特許第6109916号(P6109916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6109916-缶キャップ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6109916
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】缶キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20170327BHJP
   G09F 23/00 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   B65D25/20 C
   G09F23/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-244093(P2015-244093)
(22)【出願日】2015年12月15日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3192192号
【原出願日】2014年5月22日
(65)【公開番号】特開2016-52915(P2016-52915A)
(43)【公開日】2016年4月14日
【審査請求日】2015年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】500019122
【氏名又は名称】株式会社サニーサイドアップ
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】守田 喬
(72)【発明者】
【氏名】森 崇
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 豪臣
(72)【発明者】
【氏名】松浦 野絵
(72)【発明者】
【氏名】久間 豊
(72)【発明者】
【氏名】市川 卓
(72)【発明者】
【氏名】脇田 辰馬
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敬士
(72)【発明者】
【氏名】矢野 裕麻
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−080546(JP,A)
【文献】 特開2003−341675(JP,A)
【文献】 実開昭61−051340(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3128185(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0272390(US,A1)
【文献】 米国特許第6299014(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
G09F 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料缶の一端に景品として取り付けられる缶キャップであって、
円形の開口部の内面に設けられた係止部により前記飲料缶の一端に係止される第1部材と、
前記第1部材の開口部と反対側の外面を覆うように形成されると共に、前記第1部材より硬質である第2部材と、
を備えたことを特徴とする缶キャップ。
【請求項2】
前記第2部材の内面全体と、前記第1部材の外面全体が接するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の缶キャップ。
【請求項3】
前記第1部材の開口部の端部には、外面方向に突出する突出部が形成され、
前記第2部材は、前記第1部材の開口部と反対側の外面であって前記突出部が形成された部分以外を、前記第1部材と前記第2部材との間に間隙が生じないように覆うことを特徴とする請求項1に記載の缶キャップ。
【請求項4】
前記第1部材は、ポリプロピレンからなり、前記第2部材は、ABS樹脂からなることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の缶キャップ。
【請求項5】
前記第2部材の外観は、映画、或いは、アニメーションに登場するキャラクターの形状を模した形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の缶キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料缶に景品として取り付けられる缶キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コーヒーや清涼飲料水等の飲料缶の販売を促進するため、消費者の購買意欲を刺激する景品を、飲料缶を購入した消費者に提供することがある。
【0003】
このような景品の提供方法としては、飲料缶に景品を直接取り付けることが一般的であり、例えば、飲料缶の上部に取り付けられた収容容器の内部に景品を収容することにより、飲料缶の購入者に景品を提供する景品収容容器が開示されている(例えば、特許文献1及び2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−099130号公報
【特許文献2】特開2007−112467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に示す景品収容容器では、景品収容容器はあくまでも飲料缶に景品を取り付けるための手段であって、消費者は、景品収容容器自体には価値を感じるものではなく、このため、景品を取り出した後の景品収容容器はそのまま廃棄されることが想定され、資源の無駄使いになってしまう。
