(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
連絡先リストの中のユーザのプレゼンス・ステータスを前記ユーザに関連するコール・ルーティング規則を用いて強化するための方法であって、前記プレゼンス・ステータスは、通信のための、連絡先ユーザと呼ばれる前記ユーザについての応対可能性を示しており、またアプリケーション・ユーザと呼ばれるユーザによって所有される通信デバイス(CD)において実施されるアプリケーション(UCA)に対してプレゼンス・サーバ(PS)によって配信されており、前記方法は、前記プレゼンス・サーバ(PS)において、以下のステップ、すなわち、
前記連絡先ユーザの識別子(IdCU)を含む要求(Req)を前記連絡先ユーザのコール・ルーティング規則を管理するコール・サーバ(CS)に対して送信するステップ(S3)と、
コール・サーバ(CS)から応答(Rep)を受信するステップ(S5)であって、該応答(Rep)が前記連絡先ユーザのルーティング・ステータス(RS)を含んでおり、該コール・サーバ(CS)が前記識別子(IdCU)にそれぞれ対応して記憶されるコール・ルーティング規則(RR)を決定しており、且つ、該コール・サーバ(CS)が各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータス(RS)を生成するためにコール・ルーティング規則(RR)を解釈する、受信するステップ(S5)と、
前記アプリケーション(UCA)が、連絡先ユーザの前記ルーティング・ステータス(RS)を表示するために、各連絡先ユーザについての前記ルーティング・ステータス(RS)を含むメッセージ(Mes)を前記通信デバイス(CD)に対して送信するステップ(S6)と、
前記コール・サーバ(CS)によって提供されることになっており、また前記連絡先ユーザの前記識別子(IdCU)に関連するイベントに予約するステップ(S7)と、
少なくとも1人の連絡先ユーザの前記コール・ルーティング規則(RR)における変更に関連したイベントが起こるときに、前記コール・サーバから通知(Not)を受信するステップ(S8)と、
を含む、方法。
連絡先リストの中のユーザのプレゼンス・ステータスを前記ユーザに関連するコール・ルーティング規則を用いて強化するためのプレゼンス・サーバ(PS)であって、前記プレゼンス・ステータスは、通信のための、連絡先ユーザと呼ばれる前記ユーザについての応対可能性を示しており、またアプリケーション・ユーザと呼ばれるユーザによって所有される通信デバイス(CD)において実施されるアプリケーション(UCA)に対して前記プレゼンス・サーバ(PS)によって配信されており、前記プレゼンス・サーバ(PS)は、
前記連絡先ユーザの識別子(IdCU)を含む要求(Req)を前記連絡先ユーザのコール・ルーティング規則を管理するコール・サーバ(CS)に対して送信するためのインターフェース(INTn)と、
コール・サーバ(CS)から応答(Res)を受信するためのインターフェース(INTn)であって、該応答(Res)が前記連絡先ユーザのルーティング・ステータス(RS)を含んでおり、該コール・サーバ(CS)が前記識別子(IdCU)にそれぞれ対応して記憶されるコール・ルーティング規則(RR)を決定しており、且つ、該コール・サーバ(CS)が各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータスを生成するためにコール・ルーティング規則(RR)を解釈する、インターフェース(INTn)と、
前記アプリケーション(UCA)が、連絡先ユーザの前記ルーティング・ステータス(RS)を表示するために、各連絡先ユーザについての前記ルーティング・ステータス(RS)を含むメッセージ(Mes)を前記通信デバイス(CD)に対して送信するためのインターフェース(INTc)と、
前記コール・サーバ(CS)によって提供されることになっており、また前記連絡先ユーザの前記識別子(IdCU)に関連するイベントに予約するためのインターフェース(INTn)と、
少なくとも1人の連絡先ユーザの前記コール・ルーティング規則(RR)における変更に関連したイベントが起こるときに、前記コール・サーバから通知(Not)を受信するためのインターフェース(INTn)と、
を備えている、プレゼンス・サーバ(PS)。
