【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特許第3486262号公報
【特許文献2】特開2010−284866号公報
【特許文献3】特許第5894343号公報
【特許文献4】特開2001−252993号公報
【特許文献5】特許第3460760号公報
【特許文献6】特開平11−34185号公報
【特許文献7】特許第3210870号公報
【特許文献8】特許第5886460号公報
【特許文献9】特開昭55−77550号公報
【特許文献10】特開2010−284865号公報
【特許文献11】特開平11−10754号公報
【特許文献12】特開平10−286893号公報
【特許文献13】特開平10−249958号公報
【特許文献14】実用新案登録3041886号公報
【特許文献15】実用新案登録3042309号公報
【特許文献16】特開平10−278133号公報
【特許文献17】特開平10−286892号公報
【特許文献18】特開2000−85032号公報
【0021】
従来の技術として前記先行技術文献についてそれぞれ先行技術調査を行った。
以下に該先行技術調査の内容を記載する。
以下の該先行技術調査の内容の記載では、各先行技術文献内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、前記先行技術文献の参照の徹底を要する。
【0022】
以下に特許文献1について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献1内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献1の参照の徹底を要する。
【0023】
特許文献1は罫押用溝形成体に関する出願である。
【0024】
特許文献1の「請求項」には、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0025】
裏抜き加工方法と表抜き加工方法とでは、打抜かれたブランクシートに形成される筋線が表ライナー側か裏ライナー側かに変わり、筋線の幅や折る方向が違った性状になることにより、打ち抜き工程において裏抜き加工方法と表抜き加工方法は重要な項目である。
【0026】
しかし、前記で示されたように、特許文献1の「請求項」には裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はないが、特許文献1の「0019」の『罫押し罫線12の突条16と罫押し溝6とにより、また突条17と罫押し溝7とにより、段ボールシート20の裏面(内面)側に二本の筋線22,23(
図4(a)参照)がそれぞれ形成される。また、この段ボールシート20の表面側には筋線21を挟む両側に凹部24,25が形成される。』との記載から、特許文献1は裏抜き加工であると推測される。
【0027】
該推測から裏抜き加工である特許文献1において、近接して設けられている表ライナー側に設けられた筋線21と裏ライナー側に設けられた筋線22,23を施されたブランクシートを裏ライナー側に折り曲げ始めると、
クリーズ罫線が折れる支点のことを考慮すれば、グルアーでの折り曲げ時には筋線22か筋線23のいずれか側から折れ始めるはずである。
しかし、特許文献1の「0020」の記載『このようにして筋線21,22,23の形成された段ボールシート20が筋線21を外側にして折曲げられると、
図4(b)に示されるように、最初に外側の筋線21を折曲げ中心線として折曲げが始まり、次いで両側の凹部24,25を折曲げ線にして折曲げが行われる。』に示されているように、特許文献1では最初に外側の筋線21を折曲げ中心線として折り曲げが始まる構造であると述べている。
【0028】
特許文献1が裏抜き加工での本来の折り曲げ時には筋線22か筋線23のいずれか側から折れ始める構造をとらず、前記の通り最初に外側の筋線21を折曲げ中心線として折曲げが始まる構造であるとするなら、筋線21の罫線トルクは非常に低く、筋線22と筋線23は非常に高い罫線トルクとして形成されていると言える。
本発明は特許文献1のように最初に外側の筋線21を折曲げ中心線として折曲げが始まる構造ではなく、特許文献1とは構造が異なる発明であり、本発明には新規性がある。
【0029】
