(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のフェルールは、1000nmより小さい公差を有するように、前記圧印鍛造で形成されることを特徴とする請求項1に記載のオプティカルカップリングの製造方法。
前記第2のフェルールとスリーブ(150)は、前記第1の半フェルールと前記第2の半フェルールとが前記スリーブによって締め付けられるような形状寸法に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のオプティカルカップリングの製造方法。
前記第2のフェルールは、該第2のフェルールの端面に対して面一になる端部を有する光ファイバ(10)を支持するように、少なくとも一つの孔(190)を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のオプティカルカップリングの製造方法。
前記スリーブ(150)は、前記第2のフェルールを受け入れる形状寸法を有し、前記第2のフェルールを超えて延在する端部を有し、前記第2のフェルールと、前記第1のフェルールに対して前記第2のフェルールによって支持された光ファイバとを整列することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のオプティカルカップリングの製造方法。
【背景技術】
【0003】
光ファイバをベースとした通信チャンネルは、高性能かつ小型であるので、多くの国防分野及び商業分野において選択されるシステムである。特に光ファイバは、都市間及び大陸間通信スパンの様な長距離使用において、実使用されている、というのは電気−光−電気(E−O−E)変換部品、ファイバ増幅器、及びファイバケーブルが、E−O−Eを必要としない同軸銅線ケーブルを使用する純粋な電気システムに比べて低コストであるからである。これらの長距離ファイバシステムは、数百キロメータの端末間ファイバを有することがある。
【0004】
より短い距離のシステムは典型的には数十キロメータの端末間ファイバを有するだけであり、そして非常に短い距離(VSR)システムは、数十メータの端末間ファイバを有するのみである。主要都市圏、道路及び前提領域における電気通信及びデータ通信用のファイバリンクは長距離リンクに比較して短いが、その数が非常に多い。このタイプの使用のためにファイバを配設するのに必要とされる部品数は多い。この短距離システムにおいて、ファイバ光学部品の実使用は、E−O−E端末変換デバイス及び支持回路、並びに全ての能受動オプトエレクトロニクスデバイス及び端末側終端間連絡装置のコストの影響を非常に受け易い。結果として、オプトエレクトロニクス能受動組立体、部分組立体及び部品を短距離及びVSRシステムに実使用するには、それらの平均販売価格を下げなければならない。平均販売価格を下げることは、高速製造技術への投資を正当化するために必要な生産量への興味を刺激する助けとなる。
【0005】
能動及び受動両方のファイバ部品及びコネクタ化されたケーブルのコストの重要な要素は、ファイバコネクタそれ自体である。フェルール及びそれらを整列させるための関連手段(例えば、単一ファイバ接続用割スリーブ、マルチファイバ接続用グランドピン)は、通常のファイバコネクタのコストを左右している。整列部品は通常、能受動デバイスにファイバを整列させるためと、分解可能のコネクタ連結及び永久接続のために2本のファイバを整列させるためとに必要とされる。ファイバの研磨された二端部を高精度に整列することは、ファイバリンクの全光学損失がシステム用の特定光学コネクタ損失予測値以下になることを保証するために必要である。単一モードの電気通信級ファイバにとって、これは1000nmより小さいコネクタファイバ整列公差に対応する。数ギガビット級で作動する平行ファイバリンク及び単一ファイバリンク双方のコネクタは、サブミクロン精度で製作された子部品を用いて組み立てられなければならない。そのような高精密度レベルで部品を製造することが全く骨の折れることではないように経済的な最終製品を得るためには、完全自動化の超高速プロセスで製作しなければならない。
【0006】
現在のコネクタは基本構造において20年以上に亘って変更がなかった。フェルール、割スリーブ及び溝の基本構造は1970年代に遡る。従来型フェルールは、円筒体の軸に中心孔を持つ中実円筒であり、その孔に典型的には直径0.125mmのファイバが挿入されて固定される。円筒体の外径は一般的に2.5mmであり、その長さは一般的に10mmである。ほとんどの部分について、今日の市場にある製品は、これらと同じ構造を組み入れているが、異なる材料から製作されかつ異なる製作方法で作られる。単一ファイバ対ファイバ製品にとって、フェルールは一般的に機械加工して形成された金属ブランク又はジルコニアセラミックから作られている。多工程プロセスにおいて、ジルコニアブランクは大体の寸法に成型され、それからブランクは機械加工され、そして所望の大きさ及び公差に研磨加工される。マルチファイバ製品に対しては、フェルールは一般的にシリカ球が含有された熱硬化プラスチックから作られる。シリカ球により、純プラスチックよりもシリカファイバに近いプラスチック−ガラス複合材料系の熱膨張係数が得られる。現在のファイバコネクタは、製作コストが余りに高いことは一般に認められている。ファイバ光学部品が短距離及びVSR製品用に選択される通信手段であろうとするならばファイバコネクタの製作コストは低減しなければならない。
【0007】
プレス加工処理は、低コストでの大量生産部品の製作方法としてうまく使われてきた。プレス加工は、金属細片の様な被加工材を型装置の間でプレスして所定の形状又はパターンにする製造法である。型装置は切断、成形(例えば、穿孔、引き抜き、曲げ、フランジ形成及び縁付け)及び鍛造(例えば、圧印加工)等のような種々のプレス加工操作を被加工材に施すことができる。一般に成形は被加工材の厚さを実質的に変えないプレス加工操作と言われ、一方、鍛造は被加工材の厚さを実質的に変えるプレス加工操作と言われる。成型されたジルコニアブランク又はシリコン含有の成型熱硬化プラスチックを機械加工する工法に比較して、プレス加工は比較的高速の工法である。
