【実施例】
【0054】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、各種物性値の測定法は以下の通りである。
【0055】
(1)特定の架橋重合体における芳香族ビニル化合物(スチレン)に由来の構造単位の含有割合(以下、「結合スチレン含量」ともいう。):
500MHz、
1H−NMRスペクトルから算出した。
【0056】
(2)特定の非架橋重合体における共役ジエン化合物に由来の構造単位中の1,2−ビニル結合の含有量(以下、「ビニル結合含量」ともいう。):
500MHz、
1H−NMRスペクトルから算出した。
【0057】
(3)ムーニー粘度:
JIS K6300に準拠し、Lローターを用い、予熱1分間、ローター作動時間4分間、温度100℃の条件で測定した。
【0058】
(4)コールドフロー値:
共役ジエン系ゴムを温度50℃に保持した状態で、圧力24.1kPaの条件で、6.35mmのオリフィスから押し出し、押し出された時点から10分後(押し出し速度が一定になった後)に、90分間、共役ジエン系ゴムの30分毎の押し出し量(mg)を測定し、その平均値をコールドフロー値(mg/分)とした。この数値が大きいほど、ゴムの形状安定性が悪く、取扱いが困難となる。
【0059】
〈実施例1〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2500g、トルエン250g、スチレン123g、ジビニルベンゼン2g、およびテトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム(1.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.80mmolを添加することによって重合反応を停止した。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物としてブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、メタノール4.00mmolを添加することによって、重合反応を停止した。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムA」とする。この共役ジエン系ゴムAにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムAを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムAの特性を下記表1に示す。
【0060】
(2)ゴム組成物の調製:
温度制御装置を付属したプラストミル(内容量250cc)を用い、以下のようにしてゴム組成物を調製した。
共役ジエン系ゴムA70質量部と、天然ゴム30質量部と、伸展油「SNH46」(三共油化工業社製)37.5質量部と、カーボンブラック「ダイヤブラックN339」(三菱化学社製)5.6質量部と、シリカ「ニシプルAQ」(東ソー・シリカ社製,一次平均粒子径15nm)70質量部と、シランカップリング剤「Si69」(エボニック社製)5.6質量部、ステアリン酸2.0質量部、老化防止剤「ノクラック810NA」(大内新興化学工業社製)1.0質量部、および酸化亜鉛3.0質量部を、回転数60rpm、温度120℃、充填率72%の混練条件によって3.5分間混練した。
次いで、得られた混練物を室温まで冷却した後、当該混練物に、加硫促進剤「ノクセラ−CZ」(大内新興化学工業社製)1.8質量、加硫促進剤「ノクセラ−D」(大内新興化学工業社製)1.5質量部、イオウ1.5質量部を添加し、回転数60rpm、80℃の混練条件によって1分間混練することにより、ゴム組成物を製造した。得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0061】
〈実施例2〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン93g、α−メチルスチレン30g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は30℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.80mmolを添加することによって重合反応を停止した。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は75℃に達した。その後、メタノール4.00mmolを添加することによって、重合反応を停止した。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムB」とする。この共役ジエン系ゴムBにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムBを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムBの特性を下記表1に示す。
【0062】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムBを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0063】
〈実施例3〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン108g、アセナフチレン15g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.80mmolを添加することによって重合反応を停止した。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、メタノール4.00mmolを添加することによって、重合反応を停止した。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムC」とする。この共役ジエン系ゴムCにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムCを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムCの特性を下記表1に示す。
【0064】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムCを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0065】
〈実施例4〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン123g、ジビニルベンゼン2gを仕込んだ。反応系の温度を70℃に調整した後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.50gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375gおよびアゾビスイソブチロニトリル1.50gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムD」とする。この共役ジエン系ゴムDにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムDを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムDの特性を下記表1に示す。
【0066】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムDを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0067】
〈実施例5〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン83g、α−メチルスチレン40g、ジビニルベンゼン2gを仕込んだ。反応系の温度を70℃に調整した後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.50gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375gおよびアゾビスイソブチロニトリル1.50gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムE」とする。この共役ジエン系ゴムEにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムEを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムEの特性を下記表1に示す。
【0068】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムEを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0069】
〈実施例6〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン103g、アセナフチレン20g、ジビニルベンゼン2gを仕込んだ。反応系の温度を70℃に調整した後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.50gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。 その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375gおよびアゾビスイソブチロニトリル1.50gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムF」とする。この共役ジエン系ゴムFにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムFを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムFの特性を下記表1に示す。
【0070】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムFを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0071】
〈実施例7〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン121g、ジビニルベンゼン4g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.80mmolを添加することによって重合反応を停止した。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、メタノール4.00mmolを添加することによって、重合反応を停止した。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムG」とする。この共役ジエン系ゴムGにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムGを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムGの特性を下記表1に示す。
【0072】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムGを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0073】
〈実施例8〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン99g、ジビニルベンゼン1g、テトラヒドロフラン10gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は30℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.00mmolを添加することによって重合反応を停止した。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン400g、テトラヒドロフラン40g、およびn−ブチルリチウム4.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、メタノール4.80mmolを添加することによって、重合反応を停止した。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムH」とする。この共役ジエン系ゴムHにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で20:80である。