連絡先リストの中のユーザのプレゼンス・ステータスを前記ユーザに関連するコール・ルーティング規則を用いて強化するためのプレゼンス・サーバ(PS)において実行されるように適合されたコンピュータ・プログラムであって、前記プレゼンス・ステータスは、通信のための、連絡先ユーザと呼ばれる前記ユーザについての応対可能性を示しており、またアプリケーション・ユーザと呼ばれるユーザによって所有される通信デバイス(CD)において実施されるアプリケーション(UCA)に対してプレゼンス・サーバ(PS)によって配信されており、前記プログラムは、前記プログラムが、前記プレゼンス・サーバにおいて実行されるときに、以下のステップ、すなわち、
前記連絡先ユーザの識別子(IdCU)を含む要求(Req)を前記連絡先ユーザのコール・ルーティング規則を管理するコール・サーバ(CS)に対して送信するステップ(S3)と、
コール・サーバ(CS)から応答(Rep)を受信するステップ(S5)であって、該応答(Rep)が前記連絡先ユーザのルーティング・ステータス(RS)を含んでおり、該コール・サーバ(CS)が前記識別子(IdCU)にそれぞれ対応して記憶されるコール・ルーティング規則(RR)を決定しており、且つ、該コール・サーバ(CS)が各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータス(RS)を生成するためにコール・ルーティング規則(RR)を解釈する、受信するステップ(S5)と、
前記アプリケーション(UCA)が連絡先ユーザの前記ルーティング・ステータス(RS)を表示するために、各連絡先ユーザについての前記ルーティング・ステータス(RS)を含むメッセージ(Mes)を前記通信デバイス(CD)に対して送信するステップ(S6)と、
前記コール・サーバ(CS)によって提供されることになっており、また前記連絡先ユーザの前記識別子(IdCU)に関連するイベントに予約するステップ(S7)と、
少なくとも1人の連絡先ユーザの前記コール・ルーティング規則(RR)における変更に関連したイベントが起こるときに、前記コール・サーバから通知(Not)を受信するステップ(S8)と、
を実行する命令を含む、コンピュータ・プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この概要は、本発明の主題に関連した概念を導入するために、提供されている。この概要は、特許請求の範囲の主題の不可欠な特徴を識別することも意図してはおらず、また特許請求の範囲の主題の範囲を決定し、または限定する際に使用することも意図してはいない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に従って、連絡先リストの中のユーザのプレゼンス・ステータスを前記ユーザに関連するコール・ルーティング規則を用いて強化するための方法が提供され、そのプレゼンス・ステータスは、通信のための、連絡先ユーザと呼ばれる前記ユーザについての応対可能性(availability)を示しており、またアプリケーション・ユーザと呼ばれるユーザによって所有される通信デバイスにおいて実施されるアプリケーションに対してプレゼンス・サーバによって配信されており、前記方法は、プレゼンス・サーバにおいて、以下のステップ、すなわち、
前記連絡先ユーザの識別子を含む要求を前記連絡先ユーザのコール・ルーティング規則を管理するコール・サーバに対して送信するステップと、
コール・サーバから応答を受信するステップであって、該応答が前記連絡先ユーザのルーティング・ステータスを含んでおり、該コール・サーバが識別子にそれぞれ対応して記憶されたコール・ルーティング規則を決定しており、且つ、該コール・サーバが各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータスを生成するためのコール・ルーティング規則を解釈している、受信するステップと、
アプリケーションが、連絡先ユーザのルーティング・ステータスを表示するために、各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータスを含むメッセージを通信デバイスに対して送信するステップと、
を含む。
【0008】
本発明は、有益となるように、前記アプリケーション・ユーザのような呼び出し側に対して、どのようにしてコールが、前記連絡先ユーザのような、呼び出される側のコール・ルーティング規則によってルーティングされることになるかを知る可能性を提供する。それにより、呼び出し側は、例えば、ボイス・メールを呼び出し、またボイス・メールに対して転送されるように、あるいは呼び出される側が、コールを取ることができるまで待つように、それに応じてその振る舞いを調整することができるようになる。
【0009】
一実施形態においては、本方法は、以下のステップ、すなわち、
コール・サーバによって提供されることになっており、また連絡先ユーザの識別子に関連するイベントに予約するステップと、
