(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109861
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】ビデオ−写真機器用支持ヘッド
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20060101AFI20170327BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
G03B17/56 B
H04N5/222 B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-561450(P2014-561450)
(86)(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公表番号】特表2015-511731(P2015-511731A)
(43)【公表日】2015年4月20日
(86)【国際出願番号】EP2013055229
(87)【国際公開番号】WO2013135810
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2016年2月12日
(31)【優先権主張番号】PD2012A000080
(32)【優先日】2012年3月14日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】595120057
【氏名又は名称】リノ・マンフロット・エ・コルポラツィオネ・エス・ピー・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】バッタグリア、フェデリコ
【審査官】
井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−027156(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0108685(US,A1)
【文献】
国際公開第2011/056498(WO,A1)
【文献】
実開昭62−062098(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第02306429(DE,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0006170(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
H04N 5/222
F16M 11/04
F16M 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ−写真機器用の支持ヘッド(1)であって、
前記ヘッドの第1の回転軸(X)を画定するピン(6a)を備えるベース(2)と、
前記第1の回転軸(X)の周りで回転するために前記ベースと回転するように結合され、かつ両側で前記ピンを囲み、前記ピンに当接し、かつ前記ベースの周りにおける第1の本体の回転を固定するために、共に相互に閉じることのできる第1の制動部材(9a)および第2の制動部材(9b)を備えた第1の本体(5)と、
長手方向軸(A)に沿って前記第1の本体から延び、かつ前記第1の本体で得られる座(13)に収容される第1の端部(12a)と前記第1の本体から間隔を空けた第2の端部(12b)とを備える第1のレバー(10)であり、前記第1のレバーが前記第1の回転軸周りで前記第1の本体を揺動させるように構成された操作位置と、最小の関連部分となる非操作位置との間で、前記第1の端部(12a)を通り、前記長手方向軸(A)に対して入射する揺動軸(P)の周りで前記第1の本体に対して揺動することができる、第1のレバー(10)とを備え、
前記レバーの前記第1の端部(12a)に対する前記座(13)が前記第1の制動部材(9a)で得られ、また前記第2の制動部材(9b)が、前記操作位置と前記非操作位置との間で前記第1のレバー(10)の揺動をガイドするスロット(18)により横断されていることと前記レバーが、前記操作位置にあるとき、前記ピンの周りで前記第1の制動部材および前記第2の制動部材を共に相互に閉じることを制御するために、前記第2の制動部材(9b)に当接することとを特徴とする、支持ヘッド(1)。
【請求項2】
前記第1のレバー(10a)が、前記第1の端部(12a)に、前記揺動軸(P)を画定するために前記長手方向軸(A)に対して実質的に直角な方向に延びるヘッド部(17)を備える、請求項1に記載の支持ヘッド。
