微量散布用液剤(ultra low volume (ULV) liquid)、微量散布用懸濁液剤(ultra low volume (ULV) suspension)、顆粒水和剤、水分散性錠剤、スラリー処理用水和剤、水溶性顆粒剤、水溶性錠剤、種子処理用水溶性粉剤及び水和剤などのような、さまざまな形態及び製剤で使用することが可能である。これらの組成物には、処理対象の植物又は種子に対して噴霧装置又は散粉装置のような適切な装置を用いて施用される状態にある組成物のみではなく、作物に対して施用する前に希釈することが必要な商業的な濃厚組成物も包含される。
【0158】
上記製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性成分を少なくとも1種類の慣習的な増量剤、溶媒又は希釈剤、アジュバント、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固着剤、湿潤剤、撥水剤、適切な場合には、乾燥剤及び紫外線安定剤、並びに、適切な場合には、染料及び顔料、消泡剤、防腐剤、無機及び有機の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類、並びに、さらに、さらなる加工助剤、及び、さらに水と混合させることによって、調製することができる。調製しようとする製剤の型に応じて、さらなる加工段階、例えば、湿式粉砕、乾式粉砕及び造粒などが必要である。
【0159】
本発明による活性成分は、それだけで存在し得るか、又は、その(商業用)製剤中に、及び、そのような製剤から調製された使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤及び/又は情報化学物質などの別の(既知)活性成分との混合物として、存在し得る。
【0160】
式(I)で表される化合物及び本発明の殺菌剤組成物を使用して、植物又は作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除することができる。
【0161】
かくして、本発明のさらなる態様により、植物又は作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除する方法が提供され、ここで、該方法は、式(I)で表される化合物又は本発明の殺菌剤組成物を、種子、植物若しくは植物の果実に施用するか、又は、植物がそこで成育している土壌若しくは植物を栽培するのが望まれる土壌に施用することを特徴とする。
【0162】
本発明による処理方法は、さらにまた、塊茎又は根茎のような繁殖器官を処理するのにも有効であり得、さらには、種子、実生又は移植実生(seedlings pricking out)及び植物又は移植植物(plants pricking out)を処理するのにも有効であり得る。この処理方法は、根を処理するのにも有効であり得る。本発明による処理方法は、関係している植物の樹幹、茎又は柄、葉、花及び果実のような植物の地上部を処理するのにも有効であり得る。
【0163】
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。植物は、望ましい及び望ましくない野生植物、栽培品種並びに植物変種(植物変種又は植物育種家の権利によって保護されても又は保護されなくても)のような全ての植物及び植物群を意味する。栽培品種及び植物変種は、慣習的な繁殖方法及び育種方法(これらは、1種類以上の生物工学的方法によって、例えば、倍加半数体、プロトプラスト融合、ランダム突然変異誘発及び定方向突然変異誘発、分子標識若しくは遺伝標識又は生物工学法及び遺伝子工学法などを使用して、補助することができるか又は補うことができる)によって得られる植物であることができる。植物の部分は、植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官、例えば、枝条、葉、花及び根などを意味し、ここで、例えば、葉、針状葉、茎、枝、花、子実体、果実及び種子、並びに、根、球茎及び根茎などを挙げることができる。作物並びに栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagating material)、例えば、挿木(cutting)、球茎、根茎、匍匐茎及び種子なども、植物の部分に属する。
【0164】
本発明の方法で保護することが可能な植物の中で、以下のものを挙げることができる:主要農作物、例えば、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、アブラナ属油料種子(Brassica oilseeds)、例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、カノラ)、カブ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、マスタード)及びアビシニアガラシ(Brassica carinata)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ、ライコムギ、アマ、ブドウの木、並びに、種々の植物学的分類群に属するさまざまな果実及び野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果(pip fruit)、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド及びモモ、液果(berry fruits)、例えば、イチゴ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びバナナ園(banana trees and plantings))、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ナス)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Compositiae sp.)(例えば、レタス、チョウセンアザミ及びチコリー(これは、ルートチコリー(root chicory)、エンダイブ又はキクニガナを包含する))、セリ科各種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリ及びセルリアック)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ(これは、ピックルキュウリ(pickling cucumber)を包含する)、カボチャ、スイカ、ヒョウタン及びメロン)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、タマネギ及びリーキ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、コショウソウ、ハクサイ)、マメ科各種(Leguminosae sp.)(例えば、ラッカセイ、エンドウ及びインゲンマメ(例えば、クライミングビーン(climbing beans)及びソラマメ))、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ(mangold)、フダンソウ(spinach beet)、ホウレンソウ、ビートルート)、アオイ科(Malvaceae)(例えば、オクラ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);園芸作物及び森林作物(forest crops);観賞植物;及び、これら作物の遺伝子組み換えが行われた相同物。
【0165】
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば、植物又は種子などの処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術又はRNA干渉(RNAi)技術などを使用する〕。ゲノム内に位置している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0166】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。かくして、例えば、本発明により使用し得る活性化合物及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0167】
特定の施用量において、本発明による活性化合物組合せは、植物において強化効果(strengthening effect)も示し得る。従って、本発明の活性化合物組合せは、望ましくない微生物類による攻撃に対して植物の防御システムを動員させるのにも適している。これは、適切な場合には、本発明による組合せの例えば菌類に対する強化された活性の理由のうちの1つであり得る。本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない微生物類を接種されたときに、それらの微生物類に対して実質的な程度の抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質又は物質の組合せを意味するものと理解される。この場合、望ましくない微生物類は、植物病原性の菌類、細菌類及びウイルス類を意味するものと理解される。従って、処理後特定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために、本発明の物質を用いることができる。保護が達成される期間は、植物が該活性化合物で処理されてから、一般に、1〜10日間、好ましくは、1〜7日間である。
【0168】
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種は、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的方法によって得られたものであろうと)を包含する。
【0169】
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレスに対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
【0170】
線虫抵抗性植物の例は、例えば、米国特許出願第11/765,491号、米国特許出願第11/765,494号、米国特許出願第10/926,819号、米国特許出願第10/782,020号、米国特許出願第12/032,479号、米国特許出願第10/783,417号、米国特許出願第10/782,096号、米国特許出願第11/657,964号、米国特許出願第12/192,904号、米国特許出願第11/396,808号、米国特許出願第12/166,253号、米国特許出願第12/166,239号、米国特許出願第12/166,124号、米国特許出願第12/166,209号、米国特許出願第11/762,886号、米国特許出願第12/364,335号、米国特許出願第11/763,947号、米国特許出願第12/252,453号、米国特許出願第12/209,354号、米国特許出願第12/491,396号又は米国特許出願第12/497,221号などに記載されている。
【0171】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレスに対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の塩分濃度の上昇、より多くの鉱物に晒されること、オゾンに晒されること、強い光に晒されること、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、日陰回避などを挙げることができる。
【0172】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、改善された植物の生理機能、生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、限定するものではないが、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量及び油の組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
【0173】
上記形質を有している植物の例は、表Aの中に非網羅的に挙げられている。
【0174】
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレスに対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male−sterile parent line)(雌性親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male−fertile parent line)(雄性親)と交雑させることによって作られる。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって〔即ち、雄性繁殖器官(又は雄花)を機械的に除去することによって〕、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、該ハイブリッド植物において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有用である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記述された(W0 92/05251、WO 95/09910、WO 98/27806、WO 05/002324、WO 06/021972、及び、US 6,229,072)。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在し得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO 89/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる(例えば、WO 91/02069)。
【0175】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0176】