【0008】
しかしながら、プレス加工処理は、オプトエレクトロニクス部品のために許容される公差を持つ部品を製作するには効果的ではなかった。バリート(Balliet)らの特許文献1は、光ファイバコネクタを対象としている。バリート特許は、コネクタ部品のあるものは圧印即ちプレス加工処理で製作できることを慣用の態様で記載している(例えば、第3コラム、第20−21行及び第55−57行)。しかしながら、バリート特許は、そのようなプレス加工処理を実施可能とする開示を提供しておらず、単に1000nm内で部品を製作するプレス加工処理を実施可能とする開示をしているに過ぎない。
【0009】
2003年7月15日に出願され、引用により全体がここに組み入れられている「高公差部品を製作するためのプレス加工装置」と題する継続中の本出願人による米国特許出願[出願番号は未入手]において、オプトエレクトロニクス組立体、部分組立体及び部品の様な1000nm内の公差を持つ部品をプレス加工する装置と方法とを記載している。
図1は、1,000nm未満の公差を持つオプトエレクトロニクス部品をプレス加工する装置10を示す略図である。プレス加工装置10は、プレス20、1基又は連続のプレス加工ステーション25及びインターフェース装置35を、一部として有している。各プレス加工ステーション25は、被加工材に特定のプレス加工操作を行うためのパンチ及びダイのような工具、一連の測定及び/又は工具保護のためのセンサ、及び溶接機のような他の装置を持つこともある。プレス加工ステーション25は、緊密な公差でダイに実質的に整列してパンチを案内する新しい構成を有している。更にプレス加工ステーション25はパンチをダイへ案内するときに、支持構造物に含まれる可動部材の数を最小にするように構成されている。プレス20は、一連のプレス加工ステーション25に動力を供給する。インターフェース装置35は、プレス20の力をパンチに連結することを容易にするが、パンチからプレス20を構造的に取り外すことを容易にする。インターフェース装置35は更に、一つのステーションの操作が他のステーションの操作に影響しないように各プレス加工ステーションの隔離を可能とする。
【0010】
この高精密プレス加工処理は、1,000nmの「6シグマ」の幾何公差域を持つ部品を製作することができる。統計的には、このことは100万個当たり多くて3個又は4個の部品が1,000nmの公差域で規定される寸法要求を満たさないことを意味している。正規分布に対して、6シグマ工法を達成するために、完全プロセスの標準偏差は、処理の平均が一定であるとして、83nm[(1000nm/2)/6=83nm]以下でなければならない。実際には、処理平均の移動を吸収するためにゆとりが与えられなければならない。±1.5シグマの処理平均移動が吸収される場合には、最大標準偏差は67nm[(1000nm/2)/7.5=67nm]に減少する。再び、通常の統計を前提にして、n個の精度段を持つ多段処理においてこれを達成するためには、n段の各々はシグマ/n^0.5を持たなければならない。そうして、もしこの例でn=4であれば、そのときは(各段当たり)シグマは33nm以下となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】1000nm未満の公差を持つオプトエレクトロニクス部品をプレス加工する装置を示す略図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図3】
図2に示されたオプトエレクトロニクス組立体の分解図である。
【
図4】
図3に示されたファイバを支持するフェルールのような光ファイバ支持フェルールの後方斜視図である。
【
図5】
図3に示されたファイバを支持するフェルールのような光ファイバ支持フェルールの前方斜視図である。
【
図6】
図4及び
図5に示されたフェルール及びファイバの分解図である。
【
図7】
図6に示された半フェルールのような半フェルールの斜視図である。
【
図9a】
図3の9−9線に沿う割スリーブの断面図である。
【
図9b】
図3に示された割スリーブの断面図であり、被加工材から最終の割スリーブ形状へ成形されていく割スリーブを示している。
【
図9c】
図3に示された割スリーブの断面図であり、被加工材から最終の割スリーブ形状へ成形されていく割スリーブを示している。
【
図9d】
図3に示された割スリーブの断面図であり、被加工材から最終の割スリーブ形状へ成形されていく割スリーブを示している。
【
図9e】
図3に示された割スリーブの断面図であり、被加工材から最終の割スリーブ形状へ成形されていく割スリーブを示している。
【
図10】
図4及び
図5に示されたフェルールを鍛造するための「2−アップ形状のストリップ配置」構造である。
【
図11】本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図12】
図11に示されたオプトエレクトロニクス組立体の分解図である。
【
図14】
図13に示された半フェルールのような半フェルールの斜視図である。
【
図16】
図12に示されたフェルールを鍛造するための「2−アップ形状のストリップ配置」構造である。
【
図17】本発明のもう一つの実施形態によるマルチファイバのオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図18】割スリーブを持たないオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図19】
図18に示された対のフェルールの一方の斜視図である。
【
図20】
図19に示されたフェルール及びファイバの分解図である。
【
図21】
図20に示された半フェルールのような半フェルールの斜視図である。
【
図22】本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図23】
図22に示されたオプトエレクトロニクス組立体の分解図である。
【
図24】本発明のもう一つの実施形態によるフェルール支持の星形フェルールの斜視図である。
【
図26】本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図27】
