(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、電子時計に入力された各種データを、記憶した各種データ量に応じて各種データを切り換えて表示し、操作性を向上させた電子時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。電子時計は小型化への要求が強く、その為に操作ボタン数も少ないほうが好ましい。しかしながら、近年、電子時計は、各種機能の付加により操作が複雑化し操作ボタン数を少なくすることは難しくなっている。特に大容量のメモリを搭載し、時間の計測値や気圧、高度などを記憶する電子時計は記録後の呼び出し(メモリから読み出して表示する)操作を分かりやすくする必要もあり、操作ボタンを少なくして小型化することは難しかった。
【0003】
ランニング用電子時計を例に用いて、記録したデータを表示する操作の従来例を説明する。一般的なランニング用電子時計は、時刻を表示する時計モードと、時間を計測するストップウォッチモードと、ストップウォッチモードで計測した時間を表示するリコールモードとのいずれかの動作モードで動作する。リコールモードで表示するデータは、複数のデータグループとデータグループ内の個々の時間データで構成される。以下、データグループをチャンネルとよびチャンネル内の個々の時間データをラップデータと呼ぶ。具体的には、ランニング用電子時計は、ストップウォッチモードにおいて、スタート操作からストップ操作までを1つのチャンネルとし、スタート操作とストップ操作の間に計測したラップ時間のデータや各ラップ時間の平均時間等をラップデータとしてメモリに記憶する。
【0004】
図8は、従来知られている電子時計の表示データ切替方法を示した概略図である。図示する例では、A1〜A5はチャンネルAのラップデータであり、B1〜B5はチャンネルBのラップデータであり、C1〜C5はチャンネルCのラップデータであり、D1〜D5はチャンネルDのラップデータである。また、A1、B1、C1、及びD1は、各チャンネルにおいて1番最初に表示されるデータ(最上位データ)であり、各チャンネルの番号(チャンネル番号)や計測した日付、チャンネル内のラップ時間の合計時間等を含む。A2〜A5,B2〜B5,C2〜C5及びD2〜D5は、ラップ時間を示すデータであり、各ラップ時間を識別するラップ番号とラップ時間とを含む。
【0005】
ランニング用電子時計は、リコールモードに移行すると、最新のチャンネルAの最上位データA1を表示する。ランニング用電子時計は、この表示を行っている際にチャンネル変更ボタンSW1が押下されると、表示するチャンネルを切り替える。すなわち、ランニング用電子時計は、チャンネル変更ボタンSW1が入力を受け付けると、A1,B1,C1,D1の順に表示を切り替える。また、ランニング用電子時計は、データ送りボタンSW2が押下されると、表示するラップデータを計測された順に切り替える。すなわち、ランニング用電子時計は、データ送りボタンSWが入力を受け付けると、A1,A2,A3,A4の順に表示を切り替える。また、ランニング用電子時計は、データ戻りボタンSW3が押下されると、表示するラップデータを逆順に切り替える。すなわち、ランニング用電子時計は、データ送りボタンSW3が入力を受け付けると、A4,A3,A2,A1の順に表示を切り替える。
【0006】
データの表示は、チャンネル変更ボタンSW1とデータ送りボタンSW2との2つの操作ボタンのみでも操作可能であるが、記録メモリの増大により300ラップや500ラップ分のデータが記録できるようになり、順送りだけでは操作の手間が多い。このため、操作性向上にはデータ送りボタンSW2とデータ戻りボタンSW3が必要である。すなわち、リコールモードにおいて、操作ボタンは、モードを切り替えるモード変更ボタンと、チャンネルの消去を行う消去ボタンと、チャンネルを変更するチャンネル変更ボタンと、ラップデータを順送りするデータ送りボタンと、ラップデータを逆戻りするデータ戻りボタンとの少なくとも5個が必要である。
【0007】
そこで、全てのチャンネルのラップデータを数珠繋ぎに表示可能にし、チャンネル変更ボタンSW1を不要にすることが考えられる。
図9は、従来知られている電子時計の他の表示データ切替方法を示した概略図である。図示する例では、ランニング用電子時計は、チャンネルの最後のラップデータを表示しているときにデータ送りボタンSW2が入力を受け付けると、次の順番のチャンネルの最上位データを表示する。具体的には、ランニング用電子時計は、チャンネルAの最後のラップデータA5を表示しているときにデータ送りボタンSW2が入力を受け付けると、次の順番のチャンネルBの最上位データB1を表示する。
【0008】