除草剤抵抗性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。植物は、種々の方法によって、グリホセートに対して耐性にすることができる。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Comai et al., 1983, Science 221, 370−371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barry et al., 1992, Curr. Topics Plant Physiol. 7, 139−145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al., 1986, Science 233, 478−481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(Gasser et al., 1988, J. Biol. Chem. 263, 4280−4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO 01/66704)。それは、例えばEP 0837944、WO 00/66746、WO 00/66747又はWO 02/26995などに記述されているように、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、米国特許第5,776,760号及び米国特許第5,463,175号に記述されているように、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 02/36782、WO 03/092360、WO 05/012515及びWO 07/024782などに記述されているように、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 01/024615又はWO 03/013226などに記述されているように、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。グリホセート耐性を付与するEPSPS遺伝子を発現する植物は、例えば、米国特許出願第11/517,991号、米国特許出願第10/739,610号、米国特許出願第12/139,408号、米国特許出願第12/352,532号、米国特許出願第11/312,866号、米国特許出願第11/315,678号、米国特許出願第12/421,292号、米国特許出願第11/400,598号、米国特許出願第11/651,752号、米国特許出願第11/681,285号、米国特許出願第11/605,824号、米国特許出願第12/468,205号、米国特許出願第11/760,570号、米国特許出願第11/762,526号、米国特許出願第11/769,327号、米国特許出願第11/769,255号、米国特許出願第11/943801号又は米国特許出願第12/362,774号などに記載されている。グリホセート耐性を付与する別の遺伝子(例えば、デカルボキシラーゼ遺伝子)を含んでいる植物は、例えば、米国特許出願第11/588,811号、米国特許出願第11/185,342号、米国特許出願第12/364,724号、米国特許出願第11/185,560号又は米国特許出願第12/423,926号などに記載されている。
【0177】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる(例えば、米国特許出願第11/760,602号に記載されている)。そのような有効な一解毒酵素は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトマイセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えば、米国特許第5,561,236号、米国特許第5,648,477号、米国特許第5,646,024号、米国特許第5,273,894号、米国特許第5,637,489号、米国特許第5,276,268号、米国特許第5,739,082号、米国特許第5,908,810号及び米国特許第7,112,665号などに記述されている。
【0178】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ類は、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、WO 96/38567、WO 99/24585、WO 99/24586、WO 2009/144079、WO 2002/046387又はUS 6,768,044に記述されているように、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素若しくはキメラHPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物及び遺伝子は、WO 99/34008及びWO 02/36787に記述されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO 2004/024928に記述されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えてプレフェナートデスヒドロゲナーゼ(PDH)活性を有する酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。さらに、植物は、WO 2007/103567及びWO 2008/150473に記載されているように、そのゲノムの中にHPPD阻害薬を代謝又は分解することが可能な酵素(例えば、CYP450酵素)をコードする遺伝子を加えることによって、HPPD阻害薬除草剤に対してさらに耐性にすることができる。
【0179】
さらに別の除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright(2002, Weed Science 50:700−712)」などに記述され、さらに、米国特許第5,605,011号、米国特許第5,378,824号、米国特許第5,141,870号及び米国特許第5,013,659号などにも記述されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、米国特許第5,605,011号、米国特許第5,013,659号、米国特許第5,141,870号、米国特許第5,767,361号、米国特許第5,731,180号、米国特許第5,304,732号、米国特許第4,761,373号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,928,937号及び米国特許第5,378,824号並びに国際公開WO 96/33270号に記述されている。別のイミダゾリノン耐性植物についても、例えば、WO 2004/040012、WO 2004/106529、WO 2005/020673、WO 2005/093093、WO 2006/007373、WO 2006/015376、WO 2006/024351及びWO 2006/060634などに記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物は、さらにまた、例えば、WO 07/024782及び米国特許出願第61/288958号などにも記述されている。
【0180】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示す別の植物は、例えば、ダイズに関しては米国特許第5,084,082号に記述されているように、イネに関してはWO 97/41218に記述されているように、テンサイに関しては米国特許第5,773,702号及びWO 99/057965に記述されているように、レタスに関しては米国特許第5,198,599号に記述されているように、又は、ヒマワリに関してはWO 01/065922に記述されているように、誘導された突然変異誘発、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜又は突然変異育種によって得ることができる。
【0181】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0182】
本明細書中で使用されている場合、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、クリックモアら「Crickmore et al. (1998, Microbiology and Molecular Biology Reviews, 62:807−813」によって記載され、クリックモアら「Crickmore et al. (2005)」によって、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」上で「バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法」において更新された殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質若しくはその殺虫活性を示す一部分(例えば、EP 1999141、及び、WO 2007/107302)、又は、例えば米国特許出願第12/249,016に記載されている合成遺伝子によってコードされているタンパク質;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する第2の別の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cry34結晶タンパク質とCry35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン(Moellenbeck et al. 2001, Nat. Biotechnol. 19:668−72; Schnepf et al. 2006, Applied Environm. Microbiol. 71, 1765−1774)、又は、Cry1A若しくはCry1Fタンパク質とCry2Aa若しくはCry2Ab若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する種々の殺虫性結晶タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON89034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1Aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン(WO 94/21795);又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する種々の分泌タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記(5)〜(7)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質;又は、
(9) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP3とCry1A若しくはCry1Fで構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第61/126083号、及び、米国特許出願第61/195019号)、又は、VIP3タンパク質とCry2Aaタンパク質若しくはCry2Abタンパク質若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(10) 上記(9)のタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの。
【0183】
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含んでいる任意の植物も包含する。一実施形態では、異なった標的昆虫種に対して異なったタンパク質を使用した場合に影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫体内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含んでいる。
【0184】
「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、さらに、例えばWO 2007/080126、WO 2006/129204、WO 2007/074405、WO 2007/080127及びWO 2007/035650などに記述されているような、植物の害虫に摂取されたときにその害虫の成長を阻害する二本鎖RNAを発現時に産生する配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物も包含する。
【0185】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレスに対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(1) 植物細胞内又は植物内におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物(WO 00/04173、WO /2006/045633、EP 04077984.5又はEP 06009836.5に記述されている);
(2) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、WO 2004/090140などに記述されている);
(3) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ合成経路の植物機能性酵素(plant−functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、EP 04077624.7、WO 2006/133827、PCT/EP07/002433、EP 1999263又はWO 2007/107326などに記述されている)。
