(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板は、透過型基板であり、前記少なくとも1つの貫通孔の数が少なくとも2又は2の倍数であり、前記貫通孔が前記ビームの光路において前記基板を介して互いに位置合わせる請求項4から6のいずれか一項に記載の色相環装置。
前記基板が回転する途中、前記貫通孔の前記受光面への正投影は、前記受光面において環状投影ベルトを形成し、前記熱伝導素子の前記受光面への正投影と前記環状投影ベルトとは、少なくとも部分的に重なる請求項1から9のいずれか一項に記載の色相環装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レーザビームのエネルギーが非常に高いので、色相環がレーザビームを受光する時、ライトスポット上の単位エネルギー密度が非常に大きくて、極めて高い温度が発生するため、蛍光粉末の破損又は発光効率の低下を引き起こしてしまう。プロジェクタの輝度に対する要求の向上に伴い、レーザビームのエネルギーも増加し、このような蛍光粉末の過熱による破損又は発光効率の低下という現象が益々著しくなる。
【0005】
上記事情に鑑みて、本発明の目的は、上記問題を解決できる色相環装置を提出する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態によると、プロジェクタに適用される色相環装置において、ビームを通過させるための少なくとも1つの貫通孔を有するケースと、受光面を有する基板と、受光面に設けられており、ビームによりライトスポットが形成される蛍光粉末層と、を含む、ケース内に設けられる色相環と、基板が回転する途中、ライトスポットが蛍光粉末層に環状経路を形成するように、基板を回転させるように駆動することに用いられる、ケース内に設けられるモータと、環状経路のケースへの写像位置に実質的に設けられる熱伝導素子と、を備える色相環装置を提供する。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記熱伝導素子は、基板の受光面に近い側に位置するように、ケース外に設けられる。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記熱伝導素子は、基板の受光面に近い側に位置するように、ケース内に設けられる。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記基板は、背光面を更に有し、受光面と背光面とは、それぞれ基板の反対する両側に位置する。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記熱伝導素子は、基板の背光面に近い側に位置するように、ケース外に設けられる。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記熱伝導素子は、基板の背光面に近い側に位置するように、ケース内に設けられる。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記基板は、透過型基板であり、少なくとも1つの貫通孔の数が少なくとも2つであり、前記2つの貫通孔がビームの光路において基板を介して互いに位置合わせる。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記熱伝導素子の受光面への正投影と環状経路とは、少なくとも部分的に重なる。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記熱伝導素子の受光面への正投影と環状経路とは、少なくとも半分以上重なる。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、基板が回転する途中、貫通孔の受光面への正投影は、受光面において環状投影ベルトを形成し、熱伝導素子の受光面への正投影と環状投影ベルトとは、少なくとも部分的に重なる。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記基板は、反射型基板である。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記熱伝導素子は、ヒートパイプ又は冷却流体パイプである。
【0018】