少なくとも1人の連絡先ユーザのコール・ルーティング規則における変更に関連したイベントが起こるときに、コール・サーバから通知を受信するステップと、
前記イベントに関連したアップデート要求をコール・サーバに対して送信するステップと、
連絡先ユーザの識別子に関連する、連絡先ユーザのルーティング・ステータスを含むアップデート応答を、コール・サーバから受信するステップと、
連絡先ユーザの識別子に関連する、連絡先ユーザのルーティング・ステータスを含むアップデート・メッセージを、通信デバイスに対して送信するステップと、
をさらに含む。
【0010】
一実施形態においては、通知と、アップデート要求とは、前記連絡先ユーザの識別子を含んでいる。
【0011】
一実施形態においては、通知と、アップデート要求とは、前記イベントの識別子を含んでいる。
【0012】
本発明のさらなる目的は、連絡先リストの中のユーザのプレゼンス・ステータスを前記ユーザに関連するコール・ルーティング規則を用いて強化するためのプレゼンス・サーバであり、そのプレゼンス・ステータスは、通信のための、連絡先ユーザと呼ばれる前記ユーザについての応対可能性を示しており、またアプリケーション・ユーザと呼ばれるユーザによって所有される通信デバイスにおいて実施されるアプリケーションに対してプレゼンス・サーバによって配信されており、プレゼンス・サーバは、
前記連絡先ユーザの識別子を含む要求を前記連絡先ユーザのコール・ルーティング規則を管理するコール・サーバに対して送信するためのインターフェースと、
コール・サーバから応答を受信するためのインターフェースであって、該応答が前記連絡先ユーザのルーティング・ステータスを含んでおり、該コール・サーバが前記識別子にそれぞれ対応して記憶されるコール・ルーティング規則を決定しており、且つ、該コール・サーバが各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータスを生成するためにコール・ルーティング規則を解釈している、インターフェースと、
アプリケーションが連絡先ユーザのルーティング・ステータスを表示するために、各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータスを含むメッセージを通信デバイスに対して送信するためのインターフェースと、
を備えている。
【0013】
本発明は、さらに、連絡先リストの中のユーザのプレゼンス・ステータスを前記ユーザに関連するコール・ルーティング規則を用いて強化するためのプレゼンス・サーバにおいて実行されるように適合されたコンピュータ・プログラムに関し、前記プログラムは、プログラムが、前記サーバにおいて実行されるときに、本発明の方法のステップを実行する命令を含んでいる。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態が、次に、例としてのみ、また添付図面を参照して、説明される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
同じ参照番号は、すべての図面の上で、同じ要素、または同じタイプの要素を表すものである。
【0017】
図面および以下の説明は、本発明の特定の例示の実施形態を示すものである。それゆえに、当業者なら、本明細書において、明示的に説明されても、または示されてもいないが、本発明の原理を実施し、また本発明の範囲内に含まれる様々な構成を工夫することができるようになることが、理解されるであろう。さらに、本明細書において、説明されるどのような例も、本発明の原理を理解する際に役に立つことを意図しており、またそのような具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないように解釈されるべきである。結果として、本発明は、以下で説明される特定の実施形態または例だけに限定されないが、特許請求の範囲と、それらの均等物(equivalents)によって限定される。
【0018】
図1を参照すると、通信システムは、電気通信ネットワーク(telecommunication network)TNを通してそれらの間で通信することができる、プレゼンス・サーバ(presence server)PSと、コール・サーバ(call server)CSと、通信デバイス(communication device)CDとを備えている。
【0019】
電気通信ネットワークTNは、有線ネットワークもしくはワイヤレス・ネットワーク、または有線ネットワークとワイヤレス・ネットワークとの組合せとすることができる。
【0020】
