特許第6110009号(P6110009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーメンス エナジー インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6110009-超合金構成部品の構造的ろう付け修復 図000002
  • 特許6110009-超合金構成部品の構造的ろう付け修復 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110009
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】超合金構成部品の構造的ろう付け修復
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/19 20060101AFI20170327BHJP
   C22C 19/05 20060101ALI20170327BHJP
   B23K 35/30 20060101ALI20170327BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20170327BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20170327BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20170327BHJP
   F01D 5/28 20060101ALI20170327BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20170327BHJP
   C22F 1/10 20060101ALN20170327BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20170327BHJP
   B23K 103/08 20060101ALN20170327BHJP
【FI】
   B23K1/19 J
   C22C19/05 B
   B23K35/30 310D
   B23K1/00 330P
   F01D25/00 L
   F01D25/00 X
   F02C7/00 D
   F02C7/00 C
   F01D5/28
   F01D9/02 101
   !C22F1/10 H
   !C22F1/00 621
   !C22F1/00 630M
   !C22F1/00 691B
   !C22F1/00 691A
   !C22F1/00 691C
   !C22F1/00 692Z
   !C22F1/00 693A
   !C22F1/00 692B
   B23K103:08
【請求項の数】19
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-501831(P2016-501831)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-520431(P2016-520431A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】US2014025354
(87)【国際公開番号】WO2014197060
(87)【国際公開日】20141211
【審査請求日】2015年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/782,260
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】カジム・オズバイサル
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−254544(JP,A)
【文献】 特開2012−030239(JP,A)
【文献】 特開平02−251394(JP,A)
【文献】 特開2006−341282(JP,A)
【文献】 特開2009−107020(JP,A)
【文献】 特開2011−131276(JP,A)
【文献】 特開昭64−053797(JP,A)
【文献】 特表平06−501981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00− 3/08
B23K 35/00−35/40
F01D 1/00−11/24
F01D 25/00−25/36
C22C 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボロン及びシリコンを含まないろう付け材料を超合金基材に適用するステップであって、前記ろう付け材料は前記超合金基材に存在する元素成分のみを備えるとともに、50℃以下であって、かつ前記超合金基材の溶体化熱処理温度を包含するか又はそれ未満の溶融温度範囲を有する組成をさらに備える、ステップと、
前記ろう付け材料を溶融させ、ろう付け接合部を融合させるとともに均質化させるのに効果的な、前記超合金基材の溶体化熱処理を行うステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ろう付け材料を紛体として前記超合金基材の表面の不連続部分中に適用するステップをさらに備え、それによって前記ろう付け接合部が前記不連続部分を充填することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
超合金紛体材料を前記不連続部分中に、前記ろう付け材料とともに適用するステップをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ろう付け材料紛体のメッシュサイズ範囲を、前記超合金紛体材料のメッシュサイズ範囲よりも小さく選択するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
