【実施例】
【0023】
以下に実施例を挙げて、本願発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本願発明を何ら限定するものではない。
【0024】
(実施例1〜15および比較例1〜11)口紅
表1〜表3に示す処方および下記に示す製造方法により、口紅を製造した。得られた各試料について、官能評価により、4℃における塗布時のなめらかさ、40℃における塗布時の崩れのなさを評価した。また、形状が崩れる温度は下記測定方法により測定を行った。これらの結果も併せて、表1〜表3に記載した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
*1:Lipwax A−4(日本ナチュラルプロダクツ社製;融点94℃〜96℃)
*2:PH−1555 HRI COSMETIC FLUID(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
*3:パールリーム 24(日本油脂社製)
*4:出光ポリブテン2000H(食添グレード)(出光興産社製)
*5:パールリーム EX(日本油脂社製)
*6:コスモール43V(日清オイリオグループ社製)
*7:オゾケライトワックス SP−1020P(Strahl&Pitsch INC.社製;融点73℃ 〜76℃)
*8:HNP−9(日本精蝋社製;融点74℃ 〜77℃)
*9:精製カルナウバワックス No.1(セラリカ野田社製;融点80℃ 〜86℃)
*10:KF−96A−10cs(10mm
2/s)(信越化学工業株式会社製)
*11:CARNATION(SONNEBORN.IMC.社製)
【0029】
(製造方法)
A〜Cを95〜100℃にて加熱混合し、脱泡後、95〜100℃で特許第4177864号記載の容器に充填し、室温で冷却固化して口紅を得た。
【0030】
(評価)
1.官能評価
(1)4℃における塗布時のなめらかな使用感、(2)40℃における塗布時の崩れのなさについて、専門パネル10名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(評価方法)
10名の官能検査パネルにより、各試料を口唇に塗布し、下記評価項目について、パネル各人が絶対評価にて7段階に評価し、各試料のパネル全員の評点の平均値から4段階判定基準により判定した。
(評価項目)
(1)4℃における塗布時のなめらかな使用感
(2)40℃における塗布時の崩れのなさ
(絶対評価)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(判定基準)
(評点平均値) (判定)
5点を超える :非常に優れる:◎
3点を超えて5点以下:優れる :○
1点を超えて3点以下:劣る :△
1点以下 :非常に劣る :×
【0031】
2.口紅の形状が崩れる温度の測定
(3)形状が崩れる温度の測定については、温・湿度調節器(株式会社東洋製作所製 AGX−325型)を用い、40℃から66℃まで30分毎に2℃ずつ上げ、形状が崩れる温度を測定した。
【0032】
表1において、ポリエチレンワックスの含有量が4%以上のとき、40℃において塗布時に崩れがなく、また、60℃以上の高温でも形状を維持できることが示された。ポリエチレンワックスの含有量が4%より少ないと、40℃において塗布時に崩れが生じ、また、60℃よりも低い温度で形状が崩れる。8%より多くなると、4℃において、塗布時のなめらかな使用感が失われる。
【0033】
表2において、フェニル変性シリコーンの含有量が10%以上のとき、40℃において塗布時に崩れがなく、また、60℃以上の高温でも形状を維持できることが示された。フェニル変性シリコーンの含有量が10%より少ないと、40℃において塗布時に崩れが生じ、また、60℃よりも低い温度で形状が崩れる。フェニル変性シリコーンの含有量が50%より多くなると、4℃において、塗布時のなめらかな使用感が失われる。
さらに、重質流動イソパラフィンおよび/またはポリブテンの含有量が10%以上のとき、40℃において塗布時に崩れがなく、また、60℃以上の高温でも形状を維持できることが示された。重質流動イソパラフィンおよび/またはポリブテンの含有量が10%より少ないと、40℃において塗布時に崩れが生じ、また、60℃よりも低い温度で形状が崩れる。重質流動イソパラフィンおよび/またはポリブテンの含有量が50%より多くなると、4℃において、塗布時のなめらかな使用感が失われる。
【0034】
表3において、ポリエチレンワックスの代わりに他のワックスを使用すると、4℃における塗布時のなめらかな使用感が失われ、40℃において塗布時に崩れが生じ、また、60℃よりも低い温度で形状が崩れる。
また、フェニル変性シリコーンの代わりにジメチルポリシロキサンを使用すると、口紅が分離し調製できない。
さらに、重質流動イソパラフィンおよび/またはポリブテンの代わりに流動イソパラフィンや流動パラフィンを使用すると、40℃において塗布時に崩れが生じ、また、60℃よりも低い温度で形状が崩れる。
【0035】
実施例16:日焼け止めリップリーム(金皿成型)
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス*12 7
2.フェニル変性シリコーン*13 25
