【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1) 本発明は、入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定する姿勢パラメータ推定装置であって、前記入力画像と、当該入力画像と同一の画像であって当該入力画像より解像度の低い1つ以上の画像と、を求める複数解像度画像取得手段(例えば、
図3の画像ピラミッド生成部132に相当)と、前記複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像(例えば、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルの画像に相当)において、当該画像内における前記認識対象物の第1特徴点(例えば、後述の状態推定用特徴点に相当)を追跡して当該第1特徴点の前フレームからの移動量を求め、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いを示す当該認識対象物の状態を当該移動量に基づいて求め、前記複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち1つを処理対象レベルとして当該認識対象物の状態に基づいて決定する状態推定手段(例えば、
図3の状態推定部133に相当)と、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の第2特徴点(例えば、後述の姿勢推定用特徴点に相当)を追跡する特徴点追跡手段(例えば、
図3の特徴点追跡部134に相当)と、前記特徴点追跡手段による前記第2特徴点の追跡結果に基づいて、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の姿勢パラメータを求める姿勢パラメータ更新手段(例えば、
図3の姿勢パラメータ更新部135に相当)と、を備え、前記状態推定手段は、前記複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さくなるに従って高い解像度を、前記処理対象レベルとして決定し、前記特徴点追跡手段による前記第2特徴点の追跡と、前記姿勢パラメータ更新手段による前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、が前記処理対象レベルの画像において行われると、当該処理対象レベルを1段階高い解像度に更新し、前記処理対象レベルの画像が前記入力画像になるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、前記特徴点追跡手段による前記第2特徴点の追跡と、前記姿勢パラメータ更新手段による前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行って、当該入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定することを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0014】
ここで、認識対象物が前フレームからあまり移動していない場合には、認識対象物の特徴点が前フレームからあまり移動しないため、認識対象物の特徴点の追跡が比較的容易になる。このため、認識対象物が前フレームからあまり移動していない場合には、特徴点を追跡する処理と、姿勢パラメータを推定する処理と、の2種類の処理を解像度の低い画像で行わなくても、認識対象物や撮像手段の動きに対する頑健性を確保できる。
【0015】
そこで、この発明によれば、姿勢パラメータ推定装置に状態推定手段を設けた。そして、状態推定手段により、まず、複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像において、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めることとした。次に、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さくなるに従って高い解像度を、処理対象レベルとして決定することとした。
【0016】
このため、認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きい場合には、処理対象レベルの画像が入力画像になるまで、解像度の低いものから順番に、第2特徴点の追跡と、認識対象物の姿勢パラメータの取得と、が繰り返し行われることになる。そして、認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さくなるに従って、第2特徴点の追跡と、姿勢パラメータの取得と、を開始する解像度が高くなる。したがって、認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さい場合、すなわち認識対象物が前フレームからあまり移動していない場合に、第2特徴点を追跡する処理と、姿勢パラメータを取得する処理と、の2つの処理を解像度の低い画像を用いて行うのを省略することができ、認識対象物や撮像手段の動きに対する頑健性を確保しつつ、姿勢パラメータの推定処理の処理負荷を軽減することができる。
【0017】
(2) 本発明は、入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定する姿勢パラメータ推定装置であって、前記入力画像と、当該入力画像と同一の画像であって当該入力画像より解像度の低い1つ以上の画像と、を求める複数解像度画像取得手段(例えば、
図3の画像ピラミッド生成部132に相当)と、前記複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像(例えば、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルの画像に相当)において、当該画像内における前記認識対象物の第1特徴点(例えば、後述の状態推定用特徴点に相当)を追跡して当該第1特徴点の前フレームからの移動量を求め、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いを示す当該認識対象物の状態を当該移動量に基づいて求め、前記複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち1つを処理対象レベルとして当該認識対象物の状態に基づいて決定する状態推定手段(例えば、