Cr:15〜25%、Ti:15〜25%、残部Niの組成を有するろう付け材料を適用するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ろう付け材料の組成を、約1215℃の液相線温度及び10℃の溶融温度範囲を有するように選択するステップと、
前記超合金基材に、Alloy247又はRene80を選択するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
Cr:13〜16%;
Al:0〜2.5%;
Co:2〜4%;
W:3〜5%;
Mo:0〜2%;
Ta:0〜2%;
残部:Ni
の組成を有する前記ろう付け材料を適用するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
Cr:15〜18%;
Ti:10〜15%;
Al:0〜2.5%;
Co:2〜4%;
W:3〜5%;
Mo:0〜2%;
Ta:0〜2%;
残部:Ni
の組成を有するろう付け材料を呈擁するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ろう付け材料の組成を、15℃の溶融温度範囲を有するように選択するステップと、
前記超合金基材に、Alloy247又はRene80を選択するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Cr:15〜19%;
Ti:8〜10%;
Al:0〜2.5%;
Co:14〜18%;
Mo:12〜16%;
残部:Ni
の組成を有する前記ろう付け材料を提供するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
超合金ガスタービン部品を機器から取り外すステップと、
前記部品の表面の不連続部分に、ボロン及びシリコンを含まないろう付け材料を適用するステップであって、前記ろう付け材料が50℃以下の溶融温度範囲を有する、ステップと、
前記ろう付け材料を溶融し、ろう付け接合部を均質化するのに効果的な温度管理で前記部品を熱処理するステップであって、それによって前記不連続部分を修復するステップと、
を備える方法。
【請求項12】
前記ろう付け材料を、20℃以下の溶融温度範囲を有するクロム、チタン、及びニッケルの三元組成となるように選択するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ろう付け材料を、20℃以下の溶融温度範囲を有するように選択するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ろう付け材料を、15℃以下の溶融温度範囲を有するように選択するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ろう付け材料を、10℃以下の溶融温度範囲を有するように選択するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記部品はRene80又はAlloy247超合金材料を備える請求項11に記載の方法であって、
前記ろう付け材料を、1215℃以下の液相線温度を有し、20℃以下の溶融温度範囲を有するように選択するステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記ろう付け材料を適用するステップの前に、前記不連続部分の近傍の前記部品の表面を洗浄するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
Cr:15〜25%、Ti:15〜25%、残部:Niの組成を有する前記ろう付け材料を適用するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
Cr:20%、Ti:20%、Ni:60%の組成を有する前記ろう付け材料を適用するステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願日が2013年3月14日である米国仮出願第61/782260号の利益を主張する。この出願は、2012年6月13日に出願された米国特許出願第13/495223号の継続出願であり、米国特許出願第13/495223号は出願日が2011年11月3日の米国仮出願第61/555113号の利益を主張している。
【0002】
本発明は一般的に材料技術の分野に関し、より具体的には、超合金材料のろう付けプロセスによる修復に関する。
【背景技術】
【0003】
超合金材料の修復は、その溶接凝固割れ及び歪時効割れのしやすさによって困難であることが知られている。「超合金」との用語は、それが当業において一般的に使用されているように、すなわち優れた機械的強度と耐高温クリープ性を示す高度に耐腐食性及び耐酸化性の合金としてここで使用されている(http://en.wikipedia.org/wiki/Superalloy参照)。超合金は、典型的には高いニッケル又はコバルト含有量を有する。超合金の例としては、Hastelloyとの商標及びブランド名の下で売られている合金、Inconel合金(例えば、IN738、IN792、IN939)、Rene合金(例えばReneN5、Rene80、Rene142)、Haynes合金、MarM、CM247、CM247LC、C263、718、X−750、ECY768、ECY282、X45、PWA1483及びCMSX(例えばCMSX−4)単結晶合金が挙げられる。
【0004】