本発明の別の実施形態によると、プロジェクタに適用される色相環装置において、ビームを通過させるための少なくとも1つの貫通孔を有するケースと、受光面を有する基板と、受光面に設けられる蛍光粉末層と、を含む、ケース内に設けられる色相環と、基板が回転する途中、ビームが蛍光粉末層に照射する領域は、環状被照射領域であり、ケースに環状被照射領域に対応する環状ヒートゾーンを形成し、環状ヒートゾーンは、大体ビームが投射する直線位置に位置するように、基板を回転させるように駆動することに用いられる、ケース内に設けられるモータと、ケースにおいて環状ヒートゾーンに対応する位置に実質的に設けられる熱伝導素子と、を備える色相環装置を提供する。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、前記環状ヒートゾーンの面積は、環状被照射領域の面積よりやや大きい。
【発明の効果】
【0020】
以上をまとめると、本発明の色相環装置では、熱伝導素子をケースに設ける場合、ビームが蛍光粉末層に直接照射する領域(実質的に、基板が回転する場合、ビームのライトスポットが蛍光粉末層に形成する領域に対応する)のケースへの写像位置に実質的に設ける。これにより、ビームが蛍光粉末層に直接照射するライトスポットの位置に発生する大量の熱エネルギーは、基板、ケースを介して、熱伝導素子によって素早く排熱することができる。そのため、本発明の色相環装置は、ビームが蛍光粉末層に直接照射する領域への大量の熱エネルギーの蓄積を避けることができ、更に蛍光粉末層の耐性を増加させ、間接的に蛍光粉末層の発光効率を向上させることができる。
【0021】
上記説明は、本発明が解決しようとする課題、課題を解決するための手段、及びその発明の効果等を論じるためのものだけであり、本発明の具体的な細部については、下記の実施形態及び関連する図面によって説明する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面で本発明の複数の実施形態を開示し、明らかに説明するために、数多くの実際の細部を下記でまとめて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際の細部が、本発明を制限するためのものではない。つまり、本発明の実施形態の一部において、これらの実際の細部は、必須なものではない。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示される。
【0024】
図1、
図2及び
図3を参照されたい。
図1は、本発明の一実施形態に係る色相環装置1を示す裏面図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る色相環装置1を示す断面図である。
図3は、
図2における色相環12を示す正面図である。
【0025】
図1〜
図3に示すように、本実施形態において、色相環装置1は、プロジェクタ(図示せず)に適用できる。色相環装置1は、ケース10と、色相環12と、モータ14と、熱伝導素子16と、複数の放熱フィン18と、レンズ20と、を備える。ケース10は、ビームB(例えば、レーザビーム)を通過させるための貫通孔100を有する。レンズ20は、貫通孔100に設けられる。色相環12は、ケース10内に設けられており、基板120と、蛍光粉末層122と、を含む。基板120は、受光面120a及び背光面120bを有する。受光面120aと背光面120bとは、それぞれ基板120の反対する両側(
図2における基板120の右側と左側に示すように)に位置する。蛍光粉末層122が受光面120aに設けられる。モータ14は、ケース10内に設けられており、基板120を回転させるように駆動することに用いられる。放熱フィン18が熱伝導素子16と熱的に接続される。
【0026】
例として、複数の実施形態において、上記したプロジェクタは、デジタルミラーデバイス(Digital Micromirror Device;DMD)に色相環装置1を合わせたものを基本構成とする、普通のデジタルライ卜プロセッシング(Digital Light Processing;DLP)投影システムである。光源(図示せず)から発射されたビームBは、貫通孔100を通過して色相環12の蛍光粉末層122に到着すると、その到着する色域が異なる(色相環12がモータ14により駆動されて変換する)ため、有色光に混光される。変換された有色光の大多数は、赤、緑、青の三色光を主とする。有色光は、更にデジタルミラーデバイスによってそれをスクリーンに反射し投影して、平面映像を形成する。