また、ランニング用電子時計は、最上位データを表示しているときにデータ戻りボタンSW3が入力を受け付けると、前の順番のチャンネルの最後のラップデータを表示する。具体的には、ランニング用電子時計は、チャンネルBの最上位データB1を表示しているときにデータ戻りボタンSW3が入力を受け付けると、前の順番のチャンネルAの最後のラップデータA5を表示する。これにより、ランニング用電子時計は、チャンネル変更ボタンSW1が不要になるため、リコールモードを合計4個の操作ボタンで操作可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分には同一符号を付している。
【0016】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における電子時計100の外観構成を示す正面図である。電子時計100は、時間を計測するストップウォッチ機能付き電子時計である。電子時計100は、現在時刻を表示する時計モードと、時間を計測するストップウォッチモードと、ストップウォッチモードで計測した時間を表示するリコールモードとの3種類の動作モードのいずれかで動作する。
【0017】
電子時計100は、時計モードで動作する際には、現在の時刻を表示する。また、電子時計100は、ストップウォッチモードで動作する際には、時間を計測し、計測した時間を表示するとともに記録する。また、電子時計100は、リコールモードで動作する際には、ストップウォッチモードで記録した時間を読み出して表示する。
【0018】
図示するように、電子時計100は、複数(本実施形態では5つ)の操作ボタン1061〜1065と、表示装置104(表示部)とを備えている。操作ボタン1061〜1065は、それぞれ異なる操作入力を受け付ける。表示装置104は、液晶ディスプレイまたはセグメントディスプレイ等であり、情報を表示する。
【0019】
図2は、本実施形態における電子時計100の構成を示すブロック図である。図示する例では、電子時計100は、CPU(Central Processing Unit)101(表示制御部)と、ROM(Read Only Memory、読み出し専用メモリ)102と、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)103(記憶部)と、表示装置104と、報音装置105と、入力装置106と、発振素子107と、電源108とを備える。
【0020】
CPU101は、電子時計100が備える各部の制御を行う。例えば、CPU101は、表示装置104の表示処理を制御する。表示処理の制御方法については後述する。また、CPU101は、発振素子107から入力された発振信号に基づいて現在時刻を計時し表示装置104に表示する。また、CPU101は、発振素子107から入力された発振信号に基づいて時間を計測し、計測した時間をRAM103に記録する(書き込む)。具体的には、CPU101は、ストップウォッチモードで動作しているときに、スタートボタンが入力を受け付けると時間の計測を開始する。そして、CPU101は、ラップボタンが入力を受け付けると、計測したラップ時間をラップ番号と対応付け、ラップデータとしてRAM103に記録する。
【0021】
ラップ時間は、スタートボタンが入力を受け付けてから最初にラップボタンが入力を受け付けるまでの時間、または、ラップボタンが入力を受け付けてから次にラップボタンが入力を受け付けるまでの時間である。ラップ番号は、各ラップ時間の計測順番を識別する番号である。そして、CPU101は、ストップボタンが入力を受け付けると時間の計測を停止する。CPU101は、スタートボタンが入力を受け付けてからストップボタンが入力を受け付けるまでの間に計測したラップデータを1つのチャンネル(データグループ)としてRAM103に記録する。なお、スタートボタンと、ラップボタンと、ストップボタンとは、それぞれ操作ボタン1061〜1065のいずれかに対応する。
【0022】
ROM102は、CPU101が実行する動作用プログラムを予め記憶している。この動作用プログラムは、CPU101の起動時に読み出される。RAM103は、電子時計100の各部が用いるデータを記憶する。例えば、RAM103は、ストップウォッチモードにおいてCPU101が計測した時間に関するデータを記憶する。具体的には、RAM103は、1または複数のラップデータから構成されるチャンネルを1または複数記憶する。
【0023】
表示装置104は情報を表示する。報音装置105は音声を出力する。入力装置106は、複数の操作ボタン1061〜1065を備える。入力装置106は、操作ボタン1061〜1065が押下された場合には、押下された操作ボタン1061〜1065に応じた操作入力を受け付ける。発振素子107は、所定周波数(例えば、32768Hz)の発振信号を生成してCPU101へ出力する。電源108は、電子時計100が備える各部に、動作するための電力を供給する。