図26に示された27−27線に沿うオプトエレクトロニクス組立体の断面図である。
【
図28】成形されかつ止め溶接された星形フェルールを製作するための「ストリップ配置」構造を示している。
【
図29】二本の光ファイバを支持する星形フェルールの斜視図である。
【
図31】本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図32】ファイバを支持するフェルールの斜視図である。
【
図35】本発明のもう一つの実施形態によるファイバ支持の中空フェルールの斜視図である。
【
図38】本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体の斜視図である。
【
図39】
図38に示されたフェルール及び締め付け部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の性質及び利点、並びに好適な実施形態をより完全に理解するために、添付の図面に関連する以下の詳細な説明が参照される。以下の図面において同一の参照符号は、全図に亘って同一又は類似の部品を示す。
【0020】
本発明を、図面に関連する種々の実施形態に関して以下に説明する。本発明は、本発明の目的を達成するための最良の形態の見地から説明されているが、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、これらの教示を考慮して複数の変更をなすことが出来ることは当業者に理解されるであろう。
【0021】
本発明は、光ファイバを整列させて相互に接続するための高精密光ファイバコネクタを指向している。光ファイバコネクタは、相互接続のために光ファイバを支持して精密に整列させる高精密部品を含んでいる。光ファイバコネクタの部品は、1000nmより小さい公差の部品を製作することのできる高速プレス加工装置及び方法により製作できるように構成される。本発明の原理を図示しかつ制限しないことを目的として、フェルール及び割スリーブのようなオプトエレクトロニクス部品を指向した実施形態に関連づけて、本発明を説明する。
【0022】
完全半円形の半フェルール
図2は本発明の一実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体100の斜視図である。
図3は
図2に示されたオプトエレクトロニクス組立体100の分解図である。オプトエレクトロニクス組立体100は、光ファイバ110及び120と、一対の同一の精密フェルール130及び140と、精密割スリーブ150とを有する。光ファイバ110及び120は、単一モード又はマルチモードファイバのような当該技術分野において良く知られた何れのタイプの光ファイバとすることができる。更に、光ファイバ110及び120は特定の必要性に応じて、例えば0.125mmの様な任意の外径を持つことができる。
【0023】
フェルール130及び140は、光ファイバ110及び120の相互結合を容易にするために光ファイバ110及び120の端部をそれぞれ固定的に支持する。
図4及び
図5は、
図3に示されたファイバ120を支持するフェルール140のような光ファイバ支持フェルールの後部及び前部の斜視図である。フェルール140は、長さLを持つ略中実の一様円筒形状本体145、前側表面160及び後側表面170、並びに円弧形の接触外周面180を有している。フェルール140は更に、フェルール本体145の長さLに沿って貫通している貫通孔190を有する。貫通孔190は、光ファイバ120の外径をぴったりと受け入れるような寸法形状となっている。光ファイバ120の端部200がフェルール140の前側表面160と実質的に同一面となって端と端がそろうように(
図5に示されるように)、光ファイバ120は貫通孔190の中に受け入れられている。前側表面160は実質的に平坦である。前側表面160の面は、貫通孔190の長手軸線に対して予め定められた角度で方向付けすることができる。このことは、それぞれ良好なファイバ対ファイバ接続を可能とし、ファイバ内への光の戻り反射を低減する。しかしながら、前側表面は、選択的に非平坦(図示しない)にすることができることを当業者は認識できよう。
【0024】
図6は、
図4及び
図5に示されたフェルール140及びファイバ120の分解図である。フェルール本体145は、二つの同一の半フェルール210及び220を有する。
図7は、例えば、
図6に示された半フェルール220のような半フェルールの斜視図である。半フェルール220は、完全な半円形端部断面と平坦な表面230を有している。二つの半フェルール210及び220は、それらの平坦表面230で組み合わされる。光ファイバ120の端部200をぴったりと受け入れるために、半フェルール220の長さに沿って延在する溝240が平坦表面230に形成される。溝240は、その全長に亘って一様な形状を有している。溝240は、(
図7に示されるような)半円形溝、(図示しない)V溝、又は、ファイバの外径をぴったりと受け入れることのできる他の任意の溝形状とすることができる。二つの半フェルールが付け合わせられると、二つの半フェルール210及び220の溝240はフェルール140の貫通孔190を形成する。溝は、選択的に、長さに沿って一様で無い形状を有することができる。例えば、溝は、半フェルールが組み合わされたときに、溝が円錐端部を有する貫通孔を形成するような形状を有することができる。これにより、ファイバがより容易に孔の中に挿入されてフェルールに固定されることができる。
【0025】
半フェルール220は、平坦表面230の縁に沿って形成されて二つの半フェルール210及び220の組み合せを容易にする複数の切欠250を有している。半フェルール220は、(
図7に示されているように)平坦表面230の長さに沿って延在する両側縁232及び233に、側縁232及び233の一方に(図示されていない)、或いは側縁234及び235の一方又は両方に(図示されていない)、切欠250を有することができる。切欠250は、(
図7に示されるように)半フェルール220の略全長に亘って延在し、或いはその半フェルール220の長さの一部に沿って延在する(図示されていない)ことができる。