図2に示すように、本実施形態において、色相環12の基板120は、反射型基板である。つまり、本実施形態に係る色相環装置1は、反射式色相環装置である。ビームBが貫通孔100を通過して蛍光粉末層122に到着した後、混光された有色光は、基板120により反射されて、更に貫通孔100を介してケース10の外に射出する。
【0027】
ここで、まず、ビームBが回転する色相環12上の蛍光粉末層122に照射する領域を、環状被照射領域Z1(
図3における内側の2つの環状の点線に示すように)に定義する。蛍光粉末層122上の環状被照射領域Z1は、ビームBに長期間照射され続けると、エネルギーを持つビームBにより加温されて熱エネルギーを大量に蓄積し、それらの熱エネルギーが熱放射又は対流するようにケース10に伝達されて、ケース10にも上記環状被照射領域Z1に対応する環状ヒートゾーンH(
図5Aに示すように)が形成されることが実験により証明される。ここで説明すべきなのは、環状被照射領域Z1が熱放射(Radiation)又は熱対流(Convection)するように前記ケース10に伝達されるため、ケース10における環状ヒートゾーンHは、大体ビームBが投射する直線位置に位置し、また環状ヒートゾーンHの面積は、ケース自体の熱伝導(Conduction)の効果により環状被照射領域Z1の面積よりやや大きい。
【0028】
色相環12の発生する大量の熱エネルギーを排熱するために、本実施形態では、熱伝導素子16を、この環状被照射領域Z1のケース10に対応する位置に実質的に沿ってケース10の外側に設け、つまり、ケース10における環状ヒートゾーンHに対応する位置に設ける。これにより、蛍光粉末層122上の環状被照射領域Z1の発生した大量の熱エネルギーが基板120、ケース10の環状ヒートゾーンHを介して素早く熱伝導素子16によって放熱フィン18に伝達され、放熱フィン18が大面積で空気と熱交換を行って、更に熱を空気中に散逸させることができる。そのため、本実施形態に係る色相環装置1は、大量の熱エネルギーの蛍光粉末層122上の環状被照射領域Z1への蓄積を避け、更に蛍光粉末層122の耐性を増加させ、間接的に蛍光粉末層122の発光効率を向上させることができる。
【0029】
別の角度から見ると、ビームBは、蛍光粉末層122においてライトスポットを形成できる。基板120が回転する途中、ビームBのライトスポットが蛍光粉末層122において環状経路P(
図3における中心線に示すように)を形成できる。本実施形態では、熱伝導素子16を、環状経路Pのケース10への写像位置に(
図5Aに示すように)実質的に設ける。具体的には、熱伝導素子16の基板120の受光面120aへの正投影と環状経路Pとは、少なくとも部分的に重なる(
図5A参考)。上記で定義された環状経路Pにより、熱伝導素子16をケース10に設ける場合に明らかな根拠を提供し(上記した環状ヒートゾーンHの位置がほぼ環状経路Pの位置に対応するため)、色相環12における大量の熱エネルギーを素早く排熱する上記した目的を確実に達成することができる。好ましい熱伝導効果を達成するために、複数の実施形態において、熱伝導素子16の基板120の受光面120aへの正投影と環状経路Pとは、少なくとも半分以上重なる。
【0030】
また別の角度から見ると、基板120が回転する途中、ケース10の貫通孔100の基板120の受光面120aへの正投影は、受光面120aにおいて環状投影ベルトZ2(
図3における外側の2つの環状の点線に示すようなもの)を形成する。熱伝導素子16の基板120の受光面120aへの正投影と、環状投影ベルトZ2とは、少なくとも部分的に重なる。上記で定義された環状投影ベルトZ2により、同様に熱伝導素子16をケース10に設ける場合に明らかな根拠を提供して(上記した環状被照射領域Z1の位置がほぼ環状投影ベルトZ2の位置に対応するため)、色相環12における大量の熱エネルギーを素早く排熱する上記した目的を確実に達成することができる。本実施形態において、
図3に示すように、環状被照射領域Z1の面積は、環状投影ベルトZ2の面積よりやや小さいが、本発明はこれに制限されない。実際の適用において、環状被照射領域Z1の面積は、環状投影ベルトZ2の面積に等しくてもよい。
【0031】
図2に示すように、本実施形態において、熱伝導素子16は、基板120の背光面120bに近い側に位置するように、ケース10外に設けられる。しかしながら、本発明はこれに制限されない。
図4A〜
図4Cを参照されたい。
図4Aは、
