(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の目的、特長点及び新規な特徴等は添付された図面に係わる以下の詳細な説明及び好ましい実施例からさらに明白になるだろう。本明細書にて各図面の構成要素らに参照番号を付け加えることにおいて、同一の構成要素らに限っては、たとえ他の図面上に表示されても可能な限り同一の番号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するあたり、関連公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に曇らせる場合があと判断される場合、その詳細な説明は略する。
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施例による極低温物質運搬船の
貨物倉の概路図である。
図1は、各要素の詳細な構成の説明よりは本明細書で基準にすべき極低温物質運搬船の
貨物倉1の全体形態及び方向を定義するための図面である。ただし、本明細書における
貨物倉1の方向は、説明の便宜のために任意に指定しただけで、本明細書にて決められた方向が実際の船舶に適用される時の方向と異なる場合がある。また、「内側」とは、
貨物倉1の内部収容空間方向を、「外側」とは外側の船体シェル100方向を言う。
【0038】
図1に示されたように、本発明の一実施例による
貨物倉1は、
貨物倉1の外部を形成する船体シェル100、
貨物倉1の内部で極低温物質と接触するメンブレイン1次防壁200、1次防壁200の外側に設けられる1次断熱壁300、1次断熱壁300の外側に設けられるメンブレイン2次防壁400、及び、2次防壁400の外側に配置されて船体シェル100に固定される2次断熱壁500を含むことができる。そして、これらの構成要素(100、200、300、400、500)によって前後方向い横壁2が形成されて、横壁2の間に底3、縦壁4、及び天井5が形成されることができる。横壁2、底3、縦
貨物倉壁4、及び天井5が会うコーナーライン6は、鈍角または直角でありえる。
【0039】
貨物倉1の2次断熱壁500は、全体的に船体シェル100に複数のスタッドボルトまたはアンカー(図示せず)によって固定されることができ、スプリング及びボルト締結装置(図示せず)によって締結されることができる。
【0040】
貨物倉1は、後述する第1
貨物倉壁A、後述する第2
貨物倉壁B、後述する第3
貨物倉壁Cのうち、いずれか一つの構造でなるか、これらの第1、第2及び第3
貨物倉壁A、B、Cの組み合わせによって構成することができる。これによって、
貨物倉1の1次防壁200は、後述する第1
貨物倉壁Aの1次防壁200A、後述する第2
貨物倉壁Bの1次防壁200B、後述する第3
貨物倉壁Cの1次防壁200Cのうち、いずれか一つの構造でなるか、これらの1次防壁200A、200B、200Cの組み合わせによって構成することができる。
【0041】
また、
貨物倉1の1次断熱壁300は、後述する第1
貨物倉壁Aの1次断熱壁300A、後述する第2
貨物倉壁Bの1次断熱壁300B、後述する第3
貨物倉壁Cの1次断熱壁300Cのうち、いずれか一つの構造でなるか、これらの1次断熱壁300A、300B、300Cの組み合わせによって構成することができる。
【0042】
また、
貨物倉1の2次防壁400は、後述する第1
貨物倉壁Aの2次防壁400A、後述する第2
貨物倉壁Bの2次防壁400B、後述する第3
貨物倉壁Cの2次防壁400Cのうち、いずれか一つの構造でなるか、これらの2次防壁400A、400B、400Cの組み合わせによって構成することができる。
【0043】
また、
貨物倉1の2次断熱壁500は、後述する第1
貨物倉壁Aの2次断熱壁500A、後述する第2
貨物倉壁Bの2次断熱壁500B、後述する第3
貨物倉壁Cの2次断熱壁500Cのうち、いずれか一つの構造でなるか、これらの2次断熱壁500A、500B、500Cの組み合わせによって構成することができる。
【0044】
以下、添付された図面を参考にして第1
貨物倉壁A、第2
貨物倉壁B、第3
貨物倉壁Cそれぞれについて説明する。
図2は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の分離斜視図、
図3は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の1次防壁と1次断熱壁の組立斜視図、
図4は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の2次防壁と2次断熱壁の組立斜視図、
図5は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の1次防壁、1次断熱壁、2次防壁及び2次断熱壁の組立斜視図、
図6は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の一部断面図、
図7は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の1次断熱壁の分離斜視図、
図8は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の1次断熱壁の一部断面図、
図9は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の2次断熱壁の分離斜視図、
図10は、本発明の一実施例による第1
貨物倉壁の2次断熱壁の一部断面図である。また、
図31は本発明の一実施例による補助しわの拡大図である。
【0045】
図2ないし
図10に図示されたように、本発明の第1
貨物倉壁Aは、
貨物倉1の外部を形成する船体シェル100、
貨物倉1の内部で極低温物質と接触するメンブレイン1次防壁200A、1次防壁200Aの外側に設けられる1次断熱壁300A、1次断熱壁300Aの外側に設けられるメンブレイン2次防壁400A、及び、2次防壁400Aの外側に配置されて船体シェル100に固定される2次断熱壁500Aを含むことができる。
【0046】
第1
貨物倉壁Aは、単独で本発明の
貨物倉1を形成することができるが、本実施例では、第2または第3