【0024】
次に、リコールモードにおいて表示するデータの切り替え方法について説明する。
図3は、本実施形態における電子時計100の表示データ切替方法を示した概略図である。A1〜A5はチャンネルAのラップデータであり、B1〜B5はチャンネルBのラップデータであり、C1〜C5はチャンネルCのラップデータであり、D1〜D5はチャンネルDのラップデータである。なお、各番号は、データの順番を示す。また、A1、B1、C1、及びD1は、各チャンネルにおいて1番最初に表示されるデータ(最上位データ)であり、各チャンネルの番号(チャンネル番号)や計測した日付、チャンネル内のラップ時間の合計時間等を含む。
【0025】
A2〜A5,B2〜B5,C2〜C5及びD2〜D5は、ラップ時間を示すデータであり、ラップ番号とラップ時間とを含む。各チャンネルのラップデータは、計測された順が判定できるように記憶されている。例えば、先に計測されたラップデータほど小さなラップ番号が付与され、後に計測されたラップデータほど大きなラップ番号が付与されている。
【0026】
リコールモードにおいて、操作ボタン1062は、表示装置104に表示するデータを昇順に切り替える指示の入力(第1の操作入力)を受け付ける操作ボタンである。また、操作ボタン1063は、表示装置104に表示するデータを降順に切り替える指示の入力(第2の操作入力)を受け付ける操作ボタンである。図示する例では、実線は操作ボタン1062(第1のボタン)が入力を受け付け場合の遷移を示し、破線は操作ボタン1063(第2のボタン)が入力を受け付けた場合の遷移を示す。
【0027】
本図に示すように、CPU101は、動作モードがリコールモードに切り替わると、日付が最も新しい(最新)のチャンネルAの最上位データA1を表示装置104に表示する。そして、CPU101は、表示装置104が最上位データA1を表示しているときに、操作ボタン1062が第1の操作入力を受け付けると、当該チャンネルAの次(直後)のラップデータA2に表示装置104の表示を切り替える(最上位データA1の表示を消去するとともに、ラップデータA2を表示する)。
【0028】
CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付ける毎に、チャンネルAのラップデータを昇順(例えば、計測された順(A1,A2,A3,A4,A5の順))に表示装置104に表示する。そして、CPU101は、チャンネルAの最後のラップデータA5を表示しているときに、操作ボタン1062が第1の操作入力を受け付けると、次(直後)のチャンネルBの最上位データB1に表示装置104の表示を切り替える。チャンネルAの次の順番のチャンネルBは、チャンネルAの次に日付が新しいチャンネルである。すなわち、CPU101は、ラップデータを昇順で表示する場合には、全てのチャンネルのラップデータを数珠繋ぎにし、順に読み出して表示する。
【0029】
なお、CPU101は、日付が最も古い(最古)のチャンネルDの最後のラップデータD5を表示しているときに、操作ボタン1062が第1の操作入力を受け付けると、最新のチャンネルAの最上位データA1に表示装置104の表示を切り替える。
【0030】
一方、CPU101は、チャンネルBのラップデータB5を表示しているときに、操作ボタン1063が第2の操作入力を受け付けると、ラップデータB5の前(直前)のラップデータB4に表示装置104の表示を切り替える。CPU101は、操作ボタン1063が入力を受け付ける毎に、チャンネルBのラップデータを降順(B5,B4,B3,B2,B1の順)に表示装置104に表示させる。そして、CPU101は、チャンネルBの最上位データB1を表示しているときに、操作ボタン1063が第2の操作入力を受け付けると、前(直前)のチャンネルAの最上位データA1に表示装置104の表示を切り替える。チャンネルBの前の順番のチャンネルAは、チャンネルBの次に日付が古いチャンネルである。
【0031】
なお、CPU101は、最新のチャンネルAの最上位データA1を表示しているときに、操作ボタン1063が第2の操作入力を受け付けると、最古のチャンネルDの最上位データD1に表示装置104の表示を切り替える。
【0032】
このように、CPU101は、最上位データを表示しているときに、操作ボタン1063が第2の操作入力を受け付けると、前の順番のチャンネルの最上位データに表示を切り替えている。このため、各チャンネルの番号や計測した日付、チャンネル内のラップ時間の合計時間等を先に確認することができる。
【0033】
次に、本実施形態における電子時計100の表示切替処理について説明する。
図4は、本実施形態における電子時計100が実行する表示切替処理の処理手順を示したフローチャートである。電子時計100は、動作モードがリコールモードになったときに図示する表示切替処理を実行する。