図3の状態推定部133に相当)と、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の第2特徴点(例えば、後述の姿勢推定用特徴点に相当)を追跡する特徴点追跡手段(例えば、
図3の特徴点追跡部134に相当)と、前記特徴点追跡手段による前記第2特徴点の追跡結果に基づいて、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の姿勢パラメータを求める姿勢パラメータ更新手段(例えば、
図3の姿勢パラメータ更新部135に相当)と、を備え、前記状態推定手段は、前記複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きくなるに従って低い解像度を、前記処理対象レベルとして決定し、前記特徴点追跡手段による前記第2特徴点の追跡と、前記姿勢パラメータ更新手段による前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、が前記処理対象レベルの画像において行われると、当該処理対象レベルを1段階高い解像度に更新し、前記複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち予め定められた解像度(例えば、認識対象物の状態が後述の移動状態である場合には、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルに相当し、認識対象物の状態が後述の静止状態である場合には、後述の画像ピラミッドの最も低いレベルに相当)に前記処理対象レベルがなるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、前記特徴点追跡手段による前記第2特徴点の追跡と、前記姿勢パラメータ更新手段による前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行って、当該入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定することを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0018】
ここで、認識対象物が前フレームから大きく移動している場合には、入力画像にブラー(暈け)やぶれが発生していることが多くなる。このため、認識対象物が前フレームから大きく移動している場合には、特徴点を追跡する処理と、姿勢パラメータを推定する処理と、の2種類の処理を高い解像度の画像で行っても、特徴点の追跡精度の向上はあまり見込めず、認識対象物や撮像手段の動きに対する頑健性の向上を見込めない。
【0019】
そこで、この発明によれば、姿勢パラメータ推定装置に状態推定手段を設けた。そして、状態推定手段により、まず、複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像において、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めることとした。次に、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きくなるに従って低い解像度を、処理対象レベルとして決定することとした。さらに、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち予め定められた解像度に処理対象レベルがなるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、第2特徴点の追跡と、認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行うこととした。
【0020】
このため、認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きい場合、すなわち認識対象物が前フレームから大きく移動している場合に、第2特徴点を追跡する処理と、姿勢パラメータを取得する処理と、の2つの処理を解像度の高い画像を用いて行うのを省略することができ、認識対象物や撮像手段の動きに対する頑健性を確保しつつ、姿勢パラメータの推定処理の処理負荷を軽減することができる。
【0021】
(3) 本発明は、(1)または(2)の姿勢パラメータ推定装置について、前記第2特徴点の中から前記第1特徴点を決定し、前記特徴点追跡手段は、前記認識対象物の特徴点の中から前記第2特徴点を決定し、前記複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像においては、前記第2特徴点のうち前記第1特徴点を除くものを追跡し、前記姿勢パラメータ更新手段は、前記複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち最も低い解像度においては、前記状態推定手段による前記第1特徴点の追跡結果と、前記特徴点追跡手段による前記第2特徴点のうち前記第1特徴点を除くものの追跡結果と、に基づいて、前記認識対象物の姿勢パラメータを求めることを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0022】
この発明によれば、(1)または(2)の姿勢パラメータ推定装置において、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち最も低い解像度では、第2特徴点の中から第1特徴点を決定するとともに、第1特徴点の追跡結果と、第2特徴点のうち第1特徴点を除くものの追跡結果と、に基づいて、認識対象物の姿勢パラメータを求めることとした。
【0023】
このため、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めるための処理の一部である、第1特徴点を追跡する処理は、姿勢パラメータの推定精度の確保のための処理としても用いることができる。したがって、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めるために処理負荷が増加してしまうのを、抑制することができる。