図2における別の実施形態における色相環装置1を示す断面図である。
図4Bは、
図2における別の実施形態における色相環装置1を示す断面図である。
図4Cは、
図2における別の実施形態における色相環装置1を示す断面図である。
【0032】
図4Aに示すように、熱伝導素子16は、基板120の受光面120aに近い側に位置するように、ケース10外に設けられる。
図4Bに示すように、熱伝導素子16は、基板120が背光面120bに近い側に位置するように、ケース10内に設けられる。
図4Cに示すように、熱伝導素子16は、基板120の受光面120aに近い側に位置するように、ケース10内に設けられる。
図2と
図4Aの実施形態において、熱伝導素子16は、ケース10外に設けられるため、その一端が直接放熱フィン18に延伸して接続されてもよい。
図4Bと
図4Cの実施形態において、熱伝導素子16は、ケース10内に設けられるため、その一端がケース10を貫通してから放熱フィン18に延伸して接続されなければならない。また、
図4Aの実施形態において、熱伝導素子16をケース10外に設ける場合更にレンズ20の位置を避ける必要がある。
【0033】
上記した各実施形態では、熱伝導素子16のケース10に設けられた位置が少々異なったが、熱伝導素子16を上記で定義された環状経路Pに沿ってケース10に設けるという原則に該当すれば(つまり、熱伝導素子16の受光面120aへの正投影ができるだけ上記で定義された環状経路P、環状被照射領域Z1、環状投影ベルトZ2又は環状ヒートゾーンHに重なる)、色相環12における大量の熱エネルギーを素早く排熱する目的を達成することができる。他の実施態様において、当業者であれば、実際の必要に応じて、2つ以上のビームBをそれぞれ2つ以上の貫通孔100を介してケース10に入れて色相環12に照射させてもよく、この実施態様も同様に上記した原則を使用して熱エネルギーを効果的に除去することもできる。
【0034】
図5Aを参照されたい。
図5Aは、
図1における熱伝導素子16を示す模式図である。本実施形態において、色相環装置1は、合計で4つの熱伝導素子16を含み、外周の2つの熱伝導素子16と環状経路P及び環状ヒートゾーンHとは重なるが、内側の2つの熱伝導素子16が環状ヒートゾーンHの内縁に実質的に沿って設けられる。内側の2つの熱伝導素子16が環状経路P及び環状ヒートゾーンHとは重ならないが、放熱補助の効果を達成することもできる。しかしながら、本発明はこれに制限されない。
図5B及び
図5Cを参照されたい。
図5Bは、
図1における別の実施形態における熱伝導素子16を示す模式図である。
図5Cは、
図1における別の実施形態における熱伝導素子16を示す模式図である。
【0035】
図5Bに示すように、本実施形態において、色相環装置1は、同様に4つの熱伝導素子16を含み、外周の2つの熱伝導素子16と環状経路P及び環状ヒートゾーンHとは重なるが、内側の2つの熱伝導素子16が環状ヒートゾーンHの内縁に実質的に沿って設けられる。説明すべきなのは、
図5Aに示す実施形態に比べ、本実施形態に係る熱伝導素子16の受光面120aへの正投影と環状経路P及び環状ヒートゾーンHとの重なる割合がより大きくなるため、合計熱伝導量が増加する。
【0036】
色相環12における大量の熱エネルギーを素早く排熱する本発明の目的を達成しようとするだけでは、色相環装置1は、
図5Cに示すように、ただ2つの熱伝導素子16を含んでもよい。本実施形態において、複数の熱伝導素子16のそれぞれの受光面120aへの正投影と環状経路Pとは、約半分で重なる。更に、他の実施形態において、色相環装置1は、ただ単一の熱伝導素子16を含んでもよく、この熱伝導素子16の受光面120aへの正投影と環状経路Pとは、少なくとも半分以上重なる。
【0037】
複数の実施形態において、熱伝導素子16は、ヒートパイプ又は冷却流体パイプであるが、本発明はこれに制限されない。複数の実施形態において、熱伝導素子16は、ケース10に貼り付けられ又は嵌合されるように固定されてもよいが、本発明はこれに制限されない。
【0038】
図6及び
図7Aを参照されたい。
図6は、本発明の一実施形態に係る色相環装置3を示す正面図である。
図7Aは、本発明の一実施形態に係る色相環装置3を示す断面図である。
【0039】
図6と