【請求項3】
前記第1のレバー(10)が、前記第1の端部(12a)を備える第1のステム部分(15)と、前記第1のステム部分に対して伸縮自在に係合する第2のステム部分(16)とを備え、前記第1の端部および前記第2の端部を互いの方向に、かつ互いから離れるように移動させる、請求項1又は2に記載の支持ヘッド。
【請求項4】
前記第1の端部(12a)と前記第2のステム部分(16)との間の間隔が、前記長手方向軸(A)の周りで前記第2のステム部分を回転させることにより変化され得るように、前記第1のステム部分(15)が、前記第2のステム部分(16)にねじ係合される、請求項3に記載の支持ヘッド。
【請求項5】
前記第1のステム部分(15)と前記第1の本体(5)との間の結合は、この第1のステム部分が前記長手方向軸(A)の周りで回転しないようにするものである、請求項3または4に記載の支持ヘッド。
【請求項6】
前記レバーは、前記操作位置にあるとき、前記第2のステム部分(16)の位置で、前記第1の制動部材と前記第2の制動部材を共に前記ピンの周りで相互に閉じることを制御するために、前記第2の制動部材(9b)に対して当接する、請求項3から5のいずれか一項に記載の支持ヘッド。
【請求項7】
前記第2のステム部分(16)が、前記スロット(18)の位置で前記第1の本体(5)に当接するとき、前記第2の制動部材(9b)に当接するように、前記スロットの高さ(H)を超える直径(D)を有する、請求項3から6のいずれか一項に記載の支持ヘッド。
【請求項8】
前記第1の本体は、前記第1のレバーが前記操作位置にあるとき、前記第1のレバー(10)の前記長手方向軸(A)に対して直角な第1の実質的に平坦なセクション(20)を備えた輪郭を有しており、したがって、前記操作位置から前記非操作位置へと揺動できるようにするために、前記第2のステム部分(16)が、所定の最小寸法を超える距離だけ前記第1の端部(12a)から間隔を空ける必要がある、請求項3から7のいずれか一項に記載の支持ヘッド。
【請求項9】
前記ベース(2)と前記第1の本体(5)の間に介在する第2の本体(6)が設けられ、この第2の本体が、前記支持ヘッドの第2の回転軸(Y)の周りで前記ベース(2)に対して揺動し、かつ前記第1の回転軸(X)の周りで前記第1の本体(5)に対して揺動することができ、この第2の本体(6)が、前記第2の回転軸の周りで前記第2の本体の回転を制御するために第2のレバー(11)を備え、前記第1のレバー(10)が、前記非操作位置へと移動されたとき、前記第2のレバー(11)に対して実質的に平行である、請求項1から8のいずれか一項に記載の支持ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主請求項のプリアンブルで述べられる特徴を有するビデオ−写真機器用支持ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
支持ヘッドは、ビデオ−写真の分野で広く使用されるアクセサリであり、その上に取り付けたビデオ−写真機器を1つまたは複数の回転軸の周りで回転できるようにする。
【0003】
支持ヘッドは、概して、三脚または同様のものなどの支持構造に接続するための手段を備えていると考えられるベースと、各回転軸周りでその相互の回転を可能にするために、ベースから互いに連続して取り付けられた1つまたは複数の本体と、ビデオ−写真機器を取外し可能に結合できる、これらの本体の最後のものに固定された接続プレートとを備える。
【0004】
上記で述べた回転軸は、通常、互いに直角であり、またベースが水平面内で支持されたとき、ベースを通る垂直軸(パノラマ軸として知られている)と、ビデオ−写真機器の光学軸に平行な水平軸(レベル軸(level axis)として知られている)と、光学軸に対して直角な水平軸(チルト軸として知られている)とを画定する。
【0005】
その回転軸周りにおける個々の本体の回転は、操作者により、互いに直角をなす方向に延びることの多い、本体から延びる適切なレバーで制御されることが好ましい。
【0006】
この構成は、確かにビデオ−写真機器を位置決めするための操作を簡便に管理できるようにするが、その過度の関連部分(encumbrance)により、支持ヘッドを移送し、かつ保管する操作が複雑になる。
【0007】