【0024】
(4) 本発明は、(1)または(2)の姿勢パラメータ推定装置について前記特徴点追跡手段は、前記認識対象物の特徴点の中から、当該特徴点の分布の外寄りに位置するものから順に予め定められた数だけを、前記第2特徴点として決定し、前記状態推定手段は、前記第2特徴点の中から、当該第2特徴点の分布の外寄りに位置するものから順に予め定められた数だけを、前記第1特徴点として決定することを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0025】
ここで、認識対象物の特徴点は、認識対象物の特徴点の分布の外寄りに位置するものほど、認識対象物が前フレームからどれだけ移動しているかの傾向を、顕著に示す。
【0026】
そこで、この発明によれば、(1)または(2)の姿勢パラメータ推定装置において、認識対象物の特徴点の中から、これら特徴点の分布の外寄りに位置するものから順に予め定められた数だけを、第1特徴点として決定することとした。このため、認識対象物が前フレームからどれだけ移動しているかを、より高精度に推定することができる。
【0027】
(5) 本発明は、(1)から(4)のいずれかの姿勢パラメータ推定装置について、前記特徴点追跡手段は、前記第2特徴点の数を、処理対象レベルの画像の解像度が高くなるに従って多くすることを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0028】
ここで、解像度の低い画像においては、細かい模様が見えにくくなるので、追跡する特徴点の数が多くしても、特徴点の追跡処理の処理負荷が増加するにもかかわらず、特徴点の追跡精度はあまり向上しない。一方、解像度の高い画像においては、細かい画像も見えやすくなるので、追跡する特徴点の数を多くすると、特徴点の追跡精度が向上する。
【0029】
そこで、この発明によれば、(1)から(4)のいずれかの姿勢パラメータ推定装置において、第2特徴点の数を、処理対象レベルの画像の解像度が高くなるに従って多くすることとした。このため、特徴点の追跡処理の処理負荷の増加を抑制しつつ、特徴点の追跡精度を向上させて、姿勢パラメータの推定精度を向上させることができる。
【0030】
(6) 本発明は、(1)から(5)のいずれかの姿勢パラメータ推定装置について、前記姿勢パラメータ更新手段により求められた前フレームにおける姿勢パラメータを用いて、前記認識対象物の姿勢パラメータの予測値(例えば、後述の姿勢パラメータ予測値に相当)を求める姿勢パラメータ予測手段(例えば、
図3の姿勢パラメータ予測部131に相当)を備え、前記状態推定手段は、前記姿勢パラメータ予測手段により求められた姿勢パラメータの予測値を用いて、前記第1特徴点の追跡を行い、前記特徴点追跡手段は、前記姿勢パラメータ予測手段により求められた姿勢パラメータの予測値を用いて、前記第2特徴点の追跡を行い、前記姿勢パラメータ更新手段は、前記姿勢パラメータ予測手段により求められた姿勢パラメータの予測値を用いて、前記認識対象物の姿勢パラメータを推定することを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0031】
この発明によれば、(1)から(5)のいずれかの姿勢パラメータ推定装置において、姿勢パラメータ更新手段により求められた前フレームにおける姿勢パラメータを用いて認識対象物の姿勢パラメータの予測値を求める姿勢パラメータ予測手段を設けた。そして、姿勢パラメータ予測手段により求められた姿勢パラメータの予測値を、状態推定手段、特徴点追跡手段、および姿勢パラメータ更新手段で用いることとした。このため、前フレームにおける姿勢パラメータを用いて現在のフレームにおける姿勢パラメータを推定できるので、姿勢パラメータの推定精度を向上させることができる。
【0032】
(7) 本発明は、(6)の姿勢パラメータ推定装置について、前記姿勢パラメータ予測手段は、前記状態推定手段により前フレームにおいて求められた前記度合いが予め定められた第1閾値より小さい場合(例えば、後述の認識対象物の状態が静止状態である場合に相当)には、前記姿勢パラメータ更新手段により求められた前フレームにおける姿勢パラメータを、当該認識対象物の姿勢パラメータの予測値とすることを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0033】
ここで、認識対象物が静止している場合には、前フレームにおける姿勢パラメータを用いて認識対象物の姿勢パラメータの予測値を求めると、ジッタ誤差が増幅されてしまい、現在のフレームにおける姿勢パラメータの予測値を適切に求めることができなくなってしまうおそれがある。
【0034】
そこで、この発明によれば、(6)の姿勢パラメータ推定装置において、姿勢パラメータ予測手段により、前フレームにおける認識対象物の移動の度合いが予め定められた第1閾値より小さい場合には、前フレームにおける姿勢パラメータを、認識対象物の姿勢パラメータの予測値とすることとした。このため、前フレームにおいて認識対象物が静止していたりあまり移動していなかったりする場合に、ジッタ誤差が増幅されてしまうのを防止でき、現在のフレームにおける姿勢パラメータの予測値を適切に求めることができる。
【0035】
(8) 本発明は、(6)または(7)の姿勢パラメータ推定装置について、前記特徴点追跡手段は、前記状態推定手段により求められた前記度合いが予め定められた第2閾値以上である場合(例えば、後述の認識対象物の状態が移動状態である場合に相当)には、前記姿勢パラメータ予測手段により求められた姿勢パラメータの予測値を用いて特徴点追跡の初期位置を求め、当該状態推定手段により求められた移動量の平均値を当該特徴点追跡の初期位置に加えたものを用いて、前記第2特徴点の追跡を行うことを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0036】