貨物倉壁B、Cと組み合わせて本発明の
貨物倉1を形成する場合について説明する。
【0047】
第1
貨物倉壁Aは、
貨物倉1を第1
貨物倉壁Aに後述する第2または第3
貨物倉壁B、Cと組み合わせて形成する場合、第2または第3
貨物倉壁B、Cの収縮による影響を最小化するようにコーナーで一定の間隔で配置され、
図1に図示されたように、
貨物倉1の中央部分に2個の防壁ブロックが結合される場合、この部分に設けて結合部分で発生しえる欠陷を防止することができる。
【0048】
第1
貨物倉壁Aの1次防壁200Aは、
図2に図示されたように、1次しわパネル210A及び1次メインパネル220Aを含む。1次防壁200Aは、後述する第2
貨物倉壁Bの1次防壁200Bまたは第3
貨物倉壁Cの1次防壁200Cと接合されることができる。
【0049】
1次しわパネル210Aは、
図1に図示されたように、横壁2と会う底3、縦壁4、天井5によって形成されるコーナーライン6の縁に沿って配置されることができ、横壁2の中央部分に垂直方向に配置されることができる。
【0050】
1次しわパネル210Aは、コーナーライン6から壁面へ延びる平板状のコーナーピース212Aと、コーナーピース212Aから延びて複数のしわ断面がコーナーライン6に沿って並行に連続して形成されるしわ部214Aを含むことができる。
【0051】
コーナーピース212Aは、後述する第2または第3
貨物倉壁B、Cの1次メインパネル220B、220Cと連結されることができ、インバー材質で形成されることができる。
【0052】
しわ部214Aは、極低温物質の温度による収縮変形を吸収する役目をすることだけでなく、液化ガスのスロッシング現象の際にコーナーライン6部分に受けるスロッシング衝撃力を吸収してコーナーライン6部分で欠陷が発生することを防止することができ、インバー材質で形成されることができる。勿論、コーナーピース212A及びしわ部214Aは、インバー材質に限定されるものではなく、ステンレス材質または他の材質で形成されることができる。
【0053】
1次メインパネル220Aは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ223Aを具備する複数のインサートパネル222Aを連結する形態でなり、一側が1次しわパネル210Aと連結されることができ、他側が後述する第2または第3
貨物倉壁B、Cの1次メインパネル220B、220Cと連結されることができる。
【0054】
インサートパネル222Aは、インバー材質で形成されることができる。勿論、インサートパネル222Aは、インバー材質に限定されるものではなく、ステンレス材質または他の材質で形成されることができる。
【0055】
インサートパネル222Aは、補助しわ230Aが形成されることができる。補助しわ230Aは、
図31に拡大図示したように、長手方向に形成されることができる。図面には補助しわ230Aが1個あるものを図示したが、少なくとも一つ以上具備されることができ、このような補助しわ230Aは、極低温物質の温度による収縮変形を吸収する役目をすることだけでなく、液化ガスのスロッシング現象の際に後述するフランジ223Aから受けるスロッシング衝撃力を吸収する役目をする。
【0056】
具体的に、インサートパネル222Aが極低温物質との接触によって幅方向に収縮する場合、インサートパネル222Aの左右側部分は、フランジ223Aの溶接部位を基準として収縮するようになるが、この時、補助しわ230Aが伸びながら互いに隣合うインサートパネル222Aのフランジ223Aの間の結合が分離することを防止し、1次防壁200Aの密閉を維持することができる。すなわち、インサートパネル222Aは、幅方向の収縮の際に、補助しわ230Aによって、長手方向の収縮の際に1次しわパネル210Aによって破損が防止される。勿論、本実施例ではこのような収縮破損防止の效果のために、1次しわパネル210Aのしわ方向とインサートパネル222Aの長手方向が互いに垂直に置かれている場合がある。
【0057】
この際、補助しわ230Aは、フランジ223Aの突出高さよりも低く形成されることができ、このような補助しわ230Aは、第1
貨物倉壁Aの1次メインパネル220Aのみならず、後述する第2及び第3
貨物倉壁B、Cの1次メインパネル220B、220Cにも形成されることができる。
【0058】
補助しわ230Aの端部には、エンドキャップ(End CAp;231A)が具備されることができるが、エンドキャップ231Aは、補助しわ230Aから遠ざかるほど断面積が狭くなる形態であり、具体的には、補助しわ230Aの端部から1次しわパネル210Aに近づくほど大きさが小くなる半円断面、反楕円断面または抛物線が連続的につながって1/4の球と類似した曲面形態を有することができ、補助しわ230Aの端部が密閉されるようにすると同時に、インサートパネル222Aと1次しわパネル210Aの間の接合部分で発生しえる局所的なストレスを減少させるような役目をする。
【0059】
第1
貨物倉壁Aの2次防壁400Aは、
図2に示されたように、1次防壁200Aとほとんど類似した形態で構成されて、2次しわパネル410A及び2次メインパネル420Aを含む。2次防壁400Aは、後述する第2
貨物倉壁Bの2次防壁400Bまたは第3
貨物倉壁Cの2次防壁400Cと接合されることができる。
【0060】
2次しわパネル410Aは、
図1に示されたように、横壁2と会う底3、縦壁4、天井5によって形成されるコーナーライン6の縁に沿って配置されるか、または横壁2の中央部分に垂直に配置されることができ、コーナーライン6から壁面へ延びる平板状のコーナーピース412Aと、コーナーピース412Aから延びる複数のしわ断面がコーナーライン6に沿って平行に連続して形成されるしわ部414Aを含むことができる。
【0061】
コーナーピース412Aは、後述する第2または第3
貨物倉壁B、Cの2次メインパネル420B、420Cと連結されることができ、インバー材質を用いて平板型で形成されることができる。
【0062】
しわ部414Aは、極低温物質の温度による収縮変形を吸収する役目をすることだけでなく、液化ガスのスロッシング現象の際にコーナーライン6部分に受けるスロッシング衝撃力を吸収してコーナーライン6部分で欠陷が発生することを防止することができ、インバー材質を用いて形成されることができる。勿論、コーナーピース412A及びしわ部414Aは、インバー材質に限定されるものではなく、ステンレス材質または他の材質で形成されることができる。