また、特許文献1において筋線21の押し潰しの度合いを変える方法として、特許文献1の「0017」の『第3の罫線部12cの幅および高さを適宜変えることで罫押し罫線の幅および溝部18の深さを段ボールシートの材質,厚み等に応じて適宜調整することができる。なお、この第3の罫線部12cの先端部の突出度合いによって段ボールシートの折曲げ中心部の潰される度合いを変えることができる。』との記載で該方法を示している。
【0030】
特許文献1で述べられている最初に外側の筋線21を折曲げ中心線として折曲げが始まる構造とするための非常に強い押し潰しが架けられている筋線21を形成する方法のその他の方法としては、
特許文献1の
図3で示されているように、二本の突条16、17と溝形成部材5と罫押し溝6,7との位置関係を、二本の突条16、17は溝形成部材5左右のエッジに接近させ、罫押し溝6,7の外側のエッジからは離した位置関係とし、
溝形成部材5と突条16、17とで段ボールシート20を強く挟んで強い押し潰しを架ける方法があり、該
図3からその旨が読み取れる。
【0031】
そして、特許文献1の「0017」の『第3の罫線部12cの先端部が前記第3の溝形成部材5よりやや幅広の溝部18の底面を構成している。』との記載によると、第3の溝形成部材5の幅は第3の罫線部12cよりもやや幅狭ということになる。
しかし、第3の溝形成部材5の幅の具体的な値に関しての記載は特許文献1には示されていない。
前記の非常に強い押し潰しが架けられている筋線21を形成する方法において、重要な要素の一つである第3の溝形成部材5の幅に関して具体的な値に関しての記載が示されていない点は、前記非常に強い押し潰しが架けられている筋線21を形成する上で問題がある。
【0032】
また、特許文献1の「0017」の『このように罫押し罫線12を分割形状にすると、第3の罫線部12cの幅および高さを適宜変えることで罫押し罫線の幅および溝部18の深さを段ボールシートの材質,厚み等に応じて適宜調整することができる。なお、この第3の罫線部12cの先端部の突出度合いによって段ボールシートの折曲げ中心部の潰される度合いを変えることができる。』との記載により、第3の罫線部12cの幅に連動して、第1の罫線部12aおよび第2の罫線部12bの幅が適宜調整されることになる。
【0033】
特許文献1の「0004」と「0005」と「0006」にて、特許文献1における「発明が解決しようとする課題」を述べている。
特許文献1における該発明が解決しようとする課題とは、
特に、特許文献1の「0004」の『
図8(a)の左側に示されるように罫押し罫線107aが段ボールシート108の中芯109の凹部に対向する位置にあるときには、
図8(b)の左側に示されるようにその段ボールシート108が略左右対称に押し潰されて筋線が形成されるものであるが、
図8(a)の右側に示されるように罫押し罫線107bが中芯109の凸部寄りに対向する位置にあるときには、
図8(b)の右側に示されるように形成される筋線の形状が左右非対称となってしまう。』記載で示されている問題点により、
特許文献1の「0005」の『接合部に隙間(
図9(a)),重なり(
図9(b)),接合ずれ(
図9(c))等が生じ、出来上がった凾体112の内寸および外寸が不揃いになってしまうという問題点があった。』記載で示されている点を解決することである。
上記の『接合部に隙間(
図9(a)),重なり(
図9(b))』とは座屈により生じる問題であり、上記の『接合ずれ(
図9(c))』はフィッシュテールにより生じる問題である。
【0034】
しかしながら、前記の具体性のない適宜調整された第1の罫線部12aおよび第2の罫線部12bの幅であれば、第1の罫線部12aおよび第2の罫線部12bの段ボールシートの段山を押し潰す位置は段頂、段谷、その中間とそれぞれ異なり、筋線22及び筋線23における段山の潰れ形状はそれぞれ違った形状となり、よって、凹部24,25の折れはばらついてしまう。
このように特許文献1の発明において、特許文献1の「0004」での『中芯109の凸部寄りに対向する位置にあるときには、
図8(b)の右側に示されるように形成される筋線の形状が左右非対称となってしまう。』記載と同じ不具合の現象が、前記の適宜調整された第1の罫線部12aおよび第2の罫線部12bでも発生し、すなわち、特許文献1の発明では初期の効果を得られず、解決しようとする課題が解消されていない。
本発明は該課題を解決しており、本発明には新規性がある。
【0035】
以下に特許文献2について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献2及び特許文献3の内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献2及び特許文献3の参照の徹底を要する。
