(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中央支柱は、中央部の上面と前記取付基部との間の前記中央部の内部を横切る導電性部分を備えることを特徴とする請求項1に記載の軸方向導線コンデンサクランプアッセンブリ。
前記複数の外周側支柱は、前記外周側支柱の上面と前記取付基部との間の各外周側支柱の内部を横切る導電性部分をそれぞれ備えることを特徴とする請求項1に記載の軸方向導線コンデンサクランプアッセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1Aには、コンデンサアッセンブリ110、コンデンサ素子112、クランプアッセンブリ114、はんだプレート116、取付ボルト118、取付ナット120およびプリント配線板アッセンブリ(PWBA)122が示されている。
【0009】
第1の例示的な実施例においては、コンデンサアッセンブリ110は、クランプアッセンブリ114内に垂直に保持されたコンデンサ素子112を備えている。この例示的な実施例および他の例示的な実施例においては、コンデンサ素子112は、垂直方向に向けられている、つまり、回路基板の作用的な取付面、本明細書ではプリント配線板アッセンブリ122に対し垂直である。
図1Bおよび
図1Cでより詳細に分かるように、コンデンサ素子112は、コンデンサアッセンブリ110の下方に配置された正極側の導線を直接的に介して、かつコンデンサのクランプアッセンブリ114を間接的に介して、プリント配線板アッセンブリ122上の回路に電気的に接続されている。後続の図で説明されるこの実施例および他の実施例においては、クランプアッセンブリは、回路にコンデンサ素子を組み込む隠れた導電性経路を備えている。
【0010】
プリント配線板アッセンブリ122およびこれと同等のものは、電子機器、システムの制御部または他のアプリケーションに電力を供給する複数のワイヤおよび回路素子を備えている。この例および以下の例の全てにおいて、プリント配線板アッセンブリ上の特定の回路にコンデンサを接続するために、適切な取付、はんだの箇所および他の回路が設けられることを理解するであろう。プリント配線板アッセンブリの配線は、特定の用途の各々に基づいて変化するものであり、したがって、簡潔にするために、本明細書において提供される例から省略されている。
【0011】
図1Bには、コンデンサアッセンブリ110、コンデンサ素子112、クランプアッセンブリ114、はんだプレート116、取付ボルト118、取付ナット120、プリント配線板アッセンブリ(PWBA)122、カソード124、アノード126、誘電体128、正極側導線130、負極側導線132、コンデンサ絶縁体133、上部クランプセクション134A、下部クランプセクション134B、中央導電性スリーブ135および導電性ナット137が示されている。
【0012】
図1Bは、
図1Aのアッセンブリ110の断面図である。コンデンサアッセンブリ110は、取付ボルト118および取付ナット120によってプリント配線板アッセンブリ122に固定される。コンデンサ素子112は、プリント配線板アッセンブリ122に対し垂直にかつ長手方向に実質的に配置された軸方向導線コンデンサであり、誘電体128を有したカソード124およびアノード126をそれぞれ備えている。接続は、カソード(負極側)導線132およびアノード(正極側)導線130の各々によってなされる。この例および他の例においては、クランプアッセンブリ114は、一般に、取付面(プリント配線板アッセンブリ122)に概ね向かう第1の正極側導線130と、取付面から離間した端部の第2の負極側導線132とに向けられている。導線130,132は、クランプアッセンブリ114の導電性経路構成要素に電気的に接続され、この導電性経路構成要素は、プリント配線板アッセンブリ122の電気回路にコンデンサ112を直接的または間接的に接続する。
【0013】
本明細書で説明される例示的な実施例においては、コンデンサ素子112は、多くの製造業者により商業的に利用可能とされているタンタルコンデンサとして知られている。アノード126は、酸化タンタルからなる誘電体128を有したタンタルである。固体タンタルコンデンサは、酸化マンガンのカソード124を備えることができる。導線130,132を除いて、カソード124およびアノード126は、電気絶縁性でかつ熱伝導性のエポキシまたはウレタンとすることができる絶縁体133内に包括される。酸化タンタルの誘電体128は、誘電体の層を非常に薄く形成することを許容しつつ、非常に高い誘電率を有しており、したがって、最も高い電力のコンデンサの1つである。さらに、この例では、導線130,132は、真鍮のような銅合金(例えば、UNS C36000、C46400またはC26000)、もしくはテルル銅(例えば、UNS C14500)である。構造的な材料および電子的な材料の組み合わせは、電気的な性能を最大化しつつ、コンデンサ素子112からの除熱(rejecting heat)にも寄与する。