【0034】
(ステップS101)CPU101は、最新のチャンネルの最上位データをRAM103から読み出し、読み出した最上位データを表示装置104に表示する。具体的には、CPU101は、読み出した最上位データに含まれるチャンネル番号と、日付と、合計時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS102の処理に進む。
【0035】
(ステップS102)CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付けたか(第1のボタンが押下されたか)否かを判定する。CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付けたと判定した場合には、ステップS103の処理に進む。一方、CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付けていないと判定した場合には、ステップS106の処理に進む。
【0036】
(ステップS103)CPU101は、現在表示しているラップデータが、当該ラップデータのチャンネルの最後のラップデータであるか否かを判定する。CPU101は、現在表示しているラップデータが最後のラップデータであると判定した場合には、ステップS104の処理に進む。一方、CPU101は、現在表示しているラップデータが最後のラップデータでないと判定した場合には、ステップS105の処理に進む。
【0037】
(ステップS104)CPU101は、表示装置104の表示を次の順番のチャンネルの最上位データに切り替える。具体的には、CPU101は、次の順番のチャンネルの最上位データをRAM103から読み出し、読み出した最上位データに含まれるチャンネル番号と、日付と、合計時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS102の処理に戻る。
【0038】
(ステップS105)CPU101は、表示装置104の表示を次の順番のラップデータに切り替える。具体的には、CPU101は、現在表示しているラップデータの次の順番のラップデータをRAM103から読み出し、読み出したラップデータに含まれるラップ番号とラップ時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS102の処理に戻る。
【0039】
(ステップS106)CPU101は、操作ボタン1063が入力を受け付けたか(第2のボタンが押下されたか)否かを判定する。CPU101は、操作ボタン1063が入力を受け付けたと判定した場合には、ステップS107の処理に進む。一方、CPU101は、操作ボタン1063が入力を受け付けていないと判定した場合には、ステップS110の処理に進む。
【0040】
(ステップS107)CPU101は、現在表示しているラップデータが、最上位データであるか否かを判定する。CPU101は、表示しているラップデータが最上位データであると判定した場合には、ステップS108の処理に進む。一方、CPU101は、表示しているラップデータが最上位データでないと判定した場合には、ステップS109の処理に進む。
【0041】
(ステップS108)CPU101は、表示装置104の表示を前の順番のチャンネルの最上位データに切り替える。具体的には、CPU101は、現在表示しているチャンネルの前の順番のチャンネルの最上位データをRAM103から読み出し、読み出した最上位データに含まれるチャンネル番号と、日付と、合計時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS102の処理に戻る。
【0042】
(ステップS109)CPU101は、表示装置104の表示を前の順番のラップデータに切り替える。具体的には、CPU101は、現在表示しているラップデータの前の順番のラップデータをRAM103から読み出し、読み出したラップデータに含まれるラップ番号とラップ時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS102の処理に戻る。
【0043】
(ステップS110)CPU101は、削除ボタンが押下されたか否かを判定する。削除ボタンは、操作ボタン1061,1064,1065のうちいずれかである。CPU101は、削除ボタンが押下されたと判定した場合には、ステップS111の処理に進む。一方、CPU101は、削除ボタンが押下されていないと判定した場合には、ステップS112の処理に進む。
【0044】
(ステップS111)CPU101は、現在表示しているラップデータのチャンネルをRAM103から削除する。その後、ステップS102の処理に戻る。
【0045】