ろう付けプロセスは、いくつかの用途において超合金を修復するために使用される。ろう付け接合部は溶接接合部より機械的に弱く、比較的低いろう付け材料の融点による低い作業可能温度を有すると一般的には理解されているが、ろう付け修復は、所定の低応力及び/又は低温の用途では許容されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0159645号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
融点降下材料としてボロン又は珪素を使用する典型的なろう付け材料は、それらが接合部及び修復された領域の延性を減少させる有害な相を生成するので、超合金基板材料にはそれほど価値がない。ボロン及び珪素を含まない、ハフニウム及び/又はジルコニウムを組み込んだろう付け合金が開発され、ベースの超合金特性の80%までの機械特性が権利を請求された。しかし、そのような材料はろう付け接合部に炭化物を形成しやすい。したがって、超合金材料のろう付けにおけるさらなる改良が望まれている。
【0007】
本発明は、図面を考慮した以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ガスタービンのベーンの側断面図であり、大きなギャップ状不連続部分がろう付けによって修復されている。
図2】ガスタービンのベーンの側断面図であり、狭いギャップ状不連続部分がろう付けによって修復されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者は、2012年5月9日に出願された同時継続の米国特許出願第13/467402号及び2012年6月13日に出願された米国特許出願第13/495223号に開示されているものを含む、融点低下材料としてチタンを使用する、ボロン及び珪素を有さないろう付け合金を発明した。超合金基板の修復のために特に有益な、ボロン及び珪素を含まないさらなるろう付け合金がここに開示され、これらろう付け合金は、従来技術のハフニウムベースのろう付け合金と比べて低下した融点範囲を有利に有する合金を含んでいる。開示されるろう付け組成の実施形態は、修復される超合金に存在する元素のみを含むように選択され、それによってろう付け接合部の均質化は超合金材料のマトリックスの中にいかなる異なる元素をも導入することはない。本合金は、修復される基板材料の特性に十分に近い(例えばその80%以上の)機械特性を有するろう付け接合部を提供し、それによって修復は構造的修復とみなすことができ、部品の比較的応力が高い領域に使用することができる。
【0010】
本発明者は、ろう付け三元合金及びろう付け多成分合金を開発し、これら合金はそれぞれ、10℃以下の、又は他の実施形態では15℃以下、若しくは20℃以下、若しくは50℃以下の(従来技術において凝固点範囲とも称される)溶融温度範囲を示す。本明細書で使用される「溶融温度範囲」との用語は、(物質の100%が液体である)液相線温度と、(物質の100%が固体である)固相線温度との差分を意味する。典型的な既知のハフニウムベースのろう付け合金は、実質的に広い溶融温度範囲を示す((70℃(126F)以上〜176℃(317F)の溶融温度範囲を有する合金を開示する特許文献1の表2を参照)。本発明者は、彼の合金の狭い溶融温度範囲が、その合金を超合金基材のろう付けに使用するときに、溶体化熱処理中に部品の修復を容易化することを見出した。狭い溶融温度範囲は、ろう付け材料の流動性の改良された制御を提供し、結果的にろう付け材料の流動の前の溶剤、水、及び有機物のより完全な排出、ろう付け材料内への排出ガスの減少した捕獲傾向、改善された基材のクラックの伝播及び充填された合金粉末粒子間の空隙、並びに流動の減少した時間による基材材料の少ない浸食をもたらす。
【0011】
ろう付け合金が本明細書に開示され、これらろう付け合金は特に、例えばそのプラットフォーム若しくはエアフォイル部分に経年割れが見つかったガスタービンのエンジンブレード又はベーンを修復する際に、特にRene80超合金材料を含む超合金を修復するための使用に有用である。Rene80の部品は、1235℃で溶体化熱処理することができるAlloy247のような他の合金より低い、1215℃で溶体化熱処理することができるので、特定の挑戦を提起する。以下に開示される合金は、ろう付けを達成し、溶体化熱処理中にろう付け接合部を熔融するとともに均質化するために、部品の特定の超合金材料のために管理された(regiment)溶体化熱処理温度と協働するように合わせることができる液相線温度及び固相線温度、並びに溶融温度範囲を有するように形成することができる。そのようなろう付け材料は、対象である特定の超合金基材材料のための溶体化熱処理温度(すなわち、管理中に使用される最大保持温度)を含む、又は下回る溶融温度範囲を有するように選択することができる。ろう付け接合部の均質化及び凝固は、好都合なことに超合金の基材材料には存在しなかった新しい元素成分を超合金の基材材料中に導入することがない。
【0012】
そのような用途のための三元合金は、以下の範囲内の組成:
・Cr:15〜25%
・Ti:15〜25%
・残部Ni
を有することができる(ここに開示されるすべての組成は重量%で示される)。このグループ内の特定のろう付け合金は、以下の組成、Cr:16.3%、Ti:21.2%、残部Ni又はCr:17.2%、Ti:20.9%、残部Niを有することができる。これら特定のろう付け合金の組成は、約1205℃の固相線温度と約1215℃の液相線温度を示し、したがって溶融温度範囲はたった10℃である。このように、それらは、Alloy247又は Rene80にろう付けされる際に特に有用である場合がある。このグループ内の他のろう付け合金は、以下の組成、Cr:20%、Ti:20%、Ni:60%を有する。
【0013】
他のろう付け合金は、以下の範囲内の組成:
・Cr:12〜16%
・Ti:13〜16%
・Al:0〜2.5%
・Co:2〜4%
・W:3〜5%
・Mo:0〜2%