図8は
図5に示されたフェルール140の端面図である。二つの半フェルール210及び220が平坦表面230に沿って組み合わされると、半フェルール210及び220の切欠250は、フェルール140の円弧形外周表面180上に凹み260を形成する。以下により十分に説明されるように、半フェルール210及び220は凹み260に沿って互いに取り付けられる。例えば、半フェルール210及び220は、凹み260に沿って溶接されることができる。凹み260は、溶接材料が凹み260内に留まって、ファイバ120の整列に影響を及ぼす可能性がある円弧形外周表面180上への突出を起こさないような十分な深さを有している。選択的に、半フェルール210及び220を付け合わせるために接着材料を使用することができる。
【0026】
図4及び
図5の実施形態において、フェルール140の寸法は、端部断面直径を2.5mm又は1.25mmとし、長さを10mmとすることができる。しかしながら、この寸法は例示であり、他の寸法とすることも可能であると理解される。
【0027】
図3に戻って参照すると、オプトエレクトロニクス組立体100は割スリーブ150を有する。
図9aは、
図3の9−9線に沿って切られた割スリーブ150の断面図である。割スリーブ150は、長さlと、フェルール130及び140の外径よりも僅かに小さい内径dと、内表面265を有する実質的に中空の円筒形状とを有している。例えば、フェルールが約2.499±0.0005mmの外径を有すると、割スリーブ150は約2.493+0.004−0.000mmの内径dを有することができる。割スリーブ150は、全長lに亘って延在する割れ目270を有する。割れ目270により、割スリーブ150の内径dがフェルール210及び220の大きい径を吸収するように拡大することができる。
【0028】
割スリーブ150は、光ファイバ110及び120の端部200の相互整列を容易にする。ファイバ110及び120をそれぞれ支持するフェルール130及び140は、割スリーブ150の両端280及び290を通して挿入される。割スリーブ150の内径dは、フェルール130及び140の大きい外径を受け入れるために割れ目270により僅かに拡がる。フェルール130及び140が割スリーブ150内に挿入されると、割スリーブ150は、フェルール130、140の円弧形外周表面180を締め付ける。フェルール130及び140が互いに向かって動くときに、割スリーブ150の内表面265は、ファイバ110及び120の端部が互いに接するまでフェルール130及び140を一緒に案内する。フェルール130及び140が割スリーブ150内で一旦相互整列すると、ファイバ110及び120の端部200は更に互いにぴったりと当接し、従ってファイバ110及び120を一体的に結合する。
【0029】
フェルール130及び140の外形形状は、本出願人の係続中米国特許出願[出願番号未入手]に記載されたプレス加工処理のような1000nm未満の公差を持つ部品を製作できるプレス加工処理によって、これらフェルールが製作されて組み立てられることを可能とする。
【0030】
フェルール130及び140は、鍛造処理のような種々の処理により製作することができる。
図10は、
図4及び
図5に示されたフェルール140を鍛造するための「2−アップ構造のストリップ配置」構造である。連続体は例えば9個のダイステーションS1−S9を含んでいる。ストリップ配置構造により示されるように、二つの半フェルール210及び220は、例えばステーションS1−S4において、同時に「2−アップ」構造に単一シートの貯蔵材料から一度に製作することができる。前後面表面160、170及び円弧形外周表面180はこれらのステーションで鍛造される。ステーションS5のようなもう一つのステーションにおいて、溝240が半フェルール210、220の平坦表面230上に鍛造される。半フェルール210、220は更に、二個の半フェルール210、220を組み合わせるための切欠250を備えている。二個の半フェルール210、220は、ステーションS9でのレーザ溶接に備えてステーションS6−S8において組み合わされて光ファイバに整列される。半フェルール210、220は更に、光ファイバ無しで溶接することができる。この場合、ファイバは後で挿入される。ロフィン会社(Rofin Inc.)製造のスターウェルド(Starweld)20型溶接機は、レーザパルスが溶接部に供給されるレーザ溶接機の例である。レーザ溶接作業を行うに加えて、このレーザ装置は、ファイバから被覆を引き剥がしたり、ファイバ端部を適切に準備するために使用することができる。二個の半フェルール210、220が凹み260で溶接結合されると、フェルール140は光ファイバの端部をしっかりとかつ精密に位置決めする。
【0031】
割スリーブ150は成形プロセスにより製作することができる。割スリーブ150は、四個の切断ステーションと五個乃至六個の成形ステーションを含む連続体で成形することができる。
図9b乃至
図9eは、被加工材152から最終的な割スリーブ形状へ成形される割スリーブを示す割スリーブ150の断面図である。
図9bに示されるように、割スリーブの成形は、単一の平らな被加工材152から始まる。平らな被加工材152はそれから、(
図9b乃至
図9dに示される)成形ステーションにおいて順次成形されて
図9eに示される最終的な割スリーブ形状にされる。
【0032】
フェルール130、140及び割スリーブ150は、今日の分野に存在する従来型フェルールに遡及適合できるように構成される。上述したように、従来型フェルールは、円形端部断面を有する円筒形状を有している。フェルール130、140は、フェルール130、140により支持された光ファイバと従来型フェルールにより支持されたファイバとの結合を容易化する円形端部断面を有する。割スリーブ150は、従来型フェルールのような円筒形状を有するフェルールを受け入れるようになっている。フェルール130、140は、この遡及適合特性を有しないで構成できると理解される。このように、フェルール130、140及びフェルール150は、例えば正方形又は矩形(図示しない)の様な他の端部断面を有することができる。
【0033】