また、景品は、景品収容容器に収容されているため、例えば、景品収容容器が透明の素材であったとしても、景品の形状及び色彩等を直接把握しにくいため、店舗の陳列棚において、消費者の目を引きにくく、購買意欲を十分に刺激できなくなる。
さらに、特許文献1及び2に示す景品収容容器は、単一の樹脂で形成されており、このように単一の樹脂で缶キャップを形成すると、硬質の樹脂を使用して景品としての缶キャップを形成した場合には、飲料缶からの取り外しがむずかしくなり、軟質の樹脂を使用して景品としての缶キャップを形成した場合には、強度が不足して缶キャップが変形する恐れがあるといった問題点があった。
【0006】
本発明の課題は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、飲料缶からの取り外しが容易で十分な強度を有する景品として取り付けられる缶キャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、飲料缶の一端に景品として取り付けられる缶キャップであって、円形の開口部の内面に設けられた係止部により前記飲料缶の一端に係止される第1部材と、前記第1部材の開口部と反対側の外面を覆うように形成されると共に、前記第1部材より硬質である第2部材と、備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の缶キャップにおいて、前記第2部材の内面全体と、前記第1部材の外面全体が接するように形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の缶キャップにおいて、前記第1部材の開口部の端部には、外面方向に突出する突出部が形成され、前記第2部材は、前記第1部材の開口部と反対側の外面であって前記突出部が形成された部分以外を、前記第1部材と前記第2部材との間に間隙が生じないように覆うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の缶キャップにおいて、前記第1部材は、ポリプロピレンからなり、前記第2部材は、ABS樹脂からなることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明、請求項1から4の何れか一項に記載の缶キャップにおいて、
前記第2部材の外観は、映画、或いは、アニメーションに登場するキャラクターの形状を模した形状となるように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、飲料缶の一端に景品として取り付けられる缶キャップであって、円形の開口部の内面に設けられた係止部により飲料缶の一端に係止される第1部材と、第1部材の開口部と反対側の外面を覆うように形成されると共に、第1部材より硬質である第2部材とを備えたことにより、飲料缶から景品である缶キャップを取り外す際に係止部が弾性変形して、飲料缶からの取り外しが容易であり、かつ、第2部材は第1部材よりは硬質であるので、十分な強度を有する景品として取り付けられる缶キャップを提供することができる。
また、缶キャップ自体が景品となることにより、缶キャップはそのまま廃棄されることなく、資源の無駄使いを防止できる。
また、缶キャップ自体が景品となることにより、形状及び色彩等を直接把握できるので、店舗の陳列棚において、消費者の目を引くことができ、購買意欲を十分に刺激することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る缶キャップを飲料缶に取り付けた状態の斜視図である。
図2】本発明に係る缶キャップを飲料缶に取り付けた状態の側面図及び平面図である。
図3図2のIII−III断面の一例を示す図である。
図4】飲料缶に取り付けた状態の図2のIII−III断面の一例を示す図である。
図5】本発明に係る缶キャップの断面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下に第1実施形態に係る缶キャップについて図1図4を用いて説明する。
第1実施形態に係る缶キャップ100は、それ自体が消費者の購買意欲を刺激する景品であり、缶キャップ100の外観は、例えば、映画やアニメーションに登場するキャラクターの形状を模した形状となるように形成されている。
【0015】
そして、このような缶キャップ100は、図1及び図2に示すように、コーヒーや清涼飲料水の飲料缶CN11の一端である上部の巻き締め縁に、後述する係止部により係止されることで取り付けられる。
【0016】
ここで、図3は、図2のIII−III断面の一例を示す図であり、缶キャップ100は、円形の開口部AP31を有すると共に、当該開口部AP31の内面に係止部ST31が設けられた第1部材1と、当該第1部材1の開口部と反対側の外面を覆うように形成された第2部材2とから構成される。
【0017】
第1部材1は、例えば、ポリプロピレン(polypropylene)等の樹脂で半球状に形成され、半球の円周部分には円形の開口部AP31が形成され、当該開口部AP31の内面には係止部ST31が設けられる。
【0018】
第2部材2は、第1部材1よりも硬質の樹脂、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)共重合合成樹脂)等の樹脂で、第1部材1であって開口部AP31と反対側の外面を覆うように半球状に形成される。
【0019】
ここで、図4は、飲料缶CN11に取り付けた状態の図2のIII−III断面の一例を示す図であり、飲料缶CN11の一端である上部の巻き締め縁EG41に、第1部材1の開口部AP31の内面に設けられた係止部ST31が引っかかることにより、缶キャップ100が飲料缶CN11に係止され取り付けられる。