【0036】
特許文献2の「請求項」には、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0037】
しかし、特許文献2の「0042」の『箱の裏面側となる段ボール51の上面に、下方へ窪んだ3本の溝状部52aを有し、箱の表面側となる段ボール51の下面に』との記載から特許文献2は裏抜き加工であると推測される。
【0038】
特許文献2の「0013」の『この発明に係る罫線形成具を使用すると、罫線が高低差の大きい鮮明なW字状又は重複W字状の断面形状に形成され、長さ方向に方向性を保持しつつ、幅広くなるので、段ボールの段目の影響を受けることなく、段ボールを罫線の押潰部分に沿って正確に折り曲げることができ、精度の高い箱を製造することができる。』との記載から特許文献2の発明の効果として「精度の高い箱を製造することができる。」と述べている。
【0039】
そして、特許文献2と特許文献3は同じ発明者である。
【0040】
しかしながら、同発明者である特許文献2と特許文献3において、
特許文献2は、特許文献3の「0016」にて『特許文献1に記載された押罫部材においては、罫入れ部の幅方向の中央部に設けられた凹状の溝がV字状であって、その溝の両側部に設けられた、シートを押圧するための一対の突出部が先端に尖りを有する楔状であるため、段ボールシートの無理な押し込み状態における面圧が高く、段ボールシートを損傷させる可能性が強いのである。』と同発明者が記載している通り、一対の突出部の先端が尖りを有する楔状が段ボールシートを損傷させる問題が指摘されているように、特許文献2の発明では段ボールシートを損傷させてしまう問題点があり、前記に特許文献2の発明の効果として述べていた精度の高い箱を製造することができない。
【0041】
また、特許文献2の「0020」の『また、
図3に示すように、押罫部材23には下部先端の中央部にV字状の逃溝が形成され、先端両角部及び逃溝の両肩部は曲面状に形成されている。なお、逃溝23aは、U字状のものであってもよい。ここで、凹溝2の幅は、押罫部材23の幅よりも広く形成されている。そして、逃溝23aの下端開口部の幅は、突条3の幅と同程度か、やや広くなっている。』との記載から、押罫部材23の下部先端部分はV字状及びU字状であり、該下部先端部は平行する二条で形成されているとのことである。
【0042】
しかし、押罫部材23の幅に関して特許文献2では具体的な記載がなく、該押罫部材23の二条の下部先端部の段山を押し潰す位置は段頂、段谷、その中間とそれぞれ異なり、段山の潰れ形状はそれぞれ違った形状となり、罫線の折れがばらつくこととなり、罫線に沿った折り曲げを誘導できず、前記に特許文献2の発明の効果として述べていた精度の高い箱を製造することができない。
【0043】
以下に特許文献4について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献4内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献4の参照の徹底を要する。
【0044】
特許文献4の「発明の名称」である「逆罫押し用部材」や
特許文献4の「0008」の『罫押し部材を罫押し刃にセットするに際して容易にかつ確実に保持できて、安定状態で打抜き型の板面に取付けることができるようにされた逆罫押し用部材を提供することを目的とするものである。』記載から、
特許文献4は逆罫を形成する部材の出願である。
【0045】
特許文献4の「請求項」を始め全文に渡り、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0046】
しかし、表抜き加工方法は、トムソン型の押罫部材とカッティングプレート上の凹溝条を設けた面板で、板紙や一部の美粧段ボールシートの表面側から押し圧し、クリーズ罫線を入れ、面板の凹溝条のエッジの幅で凹溝条側に折る加工方法であり、打ち抜かれたブランクシートの表面側には押罫部材によるクリーズ罫線が、裏面側には面板の凹溝条のエッジで2条のクリーズ罫線が形成される構造であるので、表抜き加工方法では逆罫を用いることはなく、特許文献4は裏抜き加工であると推測される。
【0047】