【0063】
2次防壁400Aのしわ部414Aは、1次防壁200Aのしわ部214Aより相対的にしわの溝が狭くて、しわの間の間隔が広い場合がある。これは、1次防壁200Aのしわ部214Aの場合、極低温物質と直接的に接触するために収縮やスロッシングなどによる影響を大きく受ける反面、2次防壁400Aのしわ部414Aは、後述する1次断熱壁300Aと2次断熱壁500Aとの間に位置することによって極低温物質と接触しないために、収縮またはスロッシングによる影響が相対的に小さいからである。
【0064】
2次メインパネル420Aは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ423Aを具備する複数のインサートパネル422Aを連結する形態でなり、一側が2次しわパネル410Aのしわ部414Aの一側(コーナーピースの反対側)に介在されるインサートパネル422Aによって2次しわパネル410Aと連結されることができ、他側が後述する第2または第3
貨物倉壁B、Cの2次メインパネル420B、420Cと連結されることができる。
【0065】
インサートパネル422Aは、インバー材質で形成されることができる。勿論、インサートパネル422Aはインバー材質に限定されるものではなく、ステンレス材質または他の材質で形成されることができる。
【0066】
上記のように、第1
貨物倉壁Aの1次メインパネル220Aは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ223Aを具備する複数のインサートパネル222Aを連結した形態でなる。この時、隣合うインサートパネル222Aそれぞれに具備されるフランジ223Aが溶接(たとえば、抵抗溶接)されて連結される。
【0067】
これと同様に、第1
貨物倉壁Aの2次メインパネル420Aは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ423Aを具備する複数のインサートパネル422Aを連結した形態でなり、隣合うインサートパネル422Aそれぞれのフランジ423Aが溶接される。
【0068】
また、1次防壁200Aのインサートパネル222Aに具備されたフランジ223Aの間の間隔は、2次防壁400Aのインサートパネル422Aに具備されたフランジ423Aの間の間隔よりも狭く、1次防壁200Aのフランジ223Aと2次防壁400Aのフランジ423Aとは互いにずれるように配置される。このように1次防壁200Aと2次防壁400Aとのフランジ222A、423Aをずれるように配置すれば、それらの溶接連結部をもずれるようになって漏水による溶接部の損傷可能性を減らすことができる。
【0069】
また、1次防壁200Aのインサートパネル222Aに具備されたフランジ223Aの間の距離を2次防壁400Aのインサートパネル422Aに具備されたフランジ423Aの間の距離よりも短く構成すれば、極低温物質と直接接触する1次防壁200Aの収縮変位を充分に吸収するようになる。
【0070】
第1
貨物倉壁Aの1次断熱壁300Aは、
図7及び
図8に示されたように、上部合板340A、上部グラスファイバー複合素材(GRE:Glass Fiber Reinforced Epoxy;370A)、断熱板310A、下部グラスファイバー複合素材380Aを含み、第1
貨物倉壁Aの1次防壁200Aと2次防壁400Aとの間に設けられる。1次断熱壁300Aは、両側が後述する第2または第3
貨物倉壁B、Cの1次断熱壁300B、300Cと連結されることができる。
【0071】
上部合板340Aは、1次防壁200Aと上部グラスファイバー複合素材370Aとの間に設けることができる。
【0072】
上部グラスファイバー複合素材370Aは、平板型の報強材として上部合板340Aと後述する断熱板310Aとの間に設けられ、後述する断熱板310Aに形成される陷沒部360Aによって厚さが薄くなることによって低下されうる断熱板310Aの強度を後述する下部グラスファイバー複合素材380Aとともに補強する役目をすることができる。
【0073】
断熱板310Aは、上部グラスファイバー複合素材370Aと後述する下部グラスファイバー複合素材380Aとの間に設けられ、2次防壁400Aの2次しわパネル410Aに形成されるしわ部414Aを収容することができるように、下面に陷沒部360Aが形成されることができる。陷沒部360Aは、断面が台形形状を有することができ、しわ部414Aを充分に収容するためにしわ部414Aの高さ及び幅より大きく陷沒された形態を有することができる。したがって、しわ部414Aと陷沒部360Aとの間には空間が形成されることができる。
【0074】
ただし、断熱板310Aにて陷沒部360Aが形成される部分は、他の部分に比べて厚さが薄くなるから強度が相対的に低下されうるが、これは陷沒部360Aを有する下部グラスファイバー複合素材380Aによって補強されることができる。断熱板310Aを形成する断熱材330Aは、密度200kg/m
3以上の高密度ポリウレタンフォームで構成することが好ましい。
【0075】
下部グラスファイバー複合素材380Aは、断熱板310Aと2次防壁400Aとの間に設けられ、上部グラスファイバー複合素材370Aと同様に補強の役目を遂行することができる。ただし、下部グラスファイバー複合素材380Aは、断熱板310Aの下部に密着しなければならないと同時に、2次防壁400Aの2次しわパネル410Aに形成されるしわ部414Aを収容しなければならないため、断熱板310Aの下面と同一の形状を有するために陷沒部360Aが形成されることができる。
【0076】
第1
貨物倉壁Aの2次断熱壁500Aは、
図9及び
図10に示されたように、上部合板540A、断熱板510A、下部合板550Aを含み、第1
貨物倉壁Aの2次防壁400Aと船体シェル100との間に設けられる。2次断熱壁500Aは、両側が後述する第2または第3
貨物倉壁B、Cの2次断熱壁500B、500Cと連結されることができる。
【0077】
