特許第6109701号(P6109701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6109701入力支援プログラム、管理装置及び管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109701
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】入力支援プログラム、管理装置及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20170327BHJP
   G06Q 20/34 20120101ALI20170327BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20170327BHJP
【FI】
   G06Q20/20
   G06Q20/34 310
   G07B15/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-212206(P2013-212206)
(22)【出願日】2013年10月9日
(62)【分割の表示】特願2013-96913(P2013-96913)の分割
【原出願日】2013年5月2日
(65)【公開番号】特開2014-219956(P2014-219956A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年6月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513110506
【氏名又は名称】アイシステムサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】菊池 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】河村 直人
【審査官】 山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−123619(JP,A)
【文献】 特開2012−160139(JP,A)
【文献】 特開2012−043103(JP,A)
【文献】 特開平10−171908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
施設に設置されている設備で販売されている商品の購入情報を記憶する記憶媒体から前記購入情報を取得する購入情報取得部、
表示部に表示されているアプリケーションの画面を特定するための情報を取得する取得部、
前記取得部が取得した情報が、前記施設を利用する利用者の前記施設の利用状況を管理する管理アプリケーションにおける、精算情報の入力欄を有する所定の画面を特定するための情報と対応するか判定し、前記所定の画面を特定するための情報と対応すると判定した場合に、前記購入情報取得部に前記記憶媒体から前記購入情報を自動的に取得させ、取得された前記購入情報を当該画面に設けられている前記入力欄に入力する購入情報入力部、
として機能させる、入力支援プログラム。
【請求項2】
前記購入情報入力部は、前記所定の画面における前記入力欄の位置を特定し、前記表示部に表示されているカーソルを当該位置まで移動させて前記入力欄を選択させ、前記入力欄に前記購入情報を入力する、
請求項1に記載の入力支援プログラム。
【請求項3】
前記記憶媒体には、前記施設を利用する利用者を識別する利用者識別情報がさらに記憶され、
前記所定の画面には、前記利用者を示す情報が表示され、
前記購入情報入力部は、前記記憶媒体に記憶されている前記利用者識別情報が、前記利用者を示す情報に対応している場合に、前記入力欄に前記購入情報を入力する、
請求項1又は2に記載の入力支援プログラム。
【請求項4】
前記購入情報入力部は、前記取得部が取得した前記情報が前記所定の画面と対応する場合において、当該画面が非アクティブ状態であるとき、当該画面をアクティブ状態に変化させ、当該画面に設けられている前記入力欄に前記購入情報を入力する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の入力支援プログラム。
【請求項5】
アプリケーションの画面を表示する表示部と、
施設に設置されている設備で販売されている商品の購入情報を記憶する記憶媒体から前記購入情報を取得する購入情報取得部と、
表示部に表示されているアプリケーションの画面を特定するための情報を取得する取得部、
前記取得部が取得した情報が、前記施設を利用する利用者の前記施設の利用状況を管理する管理アプリケーションにおける、精算情報の入力欄を有する所定の画面を特定するための情報と対応するか判定し、前記所定の画面を特定するための情報と対応すると判定した場合に、前記購入情報取得部に前記記憶媒体から前記購入情報を自動的に取得させ、取得された前記購入情報を当該画面に設けられている前記入力欄に入力する購入情報入力部、