裏抜き加工である逆罫においては、クリーズ罫線を形成するカッティングプレート上の面板に設けた凸条とトムソン型に設けた並行する2条の押罫部材にて逆罫を行い、該凸条と該2条の押罫部材の特許文献4の「0017」記載の『間隔L』に相当する隙間間隔は非常に狭く設定する必要がある。
【0048】
前記の通り、特許文献4は逆罫に関する発明であり、本発明とは他目的である。
【0049】
以下に特許文献5について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献5内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献5の参照の徹底を要する。
【0050】
特許文献5の「請求項」を始め全文に渡り、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0051】
しかし、特許文献5の従来技術である「0002」の『罫線には、段ボールの段の方向に直角に入れられるスコア(score)罫線と、段の方向に対して平行に入れられるクリーズ(crease)罫線とがある。』との記載から、特許文献5は裏抜き加工であると推測される。また、特許文献5において面板についての記載が特にない点からも特許文献5は裏抜き加工であると推測される。
【0052】
特許文献5の「請求項1」の『その段方向にクリーズ罫線を刻設する際に、段ピッチpよりも刻設間隔が狭くなるような関係に』の記載や、
特許文献5の「0011」の『この180度曲げ用クリーズ罫線ab、a’b’を、例えばAフールト(厚さ約5mm)、段ピッチ8.42mmの場合には、5ないし6mmの間隔に、平行に2本入れた』の記載から、
2本のクリーズ罫線は段ピッチpよりも刻設間隔が狭い設定が成されている。
【0053】
特許文献5の「請求項1」の『平行な2本のクリーズ罫線ab、a’b’を刻設し、かつ、前記2本のクリーズ罫線の両端部に、ほぼ円弧状をなすように切り欠いた段ボールのカット部分を設けること』の記載から、クリーズ罫線a’b’は短いクリーズ罫線とし、クリーズ罫線abは長いクリーズ罫線となる設定が成されている。
【0054】
特許文献5の「請求項2」には『前記円弧状のカット部分は、前記平行な2本のクリーズ罫線にまたがり、かつその罫線の一方を超えてその外方に至るように形成させてなる請求項1記載の段ボール箱用素材における罫線加工方法。』の記載がある。
【0055】
そして、特許文献5の「0013」の『段ボールを折り曲げるとき2本の罫線のうち一方の罫線a’b’に応力を集中させることができ、折り曲げの起点が確実に罫線a’b’となり、ついで他の罫線abに応力集中するので前記内筒形成片8,9を容易に180度折り曲げすることができ、』の記載から、特許文献5はクリーズ罫線a’b’から折れ、ついでクリーズ罫線ab折れる発明であると示している。
【0056】
すなわち、特許文献5における「発明が解決しようとする課題」である、いかなる位置に罫線が入っても、折り曲げ位置が変動せず(ずれたりせず)に、罫線部に曲げ応力が集中して定位置で容易に折れるようにするためには、段ピッチpよりも刻設間隔が狭くなるような関係に平行な2本のクリーズ罫線と、円弧状のカット部分は必須の技術である。
【0057】
なお、平行な2本のクリーズ罫線にまたがり、かつその罫線の一方を超えてその外方に至る前記円弧状のカット部分を用いる特許文献5の発明は、箱に切り欠きが生じてしまので、A式、B式の箱には外観形状が変わるので用いることが出来ない。
【0058】
前記のようなことから特許文献5は本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0059】
以下に特許文献6について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献6内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献6の参照の徹底を要する。
【0060】
特許文献6の「請求項」には、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0061】
しかし、特許文献6の「0002」の『角形胴体の開口を一対の内フラップおよび一対の外フラップによって閉じるようにした段ボールシートから成る包装ケースに対して、缶ビール等の複数の商品を自動的に詰め込む包装装置においては、上記外フラップおよび内フラップのそれぞれを、角形胴体の外周面から外方向に折曲がる位置まで外方向に折曲げたのち、胴体の開口から内部に商品を入れ、上記商品の詰め込み後、内フラップおよび外フラップを内向きに折曲げて胴体の開口を閉じるようにしている。』の記載から特許文献6は裏抜き加工であると推測される。