【0014】
コンデンサ取付アッセンブリ114は、はんだプレート116、上部クランプセクション134A、下部クランプセクション134B、中央導電性スリーブ135および導電性ナット137を備えている。電流を流し易くするために、正極側の端子130をはんだプレート116およびプリント配線板アッセンブリ122にはんだ付けするか、または電気的に接続することができる。はんだプレート116は、導電性であり、負極側導線130によってカソード124を互いに電気的に接続する。ナット137と、クランプセクション134A,134Bの中央部を貫通して配置された中央導電性スリーブ135とを組み合わせることにより、はんだプレート116は、取付アッセンブリ114を通る電流通路を提供する。
図1Bにおいても分かるように、誘電体128を横切る電位を維持するように、負極側の電荷がカソード124に蓄積し、正極側の電荷がアノード126に蓄積する。カソード124およびアノード126を有した導電性電流経路は、例示の目的のために隠されている。また、誘電体128は、この導電性電流経路から区別して隠されている。
【0015】
クランプアッセンブリ114(および以下の関連した代替的な実施例)は、コンデンサアッセンブリ110の継続的な接続を確実にするために、振動の応力およびねじり応力により生じる力と作用する。これらの応力は、これらのコンデンサ112および他の高電力コンデンサ112によって経験される作動時の応力を特徴としている。電解タンタルコンデンサは、実際は、任意の環境における作動を維持するために、電力電子機器の宇宙および軍事の用途で用いられることが多い。これらのコンデンサおよび他のコンデンサを垂直に取り付けることにより、長手方向の取付よりも板の面積を減少させることができる。垂直方向の取付構成におけるこれらのコンデンサおよび他の高電力コンデンサの質量および大きな外形が、コンデンサ素子およびこの周囲に生じる応力を悪化させ、これにより、導線が早期に磨耗するか、または壊れ得る。
【0016】
正極側導線130は、コンデンサアッセンブリ110の下方のプリント配線板アッセンブリ122にはんだ付けされるか、または電気的に接続される。コンデンサ取付アッセンブリは、(
図1Cに示される)基部に、内部を導線130が通って延びるポートまたは他の通路を備えている。コンデンサアッセンブリ114は、板にコンデンサ素子のより小さな波形率(form factor)を付加しつつ、素子112の垂直方向の取付を許容する。さらに、導線130は、軸方向導線コンデンサの従来の取付と比較して、非常の多くの板の空間を取るのではなく、コンデンサアッセンブリの下に収容され得る。この例においては、正極側導線130は、抵抗加熱により生じる熱膨張を吸収するたるみ(slack)を提供するように曲げられるか、または折り畳まれる。また、折り畳むことにより、作動環境に基づいて存在し得る高い振動の応力およびねじり応力を吸収する。また、他の実施例においては、導線は、コンデンサ素子から直線的に突出し、クランプアッセンブリは、応力に抵抗する他の導電性構造体を備えている。
【0017】
図1Cには、コンデンサ素子112、クランプアッセンブリ114、はんだプレート116、正極側導線130、負極側導線132、上部クランプセクション134A、下部クランプセクション134B、中央導電性スリーブ135、リセス部136、導電性ナット137、導線通路138、外側ピン142A,142Bおよび内側ピン144A,144Bが示されている。
【0018】
図1Cは、コンデンサ素子112およびクランプアッセンブリ114の種々の素子を示す組立分解図である。上部クランプセクション134Aおよび下部クランプセクション134Bの各々は、共に、コンデンサ素子112のリセス部136を有した円筒体を実質的に形成している。リセス部136の各々は、導電性経路に接続するために、正極側導線130および負極側導線132が内部を通って突出するための通路138を備えている。正極側導線130は、プリント配線板アッセンブリ122にはんだ付けされるか、または