図7Aに示すように、本実施形態において、色相環装置3は、同様にプロジェクタ(図示せず)に適用できる。色相環装置3は、ケース30と、色相環32と、モータ14と、熱伝導素子16と、複数の放熱フィン18と、2つのレンズ40a、40bと、を含む。ケース30は、ビームB(例えば、レーザビーム)を通過させるための2つの貫通孔300a、300bを有する。2つのレンズ40a、40bがそれぞれ貫通孔300a、300bに設けられる。色相環32は、ケース30内に設けられており、基板320と、蛍光粉末層122と、を含む。2つの貫通孔300a、300bが基板320を介して互いに位置合わせる。基板320は、受光面320a及び背光面320bを有する。受光面320aと背光面320bは、それぞれ基板320の反対する両側(
図7Aにおける基板320の左側と右側に示すように)に位置する。蛍光粉末層122が受光面320aに設けられる。モータ14は、ケース30内に設けられており、基板320を回転させるように駆動することに用いられる。放熱フィン18が素子16と熱的に接続される。複数本のビームの他の実施態様において、複数本のビームBのそれぞれに対して、上記した原則に基づいて貫通孔を設けてもよく、例えば、2つのビームBに対して、ケース30の両側に位置する4つの貫通孔を設け、つまり、貫通孔の数が2の倍数である。
【0040】
図7Aに示すように、本実施形態において、色相環32の基板320は、透過型基板である。つまり、本実施形態に係る色相環装置3は、透過型色相環装置である。ビームBが貫通孔300aを通過して基板320に到着した後、引き続き基板320を貫通して蛍光粉末層122に到着して有色光に混光され、続いて貫通孔300bを介してケース30の外に射出する。
【0041】
色相環32の発生する大量の熱エネルギーを排熱するために、本実施形態では、同様に熱伝導素子16を蛍光粉末層122上の環状被照射領域のケース30に対応する位置に実質的に沿ってケース30における外側に設け、つまり、熱伝導素子16をケース30の環状ヒートゾーンHに対応する位置に設ける(
図8A参考)。これにより、蛍光粉末層122上の環状被照射領域Z1の発生する大量の熱エネルギーは、基板320、ケース30の環状ヒートゾーンHを介して、熱伝導素子16によって放熱フィン18に素早く伝達される。そのため、本実施形態に係る色相環装置3も、同様に大量の熱エネルギーの蛍光粉末層122上の環状被照射領域Z1への蓄積を避け、更に蛍光粉末層122の耐性を増加させ、間接的に蛍光粉末層122の発光効率を向上させることができる。
【0042】
別の角度から見ると、ビームBは、蛍光粉末層122においてライトスポットを形成する。基板320が回転する途中、ビームBのライトスポットが蛍光粉末層122において環状経路Pを形成する(
図3の中心線参考)。本実施形態では、熱伝導素子16を、環状経路Pのケース30への写像位置に(
図8Aに示すように)実質的に設ける。具体的には、熱伝導素子16の基板320の受光面320aへの正投影と環状経路Pとは、少なくとも部分的に重なる(
図8A参考)。上記で定義された環状経路Pにより、熱伝導素子16をケース30に設ける場合に明らかな根拠を提供し(上記した環状ヒートゾーンHの位置がほぼ環状経路Pの位置に対応するため)、色相環32における大量の熱エネルギーを素早く排熱する上記した目的を確実に達成することができる。好ましい熱伝導効果を達成するために、複数の実施形態において、熱伝導素子16の基板320の受光面320aへの正投影と環状経路Pとは、少なくとも半分以上重なる。
【0043】
また別の角度から見ると、基板320が回転する途中、ケース30の貫通孔300aの基板320の受光面320aへの正投影は、受光面320aにおいて環状投影ベルトZ2を形成する(
図3における外側の2つの環状の点線参考)。熱伝導素子16の基板320の受光面320aへの正投影と環状投影ベルトZ2とは、少なくとも部分的に重なる。上記で定義された環状投影ベルトZ2により、同様に熱伝導素子16をケース30に設ける場合に明らかな根拠を提供し(環状被照射領域Z1の位置がほぼ環状投影ベルトZ2の位置に対応するため)、色相環32における大量の熱エネルギーを素早く排熱する上記した目的を確実に達成することができる。
【0044】
図7Aに示すように、本実施形態において、熱伝導素子16は、基板320の背光面320bに近い側に位置するように、ケース30外に設けられる。しかしながら、本発明はこれに制限されない。
図7B〜
図7Dを参照されたい。
図7Bは、
図7Aにおける別の実施形態における色相環装置3を示す断面図である。
図7Cは、
図7Aにおける別の実施形態における色相環装置3を示す断面図である。