【0186】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的特性〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度(gelling strength)、澱粉粒径及び/又は澱粉粒子形態〕が変えられていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物。変性澱粉を合成する該トランスジェニック植物は、例えば、EP 0571427、WO 95/04826、EP 0719338、WO 96/15248、WO 96/19581、WO 96/27674、WO 97/11188、WO 97/26362、WO 97/32985、WO 97/42328、WO 97/44472、WO 97/45545、WO 98/27212、WO 98/40503、WO 99/58688、WO 99/58690、WO 99/58654、WO 00/08184、WO 00/08185、WO 00/08175、WO 00/28052、WO 00/77229、WO 01/12782、WO 01/12826、WO 02/101059、WO 03/071860、WO 2004/056999、WO 2005/030942、WO 2005/030941、WO 2005/095632、WO 2005/095617、WO 2005/095619、WO 2005/095618、WO 2005/123927、WO 2006/018319、WO 2006/103107、WO 2006/108702、WO 2007/009823、WO 00/22140、WO 2006/063862、WO 2006/072603、WO 02/034923、EP 06090134.5、EP 06090228.5、EP 06090227.7、EP 07090007.1、EP 07090009.7、WO 01/14569、WO 02/79410、WO 03/33540、WO 2004/078983、WO 01/19975、WO 95/26407、WO 96/34968、WO 98/20145、WO 99/12950、WO 99/66050、WO 99/53072、US 6,734,341、WO 00/11192、WO 98/22604、WO 98/32326、WO 01/98509、WO 01/98509、WO 2005/002359、US 5,824,790、US 6,013,861、WO 94/04693、WO 94/09144、WO 94/11520、WO 95/35026、WO 97/20936に開示されている;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか又は遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物(EP 0663956、WO 96/01904、WO 96/21023、WO 98/39460及びWO 99/24593に開示されている)、α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 95/31553、US 2002031826、US 6,284,479、US 5,712,107、WO 97/47806、WO 97/47807、WO 97/47808及びWO 00/14249に開示されている)、α−1,6−分枝 α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 00/73422に開示されている)、及び、アルテルナンを産生する植物(WO 00/47727、WO 00/73422、EP 06077301.7、US 5,908,975及びEP 0728213などに開示されている)である;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物(例えば、WO 2006/032538、WO 2007/039314、WO 2007/039315、WO 2007/039316、JP 2006304779及びWO 2005/012529などに開示されている)。
【0187】
(4) トランスジェニック植物又はハイブリッド植物、例えば、「可溶性固形物高含有量」、「低辛味」(LP)及び/又は「長期保存」(LS)などの特性を有するタマネギ(米国特許出願第12/020,360号及び米国特許出願第61/054,026号に記述されている)。
【0188】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) 改変された形態のセルロースシンターゼ遺伝子を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 98/00549に記述されている);
(b) 改変された形態のrsw2相同核酸又はrsw3相同核酸を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 2004/053219に記述されている);
(c) スクロースリン酸シンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 01/17333に記述されている);
(d) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 02/45485に記述されている);
(e) 繊維細胞に基づいた原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β−1,3−グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物)(WO 2005/017157に記述されているか、又は、EP 08075514.3若しくは米国特許出願第61/128,938号に記述されている);
(f) 反応性が(例えば、nodCを包含するN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)(WO 2006/136351に記述されている)。
【0189】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,969,169、US 5,840,946、US 6,323,392又はUS 6,063,947などに記載されている);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(US 6,270,828、US 6,169,190又はUS 5,965,755に記載されている);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、米国特許第5,434,283号又は米国特許出願第12/668303号などに記載されている)。
【0190】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された種子脱粒特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された種子脱粒特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、種子の脱粒が遅延されているか又は低減されている植物(例えば、ナタネ植物)などがある(米国特許出願第61/135,230号、WO 09/068313及びWO 10/006732に記述されている)。
【0191】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、アメリカ合衆国内における規制除外(non−regulated status)についてのアメリカ合衆国農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)に対する申請の対象である(ここで、そのような申請は、許可されているか又は審理中である)、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物である。いつ何時でも、この情報は、APHIS(4700 River Road Riverdale, MD 20737,USA)から、例えば、そのインターネットサイト(URL http://www.aphis.usda.gov/brs/not_reg.html)において、容易に入手することができる。本出願の出願日においてAPHISが審理中であるか又はAPHISによって許可された規制除外に対する申請は、下記情報を含んでいる表Bに記載されている申請であった:
− 申請: 当該申請の識別番号。形質転換イベントについての技術的な記述は、APHISから(例えば、APHISのウェブサイトにおいて、該申請番号を参照することによって)入手可能な個々の申請書類の中に見いだすことができる。それらの記述は、参照によって本明細書中に組み入れる。
【0192】
− 申請の拡張: 拡張が請求されている、先の申請についての言及。
【0193】
− 会社: 当該申請を提出している事業体の名称。
【0195】
− トランスジェニック表現型: 形質転換イベントによって植物に付与された形質。
【0196】
− 形質転換イベント又はライン: 規制除外が請求されている1つ又は複数のイベント(場合により、ラインとも称される)の名称。
【0197】
− APHIS文書: APHISに請求することが可能な、申請に関してAPHISによって刊行されている種々の文書。
【0198】
単一の形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる特に有用なさらなる植物は、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関によるデータベースに記載されている〔例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://www.agbios.com/dbase.php」を参照されたい〕。
【0199】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、下記のものを包含する、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいて例えば国又は地域のさまざまな規制機関によるデータベースに記載されている植物である:イベント1143−14A(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128569に記載されている);イベント1143−51B(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128570に記載されている);イベント1445(ワタ、除草剤耐性、寄託されていない、US−A 2002−120964又はWO02/034946に記載されている);イベント17053(イネ、除草剤耐性、PTA−9843として寄託されている、WO2010/117737に記載されている);イベント17314(イネ、除草剤耐性、PTA−9844として寄託されている、WO2010/117735に記載されている);イベント281−24−236(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−6233として寄託されている、WO2005/103266又はUS−A 2005−216969に記載されている);イベント3006−210−23(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−6233として寄託されている、US−A 2007−143876又はWO2005/103266に記載されている);イベント3272(トウモロコシ、品質形質、PTA−9972として寄託されている、WO2006/098952又はUS−A 2006−230473に記載されている);イベント40416(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−11508として寄託されている、WO2011/075593に記載されている);イベント43A47(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−11509として寄託されている、WO2011/075595に記載されている);イベント5307(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA−9561として寄託されている、WO2010/077816に記載されている);イベントASR−368(ベントグラス、除草剤耐性、ATCC PTA−4816として寄託されている、US−A 2006−162007又はWO2004/053062に記載されている);イベントB16(トウモロコシ、除草剤耐性、寄託されていない、US−A 2003−126634に記載されている);イベントBPS−CV127−9(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB No.41603として寄託されている、WO2010/080829に記載されている);イベントCE43−67B(ワタ、昆虫防除、DSM ACC2724として寄託されている、US−A 2009−217423又はWO2006/128573に記載されている);イベントCE44−69D(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、US−A 2010−0024077に記載されている);イベントCE44−69D(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128571に記載されている);イベントCE46−02A(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128572に記載されている);イベントCOT102(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、US−A 2006−130175又はWO2004/039986に記載されている);イベントCOT202(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、US−A 2007−067868又はWO2005/054479に記載されている);イベントCOT203(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2005/054480に記載されている);イベントDAS40278(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA−10244として寄託されている、WO2011/022469に記載されている);イベントDAS−59122−7(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA 11384として寄託されている、US−A 2006−070139に記載されている);イベントDAS−59132(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、寄託されていない、WO2009/100188に記載されている);イベントDAS68416(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA−10442として寄託されている、WO2011/066384又はWO2011/066360に記載されている);イベントDP−098140−6(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA−8296として寄託されている、US−A 