部分半円形の半フェルール
図7の実施形態において、半フェルール220は、完全な半円形端部断面を有している。半フェルールは、例えば部分半円形端部断面のような別の形状を有するように構成することができる。
図11は、本発明の他の実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体400の斜視図である。
図12は、
図11に示されたオプトエレクトロニクス組立体400の分解図である。オプトエレクトロニクス組立体400は、光ファイバ410、420、一対のフェルール430、440及び割スリーブ450を有する。
【0034】
各フェルール430、440は略一様な柱状本体442を有し、これは長さL、前後面表面470、475、円弧形の接触外周表面480及び本体442の長さLを貫通して延びる貫通孔490を具備している。
図13は、
図12に示されたフェルール440の前面表面470を示す端面図である。孔490は、例えば、光ファイバ420の外径をぴったりと受け入れるような形状寸法となっている。
【0035】
フェルール本体442は、互いに付け合わされる二個の同一の半フェルール510、520を含んでいる。
図14は、
図13に示された半フェルール520のような半フェルールの斜視図である。半フェルール520は部分半円形の端部断面を有し、ここでは半フェルール520は、平坦表面530、535及び円弧形外周表面536、537を有している。二個の半フェルール510、520は、その平坦表面530で組み合わされる。光ファイバ420をぴったりと受け入れるために半フェルール520の長さに沿って延びる溝540が平坦表面530上に形成されている。溝540はその全長に亘って、一様な形状を持っている。二個の半フェルール510、520が付け合わされると、二個の半フェルール510、520の溝540が、フェルール440の孔490を形成する。溝は選択的に一様で無い形状をその長さに亘って有することができる。例えば、溝は、半フェルールが組み合わされると溝が円錐状端部を持つ孔を形成するような形状を有することができる。これにより、ファイバはより容易に孔の中に挿入されてフェルールに固定することができる。
【0036】
半フェルール520は、二個の半フェルール510、520の組立を容易化する切欠550を平坦表面530の縁に沿って形成されて有している。半フェルール520は、(
図14に示されているように)平坦表面530の長さに沿って延在する両側縁531、532に、平坦表面の側縁531、532の一方に(図示されていない)、或いは端部側縁533、534の一方又は双方に(図示されていない)切欠550を有することができる。切欠550は、(
図14に示されるように)半フェルール520の全長に略沿って延在することができ、又は半フェルールの長さの一部のみに沿って(図示されていない)延在することができる。二個の半フェルール510、520がその平坦表面530で組み合わされると、半フェルール510、520の切欠550は、フェルール440の円弧形外周表面480上に凹み560を形成する。
【0037】
図12に示された実施形態において、フェルール430、440の寸法は、端部断面の直径を2.5mm又は1.25mmに、そして長さを10mmとすることができる。しかしながら、その寸法は例示のためだけのものであり、他の寸法も可能であると理解される。
【0038】
オプトエレクトロニクス組立体400は割スリーブ450を有し、これはフェルール430、440の外径よりも僅かに小さい内径と、内表面565と、割スリーブ450の内径が拡大してフェルール430、440のより大きい外径の収容を可能とする割れ目570とを具えている。
【0039】
割スリーブ450は、光ファイバ410、420の端部の相互整列を容易にする。フェルール430、440が割スリーブ450内に挿入されると、割スリーブ450はフェルール430、440の円弧形外周表面480を締め付ける。
図11に示されるように、フェルール430、440は割スリーブ450の内径を完全には満たしていない。しかしながら、フェルール430、440の円弧形外周表面480は、光ファイバ410、420を一緒に案内するために割スリーブ450の内表面565との接触を維持する。円筒形状を持つフェルールと比較すると、部分半円形の半フェルール510、520の構造は、割スリーブ450の内表面565とのフェルール430、440の少ない接触を可能とする。従って、割スリーブ450の内表面565の不完全性がフェルール430、440の案内に対して及ぼす影響は最小化される。
【0040】
完全円筒形状を持つ従来型フェルールと比較すると、半フェルール510、520の部分半円形状は、各部品を作るに必要な材料が少ない。それ故、フェルール430、440の製造は材料コストが低くなる。更に、部分半円形構造は適切に形成されてかつ適当な形状の割スリーブに嵌り合うと、一次元又は二次元配列で密に詰め込まれた一群のファイバの詰め込み密度における利点を生み出す。
図15は、詰め込みフェルール列600の端面図である。フェルール列600は、例えば、三個のフェルール610、620、630を有している。フェルール610、620、630は、光ファイバ612、622、632をそれぞれ支持している。平坦表面535により、フェルール610、620、630、それにより、光ファイバ612、622、632が緊密に詰め込まれる。割スリーブ640は、緊密詰め込みフェルール610、620、630を受け入れる形状寸法となっている。
【0041】
更に、フェルール430、440の形状により、これらの部品が鍛造プロセスにより製作できるようになっている。
図16は、