【0062】
特許文献6の「0005」の『上記段ボールシートA0 において、表面側罫線B3 の右側部分を前記包装ケースのフラップとすると、そのフラップは包装ケース内に商品を詰め込む前の段階で段ボールシートA0 の裏面側に折曲げられ、商品の詰め込み後、段ボールシートA0 の表面側に略90°折曲げられる。』の記載や、
特許文献6の「発明の効果」である「0032」の『以上のように、この発明においては、段ボールシートの表裏同位置に罫線を入れることができるため、段ボールシートを表裏いずれの方向にもきわめて精度よく折曲げることができ、折れ精度の優れた罫入り段ボールシートを得ることができる。』の記載から
特許文献6は裏面側に折曲げられた後に表面側に90°折曲げる、シートを表裏いずれの方向にもきわめて精度よく折曲げることができ、フラップを90°に折曲げる発明である。
本発明は箱の第2縦折りクリーズ罫線及び第4縦折りクリーズ罫線を箱の内側方向に180度折り畳む発明であり、特許文献6とは異なる分野の発明である。
【0063】
ちなみに、特許文献6の「0026」の『その罫線B1 、B2 位置での強度は弱く、段ボールシートAを裏面側又は表面側に折曲げることによって段ボールシートAは、罫線B1 、B2 を折れ筋として折れ曲がり、段ボールシートAをきわめて高精度に折曲げることができる。』の記載における特に「その罫線B1 、B2 位置での強度は弱く、」部分のであるが、弱くとは、該罫線B1 、B2が弱く形成されているという意味ではなく、該罫線B1 、B2の罫線トルクが弱く形成されているという意味であり、すなわち、該罫線B1 、B2の位置で容易に折れ曲がりやすいということを指す。
【0064】
以下に特許文献7について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献7内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献7の参照の徹底を要する。
【0065】
特許文献7の「請求項1」の『第1型(3a)に設けた罫押し板(32)に対して罫押し方向に取り外し可能に嵌着される補助型材(2)と、前記補助型材(2) に前記罫押し方向に取り外し可能に嵌め込まれると共に前記罫押し板(32)に対向する罫押
し部を具備する主型材(1) とからなり、』の記載から、
特許文献7は補助型材(2)と主型材(1)からなる抜き型の罫押し溝用型材に関する出願である。
【0066】
特許文献7の「請求項」には、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0067】
特許文献7の「0012」の『ここで前記罫押し部とは、通常は補助型材(2) 側に開放する溝部(11)であり、前記被嵌合部とは前記溝部(11)に嵌合する凸条(22)であるが、逆方向に罫押しする場合もあり、この逆罫押し用の型材の場合には、前記主型材(1) に凸条が設けられ、補助型材(2) に前記凸条にはまり込む溝部が形成され、前記凸条と罫押し板(32)(32)とによって逆方向に罫押しされる。(例えば、
図12)』記載から、特許文献7の
図12は逆罫に関する記載であり、
本発明は箱の第2縦折りクリーズ罫線及び第4縦折りクリーズ罫線を箱の内側方向に180度折り畳む発明であり、特許文献7の
図12のような逆罫に関する記載とは異なる分野の発明である。
【0068】
ちなみに、該逆罫とは並行する2本の罫押し板(32)(32)と主型材(1)に設けられた凸条とで逆折りをするクリーズ罫線を裏抜き加工でシートの表面側に入れることを指し、該クリーズ罫線は箱の外側に折る構造のために強く形成する必要があり、凸条と並行する2本の押し板の隙間間隔を非常に狭く設定して形成する。
【0069】
以下に特許文献8について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献8内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献8の参照の徹底を要する。
【0070】
特許文献8には、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0071】
特許文献8の「0002」の『贈答品収容用ケースやトマト、ブドウ等の青果物収容用ケースの身箱に使用される段ボールシート製トレイとして、