電気通信ネットワークTNは、パケット・ネットワーク、例えば、インターネットやイントラネットなどのIP(「インターネット・プロトコル」)高速ネットワーク、またはさらに会社特有の私的ネットワークであることができる。
【0021】
電気通信ネットワークTNは、公衆ネットワークまたは私的ネットワーク(企業の中の、または自宅の)のいずれかとすることができる。
【0022】
各通信デバイスは、モバイル端末または固定端末とすることができる。
【0023】
モバイル端末としては、通信デバイスは、無線通信モバイル端末とすることができる。例えば、通信デバイスは、モバイル電話であり、または通信する携帯型個人情報端末(Personal Digital Assistant)PDAであり、あるいはスマートフォン(SmartPhone)のようなインテリジェント電話である。
【0024】
別の例では、通信デバイスは、WLAN(ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(Wireless Local Area Network))や規格802.1xに準拠するなどの限定範囲、またはプロトコルWiMAX(ワールド・ワイド・インターオペラビリティ・マイクロ波アクセス(World Wide Interoperability Microwave Access))に従った中距離の公衆ワイヤレス・ネットワークの基地局に接続される。
【0025】
別の例では、通信デバイスは、フェムト基地局を通して無線アクセス・ネットワークにチャネルによって接続されたセルラー方式モバイル無線通信端末である。
【0026】
固定端末としては、通信デバイスは、パケット・ネットワークPTに接続されたタイプxDSL(デジタル加入者線(Digital Subscriber Line))またはISDN(統合デジタル通信網サービス(Integrated Services Digital Network Services))のリンクにモデムを経由して直接に接続されたパーソナル・コンピュータとすることができ、あるいはSIPベースのプロトコルまたは独占所有権のあるプロトコルを使用したIP電話とすることができる。
【0027】
通信デバイスCDは、電気通信ネットワークTNと、またとりわけプレゼンス・サーバPSと、また別の通信デバイスと通信することができる統合通信アプリケーション(unified communication application)UCAを備えており、また異なる種類の通信のためのプロトコルと、符号化/復号化アルゴリズムとを実施している。
【0028】
統合通信アプリケーションUCAは、プレゼンス・サーバPSから受信される、ユーザのプレゼンス情報を活用して、そのようなユーザのプレゼンス・ステータスを表示する。
【0029】
プレゼンス・ステータスは、リアル・タイムの対話型通信システムを経由して通信を受信すべきユーザの応対可能性の表示を含んでいることが仮定される。例えば、「不在(away)」というプレゼンス・ステータスは、オンラインであるが、ある期間にわたってアイドル状態である(例えば、マウス操作またはキーボード操作のない)ユーザのことを意味している。
【0030】
プレゼンス情報は、ユーザのプレゼンス・ステータスを含んでおり、またユーザのアクティビティの記述、ユーザのアイデンティティがリアル・タイムの対話型通信システムの中で使用されているデバイスの上でアイドル状態である期間の開始時刻を示すタイムスタンプ、ユーザがデバイスを利用している場所のタイプ、および/またはデバイスの地理的ロケーションを含むこともできることが、仮定される。
【0031】
統合通信アプリケーションUCAは、ユーザのための仲間リストまたは連絡先リストを含むデータ・ストレージを管理する。統合通信アプリケーションUCAは、ユーザが、インスタント・メッセージングなど、リアル・タイムの対話型通信システムを経由して通信することができる連絡先(すなわち、他のユーザ)を識別する仲間リストを表示する。
【0032】
プレゼンス・サーバPSは、ユーザ応対可能性に関するリアル・タイムのプレゼンス情報を集約し、またプレゼンス・サーバにログインされ、また接続されるユーザに対して情報を配信する。
【0033】
プレゼンス・サーバPSは、通信デバイスと通信するためのクライアント・インターフェース(client interface)INTcを備えており、またユーザ応対可能性に関するプレゼンス情報を彼らに配信する。
【0034】
プレゼンス・サーバPSは、コール・サーバCSと通信するためのネットワーク・インターフェース(network interface)INTnを備えている。ネットワーク・インターフェースINTnは、コール・サーバCSに問い合わせを行って、ユーザに帰せられるコール・ルーティング規則を取り出す。ネットワーク・インターフェースINTnは、ユーザのコール・ルーティング規則における変更に対応する任意のイベントを受信し、そのイベントは、コール・サーバCSによって提供されている。