図12に示されたフェルール440を鍛造するための「2−アップ形状のストリップ配置」構造である。連続体は、例えば、九個のダイステーションS1−S9を有している。ストリップ配置により示されているように、二個の半フェルール510、520は例えばステーションS1−S4において、単一シートの貯蔵材料から、同時に「2−アップ」構造に製作することができる。前後面表面470、475及び円弧形外周表面480は、これらのステーションで鍛造形成される。例えば、ステーションS5のようなもう一つのステーションにおいて、溝540が半フェルール510、520の平坦表面530上に鍛造形成される。半フェルール510、520は更に、二個の半フェルール510、520を組み合わせるための切欠550を備えている。二個の半フェルール510、520は、ステーションS9におけるレーザ溶接に備えて、ステーションS6−S8において組み合わされて光ファイバに整列される。半フェルール510、520は更に、光ファイバ無しで溶接することができる。この場合、ファイバは後で挿入される。二個の半フェルール510、520が凹み560で溶接結合されると、フェルール440は、光ファイバの端部をしっかりとかつ精密に位置決めする。
【0042】
フェルール430、440及び割スリーブ450は、今日の分野に存在する従来型フェルールに遡及適合できるように構成される。上述したように、従来型フェルールは、円形端部断面を有する円筒形状を有している。フェルール430、440は、フェルール430、440により支持された光ファイバと従来型フェルールにより支持されたファイバとの結合を容易化する部分円形端部断面を有する。割スリーブ450は、例えば、従来型フェルールのような円筒形状を有するフェルールを受け入れるようになっている。フェルール430、440はこの遡及適合特性を有しないで構成できると理解される。このように、フェルール430、440及びフェルール450は、例えば正方形又は矩形(図示されていない)の様な他の端部断面を持つことができる。
【0043】
マルチファイバフェルール
図4及び
図12に示されたフェルールの実施形態は、単一のファイバを整列するために構成されている。フェルールは、複数のファイバを支持して整列するように構成することもできる。
図17は本発明のもう一つの実施形態によるマルチファイバオプトエレクトロニクス組立体700の斜視図である。例えば、オプトエレクトロニクス組立体700は二本のファイバ710、712を支持して、ファイバ720、722に対して整列させる。しかしながら、オプトエレクトロニクス組立体700は、任意の数の光ファイバを支持するように構成することができる。オプトエレクトロニクス組立体700は割スリーブ750を有している。
図18は、割スリーブ750の無いオプトエレクトロニクス組立体700の斜視図である。オプトエレクトロニクス組立体700は一対のフェルール730、740を有する。フェルール730、740は、光ファイバの相互結合を容易化するために光ファイバ710、712、720、722の端部をそれぞれ固定的に支持する。
【0044】
図19は、一対のフェルールの一方、例えばフェルール730の斜視図である。フェルール730は二本のファイバ710、712を支持することができる。フェルール730は略一様な柱状本体732を有するが、これは前面表面760と、光ファイバ710、712の外径をぴったりと受け入れる寸法形状となっている二個の孔790、792とを有している。
【0045】
図20は、
図19に示されたフェルール730及びファイバ710、712の分解図である。フェルール本体732は、二個の同一の半フェルール810、820を有する。
図21は、
図20に示された半フェルール820のような半フェルールの斜視図である。半フェルール820は平坦表面830を有する。溝840、845は、光ファイバ710、712の端部をぴったりと受け入れるために平坦表面830に形成される。溝840、845は、その全長に亘って一様な形状を持っている。二個の半フェルール810、820が付け合わされると、二個の半フェルール810、820の溝840、845はフェルール730の孔790、792を形成する。溝は、選択的に、その長さに沿って一様でない形状を持つことができる。例えば、溝は、半フェルールが組み合わされたときに溝が円錐端部を持つ孔を形成するような形状を有することができる。こうして、ファイバは孔の中に容易に挿入されてフェルールに固定されることができる。
【0046】
半フェルール820は、二個の半フェルール810、820の相互整列を容易にする切欠850を平坦表面830の縁に沿って形成されて有する。二個の半フェルール810、820がその平坦表面830で組み合わされると、半フェルール810、820の切欠850は、フェルール730の表面に凹み860(
図19に図示されている)を形成する。以下により完全に説明されるように、半フェルール810、820は凹み860に沿って付け合わされる。例えば、半フェルール810、820は凹み860に沿って溶接結合することができる。凹み860は、溶接材料が凹み860の中に留まり、フェルール730の表面から上方に突き出さないような十分な深さを持っている。
【0047】
オプトエレクトロニクス組立体700は、フェルール730、740、それにより、光ファイバを相互に整列するための案内ピン755を有することがある。半フェルール820は、案内ピン755をぴったりと受け入れるために平坦表面830に形成された溝870を有する。半フェルール810、820が付け合わされると、溝870がピン孔875を形成する。ピン孔875は、案内ピン755をぴったりと受け入れるような寸法になっている。案内ピン755は、案内ピン755がフェルール730の前面表面760から延出するようにフェルール730のピン孔875内に嵌着される。フェルール730の前面760から延出する案内ピン755の部分は、フェルール740のピン孔875内に嵌め込まれる。案内ピン755は、フェルール730をフェルール740に対して案内して整列し、それにより、ファイバ710、712をファイバ720、722に対して案内して整列する。
【0048】
ピン孔875と案内ピン755により、フェルール730、740はこの分野に存在する従来型のマルチファイバフェルールとの係合適合性を具える。フェルール730、740が、ピン孔875及び案内ピン755無しで構成できることを当業者は認識される。
【0049】
選択的に、オプトエレクトロニクス組立体700は、光ファイバ710、712の端部をファイバ720、722の端部に整列するのを容易にするために割スリーブ750を有することがある。さらにもう一つの選択的な実施形態において、フェルールは、光ファイバの整列を容易にするための整列溝を有することができる。