ドイツ特許明細書DE2306429は、ヘッド近くの折畳み位置へと傾斜させることのできる、ヘッドをその主軸周りで動かすためのレバーを備えた支持ヘッドを開示している。しかし、このレバーは、その軸周りにおけるヘッド回転を固定することができず、したがって、別個の対策を行う必要がある。
【0008】
WO2011/056498は、ヘッドの全体的な関連部分を減らすために、使用されていないとき、制御レバーの1つを折り畳むことのできる支持ヘッドを開示する。
【0009】
その文献で開示されたレバーは、特にそのステムの中間位置に関節継ぎ手を備えており、関節継ぎ手により分離された2つのステム部分を、相互調整において前記部分が延びる操作位置と、ヘッド本体から遠い部分を下方に折り畳むことのできる非操作位置との間で動くことを可能にする。
【0010】
それにもかかわらず、この解決策は、その構造が、関節継ぎ手の構成要素間の何らかの遊びを自動的に復元することができず、関節継ぎ手が操作位置で閉じられている場合であっても、ステムの2つの部分の間で望ましくない揺動を生ずる可能性のあることを含むいくつかの欠点を有する。
【0011】
さらなる欠点は、関節継ぎ手の実施形態が、様々な追加の構成要素を用意し、かつ組み立てることを含み、それにより支持ヘッドの全体コストを増加させることにある。
【0012】
さらなる欠点は、ステムの見える位置に関節継ぎ手が存在することは、美的に十分満足できるものではなく、支持ヘッドの全体的な美的外観に対して好ましくない可能性があることにある。
【発明の概要】
【0013】
したがって、現在のレバーの構造的かつ機能的な特徴に悪影響を与えることなく、支持ヘッドにおけるレバーの関連部分を効果的に減らすことを可能にする解決策を提供することが求められている。
【0014】
本発明の基礎となる問題は、したがって、引用された従来技術の前述の欠点を改善するビデオ−写真機器用の支持ヘッドを提供することである。
【0015】
この問題に関して、本発明の目的は、信頼性があり、製造するのが簡単な、低コストの支持ヘッドを提供することである。
【0016】
添付の特許請求の範囲に従って得られた支持ヘッドを使用する本発明により、この問題は解決され、かつこの目的が達成される。
【0017】
本発明の特徴および利点は、単に非限定的な例として提供される添付図面を参照して示されるその好ましい実施形態の以下の詳細な記述から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】操作位置における本発明のビデオ−写真機器用支持ヘッドの底面から見た側面斜視図。
【
図2】非操作位置における
図1の支持ヘッドの上面から見た側面斜視図。
【
図4】
図1の操作位置における先行する図の支持ヘッドの一部の横断面図。
【
図5】
図2の非操作位置における先行する図の支持ヘッドの一部の横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照すると、本発明により実現されたビデオ−写真機器(添付図面に示されていない)用の支持ヘッドが、全体的に1で示されている。
【0020】
支持ヘッド1は、実質的に平坦な支持面3がその上で画定され接続手段がその位置で提供されるベース2を備え、ベース2は、支持ヘッド1が、三脚または同様のもの(添付図面には示されていない)のタイプの外部の支持構造に結合され得るように、例えば、ねじ穴4を含む。
【0021】
支持ヘッド1は、ヘッド1の第1の軸X、第2の軸Y、および第3の軸Zの周りでそれぞれ回転できるようにするために、互いに相互接続で係合されている第1の本体5と、第2の本体6と、第3の本体7とをさらに備える。
【0022】
さらなる詳細では、ビデオ−写真機器用の接続プレート8が設けられる第1の本体5は、第1の軸Xを画定するように延びる第2の本体6のピン6aに対して回転するように結合される。第1の軸Xは、接続プレート8上での位置決めが所定のものであるビデオ−写真機器の光学軸に対して実質的に平行になるように延びており、ヘッド1の水平軸を形成する。接続プレート8は、当技術分野で本質的に知られた機構および方法に従って、第1の本体5から着脱可能であることが好ましく、ビデオ−写真機器に係合することのできるねじ付きピン8aを備える。
【0023】
第1の本体5は、両側でピン6aを囲んで第1の回転軸Xを中心に第1の本体5を揺動させないように共に移動できる第1および第2の制動部材9a、9bをさらに備える。
【0024】
同様に、第2の本体6は、第1の軸Xに対して実質的に直角であるが、ベース2の表面3に平行であり、それによりヘッド1のチルト軸が形成されるように配置された第2の軸Yの周りで回転するように、第3の本体7に対して回転可能に結合される。