2009−137395又はWO2008/112019に記載されている);イベントDP−305423−1(ダイズ、品質形質、寄託されていない、US−A 2008−312082又はWO2008/054747に記載されている);イベントDP−32138−1(トウモロコシ、ハイブリダイゼーション系、ATCC PTA−9158として寄託されている、US−A 2009−0210970又はWO2009/103049に記載されている);イベントDP−356043−5(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA−8287として寄託されている、US−A 2010−0184079又はWO2008/002872に記載されている);イベントEE−1(ナス、昆虫防除、寄託されていない、WO2007/091277に記載されている);イベントFI117(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209031として寄託されている、US−A 2006−059581又はWO98/044140に記載されている);イベントGA21(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209033として寄託されている、US−A 2005−086719又はWO1998/044140に記載されている);イベントGG25(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209032として寄託されている、US−A 2005−188434又はWO98/044140に記載されている);イベントGHB119(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−8398として寄託されている、WO2008/151780に記載されている);イベントGHB614(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA−6878として寄託されている、US−A 2010−050282又はWO2007/017186に記載されている);イベントGJ11(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209030として寄託されている、US−A 2005−188434又はWO98/044140に記載されている);イベントGM RZ13(テンサイ、ウイルス抵抗性、NCIMB−41601として寄託されている、WO2010/076212に記載されている);イベントH7−1(テンサイ、除草剤耐性、NCIMB 41158又はNCIMB 41159として寄託されている、US−A 2004−172669又はWO2004/074492に記載されている);イベントJOPLIN1(コムギ、耐病性、寄託されていない、US−A 2008−064032に記載されている);イベントLL27(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB41658として寄託されている、WO2006/108674又はUS−A 2008−320616に記載されている);イベントLL55(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB 41660として寄託されている、WO2006/108675又はUS−A 2008−196127に記載されている);イベントLLワタ25(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA−3343として寄託されている、WO03/013224又はUS−A 2003−097687に記載されている);イベントLLRICE06(イネ、除草剤耐性、ATCC−23352として寄託されている、US 6,468,747又はWO00/026345に記載されている);イベントLLRICE601(イネ、除草剤耐性、ATCC PTA−2600として寄託されている、US−A 2008−2289060又はWO00/026356に記載されている);イベントLY038(トウモロコシ、品質形質、ATCC PTA−5623として寄託されている、US−A 2007−028322又はWO2005/061720に記載されている);イベントMIR162(トウモロコシ、昆虫防除、PTA−8166として寄託されている、US−A 2009−300784又はWO2007/142840に記載されている);イベントMIR604(トウモロコシ、昆虫防除、寄託されていない、US−A 2008−167456又はWO2005/103301に記載されている);イベントMON15985(ワタ、昆虫防除、ATCC PTA−2516として寄託されている、US−A 2004−250317又はWO02/100163に記載されている);イベントMON810(トウモロコシ、昆虫防除、寄託されていない、US−A 2002−102582に記載されている);イベントMON863(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA−2605として寄託されている、WO2004/011601又はUS−A 2006−095986に記載されている);イベントMON87427(トウモロコシ、授粉制御、ATCC PTA−7899として寄託されている、WO2011/062904に記載されている);イベントMON87460(トウモロコシ、ストレス耐性、ATCC PTA−8910として寄託されている、WO2009/111263又はUS−A 2011−0138504に記載されている);イベントMON87701(ダイズ、昆虫防除、ATCC PTA−8194として寄託されている、US−A 2009−130071又はWO2009/064652に記載されている);イベントMON87705(ダイズ、品質形質−除草剤耐性、ATCC PTA−9241として寄託されている、US−A 2010−0080887又はWO2010/037016に記載されている);イベントMON87708(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA9670として寄託されている、WO2011/034704に記載されている);イベントMON87754(ダイズ、品質形質、ATCC PTA−9385として寄託されている、WO2010/024976に記載されている);イベントMON87769(ダイズ、品質形質、ATCC PTA−8911として寄託されている、US−A 2011−0067141又はWO2009/102873に記載されている);イベントMON88017(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−5582として寄託されている、US−A 2008−028482又はWO2005/059103に記載されている);イベントMON88913(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA−4854として寄託されている、WO2004/072235又はUS−A 2006−059590に記載されている);イベントMON89034(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA−7455として寄託されている、WO2007/140256又はUS−A 2008−260932に記載されている);イベントMON89788(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA−6708として寄託されている、US−A 2006−282915又はWO2006/130436に記載されている);イベントMS11(ナタネ、授粉制御−除草剤耐性、ATCC PTA−850又はPTA−2485として寄託されている、WO01/031042に記載されている);イベントMS8(ナタネ、授粉制御−除草剤耐性、ATCC PTA−730として寄託されている、WO01/041558又はUS−A 2003−188347に記載されている);イベントNK603(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA−2478として寄託されている、US−A 2007−292854に記載されている);イベントPE−7(イネ、昆虫防除、寄託されていない、WO2008/114282に記載されている);イベントRF3(ナタネ、授粉制御−除草剤耐性、ATCC PTA−730として寄託されている
、WO01/041558又はUS−A 2003−188347に記載されている);イベントRT73(ナタネ、除草剤耐性、寄託されていない、WO02/036831又はUS−A 2008−070260に記載されている);イベントT227−1(テンサイ、除草剤耐性、寄託されていない、WO02/44407又はUS−A 2009−265817に記載されている);イベントT25(トウモロコシ、除草剤耐性、寄託されていない、US−A 2001−029014又はWO01/051654に記載されている);イベントT304−40(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−8171として寄託されている、US−A 2010−077501又はWO2008/122406に記載されている);イベントT342−142(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128568に記載されている);イベントTC1507(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、寄託されていない、US−A 2005−039226又はWO2004/099447に記載されている);イベントVIP1034(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−3925として寄託されている、WO03/052073に記載されている)、イベント32316(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−11507として寄託されている、WO2011/084632に記載されている)、イベント4114(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−11506として寄託されている、WO2011/084621に記載されている)。
【0200】
本発明の方法で防除することが可能な植物又は作物の病害の中で、以下のものを挙げることができる:
・ うどんこ病(powdery mildew disease)、例えば、
ブルメリア(Blumeria)病、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)に起因するもの;
ポドスファエラ(Podosphaera)病、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)に起因するもの;
スファエロテカ(Sphaerotheca)病、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)に起因するもの;
ウンシヌラ(Uncinula)病、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に起因するもの;
・ さび病(rust disease)、例えば、
ギムノスポランギウム(Gymnosporangium)病、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)に起因するもの;
ヘミレイア(Hemileia)病、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix)に起因するもの;
ファコプソラ(Phakopsora)病、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)又はファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)に起因するもの;
プッシニア(Puccinia)病、例えば、プッシニア・レコンジテ(Puccinia recondite)、プッシニア・グラミニス(Puccinia graminis)又はプッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis)に起因するもの;
ウロミセス(Uromyces)病、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)に起因するもの;
・ 卵菌類による病害(Oomycete disease)、例えば、
アルブゴ(Albugo)病、例えば、アルブゴ・カンジダ(Albugo candida)に起因するもの;
ブレミア(Bremia)病、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)に起因するもの;
ペロノスポラ(Peronospora)病、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に起因するもの;
プラスモパラ(Plasmopara)病、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)に起因するもの;
プセウドペロノスポラ(Pseudoperonospora)病、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
・ 葉斑点性、葉汚斑性及び葉枯れ性の病害(leafspot, leaf blotch and leaf blight disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に起因するもの;
セルコスポラ(Cercospora)病、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)に起因するもの;
クラジオスポルム(Cladiosporum)病、例えば、クラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera、異名:Helminthosporium)又はコクリオボルス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus)に起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium)に起因するもの;
シクロコニウム(Cycloconium)病、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum)に起因するもの;