図22は本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体900の斜視図である。
図23は、
図22に示されたオプトエレクトロニクス組立体900の分解図である。オプトエレクトロニクス組立体900は、複数の光ファイバアレー914、915を支持する一対のマルチファイバフェルール920、930と割スリーブ910とを有している。フェルール920、930は付け合わされた同一の半フェルール940、950を有する。整列溝960は、半フェルール940、950の外表面に形成されている。整列溝960は、V溝、或いは他の形状の溝とすることができる。溝960は、例えば鍛造プロセスにより形成することができる。割スリーブ910は、フェルール920、930の溝960内に受け入れられる形状寸法の相補突起990を有する。V溝を持つフェルール920、930について、突起990は、溝960のV溝に嵌り合うようにV形となっている。フェルール920、930が割スリーブ910に挿入されると、突起990は溝960に嵌り込む。突起990は一対のフェルール920、930、それにより、光ファイバ列914、915を一緒に案内する。フェルール920、930の整列溝960と割スリーブ910の嵌め合い突起990とは、案内ピンの必要性を無くす。それ故、フェルールは、より小さく、そして必要とする製造材料を少なくして構成することができる。
【0050】
図19及び
図23に示されたマルチファイバフェルールの形状により、フェルールは鍛造プロセスで製作することができる。本出願人の係属出願[出願番号未入手]は、マルチファイバフェルールを製作するためのパンチ(図示されていない)を開示している。パンチは、光ファイバを受け入れる溝840、845と、案内ピンを受け入れる溝とを鍛造により形成することができる。この特別のパンチを使用して鍛造形成されたファイバ溝840、845の頂点の位置の公差は、表面830と平行方向で±160nmであり、表面830と垂直方向で±190nmである。
【0051】
星形フェルール
オプトエレクトロニクス組立体の部品は成形プロセスにより製作することができる。
図24は、本発明のもう一つの実施形態によるファイバ1010を支持する星形フェルール1000の斜視図である。フェルール1000は略一様な柱形状の本体1012を有し、これは長さLと三個の突出部又は突起部1020、1025、1030を有するが、二個のみを含む任意の数の突起部を持つように構成することもできる。
図25は、
図24に示された星形フェルールの端面図である。フェルール本体1012の中心で、孔1040が本体1012の長さLに沿って延在している。孔1040は、ファイバ1010の外径をぴったりと受け入れる寸法となっている。突出部1020、1025、1030は、孔1040から延出している。フェルール1000の寸法は、断面直径を2.5mm又は1.25mmとし、長さを10mmとすることができる。しかしながら、その寸法は例として示されただけであり、他の寸法も可能であると解される。
【0052】
フェルール1000は、低損失のファイバ対ファイバ接続を実現するに必要なサブミクロンの公差で割スリーブの内側に精密に嵌り合うように構成される。
図26は、本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体1050の斜視図である。
図27は、
図26に示された27−27線に沿って切られたオプトエレクトロニクス組立体の断面図である。オプトエレクトロニクス組立体1050は、割スリーブ1060と星形フェルール1000とを有する。星形フェルール1000が割スリーブ1060の内部に挿入されると、フェルールの突起部1020、1025、1030が割スリーブ1060の内表面に接触する。星形フェルール1000は、割スリーブ1060の内径を完全には充たさない。しかしながら、フェルール1000の突起部1020、1025、1030は、対のフェルール1000、それにより、光ファイバを相互に案内するために、割スリーブ1060の内側表面との接触を維持する。円筒形状を持つフェルールと比較すると、星形フェルール1000の構造は、割スリーブ450の内側表面との接触を小さくすることができる。従って、割スリーブの内表面の不完全性がフェルール1000の案内へ及ぼす影響は最小化される。更に、星形フェルール1000の構造は、各フェルールを製作するための必要材料を少なくする。それ故、フェルール1000の製造は、材料コストを少なくすることができる。
【0053】
上述したように、星形フェルール1000は成形処理により製作することができる。
図28は、成形法で製作されて止め溶接された星形フェルール1000を製作するための「ストリップ配置」構造を図示している。連続体は、例えば、10個のステーション、S1−S10を有し、進行は右から左である。フェルール1000の星形形状は例えばステーションS1−S8で形成される。ファイバ(図示しない)は、フェルール1000の孔1040内へ押し入れることができる。フェルール1000は、ステーションS10でぴったりと止め溶接される。上述した成形処理は、例えば、鍛造処理よりも材料に作用する応力が小さい。
【0054】
図24に示された星形フェルール1000の実施形態は、一本の光ファイバ1010を支持している。選択的な実施形態において、星形フェルールは複数の光ファイバを支持するように構成することができる。
図29は、二本の光ファイバ1110、1120を支持する星形フェルール1100の斜視図である。
図30は
図29に示されたマルチファイバ用星形フェルール1100の端面図である。フェルール1100は、ファイバ1110、1120の外径を受け入れる寸法になっている二個の孔1130、1140を有する。フェルール1100は更に、突出部又は突起部1150、1155、1160、1170を有している。フェルール1100が付随の割スリーブ(点線1172で概略示されている)の中に挿入されると、突起部1150、1155、1160、1170は割スリーブ1172の内表面に接触する。このマルチファイバ用星形フェルール1100は、単一ファイバ用星形フェルール1000のために上述したものと同様の成形プロセスにより製作できるが、ここでフェルール1100の形状は一以上のプレス加工ステーションにおいて成形され、かつ止め溶接で閉じられる。