を備える管理装置。
【請求項6】
記憶媒体と、管理装置とを備える管理システムであって、
前記記憶媒体は、施設に設置されている設備で販売されている商品の購入情報を記憶する記憶領域を有し、
前記管理装置は、
アプリケーションの画面を表示する表示部と、
前記記憶媒体から前記購入情報を取得する購入情報取得部と、
表示部に表示されているアプリケーションの画面を特定するための情報を取得する取得部、
前記取得部が取得した情報が、前記施設を利用する利用者の前記施設の利用状況を管理する管理アプリケーションにおける、精算情報の入力欄を有する所定の画面を特定するための情報と対応するか判定し、前記所定の画面を特定するための情報と対応すると判定した場合に、前記購入情報取得部に前記記憶媒体から前記購入情報を自動的に取得させ、取得された前記購入情報を当該画面に設けられている前記入力欄に入力する購入情報入力部、
を有する管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力支援プログラム、管理装置及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフ場等の施設においては、施設の運営を管理するシステムが導入されている。例えば、特許文献1には、予約受付端末、フロント業務端末、及びマスター室業務端末等の各端末からの情報を集積し演算処理するサーバと、フロント近傍に設置され現金精算及びカード精算を行う自動精算機と、レストラン等のPOS端末とを、ネットワークを介して接続した管理システムが開示されている。この管理システムによれば、施設に配置されている各種設備に関する情報を一元的に管理して、効率的な運営を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−174092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゴルフ場等の施設において、利用者は、財布を予めロッカーに保管して行動し、施設内に設置されているレストラン等でロッカー番号等の利用者の識別番号を伝えて食事し、チェックアウト時にまとめて精算していた。しかしながら、自動販売機等、従業員が直接応対しない場合は、利用者の識別番号を用いて精算をすることができなかった。
【0005】
このような問題に対応するには、ICカード等を発行し、当該ICカードによって自動販売機やレストラン等での精算を行うことが考えられる。さらに、ゴルフ場等の施設では、固定費を削減するために、レストラン等の有人設備等においても、無人化して、自動販売機を増加させることも考えられる。しかしながら、特許文献1に記載されている、施設を一元的に管理するような管理システムでは、システム変更が多岐にわたり、改修コストが多大になるといった問題が生じる。
【0006】
例えば、管理システムに、自動販売機等の設備における精算情報を管理する機能が設けられていない場合において、自動販売機等の設備を管理システムに連携させようとすると、管理システムに対して自動販売機との連携に係るシステム改修を行うとともに、自動販売機に対して管理システムとの連携機能を設ける必要があり、改修コストが多大になる。そこで、システムの改修コストを抑えつつ、設備の整備に伴うシステムの連携を行うことができる方法が求められている。
【0007】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、改修コストを抑えつつ、既存システムと設備とを連携することができる入力支援プログラム、管理装置及び管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様においては、コンピュータを、施設に設置されている設備で販売されている商品の購入情報を記憶する記憶媒体から前記購入情報を取得する購入情報取得部、表示部に表示されているアプリケーションの画面のタイトルを取得するタイトル取得部、前記タイトル取得部が取得したタイトルが、精算情報の入力欄を有する所定の画面のタイトルと対応する場合に、前記購入情報取得部に前記記憶媒体から前記購入情報を取得させ、取得された前記購入情報を当該画面に設けられている前記入力欄に入力する購入情報入力部、として機能させる、入力支援プログラムを提供する。
【0009】
上記の入力支援プログラムでは、前記購入情報入力部は、前記所定の画面における前記入力欄の位置を特定し、前記表示部に表示されているカーソルを当該位置まで移動させて前記入力欄を選択させ、前記入力欄に前記購入情報を入力してもよい。
【0010】