共役ジエン系ゴムHを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムHの特性を下記表1に示す。
【0074】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムHを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0075】
〈実施例9〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン79g、アセナフチレン20g、ジビニルベンゼン1gを仕込んだ。反応系の温度を70℃に調整した後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.80gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン400gおよびアゾビスイソブチロニトリル1.70gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムI」とする。この共役ジエン系ゴムIにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で20:80である。
共役ジエン系ゴムIを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムDの特性を下記表1に示す。
【0076】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムIを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0077】
〈実施例10〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン123g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、メタノール4.00mmolを添加することによって、重合反応を停止した。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムJ」とする。この共役ジエン系ゴムJにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムJを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムJの特性を下記表1に示す。
【0078】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムJを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0079】
〈実施例11〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン123g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.00mmolを添加することによって重合反応を停止した。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤としてN, N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン(以下、「変性剤(1)」という。)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムK」とする。この共役ジエン系ゴムKにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムKを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムKの特性を下記表1に示す。
【0080】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムKを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0081】
〈実施例12〉
変性剤(1)の代わりにN,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下、「変性剤(2)」という。)を用い、四塩化ケイ素の添加量を3.93mmolから5.17mmolに変更したこと以外は、実施例11と同様にして共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムL」とする。
共役ジエン系ゴムLを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムLの特性を下記表1に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムLを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0082】
〈実施例13〉
変性剤(1)の代わりに1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン(以下、「変性剤(3)」という。)を用い、四塩化ケイ素の添加量を3.93mmolから5.17mmolに変更したこと以外は、実施例11と同様にして共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムM」とする。
共役ジエン系ゴムMを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムMの特性を下記表1に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムMを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0083】
〈実施例14〉
変性剤(1)の代わりにN−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン(以下、「変性剤(4)」という。)を用い、四塩化ケイ素の添加量を3.93mmolから5.17mmolに変更したこと以外は、実施例11と同様にして共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムN」とする。
共役ジエン系ゴムNを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムNの特性を下記表1に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムNを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0084】
〈実施例15〉
変性剤(1)の代わりに3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン(以下、「変性剤(5)」という。)を用い、四塩化ケイ素の添加量を3.93mmolから5.17mmolに変更したこと以外は、実施例11と同様にして共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムO」とする。
共役ジエン系ゴムOを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムOの特性を下記表1に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムOを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0085】
〈実施例16〉
変性剤(1)の代わりにビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン(以下、「変性剤(6)」という。)を用い、四塩化ケイ素の添加量を3.93mmolから5.17mmolに変更したこと以外は、実施例11と同様にして共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムP」とする。
共役ジエン系ゴムPを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムPの特性を下記表1に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムPを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0086】
〈実施例17〉
変性剤(1)の代わりに3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン(以下、「変性剤(7)」という。)を用い、四塩化ケイ素の添加量を3.93mmolから5.17mmolに変更したこと以外は、実施例11と同様にして共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムQ」とする。
共役ジエン系ゴムQを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムQの特性を下記表1に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムQを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0087】
〈実施例18〉
変性剤(1)の代わりにS−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリエトキシシラン(以下、「変性剤(8)」という。)を用い、四塩化ケイ素の添加量を3.93mmolから5.17mmolに変更したこと以外は、実施例11と同様にして共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムR」とする。
共役ジエン系ゴムRを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムRの特性を下記表1に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムRを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表1に示す。
【0088】
〈実施例19〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン123g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン338g、スチレン37g 、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤(1)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムS」とする。この共役ジエン系ゴムSにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムSを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムSの特性を下記表2に示す。
【0089】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムSを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0090】
〈実施例20〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン123g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300g、スチレン75g 、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤(1)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムT」とする。この共役ジエン系ゴムTにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムTを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムTの特性を下記表2に示す。
【0091】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムTを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0092】