上部合板540Aは、2次防壁400Aと断熱板510Aとの間に設けることができる。断熱板510Aは、上部合板540Aと後述する下部合板550Aとの間に設けられ、断熱板510Aを形成する断熱材530Aとしては密度200kg/m
3以上の高密度ポリウレタンフォームで構成することが好ましい。
【0078】
下部合板550Aは、断熱板510Aと船体シェル100との間に設けることができる。
【0079】
図11は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の分離斜視図、
図12は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の1次防壁と1次断熱壁の組立斜視図、
図13は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の2次防壁と2次断熱壁の組立斜視図、
図14は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の1次防壁、1次断熱壁、2次防壁及び2次断熱壁の組立斜視図、
図15は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の一部断面図、
図16は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の1次断熱壁の分離斜視図、
図17は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の1次断熱壁の一部断面図、
図18は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の2次断熱壁の分離斜視図、
図19は、本発明の一実施例による第2
貨物倉壁の2次断熱壁の一部断面図である。
【0080】
図11ないし
図19に示されたように、本発明の第2
貨物倉壁Bは、
貨物倉1の外部を形成する船体シェル100、
貨物倉1の内部で極低温物質と接触するメンブレイン1次防壁200B、1次防壁200Bの外側に設けられる1次断熱壁300B、1次断熱壁300Bの外側に設けられるメンブレイン2次防壁400B、及び、2次防壁400Bの外側に配置されて船体シェル100に固定される2次断熱壁500Bを含むことができる。
【0081】
第2
貨物倉壁Bは、単独で本発明の
貨物倉1を形成することができるが、本実施例では、第1
貨物倉壁Aと組み合わせて本発明の
貨物倉1を形成する場合について説明する。勿論、第2
貨物倉壁Bは、後述する第3
貨物倉壁Cと組み合わせて本発明の
貨物倉1を形成することができる。
【0082】
第2
貨物倉壁Bは、第1
貨物倉壁Aと組み合わせて本発明の
貨物倉1を形成する場合、第1
貨物倉壁Aが設けられる部分を除いたすべての部分または選択された部分に設けることができる。例えば、第1
貨物倉壁Aが
貨物倉1のコーナーライン6部分に設けられる場合、コーナーライン6部分を除いた横壁2、底3、縦壁4、天井5などに選択的に形成されることができる。また、第2
貨物倉壁Bは、液化ガスのスロッシング現象による衝撃を相対的に少なく受ける底3及び天井5に設けるか、または衝撃を相対的に多く受ける横壁2、縦壁4に選択的に設けることができる。
【0083】
第2
貨物倉壁Bの1次防壁200Bは、
図11に示されたように、1次メインパネル220Bを含む。1次防壁200Bは、第1
貨物倉壁Aの1次防壁200Aと接合されることができる。
【0084】
1次メインパネル220Bは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ223Bを具備する複数の単位パネル222Bを連結する形態でなり、第1
貨物倉壁Aの1次メインパネル220Aと連結されることができる。勿論、第2
貨物倉壁Bが後述する第3
貨物倉壁Cと組み合わされる場合に、第2
貨物倉壁Bの1次メインパネル220Bは、後述する第3
貨物倉壁Cの1次メインパネル220Cと連結されることができる。
【0085】
1次メインパネル220Bは、ステンレス材質により平板型で形成されることができる。勿論、1次メインパネル220Bはステンレス材質に限定されるののではなく、インバー材質または他の材質で形成されることができる。
【0086】
1次メインパネル220Bは、補助しわ230Bが形成されることができ、1次メインパネル220Bの補助しわ230Bは、上述した第1
貨物倉壁Aの1次メインパネル220Aに形成された補助しわ230Aとその形状が同一であり、さらには、同一線上に位置されて相互結合の際に連通できるようにする。
【0087】
補助しわ230Bは、
図31に拡大図示したように、長手方向に形成されることができ、前記第1
貨物倉壁Aの1次メインパネル220Aに形成された補助しわ220Aと形状及び機能が同一であるから重複説明を避けるためにここでは具体的な説明を略する。
【0088】
第2
貨物倉壁Bの2次防壁400Bは、
図11に示されたように、1次防壁200Bとほとんど類似した形態で構成されることができ、2次メインパネル420Bを含む。2次防壁400Bは、第1
貨物倉壁Aの2次防壁400Aと接合されることができる。
【0089】
2次メインパネル420Bは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ423Bを具備する複数の単位パネル422Bを連結する形態でなり、第1
貨物倉壁Aの2次メインパネル420Aと連結されることができる。勿論第2
貨物倉壁Bが後述する第3
貨物倉壁Cと組み合わされる場合に、第2
貨物倉壁Bの2次メインパネル420Bは、後述する第3
貨物倉壁Cの2次メインパネル420Cと連結されることができる。
【0090】
2次メインパネル420Bは、ステンレス材質により平板型で形成されることができる。勿論、2次メインパネル420Bは、ステンレス材質に限定されるものではなく、他の材質で形成されることができる。
【0091】
上記のように、第2