ジアポルテ(Diaporthe)病、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)に起因するもの;
エルシノエ(Elsinoe)病、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii)に起因するもの;
グロエオスポリウム(Gloeosporium)病、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor)に起因するもの;
グロメレラ(Glomerella)病、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)に起因するもの;
グイグナルジア(Guignardia)病、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)に起因するもの;
レプトスファエリア(Leptosphaeria)病、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeia nodorum)に起因するもの;
マグナポルテ(Magnaporthe)病、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)に起因するもの;
ミコスファエレラ(Mycosphaerella)病、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、ミコスファエレラ・アラキジコラ(Mycosphaerella arachidicola)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)に起因するもの;
ファエオスファエリア(Phaeosphaeria)病、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)又はピレノホラ・トリチシ・レペンチス(Pyrenophora tritici repentis)に起因するもの;
ラムラリア(Ramularia)病、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni)又はラムラリア・アレオラ(Ramularia areola)に起因するもの;
リンコスポリウム(Rhynchosporium)病、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)又はセプトリア・リコペルシシ(Septoria lycopersici)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベンツリア(Venturia)病、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)に起因するもの;
・ 根、葉鞘及び茎の病害(root, sheath and stem disease)、例えば、
コルチシウム(Corticium)病、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)に起因するもの;
ガエウマンノミセス(Gaeumannomyces)病、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
サロクラジウム(Sarocladium)病、例えば、サロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)に起因するもの;
スクレロチウム(Sclerotium)病、例えば、スクレロチウム・オリザエ(Sclerotium oryzae)に起因するもの;
タペシア(Tapesia)病、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis)に起因するもの;
チエラビオプシス(Thielaviopsis)病、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)に起因するもの;
・ 穂の病害(ear and panicle disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)に起因するもの;
クラビセプス(Claviceps)病、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
・ 黒穂病(smut and bunt disease)、例えば、
スファセロテカ(Sphacelotheca)病、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)に起因するもの;
チレチア(Tilletia)病、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)に起因するもの;
ウロシスチス(Urocystis)病、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta)に起因するもの;
ウスチラゴ(Ustilago)病、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)に起因するもの;
・ 果実の腐敗性及び黴性の病害(fruit rot and mould disease)、例えば、
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
リゾプス(Rhizopus)病、例えば、リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)に起因するもの;
スクレロチニア(Sclerotinia)病、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticilium)病、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum)に起因するもの;
・ 種子及び土壌が媒介する腐朽性、黴性、萎凋性、腐敗性及び苗立ち枯れ性の病害(seed and soilborne decay, mould, wilt, rot and damping−off disease)、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)に起因するもの;
アファノミセス(Aphanomyces)病、例えば、アファノミセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)に起因するもの;
アスコキタ(Ascochyta)病、例えば、アスコキタ・レンチス(Ascochyta lentis)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera、Bipolaris 異名:Helminthosporium)に起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・ココデス(Colletotrichum coccodes)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
マクロホミナ(Macrophomina)病、例えば、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
ホマ(Phoma)病、例えば、ホマ・リンガム(Phoma lingam)に起因するもの;
ホモプシス(Phomopsis)病、例えば、ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)に起因するもの;
ピリクラリア(Pyricularia)病、例えば、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
リゾプス(Rhizopus)病、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)に起因するもの;
スクレロチウム(Sclerotium)病、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticillium)病、例えば、ベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae)に起因するもの;
・ 腐乱性病害、開花病及び枯れ込み性病害(canker, broom and dieback disease)、例えば、
ネクトリア(Nectria)病、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)に起因するもの;
・ 枯損性病害(blight disease)、例えば、
モニリニア(Monilinia)病、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa)に起因するもの;
・ 葉水泡性病害又は縮葉病(leaf blister or leaf curl disease)、例えば、
エキソバシジウム(Exobasidium)病、例えば、エキソバシジウム・ベキサンス(Exobasidium vexans)に起因するもの;
タフリナ(Taphrina)病、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans)に起因するもの;
・ 木本植物の衰退性病害(decline disease of wooden plant)、例えば、
エスカ(Esca)病、例えば、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella clamydospora)に起因するもの;
ユーティパダイバック病(Eutypa dyeback)、例えば、ユーティパ・ラタ(Eutypa lata)に起因するもの;
ガノデルマ(Ganoderma)病、例えば、ガノデルマ・ボニネンセ(Ganoderma boninense)に起因するもの;
リギドポルス(Rigidoporus)病、例えば、リギドポルス・リグノスス(Rigidoporus lignosus)に起因するもの;
・ 花及び種子の病害、例えば、
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
・ 塊茎の病害、例えば、
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)病、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)に起因するもの;
・ 根瘤病(club root diseases)、例えば、
プラスモジオホラ(Plasmodiophora)病、例えば、プラスモジオホラ・ブラシカエ(Plamodiophora brassicae)に起因するもの;
・ 例えば以下のものなどの細菌性微生物に起因する病害:
キサントモナス属各種(Xanthomonas species)、例えば、キサントモナス・カムペストリス pv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae);
シュードモナス属各種(Pseudomonas species)、例えば、シュードモナス・シリンガエ pv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans);
エルウィニア属各種(Erwinia species)、例えば、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)。
【0201】
本発明の組成物は、材木の表面又は内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種類の木材、そのような木材を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0202】
本発明の処理方法において通常施用される活性化合物の薬量は、茎葉処理における施用では、一般に、また、有利には、10〜800g/ha、好ましくは、50〜300g/haである。種子処理の場合は、施用する活性物質の薬量は、一般に、また、有利には、種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150gである。
【0203】
本明細書中で示されている薬量が本発明の方法を例証するための例として挙げられているということは、明確に理解される。当業者は、特に処理対象の植物又は作物の種類に応じて、該施用薬量を適合させる方法を理解するであろう。
【0204】
本発明の化合物又は混合物は、さらにまた、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌性疾患(trichophyton disease)及びカンジダ症、又は、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)(例えば、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus))に起因する疾患のような、ヒト又は動物の菌類病を治療的又は予防的に処置するのに有用な組成物を調製するのに使用することもできる。
【0205】
本発明は、さらに、植物病原性菌類を防除するための、本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物の使用にも関する。
【0206】
本発明は、さらに、トランスジェニック植物を処理するための、本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物の使用にも関する。
【0207】
本発明は、さらに、種子及びトランスジェニック植物の種子を処理するための、本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物の使用にも関する。
【0208】
本発明は、さらに、有害な植物病原性菌類を防除するための組成物を製造する方法にも関し、ここで、該方法は、本明細書中で定義されている式(I)で表される誘導体を増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする。
【0209】
化合物例についての下記表及び調製又は効力についての下記例を参照して、本発明のさまざまな態様について説明する。
【0210】
表1は、本発明による式(I):
【化46】
【0211】
〔式中、Aは、以下の基:A−G1、A−G2、A−G3、A−G4、A−G5、A−G6及びA−G7:
【化47】
【0212】