そして、第1部材1は、ポリプロピレン等の樹脂で形成されるため、開口部AP31の内面に設けられた係止部ST31は可撓性を有する。このため、飲料缶CN11から景品である缶キャップ100を取り外す際に、飲料缶CN11の一端である上部の巻き締め縁EG41に係止する係止部ST31が、弾性変形して容易に缶キャップ100を取り外すことができる。
【0020】
一方、第2部材2は、ABS樹脂等の樹脂で形成されるため、ポリプロピレン等の樹脂で形成された第1部材1よりは硬質であり、十分な強度を有するので、缶キャップ100としての変形を防止する。
また、第2部材2の外観の形状や図柄は、例えば、映画やアニメーションに登場するキャラクターの形状や図柄を模した形状や図柄となるように形成されており、缶キャップ100全体としては消費者の購買意欲を刺激する景品となる。
【0021】
以上説明したように、第1実施形態に係る缶キャップ100は、飲料缶CN11の一端に景品として取り付けられる缶キャップ100であって、円形の開口部AP31の内面に設けられた係止部ST31により飲料缶CN11の一端に係止される第1部材1と、第1部材1の開口部と反対側の外面を覆うように形成されると共に、第1部材1より硬質である第2部材2とを備えたことにより、飲料缶CN11から景品である缶キャップ100を取り外す際に係止部ST31が弾性変形して、飲料缶CN11からの取り外しが容易になり、かつ、第2部材2は第1部材1よりは硬質であるので、十分な強度を有する景品として取り付けられる缶キャップ100を提供することができる。
【0022】
また、缶キャップ100自体が景品となるように、第2部材2の外観の形状や図柄は、例えば、映画やアニメーションに登場するキャラクターの形状や図柄を模した形状や図柄となるように形成することにより、缶キャップ100はそのまま廃棄されることなく、資源の無駄使いを防止できる。
【0023】
また、缶キャップ100自体が景品となるように、第2部材2の外観の形状や図柄は、例えば、映画やアニメーションに登場するキャラクターの形状や図柄を模した形状や図柄となるように形成することにより、形状を直接把握できるので、店舗の陳列棚において、消費者の目を引くことができ、購買意欲を十分に刺激することができる。
【0024】
(第2実施形態)
また、本発明の第1実施形態の説明に際しては、図3及び図4に示すように、第2部材2は、第1部材1の外面全体を覆い、第1部材1の外面が見えないように形成されているが、図5の缶キャップ101に示すように、開口部AP51の端部を、第1部材3の外面方向に突出させて、第1部材3の外面の一部が見えるようにしても良い。
【0025】
すなわち、第1部材3は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂で半球状に形成され、半球の円周部分には円形の開口部AP51が形成され、当該開口部AP51の内面には係止部ST51が設けられる。さらに、開口部AP51の端部には、第2部材4の厚さ分に相当する突出部OH51が形成される。
【0026】
一方、第2部材4は、例えば、ABS樹脂等の樹脂で、第1部材3の開口部AP51と反対側の外面であって突出部OH51が形成された部分以外を覆うように半球状に形成される。
【0027】
このため、突出部OH51の外面と、第2部材4の外面とは略一致することになり、缶キャップ101の外面は、第1部材3及び第2部材4の2つの樹脂の外面が見えるようになるので、例えば、第1部材3及び第2部材4の色彩を異ならせることにより、所謂、ツートンカラーとなり、店舗の陳列棚において、消費者の目を引くことができ、購買意欲を十分に刺激することができる。
また、突出部OH51部分が第2部材4で覆われないので、係止部ST51がより変形し易くなって、飲料缶CN11からの取り外しが容易になる。
【0028】
以上説明したように、第2実施形態に係る缶キャップ101は、飲料缶CN11からの取り外しが容易であり、かつ、十分な強度を有する景品として取り付けられる缶キャップ101を提供することができると共に、開口部AP51の端部で、第1部材3の一部を第1部材3の外面方向に突出させることにより、缶キャップ101の外面は、第1部材3及び第2部材4の2つの樹脂の外面が見えるようになるので、ツートンカラーにすることができ、店舗の陳列棚において、消費者の目を引くことができ、購買意欲を十分に刺激することができる。
【0029】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0030】
また、図1図5に示すように、本発明の本実施形態の説明に際しては、缶キャップ100等は、一例として、半球状の形状を例示しているが、勿論、この形状に限定されるものではなく、円形の開口部を有し、当該開口部の内面に設けられた係止部により飲料缶の一端に係止される第1部材と、第1部材の開口部と反対側の外面を覆うように形成され、第1部材より硬質である第2部材と、を備えるものであれば良い。
【0031】
また、上述の通り、缶キャップ100等の外観の形状や図柄は、それ自体が消費者の購買意欲を刺激する景品であるために、例えば、映画やアニメーションに登場するキャラクターの形状を模した形状や図柄となるように形成されることが好ましい。
【0032】
また、係止部ST31(係止部ST51)は、開口部AP31(開口部AP51)の内面全体に亘って形成されるものであっても、開口部AP31(開口部AP51)の内面の一部分に形成されるものであっても良い。
【0033】
また、突出部OH51は、開口部AP51の端部の全体に亘って形成されるものであっても、開口部AP51の端部の一部分に形成されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0034】
1、3 第1部材
2、4 第2部材
100、101 缶キャップ
ST31、ST51 係止部
AP31、AP51 開口部
OH51 突出部
CN11 飲料缶
EG41 巻き締め縁
図1
図2
図3
図4
図5