この発明によれば、(6)または(7)の姿勢パラメータ推定装置において、認識対象物が前フレームから移動した度合いが予め定められた第2閾値以上である場合には、姿勢パラメータ予測手段により求められた姿勢パラメータの予測値を用いて特徴点追跡の初期位置を求め、状態推定手段により求められた移動量の平均値を特徴点追跡の初期位置に加えたものを用いて、第2特徴点の追跡を行うこととした。このため、状態推定手段により求められた移動量の平均値から、認識対象物の特徴点の動きの傾向を求めることができ、この傾向に基づいて第2特徴点の追跡を行うことができる。このため、認識対象物や撮像手段の動きに対して、より頑健に姿勢パラメータを推定することができる。
【0037】
(9) 本発明は、(1)から(8)のいずれかの姿勢パラメータ推定装置について、前記特徴点追跡手段は、前記状態推定手段により求められた前記度合いが予め定められた第3閾値以上である場合(例えば、後述の認識対象物の状態が移動状態である場合に相当)には、前記第2特徴点の追跡を行う領域を、前記状態推定手段が前記第1特徴点の追跡を行う領域よりも狭くすることを特徴とする姿勢パラメータ推定装置を提案している。
【0038】
この発明によれば、(1)から(8)のいずれかの姿勢パラメータ推定装置において、認識対象物が前フレームから移動した度合いが予め定められた第3閾値以上である場合には、特徴点追跡手段が第2特徴点の追跡を行う領域を、状態推定手段が第1特徴点の追跡を行う領域よりも狭くすることとした。このため、姿勢パラメータの推定処理の処理負荷を軽減することができる。
【0039】
(10) 本発明は、複数解像度画像取得手段(例えば、
図3の画像ピラミッド生成部132に相当)、状態推定手段(例えば、
図3の状態推定部133に相当)、特徴点追跡手段(例えば、
図3の特徴点追跡部134に相当)、および姿勢パラメータ更新手段(例えば、
図3の姿勢パラメータ更新部135に相当)を備え、入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定する姿勢パラメータ推定装置における姿勢パラメータ推定方法であって、前記複数解像度画像取得手段が、前記入力画像と、当該入力画像と同一の画像であって当該入力画像より解像度の低い1つ以上の画像と、を求める第1のステップと、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた画像のうち最も解像度の低い画像(例えば、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルの画像に相当)において、当該画像内における前記認識対象物の第1特徴点(例えば、後述の状態推定用特徴点に相当)を追跡して当該第1特徴点の前フレームからの移動量を求め、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いを示す当該認識対象物の状態を当該移動量に基づいて求め、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち1つを処理対象レベルとして当該認識対象物の状態に基づいて決定する第2のステップと、前記特徴点追跡手段が、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の第2特徴点(例えば、後述の姿勢推定用特徴点に相当)を追跡する第3のステップと、前記姿勢パラメータ更新手段が、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡結果に基づいて、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の姿勢パラメータを求める第4のステップと、を備え、前記第2のステップでは、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さくなるに従って高い解像度を、前記処理対象レベルとして決定し、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、が前記処理対象レベルの画像において行われると、当該処理対象レベルを1段階高い解像度に更新し、前記処理対象レベルの画像が前記入力画像になるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行って、当該入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定することを特徴とする姿勢パラメータ推定方法を提案している。
【0040】
この発明によれば、状態推定手段により、まず、複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像において、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めることとした。次に、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さくなるに従って高い解像度を、処理対象レベルとして決定することとした。また、姿勢パラメータ更新手段により、第2特徴点の追跡結果に基づいて、処理対象レベルの画像内における認識対象物の姿勢パラメータを求めることとした。また、姿勢パラメータ更新手段により、第2特徴点の追跡結果に基づいて、処理対象レベルの画像内における認識対象物の姿勢パラメータを求めることとした。このため、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0041】
(11) 本発明は、複数解像度画像取得手段(例えば、
図3の画像ピラミッド生成部132に相当)、状態推定手段(例えば、
図3の状態推定部133に相当)、特徴点追跡手段(例えば、
図3の特徴点追跡部134に相当)、および姿勢パラメータ更新手段(例えば、