3.重質流動イソパラフィン*14 30
4.スクワラン 10
5.リンゴ酸ジイソステアリル*15 10
6.トリイソステアリン酸ジグリセリル*6 残量
7.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル*16 7
8.香料 0.05
*12:PERFORMALE 500(ニューフェーズテクノロジー社製)
*13:KF−56A(信越化学工業株式会社製)
*14:パールリーム 18(日本油脂社製)
*15:コスモール 222(日清オイリオグループ社製)
*16:ノムコートTAB(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
成分1〜8を95〜100℃にて加熱混合し、脱泡後、95〜100℃で金皿(アルミニウム製)に充填し、冷却固化して日焼け止めリップクリームを得た。
【0036】
実施例16について、実施例1〜15で使用した評価方法と同様に評価を行った結果、低温でもなめらかに塗布出来、かつ高温でも塗布する際に崩れない、さらには60℃のような高温であっても形状を維持することが出来る温度変化に対する経時安定性に優れた日焼け止めリップリームであった。
【0037】
実施例17:口紅(ガラス成型)
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス*1 5.5
2.マイクロクリスタリンワックス*17 1
3.フェニル変性シリコーン*2 10
4.フェニル変性シリコーン*18 15
5.重質流動イソパラフィン*14 20
6.重質流動イソパラフィン*19 5
7.スクワラン 10
8.イソノナン酸イソトリデシル*20 15
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル*6 残量
10.ベンガラ被覆雲母チタン 8
11.赤色202 0.2
12.黄色4号 0.1
13.シリカ*21 1
14.香料 0.1
*17:MULTIWAX W 445(SONNEBORN.IMC.社製)
*18:SH556(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)
*19:パールリーム 46(日本油脂社製)
*20:KAK 139(高級アルコール工業社製)
*21:絲粒子シリカ P−1500(日揮触媒化成社製)
(製造方法)
成分1〜13を95〜100℃にて加熱混合し、脱泡後、95〜100℃でガラスジャー容器に充填し、冷却固化して口紅を得た。
【0038】
実施例17について、実施例1〜15で使用した評価方法と同様に評価を行った結果、低温でもなめらかに塗布出来、かつ高温でも塗布する際に崩れない、さらには60℃のような高温であっても形状を維持することが出来る温度変化に対する経時安定性に優れた口紅であった。
【0039】
実施例18:リップグロス(ポリエチレン容器成型)
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス*22 4.5
2.パルミチン酸デキストリン 0.3
3.フェニル変性シリコーン*13 20
4.重質流動イソパラフィン*14 35
5.ポリブテン*23 10
6.ワセリン 5
7.スクワラン 5
8.リンゴ酸ジイソステアリル*15 10
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル*6 残量
10.香料 0.05
*22:PERFORMALE 655(ニューフェーズテクノロジー社製)
*23:出光ポリブテン 300H(出光興産社製)
(製造方法)
成分1〜10を95〜100℃にて加熱混合し、脱泡後、95〜100℃でポリエチレン容器に充填し、冷却固化してリップグロスを得た。
【0040】
実施例18について、実施例1〜15で使用した評価方法と同様に評価を行った結果、低温でもなめらかに塗布出来、かつ高温でも塗布する際に崩れない、さらには60℃のような高温であっても形状を維持することが出来る温度変化に対する経時安定性に優れたリップグロスであった。
【0041】
実施例19:リップ下地(金皿成型)
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス*1 8
2.パラフィン*8 0.5
3.フェニル変性シリコーン*13 20
4.重質流動イソパラフィン*14 20
5.流動パラフィン*11 残量
6.リンゴ酸ジイソステアリル*15 10
7.イソノナン酸イソトリデシル*20 20
8.ジメチルシリル化シリカ*24 1
9.赤色202 0.1
10.黄色4号 0.2
11.酸化チタン 0.1
12.黒色酸化鉄 0.01
13.香料 0.05
*24: AEROSIL R976(日本アエロジル社製)
(製造方法)
成分1〜13を95〜100℃にて加熱混合し、脱泡後、95〜100℃で金皿容器に充填し、冷却固化してリップ下地を得た。
【0042】
実施例19について、実施例1〜15で使用した評価方法と同様に評価を行った結果、
低温でもなめらかに塗布出来、かつ高温でも塗布する際に崩れない、さらには60℃のような高温であっても形状を維持することが出来る温度変化に対する経時安定性に優れたリップ下地であった。