図1Bに示したようにプリント配線板アッセンブリ122に直接に固定される。負極側導線132は、はんだプレート116にはんだ付けされるか、または固定される。中央導電性スリーブ135とナット137とを組み合わせることにより、はんだプレート116は、コンデンサ素子112をプリント配線板アッセンブリ122に接続する導電性経路の一部を形成する。上部クランプセクション134Aおよび下部クランプセクション134Bは、エポキシか、または導電性経路を絶縁する他の電気絶縁性樹脂とすることができる。
【0019】
図1Bについて説明したように、コンデンサ素子112の垂直方向の取付は、プリント配線板アッセンブリ122の取付面積の実質的な大きさを節約するが、導線130を損傷し得るか、または破壊し得る振動およびねじりの力を増加させ得る。したがって、導線130を曲げるか、または折り畳むことに加えて、上部クランプセクション134Aおよび下部クランプセクション134Bは、
図1Dに示したように、アッセンブリ110を軸方向に強固なものとし、これにより、振動の応力およびねじり応力による影響を緩和するための外側ピン142A,142Bおよび内側ピン144A,144Bを備えることができる。
【0020】
図1Dには、クランプアッセンブリ114、上部クランプセクション134A、下部クランプセクション134B、中央導電性スリーブ135、リセス部136、導体137、導線通路138、外側ピン142A,142B、内側ピン144A,144B、中央円筒部146、外周側支柱部148および外周側円筒面150A,150Bが示されている。
【0021】
(
図1A〜
図1Cに示した)コンデンサ素子112のリセス部136および導線通路138に加えて、上部クランプセクション134Aは、アッセンブリ114の上方に突出する外側ピン142Aを備えており、下部クランプセクション134Bは、アッセンブリ114の下方へ突出する外側ピン142Bを備えている。また、クランプセクション134A,134Bは、対向するクランプセクションに向かって突出する少なくとも1つの内側ピン144A,144Bをそれぞれ備えている。これらのピンは、共に、クランプアッセンブリ114に軸方向の堅剛性を与え、これにより、一方の素子に対する他方の素子のねじり力が最小化される。
図1Cから分かるように、外側ピン142Aは、(
図1Cに示した)導電性のはんだプレート116を通して突出し、外側ピン142Bは、プリント配線板アッセンブリ122の穴を通して突出する。内側ピン144A,144Bと組み合わせることにより、(
図1Bおよび
図1Cに示した)正極側導線130にかかる応力を含むねじり応力および振動の応力の影響が最小化される。代替的な実施例においては、予想される、または実際の作動時に生じる力に基づいて、ピン142A,142B,144A,144Bのいずれかまたは全てが付加され、移動され、または省略され得る。
【0022】
この例においては、上部クランプセクション134Aは、下部クランプセクション134Bを逆転した例とされており、また、この逆の関係も成立する。セクション134A,134Bは、共に、中央部分146と、垂直方向の支柱部148と、該支柱部148の外側部分を結合する外周側部150とを有した円筒体を実質的に画定する。外側ピン142A,142Bおよび内側ピン144A,144Bを有したクランプセクション134A,134Bは、短絡回路を防止するように電気的に絶縁されている。これらのセクションは、除熱にも寄与するエポキシに基づいたもの、またはウレタンに基づいたものとすることができる。この実施例および他の実施例を示した例においては、アッセンブリ110が(
図1Aおよび
図1Bに示した)プリント配線板アッセンブリ122に取り付けられているときでさえも、小さな隙間が、セクション134Aとセクション134Bとの間に存在する。これは、主に図示の目的のためであり、2つの個々のセクション134A,134Bおよびコンデンサ素子112の相対的な姿勢(orientation)をより良く示すために、隙間が誇張されている。また、セクション134Aとセクション134Bとの間の隙間を無くして円筒体を画定しつつ、セクション134Aとセクション134Bとを互いに密に結合させることもできる。垂直方向に向けられたコンデンサ素子を有したコンデンサアッセンブリ110についてのいくつかの他の変更が、残りの図に示されている。
【0023】
図2Aは、第2の例示的な実施例であり、この実施例には、コンデンサアッセンブリ210、コンデンサ素子212、クランプアッセンブリ214、上部導電性はんだプレート216A、下部取付はんだプレート216B、取付ボルト218、取付ナット220およびプリント配線板アッセンブリ222が示されている。
【0024】