【0025】
第3の本体7は、次いで、第1および第2の軸X、Yと、表面3の両方に対して直角に延びて、支持ヘッド1のパノラマ軸を形成する第3の軸Zを中心に回転するように、ベース2に対して回転可能に結合される。
【0026】
本体5および本体6を、そのそれぞれの回転軸周りで回転させるために、支持ヘッド1は、長手方向軸Aに沿って第1の本体5から延びる第1のレバー10と、長手方向軸Bに沿って第2の本体6から延びる第2のレバー11とを備える。
【0027】
図1は、ベース2の表面3および接続プレート8が互いに平行な状態の標準の操作位置にある支持ヘッド1を示している。この位置では、操作者が位置することのできるヘッド1の後側と、ビデオ−写真機器の視野に向いている反対方向の前側とがある。第1の本体5は、支持ヘッド1の後側の方向に、Z軸に対して変位させることが好ましい。
【0028】
ビデオ−写真機器を位置決めする操作を容易にするために、第2のレバー11もまた、第1の本体5と干渉することのないように、好ましくは、長手方向軸Bを下方に傾斜させた状態で、支持ヘッド1の後側の方向に延びることが有利である。この位置では、第1のレバー10は、操作者の位置からヘッド1を見たとき、横方向に、例えば、右方向に延びている。
【0029】
このように、第1のレバー10および第2のレバー11は、接続プレート8に結合されたビデオ−写真機器の、軸X、Y、およびZを中心とする回転を制御するために、操作者によって容易に把持され得る。
【0030】
第2のレバー11は、その自由端に把持部11aを備え、また操作者が、軸Zの周りでベース2に対して第2の本体6および第3の本体7を回転させることと、ならびに軸Yの周りで第3の本体7に対して第2の本体6を回転させることとを共に容易に制御できるように、第2の本体6に対してしっかりと固定される。
【0031】
本質的に知られている方法に従って第2のレバー11により制御されることが好ましい、軸ZおよびYの周りにおける第2の本体6および第3の本体7の回転を固定するために、固定手段がまた提供される。
【0032】
第1のレバー10は、第1の本体5に設けられた座13に収容される第1の端部12aと、長手方向に反対にある第2の端部12bとを備える。
【0033】
本発明の第1の態様によれば、第1のレバー10は、第1のレバー10が、第1の回転軸Xの周りで第1の本体5の揺動を制御するように設計され、かつ特にそのように構成された操作位置と、支持ヘッド1の移送および保管を可能にする最小の関連部分となる非操作位置との間で、その第1の端部12aを貫通し、かつ長手方向軸Aに対して実質的に直角な揺動軸Pの周りで第1の本体5に関して揺動することができる。
【0034】
図2および
図3のそれぞれで分かるように、操作位置へと揺動させたとき、第1のレバー10は、ヘッド1に対して横方向に、実質的に第1の回転軸Xに対して直角の方向に、第1の本体5から延びるが、非操作位置へと揺動させたときは、第1のレバー10は、支持ヘッド1の後側方向に延び、さらにその長手方向軸Aが、第2のレバー11の長手方向軸Bに対して実質的に平行になるように延びることが好ましい。
【0035】
第1のレバー10は、第1の端部12aを備える第1のステム部分15と、第2の端部12bを備える第2のステム部分16とを備え、第2のステム部分16は、長手方向軸Aの周りで第2のステム部分16を回転させることにより、第1のレバー10の第1および第2の端部12a、12bを互いの方向へ、または互いに離れるように移動させるために、伸縮自在に第1のステム部分15とねじ係合されている。
【0036】
このために、第1のレバー10は、第1の端部12aで、長手方向軸Aを中心とした第1のステム部分15の回転を阻止するなどのためのカップリングを備えた座13に収容されたヘッド部17を備える。
【0037】
ヘッド部17は特に、長手方向軸Aに対して実質的に直角をなす方向に延びており、逆も同様であるが、操作位置から非操作位置へと移動させるために第1のレバー10が揺動する揺動軸Pを画定する。
【0038】
第1のレバー10の動きを容易にするために、第2の端部12bで第2のステム部分16に把持部14が設けられる。
【0039】
第1のレバー10の揺動運動を可能にし、かつガイドするために、座13で開口しているスロット18が、第1の本体5に設けられており、揺動軸Pに対して実質的に直角な平面に沿って延びる。スロット18は、第1のレバー10の揺動運動の端点を形成する2つの端部19aおよび19bにより制限されている。特に、端部19aでは、第1のレバー10が、非操作位置に移動したとき、自由に揺動しないようにする、例えば、断面制限部21により形成された、第1のレバー10に対する保持部材を設けることができる。