上記の入力支援プログラムでは、前記記憶媒体には、前記施設を利用する利用者を識別する利用者識別情報がさらに記憶され、前記所定の画面には、前記利用者を示す情報が表示され、前記購入情報入力部は、前記記憶媒体に記憶されている前記利用者識別情報が、前記利用者を示す情報に対応している場合に、前記入力欄に前記購入情報を入力してもよい。
【0011】
上記の入力支援プログラムでは、前記購入情報入力部は、前記タイトル取得部が取得したタイトルが前記所定の画面のタイトルと対応する場合において、当該画面が非アクティブ状態であるとき、当該画面をアクティブ状態に変化させ、当該画面に設けられている前記入力欄に前記購入情報を入力してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様においては、アプリケーションの画面を表示する表示部と、施設に設置されている設備で販売されている商品の購入情報を記憶する記憶媒体から前記購入情報を取得する購入情報取得部と、前記表示部に表示されているアプリケーションの画面のタイトルを取得するタイトル取得部と、前記タイトル取得部が取得したタイトルが、精算情報の入力欄を有する所定の画面のタイトルと対応する場合に、前記購入情報取得部に前記記憶媒体から前記購入情報を取得させ、取得された前記購入情報を当該画面に設けられている前記入力欄に入力する購入情報入力部と、を備える管理装置を提供する。
【0013】
本発明の第3の態様においては、記憶媒体と、管理装置とを備える管理システムであって、前記記憶媒体は、施設に設置されている設備で販売されている商品の購入情報を記憶する記憶領域を有し、前記管理装置は、アプリケーションの画面を表示する表示部と、前記記憶媒体から前記購入情報を取得する購入情報取得部と、前記表示部に表示されているアプリケーションの画面のタイトルを取得するタイトル取得部と、前記タイトル取得部が取得したタイトルが、精算情報の入力欄を有する所定の画面のタイトルと対応する場合に、前記購入情報取得部に前記記憶媒体から前記購入情報を取得させ、取得された前記購入情報を当該画面に設けられている前記入力欄に入力する購入情報入力部と、を有する管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、改修コストを抑えつつ、既存システムと設備とを連携することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る管理システムの概要を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る管理アプリケーション及び入力支援アプリケーションが有する機能を説明する図である。
図3】第1の実施形態に係るチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
[管理システムSの概要]
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る管理システムSの概要を示す図である。管理システムSは、例えば、ゴルフ場等の施設の運営に使用されるシステムであり、管理装置1と、施設の利用者が所持する記憶媒体としてのキー2とを備える。
【0017】
管理装置1は、例えば、施設の従業員(以下、単に従業員という)が使用するコンピュータである。管理装置1は、施設の利用者(以下、単に利用者という)のそれぞれのチェックイン、チェックアウト等を管理する管理アプリケーション17と、管理アプリケーション17によって表示される画面に対する入力を支援する入力支援プログラムとしての入力支援アプリケーション18とを実行する。
【0018】
キー2は、例えば、利用者の荷物を収納するロッカーのキーである。キー2は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等によって構成された記憶領域21を有しており、購入情報及びキー2の識別情報を記憶する。施設に設置されている自動販売機等の設備では、例えば、飲料等の商品が販売されており、キー2によって商品の購入が可能である。キー2は、施設の利用者が、当該施設の設備で商品を購入するときに、当該設備から購入情報を受信して、購入情報を記憶領域21に記憶する。ここで、購入情報は、例えば、飲料等の自動販売機における購入ボタンに割り当てられているコード情報と、当該購入ボタンに対応する商品の単価とを含む。
【0019】
[管理装置1の機能構成]
続いて、管理装置1の機能構成について説明する。
管理装置1は、表示部11と、入力部12と、記憶部13と、通信部14と、購入情報取得部としてのリーダライタ15と、制御部16とを備える。
【0020】
表示部11は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部11は、制御部16の制御に応じて、チェックインに係る画面やチェックアウトに係る画面等の各種画面を表示する。