図3の姿勢パラメータ更新部135に相当)を備え、入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定する姿勢パラメータ推定装置における姿勢パラメータ推定方法であって、前記複数解像度画像取得手段が、前記入力画像と、当該入力画像と同一の画像であって当該入力画像より解像度の低い1つ以上の画像と、を求める第1のステップと、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた画像のうち最も解像度の低い画像(例えば、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルの画像に相当)において、当該画像内における前記認識対象物の第1特徴点(例えば、後述の状態推定用特徴点に相当)を追跡して当該第1特徴点の前フレームからの移動量を求め、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いを示す当該認識対象物の状態を当該移動量に基づいて求め、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち1つを処理対象レベルとして当該認識対象物の状態に基づいて決定する第2のステップと、前記特徴点追跡手段が、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の第2特徴点(例えば、後述の姿勢推定用特徴点に相当)を追跡する第3のステップと、前記姿勢パラメータ更新手段が、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡結果に基づいて、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の姿勢パラメータを求める第4のステップと、を備え、前記第2のステップでは、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きくなるに従って低い解像度を、前記処理対象レベルとして決定し、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、が前記処理対象レベルの画像において行われると、当該処理対象レベルを1段階高い解像度に更新し、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち予め定められた解像度(例えば、後述の認識対象物の状態が移動状態である場合には、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルに相当し、後述の認識対象物の状態が静止状態である場合には、後述の画像ピラミッドの最も低いレベルに相当)に前記処理対象レベルがなるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行って、当該入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定することを特徴とする姿勢パラメータ推定方法を提案している。
【0042】
この発明によれば、状態推定手段により、まず、複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像において、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めることとした。次に、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きくなるに従って低い解像度を、処理対象レベルとして決定することとした。さらに、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち予め定められた解像度に処理対象レベルがなるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、第2特徴点の追跡と、認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行うこととした。また、姿勢パラメータ更新手段により、第2特徴点の追跡結果に基づいて、処理対象レベルの画像内における認識対象物の姿勢パラメータを求めることとした。このため、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0043】
(12) 本発明は、複数解像度画像取得手段(例えば、
図3の画像ピラミッド生成部132に相当)、状態推定手段(例えば、
図3の状態推定部133に相当)、特徴点追跡手段(例えば、
図3の特徴点追跡部134に相当)、および姿勢パラメータ更新手段(例えば、
図3の姿勢パラメータ更新部135に相当)を備え、入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定する姿勢パラメータ推定装置における姿勢パラメータ推定方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記複数解像度画像取得手段が、前記入力画像と、当該入力画像と同一の画像であって当該入力画像より解像度の低い1つ以上の画像と、を求める第1のステップと、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた画像のうち最も解像度の低い画像(例えば、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルの画像に相当)において、当該画像内における前記認識対象物の第1特徴点(例えば、後述の状態推定用特徴点に相当)を追跡して当該第1特徴点の前フレームからの移動量を求め、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いを示す当該認識対象物の状態を当該移動量に基づいて求め、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち1つを処理対象レベルとして当該認識対象物の状態に基づいて決定する第2のステップと、前記特徴点追跡手段が、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の第2特徴点(例えば、後述の姿勢推定用特徴点に相当)を追跡する第3のステップと、前記姿勢パラメータ更新手段が、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡結果に基づいて、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の姿勢パラメータを求める第4のステップと、をコンピュータに実行させ、前記第2のステップでは、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さくなるに従って高い解像度を、前記処理対象レベルとして決定し、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、が前記処理対象レベルの画像において行われると、当該処理対象レベルを1段階高い解像度に更新し、前記処理対象レベルの画像が前記入力画像になるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行って、当該入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定するためのプログラムを提案している。