〈実施例21〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン103g、ブタジエン20g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤(1)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムU」とする。この共役ジエン系ゴムUにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムUを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムUの特性を下記表2に示す。
【0093】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムUを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0094】
〈実施例22〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン103g、ブタジエン20g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300g、スチレン75g 、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤(1)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムV」とする。この共役ジエン系ゴムVにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムVを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムVの特性を下記表2に示す。
【0095】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムVを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0096】
〈実施例23〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン83g、ブタジエン40g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン325g、スチレン100g 、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤(1)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムW」とする。この共役ジエン系ゴムWにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムWを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムWの特性を下記表2に示す。
【0097】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムWを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0098】
〈実施例24〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、p-tertブチルスチレン100g、ブタジエン20g、ジビニルベンゼン5g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300g、スチレン75g 、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤(1)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムX」とする。この共役ジエン系ゴムXにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムXを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムXの特性を下記表2に示す。
【0099】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムXを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0100】
〈実施例25〉
(1)共役ジエン系ゴムの合成:
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、p-tertブチルスチレン80g、ブタジエン40g、ジビニルベンゼン5g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。
その後、反応系に、重合反応を停止させずに、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300g、スチレン75g 、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、反応系に、変性剤(1)4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加して15分間反応を行い、更に、四塩化ケイ素3.93mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムY」とする。この共役ジエン系ゴムYにおける特定の架橋重合体と特定の非架橋重合体との割合は、質量比で25:75である。
共役ジエン系ゴムYを得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムYの特性を下記表2に示す。
【0101】
(2)ゴム組成物の調製:
共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムYを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0102】
〈比較例1〉
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン125g、およびテトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.00mmolを添加することによって重合反応を停止した。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、およびn−ブチルリチウム4.00mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を行った。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は80℃に達した。その後、メタノール4.00mmolを添加することによって、重合反応を停止した。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムZ1」とする。
共役ジエン系ゴムZ1を得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムZ1の特性を下記表2に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムZ1を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0103】
〈比較例2〉
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン125gを仕込んだ。反応系の温度を70℃に調整した後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.00gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
その後、反応系に、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン375gおよびアゾビスイソブチロニトリル1.50gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、80℃で4時間の条件で重合反応を行った。
そして、得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムZ2」とする。
共役ジエン系ゴムZ2を得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムZ2の特性を下記表2に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムZ2を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0104】
〈比較例3〉
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2, 500g、トルエン250g、スチレン123g、ジビニルベンゼン2g、テトラヒドロフラン12.5gを仕込んだ。反応系の温度を10℃に調整した後、重合開始剤としてn−ブチルリチウム1.80mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加することにより、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は35℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、反応系にメタノール1.80mmolを添加することによって重合反応を停止した。得られたポリマー溶液に、2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、更に、メタノールによる再沈殿処理を行い、得られた沈殿物を真空乾燥機によって乾燥処理することにより、架橋重合体を得た。
また、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2500g、トルエン250g、1,3−ブタジエン375g、テトラヒドロフラン37.5g、n−ブチルリチウム4.00mmolを仕込み、重合反応を開始した。重合反応は断熱条件で行い、反応系の最高温度は65℃に達した。その後、メタノール4.00mmolを添加して重合反応を停止した。得られたポリマー溶液に2, 6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加し、その後、水酸化ナトリウムによってpH=9に調整した熱水を用いたスチームストリッピングにより、ポリマー溶液の脱溶媒処理を行い、更に、110℃に調温された熱ロールにより乾燥することにより、ポリ1,3−ブタジエンを得た。
そして、上記の架橋重合体と上記のポリ1,3−ブタジエンとを混練りすることにより、共役ジエン系ゴムを得た。この共役ジエン系ゴムを「共役ジエン系ゴムZ3」とする。 共役ジエン系ゴムZ3を得るための単量体の使用量、得られた共役ジエン系ゴムZ3の特性を下記表2に示す。
また、共役ジエン系ゴムAの代わりに共役ジエン系ゴムZ3を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物のムーニー粘度を下記表2に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
〔ゴム組成物の評価〕
実施例1〜25および比較例1〜3で得られたゴム組成物の各々を成型した後、加硫プレス機を用いて160℃の条件で加硫処理することにより、ゴム弾性体を製造し、得られたゴム弾性体について下記の評価を行った。結果を下記表3および下記表4に示す。
【0108】
(1)引張強度(300%モジュラス):
JISK6301に準拠して300%モジュラスを測定し、比較例3に係るゴム弾性体の300%モジュラスの値を100としたときの指数を求めた。この指数が大きいほど、引張強度が大きく、機械的強度に優れていると評価することができる。
(2)耐摩耗性:
ランボーン型摩耗試験機を使用し、スリップ率25%での摩耗量を室温で測定し、比較例3に係るゴム弾性体の摩耗量の値を100としたときの指数を求めた。この指数が大きいほど、耐摩耗性に優れていると評価することができる。
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】
【0111】
表3および表4の結果から明らかなように、実施例1〜25に係る共役ジエン系ゴムによれば、優れた機械的強度を有するゴム弾性体が得られることが確認された。