入力部12は、例えば、キーボードやマウス等によって構成される。入力部12は、例えば、従業員から操作入力を受け付ける。
【0021】
記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等により構成される。記憶部13は、管理アプリケーション17と、入力支援アプリケーション18とを記憶する。また、記憶部13は、後述の予約情報を格納する予約テーブル、後述のチェックイン情報を格納するチェックインテーブル、及び後述のチェックアウト情報を格納するチェックアウトテーブル等を記憶する。
通信部14は、例えば、インターネット及びLAN等の有線又は無線ネットワークを介して外部装置と通信を行う。
【0022】
リーダライタ15は、キー2と近距離無線通信を行い、キー2の記憶領域21に対する情報の書き込み、及びキー2の記憶領域21からの情報の読み取りを行う。具体的には、リーダライタ15は、制御部16の制御に応じて、キー2の記憶領域21から購入情報を読み取り、制御部16に出力する。また、リーダライタ15は、制御部16の制御に応じて、キー2の記憶領域21に記憶されている購入情報を消去する。
【0023】
制御部16は、例えば、CPUにより構成され、管理装置1の全体を統括的に制御する。制御部16は、記憶部13に記憶されている管理アプリケーション17、及び入力支援アプリケーション18等の各種プログラムを実行する。
【0024】
[管理アプリケーション17及び入力支援アプリケーション18の機能構成]
続いて、管理アプリケーション17及び入力支援アプリケーション18の詳細について説明する。図2は、本実施形態に係る管理アプリケーション17及び入力支援アプリケーション18が有する機能を説明する図である。
【0025】
まず、管理アプリケーション17が備える各機能について説明する。管理アプリケーション17は、コンピュータとしての管理装置1を、予約処理部171、チェックイン処理部172、及びチェックアウト処理部173として機能させるためのプログラムである。
【0026】
予約処理部171は、施設の利用の予約に関する情報を示す予約情報を取得して記憶部13に記憶させる。予約情報は、例えば、施設の利用日時、利用人数、利用者の氏名、利用者の住所、利用者の電話番号である。
【0027】
予約処理部171は、以下のように予約情報を取得して、取得した予約情報を記憶部13に記憶させる。例えば、予約処理部171は、予約情報の入力欄と、予約を確定させる予約確定ボタンとを含む予約情報入力画面を表示部11に表示させる。そして、利用者から電話等で予約を受けた従業員が、入力部12を介して予約情報の入力欄に予約情報を入力し、予約確定ボタンを押下すると、予約処理部171は、当該予約情報を取得して記憶部13に格納されている予約テーブルに記憶させる。
【0028】
また、予約処理部171は、通信部14を介して予約情報を取得して記憶部13に記憶させる。例えば、施設のホームページ上に、予約情報の入力を受け付けるための予約フォームを設けておく。予約処理部171は、利用者が予約フォームに入力した予約情報を通信部14を介して取得し、当該予約情報を記憶部13に格納されている予約テーブルに記憶させる。
【0029】
チェックイン処理部172は、利用者のチェックインに係る情報を示すチェックイン情報を取得して記憶部13に記憶させる。チェックイン情報は、例えば、施設の利用日時、利用人数、利用者の氏名、利用者の住所、利用者の電話番号、キー2の識別番号(例えば、ロッカーの番号)等である。
具体的には、チェックイン処理部172は、チェックイン情報の入力欄と、チェックインを確定させるチェックイン確定ボタンとを含むチェックイン画面を表示部11に表示させる。
【0030】
従業員は、例えば、施設に到着した利用者に、予約をしているか否かを確認する。
利用者が予約をしている場合、従業員は、予約情報の検索画面を表示部11に表示させ、予約テーブルから利用者の予約情報を検索して検索結果を表示させる。例えば、検索結果には、予約情報と、コピーボタンが表示されている。従業者が利用者の予約情報の存在を確認して、コピーボタンを押下すると、チェックイン処理部172は、当該予約情報をコピーしてチェックイン画面に入力する。
【0031】
他方、利用者が予約をしていない場合には、ゴルフ場の利用日時、利用人数、利用者の氏名、利用者の住所、利用者の電話番号等の項目を記入するための記入用紙を利用者に渡す。利用者が記入用紙に記入し終わると、従業員は、入力部12を介してチェックイン画面に記入用紙に記入された内容を入力する。
【0032】
続いて、従業員は、利用者に渡すキー2の識別番号をチェックイン画面に入力する。従業員がチェックイン画面にチェックイン情報を入力し終わり、チェックイン確定ボタンを押下すると、チェックイン処理部172は、当該チェックイン情報を記憶部13に格納されているチェックインテーブルに記憶させる。