(ステップS112)CPU101は、モードボタンが押下されたか否かを判定する。モードボタンは、操作ボタン1061,1064,1065のうちいずれかである。CPU101は、モードボタンが押下されたと判定した場合には、動作モードを他のモードに切り替え、当該表示切替処理を終了する。一方、CPU101は、モードボタンが押下されていないと判定した場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0046】
上述したとおり、本実施形態では、CPU101は、操作ボタン1062(第1のボタン)が入力を受け付ける毎に、次の順番のラップデータに表示を切り替える。そして、CPU101は、チャンネルの最後のラップデータを表示しているときに、操作ボタン1062が入力を受け付けると、次の順番のチャンネルの最上位データに表示を切り替える。すなわち、CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付けた場合は、全てのチャンネルのラップデータを数珠繋ぎにして順に表示する。
【0047】
一方、CPU101は、最上位データ以外のラップデータを表示しているときに、操作ボタン1063(第2のボタン)が入力を受け付けると、前の順番のラップデータに表示を切り替える。そして、CPU101は、最上位データを表示しているときに、操作ボタン1063が入力を受け付けると、前の順番のチャンネルの最上位データに表示を切り替える。
【0048】
これにより、各チャンネルの最後のラップデータを表示している際に操作ボタン1063が押下された場合においても、遷移後のチャンネルの番号や計測した日付および遷移後のチャンネル内のラップ時間の合計時間等を先に表示することができる。すなわち、2つの操作ボタン1062,1063で、記録したラップデータの表示切り替えを容易に行うことが可能となる。よって、操作性を損なうことなくボタンの数を削減することができ、電子時計100の小型化が可能となる。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における電子時計100の構成は、
図1及び
図2に示す第1の実施形態と同様である。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、長押し入力により表示するチャンネルを切り替える点である。具体的には、CPU101は、操作ボタン1062(第1のボタン)が長押し入力を受け付けると、現在表示装置104が表示しているチャンネルの次の順番のチャンネルの最上位データに表示装置104の表示を切り替える。
【0050】
また、CPU101は、操作ボタン1063(第2のボタン)が長押し入力を受け付けると、現在表示装置104が表示しているチャンネルの前の順番のチャンネルの最上位データに表示装置104の表示を切り替える。なお、長押し入力は、所定時間(例えば、2秒)以上の間、操作ボタン106が押下される入力である。また、短押し入力は、所定時間(例えば、2秒)未満の間、操作ボタン106が押下される入力である。表示切替処理における他の動作は第1の実施形態と同様である。
【0051】
次に、リコールモードにおいて表示するデータを切り替える方法について説明する。
図5及び
図6は、本実施形態における電子時計100の表示データ切替方法を示した概略図である。
図5及び
図6において、太い実線は操作ボタン1062が長押し入力を受け付けた場合の遷移を示す。また、細い実線は操作ボタン1062が短押し入力を受け付けた場合の遷移を示す。また、太い破線は操作ボタン1063が長押し入力を受け付けた場合の遷移を示す。また、細い破線は操作ボタン1063が短押し入力を受け付けた場合の遷移を示す。
【0052】
図示するように、CPU101は、操作ボタン1062が長押し入力を受け付けると、次の順番のチャンネルの最上位データに表示装置104の表示を切り替える。すなわち、CPU101は、操作ボタン1062が長押し入力を受け付ける毎に、表示装置104に表示するチャンネルを日付の順(A1,B1,C1,D1の順)に切り替える。なお、CPU101は、最古のチャンネルDのラップデータを表示装置104が表示しているときに、操作ボタン1062が長押し入力を受け付けると、最新のチャンネルAの最上位データA1に表示装置104の表示を切り替える。
【0053】
また、CPU101は、操作ボタン1063が長押し入力を受け付けると、前の順番のチャンネルの最上位データに表示装置104の表示を切り替える。すなわち、CPU101は、操作ボタン1063が長押し入力を受け付ける毎に、表示装置104に表示するチャンネルを逆順(D1,C1,B1,A1の順)に切り替える。なお、CPU101は、最新のチャンネルAのラップデータを表示装置104に表示しているときに、操作ボタン1063が長押し入力を受け付けると、最古のチャンネルDの最上位データD1に表示装置104の表示を切り替える。