【0035】
プレゼンス・サーバPSは、ユーザが、互いのプレゼンス・ステータスに書き込むのと同様に、彼らのプレゼンス・ステータスを公開することを可能にするプレゼンス・サービスを管理する。プレゼンス・サーバPSは、互いのクライアント・デバイスの間で各ユーザについてのプレゼンス・ステータスを受信し、また送信する。プレゼンス・サーバのクライアント・インターフェースINTcは、データベースを動的に管理し、そこでは、与えられたユーザの識別子IdUは、前記与えられたユーザの仲間リストの中の連絡先である他のユーザの識別子IdCUに対応して記憶される。
【0036】
コール・サーバCSは、コール・ルーティング・サービスを提供し、またいくつかの通信デバイスを所有するユーザについてのコールのルーティングを取り扱う。
【0037】
コール・サーバCSは、プレゼンス・サーバPSと通信し、またプレゼンス・サーバPSにユーザのコール・ルーティング規則を提供するためのアップデート・インターフェースINTuを備えている。
【0038】
コール・サーバCSは、ユーザの識別子IdCUに対応して記憶されるコール・ルーティング規則RRを含むデータベースDBを管理する。
【0039】
例えば、コール・サーバは、(コール・サーバそれ自体を備えているシステムにおいて)任意の内部ルーティング、(サード・パーティ・アプリケーションのような)外部ルーティング、一般的設定(例えば、「すべての着信コールは、ボイス・メールに転送される」)、個人的設定(「ユーザAからのコールだけが、ボイス・メールに転送される」)を考慮に入れる。コール・サーバにより、ユーザは、プロトコル、ネットワークおよび端末の選択により、どのようにして着信コールが送信されるべきかを選択することができるようになる。ユーザは、「応対可能(available)」、「オフィスにいる」、「家にいる」などユーザが彼自身を見出すことができる状況に対応するコンテキストを規定するように求められる可能性がある。ある与えられた時刻において、コンテキストは、コール・ルーティング・サービスのユーザのおのおのについてアクティブである。例えば、コンテキストのアクティブ化は、場合によっては、これらのコンテキストのアクティブ化期間が、指定されている個人的な時間スケジュールに関連してユーザによって手動的に、または自動的に行われる可能性がある。
【0040】
特定の例示の実施形態においては、通信デバイスCDと、プレゼンス・サーバPSと、コール・サーバCSとの間の通信は、プロトコルXMPP(拡張可能なメッセージング・プロトコルおよびプレゼンス・プロトコル(Extensible Messaging and Presence Protocol))やSIMPLEプロトコル(インスタント・メッセージングおよびプレゼンス活用拡張のためのセッション開始プロトコル(Session initiation protocol for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions))などのプロトコルに基づいたものとすることができる。
【0041】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるコール・ルーティング・ステータスを用いてプレゼンス・ステータスを強化するための方法は、通信システムの内部で自動的に実行されるステップS1からS11を含む。
【0042】
ステップS1において、通信デバイスCDのユーザは、プレゼンス・サーバPSとの接続を確立し、またユーザの連絡先である他のユーザを指定する仲間リストを表示する統合通信アプリケーションUCAを起動する。プレゼンス・サーバPSは、例えば、ログインとパスワードとを伴う認証を用いて、アプリケーションUCAの認可されたユーザを識別し、またユーザの識別子IdUを取り出す。
【0043】
以下で明確にするために、アプリケーションUCAのユーザは、アプリケーション・ユーザと呼ばれ、またアプリケーション・ユーザの仲間リストの中のユーザは、連絡先ユーザと呼ばれる。
【0044】
ステップS2において、プレゼンス・サーバPSのクライアント・インターフェースINTcは、アプリケーション・ユーザに関連する1組の連絡先ユーザ、すなわち、統合通信アプリケーションにおける、ユーザの仲間リストの中にある1組のユーザを決定する。この目的を達成するために、プレゼンス・サーバPSは、アプリケーション・ユーザの識別子IdUに関連する各連絡先ユーザの識別子IdCUを決定する。