【0033】
チェックアウト処理部173は、利用者のチェックアウトを行うためのチェックアウト情報に基づいてチェックアウト処理を行う。チェックアウト情報は、例えば、チェックイン情報と、精算情報とを含む。
具体的には、チェックアウト処理部173は、利用者のチェックイン情報と、識別情報の入力欄と、チェックイン情報を表示させるための表示ボタンと、精算情報の入力欄と、チェックアウトを確定させるチェックアウト確定ボタンとを含むチェックアウト画面を表示部11に表示させる。例えば、従業員が、利用者からキー2を受け取り、キー2の識別情報をチェックアウト画面に入力して表示ボタンを押下すると、チェックアウト処理部173は、当該識別情報に基づいて、記憶部13に格納されているチェックインテーブルからチェックイン情報を抽出し、当該チェックイン情報をチェックアウト画面に表示させる。
【0034】
従業員は、利用者の施設の利用内容や利用人数等に基づいて、利用料金をチェックアウト画面に入力する。また、チェックアウト画面に設けられている精算情報の入力欄には、後述の入力支援アプリケーション18によって、施設に設けられた各種設備の利用料金が入力される。なお、チェックアウト処理部173は、利用者のプレー内容や利用人数等に基づいて自動的に利用料金を算出し、当該利用料金を入力してもよい。
【0035】
チェックアウト画面に対する入力が完了し、従業員がチェックアウト確定ボタンを押下すると、チェックアウト処理部173は、チェックアウト情報を記憶部13に格納されているチェックアウトテーブルに記憶させる。また、チェックアウト処理部173は、チェックアウトテーブルに記憶されたチェックイン情報をチェックインテーブルから削除する。
【0036】
続いて、入力支援アプリケーション18が備える各機能について説明する。入力支援アプリケーション18は、管理装置1を、タイトル取得部181、購入情報入力部としての補助入力部182、及び初期化処理部183として機能させるためのプログラムである。
【0037】
タイトル取得部181は、表示部11に表示されているアプリケーションの画面のタイトルを取得する。ここで、タイトルとは、表示部11にアプリケーションの画面が表示されている場合に、例えば、当該画面の上部に表示されるタイトルバーに表示される文字情報である。また、表示部11に表示されているアプリケーションには、最小化して表示され、タイトルの全てが表示されていないアプリケーションや、他のアプリケーションの画面の背後に位置して非表示となっているアプリケーションを含む。例えば、最小化して表示されたアプリケーションのタイトル、及び他のアプリケーションの画面の背後に位置して非表示となっているアプリケーションのタイトルは、これらのアプリケーションが表示部11に表示された際に、アプリケーションの画面上部に表示されるタイトルバーに表示される文字情報である。
【0038】
補助入力部182は、タイトル取得部181が取得したタイトルが、精算情報の入力欄を有する所定の画面のタイトルと対応する場合に、リーダライタ15に、キー2の記憶領域21から購入情報を取得させ、取得された購入情報を当該画面に設けられている入力欄に入力する。具体的には、補助入力部182は、キー2がリーダライタ15に載置されている場合に、タイトル取得部181が取得したタイトルが、購入情報の入力欄を有するチェックアウト画面のタイトルと対応するか否かを判定する。補助入力部182は、チェックアウト画面のタイトルと対応したと判定すると、キー2の記憶領域21に記憶されている購入情報を、リーダライタ15に取得させる。ここで、タイトル取得部181が取得したタイトルが、チェックアウト画面のタイトルと対応するとは、タイトル取得部181が取得したタイトルが、チェックアウト画面のタイトルと一致、部分一致、及び類似することを含む。
【0039】
続いて、補助入力部182は、表示部11に表示されているチェックアウト画面における精算情報の入力欄を選択させる。具体的には、補助入力部182は、表示部11に表示されているチェックアウト画面のハンドルを取得する。続いて、補助入力部182は、チェックアウト画面において予め定められている精算情報の入力欄の識別情報に基づいて、当該入力欄のハンドルを取得し、当該入力欄に購入情報を入力する。例えば、チェックアウト画面における精算情報の入力欄が、n番目の入力欄である場合、補助入力部182は、チェックアウト画面におけるn番目の入力欄のハンドルを取得する。
【0040】