【0054】
また、CPU101は、操作ボタン1062が短押し入力を受け付けると、表示装置104の表示を次の順番のラップデータに切り替える。ただし、CPU101は、チャンネルの最後のラップデータを表示しているときに、操作ボタン1062が短押し入力を受け付けた場合には、次の順番のチャンネルの最上位データに表示装置104の表示を切り替える。なお、CPU101は、最古のチャンネルDの最後のラップデータD5を表示しているときに、操作ボタン1062が短押し入力を受け付けると、最新のチャンネルAの最上位データA1に表示装置104の表示を切り替える。
【0055】
また、CPU101は、操作ボタン1063が短押し入力を受け付けると、表示装置104の表示を前の順番のラップデータに切り替える。ただし、CPU101は、最上位データを表示しているときに、操作ボタン1063が短押し入力を受け付けた場合には、前の順番のチャンネルの最上位データに表示装置104の表示を切り替える。なお、CPU101は、最新のチャンネルAの最上位データA1を表示しているときに、操作ボタン1063が短押し入力を受け付けると、最古のチャンネルDの最上位データD1に表示装置104の表示を切り替える。
【0056】
次に、本実施形態における電子時計100の表示切替処理について説明する。
図7は、本実施形態における電子時計100が実行する表示切替処理の処理手順を示したフローチャートである。電子時計100は、動作モードがリコールモードになったときに図示する表示切替処理を実行する。
【0057】
(ステップS201)CPU101は、最新のチャンネルの最上位データをRAM103から読み出し、読み出した最上位データを表示装置104に表示する。具体的には、CPU101は、読み出した最上位データに含まれるチャンネル番号と、日付と、合計時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS202の処理に進む。
【0058】
(ステップS202)CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付けたか(第1のボタンが押下されたか)否かを判定する。CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付けたと判定した場合には、ステップS203の処理に進む。一方、CPU101は、操作ボタン1062が入力を受け付けていないと判定した場合には、ステップS207の処理に進む。
【0059】
(ステップS203)CPU101は、ステップS202における操作ボタン1062の入力が長押し入力であるか否かを判定する。CPU101は、操作ボタン1062が長押し入力を受け付けたと判定した場合には、ステップS204の処理に進む。一方、CPU101は、操作ボタン1062が長押し入力を受け付けていない(短押し入力を受け付けた)と判定した場合には、ステップS205の処理に進む。
【0060】
(ステップS204)CPU101は、表示装置104の表示を次の順番のチャンネルの最上位データに切り替える。具体的には、CPU101は、次の順番のチャンネルの最上位データをRAM103から読み出し、読み出した最上位データに含まれるチャンネル番号と、日付と、合計時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS202の処理に戻る。
【0061】
(ステップS205)CPU101は、現在表示しているラップデータが、当該ラップデータのチャンネルの最後のラップデータであるか否かを判定する。CPU101は、現在表示しているラップデータが最後のラップデータであると判定した場合には、ステップS204の処理に進む。一方、CPU101は、現在表示しているラップデータが最後のラップデータでないと判定した場合には、ステップS206の処理に進む。
【0062】
(ステップS206)CPU101は、表示装置104の表示を次の順番のラップデータに切り替える。具体的には、CPU101は、現在表示しているラップデータの次の順番のラップデータをRAM103から読み出し、読み出したラップデータに含まれるラップ番号とラップ時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS202の処理に戻る。
【0063】
(ステップS207)CPU101は、操作ボタン1063が入力を受け付けたか(第2のボタンが押下されたか)否かを判定する。CPU101は、操作ボタン1063が入力を受け付けたと判定した場合には、ステップS208の処理に進む。一方、CPU101は、操作ボタン1063が入力を受け付けていないと判定した場合には、ステップS212の処理に進む。
【0064】