からなるリストの中で選択されることができ;ここで、*は、当該(チオ)カルボニル部分に対する基Aの結合点を示している〕
で表される化合物の例について非限定的に例証している。
【0213】
表1おいて、特に別途示されていない限り、「M+H」(「ApcI+」)は、ポジティブ大気圧化学イオン化法による質量分析において観察された分子イオンピークプラス1a.m.u.(原子質量単位)を意味する。
【0214】
表1において、logP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従い、下記に記載されている方法を用いて、逆相カラム(C18)でのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により測定した:
温度: 40℃;
移動相: 0.1%水性ギ酸及びアセトニトリル;10%アセトニトリルから90%アセトニトリルまでの直線勾配。
【0215】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(3個〜16個の炭素原子含有)を用いて実施した(logP値は、連続する2種類のアルカノンの間の線形補間を用いて、保持時間をにより測定)。ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトル及びクロマトグラフシグナルのピーク値を用いて決定した。
【0216】
表1において、「位置」は、当該フェニル環に対する−L−B残基の結合点を示している。
【0218】
表2は、本発明による式(IIa):
【化48】
【0219】
〔式中、Lは、直接結合であり、及び、B
1は、置換若しくは非置換オキシラニル環、置換若しくは非置換チエニル環、置換若しくは非置換ベンゾチエニル環、置換若しくは非置換フラン環又は置換若しくは非置換ベンゾフラン環である〕
で表される化合物の例について非限定的に例証している。
【0220】
表2おいて、「M+H」(「ApcI+」)及びlogPは、表1に関して定義されているとおりである。
【0221】
表2において、「位置」は、当該フェニル環に対する−L−B
1残基の結合点を示している。
【0223】
表3は、本発明による式(IIb):
【化49】
【0224】
〔式中、Lは、直接結合であり、及び、B
1は、置換若しくは非置換オキシラニル環、置換若しくは非置換チエニル環、置換若しくは非置換ベンゾチエニル環、置換若しくは非置換フラン環又は置換若しくは非置換ベンゾフラン環である〕
で表される化合物の例について非限定的に例証している。
【0225】
表3おいて、「M+H」(「ApcI+」)及びlogPは、表1に関して定義されているとおりである。
【0226】
表3において、「位置」は、当該フェニル環に対する−L−B
1残基の結合点を示している。
【0228】
表4は、本発明による式(Xa):
【化50】
【0229】
〔式中、Z
2及びZ
3は、本明細書中で定義されているとおりであり、Aは、A
13を表し、X
a1は、ハロゲン原子;置換若しくは非置換C
1−C
8−アルキル;同一若しくは異なっていてもよい9個以下のハロゲン原子を含んでいるC
1−C
8−ハロゲノアルキル;置換若しくは非置換C
3−C
7−シクロアルキル;トリ(C
1−C
8−アルキル)シリル;置換若しくは非置換C
1−C
8−アルコキシ;又は、置換若しくは非置換C
1−C
8−アルキルスルファニルを表し、X
a2は、水素又はX
a1を表し、及び、U
2は、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はヨウ素)又はトリフラート基を表す〕
で表される化合物の例について非限定的に例証している。
【0230】
表4おいて、「M+H」(「ApcI+」)及びlogPは、表1に関して定義されているとおりである。
【0231】
ここで、Aは、以下の基:A−G1:
【化51】
【0234】
表5は、表1から選択された数の化合物のNMRデータ(
1H)を提供している。
【0235】
選択された例の
1H−NMRデータは、
1H−NMR−ピークリストの形態で示されている。各シグナルピークに対して、δ値(ppm)及びシグナル強度(丸括弧内)が記載されている。
【0236】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の関係を示している。幅が広いシグナルからは、数種類のピーク又は該シグナルの中央及び当該スペクトルの中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対的強度が示され得る。
【0237】
1H−NMRピークリストは、古典的な
1H−NMRのプリントと類似しており、従って、通常、NMRの古典的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。さらに、それらは、古典的な
1H−NMRのプリントのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、本発明の対象である)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。溶媒及び/又は水のデルタ−範囲内における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク(例えば、DMSO−d6中のDMSOのピーク)及び水のピークは、本発明者らの
1H−NMRピークリストの中に示されており、そして、通常、平均して高い強度を有している。
【0238】
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、純度>90%)のピークよりも低い強度を有している。そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、本発明者らの調製方法の再現性を「副産物の指紋(side−products−fingerprints)」によって認識するのに役立ち得る。
【0239】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACD−シミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、
1H−NMRの古典的な解釈での関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0240】
ピークリストによるNMRデータの記載のさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の刊行物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」の中に見いだすことができる。
【0242】
下記実施例により、本発明の式(I)で表される化合物の調製及び効力について非限定的に例証する。
【実施例】
【0243】
調製例1: N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−N−[2−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物I.15)の調製
段階1: N−[2−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンジル]シクロプロパンアミンの調製
9gの4Åモレキュラーシーブと一緒に1.94g(34mmol)のシクロプロピルアミンと2.44mL(42mmol)の酢酸を50mLのメタノールに溶解させた溶液を冷却し、それに、3g(17mmol)の2−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンズアルデヒドを添加する。その反応混合物を還流温度で3時間撹拌する。次いで、その反応混合物を0℃まで冷却し、1.6g(25mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムをゆっくりと添加し、その反応混合物を還流温度でさらに1時間撹拌する。冷却したその反応混合物を、次いで、ケイ藻土のケーキで濾過する。そのケーキを80mLのメタノールで2回洗浄し、そのメタノール抽出物を合して減圧下に濃縮する。次いで、その残渣に100mLの水を添加し、水酸化ナトリウムの1N水溶液を用いてpHを12に調節する。その水層を2×50mLの酢酸エチルで抽出する。その有機層を濃NaCl水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した後、4.37gの黄色の油状物を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配 ヘプタン/酢酸エチル)に付して、2.44g(収率62%)のN−[2−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンジル]シクロプロパンアミンを無色の油状物として得る。(M+H)=218。
【0244】
段階2: N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−N−[2−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製
周囲温度で、195mg(0.92mmol)の3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドを2mLの乾燥テトラヒドロフランに溶解させた溶液を、3mLの乾燥テトラヒドロフランの中の200mg(0.92mmol)のN−[2−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンジル]シクロプロパンアミンと0.141mL(1.01mmol)のトリエチルアミンの混合物に添加する。その反応混合物を周囲温度で4日間撹拌する。次いで、その反応混合物を、ジエチルエーテル中のHClの1N溶液(0.1mL)でクエンチし、固体を濾去する。その有機相を減圧下で濃縮して、400mgの粗製残渣を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配 n−ヘプタン/酢酸エチル)に付して、314mg(収率82%)のN−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−N−[2−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを油状物として得る。LogP=1.94。(M+H)=394。
【0245】
調製例2: N−[5−クロロ−2−(2−メチルオキシラン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物I.4)の調製
段階1: N−[5−クロロ−2−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製
アルゴンで脱ガスしたトルエン/水混合物(20/1)の中の1.55g(3.55mmol)のN−(2−ブロモ−5−クロロベンジル)−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの懸濁液に、順次、753mg(4.25mmol)の4,4,5,5−テトラメチル−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、205mg(0.71mmol)のトリシクロヘキシルホスフィン、167mg(0.355mmol)の酢酸パラジウム(II)及び4.65g(21.3mmol)のリン酸三カリウムを添加する。その混合物を3時間100℃に加熱する。その反応混合物を周囲温度まで冷却する。60mLの水を添加し、その反応混合物を酢酸エチルで3回抽出する。その有機抽出物を合してNaClの飽和水溶液で洗浄し、液相分離濾紙(phase−separator filter)で脱水する。その有機相を減圧下で濃縮し、その粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配 n−ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、N−[5−クロロ−2−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドとN−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−N−[2,5−ジ(プロパ−1−エン−2−イル)ベンジル]−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの混合物(68/32)(1.01g;収率72%)を得る。これは、そのまま次の段階で使用する LogP=3.96。(M+H)=398。
【0246】
段階2: N−[5−クロロ−2−(2−メチルオキシラン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製
0.5g(1.26mmol;純度68%)のN−[5−クロロ−2−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを20mLのジクロロメタンに溶解させた溶液を冷却し、それに、1.65g(6.69mmol)の70重量%m−クロロ過安息香酸を添加する。その反応混合物を周囲温度で2時間撹拌する。2.47g(12.6mmol)のナトリウムヒドロスルフィトの水溶液を添加することによって、過剰な酸化剤を中和し、次いで、その混合物をジクロロメタンで3回抽出する。その有機抽出物を合して炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、液相分離濾紙(phase−separator filter)で脱水する。その有機相を減圧下で濃縮し、その粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配 n−ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、183mg(収率33%)のN−[5−クロロ−2−(2−メチルオキシラン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを得る。LogP=3.19。(M+H)=414。
【0247】
調製例3: N−[5−(1−ベンゾチオフェン−3−イル)−2−イソプロピルベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物I.157)の調製
段階1: 1−(5−クロロ−2−イソプロピルフェニル)−N−ヒドロキシメタンイミンの調製