貨物倉壁Bの1次メインパネル220Bは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ223Bを具備する複数の単位パネル222Bを連結した形態でなる。そして後述する1次断熱壁300Bには、単位パネル222Bらの幅に対応する間隔でダブルタング(Double Tongue;250B)が挿入・固定設置されるが、単位パネル222Bは、隣合うダブルタング250Bとダブルタング250Bとの間に配置され、真ん中に配置された一つのダブルタング250Bの両面に隣合う単位パネル222Bそれぞれに具備されるフランジ223Bが溶接される。
【0092】
これと同様に、第2
貨物倉壁Bの2次メインパネル420Bは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ423Bを具備する複数の単位パネル422Bを連結した形態でなる。そして後述する2次断熱壁500Bには単位パネル422Bらの幅に対応する間隔でダブルタング450Bが挿入・固定設置されるが、単位パネル420Bは、隣合うタング450Bとダブルタング450Bとの間に配置され、真ん中に配置された一つのダブルタング450Bの両面に隣合う単位パネル420Bそれぞれのフランジ423Bが溶接される。
【0093】
勿論、本実施例では、1次メインパネル220Bの単位パネル222Bは、ダブルタング250Bによって連結されて、2次メインパネル420Bの単位パネル422Bは、一つのタング(図示せず)のみで連結されるようにすることができる。ダブルタング250B、450Bの構造は、
図29及び
図30に示される。
【0094】
また、1次防壁200Bの隣合うダブルタング250Bの間の間隔は、2次防壁400Bの隣合うダブルタング450Bの間の間隔よりも狭く、1次防壁200Bのダブルタング250Bと2次防壁400Bのダブルタング450Bとは互いにずれるように配置される。このように1次防壁200Bと2次防壁400Bのダブルタング250B、450Bをずれるように配置すれば、それらの溶接連結部をもずれるようになり、漏水による溶接部の損傷可能性を減らすことができると同時に断熱性能の向上を図ることができる。
【0095】
また、1次防壁200Bの隣合うダブルタング250Bの間の距離を2次防壁400Bの隣合うダブルタング450Bの間の距離より短く構成すれば、極低温物質と直接接触する1次防壁200Bの収縮による破損を充分に防止できるようになる。
【0096】
第2
貨物倉壁Bの1次断熱壁300Bは、
図16及び
図17に示されたように、上部合板340B、断熱板310B、下部合板350Bを含み、第2
貨物倉壁Bの1次防壁200Bと2次防壁400Bとの間に設けられる。1次断熱壁300Bは、両側が第1
貨物倉壁Aの1次断熱壁300Aと連結されることができる。
【0097】
上部合板340Bは、ダブルタング250Bが挿入・固定設置されて1次防壁200Bに具備されるフランジ223Bと溶接結合されることができる。
【0098】
断熱板310Bは、上部合板340Bと後述する下部合板350Bとの間に設けることができる。
【0099】
断熱板310Bは、複数のグラスファイバー複合素材板が格子構造で形成される上部グラスファイバー複合素材320Bと、上部グラスファイバー複合素材320Bの格子との間に充電される断熱材330Bでなり得る。断熱材330Bは、密度45kg/m
3以下の低密度ポリウレタンフォームで構成することが好ましい。
【0100】
上部グラスファイバー複合素材320Bは、数枚のグラスファイバー複合素材板を1次断熱壁300Bの厚さ方向(図面上にて上下方向)に横断する形態で配置される。すなわち、グラスファイバー複合素材板が断熱材330Bの厚さ方向に立てられた形態である。こうすることで、グラスファイバー複合素材板らが格子を成して断熱材330Bの厚さ方向で作用する圧縮荷重を支持するようになる。
【0101】
この場合、上部グラスファイバー複合素材320Bは、1次断熱壁300Bが前後方向の断面を基準にして上下に曲がるか、または左右方向の断面を基準にして上下に曲がることを防止することができる。すなわち、1次断熱壁300Bは、ポリウレタンフォームの断熱材330Bに格子形態の上部グラスファイバー複合素材320Bを具備することで、剛体(Rigid Body)として作用することができる。
【0102】
格子の形態は
貨物倉1の容量や船舶の規模、必要強度などに応じて多様に選択することができる。例えば、四角形、三角形、五角形、六角形、任意の規則的な形状が繰り返される形態、特定の形状であると定義することのできない形態、または格子形態の以外に数枚のグラスファイバー複合素材板を横方向または縦方向に平行に配置した形態など、多様な構造に選択することができる。
【0103】
また、上部グラスファイバー複合素材320Bは、断熱材330Bに埋め込んで一体化することが好ましい。
【0104】
埋め込みの方法としては、断熱材330Bを発砲成形する時上部グラスファイバー複合素材320Bをいわゆる「インサート成形」によって同時に射出成形することが好ましい。すなわち、断熱材330Bを発砲成形するための金型のキャビティの内部に上部グラスファイバー複合素材320Bを取り入れた状態のままで、キャビティの内部にポリウレタン原料を取り入れて発砲成形すれば、ポリウレタンフォームの断熱材330Bの内部に上部グラスファイバー複合素材320Bが埋め込まれて一体化される。
【0105】
このような方法以外にも、断熱材330B片たちと上部グラスファイバー複合素材320Bとを別に製造し、上部グラスファイバー複合素材320Bの格子内部に断熱材片挿入した後、それぞれ上部及び下部の合板に接着剤を利用して接合しても良い。
【0106】
本発明において、断熱材330Bとして使用される密度45kg/m
3以下の低密度ポリウレタンフォームまたは密度135kg/m
3前後の中間密度ポリウレタンフォームは、密度200kg/m
3以上の高密度ポリウレタンフォームに比べて原資材の価格がやすいながらも断熱能力は優秀であるが、圧搾強度及び剛性が低い。このため、本発明では上部グラスファイバー複合素材320Bを挿入して断熱材330Bの圧縮強度及び剛性を補強したものである。
【0107】
下部合板350Bは、断熱板310Bと2次防壁400Bとの間に設けることができる。一方、
図17に示されたように、上部合板340Bと下部合板350Bに上部グラスファイバー複合素材320Bの配列に対応するスリット342B、352Bを形成し、このスリット342B、352Bに上部グラスファイバー複合素材320Bを挿入した形態に構成すれば上、下部合板340B、350Bと断熱板310Bとの結合力をさらに強化することができる。