【0040】
座13は、好ましくは、第1の本体5の第1の制動部材9aで得られることが好ましく、また第2の制動部材9bはスロット18で横断されている。さらに、第2のステム部分16は、第1の端部12aの方向に変位されたとき、第1の本体5に対して当接するように、スロット18の高さHを超える直径Dを有する。
【0041】
レバー10が操作位置にあるとき、第1のステム部分15は、第1の制動部材9aと第2の制動部材9bを共に横断している。このように、第2のステム部分16が第1の端部12aに近づいたとき、それは、スロット18で第2の制動部材9bに当たり、一方ヘッド部17は、第1の制動部材9aに当たってヘッド部および制動部材をピン6aの周りで互いに接近するように移動させ、かつ第1の回転軸X周りの第1の本体5の回転を固定する。
【0042】
第1のレバー10は、したがって、操作位置へと移動されたとき、第1の回転軸Xの周りで第1の本体5の回転を固定するデバイスを形成する。
【0043】
それとは対照的に、第1のレバー10が非操作位置に移動されたとき、第2の制動部材9bは、第1のステム部分15により横断されることはなく、したがって、第2のステム部分16をスロット18に対して締め付けることが、ピン6aに対する第1の本体5の固定を生ずることはない。
【0044】
第1の本体5は、スロット18の端部19bにおいて、第1のレバー10が操作位置へと移動されたとき、長手方向軸Aに対して実質的に直角をなす第1の平坦なセクション20を備えた輪郭を有することが好ましい。
【0045】
このように、操作位置から非操作位置へと揺動可能にするために、第2のステム部分16は、所定の最小寸法を超える距離だけ第1の端部12aから離れる必要がある。これには、長手方向軸Aの周りで第2のステム部分16の最小数の回転を実施することが必要となり、第2のステム部分が第1の本体5から分離すると直ちに、第1のレバー10が非操作位置の方向に揺動しないようにする。
【0046】
こうすることは、操作位置において、操作者が、第1の回転軸Xの周りにおける第1の本体5の回転の固定および固定解除を制御するために、軸Aの周りで第2のステム部分16を回転させる第1の操作間隔と、操作者が、第1のレバー10を非操作位置の方向に揺動可能にするのに十分な寸法だけ、第2のステム部分16の間隔を空ける、一定数の回転により間隔が空けられた第2の操作間隔とを画定できるようにするので有利である。
【0047】
平坦なセクション20に対する代替として、スロット18の端部19bに隣接するセクションの点と、ヘッド部17の点の間の距離が、後者と端部19bの間の距離を超える距離であるとすると、第1の本体5の輪郭は、他の方法で構成できることが理解されよう。
【0048】
上記で述べた特徴の結果として、支持ヘッド1は、第1のレバー10および第2のレバー11が、互いに実質的に平行であり、したがって、ヘッド1の全体的な関連部分を最小化する構成で、移送し、かつ保管することができる。
【0049】
ヘッド1が操作状態に移行される場合、第2のステム部分16は、適切な寸法だけ第1の端部12aから離すために長手方向軸Aの周りで回転され、その後に、第1のレバー10は、端部19aで第1のレバー10を保持する傾向のある断面制限部の抵抗に打ち勝って、端部19aから端部19bの方向に揺動される。
【0050】
第1のレバー10が端部19bに達したとき、操作位置に達しており、第2のステム部分16は、第2の制動部材9bの縁部で第1の本体5に当接するように、長手方向軸Aの周りで回転される。
【0051】
第1の本体5はしたがって、第1のレバー10を操作することにより第1の回転軸Xの周りで所望する位置へと揺動させることができ、その位置で、第1の本体5に対して第2のステム部分16をさらに回転させて第1の制動部材9aおよび第2の制動部材9bを互いに近接させることにより、揺動は固定される。
【0052】
本発明は、このように上記で述べた問題を解決し、また同時に、第1のレバーの視覚的な美的特徴を決して損なわないことを含む多くの他の利点を達成している。さらに、本発明の解決策は、操作時にレバーの正常な使用を妨げるおそれのある何らかの遊びをレバー揺動機構に生ずることがないので、このような遊びを相殺する、またはなくすように設計された構成要素または機構を必要としない。