1g(5.47mmol)の5−クロロ−2−イソプロピルベンズアルデヒドを12mLのメタノールに溶解させた溶液に、順次、0.5g(6mmol)の酢酸ナトリウム及び419mg(6mmol)のヒドロキシルアミン塩酸塩を添加する。その反応混合物を周囲温度で6時間撹拌する。その溶媒を減圧下で除去し、その残渣をジクロロメタンで抽出する。その有機相をChemElut(商標)カートリッジで濾過し、減圧下で濃縮して、1.08g(収率89%)の1−(5−クロロ−2−イソプロピルフェニル)−N−ヒドロキシメタンイミンを2種類の異性体の混合物(8/92)として得る。LogP=2.90(主要な異性体)及び3.17(少量の異性体)。(M+H)=198。
【0248】
段階2: 1−(5−クロロ−2−イソプロピルフェニル)メタンアミンの調製
1.08g(5.46mmol)の1−(5−クロロ−2−イソプロピルフェニル)−N−ヒドロキシメタンイミンを18mLのテトラヒドロフランに溶解させた溶液を冷却し、それに、テトラヒドロフラン中のボラン:テトラヒドロフラン錯体の1M溶液(21mL;21mmol)をゆっくりと添加する。その反応混合物を還流温度で1日間加熱する。エタノールを添加することによって、過剰な水素化物を破壊する。水酸化ナトリウムの1N水溶液(数mL)を添加し、その反応混合物を70℃でさらに30分間加熱する。その反応混合物を水で希釈し、ter−ブチルメチルエーテルで抽出する。その有機相をChemElut(商標)カートリッジで濾過し、減圧下で濃縮して、1.30gの1−(5−クロロ−2−イソプロピルフェニル)メタンアミンを得る。これは、そのまま次の段階で使用する。LogP=1.20。(M+H)=184。
【0249】
段階3: N−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物Xa.1)の調製
周囲温度で、824mg(3.87mmol)の3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドを、7mLの乾燥テトラヒドロフランの中の647mg(3.52mmol)の1−(5−クロロ−2−イソプロピル−フェニル)メタンアミンと0.590mL(4.23mmol)のトリエチルアミンの混合物に添加する。その反応混合物を還流温度で2時間加熱する。数mLの水を添加し、その反応混合物をChemElut(商標)カートリッジで濾過し、濃縮して、1.5gの粗製物質を黄色の油状物として得る。その残渣を分取HPLC(勾配 アセトニトリル/水+0.1% HCO
2H)で精製して、360mg(収率27%)のN−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを白色の固体として得る。LogP=3.46。(M+H)=360。
【0250】
段階4: N−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製
乾燥させたRadleys(商標)バイアルの中に、63mg(0.19mmol)のN−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−3−(ジフルオロ−メチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、35mg(0.19mmol)の酢酸銅(II)及び31mg(0.096mmol)の炭酸セシウムを添加する。そのバイアルに乾燥空気を流し、数分間激しく撹拌する。46mg(0.58mmol)のピリジン及び65mg(0.38mmol)の2−シクロプロピル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと一緒に、0.5mLのトルエンを添加する。そのバイアルに、再度、乾燥空気を流し、密閉し、100℃で1日間加熱する。その反応物のHPLC−質量分析は、4%(7% cv)のN−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドが形成されたことを示す。LogP=4.06。(M+H)=400。
【0251】
段階5: N−[5−(1−ベンゾチオフェン−3−イル)−2−イソプロピルベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製
5mL容マイクロ波バイアルの中で、200mg(0.5mmol)のN−(5−クロロ−2−イソプロピルベンジル)−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロ−メチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを1mLのアセトニトリルに溶解させる。そのバイアルをアルゴンを用いて脱ガスし、1mLの水に溶解させた104mg(0.75mmol)の炭酸カリウムをさらに添加し、その後、106mg(0.6mmol)の1−ベンゾチオフェン−3−イルボロン酸及び6.5mg(0.01mmol)の1,1’−ビス(ジ−ter−ブチルホスフィノ)(フェロセン)ジクロロパラジウム(II)を添加する。次いで、そのマイクロ波装置[Biotage Initiator(商標)]を130℃で20分間加熱する。その反応混合物を周囲温度まで冷却し、濾過し、酢酸エチルで抽出する。その有機抽出物をChemElut(商標)カートリッジで脱水し、減圧下で濃縮する。その残渣を分取HPLC(勾配 アセトニトリル/水+0.1% HCO
2H)で精製して、75mg(収率28%)のN−[5−(1−ベンゾチオフェン−3−イル)−2−イソプロピル−ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを褐色の油状物として得る。LogP=5.17。(M+H)=498。
【0252】
調製例4: N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−N−[2−(4−メチル−2−チエニル)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物I.100)の調製
Radleys(商標)バイアルの中で、200mg(0.49mmol)のN−(2−ブロモベンジル)−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを、0.5mLの水に溶解させた137mg(0.99mmol)の炭酸カリウムと一緒に、5mLのジオキサンに溶解させる。そのバイアルをアルゴンを用いて10分間脱ガスする。次いで、106mg(0.74mmol)の(4−メチル−2−チエニル)ボロン酸及び115mg(0.1mmol)のテトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加する。その反応混合物を100℃で8時間加熱する。冷却したその混合物をケイ藻土のケーキで濾過する。その濾液を炭酸カリウムの水溶液で洗浄した後、NaClの飽和水溶液で洗浄し、ChemElut(商標)カートリッジで脱水する。その有機相を濃縮して残渣を残し、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配 n−ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、165mg(収率71%)のN−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−N−[2−(4−メチル−2−チエニル)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを無色の油状物として得る。LogP=3.99。(M+H)=420。
【0253】
一般的な調製例5: Chemspeed(商標)
装置上での式(I)で表されるアミドのチオン化(thionation)
13mL容Chemspeed(商標)バイアルの中に、0.27mmoleの五硫化リン(P
2S
5)を量って入れる。ジオキサン中のアミド(I)の0.18モル溶液3mL(0.54mmole)を添加し、得られた混合物を還流温度で2時間加熱する。次いで、その温度を80℃まで下げ、2.5mLの水を添加する。その混合物を80℃でさらに1時間加熱する。次いで、2mLの水を添加し、その反応混合物を4mLのジクロロメタンで2回抽出する。その有機相を塩基性アルミナカートリッジ(2g)の上にデポジットさせ、8mLのジクロロメタンで2回溶離させる。溶媒を除去し、得られた粗製チオアミド誘導体をLCMSとNMRで分析する。充分には純粋でない化合物は、分取LCでさらに精製する。
【0254】
例A: ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)(オオムギ)に対するインビボ予防試験
溶媒: 49重量部のN,N−ジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物又は活性化合物組合せを上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0255】
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物又は活性化合物組合せの該調製物を記載されている施用量で噴霧する。
【0256】
噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、ブルメリア・グラミニス f.sp. ホルデイ(Blumeria graminis f.sp. hordei)の胞子を振りかける。
【0257】
その植物を、温度約18℃で相対大気湿度約80%の温室の中に置いて、うどんこ病によるいぼ状隆起(mildew pustule)の発生を促進する。
【0258】
当該試験について、上記接種の7日後に評価する。0%は、処理されていない対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
【0259】
これらの条件下、表Aの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、優れた保護(少なくとも90%)から完全な保護までが観察される:
【表6】
【0260】
例B: アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)(ハツカダイコンの黒斑病(leaf spot))に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0261】
育苗カップ内の50/50の泥炭土ポゾランの底土に播種し、17℃で成育させたハツカダイコン植物(品種「Pernod Clair」)を、子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0262】
24時間経過した後、アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取する。汚染されたハツカダイコン植物を、20℃、相対湿度100%でインキュベートする。
【0263】
上記汚染から6日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0264】
これらの条件下、表Bの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表7】
【0265】
例C: ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0266】
育苗カップ内の50/50の泥炭土ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたガーキン(gherkin)植物(品種「Vert petit de Paris」)を、Z11子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0267】
24時間経過した後、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)の低温保存された胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、10g/LのPDB、50g/LのD−フルクトース、2g/LのNH
4NO
3及び1g/LのKH
2PO
4で構成される栄養溶液に懸濁させる。汚染されたガーキン植物を、17℃、相対湿度90%でインキュベートする。
【0268】
上記汚染から4〜5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0269】
これらの条件下、表Cの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表8】
【0270】
同じ条件下、表C2の下記化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表9】
【0271】
例D: レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)(コムギ)に対するインビボ予防試験
溶媒: 49重量部のN,N−ジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物又は活性化合物組合せを上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0272】
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物又は活性化合物組合せの該調製物を記載されている施用量で噴霧する。
【0273】
噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)の胞子の懸濁液を噴霧する。その植物を、20℃で相対大気湿度約100%のインキュベーション室の中に48時間置く。
【0274】
その植物を、温度約22℃で相対大気湿度約80%の温室の中に置く。
【0275】
当該試験について、上記接種の8日後に評価する。0%は、処理されていない対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
【0276】
これらの条件下、表Dの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、高い保護(少なくとも80%)から完全な保護までが観察される:
【表10】
【0277】
例E: ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)(オオムギ)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0278】
育苗カップ内の50/50の泥炭土ポゾランの底土に播種し、22℃で成育させたオオムギ植物(品種「Plaisant」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0279】