図12に示したものが従来から知られている。』の記載や、
特許文献8の「0004」の『このように、各側枠41および各端枠42のそれぞれは、段ボールシートSの厚みより少し大きくてわずかな間隔を開けて設けた外側板43と内側板45および外端板46と内端板48とによって二重構造の枠になっており、トレイAは向かい合う一対の側枠41と向かい合う一対の端枠42によって、四角形の額縁状になっている。』との記載から、
特許文献8は段ボールシート製トレイの額縁に関する発明である。
【0072】
特許文献8の
図11及び、特許文献8の「0006」の『ここで、側枠41の上端部44および端枠42の上端部47は、平行する一対の罫線L1、L2の形成によって設けられる。この平行する一対の罫線L1、L2の間隔は、段ボールシートSの厚みtよりわずかに大きく、』の記載から、
上端部44及び上端部47は前記額縁に相当し、該額縁の間隔は、段ボールシートSの厚みtよりわずかに大きい間隔を持って形成されている。
【0073】
特許文献8は段ボールシート製トレイの四角形の額縁に関する発明であり、該額縁の間隔は段ボールシートSの厚みtよりわずかに大きい間隔を持って形成され、90度折りと90度折りで180度に折り返す発明であり、
本発明は額縁に関するものではなく、箱の第2縦折りクリーズ罫線及び第4縦折りクリーズ罫線を箱の内側に180度折り畳む発明であり、特許文献8とは異なる分野の発明である。
【0074】
以下に特許文献9について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献9内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献9の参照の徹底を要する。
また、特許文献9には段落番号が付されていないため、「〔(4)項〕の8行目辺り」といったような記述方法を用いて引用した。
【0075】
特許文献9の「特許請求の範囲」には、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0076】
特許文献9の「発明の詳細な説明」として、特許文献9の〔(4)項〕の8行目辺りの『本発明は常にけい線通りに180°折りたゝむことのできるけい線を段ボール紙に加工する方法』との記載から、特許文献9における目的が記載されている。
【0077】
特許文献9の「特許請求の範囲」として、特許文献9の〔(1)項〕の6行目辺りの『所定の幅の二条のけい線を一条目と二条目の間に時間差をおいて加工する』との記載から、前記目的の解決のために特許文献9においては、所定の幅の二条のけい線を段ボールシートに加工する構造としている。
【0078】
そして、特許文献9の〔(8)項〕の12行目辺りの『けい線k、k’と内部のリムの山の関係位置には関係なく、段ボール紙20を常に正しく折り目に沿って180°たゝむことのできる。』との記載から、特許文献9においては「けい線k、k’と内部のリムの山の関係位置」を考慮していない文献であると読み取れる。
【0079】
前記の記載の通り、特許文献9においては、「けい線k、k’と内部のリムの山の関係位置には関係なく、段ボール紙20を常に正しく折り目に沿って180°たゝむことのできる」と主張しているが、けい線k、k’と内部のリムの山の関係位置を考慮しないままであると、
特許文献9の〔(3)項〕の19行目辺りの『けい線の片側のリムだけが変形してけい線を端にして折れ曲がる部分もでてくる。』との記載のような、内部のリムの山が変形して折れ曲がる点は解決されていない。
【0080】
特許文献9の前記目的である、「常にけい線通りに180°折りたゝむことのできるけい線を段ボール紙に加工する方法」を行うためには、けい線k、k’と内部のリムの山の関係位置による内部のリムの山が変形して折れ曲がる点を考慮せずには不可能で、特許文献9は前記目的を完全には解決していない。
【0081】
また、特許文献9の「特許請求の範囲」として、特許文献9の〔(2)項〕の9行目辺りの『受けロールの表面をポリウレタンゴムで被膜した』との記載から、特許文献9は受けロールの表面をポリウレタンゴムで被膜した構造で受けロールは平滑状であり、凸条を有する面板や凹溝条を有する面板を用いる本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0082】