【0045】
ステップS3において、プレゼンス・サーバPSは、連絡先ユーザの組に関連するコール・ルーティング規則を取り出すために、コール・サーバに問い合わせを行う。
【0046】
プレゼンス・サーバPSのネットワーク・インターフェースINTnは、要求Reqをコール・サーバCSに対して送信し、その要求は、連絡先ユーザの識別子IdCUを含んでいる。
【0047】
ステップS4において、コール・サーバCSのアップデート・インターフェースINTuは、データベースDBの中の識別子IdCUに対応してそれぞれ記憶されるコール・ルーティング規則RRを決定する。
【0048】
アップデート・インターフェースINTuは、各連絡先ユーザのコール・ルーティング規則RRを解釈して、各連絡先ユーザについてのルーティング・ステータスRSを生成する。
【0049】
ステップS5において、コール・サーバCSのアップデート・インターフェースINTuは、応答Repをプレゼンス・サーバPSに対して送信し、その応答は、連絡先ユーザの識別子IdCUにそれぞれ関連する、連絡先ユーザのルーティング・ステータスRSを含んでいる。
【0050】
ステップS6において、プレゼンス・サーバPSのクライアント・インターフェースINTcは、メッセージMesを通信デバイスCDに対して送信し、そのメッセージは、連絡先ユーザの識別子IdCUにそれぞれ関連する、連絡先ユーザのルーティング・ステータスRSを含んでいる。メッセージはまた、連絡先ユーザのルーティング・ステータスと結合された、連絡先ユーザのプレゼンス・ステータスを含むこともできる。
【0051】
統合通信アプリケーションUCAは、仲間リストの中の連絡先ユーザのルーティング・ステータスRSを表示する。
【0052】
ステップS7において、プレゼンス・サーバPSは、コール・サーバCSによって提供されることになっており、また連絡先ユーザの識別子IdCUに関連づけられたイベントに予約する。
【0053】
予約されたイベントは、連絡先ユーザのコール・ルーティング規則RRにおけるどのような変更にも関連している。これらのイベントの目的は、連絡先ユーザのコール・ルーティング規則RRにおけるどのような変更についても警告を行い、またプレゼンス・サーバPSをアップデートすることである。
【0054】
ステップS8において、与えられた連絡先ユーザのコール・ルーティング規則RRにおけるある変更に関連したイベントが起こるときに、コール・サーバCSのアップデート・インターフェースINTuは、通知Notをプレゼンス・サーバPSに対して送信し、その通知は、前記連絡先ユーザの少なくとも識別子IdCUを含んでいる。
【0055】
ステップS9において、プレゼンス・サーバPSのネットワーク・インターフェースINTnは、アップデート要求ReqUをコール・サーバCSに対して送信し、そのアップデート要求は、連絡先ユーザの識別子IdCUを含んでいる。
【0056】
変形案においては、イベントは、イベント識別子IdEに関連づけられ、また前記イベント識別子は、連絡先ユーザの識別子IdCUの代わりにステップS8およびS9の間に交換されるメッセージの中に含まれる。
【0057】
ステップS10において、コール・サーバCSのアップデート・インターフェースINTuは、連絡先ユーザのコール・ルーティング規則RRにおける変更を解釈し、また前記連絡先ユーザについての新しいルーティング・ステータスRSを生成する。コール・サーバCSのアップデート・インターフェースINTuは、アップデート応答RepUをプレゼンス・サーバPSに対して送信し、そのアップデート応答は、連絡先ユーザの識別子IdCUに関連する、連絡先ユーザのルーティング・ステータスRSを含んでいる。
【0058】
ステップS11において、プレゼンス・サーバPSは、アップデート・メッセージMesUを通信デバイスCDに対して送信し、そのアップデート・メッセージは、連絡先ユーザの識別子IdCUに関連する、連絡先ユーザのルーティング・ステータスRSを含んでいる。統合通信アプリケーションUCAは、仲間リストの中の連絡先ユーザのルーティング・ステータスRSを表示する。
【0059】
図3は、仲間の電話プレゼンス、すなわち、仲間のコール・ルーティング・ステータスを用いて強化されるプレゼンス・ステータスを表示する統合通信アプリケーション(UCアプリケーション)を表している。例えば、アリス(Alice)は、家におり、またモバイル電話について自由に利用できる状態であり(free on mobile phone)、ボブ(Bob)は、仕事中であり、卓上電話について自由に利用できる状態であり(free on desk phone)、またキャロル(Carol)は、システムにログインしておらず、応対可能でない。アプリケーションは、異なる電話ステータスを意味するカラー・アイコンを表示するように構成されている可能性がある。