【0108】
第2
貨物倉壁Bの2次断熱壁500Bは、
図18及び
図19に示されたように、上部合板540B、断熱板510B、下部合板550Bを含み、第2
貨物倉壁Bの2次防壁400Bと船舶シェル100との間に設けられる。2次断熱壁500Bは、両側が第1
貨物倉壁Aの2次断熱壁500Aと連結されることができる。
【0109】
上部合板540Bは、ダブルタング450Bが挿入・固定設置されて2次防壁400Bに具備されるフランジ423Bと溶接結合されることができる。
【0110】
断熱板510Bは、上部合板540Bと後述する下部合板550Bとの間に設けることができる。断熱板510Bは、複数のグラスファイバー複合素材板が平行構造で形成される下部グラスファイバー複合素材520Bと、下部グラスファイバー複合素材520Bの平行構造の内部に充電される断熱材530Bでなり得る。断熱材530Bは、密度45kg/m
3以下の低密度ポリウレタンフォームで構成することが好ましい。
【0111】
下部グラスファイバー複合素材520Bは、数枚のグラスファイバー複合素材板を2次断熱壁500Bの厚さ方向(図面上にて上下方向)に横断する形態で配置される。すなわち、グラスファイバー複合素材板が断熱材530Bの厚さ方向に立てられた形態である。こうすることで、グラスファイバー複合素材板らが平行構造を成して断熱材530Bの厚さ方向に作用する圧縮荷重を支持するようになる。
【0112】
下部グラスファイバー複合素材520Bは、上部グラスファイバー複合素材320Bの格子構造ではない平行構造を有するが、これは、下部グラスファイバー複合素材520Bをも格子構造に具備する場合、1次断熱壁300Bと2次断熱壁500Bいずれも剛体として作用し、衝撃が断熱壁300B、500Bによって吸収されることができずに、上部及び下部合板340B、350B、540B、550Bに伝達されることによって合板340B、350B、540B、550Bが破損しやすいからである。すなわち、本実施例では、下部グラスファイバー複合素材520Bを平行構造に具備して少なくとも一方向には2次断熱壁500Bが曲がるようにして衝撃を充分に吸収し、合板340B、350B、540B、550Bの破損を防止することができる。
【0113】
平行構造の形態は
貨物倉1の容量や船舶の規模、必要強度などによって多様に選択することができる。例えば、直線、曲線、任意の規則的な線が繰り返される形態、特定の規則のない形態など、多様な構造に選択することができる。また、下部グラスファイバー複合素材520Bは、断熱材330Bに埋め込んで一体化することが好ましい。
【0114】
埋め込みの方法としては、断熱材530Bを発砲成形する際に下部グラスファイバー複合素材520Bを、いわゆる「インサート成形」によって同時に射出成形することが好ましい。すなわち、断熱材530Bを発砲成形するための金型のキャビティの内部に下部グラスファイバー複合素材520Bを取り入れた状態で、キャビティの内部にポリウレタン原料を取り入れて発砲成形すれば、ポリウレタンフォームの断熱材530Bの内部に下部グラスファイバー複合素材520Bが埋め込まれて一体化される。このような方法以外にも、断熱材530B片らと下部グラスファイバー複合素材520Bとを別に製造し、下部グラスファイバー複合素材520Bの隙間に断熱材片を挿入した後、接着剤によって接合しても良い。
【0115】
本発明において、断熱材530Bとして使用される密度45kg/m
3以下の低密度ポリウレタンフォームは、密度130kg/m
3前後のポリウレタンフォームに比べて原資材の価格がやすいながらも断熱能力は優秀であるが、圧搾強度及び剛性が低い。このため、本発明では下部グラスファイバー複合素材520Bを挿入して断熱材530Bの圧縮強度及び剛性を補強したものである。
【0116】
下部合板550Bは、断熱板510Bと船体100との間に設けることができる。一方、これまでは上部グラスファイバー複合素材320Bが格子構造で、下部グラスファイバー複合素材520Bが平行構造であることについて説明したが、上部グラスファイバー複合素材320Bが平行構造で、下部グラスファイバー複合素材520Bが格子構造でありえる。すなわち、衝撃が合板340B、350B、540B、550Bに伝達されることを防止するために、二つのグラスファイバー複合素材320B、520Bのうちいずれか一つが格子構造で、残りの一つが平行構造であれば良い。
【0117】
図20は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の分離斜視図、
図21は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の1次防壁と1次断熱壁の組立斜視図、
図22は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の2次防壁と2次断熱壁の組立斜視図、
図23は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の1次防壁、1次断熱壁、2次防壁及び2次断熱壁の組立斜視図、
図24は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の一部断面図、
図25は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の1次断熱壁の分離斜視図、
図26は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の1次断熱壁の一部断面図、
図27は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の2次断熱壁の分離斜視図、
図28は、本発明の一実施例による第3
貨物倉壁の2次断熱壁の一部断面図である。
【0118】
図20ないし
図28に示されたように、本発明の第3
貨物倉壁Cは、
貨物倉1の外部を形成する船体シェル100、