この第2の例示的な実施例においては、コンデンサアッセンブリ210は、クランプアッセンブリ214によって保持されたコンデンサ素子212を備えている。コンデンサ素子212は、軸方向取付ボルト218およびナット220を用いて、上部はんだプレート216Aおよび下部はんだプレート216Bとの間に固定されている。
【0025】
図2Bは、
図2Aの断面図であり、この断面図には、コンデンサアッセンブリ210、コンデンサ素子212、クランプアッセンブリ214、上部導電性はんだプレート216A、下部取付はんだプレート216B、取付ボルト218、取付ナット220、プリント配線板アッセンブリ222、カソード224、アノード226、誘電体228、正極側導線230、負極側導線232、コンデンサ絶縁体233、上部クランプセクション234A、下部クランプセクション234B、中央導電性スリーブ235、絶縁性ナット239および導電性ピン241が示されている。
【0026】
図1A〜
図1Cと同様に、コンデンサ素子212は、カソード224とアノード226をそれぞれ備えており、カソード224とアノード226との間には、誘電体228が配置されている。これらの素子は、周囲環境から電気素子を絶縁する電気絶縁体233によって取り囲まれている。この例および他の例においては、コンデンサ素子212は、
図1A〜
図1Cについて説明したのと同様のタングステン基コンデンサである。
【0027】
クランプアッセンブリ214は、上部セクション234Aと、下部セクション234Bと、上部はんだプレート216A、下部はんだプレート216Bおよび中央導電性スリーブ235を有した(隠れた)導電性経路とを備えている。上部はんだプレート216Aおよび下部はんだプレート216Bは、プリント配線板アッセンブリ222にコンデンサ212を電気的に接続する、クランプアッセンブリ214を通る導電性経路を提供するように電気伝導性とされている。上部はんだプレート216Aは、中央導電性スリーブ235にはんだ付けされた端部の第2の(負極側)導線232に導電性経路を提供するように、中央導電性スリーブ235に電気的に接続されている。第1の(正極側)導線230は、下部はんだプレート216Bを通して突出するとともに、下部はんだプレート216Bにはんだ付けされている。コンデンサアッセンブリ210を通る導電性経路は、正極側導線230によって下部はんだプレート216Bにアノード226を接続することにより完成される。プレート216Bは、プリント配線板アッセンブリ222にはんだ付けされた導電性ピン241を備えており、アノード226とプリント配線板アッセンブリ222上に配置された回路との間の電気的接続の大部分または全てを提供する。また、コンデンサアッセンブリ210が用いられる特定の回路の電気的な要求に基づいて、プリント配線板アッセンブリ222に正極側導線230をはんだ付けしてもよく、またははんだ付けしなくてもよい。
【0028】
絶縁性ナット239は、下部はんだプレート216Bおよび正極側導線230からスリーブ235を絶縁する。絶縁性ナット239は、スリーブ235の端部を螺合し、下部はんだプレート216Bおよび正極側導線230からスリーブ235を絶縁する。スリーブ235およびナット239は、共に、クランプアッセンブリ234A,234B内にコンデンサ212を固定する。プレート216Bが導電性経路と、導電性ピン241を介した軸方向の堅剛性との双方を提供するので、正極側導線230は、ねじり応力および振動の応力に耐えるために曲げられる必要がない。
【0029】
図2Cには、コンデンサ素子212、クランプアッセンブリ214、上部はんだプレート216A、下部はんだプレート216B、プリント配線板アッセンブリ222、正極側導線230、負極側導線232、上部クランプセクション234A、下部クランプセクション234B、中央導電性スリーブ235、クランプリセス部236、導線通路238、絶縁性ナット239、導電性ピン241、内側ピン244A,244Bおよび上部はんだプレートリセス部252が示されている。
【0030】
図2Cは、クランプアッセンブリ214の組立分解図であり、クランプアッセンブリ214は、プリント配線板アッセンブリ222に対し垂直な6つのコンデンサ素子212を保持して方向付ける受けセクション236と、導線通路238とを備えている。異なる寸法(断面や高さ)を有したコンデンサ素子を用いることにより、振動や板の面積を最小化するという目的を備えたクランプアッセンブリ214の構成を修正することができることを理解するであろう。
【0031】