【0060】
以下のセクションは、アリスと、ボブと、キャロルとの仲間であり、すべてのこれらの3人のユーザについてのプレゼンス・ステータスを見ることができるユーザの通信デバイスの上で実行される統合通信アプリケーションの一例を示すものである。
【0061】
プレゼンス・サーバと、コール・サーバとは、統合通信システムの形成部分として考えられることもあり、また
図2を参照して説明される方法は、実行されるエミュレーションが、統合通信システムであるコールに一致させられることもある。
【0062】
3人のユーザ、すなわち、アリスと、ボブと、キャロルとについての就業日の一部分について考えてみよう。
【0063】
8:00−アリスは、家にいる。すべての彼女の仕事上のコールは、彼女のモバイル電話にルーティングされる。すべての彼女の仲間は、彼らの統合通信アプリケーションにおいて、アリスの電話ステータス、すなわち、「モバイル電話について自由に利用できる状態である」と見なす。ボブは、すでに仕事中であり、すべての彼の仲間は、彼らの統合通信アプリケーションにおいて、ボブの電話ステータス、すなわち、「卓上電話について自由に利用できる状態である」と見なす。キャロルは、家にいて、また彼女は、統合通信アプリケーションにログインしておらず、それで、すべての彼女の仲間は、彼女のステータスを「応対可能でない状態」と見なす。
図3の上に、前記ユーザの統合通信アプリケーションが示されている。
【0064】
9:00−アリスは、仕事場に到着し、また彼女の固定卓上電話上で着信コールを受けるように、彼女のルーティング設定を変更する。アリスの仲間は、彼女のコール・ルーティング規則における変更について通知される。次いで、統合通信システムは、アリスに対する仲間からのコールをエミュレートし、またその結果を使用して、彼女の仲間に対して、アリスの電話ステータス(「卓上電話について自由に利用できる状態である」)を提示する。
【0065】
9:30−アリスは、ある会議に出席する必要がある。彼女は、すべての着信コールをボイス・メールに転送するように、彼女のコール・ルーティング規則を構成する。仲間は、再び通知を受け、彼らからのコールは、再びエミュレートされ、また新しいステータス、すなわち、「コールは、ボイス・メールに対して転送される」ステータスは、彼らに提示される。
【0066】
10:00−アリスの仲間であるキャロルは、仕事場に到着し、またアリスと何かを議論したいと思う。キャロルは、統合通信システムにログインする。システムは、キャロルからすべての彼女の仲間へのコールをエミュレートし、またキャロルからアリスへのコールについてのエミュレーションの結果(「コールは、ボイス・メールに転送される」)を含めて、それらのコールの結果を提示する。キャロルは、アリスと直接に話すために、アリスが、彼女の電話でアクセス可能になるまで、待つことを決定する。
【0067】
ここで説明される本発明は、コール・ルーティング・ステータスを用いてプレゼンス・ステータスを強化するための方法およびサーバに関する。一実施形態においては、本発明の方法のステップは、本発明によるプレゼンス・サーバPSなどのサーバに組み込まれるコンピュータ・プログラムの命令によって決定される。プログラムは、前記プログラムが、データ処理デバイスのプロセッサにおいて、実行され、次いで、そのオペレーションが、プログラムの実行によって制御されるときに、本発明による方法のステップを実行するプログラム命令を含んでいる。
【0068】
結果として、本発明は、本発明を実施するように適合された、コンピュータ・プログラム、とりわけ、データ処理デバイスによって読み取り可能な情報媒体の上の、または情報媒体におけるコンピュータ・プログラムにも適用される。そのプログラムは、どのようなプログラミング言語を使用することもでき、またソース・コード、オブジェクト・コード、または部分的にコンパイルされた形式など、ソース・コードとオブジェクト・コードとの間の中間コードの形式のものであり、あるいは本発明による方法を実施するための他の望ましい任意の形式のものとすることができる。
【0069】
情報媒体は、プログラムを記憶することができる任意のエンティティまたはデバイスとすることができる。例えば、媒体は、ROM、例えば、CD ROMもしくはマイクロエレクトロニクス回路ROM、またはUSBキー、あるいは磁気記録手段、例えば、ディスケット(フロッピー・ディスク)もしくはハードディスクなど、本発明によるコンピュータ・プログラムが記録されるストレージ手段または記録媒体を含むことができる。