貨物倉1の内部で極低温物質と接触するメンブレイン1次防壁200C、1次防壁200Cの外側に設けられる1次断熱壁300C、1次断熱壁300Cの外側に設けられるメンブレイン2次防壁400C、及び、2次防壁400Cの外側に配置されて船体シェル100に固定される2次断熱壁500Cを含むことができる。
【0119】
第3
貨物倉壁Cは、単独で本発明の
貨物倉1を形成することができるが、本実施例では、第1
貨物倉壁Aと組み合わせて本発明の
貨物倉1を形成する場合について説明する。勿論、第3
貨物倉壁Cは、第2
貨物倉壁Bと組み合わせて本発明の
貨物倉1を形成することができる。
【0120】
第3
貨物倉壁Cは、第1
貨物倉壁Aと組み合わせて本発明の
貨物倉1を形成する場合、第1
貨物倉壁Aが設けられる部分を除いたすべての部分または選択された部分に設けることができる。例えば、第1
貨物倉壁Aが
貨物倉1のコーナーライン6部分に設けられる場合、コーナーライン6部分を除いた横壁2、底3、縦壁4、天井5などに選択的に形成されることができる。また、第3
貨物倉壁Cは、液化ガスのスロッシング現象による衝撃を相対的に少なく受ける底3、及び天井5に設けるか、または衝撃を相対的に多く受ける横壁2、縦壁4に選択的に設けることができる。
【0121】
第3
貨物倉壁Cの1次防壁200Cは、
図20に示されたように、1次メインパネル220Cを含む。1次防壁200Cは、第1
貨物倉壁Aの1次防壁200Aと接合されることができる。
【0122】
1次メインパネル220Cは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ223Cを具備する複数の単位パネル222Cを連結する形態でなり、第1
貨物倉壁Aの1次メインパネル220Aと連結されることができる。勿論、第3
貨物倉壁Cが第2
貨物倉壁Bと組み合わされる場合に、第3
貨物倉壁Cの1次メインパネル220Cは、第2
貨物倉壁Bの1次メインパネル220Bと連結されることができる。
【0123】
1次メインパネル220Cは、ステンレス材質によって平板型で形成されることができる。勿論、1次メインパネル220Cは、ステンレス材質に限定されるものではなく、インバー材質または他の材質で形成されることができる。
【0124】
1次メインパネル220Cは、補助しわ230Cが形成されることができ、1次メインパネル220Cの補助しわ230Cは、上述した第1
貨物倉壁Aの1次メインパネル220Aに形成された補助しわ230A及び上述した第2
貨物倉壁Bの1次メインパネル220Bに形成された補助しわ230Bとその形状が同一であり、また同一線上に位置されて相互結合の際に連通できるようにする。
【0125】
補助しわ230Cは、
図31に拡大図示したように、長手方向に形成されることができ、前記第1及び第2
貨物倉壁A、Bの1次及び2次メインパネル220A、220Bに形成された補助しわ230A、230Bと形状及び機能が同一であるため、重複説明を避けるためにここでは具体的な説明を略する。
【0126】
第3
貨物倉壁Cの2次防壁400Cは、
図20に示されたように、1次防壁200Cとほとんど類似した形態で構成されることができ、2次メインパネル420Cを含む。2次防壁400Cは、第1
貨物倉壁Aの2次防壁400Aと接合されることができる。
【0127】
2次メインパネル420Cは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ423Cを具備する複数の単位パネル422Cを連結する形態でなり、第1
貨物倉壁Aの2次メインパネル420Aと連結されることができる。勿論、第3
貨物倉壁Cが第2
貨物倉壁Bと組み合わされる場合に、第3
貨物倉壁Cの2次メインパネル420Cは第2
貨物倉壁Bの2次メインパネル420Bと連結されることができる。
【0128】
2次メインパネル420Cは、ステンレス材質により平板型で形成されることができる。勿論、2次メインパネル420Cはステンレス材質に限定されるものではなく、インバー材質または他の材質で形成されることができる。
【0129】
上記のように、第3
貨物倉壁Cの1次メインパネル220Cは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ223Cを具備する複数の単位パネル222Cを連結した形態でなる。そして、後述する1次断熱壁300Cには単位パネル222Cらの幅に対応する間隔でダブルタング250Cが挿入・固定設置されるが、単位パネル222Cは隣合うダブルタング250Cとダブルタング250Cとの間に配置されて、真ん中に配置された一つのダブルタング250Cの両面に隣合う単位パネル222Cそれぞれに具備されるフランジ223Cが溶接される。
【0130】
これと同様に、第3
貨物倉壁Cの2次メインパネル420Cは、それぞれ隣接パネルと対面するフランジ423Cを具備する複数の単位パネル422Cを連結した形態でなる。そして、後述する2次断熱壁500Cには単位パネル422Cらの幅に対応する間隔でダブルタング450Cが挿入・固定設置されるが、単位パネル420Cは隣合うタング450Cとダブルタング450Cとの間に配置されて、真ん中に配置された一つのダブルタング450Cの両面に隣合う単位パネル420Cそれぞれのフランジ423Cが溶接される。
【0131】
勿論、本実施例では、1次メインパネル220Cの単位パネル222Cは、ダブルタング250Cによって連結されて、2次メインパネル420Cの単位パネル422Cは、一つのタング(図示せず)のみで連結されるようにすることができる。
【0132】
ダブルタング250C、450Cの構造は、
図29及び
図30に図示される。また、1次防壁200Cの隣合うダブルタング250Cの間の間隔は、2次防壁400Cの隣合うダブルタング450Cの間の間隔より狭く、1次防壁200Cのダブルタング250Cと2次防壁400Cのダブルタング450Cとは、互いにずれるように配置される。このように1次防壁200Cと2次防壁400Cのダブルタング250C、450Cをずれるように配置すれば、それらの溶接連結部をもずれるようになり、漏水による溶接部の損傷可能性を減らすことができる。
【0133】
また、1次防壁200Cの隣合うダブルタング250Cの間の距離を2次防壁400Cの隣合うダブルタング450Cの間の距離より短く構成すれば、極低温物質と直接接触する1次防壁200Cの収縮変位を充分に吸収するようになる。