上部はんだプレート216Aは、半径方向に膨張および収縮するプレート216A用の環状はんだプレート溝252を備えている。はんだプレート216Aおよびこれの周囲の素子は、熱膨張し易い。はんだプレート溝252は、アッセンブリの種々の素子の膨張のための空間を提供することにより、負極側導線232の応力および破損を減少させる。また、下部はんだプレート216Bは、中央導電性スリーブ235を電気的に絶縁する絶縁性ナット239を受けるためのより大きい中央開口部を備えている。ナット239は、例えば、フェノール樹脂、または適切な電気絶縁特性および熱電導特性を有した他の材料を用いることによって製造され得る。
【0032】
図3Aは、第3の例示的な実施例であり、この実施例には、コンデンサアッセンブリ310、コンデンサ素子312、クランプアッセンブリ314、上部はんだプレート316A、下部はんだプレート316B、取付ねじ318、プリント配線板アッセンブリ322、カソード端子332、外部導線354および外部導線ガイド356が示されている。
【0033】
コンデンサアッセンブリ310は、アッセンブリ210と同様に作動する。しかし、クランプアッセンブリの中央部を通る導電性スリーブの代わりに、外部導線354が、電流を導き、導電性経路を完成させるように設けられている。外部導線354は、はんだプレート316A上の外部導線ガイド356をプリント配線板アッセンブリ322に接続する。外部導線354は、導線332次第で単一のワイヤとすることができる。コンデンサアッセンブリ310は、下方向に向けられた取付ボルトまたはねじ318を用いて取り付けられ、ナット320は、プリント配線板アッセンブリ322の下方でアッセンブリを固定する。
【0034】
図3Bは、
図3Aの断面図であり、この断面図には、コンデンサアッセンブリ310、コンデンサ素子312、クランプアッセンブリ314、上部取付はんだプレート316A、下部取付はんだプレート316B、取付ねじ318、取付ナット320、プリント配線板アッセンブリ322、カソード324、アノード326、誘電体328、正極側導線330、負極側導線332、上部クランプセクション334A、下部クランプセクション334B、絶縁性リング339および導電性ピン341が示されている。
図3Cは、コンデンサアッセンブリ310の組立分解図であり、コンデンサアッセンブリ310は、リセス部336および導線通路338を備えている。
【0035】
上述の他の実施例と同様に、クランプアッセンブリ314は、コンデンサ素子312を垂直方向に保持する上部クランプセクション334Aおよび下部クランプセクション334Bを備えている。同様に、上部はんだプレート316Aは、負極側導線332を互いに電気的に接続するように導電性とされている。コンデンサアッセンブリ310を通る導電性経路は、正極側導線330によって下部はんだプレート316Bにアノード326を接続することにより完成される。プレート316Bは、プリント配線板アッセンブリ322にはんだ付けされた導電性ピン341を備えており、プリント配線板アッセンブリ322上の回路とアノード326との間の電気的接続の大部分または全てを供給する。また、コンデンサアッセンブリ310が用いられる特定の回路の電気的な要求に基づいて、プリント配線板アッセンブリ322に正極側導線330をはんだ付けしてもよく、またははんだ付けしなくてもよい。下部はんだプレート316Bは、絶縁性リング339によってプリント配線板アッセンブリ322の台から電気的に絶縁されている。
【0036】
図3Aについて説明したように、外部導線354は、アッセンブリ314の中央導体を必要とすることなく、コンデンサ素子312とプリント配線板アッセンブリ322との間の充電通路を完成させる。また、前述の例とは異なり、上部クランプセクション334Aおよび下部クランプセクション334Bは、内側ピンを備えていないことを留意されたい。しかし、コンデンサアッセンブリ310に軸方向の堅剛性を与えるために、クランプセクション334A,334Bは、
図1A〜
図1Dまたは
図2A〜
図2Cから分かるように1つまたは複数の内側ピンまたは外側ピンを有するように容易に適合され得ることを理解するであろう。導電性経路と共に円筒体以外の保持構造体を用いることができ、円筒体以外のこの保持構造体は、開状態の側部(open side)または閉状態の側部(closed side)を備えることができる。開状態の側部を有したコンデンサアッセンブリの例が、
図4A〜
図4Cに示されている。
【0037】
図4Aは、垂直方向のコンデンサアッセンブリの第4の例示的な実施例である。
図4Aには、コンデンサアッセンブリ410、コンデンサ素子412、クランプアッセンブリ414、上部導電性プレート416、上部プレート用ねじ418およびプリント配線板アッセンブリ422が示されている。
【0038】