【0044】
この発明によれば、コンピュータを用いてプログラムを実行することで、複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像において、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めることとした。次に、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、認識対象物が前フレームから移動した度合いが小さくなるに従って高い解像度を、処理対象レベルとして決定することとした。また、姿勢パラメータ更新手段により、第2特徴点の追跡結果に基づいて、処理対象レベルの画像内における認識対象物の姿勢パラメータを求めることとした。また、姿勢パラメータ更新手段により、第2特徴点の追跡結果に基づいて、処理対象レベルの画像内における認識対象物の姿勢パラメータを求めることとした。このため、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0045】
(13) 本発明は、複数解像度画像取得手段(例えば、
図3の画像ピラミッド生成部132に相当)、状態推定手段(例えば、
図3の状態推定部133に相当)、特徴点追跡手段(例えば、
図3の特徴点追跡部134に相当)、および姿勢パラメータ更新手段(例えば、
図3の姿勢パラメータ更新部135に相当)を備え、入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定する姿勢パラメータ推定装置における姿勢パラメータ推定方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記複数解像度画像取得手段が、前記入力画像と、当該入力画像と同一の画像であって当該入力画像より解像度の低い1つ以上の画像と、を求める第1のステップと、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた画像のうち最も解像度の低い画像(例えば、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルの画像に相当)において、当該画像内における前記認識対象物の第1特徴点(例えば、後述の状態推定用特徴点に相当)を追跡して当該第1特徴点の前フレームからの移動量を求め、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いを示す当該認識対象物の状態を当該移動量に基づいて求め、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち1つを処理対象レベルとして当該認識対象物の状態に基づいて決定する第2のステップと、前記特徴点追跡手段が、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の第2特徴点(例えば、後述の姿勢推定用特徴点に相当)を追跡する第3のステップと、前記姿勢パラメータ更新手段が、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡結果に基づいて、前記処理対象レベルの画像内における前記認識対象物の姿勢パラメータを求める第4のステップと、をコンピュータに実行させ、前記第2のステップでは、前記状態推定手段が、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち、当該認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きくなるに従って低い解像度を、前記処理対象レベルとして決定し、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、が前記処理対象レベルの画像において行われると、当該処理対象レベルを1段階高い解像度に更新し、前記第1のステップにより求められた各画像の解像度のうち予め定められた解像度(例えば、後述の認識対象物の状態が移動状態である場合には、後述の画像ピラミッドの最も高いレベルに相当し、後述の認識対象物の状態が静止状態である場合には、後述の画像ピラミッドの最も低いレベルに相当)に前記処理対象レベルがなるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、前記第3のステップによる前記第2特徴点の追跡と、前記第4のステップによる前記認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行って、当該入力画像内の認識対象物の姿勢パラメータを推定するためのプログラムを提案している。
【0046】
この発明によれば、コンピュータを用いてプログラムを実行することで、状態推定手段により、まず、複数解像度画像取得手段により求められた画像のうち最も解像度の低い画像において、認識対象物が前フレームから移動した度合いを求めることとした。次に、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち、認識対象物が前フレームから移動した度合いが大きくなるに従って低い解像度を、処理対象レベルとして決定することとした。さらに、複数解像度画像取得手段により求められた各画像の解像度のうち予め定められた解像度に処理対象レベルがなるまで、解像度の低いものから順番に1回ずつ、第2特徴点の追跡と、認識対象物の姿勢パラメータの取得と、を繰り返し行うこととした。また、姿勢パラメータ更新手段により、第2特徴点の追跡結果に基づいて、処理対象レベルの画像内における認識対象物の姿勢パラメータを求めることとした。このため、上述した効果と同様の効果を奏することができる。