図7Dは、
図7Aにおける別の実施形態における色相環装置3を示す断面図である。
【0045】
図7Bに示すように、熱伝導素子16は、基板320が受光面320aに近い側に位置するように、ケース30外に設けられる。
図7Cに示すように、熱伝導素子16は、基板320の背光面320bに近い側に位置するように、ケース30内に設けられる。
図7Dに示すように、熱伝導素子16は、基板320が受光面320aに近い側に位置するように、ケース30内に設けられる。
図7Aと
図7Bの実施形態において、熱伝導素子16は、ケース30外に設けられるため、その一端が直接放熱フィン18に延伸して接続されてもよい。
図7Cと
図7Dの実施形態において、熱伝導素子16は、ケース30内に設けられるため、その一端がケース30を貫通してから放熱フィン18に延伸して接続されなければならない。また、
図7Aの実施形態において、熱伝導素子16をケース30外に設ける場合更にレンズ40aを避ける必要があり、
図7Bの実施形態において、熱伝導素子16をケース30外に設ける場合更にレンズ40bを避ける必要がある。
【0046】
上記した各実施形態において、熱伝導素子16のケース30に設ける位置が少々異なったが、熱伝導素子16を上記で定義された環状経路Pに沿ってケース30に設けるという原則に該当すれば(つまり、熱伝導素子16の受光面320aにおける正投影ができるだけ上記で定義された環状経路P、環状被照射領域Z1、環状投影ベルトZ2又は環状ヒートゾーンHに重なる)、色相環32における大量の熱エネルギーを素早く排熱する目的を達成することができる。
【0047】
図8Aを参照されたい。
図8Aは、
図6における熱伝導素子16を示す模式図である。本実施形態において、色相環装置3は、合計で4つの熱伝導素子16を含み、外周の2つの熱伝導素子16がレンズ40a(
図8Aに点線で表示する)を避けるように環状経路P及び環状ヒートゾーンHと重なり、内側の2つの熱伝導素子16が環状ヒートゾーンHの内縁に実質的に沿って設けられる。内側の2つの熱伝導素子16と環状経路P及び環状ヒートゾーンHとは重ならないが、放熱補助の効果を達成することもできる。しかしながら、本発明はこれに制限されない。
図8Bと
図8Cを参照されたい。
図8Bは、
図6における別の実施形態における熱伝導素子16を示す模式図である。
図8Cは、
図6における別の実施形態における熱伝導素子16を示す模式図である。
【0048】
図8Bと
図8Cに示すように、色相環32における大量の熱エネルギーを素早く排熱する本発明の目的を達成しようとするだけでは、色相環装置3は、単一の熱伝導素子16を含んでもよく、熱伝導素子16の受光面320aにおける正投影と環状経路Pとは、少なくとも半分以上重なり、レンズ40a(
図8Bと
図8Cに点線で表示する)を避ける。説明すべきなのは、
図8Bにおける熱伝導素子16の両端の延伸方向が反対であるが、
図8Cの熱伝導素子16の両端の延伸方向が同じである。そのため、プロジェクタの内部では、ケース30の両側にも放熱フィン18を収容可能な十分な空間があれば、
図8Bにおける熱伝導素子16の設計を採用し、プロジェクタの内部では、ただケース30のある側に放熱フィン18を収容可能な十分な空間があれば、
図8Cにおける熱伝導素子16の設計を採用すればよい。
【0049】
以上の本発明の具体的な実施形態に対する詳しい説明により、本発明の色相環装置では、熱伝導素子をケースに設ける場合、ビームが蛍光粉末層に直接照射する領域(実質的に、基板が回転する場合、ビームのライトスポットが蛍光粉末層に形成する領域に対応する)のケースへの写像位置に実質的に設けることが明らかになる。これにより、ビームが直接蛍光粉末層に照射するライトスポットの位置に発生する大量の熱エネルギーは、基板、ケースを介して、熱伝導素子によって素早く排熱することができる。そのため、本発明の色相環装置は、大量の熱エネルギーのビームが直接蛍光粉末層に照射する領域への蓄積を避けることができ、更に蛍光粉末層の耐性を増加させ、間接的に蛍光粉末層の発光効率を向上させることができる。
【0050】
本発明の実施形態を前述の通りに開示したが、これは、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができ、したがって、本発明の保護範囲は、下記添付の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。