上述の例と異なり、クランプアッセンブリ414は、コンデンサ素子412を完全に包括しておらず、コンデンサは、環境に向かって開状態とされている。そして、端部の導線に上部プレートをはんだ付けすることに代えて、この例においては、導電性プレート416は、複数のねじ418によってクランプアッセンブリ414に直接に固定されている。したがって、上述の例とは対照的に、クランプアッセンブリ414は、単一の部分であり、周囲環境に向かってコンデンサ素子412を開状態にする。これは、例えば、コンデンサアッセンブリ410の周囲に対流冷却を容易にする十分な空気流があるときに、役立つことがある。
【0039】
図4Bは、
図4Aの断面図であり、この断面図には、コンデンサアッセンブリ410、コンデンサ素子412、上部導電性プレート416、導電性プレート用ねじ418、板用取付ねじ420、プリント配線板アッセンブリ(PWBA)422、カソード424、アノード426、誘電体428、正極側導線430、負極側端子432、クランプ構造体434、クランプ基部460および中央支柱462が示されている。
図4Cは、組立分解図であり、この組立分解図には、コンデンサアッセンブリ410、コンデンサ素子412、クランプアッセンブリ414、上部導電性プレート416、上部導電性プレート用ねじ418、板用取付ねじ420、正極側導線430、負極側端子432、クランプ構造体434、コンデンサリセス部436、導線通路438、基部460、中央支柱462および外周側支柱464が示されている。
【0040】
図4Bには、クランプアッセンブリ414を通る導電性経路の一例が示されている。
図4Cには、どのようにコンデンサ素子412がプリント配線板アッセンブリ422に対し垂直に保持されるかが示されている。コンデンサアッセンブリ410は、中央の板用取付ねじ420によってプリント配線板アッセンブリ422に固定されている。クランプアッセンブリ414は、基部460を有したクランプ構造体434を備えており、基部460は、該基部460から垂直方向に突出する中央支柱462と、基部460から垂直方向に突出するように周方向に配置された複数の外周側支柱464とを備えている。基部460および垂直方向の支柱462,464の組み合わせは、プリント配線板アッセンブリ422に対しコンデンサ素子412を垂直方向に保持するための垂直方向リセス部436を画定する。
【0041】
導電性プレート416は、負極側端子432と直接に接触する。導線と比較して、端子432が、コンデンサ412の端部において、より広い表面積を介してプレート416と直接に係合する。コンデンサ412の導電性通路は、一般に、クランプ構造体434を通して連続している。電気的導通は、各支柱462,464の少なくとも一部として組み込まれる少なくとも導電性部分によって提供され得る。コンデンサ412が絶縁体433を用いて十分に絶縁されている場合には、支柱462,464の実質的に全てが、導電性経路の一部を形成することができる。電気絶縁性が、基部460およびコンデンサ絶縁体433の部分によって提供され得る。クランプ構造体434は、回路にアッセンブリ410を接続するように、種々の点でプリント配線板アッセンブリ422にはんだ付けされ得る。上記のはんだ付け点の1つの群は、中央支柱462および外周側支柱464の真下において選択され得る。支柱462,464は、導電性または非導電性のプレート用ねじ418を受けるように螺合され得る。
【0042】
中央支柱462および外周側支柱464は、概ね円筒形の姿勢(cylindrical orientation)で配置される。これは、2つの部分からなる非導電性クランプを示した上述の例のような外周側円筒面とは対照的である。
図4A〜
図4Cに示した単一の部分からなるクランプにより、コンデンサの組立と、コンデンサの取付面への接続が簡素化される。
【0043】
さらに、この例においては、導線430は、プリント配線板アッセンブリ422へと直線的に突出するものとして示されている。しかし、
図1A〜
図1Cにおいて説明したように、コンデンサアッセンブリ410の周囲の素子が熱により膨張および収縮するときに正極側導線430がある程度のたるみを保持するように、正極側導線430を曲げるか、または折り畳むこともできる。上述したように、導線430を曲げるか、または折り畳むことにより、ねじり応力や振動の応力から生じる脆弱化(weakening)または破損を最小化することができる。
【0044】
本発明の例示的な実施例について説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更がなされ得ることを理解されたい。