【0055】
鍛造成形されたファイバフェルール
オプトエレクトロニクス組立体の部品は、鍛造プロセスと成形プロセスとの組合せで製作できる。
図31は、本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体1200の斜視図である。オプトエレクトロニクス組立体1200は、割スリーブ1210、光ファイバ1220、1230、及び一対の同一フェルールを有する。
図32はファイバ1220を支持するフェルール1240の斜視図である。
図33は、
図32に示されたフェルール1240の端面図である。フェルール1240は、略一様な柱形状本体1242と、本体1242を貫通して形成されファイバ1220をぴったりと受け入れる大きさの孔1245とを有している。フェルール本体1242は、付け合わされた二個の同一の半フェルール1250,1260を有している。
図34は
図32及び
図33で示された半フェルール1260の斜視図である。半フェルール1260は、(
図34に示されているような)開放ループ状の端部断面を持ち、或いは選択的に閉鎖ループ状の端部断面(図示されていない)を持つことができる。半フェルール1260は平坦表面1270を持ち、そこに溝1280が形成される。溝1280は、ファイバ1220をぴったりと受け入れる形状寸法となっている。溝1280は、例えば圧印加工プロセスにより形成することができる。半フェルール1260は更に、成形プロセスにより形成できる円弧形の接触外周表面1290を持っている。フェルール1240が割スリーブ1210に挿入されると、円弧形外周表面1290は割スリーブ1210の内表面に接触する。このフェルール構造は、「2−アップ」として製作され、レーザ溶接法を使用して組み立てることができる。
図32及び
図33に示されるように、二個の半フェルール1250、1260は、その平坦表面1270で付け(溶接)合わされる。
【0056】
更にオプトエレクトロニクス組立体の部品は別々に鍛造され及び成形された部品から組み立てることができる。
図35は、本発明のもう一つの実施形態によるファイバ1410を支持する中空フェルール1400の斜視図である。中空フェルール1400は略一様の円筒形状本体1412と、本体1412を貫通して形成されファイバ1410をぴったり受け入れる大きさの孔1415とを有する。中空フェルール本体1412は、二個の同一の中空半フェルール1420、1430を有する。
図36は、
図35に示された半フェルール1430の斜視図である。
図37は、
図35に示されたフェルール1400の分解図である。半フェルール1420、1430の各々は、(
図37に示されるように)平面状でも或いはドーム状でも良い端部キャップ1440、本体胴1450、及び平坦表面1470を備えた本体板1460を有する。ファイバ1410をぴったりと受け入れる大きさの溝1480が平坦表面1470上に形成される。端部キャップ1440と本体板1460は鍛造プロセスにより製作できる。溝1480は鍛造プロセスにより形成することができる。本体胴1450は成形プロセスにより製作できる。半フェルール1420、1430は、端部キャップ1440、胴1450及び本体板1460を(
図36に示されている)完成品に組み立てて溶接することにより製作できる。それから、二個のフェルール半体1420、1430は本体板1460に沿って組み立てることができる。二個の半フェルール1420、1430が付け合わされると、溝1480は孔1415を形成する。フェルール1400は中空円筒形状を持っているので、そのフェルールを作るに必要とされる材料は、中実円筒形状を持つ従来型フェルールの製造に比べて少なくなる。
【0057】
締め付け部材付きフェルール
図38は本発明のもう一つの実施形態によるオプトエレクトロニクス組立体1500の斜視図である。オプトエレクトロニクス組立体1500は、フェルール1510、締め付け部材1520、ファイバ強度部材1530及び光ファイバ1540を有する。
図39は
図38に示されたフェルール1510及び締め付け部材1520の斜視図である。フェルール1510は、
図4、
図12、
図18、
図24、
図29、
図32及び
図35に示された形状を持つことができる。フェルール1510は締め付け部材1520に取り付けられている。フェルールは締め付け部材に取り付けられる分離構造体とすることができ、或いはフェルールと締め付け部材は単一構造体とすることもできる。締め付け部材1520は、スリット1560を持つ円筒形スリーブ1550を有する。締め付け部材1520は、ファイバ強度部材1530の外径を受け入れて固定的に保持するようになっている。ファイバ強度部材1530はファイバ1540を支持して保護し、フェルール1510へのファイバ1540の組付けを容易にする。ファイバ強度部材は、例えば、ケブラー(Kevlar)繊維材料から作ることができる。締め付け部材1550のスリット1560により、スリーブ1550の外径が拡がってファイバ強度部材1530を受け入れ、そして収縮してファイバ強度部材1530を締め付けることができる。フェルール1510は、別のフェルール1510、スリーブを使用した前述の任意の実施形態、又はスリーブを使用する従来型フェルールに連結することができる。
【0058】
本発明が、好適な実施形態に関連づけて詳しく示されかつ説明されてきたが、本発明の精神、範囲及び教示から逸脱することなく形態及び詳細において種々の変更が可能であることが当業者により理解されよう。例えば、半フェルールは同一の半体である必要はないが、二個の半フェルールの組合せを容易にする相補面を有している。更に、オプトエレクトロニクス組立体は同一のフェルールを持つ必要はない。むしろ、本発明のオプトエレクトロニクス組立体は、従来型フェルールに遡及適合でき、そのためオプトエレクトロニクス組立体は、本発明のフェルールと相補の従来型フェルールとを有することができる。従って、開示された発明は単に例示として考えるべきものであり、添付された請求項に規定されているようにのみ範囲が制限される。