24時間経過した後、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり12000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12日間培養したものから採取する。汚染されたオオムギ植物を、20℃、相対湿度100%で48時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70〜80%で12日間インキュベートする。
【0280】
上記汚染から14日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0281】
これらの条件下、表Eの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表11】
【0282】
同じ条件下、表E2の下記化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から優れた保護(少なくとも95%)までが観察される:
【表12】
【0283】
同じ条件下、表E3に示されているように、例I.84及び例I.144の化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて良好な保護(少なくとも70%)から高い保護(少なくとも80%)までが観察されるが、特許出願WO−2007/087906に開示されているピリジン類似体CMP1では保護は観察されない。
【表13】
【0284】
国際特許WO−2007/087906に開示されているCMP1は、N−[2−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応する。
【0285】
これらの結果は、本発明による化合物がWO−2007/087906に開示されている構造的に最も近い化合物よりも著しく優れた生物学的活性を有しているということを示している。
【0286】
例F: ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)(イネいもち病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0287】
育苗カップ内の50/50の泥炭土ポゾランの底土に播種し、26℃で成育させたイネ植物(品種「Koshihikari」)を、2葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0288】
24時間経過した後、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり40000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、2.5g/Lのゼラチンを含んでいる水に懸濁させる。汚染されたイネ植物を、25℃、相対湿度80%でインキュベートする。
【0289】
上記汚染から6日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0290】
これらの条件下、表Fの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から高い保護(少なくとも80%)までが観察される:
【表14】
【0291】
例G: プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギの赤さび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0292】
育苗カップ内の50/50の泥炭土ポゾランの底土に播種し、22℃で成育させたコムギ植物(品種「Scipion」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0293】
24時間経過した後、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染された植物から採取し、2.5mL/LのTween80(10%)を含んでいる水に懸濁させる。汚染されたコムギ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70〜80%で10日間インキュベートする。
【0294】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0295】
これらの条件下、表Gの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表15】
【0296】
同じ条件下、表G2の下記化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表16】
【0297】
同じ条件下、表G3に示されているように、例I.77、例I.78及び例I.79の化合物を活性成分の薬量100ppm及び500ppmで用いて平均的な保護(少なくとも60%)から優れた保護(少なくとも90%)までが観察されるが、特許出願WO−2010/130767に開示されているピリジン類似体CMP2では保護は観察されない。
【表17】
【0298】
国際特許WO−2010/130767に開示されているCMP2は、5−クロロ−N−[2−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応する。
【0299】
これらの結果は、本発明による化合物がWO−2010/130767に開示されている構造的に最も近い化合物よりも著しく優れた生物学的活性を有しているということを示している。
【0300】
例H: セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)(コムギ))に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0301】
育苗カップ内の50/50の泥炭土ポゾランの底土に播種し、22℃で成育させたコムギ植物(品種「Scipion」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0302】
24時間経過した後、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)の低温保存された胞子の水性懸濁液(1mL当たり500000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。汚染されたコムギ植物を、18℃、相対湿度100%で72時間インキュベートし、次いで、相対湿度90%で21日間インキュベートする。
【0303】
上記汚染から24日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0304】
これらの条件下、表Hの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表18】
【0305】
同じ条件下、表H2の下記化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表19】
【0306】
例I: スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(ウリ科植物のうどんこ病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0307】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたガーキン(gherkin)植物(品種「Vert petit de Paris」)を、Z11子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0308】
24時間経過した後、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、汚染された植物から採取する。汚染されたガーキン植物を、約20℃、相対湿度70〜80%でインキュベートする。
【0309】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0310】
これらの条件下、表Iの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表20】
【0311】
同じ条件下、表I2の下記化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表21】
【0312】
同じ条件下、表I3に示されているように、例I.144の化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて完全な保護が観察されるが、特許出願WO−2007/087906に開示されているピリジン類似体CMP1では保護は観察されない。
【表22】
【0313】
国際特許WO−2007/087906に開示されているCMP1は、N−[2−クロロ−4−(ピリジン−3−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応する。
【0314】
これらの結果は、本発明による化合物がWO−2007/087906に開示されている構造的に最も近い化合物よりも著しく優れた生物学的活性を有しているということを示している。
【0315】
同じ条件下、表I4に示されているように、例I.139(それぞれ、例I.140、例I.141、例I.144、及び、例I.145)の化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて優れた保護(少なくとも90%)から完全な保護までが観察されるが、特許出願WO−2007/087906又はWO−2010/130767において特許請求されているピリジン類似体CMP3(それぞれ、CMP4、CMP5、CMP6、及び、CMP7)では不充分な保護(40%未満)しか観察されないか又は植物の損傷が観察される。
【表23】
【0316】
国際特許WO−2010/130767に開示されているCMP3は、N−[2−(6−クロロピリジン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応し;
国際特許WO−2007/087906に開示されているCMP4は、N−[2−(6−クロロピリジン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応し;
国際特許WO−2010/130767に開示されているCMP5は、5−クロロ−N−[2−(6−クロロピリジン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応し;
国際特許WO−2007/087906に開示されているCMP6は、N−[5−クロロ−2−(6−クロロピリジン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応し;及び、
国際特許WO−2010/130767に開示されているCMP7は、5−クロロ−N−[5−クロロ−2−(6−クロロピリジン−2−イル)ベンジル]−N−シクロプロピル−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドに対応する。
【0317】
これらの結果は、本発明による化合物がWO−2007/087906に開示されている構造的に最も近い化合物よりも著しく優れた生物学的活性を有しているということを示している。
【0318】
例J: ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)(インゲンマメのさび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0319】
育苗カップ内の50/50の泥炭土ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたインゲンマメ植物(品種「Saxa」)を、2葉期(草丈9cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0320】
24時間経過した後、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり150000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染された植物から採取し、2.5mL/LのTween80(10%)を含んでいる水に懸濁させる。汚染されたインゲンマメ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70〜80%で10日間インキュベートする。
【0321】
上記汚染から11日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0322】
これらの条件下、表Jの下記化合物を活性成分の薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表24】
【0323】
同じ条件下、表J2の下記化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)から完全な保護までが観察される:
【表25】
【0324】
例K: ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)(リンゴ)に対するインビボ予防試験
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のN,N−ジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0325】
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、リンゴ黒星病の病原であるベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)の分生子の水性懸濁液を用いて接種し、次いで、その植物を、約20℃で相対大気湿度100%のインキュベーション室内に1日間置く。
【0326】
次いで、その植物を、約21℃で相対大気湿度約90%の温室内に置く。
【0327】
当該試験について、上記接種の10日後に評価する。0%は、処理されていない対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
【0328】
これらの条件下、表Kの下記化合物を活性成分の薬量100ppmで用いて、優れた保護(少なくとも90%)から完全な保護までが観察される:
【表26】