・Ta:0〜2%
・残部Ni
を有することができる。このグループ内の特定のろう付け合金は、以下の組成、Cr:14.1%、Ti:14%、Al:2.1%、Co:3.1%、W:4.1%、Mo:1%、Ta:1%、残部Niを有することができる。この特定のろう付け合金の組成は、Alloy247にろう付けする際に特に有用である場合がある。
【0014】
他のろう付け合金は、以下の範囲内の組成
・Cr:15〜18%
・Ti:10〜15%
・Al:0〜2.5%
・Co:2〜4%
・W:3〜5%
・Mo:0〜2%
・Ta:0〜2%
・残部Ni
を有することができる。このグループ内の特定のろう付け合金は、以下の組成、Cr:17.57%、Ti:13.54%、Al:2.39%、Co:3.24%、W:3.47%、Mo:1.15%、Ta:0.83%、残部Niを有することができる。この特定のろう付け合金は、約1205℃の固相線温度と約1220℃の液相線温度を示し、したがって溶融温度範囲はたった15℃である。このように、この合金は、Alloy247又はRene80にろう付けする際に特に有用である場合がある。
【0015】
別のろう付け合金は、以下の範囲内の組成:
・Cr:15〜19%;
・Ti:8〜10%;
・Al:0〜2.5%;
・Co:14〜18%;
・Mo:12〜16%;
・残部Ni
を有することができる。このグループ内の特定のろう付け合金は、以下の組成、Cr:15.12%、Ti:10%、Al:2.12%、Co:15.8%、Mo:12.97%、残部Niを有することができる。この特定のろう付け合金は、約1205℃の固相線温度と約1223℃の液相線温度を示し、したがって溶融温度範囲はたった18℃である。このように、この合金は、Alloy247又はIN939にろう付けする際に特に有用である場合がある。
【0016】
そのような合金のろう付け接合部を均質化するのに有効な典型的な溶体化熱処理は、
‐アセンブリを1472F(800℃)まで毎分15〜30Fで加熱する
‐1472Fで20分間、保持する
‐2125F(1163℃)まで毎分15〜30Fで加熱する
‐2125Fで20分間保持する
‐2192〜2282F(1200〜1250℃)まで毎分1〜30F(0.6〜16.6℃)で加熱する
‐2192〜2282Fで2〜12時間保持する
‐2120〜2192F(1160〜1200℃)まで炉冷する
‐2120〜2192Fで、20分まで保持する
‐室温までアルゴン冷却する
の様にすることができる。
【0017】
上述した合金を使用する修復プロセスが図1に示されており、そこでは超合金基材材料12から形成されたガスタービンエンジンベーン10が、その表面16から基材材料12の中に延びる経年的不連続部分14を有している。この実施形態では、不連続部分14は、表面16における0.001インチより大きな開口部を有する大きなギャップ割れとして図示されている。いずれかの既知のプロセスを使用して洗浄された後、割れ14は、超合金粒子20及びろう付け材料粒子22からなる混合物を含有するような、合金含有粉18で充填される。合金含有粉18中のろう付け粒子22は、粉18の5〜50重量%を構成することができる。別の実施形態では、合金含有粉18は、超合金粒子20のみであってもよい。ろう付け材料粒子22のメッシュサイズの範囲は、好ましくは超合金粒子20(例えば−120メッシュ/+2ミクロン)より小さく(例えば−325メッシュ/+2ミクロン)、それによって不連続部分14の改良された充填を提供する。ろう付け材料粒子22の層は、合金含有粉18の上に配置されて、ろう付けプロセス中の不連続部分の完全な充填を確実にする。基材材料12の溶体化熱処理中、ろう付け材料粒子22は溶融し、不連続部分を充填し、同時に超合金粒子20が一緒に焼結する。ベースの超合金中におけるより高い濃度でろう付け材料に含有されるチタン又は他の元素が次いで、周囲の超合金材料の中に拡散して、均質な固体接合部を達成する。好都合に、ろう付け材料22は、ろう付けされる基材12に含まれない元素は含まず、したがって超合金材料中に新しい元素は導入されず、均質な接合部の組成は、基材材料12に非常に似通っており、したがって構造的接合部を提供する。ろう付け材料の非常に狭い溶融温度範囲と、続く減少した流動時間もまた、ろう付け作業中の基材材料12の浸食を制限する。
【0018】
図2は基材材料12のまた別の領域を図示しており、そこでは狭いギャップ状の不連続部分24(0.001インチ未満)がろう付け材料粒子22のみを使用して修復されている。ろう付け材料22が溶体化熱処理中に不連続部分に流れ込み、充填することから、不連続部分24の幅がわずかであるので、図1におけるように超合金粒子20で不連続部分を充填する必要はない。
【0019】
他の実施形態において、ここに開示されているろう付け合金は箔又は金属線として形成することができ、いずれかの既知のプロセスで適用することができる。複数の不連続部分を含む超合金材料の表面の修復は、(広い開口部のために必要に応じて)任意に不連続部分を超合金粒子で充填し、次いで開示されたチタンベースのろう付け合金のうちの1つの箔が表面上に配置された状態で超合金の熱処理を行い、ろう付け材料を溶融させて不連続部分に流入させ、超合金粒子の周りを充填し、次いで溶融温度元素が基材12中に拡散するにつれて均質化し、凝固することによって達成することができる。
【0020】
本発明の様々な実施形態が示され、ここに説明されてきたが、そのような実施形態は例示の方法によってのみ提供されていることは明らかであろう。多くの変形及び置換をここで記載した本発明から乖離することなく行うことができる。
【符号の説明】
【0021】
10 ガスタービンエンジンベーン
12 超合金基材材料
14 不連続部分、割れ
16 表面
18 合金含有粉
20 超合金粒子
22 ろう付け材料粒子
24 不連続部分
図1
図2