【0134】
第3
貨物倉壁Cの1次断熱壁300Cは、
図25及び
図26に示されたように、上部合板340C、断熱板310C、下部合板350Cを含み、第3
貨物倉壁Cの1次防壁200Cと2次防壁400Cとの間に設けられる。1次断熱壁300Cは、両側が第1
貨物倉壁Aの1次断熱壁300Aと連結されることができる。
【0135】
上部合板340Cは、ダブルタング250Cが挿入・固定設置されて1次防壁200Cに具備されるフランジ223Cと溶接結合されることができる。
【0136】
断熱板310Cは、上部合板340Cと後述する下部合板350Cとの間に設けることができ、断熱板310Cを形成する断熱材330Cとしては、密度130kg/m
3前後の中間密度ポリウレタンフォームで構成することが好ましい。勿論、断熱材330Cは、密度130kg/m
3前後の中間密度ポリウレタンフォームのみならず、密度45kg/m
3以下の低密度ポリウレタンフォームでも構成することができる。
【0137】
下部合板350Cは、断熱板310Cと2次防壁400Cとの間に設けることができる。第3
貨物倉壁Cの2次断熱壁500Cは、
図27及び
図28に示されたように、上部合板540C、断熱板510C、下部合板550Cを含み、第3
貨物倉壁Cの2次防壁400Cと船舶シェル100との間に設けられる。2次断熱壁500Cは、両側が第1
貨物倉壁Aの2次断熱壁500Aと連結されることができる。
【0138】
上部合板540Cは、ダブルタング450Cが挿入・固定設置されて2次防壁400Cに具備されるフランジ423Cと溶接結合されることができる。
【0139】
断熱板510Cは、上部合板540Cと後述する下部合板550Cとの間に設けることができ、断熱板510Cを形成する断熱材530Cとしては、密度130kg/m
3前後の中間密度ポリウレタンフォームで構成することが好ましい。
【0140】
下部合板550Cは、断熱板510Cと2次防壁400Cとの間に設けることができる。
【0141】
図29は、本発明の一実施例によるダブルタングの拡大正面図、
図30は、本発明の一実施例によるダブルタングの拡大斜視図である。
【0142】
前述の第2及び第3
貨物倉壁B、Cの1次メインパネル220及び2次メインパネル420で述べたように、本実施例のダブルタング250、450は、各メインパネル220、420のフランジ223、423を互いに結合するために使用されて、下部がフランジ223、423から遠ざかる方向に折り曲げられた「凸」字形状を有することができる。図面には図示しなかったが、第1
貨物倉壁Aで1次メインパネル220及び2次メインパネル420のフランジ223、423を互いに結合するために、第2及び第3
貨物倉壁B、Cの1次メインパネル220及び2次メインパネル420で述べたようなダブルタング250、450を使用することができる。
【0143】
この際、ダブルタング250、450は、
図29でフランジ223、423が結合される地点を基準にして下端が左側に絶穀される左側タング符号図示しないと、下端が右側に折り曲げられる右側タング(符号図示せず)が触れ合って結合された二重構造で構成されることができる。この際、左側タングと右側タングの高さは同一であり、左右に折り曲げられて延びた下端の長さもまた同一でありえる。すなわち、ダブルタング250、450は、左右対称の形態を有することができ、これによってフランジ223、423の間の溶接結合が均一になされるようにすることができる。
【0144】
このように折り曲げられて延びた下端部分は、前述した上部合板340、540に固定されることができ、上部合板340、540にはダブルタング250、450の下端が挿入されるための結合口(図示せず)が形成されることができる。
【0145】
ダブルタング250、450は、フランジ223、423より相対的に高く突出することができ、この際にスロッシングによる破損を防止するためにフランジ233、423の上端より上方に露出した部分には、極低温物質の流動のための流動ホール(図示せず)長手方向に沿って複数形成されることができる。
【0146】
本実施例では、二重構造でかつ対称構造のダブルタング250、450を具備することによってフランジ223、423の結合力を向上させることができ、上部合板340、540とメインパネル220、420の間の結合力をも同時に向上させることができる。これにより、ダブルタング250、450は、断熱構造の強度を増大させることができる。
【0147】
このように本実施例では、1次しわパネル210Aを有する第1
貨物倉壁Aを
貨物倉1の一部分を占めるコーナーライン6に適用させることで、収縮によってクラックの発生をあらかじめ防止すると同時に、液化ガスのスロッシング現象による衝撃力を容易に吸収することができ、かつ
貨物倉1の欠陥の発生を防止することができ、第1、第2及び第3
貨物倉壁A、B、Cそれぞれの1次防壁200A、200B、200Cに補助しわ230A、230B、230Cを形成して収縮による破損を防止して液化ガスのスロッシング現象による衝撃力をさらに容易に吸収するだけでなく、スロッシング現象がそれぞれ異なって現われる
貨物倉1の各部位に構造の異なる第1ないし第3
貨物倉壁A、B、Cを選択的に適用させることができるため、
貨物倉の信頼性を向上させることができる。
【0148】
また、
貨物倉1の一部分に適用される第1
貨物倉壁Aの一部にのみ高価の材質を使用し、
貨物倉1の大部分に適用される第2または第3
貨物倉壁B、Cには相対的に低価の材質を使用することで、
貨物倉1の製作コストを画期的に低減することができる。
【0149】
また、第1ないし第3
貨物倉壁A、B、Cに区分して製作することができ、分割製作及び搭載が可能であり、施工期間を短縮することができる。
【0150】
以上、本発明の具体的な実施例について詳しく説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該技術分野における通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることは明白である。さらに、本発明の単なる変形ないし変更は、いずれも本発明の領域に属するもので本発明の具体的な保護範囲は添付された特許請求の範囲によって明確になるだろう。