また、前記、特許文献9の「特許請求の範囲」として、特許文献9の〔(1)項〕の6行目辺りの『所定の幅の二条のけい線を一条目と二条目の間に時間差をおいて加工する』との記載から、特許文献9は、所定の幅の二条のけい線を時間差をおいて段ボールシートに加工を施す構造であり、本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0083】
また、特許文献9の「特許請求の範囲」の特許文献9の〔(1)項〕の10行目辺りの『二条のけい線の幅を紙の厚さの1.05倍ないし1.45倍に設定する』との記載や、
特許文献9の〔(7)項〕の14行目辺りの『歯幅Aが紙の厚さの1.5倍以上になると、箱が八角形的になり形状が不安定になる。』との記載により、
特許文献9は本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0084】
以下に特許文献10について行った先行技術調査の内容を記載する。
該記載において特許文献10及び特許文献11の内で用いられている用語や符号や図をそのまま引用した。
特に該符号や図に関して、本発明の符号や図との混同を防止するため、特許文献10及び特許文献11の参照の徹底を要する。
【0085】
特許文献10の「請求項」には、打ち抜き加工において重要な項目である、裏抜き加工方法であるのか、表抜き加工方法であるのかの記載はない。
【0086】
しかしながら、特許文献10での先行技術文献である特許文献11の記載から特許文献10は裏抜き加工であると推測される。具体的には、特許文献11の「0013」の『折曲げ時に内側となる面からの押し潰し』の記載から特許文献10は裏抜き加工であると推測される。
【0087】
裏抜き加工であると推測される特許文献10において、
特許文献10の「0009」の『特に、長く延びている段目53が長く延びている押罫部材23に対し少しでも平行でない状態で段ボール51が供給された場合、段目53には、押し潰される部分と押し潰されない部分とが生じるため、罫線52に折れ曲がり易い部分と折れ曲がりにくい部分とが生じ、罫線52が不鮮明になって、正確な折り曲げができなくなる。』の記載や、
特許文献10の「0011」の『この発明は、罫線形成用溝部材の改良により、段ボールを所定の位置で正確に折り曲げられる罫線を入れることを課題とする。』の記載から、
特許文献10は裏抜き加工において押罫部材23に対し少しでも平行でない状態で段ボール51が供給された場合に、段ボール51を所定の位置で正確に折り曲げる為の罫線形成用溝部材の発明であり、本発明、特には「180度折り畳みできるブランクシートを得るトムソン型による表抜きによる打ち抜き方法」に関して述べている本発明の請求項2とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0088】
次に、特許文献12と特許文献13と特許文献14と特許文献15について先行技術調査を行った。
【0089】
特許文献12と特許文献13と特許文献14と特許文献15のこれらの文献は本発明の出願人の先願である。
【0090】
これら特許文献12と特許文献13と特許文献14と特許文献15は1本の押罫部材と凸条を設けた面板による罫入れ方法であり、本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0091】
次に、特許文献16について先行技術調査を行った。
【0092】
特許文献16は本発明の出願人の先願である。
【0093】
特許文献16は1本の押罫部材と断面形状が台形の面板による罫入れ方法であり、本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0094】
次に、特許文献17について先行技術調査を行った。
【0095】
特許文献17は本発明の出願人の先願である。
【0096】
特許文献17は2本の押罫部材と2条の凸条を設けた面板による額縁用の罫入れ方法であり、本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0097】
次に、特許文献18について先行技術調査を行った。
【0098】
特許文献18は本発明の出願人の先願である。
【0099】
特許文献18は1本の押罫部材と凸条を設けた面板による面板による逆罫の罫入れ方法であり、本発明とは構造が違い、本発明には新規性がある。
【0100】
なお、表抜き加工方法に用いる面板の凸条や凹溝条の幅に関しての具体的な数値を記入している先行技術文献は見つからなかった。