(ステップS208)CPU101は、ステップS207における操作ボタン1063の入力が長押し入力であるか否かを判定する。CPU101は、操作ボタン1063が長押し入力を受け付けたと判定した場合には、ステップS209の処理に進む。一方、CPU101は、操作ボタン1063が長押し入力を受け付けていない(短押し入力を受け付けた)と判定した場合には、ステップS210の処理に進む。
【0065】
(ステップS209)CPU101は、表示装置104の表示を前の順番のチャンネルの最上位データに切り替える。具体的には、CPU101は、現在表示しているチャンネルの前の順番のチャンネルの最上位データをRAM103から読み出し、読み出した最上位データに含まれるチャンネル番号と、日付と、合計時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS202の処理に戻る。
【0066】
(ステップS210)CPU101は、現在表示しているラップデータが、最上位データであるか否かを判定する。CPU101は、表示しているラップデータが最上位データであると判定した場合には、ステップS209の処理に戻る。一方、CPU101は、表示しているラップデータが最上位データでないと判定した場合には、ステップS211の処理に進む。
【0067】
(ステップS211)CPU101は、表示装置104の表示を前の順番のラップデータに切り替える。具体的には、CPU101は、現在表示しているラップデータの前の順番のラップデータをRAM103から読み出し、読み出したラップデータに含まれるラップ番号とラップ時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS202の処理に戻る。
【0068】
(ステップS212)CPU101は、削除ボタンが押下されたか否かを判定する。CPU101は、削除ボタンが押下されたと判定した場合には、ステップS213の処理に進む。一方、CPU101は、削除ボタンが押下されていないと判定した場合には、ステップS214の処理に進む。
【0069】
(ステップS213)CPU101は、現在表示しているラップデータのチャンネルをRAM103から削除する。その後、ステップS202の処理に戻る。
【0070】
(ステップS214)CPU101は、モードボタンが押下されたか否かを判定する。CPU101は、モードボタンが押下されたと判定した場合には、動作モードを他のモードに切り替え、当該表示切替処理を終了する。一方、CPU101は、モードボタンが押下されていないと判定した場合には、ステップS202の処理に戻る。
【0071】
上述したとおり、本実施形態では、CPU101は、操作ボタン1062(第1のボタン)が長押し入力を受け付けると、次の順番のチャンネルの最上位データに表示を切り替える。一方、CPU101は、操作ボタン1063(第2のボタン)が長押し入力を受け付けると、前の順番のチャンネルの最上位データに表示を切り替える。これにより、表示するチャンネルの切り替えを容易に行うことができるため、第1の実施形態の効果に加えて、操作性が更に向上する。よって、操作性を損なうことなくボタンの数を削減することができ、電子時計100の小型化が可能となる。
【0072】
なお、上述した複数の実施形態における電子時計100が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0073】
また、典型的には「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部を含むが、必ずしもこれに限定されるものではない。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」に代え、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0074】
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記複数の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0075】
例えば、上述した複数の実施形態では、リコールモードにおいて表示するデータをストップウォッチ機能により計測したラップデータとしたが、これに限らず、例えば、高度計、気圧計、心拍計または歩数計等により計測したデータをリコールモードにおいて表示するデータとしてもよい。この場合、電子時計100は、高度計、気圧計、心拍計または歩数計を備え、各機器で計測した値を記録する(RAM103に書き込んで記憶する)。
【0076】
また、上述した複数の実施形態では、チャンネル番号や日付をチャンネルの最上位データに含まれる情報としたが、これにかぎらず、最上位データに含まれる情報はチャンネル(データグループ)を総括する見出しとして機能するものであればよい。