なお、補助入力部182は、チェックアウト画面及び精算情報の入力欄のハンドルを取得して購入情報を入力する手法とは異なる手法で、購入情報を入力してもよい。例えば、補助入力部182は、表示部11の表示画面に対するチェックアウト画面の相対位置を特定し、さらに、チェックアウト画面における精算情報の入力欄の位置を特定してもよい。例えば、記憶部13にチェックアウト画面における精算情報の入力欄の位置を示す位置情報を記憶させておき、補助入力部182は、当該位置情報を取得することで入力欄の位置を特定してもよい。続いて、補助入力部182は、表示部11に表示されているカーソルを、チェックアウト画面における精算情報の入力欄の位置まで移動させて入力欄を選択させる。続いて、補助入力部182は、選択された入力欄に購入情報を入力する。ここで、入力欄が1つしかない場合には、補助入力部182は、購入情報に含まれている単価を示す情報が複数含まれている場合、これら単価の合計額を入力してもよい。また、チェックアウト画面に入力欄が複数存在する場合、補助入力部182は、複数の入力欄に、購入情報に含まれる単価それぞれを入力してもよい。
【0041】
なお、補助入力部182は、キー2がリーダライタ15に載置されている場合に、タイトル取得部181が取得したタイトルが、購入情報の入力欄を有するチェックアウト画面のタイトルと対応する場合に、キー2の記憶領域21に記憶されているキー2の識別情報をリーダライタ15に取得させ、取得された識別情報をチェックアウト画面に設けられている当該識別情報の入力欄に入力し、表示ボタンを押下してもよい。このようにすることで、従業員によるキー2の識別情報の入力操作及びチェックイン情報の表示操作を省略することができる。
【0042】
初期化処理部183は、リーダライタ15に載置されているキー2の記憶領域21に記憶されている購入情報をリーダライタ15に消去させて、キー2の初期化を行う。例えば、初期化処理部183は、補助入力部182がチェックアウト画面の精算情報の入力部に購入情報を入力したことに応じて、キー2の記憶領域21に記憶されている購入情報をリーダライタ15に消去させる。
【0043】
なお、初期化処理部183は、チェックアウト時に購入情報をリーダライタ15に消去させたが、他のタイミングで購入情報を消去させてもよい。例えば、初期化処理部183は、チェックイン時に、キー2の記憶領域21に記憶されている購入情報を消去してもよい。この場合、初期化処理部183は、キー2の記憶領域21に記憶されている購入情報をキー2がリーダライタ15に載置されている場合に、タイトル取得部181が取得したタイトルに基づいて、当該タイトルが、チェックイン画面のタイトルと対応するか否かを判定する。初期化処理部183は、チェックイン画面のタイトルと対応すると判定した場合、リーダライタ15に載置されているキー2の記憶領域21に記憶されている購入情報をリーダライタ15に消去させる。ここで、タイトル取得部181が取得したタイトルが、チェックイン画面のタイトルと対応するとは、タイトル取得部181が取得したタイトルが、チェックイン画面のタイトルと一致、部分一致、及び類似することを含む。
【0044】
また、管理装置1又は管理装置1と接続された外部装置等に、自動販売機の販売管理システムが導入されている場合、補助入力部182は、取得した購入情報に含まれる、飲料等の自動販売機における購入ボタンに割り当てられているコード情報を、当該販売管理システムに送信してもよい。
【0045】
[チェックアウト処理の動作フロー]
続いて、チェックアウト処理の動作フローについて説明する。図3は、第1の実施形態に係るチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートの開始時に、表示部11にチェックアウト画面が表示されているものとする。
【0046】
まず、入力支援アプリケーションのタイトル取得部181は、表示部11に表示されているアプリケーションの画面のタイトルを取得する(S1)。
続いて、補助入力部182は、S1において取得されたタイトルがチェックアウト画面のタイトルと対応するか否かを判定する(S2)。補助入力部182は、この判定がYesの場合、すなわち、チェックアウト画面のタイトルと対応すると判定した場合には、S3に処理を移す。補助入力部182は、この判定がNoの場合、すなわち、チェックアウト画面のタイトルと対応しないと判定した場合には、S1に処理を移す。
【0047】
続いて、補助入力部182は、リーダライタ15にキー2が載置されているか否かを判定する(S3)。補助入力部182は、この判定がYesの場合、すなわち、キー2が載置されていると判定した場合には、S4に処理を移す。補助入力部182は、この判定がNoの場合、すなわち、キー2が載置されていないと判定した場合には、S1に処理を移す。
【0048】
続いて、補助入力部182は、キー2の記憶領域21に記憶されている購入情報を、リーダライタ15に取得させる(S4)。
続いて、補助入力部182は、取得した購入情報を、チェックアウト画面の精算情報の入力欄に入力する(S5)。
【0049】
[第1の実施形態の効果]
以上、第1の実施形態によれば、入力支援アプリケーション18は、コンピュータとしての管理装置1を、表示部11に表示されているアプリケーションの画面のタイトルを取得するタイトル取得部181、タイトル取得部181が取得したタイトルが、精算情報の入力欄を有するチェックアウト画面のタイトルと対応する場合に、リーダライタ15に、キー2の記憶領域21から購入情報を取得させ、当該チェックアウト画面に設けられている入力欄に購入情報を入力する補助入力部182として機能させる。したがって、入力支援アプリケーション18は、管理アプリケーション17が表示部11に表示させたチェックアウト画面に対して、管理アプリケーション17の変更を行うことなく、購入情報を自動的に入力することができる。例えば、管理アプリケーション17が既存システムに係るアプリケーションである場合、入力支援アプリケーション18は、改修コストを抑えつつ、既存システムと設備とを連携することができる。
【0050】
また、補助入力部182は、所定の画面における入力欄の位置を示す位置情報を予め記憶する記憶部13から位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて表示部11に表示されているカーソルを移動させて入力欄を選択させ、当該入力欄に購入情報を入力する。このようにすることで、グラフィックユーザインタフェースを介して既存システムと設備とを連携することができる。
【0051】
<第2の実施形態>
[非アクティブ状態のチェックアウト画面に購入情報を入力する]
続いて、第2の実施形態について説明する。
本実施形態の補助入力部182は、非アクティブ状態のチェックアウト画面に対して購入情報を入力する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
なお、非アクティブ状態とは、1又は複数の画面が表示部11に表示されている場合において、対象となる画面が、入力部12による入力操作を行えない状態であることをいう。例えば、非アクティブ状態のチェックアウト画面は、他の画面の背後に表示されているか、最小化されて表示部11に表示されている。
【0052】
補助入力部182は、タイトル取得部181が取得したタイトルがチェックアウト画面のタイトルと対応する場合において、当該画面が非アクティブ状態であるとき、当該画面をアクティブ状態に変化させ、当該画面に設けられている精算情報の入力欄に購入情報を入力する。具体的には、補助入力部182は、タイトル取得部181が取得したタイトルが、チェックアウト画面のタイトルと対応する場合に、チェックアウト画面がアクティブ状態であるか否かを判定する。補助入力部182は、チェックアウト画面がアクティブ状態ではない場合、すなわち、非アクティブ状態である場合に、チェックアウト画面をアクティブ状態に変化させる。チェックアウト画面は、アクティブ状態になると、表示部11において最前面に表示される。
【0053】
続いて、補助入力部182は、第1実施形態と同様に、表示部11に表示されているカーソルを、チェックアウト画面における精算情報の入力欄の位置まで移動させて入力欄を選択させ、選択された入力欄に購入情報を入力する。
【0054】
なお、補助入力部182は、チェックアウト画面を非アクティブ状態からアクティブ状態に変化させる際に、チェックアウト画面の表示サイズを所定の表示サイズとして表示部11に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、精算情報の入力欄にカーソルにあわせて、購入情報を当該入力欄に確実に入力することができる。
【0055】
[第2の実施形態の効果]
以上、第2の実施形態によれば、補助入力部182は、チェックアウト画面が非アクティブ状態であっても、当該画面をアクティブ状態に変化させて購入情報を自動的に入力することができる。
【0056】
<第3の実施形態>
[キー2に利用者の識別情報を入力する]
続いて、第3の実施形態について説明する。
本実施形態のキー2は、利用者の識別情報として利用者IDを記憶し、補助入力部182が、利用者IDに基づいて、チェックアウト時に利用者IDがチェックアウト画面に入力されている利用者を示す情報としての利用者の氏名に対応しているか否かを判定したうえでチェックアウト画面に購入情報を入力する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
【0057】
初期化処理部183は、リーダライタ15に載置されているキー2の記憶領域21に、購入情報が記憶されていない状態において、タイトル取得部181が取得したタイトルが、チェックイン画面のタイトルであるか否かを判定する。初期化処理部183は、チェックイン画面のタイトルであると判定した場合において、チェックイン画面に利用者名が入力されているとき、当該利用者名を識別する識別情報を示す利用者IDをキー2に記憶させる。
【0058】
補助入力部182は、キー2がリーダライタ15に載置されている場合に、タイトル取得部181が取得したタイトルが、購入情報の入力欄を有するチェックアウト画面のタイトルと対応するか否かを判定する。補助入力部182は、チェックアウト画面のタイトルと対応したと判定すると、キー2の記憶領域21に記憶されている利用者IDがチェックアウト画面に示されている利用者の氏名に対応しているか否かをさらに判定する。補助入力部182は、利用者IDがチェックアウト画面に示されている利用者の氏名に対応していると判定した場合に、キー2に記憶されている購入情報をリーダライタ15に取得させ、取得された購入情報を精算情報の入力欄に入力する。
【0059】
[第3の実施形態の効果]
以上、第3の実施形態によれば、補助入力部182は、キー2に記憶されている利用者IDがチェックアウト画面に示されているチェックイン情報を構成する氏名に対応している場合に購入情報を入力するので、利用者のキー2が第三者のキー2と入れ替わったとしても、誤請求を防ぐことができる。
【0060】
<第4の実施形態>
[キー2に記憶されている利用者の識別情報に対応するチェックアウト画面をアクティブ状態に変化させる]
続いて、第4の実施形態について説明する。
本実施形態の補助入力部182は、チェックイン情報が入力されている複数のチェックアウト画面が表示部11に表示されている場合において、利用者IDに基づいて、当該利用者IDに対応する利用者の氏名が入力されているチェックアウト画面をアクティブ状態に変化させる点で第3の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
【0061】
チェックアウト処理部173は、従業員が、複数の利用者のチェックアウト処理を並列して行うことを可能とするために、チェックイン情報が入力されている複数のチェックアウト画面を表示部11に表示させる。この場合において、複数のチェックアウト画面のいずれか一の画面がアクティブ状態であり、その他の画面が非アクティブ状態であるものとする。
【0062】
補助入力部182は、キー2がリーダライタ15に載置されている場合に、タイトル取得部181が取得したタイトルが、購入情報の入力欄を有するチェックアウト画面のタイトルと対応するか否かを判定する。補助入力部182は、複数のチェックアウト画面のタイトルが対応していると判定すると、これらチェックアウト画面から、キー2の記憶領域21に記憶されている利用者IDと対応する利用者の氏名が表示されているチェックアウト画面を特定する。そして、補助入力部182は、対応するチェックアウト画面が非アクティブ状態である場合に、アクティブ状態に変化させ、当該画面の精算情報の入力欄に対して、キー2に記憶されている購入情報を入力する。
【0063】
[第4の実施形態の効果]
以上、第4の実施形態によれば、補助入力部182は、キー2に記憶されている利用者IDがチェックアウト画面に示されているチェックイン情報を構成する氏名に対応している場合に購入情報を入力するので、利用者のキー2が第三者のキー2と入れ替わったとしても、誤請求を防ぐことができる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
例えば、本実施形態では、キー2の記憶領域21が購入情報を記憶したが、これに限らない。例えば、携帯電話が購入情報を記憶しておき、管理装置1に対して当該購入情報を送信してもよい。この場合において、入力アプリケーションが当該購入情報を受信して記憶部13に記憶しておき、当該携帯電話の利用者がチェックアウトする場合に、当該携帯電話から送信された購入情報を精算画面の入力欄に入力してもよい。
【0066】
また、本実施形態では、リーダライタ15が近距離無線通信を行い、キー2の記憶領域21のデータを取得したが、これに限らない。例えば、キー2がメモリースティック等の携帯記憶媒体であり、リーダライタ15が、USB等の有線通信によってキー2の記憶領域21のデータを取得してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1・・・管理装置、2・・・キー、11・・・表示部、12・・・入力部、13・・・記憶部、14・・・通信部、15・・・リーダライタ、16・・・制御部、17・・・管理アプリケーション、18・・・入力支援アプリケーション、21・・・記憶領域、171・・・予約処理部、172・・・チェックイン処理部、173・・・チェックアウト処理部、181・・・タイトル取得部、182・・・補助入力部、183・・・初期化処理部、S・・・管理システム
図1
図2
図3